JP2009122057A - 計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
被計測物の位置を高精度に計測する計測装置を提供する。
【解決手段】
本発明の計測装置は、被計測物の位置を表す複数の信号を用いて被計測物の位置を計測する計測装置100であって、複数の信号のそれぞれを既知の値と比較することによって歪み係数を演算する歪み係数演算装置11と、歪み係数を用いて複数の信号を補正することにより複数の補正信号を生成する歪み補正部2と、歪み補正部2にて生成された複数の補正信号の二乗和平方根を算出する二乗和平方根演算装置3と、複数の補正信号のそれぞれを二乗和平方根で除すことにより複数の第一の正規化信号を生成する第一の正規化手段と、第一の正規化手段にて算出された複数の第一の正規化信号に基づいて、被計測物の位置を算出する位相演算装置6とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は計測装置に係り、特に、被計測物の位置の変化に対応して位相が変化する信号に基づき、被計測物の位置を高精度に計測する計測装置に関する。
従来から、被計測物の位置又は角度を検出する検出装置として、エンコーダ、レゾルバ、レーザ干渉計などの検出装置が工業的に広く用いられている。これらの検出装置は、被計測物の位置又は角度の変化に対応して位相が変化する複数の信号を出力する。
検出装置には、サイン、コサインに対応する二相信号を出力するものもあれば、これらの反転信号も出力するものもある。また、互いに位相が120°異なる三相信号を出力する検出装置も存在する。
これらの信号を用いて微細な位置情報又は角度情報を求める手段として、アナログ信号であるそれぞれの信号をデジタル変換し、デジタル演算装置(計測装置)によりアークタンジェント演算又はこれに相当する演算処理を行う方法が広く利用されている。
今日では、14乃至16ビットの分解能を持つアナログ/デジタル変換器を容易に入手することができる。これらのアナログ/デジタル変換器を用いれば、デジタル演算により、信号1周期を数万以上に分割する位相情報を得ることが可能である。
しかしながら、検出装置の出力する信号はアナログ信号である。このため、温度変化や経時変化により、それぞれの信号のゼロ点、振幅、及び信号間の位相差には、理想状態に対する誤差(歪み)が生じる。一般に、信号1周期を数百分割以上する検出装置においては、これらの歪みが無視できない。また、検出装置は、供給される電力又は光ビームによって動作しており、ノイズによる電力又は光ビームの強度変化も無視できない。
信号に含まれる歪み成分を除去する技術は、古くから知られている。例えば、米国特許第4,458,322号は、光学エンコーダの出力するサイン、コサイン信号をデジタル的に処理してオフセット(ゼロ点)誤差と振幅誤差を除去する技術を提案している。また、日本特許2,790,863号、2,893,340号、2,839,340号、2,839,341号及び米国特許第5,581,488号は、ゼロ点、振幅の誤差以外に、位相誤差及び高調波歪みによる誤差を除去する技術を提案している。
米国特許第4,458,322号 日本特許第2,790,863号 日本特許第2,893,340号 日本特許第2,839,340号 日本特許第2,839,341号 米国特許第5,581,488号
しかしながら、上記文献はいずれも、検出装置の出力する信号そのものを用いて歪みの原因となる誤差係数を算出している。このため、信号に含まれる種々の誤差が信号に重畳的に作用し、検出装置の出力信号を複雑に変形する。その結果、高い精度で歪み成分の含有量を推定することは困難であり、計測される位相には大きな誤差が含まれていた。
また、検出装置の出力する信号には、歪み成分以外に、電源ラインに重畳される電気的ノイズや、光学的な検出装置においては光源の強度変化なども無視できない。電気的ノイズや光源の強度変化なども、計測される位相に含まれる誤差の要因となっていた。
本発明は、被計測物の位置を高精度に計測する計測装置を提供する。
本発明の計測装置のうち代表的な一つは、被計測物の位置を表す複数の信号を用いて被計測物の位置を計測する計測装置であって、前記複数の信号のそれぞれを既知の値と比較することによって歪み係数を演算する歪み係数演算装置と、前記歪み係数を用いて前記複数の信号を補正することにより複数の補正信号を生成する歪み補正部と、前記歪み補正部にて生成された前記複数の補正信号の二乗和平方根を算出する二乗和平方根演算装置と、前記複数の補正信号のそれぞれを前記二乗和平方根で除すことにより複数の第一の正規化信号を生成する第一の正規化手段と、前記第一の正規化手段にて算出された前記複数の第一の正規化信号に基づいて、前記被計測物の位置を算出する位相演算装置とを有する。
本発明によれば、被計測物の位置又は角度を高精度に計測する計測装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(エンコーダ200の構成)
まず、検出装置の一例として用いられるエンコーダ200の構成を説明する。図9は、エンコーダ200の概略図である。
エンコーダ200は、光学式のリニアエンコーダであり、被計測物の直線的な機械変位量を測定するものである。エンコーダ200は、可動スケール90、固定スケール120、発光素子(発光ダイオード)140、及び、受光素子(フォトダイオード)150からなる。
可動スケール90は、被計測物とともに直線的に移動可能に構成されている。一方、固定スケール120は固定されている。エンコーダ200は、発光素子140と受光素子150の間に可動スケール90及び固定スケール120を配置した構成となっている。可動スケール90には、移動した距離を計測するために、一定幅のスリット100が設けられている。
固定スケール120は、可動スケール90に対向して配置されており、同一ピッチの固定スリット130を有する。固定スケール120の右半分と左半分は、位相が90°異なる位置、すなわちスケールピッチの1/4だけ異なる位置に開口が設けられている。固定スケール120の裏面、すなわち可動スケール90が配置されている側の面とは反対の面には、受光素子150が設けられている。受光素子150は、固定スケールの右半分と左半分の位置に対応する二つの受光部を有し、それぞれ、互いに位相が90°異なるコサイン信号及びサイン信号を出力する。
可動スケール90の裏面、すなわち固定スケール120が配置されている側の面とは反対の面には、発光素子140が設けられている。被計測物の変位長さを計測するため、発光素子140は常時点灯する。発光素子140の光は、可動スケール90が移動することにより、透過又は遮断する。
上述のように得られたコサイン信号及びサイン信号は、計測装置へ供給され、被計測物の位置又は角度が計測される。
(レーザ干渉計300の構成)
次に、本実施例の検出装置として用いられるレーザ干渉計300の構成を説明する。図10(a)はレーザ干渉計300の側面図、図10(b)はレーザ干渉計300の正面図である。
レーザ干渉計300には、高可干渉性のシングルモード半導体レーザLD(半導体レーザLD)として、レーザ波長λが安定な0.85μmの面発光(VCSEL)レーザが用いられる。半導体レーザLDからの光束は、コリメータレンズCOL1によりコリメート光(平行光)になる。そして、レンズLNS1にハーフミラーNBSを介し、レンズLNS2の焦点面の位置P1に集光照明する。
位置P1からの光束を、レンズLNS2より、光軸がわずかに斜めの平行光束を射出させる。また、偏光ビームスプリッタ(光分割手段)PBSを用い、偏光成分において2光束に分離する。偏光ビームスプリッタPBSからの反射光(S偏光)を参照ミラー(参照面)M1に入射させ、偏光ビームスプリッタPBSからの透過光(P偏光)を被測定対象面としての測定(ミラー(測定面))M2に入射させる。
そして、それぞれの反射光を、偏光ビームスプリッタPBSを介して合成し、レンズLNS2の焦点面の位置P2に集光照明し、その近傍に設けられた反射膜M0により、元の光路に戻す。位置P2からの反射光は、レンズLNS2より平行光束として射出させ、偏光ビームスプリッタPBSにて2光束に分離し、反射光(S偏光)で参照ミラーM1を照明し、透過光(P偏光)で被測定面(ミラー)M2を照明する。
それぞれの反射光は、偏光ビームスプリッタPBSを介して、レンズLNS2の焦点面の位置P1を集光照明する。
そこから光源側に光束を取り出す。(S偏光は、参照面M1とビームスプリッタPBSの間を2往復し、P偏光は、被測定面M2とビームスプリッタPBSの間を2往復する)。これらの光束は、非偏光ビームスプリッタ(ハーフミラー)NBSにより、受光系側に取り出し、1/4波長板QWPを透過させて、位相差の変化に応じて偏光方位回転する直線偏光に変換する。
この光束を集光レンズCON、アパーチャーAPを介してビーム分割素子GBSにて3光束に分割する。この3光束は、互いに60°ずつ透過軸をずらして配置した偏光素子アレイ3CH−POLに入射する。偏光素子アレイ3CH−POLを通過した光は、3分割受光素子PDAの受光部に入射する。これにより、被測定対象面(ミラー)M2の面外変位に基づく位相が120度ずつずれたそれぞれ3つの干渉信号UVWが検出される。検出された干渉信号UVWは、信号処理装置SPC(計測装置)に入力される。
(計測装置100の構成)
次に、エンコーダ200やレーザ干渉計300などの検出装置から出力される信号に基づいて、被計測物の位置又は角度を計測する計測装置を説明する。
図1は、本発明の一例としての計測装置100のブロック図である。計測装置100は、レーザ干渉計300などの検出装置20から出力される三相信号(U相信号、V相信号、W相信号)に基づいて、被計測物の位置又は角度を演算する。なお、本実施例の計測装置100は三相信号が入力されるように構成されているが、エンコーダ200など二相信号(コサイン信号、サイン信号)を出力する検出装置にも適用することができる。
検出装置20から出力されたU相信号、V相信号、及び、W相信号(三相信号)は、それぞれ、独立した3つのアナログ/デジタル変換器1−1、1−2、1−3に入力される。検出装置20から出力された三相信号(入力信号)はアナログ信号であり、これらの入力信号は、アナログ/デジタル変換器1−1、1−2、1−3によりデジタル信号に変換される。アナログ/デジタル変換器1−1、1−2、1−3では、それぞれ他の信号の和の1/2を差し引くことで同相ノイズを除去するとともに、各デジタル信号の平均のゼロ点が数値0になるように合わせる。
アナログ/デジタル変換器1−1、1−2、1−3から出力されたデジタル信号は、歪み補正部2−1、2−2、2−3に入力される。歪み補正部2−1、2−2、2−3は、入力信号のゼロ点、振幅、及び、位相差の補正を行う。この補正により、入力信号のゼロ点誤差、振幅誤差、及び、位相差誤差は除去される。このように、歪み補正部2−1、2−2、2−3は、歪み係数(誤差係数)を用いて複数の信号を補正することにより複数の補正信号を生成する。
図2は、歪み補正部2−1、2−2、2−3のブロック図である。
歪み補正部2−1、2−2、2−3では、アナログ/デジタル変換器1−1、1−2、1−3から出力されたデジタル信号(U、V、W)に振幅誤差係数Gu、Gv、Gwを積算して、信号U・Gu、V・Gv、W・Gwを算出する。また、信号U、V、Wから信号U・Gu、V・Gv、W・Gwを減じた信号U(1−Gu)、V(1−Gv)、W(1−Gw)を算出する。これらの信号をそれぞれU’、V’、W’とする。
また、歪み補正部2−1、2−2、2−3は、それぞれ、他の2つの歪み補正部のうち一方における信号から他方における信号を減算する(W’−V’、U’−W’、V’−U’)。減算した値に位相誤差係数Ku、Kv、Kwを積算して、信号Ku(W’−V’)、Kv(U’−W’)、Kw(V’−U’)を算出する。歪み補正部2−1、2−2、2−3は、信号U’、V’、W’から信号Ku(W’−V’)、Kv(U’−W’)、Kw(V’−U’)をそれぞれ減算する。このとき算出した信号をそれぞれU’’、V’’、W’’とする。
また、歪み補正部2−1、2−2、2−3は、補正信号の二乗和平方根の信号1周期にわたる平均値Aをゼロ点誤差係数Zu、Zv、Zwに積算して、信号A・Zu、A・Zv、A・Zwを算出する。なお、ゼロ点誤差係数Zu、Zv、Zwは、振幅が正規化された信号に対して算出された誤差係数である。歪み補正部2−1、2−2、2−3は、信号U’’、V’’、W’’から信号A・Zu、A・Zv、A・Zwをそれぞれ減算し、補正信号U’’’、V’’’、W’’’を生成する。
なお、振幅誤差係数Gu、Gv、Gw、位相誤差係数Ku、Kv、Kw、及び、ゼロ点誤差係数Zu、Zv、Zwは、複数の信号のそれぞれの歪み係数(誤差係数)を演算する歪み係数演算装置11から供給される。
歪み補正部2−1、2−2、2−3にて生成されたそれぞれの補正信号U’’’、V’’’、W’’’は、二乗和平方根演算装置3に入力される。二乗和平方根演算装置3は、入力されたそれぞれの補正信号U’’’、V’’’、W’’’の二乗和平方根√(U’’’+V’’’+W’’’)を算出する。二乗和平方根演算装置3は、補正信号全体としての振幅を演算することになる。
互いに位相角が120°異なる三相信号の二乗和は、振幅が1の場合、1.5となる。このため、演算結果を1.5の平方根で除算することにより、二乗和平方根と振幅とを対応させる。二相信号を出力するエンコーダ200などの検出装置を用いる場合には、二乗和平方根をそのまま採用することができる。
なお、本実施例では、理解を容易にするため、正規化信号は0±1の範囲で振動する正弦波であるとして説明している。しかし、実際の計測装置において、正規化信号は符号付二進数で表現され、その振幅を任意に設定することが可能である。したがって、特に、三相信号を処理する計測装置20においては、演算処理が簡素化されるように、正規化信号の振幅を選択することも可能である。
除算器4は、二乗和平方根演算装置3にて算出された二乗和平方根の逆数を演算する。乗算器5−1、5−2、5−3は、歪み補正部2−1、2−2、2−3から出力された補正信号のそれぞれに、除算器4で求めた二乗和平方根の逆数を乗ずる。
除算器4及び乗算器5−1、5−2、5−3で実行されている演算は、補正信号を二乗和平方根で除すことに相当する。本実施例のように、このような演算を除算器4と乗算器5−1、5−2、5−3の組み合わせで実行しているのは、除算器を構成するには、乗算器に比べて多くの論理素子を必要とするからである。このため、本実施例のように、乗算器5−1、5−2、5−3を用いれば、必要とされる論理素子の総数を少なくすることができる。ただし、除算器を直接用いてそれぞれの補正信号を二乗和平方根で除すように構成してもよい。
上述のように、乗算器5−1、5−2、5−3にて補正信号を二乗和平方根で除すことにより、ノイズなどによる瞬時の変動が除去された第一の正規化信号が生成される。第一の正規化信号を算出する除算器4及び乗算器5−1、5−2、5−3をまとめて第一の正規化手段という。このように、第一の正規化手段は、複数の補正信号のそれぞれを二乗和平方根で除すことにより複数の第一の正規化信号を生成する。
なお本実施例において、第一の正規化信号は補正信号U’’’、V’’’、W’’’に基づいて生成されている。ただし、これに代えて、ゼロ点誤差を補正する前の補正信号U’’、V’’、W’’に対して二乗和平方根による除算を行い、その後にゼロ点誤差を補正することもできる。
第一の正規化信号を位相演算装置6にて演算処理を行うことにより、位相信号(角度θ)が求められる。位相演算装置6の演算方法としては種々の方法が知られている。代表的な演算方法として、αβ変換が挙げられる。αβ変換とは、A={U−(V+W)/2}/1.5、B=(V−W)/√3なる演算によりコサイン信号A及びサイン信号Bを算出し、これらの信号に対してアークタンジェント演算を行うことである。このような演算により、角度θ、すなわち位相信号を求めることができる。ここで、アークタンジェント演算とはいわゆる偏角の演算であり、C言語における関数ATAN2(B,A)の演算に相当する。このように、位相演算装置6は、第一の正規化手段にて算出された複数の第一の正規化信号に基づいて、被計測物の位置又は角度を算出する。
二乗和平方根演算装置3にて算出された二乗和平方根は、平均化演算装置7に入力される。平均化演算装置7は、複数の補正信号の二乗和平方根(振幅値)を信号1周期にわたって平均化した平均二乗和平方根を算出する。
図3に、平均化演算装置7のブロック図を示す。平均化演算装置7は、位相情報の桁を拡張して信号の波数を求める波数演算器7−1、ランダムアクセスメモリ(RAM)7−2、加算器7−3、制御装置7−4、除算器7−5から構成される。
図4に、本実施例における波数演算器7−1のブロック図を示す。波数演算器7−1は、位相情報より多い桁数の位置情報レジスタ7−1−1と、このレジスタの下位ビットを位相信号(角度θ)から減算する減算器7−1−2を有する。また波数演算器7−1は、この減算結果の符号ビットを位置情報レジスタのビット長にあわせて拡張する符号拡張器7−1−3、符号拡張された差を位置情報レジスタ7−1−1に加算する加算器7−1−4により構成される。位相演算装置6にて位相信号が得られた後、加算器7−1−4により算出された加算結果を位置情報レジスタ7−1−1に取り込む。このようにすることで、位相情報レジスタ7−1−1の下位ビットは位相信号に一致し、上位ビットは信号の波数に対応する位置情報が得られる。
ランダムアクセスメモリ7−2は、例えば、4乃至8組のデータを保持する領域を備える。それぞれの領域には、二乗和平方根の積算値、積算回数、及び、前回積算を行ったときの位置情報レジスタ7−1−1の内容が格納される。波数演算器7−1により位置情報が得られると、位置情報レジスタ7−1−1の波数部をアドレスとして、ランダムアクセスメモリ7−2が参照される。
なお、参照符号「*」は、ランダムアクセスメモリ7−2を参照するためのタイミング信号を表している。このタイミング信号は、信号発生器7−6から出力される。このタイミング信号に基づいて、ランダムアクセスメモリ7−2及びその周辺各部の動作は制御される。
被計測物が静止している際、過剰な積算が行われることを防止するため、今回得られた位置情報と前回演算を行った位置情報とが接近している場合は、積算処理を行わないことが好ましい。また、積算値がオーバーフローする場合、又は、積算回数がオーバーフローする場合も、積算処理を行わないことが好ましい。積算値のオーバーフローは、二乗和平方根加算器7−1−4−1にて検出される。また、積算回数のオーバーフローは、積算回数カウンタ7−1−4−2にて検出される。今回得られた位置情報と前回演算を行った位置情報が接近しているか否かは、位置情報減算器7−1−4−3の結果を論理判定することによって検出される。
制御装置7−4は、これらの書込み制御を行う他に、書き込み領域から最も離れた領域のゼロクリア、及び、積算完了領域からのデータの読み出しを行う。論理演算は、クロック信号に同期して行われる。クロック信号を計数する数ビットのステートレジスタを準備し、この値によって異なる動作を行うように論理回路を構成することで、クロック信号に同期した論理演算が可能となる。
アナログ/デジタル変換器1−1、1−2、1−3は、一般に、数マイクロ秒(μs)又は数百ナノ秒(ns)ごとにアナログ/デジタル変換が行われる。これに伴い、位置情報レジスタ7−1−1の内容も、この時間間隔で更新される。一方、制御装置7−4の論理回路は、数百メガヘルツ(MHz)、すなわち数ナノ秒(ns)ごとに論理演算が行われる。同一の論理演算素子を複数の位相計測に用いることも可能であるが、その場合でも、一つの位相計測あたり、数回の論理演算を行うことが可能である。
書き込み領域から最も離れた領域のゼロクリアは、ランダムアクセスメモリ7−2の領域を選択する2ビットの値と二進数値10との排他論理和をアドレスとして用いることで、ゼロクリアすべき領域を指し示すことができる。このとき、例えば、ランダムアクセスメモリ7−2は4つの積算領域を持ち、2ビットのアドレスによっていずれの領域に積算するかを選択していると仮定する。
また、積算完了領域は、前回積算したアドレスと今回積算すべきアドレスを比較する。この比較結果が増加している場合、書き込み領域より一つ下のアドレスに対応する積算領域が選択可能である。一方、比較結果が減少している場合、書込み領域より一つ上のアドレスに対応する積算領域が選択可能である。
選択された積算完了領域に格納された補正信号の二乗和平方根積算値及び積算回数から、除算器7−5により、二乗和平方根の信号1周期にわたる平均値が算出される。
このようにして得られた二乗和平方根の信号1周期にわたる平均値を用いて、第二の正規化信号を求める。この方法は、前述した第一の正規化信号を生成する過程とほぼ同じである。ただし、補正信号の二乗和平方根を用いる代わりに、補正信号の二乗和平方根の信号1周期にわたる平均値を用いる点が異なる。第二の正規化信号は、原信号の歪みに関わる情報を抽出するために用いられる。
第一の正規化信号は、瞬時の補正信号を二乗和平方根で除すことによって正規化されている。例えば、特定の信号の振幅が異常に大きい場合でも、その信号の絶対値が大きい部分で補正信号の二乗和平方根も大きな値となる。このような大きな値を示す二乗和平方根を用いて除算すると、第一の正規化信号には振幅の異常が抑制されてしまう。このため、第一の正規化信号では、源信号の歪みに関する情報を抽出するために用いることはできない。
一方、第二の正規化信号は、信号1周期にわたる平均値を用いて正規化を行っている。このため、いずれかの信号の補正情報に誤りがあり、補正信号に歪みが残っている場合、その歪みがそのまま第二の正規化信号に現れる。
次に、位相信号と第二の正規化信号とを用いて源信号の歪みに関する情報を抽出する方法を説明する。ここでは、コサインで近似される信号についてのみ説明するが、他の信号も位相をずらせば同様に扱えることは明らかである。
図5に、歪みが生じた場合の源信号の波形を示す。図5(a)はゼロ点の誤差が生じている状態、図5(b)は振幅の誤差が生じている状態、図5(c)は位相の誤差が生じている状態をそれぞれ示している。源信号が図5に示される歪みを生じているか否かは、位相演算装置6が出力する位相情報(角度θ)を用いて、角度θが0、π/2、π、3π/2のときの第二の正規化信号を採取して判断される。
図6は、ゼロ点誤差係数及び振幅誤差係数を補正する歪み係数演算装置11のブロック図である。
除算器8から入力された第二の正規化信号が0±1の範囲で振動するコサイン関数に一致している場合、図5に示すように、第二の正規化信号は位相0で最大値1を、位相πで最小値−1を取る。このため、歪みが完全に除去されている場合、上記位相の二点で採取された第二の正規化信号の平均値は0となる。またこのとき、上記位相の二点で採取された第二の正規化信号の差は、最大値1から最小値−1を引いて2となる。
ところが、第二の正規化信号のゼロ点に誤差が生じていると、図5(a)に示すように、第二の正規化信号の平均値は0から外れた値となる。また、図5(b)に示すように、第二の正規化信号の差は2から外れた値となる。第二の正規化信号の誤差は、それぞれの誤差係数との差に比例する大きさであり、その一部を装置内部に保持された誤差係数から減じることにより、第二の正規化信号をより妥当な値に近づけることができる。
このため、図6に示される歪み係数演算装置11において、ゼロ点誤差係数Zu、Zv、Zw及び振幅誤差係数Gu、Gv、Gwを補正し更新する。このように、歪み係数演算装置11は、複数の信号のそれぞれを既知の値(理想的な信号における値)と比較することによって歪み係数を演算する。
図6において、第二の正規化信号(第二の補正信号)は、最大値レジスタ31及び最小値レジスタ32に入力される。また、位相演算装置6にて算出された位相情報(角度θ)は、制御手段33に入力される。制御手段33は、位相演算装置6にて算出された角度θが0のとき、第二の正規化信号を採取して記憶するように、最大値レジスタ31に指令信号を出力する。最大値レジスタ31は、制御手段33からの指令信号を受けると、そのときの第二の正規化信号を記憶する。このように、最大値レジスタ31は、位相演算装置6にて算出された位相が第一の位相(θ=0)になったときの第二の正規化信号を、第二の正規化信号の最大値として取り込む第一の記憶手段となる。
また、制御手段33は、位相演算装置6にて算出された角度θがπのとき、第二の正規化信号を採取して記憶するように、最小値レジスタ32に指令信号を出力する。最小値レジスタ32は、制御手段からの指令信号を受けると、そのときの第二の正規化信号を記憶する。このように、最小値レジスタ32は、位相演算装置6にて算出された位相が第二の位相(θ=π)になったときの第二の正規化信号を、第二の正規化信号の最小値として取り込む第二の記憶手段となる。
最大値レジスタ31及び最大値レジスタ32に記憶された第二の正規化信号は、加算器34にて加算される。第二の正規化信号にゼロ点誤差がある場合、加算器34における加算値は0以外の値となる。加算値はゼロ点誤差係数補正手段36に入力される。ゼロ点誤差係数補正手段36は、現在のゼロ点誤差係数Zu、Zv、Zwと加算値に基づいて、加算値が0になるように、現在のゼロ点誤差係数Zu、Zv、Zwを補正し更新する。このように、ゼロ点誤差係数補正手段36は、第一の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号と第二の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号との平均値に基づいて、第二の正規化信号のゼロ点誤差係数を補正する。
また、最大値レジスタ31及び最大値レジスタ32に記憶された第二の正規化信号は、減算器35にて減算される。第二の正規化信号に振幅誤差がある場合、減算器35における減算値は2以外の値となる。減算値は振幅誤差係数補正手段37に入力される。振幅誤差係数補正手段37は、現在の振幅誤差係数Gu、Gv、Gwと減算値に基づいて、減算値が2になるように、現在の振幅誤差係数Gu、Gv、Gwを補正し更新する。このように、振幅誤差係数補正手段37は、第一の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号と第二の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号との差に基づいて、第二の正規化信号の振幅誤差係数を補正する。
補正され更新されたゼロ点誤差係数Zu、Zv、Zw及び振幅誤差係数Gu、Gv、Gwは、歪み補正部2−1、2−2、2−3にフィードバックされ、源信号の補正に用いられる。
図7は、位相誤差係数を補正する歪み係数演算装置11のブロック図である。
除算器8から入力された第二の正規化信号がコサイン関数に一致している場合、位相π/2、3π/2における第二の正規化信号は、いずれも0となる。ところが、第二の正規化信号の位相に誤差が生じている場合、図5(c)に示すように、位相π/2、3π/2における第二の正規化信号は、0から外れた値となる。
位相誤差係数Ku、Kv、Kwの誤差は、位相π/2における第二の正規化信号と位相3π/2における第二の正規化信号との値の差に比例する。位相誤差係数に関しても、その一部を装置内部に保持された誤差係数値から減じることにより、位相誤差係数をより適切な値に近づけることができる。
図7において、第二の正規化信号は、第一のゼロクロスレジスタ38及び第二のゼロクロスレジスタ39に入力される。また、位相演算装置6にて算出された位相情報(角度θ)は、制御手段40に入力される。
制御手段40は、位相演算装置6にて算出された角度θがπ/2のとき、第二の正規化信号を採取して記憶するように、第一のゼロクロスレジスタ38に指令信号を出力する。第一のゼロクロスレジスタ38は、制御手段40からの指令信号を受けると、そのときの第二の正規化信号を記憶する。このように、第一のゼロクロスレジスタ38は、位相演算装置6にて算出された位相が第三の位相(θ=π/2)になったときの第二の正規化信号を、第二の正規化信号のゼロクロス点として取り込む第三の記憶手段となる。
また、制御手段40は、位相演算装置6にて算出された角度θが3π/2のとき、第二の正規化信号を採取して記憶するように、第二のゼロクロスレジスタ39に指令信号を出力する。第二のゼロクロスレジスタ39は、制御手段からの指令信号を受けると、そのときの第二の正規化信号を記憶する。このように、第二のゼロクロスレジスタ39は、位相演算装置6にて算出された位相が第四の位相(θ=3π/2)になったときの第二の正規化信号を、第二の正規化信号のゼロクロス点として取り込む第四の記憶手段となる。
第一のゼロクロスレジスタ38及び第二のゼロクロスレジスタ39に記憶された第二の正規化信号は、減算器41にて減算される。第二の正規化信号に位相誤差がある場合、減算器41における減算値は0以外の値となる。減算値は位相誤差係数補正手段42に入力される。位相誤差係数補正手段42は、現在の位相誤差係数Ku、Kv、Kwと減算値に基づいて、減算値が0になるように、現在の位相誤差係数Ku、Kv、Kwを補正し更新する。このように、位相誤差係数補正手段42は、第三の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号と第四の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号との差に基づいて、第二の正規化信号の位相誤差係数を補正する。
各信号に対する位相誤差係数Ku、Kv、Kwは、合計がゼロに等しくなるように与えることが好ましい。このため、ある信号に対する位相誤差係数に減算を行う場合は、その半分の量を他の二つの位相誤差係数に加算する。このような処置を行わない場合、全ての信号の位相誤差係数が正又は負の方向に移動する、という問題がある。この問題は位相誤差係数の合計をゼロに保つことで防ぐことができる。
図8に、位相誤差係数の合計をゼロに保つための構成を備えた歪み係数演算装置11のブロック図を示す。図8は、一例として、現在の位相誤差係数Kuから補正量αが減算される場合を示している。
減算器43は、現在の位相誤差係数Kuから補正量αを減算し、位相誤差係数Kuを減算後の値に更新する。また、補正量αの半分の値が加算器44に入力される。加算器44は、現在の位相誤差係数Kvに補正量αの半分の値を加算し、位相誤差係数Kvを加算後の値に更新する。同様に、補正量αの半分の値が加算器45に入力される。加算器45は、現在の位相誤差係数Kwに補正量αの半分の値を加算し、位相誤差係数Kwを加算後の値に更新する。
このように、位相誤差係数補正手段42は、複数の第二の正規化信号のそれぞれの信号に対して位相誤差係数を補正するとき、他の信号の位相誤差係数も補正する。このときの補正量は、複数の第二の正規化信号の全ての信号に対する位相誤差係数の補正量の合計がゼロとなるように決定される。上記のとおり、特定の信号の位相誤差係数を更新する際には、それに応じて、他の二つの位相誤差係数も更新することにより、位相誤差係数の合計をゼロに保持することができる。
更新された位相誤差係数Ku、Kv、Kwは、歪み補正部2−1、2−2、2−3にフィードバックされ、源信号の補正に用いられる。
それぞれの誤差係数は、第二の正規化信号の位相0、π/2、π、3π/2に相当する値を採取することで算出されるが、計測される位相がこれらの値に正確に一致する可能性は大きくない。一方、計測装置は、常に位相を算出しており、上記値を採取すべき位相に近いが、これとは異なる位相である場合でも、計測された位相の理想的な位置からの偏倚は既知である。第二の正規化信号はゼロ点と振幅が正規化されているため、理想的な位置からの偏倚が既知であれば、理想的な位置における第二の正規化信号の値を推定することが可能である。
このための具体的手段は、例えば、値を採取すべき位相と計測された位相の差をアドレスとして、位相誤差に対応する第二の正規化信号の理想的な位置における値との差を格納したメモリ(ROM)を参照することで、補正すべき値を得ることができる。これを計測された第二の正規化信号の値に加算することで、理想的な位置における第二の正規化信号の値を得ることができる。
これらの構成について、再び、図1を参照して説明する。
歪み補正部2−1、2−2、2−3から出力される補正信号U’’’、V’’’、W’’’は、マルチプレクサ12に入力される。マルチプレクサ12は、入力された補正信号U’’’、V’’’、W’’’のうち一つの信号を選択して出力する。一つの信号のみを選択して出力するのは、ピーク値を示す補正信号は、位相演算装置6にて求められた位相信号(角度θ)に従い、特定の信号に決定されるからである。このため、マルチプレクサ12は、位相演算装置6から出力される位相信号(角度θ)の値に応じて、補正信号のいずれかを選択して除算器8に出力する。
除算器8は補正信号の正規化を行う。具体的には、除算器8は、平均化演算装置7の出力信号である二乗和平方根の信号1周期にわたる平均値で補正信号を除すことにより、第二の補正信号(第二の正規化信号)を生成する。すなわち、除算器8は、複数の補正信号を平均化演算装置7にて算出された平均二乗和平方根で除すことにより、複数の第二の正規化信号を生成する第二の正規化手段である。
第二の補正信号は、推定装置9に入力される。推定装置9では、所定の位相における第二の補正信号(第二の正規化信号)の値を採取する。所定の位相は、上述のとおり、0、π/2、π、3π/2であり、位相がこれらのときの第二の補正信号が検出される。これらの位相のときの第二の正規化信号の値は、理想的な位相と実測された位相との差を用いて表引きにより求められた誤差を減算することにより求められる。
この値は、RAMで構成される信号保持装置10により保持される。しかし、個々の時点で採取された値にはノイズを含む可能性がある。このため、既に保持されている値と新たに得られた信号の値とを適宜平均処理することが好ましい。例えば、新たに得られた値をx、保持された値をfとするとき、次式により保持された値fを更新することが好ましい。
f=f+p(x−f)
ここで、pを2の冪の逆数とすれば、演算処理が簡素化される。
次に、これらの値を用いて、歪みを補正するための係数の誤差を歪み係数演算装置11により求め、誤差の一部を用いて内部に保持された係数を補正する。ここで、誤差の一部を補正する理由は、個々の演算において得られる係数の誤差を抑制するためであり、また、補正する割合を適宜選択することにより、演算が簡素化されるからである。
このように、歪み係数演算装置11において、第二の正規化信号に基づいて更新された各誤差係数(歪み係数)は、歪み補正部2−1、2−2、2−3にフィードバックされ、信号の補正に利用される。
以上のとおり、本発明の実施例によれば、検出装置20が出力する複数の源信号のそれぞれに対して、計測装置100の内部に歪み情報(誤差係数)を保持する。そして、この誤差係数を用いてそれぞれの源信号の歪みを除去した補正信号を形成する。また、それぞれの補正信号の二乗和平方根を演算し、これによりそれぞれの補正信号を除した第一の正規化信号を用いて位相を演算する。
また、源信号の歪み情報は、信号1周期にわたる二乗和平方根の平均値で補正信号を除した第二の正規化信号の理想状態(正弦波)からの乖離により演算することができる。
補正信号の二乗和は一定値となることが期待され、これからの偏倚は、電源ラインなどに重畳されるノイズの影響と判断される。このため、二乗和が一定となるよう二乗和の平方根で除して補正信号を正規化することで、電源ラインなどのノイズの影響が除去される。また、補正信号は、歪み成分をほとんど含まない。このため、理想状態からの乖離より信号の歪み情報の誤差を算出することで、個々の歪み要因を、他の歪要因とは独立して求めることができる。その結果、高精度での計測が可能となる。
より具体的には、最終的に得られる位相情報に基づき第二の正規化信号の最大値と最小値を求め、これらの差から振幅に関わる歪み情報を算出し、これらの平均値からゼロ点に関わる歪み情報を算出することができる。
また、最終的に得られる位相情報より決定される理想的な信号のゼロクロス点2箇所における第二の正規化信号の値(理想的には共にゼロとなる)の差より信号の位相誤差に関わる情報を算出することができる。
フーリエ変換の原理により、全ての誤差要因は周期の異なるサイン関数とコサイン関数の和として表すことができる。この関数が最大値を与える位相と最小値を与える位相は既知であり、かつ、最も長い周期のサイン、コサイン関数の1周期に渡って一定間隔で取られたこれらの関数値の和は、互いに独立となることが知られている。この原理により、前記と同様な処理を応用すれば、さまざまな誤差要因による歪に対応することが可能である。
上述のとおり、本実施例では、位置又は角度を計測する装置が出力する二相又は三相の正弦波状信号から位相を計測して、微細な位置又は角度情報を得る装置において、アナログ回路特有のゼロ点のドリフト、ゲインの変動などによる信号歪みが常時補正される。また、電源ライン、光源などに重畳されるノイズの影響が除去される。この結果、高精度の計測装置を提供することが可能となる。
今日入手可能なアナログ/デジタル変換器は14乃至16ビットという高い分解能を有する。このようなアナログ/デジタル変換器を用いることで、信号1周期を数万分割する位相情報を得ることが理論上可能である。しかし、アナログ回路の不安定に起因する誤差がこれまでの技術的限界を与えていた。
本実施例の計測装置によれば、アナログ回路の使用に伴う誤差要因が排除され、アナログ/デジタル変換器の分解能から理論的に予測される精度で位置情報を得ることができる。この結果、本実施例の計測装置は、位置又は角度を高精度に計測する必要のある幅広い分野に適用可能となる。
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更可能である。
本発明の実施例における計測装置のブロック図である。 本発明の実施例における歪み補正部のブロック図である。 本発明の実施例における平均化演算装置のブロック図である。 本発明の実施例における波数演算器のブロック図である。 本発明の実施例において、源信号に歪みが生じた状態((a)ゼロ点の誤差、(b)振幅の誤差、(c)位相の誤差)を示す波形図である。 本発明の実施例において、ゼロ点誤差係数及び振幅誤差係数を補正する演算装置のブロック図である。 本発明の実施例において、位相誤差係数を補正する演算装置のブロック図である。 本発明の実施例において、位相誤差係数の合計をゼロに保つための構成を備えた演算装置のブロック図である。 検出装置の一例として用いられるエンコーダの概略図である。 (a)検出装置の一例として用いられるレーザ干渉計の側面図、(a)レーザ干渉計の正面図である。
符号の説明
1−1、1−2、1−3…アナログ/デジタル変換器
2−1、2−2、2−3…歪み補正部
3…二乗和平方根演算装置
4…除算器
5−1、5−2、5−3…乗算器
6…位相演算装置
7…平均化演算装置
7−1…波数演算器
7−1−1…位置情報レジスタ
7−1−2…減算器
7−1−3…符号拡張器
7−1−4…加算器
7−1−4−1…二乗和平方根加算器
7−1−4−2…積算回数カウンタ
7−1−4−3…位置情報減算器
7−2…ランダムアクセスメモリ
7−3…加算器
7−4…制御装置
7−5…除算器
7−6…信号発生器
8…除算器
9…推定装置
10…信号保持装置
11…歪み係数演算装置
12…マルチプレクサ
20…検出装置
100…計測装置
200…エンコーダ
300…レーザ干渉計

Claims (5)

  1. 被計測物の位置を表す複数の信号を用いて被計測物の位置を計測する計測装置であって、
    前記複数の信号のそれぞれを既知の値を比較することによって歪み係数を演算する歪み係数演算装置と、
    前記歪み係数を用いて前記複数の信号を補正することにより複数の補正信号を生成する歪み補正部と、
    前記歪み補正部にて生成された前記複数の補正信号の二乗和平方根を算出する二乗和平方根演算装置と、
    前記複数の補正信号のそれぞれを前記二乗和平方根で除すことにより複数の第一の正規化信号を生成する第一の正規化手段と、
    前記第一の正規化手段にて算出された前記複数の第一の正規化信号に基づいて、前記被計測物の位置を算出する位相演算装置と、を有することを特徴とする計測装置。
  2. 前記計測装置は、さらに、前記複数の補正信号の二乗和平方根を信号1周期にわたって平均した平均二乗和平方根を算出する平均化演算装置と、
    前記複数の補正信号を前記平均化演算装置にて算出された前記平均二乗和平方根で除すことにより、複数の第二の正規化信号を生成する第二の正規化手段と、を有し、
    前記歪み係数演算装置は、前記第二の正規化信号に基づいて前記歪み係数を補正することを特徴とする請求項1記載の計測装置。
  3. 前記計測装置は、さらに、前記位相演算装置にて算出された位相が第一の位相になったときの前記第二の正規化信号を、該第二の正規化信号の最大値として取り込む第一の記憶手段と、
    前記位相演算装置にて算出された位相が第二の位相になったときの前記第二の正規化信号を、該第二の正規化信号の最小値として取り込む第二の記憶手段と、
    前記第一の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号と前記第二の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号との差に基づいて、該第二の正規化信号の振幅誤差係数を補正する振幅誤差係数補正手段と、
    前記第一の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号と前記第二の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号との平均値に基づいて、該第二の正規化信号のゼロ点誤差係数を補正するゼロ点誤差係数補正手段と、を有することを特徴とする請求項2記載の計測装置。
  4. 前記計測装置は、さらに、前記位相演算装置にて算出された位相が第三の位相になったときの前記第二の正規化信号を、該第二の正規化信号のゼロクロス点として取り込む第三の記憶手段と、
    前記位相演算装置にて算出された位相が第四の位相になったときの前記第二の正規化信号を、該第二の正規化信号のゼロクロス点として取り込む第四の記憶手段と、
    前記第三の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号と前記第四の記憶手段に取り込まれた第二の正規化信号との差に基づいて、該第二の正規化信号の位相誤差係数を補正する位相誤差係数補正手段と、を有することを特徴とする請求項3記載の計測装置。
  5. 前記位相誤差係数補正手段は、前記複数の第二の正規化信号のそれぞれの信号に対して前記位相誤差係数を補正するとき、該複数の第二の正規化信号の全ての信号に対する該位相誤差係数の補正量の合計がゼロとなるように、該複数の第二の正規化信号の全ての信号に対して該位相誤差係数を補正することを特徴とする請求項4記載の計測装置。
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