JP2009121001A - 脇用汗取りパッド及び体液吸収具 - Google Patents

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Abstract

【課題】身体動作時の衣服の動きへの良好な追随性を実現し得る脇用汗取りパッド及び体液吸収具を提供する。
【解決手段】汗を吸収するためのシート本体10と衣服への付着のための粘着層30とを備えた脇用汗取りパッドであって、シート本体10の中央部に延びる仕切り線Sの両側に多数のエンボス凹部11が形成されており、該エンボス凹部は、隣り合うエンボス凹部の配置間隔が、仕切り線Sに対して対称をなす向きに10〜80度で傾斜した複数の配置線P1の各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されていることを特徴とする脇用汗取りパッド。
【選択図】図1

Description

本発明は、汗、経血、おりもの、失禁尿等の体液を吸収するための体液吸収具及びその一つである脇用汗取りパッドに関する。
体液吸収具の一つとして、脇用汗取りパッドがあり、これは例えば、汗吸収のためのシート本体を表側としてバックシートを積層し、バックシートの裏側に粘着層を設けたものである。この脇用汗取りパッドは、粘着層で衣服の袖ぐり部に貼り付けて使用することにより、脇部からの汗を吸収する。このような脇用汗取りパッドは、例えば、特許文献1及び2に記載されている。
しかしながら、これらの脇用汗取りパッドは、適度な吸収量をもたせるために或る程度の厚さが必要である。その結果、脇用汗取りパッドを貼り付けた衣服を着たときに、身体の動作に伴う衣服の動きへの追随性が低く、脇部に接触した状態で違和感を与えたり、衣服からの剥がれやずれを生じたりするという問題がある。
また、おりもの吸収シートとして、ショーツ等の下着に粘着層で貼り付けて使用するものがあり、例えば、特許文献3に体液吸収用当て材として記載されている。この場合も、適度な吸収量をもたせるために吸収性のシートが或る程度の厚さとされ、下着に貼り付けて使用したときに、身体動作に伴う下着の動きへの追随性が低く、皮膚への接触状態で違和感を与えたり、衣服からの剥がれやずれを生じたりすることがある。
この他の体液吸収具においても、同様に身体の動きに対する追随性が求められるが、従来の体液吸収具はそれに十分に応えることはできていない。
特開平8−226001号公報 特開2007−63717号公報 特開平5−269168号公報
本発明は、これら従来技術の問題を解決し、身体動作に伴う衣服の動きへの良好な追随性を実現し得る脇用汗取りパッド及び体液吸収具を提供することを目的とする。
本発明の前記目的は、汗を吸収するためのシート本体と衣服への付着のための粘着層とを備えた脇用汗取りパッドであって、前記シート本体の中央部に延びる仕切り線の両側に多数のエンボス凹部が形成されており、該エンボス凹部は、隣り合うエンボス凹部の配置間隔が、前記仕切り線に対して対称をなす向きに10〜80度で傾斜した複数の配置線の各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されていることを特徴とする脇用汗取りパッドにより達成される。
本発明の前記目的はまた、体液を吸収するためのシート本体をバックシートの表側に積層し、裏側に衣服への付着のための粘着層が設けられた体液吸収具であって、前記シート本体の中央部に延びる仕切り線の両側に多数のエンボス凹部が形成されており、該エンボス凹部は、隣り合うエンボス凹部の配置間隔が、前記仕切り線に対して対称をなす向きに10〜80度で傾斜した複数の配置線の各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されており、さらに前記エンボス凹部は、該エンボス凹部の中心部から少なくとも一方向へ延びる突出部を有し、該突出部の一つが前記配置線に沿って配置されていることを特徴とする体液吸収具により達成される。
エンボス凹部の配置間隔は、エンボス凹部の中心間距離、より具体的には図心間の距離を言い、エンボス凹部が同形状の場合は各エンボス凹部の同一箇所の間隔として捉えることもできる。また、エンボス凹部が等間隔で並んでいる場合は、配置ピッチとして捉えることができる。
作用及び効果
本発明に係る脇用汗取りパッドは、シート本体の中央部に延びる仕切り線の両側に多数のエンボス凹部が形成されており、該エンボス凹部は、隣り合うエンボス凹部の配置間隔が、前記仕切り線に対して対称をなす向きに10〜80度で傾斜した複数の配置線の各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されている。シート本体は、エンボス凹部が形成された箇所で容易に変形する。本発明では、エンボス凹部の配置間隔が、複数の配置線に各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されているので、配置線の箇所でシート本体は曲がりやすくなる。したがって、これを衣服に装着した状態で身体を動かすと、脇用汗取りパッドは、中央部の仕切り線の両側の配置線の箇所で容易に曲がりを生じることができ、衣服の動きへの良好な追随性が得られる。
配置線を仕切り線に対して対称をなす向きに傾斜させて配置する形態としては、i) 仕切り線の両側で仕切り線に対して線対称に傾斜するものの他、ii) 配置線の向きを仕切り線に対して対称とするものも含む。上記ii) としては、例えば、上下方向に延びる仕切り線に対して一方の側の配置線の傾斜の向きが、仕切り線から遠ざかるに連れて上方へ向かうのであれば、仕切り線の他方の配置線も仕切り線から遠ざかるに連れて上方へ向かうように配置される。この場合、仕切り線の両側での傾斜角は同じでもよいし、異なっていてもよい。
仕切り線に対する配置線の上記傾斜角は、衣服の脇部に脇用汗取りパッドを貼り付けて着用したときに、身体動作に伴って衣服脇部に波打ち状の皺として生じる変形線になじむ方向となっている。これにより、衣服の動きへの良好な追随性が得られる。上記傾斜角が、前記上限を超えると仕切り線両側の配置線が相互に平行に近い傾斜となり、前記下限未満となると仕切り線両側の配置線の傾斜が相互に接近し、いずれも身体動作時に衣服脇部に波打ち状の皺として生じる変形線になじみ難くなり、衣服の動きへの追随性が低下する。
配置線は、上記傾斜角に沿う方向に延びていれば、僅かな蛇行や緩やかなカーブを描くものであってもよい。
前記配置線に沿う前記エンボス凹部の配置間隔は、7.5〜17.5mmであるのが望ましい。配置間隔が、前記上限を超えると曲がりやすさの増大効果が十分に得られず、前記下限未満になると、エンボス部自体の固さの影響が強くなり、全体に固い風合いとなったり、脇部への接触時に違和感を感じさせたりする。
前記配置線の配置間隔は、7.5〜17.5mmであるのが望ましく、この範囲で配置線上のエンボス凹部の配置間隔と同じかより大きくされる。脇用汗取りパッドは、配置線の箇所での曲がりやすさ以外に他の方向へも曲がりやすさが求められるが、配置線の配置間隔が、前記上限を超えると全体としての曲がりやすさが十分に得られず、前記下限未満になると、エンボス部自体の固さの影響が強くなり、全体に固い風合いとなったり、脇部への接触時に違和感を感じさせたりする。
前記エンボス凹部は、該エンボス凹部の中心部から少なくとも一方向へ延びる突出部を有し、該突出部の一つが前記配置線に沿って配置されたものとすることができる。この配置することにより、配置線での曲がりやすさがエンボス凹部の突出部によって強められ、身体動作に伴う衣服の動きへの追随性がより高められる。
前記脇用汗取りパッドは、衣服の袖ぐり部に付着され、腕の動きの影響を大きく受ける状態で使用されるので、その動きへの良好な追随性により、優れた使用感が得られる。この場合は、仕切り線が衣服の袖ぐり部を横切る方向に延びるようにして衣服に付着するのが望ましい。脇用汗取りパッドが違和感(抵抗感)を与えやすいのは、脇用汗取りパッドの装着面に沿う方向の動き、すなわち、腕を前後に振る等の前後動を含む動きであるので、脇用汗取りパッドをこのようにして付着することにより、シートは仕切り線を境として前部と後部で異なる変形を生じてこのような身体動作に伴う衣服の動きに良好に追随する。
本発明に係る脇用汗取りパッドは、衣服の袖ぐり部に合うように凹形状の切欠き部とされ、前記仕切り線が該切欠き部の凹入奥端部から延びるように位置しており、前記配置線は、前記仕切り線から遠ざかるにしたがって前記切欠き部に近づく方向に傾斜しており、その傾斜角が前記仕切り線から10〜80度とされているものとすることができる。この脇用汗取りパッドは、衣服の身頃側に付着して使用されるのに好適であり、切欠き部を袖ぐり部に合わせるようにして付着することにより、身体の脇部に沿いやすく、前述の適切な角度に基づき仕切り線の前部と後部で異なる変形を生じて身体動作に伴う衣服の動きに良好に追随する。
本発明に係る脇用汗取りパッドは、前記仕切り線を横切る方向に延びる折り曲げ線が形成され、該折り曲げ線の部分で衣服の袖ぐり部に沿う折り曲げが容易化されており、前記配置線は前記仕切り線から遠ざかるにしたがって前記折り曲げ線に近づく方向に傾斜しておりその傾斜角が前記仕切り線から10〜80度とされたものとすることができる。この脇用汗取りパッドは、衣服の身頃側と袖側とに跨るように付着して使用されるのに好適である。その場合は、折り曲げ線を袖ぐり部に合わせるようにして付着することにより、仕切り線の両側の配置線が、身体の前後方向に位置することとなる。これにより、脇用汗取りパッドは、仕切り線の前部と後部で異なる変形を容易に生じ、前述の適切な角度に基づき、腕の動作、特に前後動を含む動作に伴う衣服の動きに対し、良好に追随する。
本発明に係る脇用汗取りパッドは、さらに、折れ曲がりを容易にするための屈曲用ラインが、該シート本体の中央部を通る直線である基準線から離れる側に凸形状をなす弧状に形成されたものとすることができる。この脇用汗取りパッドは、シート本体を外側にして中央部(通常は基準線付近)を折り曲げて衣服の袖ぐり線沿う位置に置き、身頃側及び袖側に跨るようにして貼り付けることができる。この衣服を着用した場合、腕等の身体の動作に伴う衣服の変形は袖ぐり線付近に集中するが、その変形が屈曲用ラインに誘導され、該屈曲用ラインの屈曲容易性によって吸収される。その結果、衣服への脇用汗取りパッドの貼着が安定したものとなり、貼着状態の優れた保持性が得られる。
前記屈曲用ラインは、前記基準線の中央で該基準線に直交する直交線上の点を中心とする大小2つの円弧で囲まれた弧状域内に設けられており、前記基準線からの最大離反距離が18mmとなるように前記直交線上の点を中心として半径115mmで描かれた外円弧と、前記基準線からの最大離反距離が4mmとなるように前記直交線上の点を中心として描かれた半径280mmの内円弧とに囲まれた弧状域内に設けられたものとすることができる。この弧状域内に各屈曲用ラインを設けることにより、屈曲用ラインを袖ぐり線付近での衣服の変形集中域に対してより確実に合わせることができ、衣服への貼着がより安定したものとなり、貼着状態のより優れた保持性が得られる。
前記屈曲用ラインは、前記基準線の両側に位置する第1領域と第2領域で第1屈曲用ライン及び第2屈曲用ラインとして形成することができ、この場合は、シート本体を外側にして折り曲げ、身頃側及び袖側に跨るようにして貼り付けたときに、2本の屈曲用ラインの間に袖ぐり線を位置させることができる。この衣服を着用した場合は、腕等の身体の動作に伴う衣服の変形が袖ぐり線両側の屈曲用ラインに誘導され、該屈曲用ラインの屈曲容易性によってよりよく吸収され、衣服への貼着がさらに安定したものになる。また、脇用汗取りパッドを付けた衣服を着た状態で腕を動かしたときにパッドに作用する力が2本の屈曲用ラインに分散され、しかも2本の屈曲用ラインが離れているので屈曲用ライン同士が相対的に移動して変形を吸収することができる。これらにより、衣服への貼着状態のさらに優れた保持性が得られる。
前記脇用汗取りパッドは、前記第1屈曲用ライン及び第2屈曲用ラインの各々が、前記基準線の中央で該基準線に直交する直交線上の点を中心とする大小2つの円弧で囲まれた弧状域内に設けられており、前記第1屈曲用ラインは、前記基準線からの最大離反距離が18mmとなるように前記第2領域内における前記直交線上の点を中心として半径115mmで描かれた第1外円弧と、前記基準線からの最大離反距離が4mmとなるように前記第2領域内における前記直交線上の点を中心として描かれた半径280mmの第1内円弧とに囲まれた第1弧状域内に設けられ、前記第2屈曲用ラインは、前記基準線からの最大離反距離が14mmとなるように前記第1領域内における前記直交線上の点を中心とする半径115mmの第2外円弧と、前記基準線からの最大離反距離が4mmとなるように前記第1領域内における前記直交線上の点を中心とする半径280mmの第2内円弧とに囲まれた第2弧状域内に設けられたものとすることができる。これらの弧状域内に各屈曲用ラインを設けることにより、2本の屈曲用ラインの間に袖ぐり線をより確実に位置させやすくなる。また、屈曲用ラインを袖ぐり線付近での衣服の変形集中域に対してより確実に合わせることができ、袖ぐり線へのなじみがより良好となる。さらに、装着状態で腕を動かしたときの力の分散、及び、屈曲用ライン同士の相対移動による変形の吸収が十分に行なわれ、衣服への貼着状態のより優れた保持性が得られる。
本発明に係る体液吸収具は、前述の脇用汗取りパッドと同様に、シート本体の中央部に延びる仕切り線の両側に多数のエンボス凹部が形成されており、該エンボス凹部は、隣り合うエンボス凹部の配置間隔が、前記仕切り線に対して対称をなす向きに10〜80度で傾斜した複数の配置線の各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されている。シート本体は、エンボス凹部が形成された箇所で容易に変形する。この発明では、エンボス凹部の配置間隔が、複数の配置線に各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されているので、配置線の箇所でシート本体は曲がりやすくなる。したがって、これを貼り付けた下着等の衣服を装着した状態で身体を動かすと、体液吸収具は、中央部の仕切り線の両側の配置線の箇所で容易に曲がりを生じることができ、動作時の衣服の動きへの良好な追随性が得られる。仕切り線に対する配置線の上記傾斜角は、下着等の衣服に体液吸収具を貼り付けて着用したときに、身体動作に伴って衣服に波打ち状の皺として生じる変形線になじむ方向となっており、これにより衣服の動きへの良好な追随性が得られる。上記傾斜角が、前記上限を超えると仕切り線両側の配置線が相互に平行に近い傾斜となり、前記下限未満となると仕切り線両側の配置線の傾斜が相互に接近し、いずれも身体動作時に衣服に波打ち状の皺として生じる変形線になじみ難くなり、衣服の動きへの追随性が低下する。前記エンボス凹部は、該エンボス凹部の中心部から少なくとも一方向へ延びる突出部を有し、該突出部の一つが前記配置線に沿って配置されているので、配置線での曲がりやすさがエンボス凹部の突出部によって強められ、動作時の衣服の動きへの高い追随性が得られる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図面中の同一又は同種の部分については、同じ番号を付して説明を省略することがある。
[1.脇用汗取りパッドにおけるエンボス凹部の配置]
図1は、本発明に係る脇用汗取りパッド1の一実施形態の平面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図(説明のため厚さ方向に拡大して示す)である。この汗取りパッド1は、汗を吸収するためのシート本体10をバックシート20の表側に積層し、裏側に衣服への付着のための粘着層30が設けられ、該粘着層を剥離シート40が覆っている。シート本体10は、表面層10Aとその内側の吸収層10Bとからなっている。シート本体10の中央部に延びる仕切り線Sの両側に多数のエンボス凹部11が形成されており、仕切り線Sのほぼ中央から該仕切り線Sに垂直に延びるように折り曲げ線12が形成されている。仕切り線Sは、後述するようにエンボス凹部11の配置の基準として想定される線である。折り曲げ線12は、図2の断面に示されているように厚さ方向に凹入した線であり、これにより衣服の袖ぐり部に沿う折り曲げが容易化される。
これらの仕切り線S及び折り曲げ線12によりシート本体10の面は、90度の角度間隔で4つのシート部分R1,R2,R3,R4に区切られ、使用時には通常、シート部分R1,R2が身頃側、シート部分R3,R4が袖側に付着される。エンボス凹部11は、これら4つのシート部分に対し同じ態様で配置されているので、以下ではシート部分R1を代表例にとって説明する。
シート部分R1においてエンボス凹部11は、仕切り線Sから遠ざかるにしたがって折り曲げ線12に近づく方向に傾斜しその傾斜角が仕切り線SからK1である複数の配置線P1の各々に沿って配置され、隣り合うエンボス凹部の配置間隔が、配置線P1の方向に最も小さくなっている。したがって、シート本体10は、配置線P1の箇所で曲がりやすくなる。この配置間隔は、汗取りパッド1を構成する層の柔軟性やエンボス凹部の配置密度によって変化するが、通常は7.5〜17.5mmとするのが望ましい。配置間隔が、前記上限を超えると曲がりやすさの増大効果が十分に得られず、前記下限未満になるとエンボス部自体の固さの影響が強くなり、全体に固い風合いとなったり、脇部への接触時に違和感を感じさせたりする。この観点から、上記配置間隔は、8〜12.5mmとするのがより望ましく、この実施形態では10mmとされている。
配置線P1の傾斜角K1は10〜80度とするのが望ましい。この傾斜角は、衣服の脇部に脇用汗取りパッドを貼り付けて着用したときに、身体動作に伴って衣服脇部に波打ち状の皺として生じる変形線になじむ方向となっている。これにより、衣服の動きへの良好な追随性が得られる。仕切り線Sに対する配置線P1の傾斜が、前記上限を超えると、仕切り線両側の配置線が相互に平行に近い傾斜となり、前記下限未満となると、仕切り線両側の配置線の傾斜が相互に接近し、いずれも身体動作時に衣服脇部に波打ち状の皺として生じる変形線になじみ難くなり、身体動作時の衣服の動きへの追随性が低下する。この観点から、傾斜角K1は20〜80度とするのがより望ましく、30〜70度とするのがさらに望ましい。この実施形態では、傾斜角K1は45度とされている。
隣り合う配置線P1の間隔は、7.5〜17.5mmとするのが望ましく、この範囲で配置線P1上のエンボス凹部11の間隔と同じかより大きく設定される。脇用汗取りパッドは、配置線の箇所での曲がりやすさ以外に他の方向へも曲がりやすさが求められるが、配置線の配置間隔が、前記上限を超えると全体としての曲がりやすさが十分に得られず、前記下限未満になると、エンボス部自体の固さの影響が強くなり、全体に固い風合いとなったり、脇部への接触時に違和感を感じさせたりする。この観点から、配置線の配置間隔は、7.5〜15mmとするのがより望ましく、8〜12.5mmとするのがさらに望ましく、この実施形態では10mmとされている。
このように、この実施形態においては、仕切り線Sに対する配置線P1の傾斜角K1が45度とされ、配置線P1上のエンボス凹部11の配置間隔と、配置線P1同士の間隔とが等しくなっている。さらに、配置線P1に垂直に延びる線Q1の方向においても、配置線P1上での配置間隔と同じ間隔でエンボス凹部11が並んでおり、エンボス凹部11の配置は、配置線P1と直交線Q1との方向に等方的となっている。その結果、汗取りパッド1は配置線P1の箇所で曲がりやすく、且つ直交線Q1の箇所でも曲がりが容易化され、全体として極めて柔軟性に富んだものとなっている。
エンボス凹部11は、種々の形状とすることができるが、この実施形態では十文字花びら形とされ、中心部から4方向へ延びる突出部110を有した形状となっている。そして、シート本体10上では相反する方向に延びる突出部110が配置線P1に沿って配置されている。このようにエンボス凹部11の突出部110を配置線P1に沿わせることにより、配置線での曲がりやすさが強められ、身体動作時の衣服の動きへの追随性がより高められる。
シート本体10のエンボス凹部11は、通常のエンボス加工により形成することができ、エンボス凹部11の形状に対応した押し型による加熱下又は常温下での押圧により行なわれる。エンボス加工は、シート本体10とバックシート20とが結合され、個々の汗取りパッド1の形状に打ち抜かれる前に施すのが製造上望ましいが、打ち抜き後に施してもよい。或いは、シート本体10のみの状態でエンボス加工をする等、製造上の種々の工程で施すことができる。
折り曲げ線12もエンボス加工により形成するのが望ましく、エンボス凹部11の形成と同時に、又は別個に形成することができる。また、折り曲げ線12は、シート本体10の厚さ方向の一部を切断することによって形成することもできる。折り曲げ線12は、曲げを容易化すべき箇所に延びる連続線又は断続線とすることができる。断続線とする場合は、シート本体10の厚さ全体を貫通してミシン目のように形成することもできる。
以上のシート部分R1についての説明は、シート部分R2,R3,R4についても同様に適用される。但し、エンボス凹部11の配置形態、例えば、仕切り線Sに対する配置線P1,P2,P3,P4の傾斜、これらの配置線の方向におけるエンボス凹部11の配置間隔は、シート部分R1,R2,R3,R4間で同じとすることもできるし、異なっていてもよい。
また、汗取りパッドの面積は衣服の脇部に装着できれば、特に限定されないが、40〜270cmが好ましく、55〜190cmがより好ましく、70〜170cmがさらに好ましい。シート部分R3,R4を合わせた部分の面積は、10cm2〜120cm2が好ましく、15cm2〜90cm2がより好ましく、20cm2〜80cm2がさらに好ましい。シート部分R1,R2を合わせた部分の面積は30cm2〜150cm2が好ましく、40cm2〜100cm2がより好ましく、50cm2〜90cm2がさらに好ましい。
脇用汗取りパッドは、種々の層構成とすることができ、図示のもの以外に、バックシートを設けずシート本体の裏面に直接粘着層を設けたもの、図示の層の間に他の層を加えたもの等とすることもでき、例えば、吸収層と表面層との間、及び、吸収層とバックシートとの間における一方又は双方に、消臭剤や香料を含む層を介在させてもよい。また、シート本体を表面層と吸収層とで構成する以外に、吸収層のみで構成することもできる。シート本体に用いる吸収層は、吸水性を有するものであれば特に制限はなく、一般に生理用ナプキン、おしめ、汗取りパットおよびおりものシートなどに用いられている、たとえば吸水性パルプ、吸水性ポリマーなどの公知の吸収材や、織物、編物、不織布またはパルプ製品などから構成される繊維構造物を用いることができる。なかでも、風合い(肌触り)がよく、吸収性に優れ、かつ吸収層からの素材の脱落が少ない点から、天然繊維および合成繊維からなる集積体(例えば不織布)を用いることが好ましい。天然繊維としては、コットン、シルク、パルプ、羊毛、麻などがあげられる。このような天然繊維のなかでも、アレルギーなどの接触性皮膚炎が起こりにくく、かぶれにくく、かつ吸収性に優れる点から、(タンパク質系成分でない)コットンやパルプなどのセルロース系繊維が好ましい。また、合成繊維としては、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、エチレン酢酸ビニル繊維、ウレタン繊維、アクリル繊維などがあげられる。また、レーヨン繊維、アセテート繊維、キュプラ等の半合成繊維、および各種繊維の混紡品、混繊品を使用することもできる。なかでも、ドライ感、風合いおよびヒートシール性の点から、エチレン酢酸ビニル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などの合成繊維またはそれらの複合繊維が好ましい。複合繊維としては、ポリエチレン/ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートを含む)複合繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、エチレン酢酸ビニル/ポリプロピレン複合繊維などがあげられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の組み合わせの例としては、セルロース系繊維と複合繊維の組み合わせなどがあげられ、その配合割合は、例えば4:6〜8:2とすることができる。
吸収層を構成する前記集積体の目付けは、保水量と皮膚への違和感とのバランスの点から、20〜150g/mに設定するのが好ましく、より好ましくは40〜120g/m、さらに好ましくは50〜100g/mである。吸収層の厚みとしては、上記機能を奏するよう0.5〜40mmとされるのが望ましい。
また、表面層は、肌にやわらかく接触し、かつ柔軟な吸収層を保護する役割を果たす。このような表面層としては、織物、編物、不織布またはパルプ製品などから構成されるシート状またはフィルム状の繊維構造物をあげることができる。なかでも、風合い(肌触り)や皮膚への刺激性、吸収性の点から不織布が好ましい。かかる繊維構造物を構成する繊維としては、天然繊維および合成繊維があげられ、これらを単独で、または組み合わせて所望の性質を有する繊維構造物として使用することができる。天然繊維および合成繊維としては、前記吸収層の原料として用いるものと同一の繊維があげられる。
不織布は、湿式抄紙法、乾式抄紙法、スパンボンド法、メルトブロー法、ラテックス樹脂ボンド法、溶剤ボンド法、スティッチボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、サーマルボンド法、エアースルー法、エアレイド法などの方法により製造することができる。なかでもスパンレース法、サーマルボンド法、エアースルー法、エアレイド法、ニードルパンチ法、スパンボンド法などの方法が好ましく、これらの方法では風合いがよくかつ、接着剤、溶剤を用いないため、肌への安全性を高くすることができる。
また、表面層に用いられる前記繊維構造物の目付けは、体液(汗)透過性と皮膚への違和感の軽減とのバランスの点から、10〜60g/mに設定することが好ましく、より好ましくは10〜50g/m、さらに好ましくは10〜30g/mである。表面層の厚みとしては、上記機能を奏するよう0.1〜20mmとされるのが望ましい。
表面層と吸収層とを貼り合わせる方法は特に限定されないが、水溶性の接着剤(たとえば、アクリル系水溶性接着剤)や非水溶性接着剤(たとえば、ゴム系ホットメルト、オレフィン系ホットメルト)などの接着剤により接着することができる。
また、バックシートは、吸収層に吸収された汗の外部への流出を防止するものである。バックシートの材質は、ポリエチレンを用いることが好ましいが、必要に応じて適当な材質、たとえば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ナイロン、セロファン、ビニロン、塩化ビニルなどを用いることもできる。また、これらの材質に炭酸カルシウム粉末などの無機物を混練した後に2軸延伸すると、汗などの体液(汗)は透過させずに水蒸気(空気)は透過させることができるので、ムレなどによる不快感を軽減させることができ、また、炭酸カルシウムなどの無機物を用いない場合において1軸延伸すると、多量の汗をかいた場合でも衣類への汗じみを確実に防ぐことができるので、それぞれ、使用状況に応じて使い分けることが好ましい。
また、バックシートの目付けは、吸収層に吸収された汗の外部への流出を防止すること、及び、脇用汗取りパッド全体の柔軟性を損なわないことのバランスの点から、2〜10g/mに設定することが好まく、より好ましくは4〜10g/m、さらに好ましくは5〜10g/mである。
さらに、バックシートの厚みとしては、吸収した体液(汗)を透過させず、かつ装着時に違和感を覚えにくいという点から、10〜70μmに設定することが好ましい。
粘着層の材質は、衣服などに貼ることができるものであれば特に限定されないが、たとえば、水溶性の接着剤(例えばアクリル系水溶性接着剤)や非水溶性接着剤(例えばゴム系ホットメルト、オレフィン系ホットメルト)などの接着剤があげられる。なかでも、その他の粘着剤に比べて衣服に対する接着力に優れる点から非水溶性接着剤が好ましく、ゴム系ホットメルトがより好ましい。ゴム系ホットメルトを使用すると、接着部位になじみやすいので、衣服の伸びを拘束することがない(突っ張り感を軽減できる)。
剥離シートは、粘着層に対し剥離可能に付着するものとされ、プラスチックフィルム、繊維製シート、紙等に剥離剤と塗布したものとされ、剥離剤側を粘着層に貼着される。
図1及び図2に示した汗取りパッド1は、主として袖付き衣服に貼り付けて使用される。使用する際は、汗取りパッド1から剥離シート40を剥離し、図3に示すように、折り曲げ線12を衣服の裏側の袖ぐり部T1に沿わせて、粘着層30により衣服の脇部に貼り付ける。このとき、シート部分R1,R2を身頃T2側、シート部分R3,R4を袖T3側に位置させるのが望ましい。シート部分R1,R2は、シート部分R3,R4より寸法が大きくなっているので、このように位置決めすることにより発汗位置に適切に接近させることができる。図3に示すように、左側脇部に装着した汗取りパッド1は、シート部分R1,R4が前側、シート部分R2,R3が後側に位置する。図示はしていないが、右側脇部に装着した汗取りパッド1では、シート部分R2,R3が前側、シート部分R1,R4が後側に位置する。これにより、汗取りパッド1は、腕の動作、特に前後動を含む動作に伴う衣服の動き対し、前側及び後側の各シート部分が容易に変形し、良好に追随する。
図4及び図5は、本発明に係る脇用汗取りパッドの他の実施形態を示しており、図4は平面図、図5は図4のV−V線に沿う断面図(説明のため厚さ方向に拡大して示す)である。この実施形態では、汗取りパッド1の折り曲げ線が複数本形成されており、図1の例と同じ折り曲げ線12Aの両側に、弧状の折り曲げ線12B及び12Cが設けられている。これに伴って、エンボス凹部11は、折り曲げ線12B及び12Cより外側に設けられている。また、エンボス凹部11の配置密度は、図1の実施形態より密になっている。他の仕様は、図1の実施形態と同様である。
この実施形態に係る汗取りパッド1は、折り曲げ線が上記のように複数設けられているので、袖ぐり部に沿わせやすく、衣服にしっかりと貼り付けられるので、使用時の違和感がより少なく、衣服からのずれや剥離がより生じ難くなっている。
エンボス凹部11は、種々の形状及び配置とすることができる。図6に示す例では、配置線P1〜P4の傾斜角K1〜K4が65度となっており、エンボス凹部11は円形となっている。このように、突出部を有しないエンボス凹部であっても、隣り合うエンボス凹部の配置間隔が、配置線の各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されていることにより、配置線の箇所での曲がりが容易化され、身体動作時の衣服の動きへの良好な追随性が得られる。図7の例では、図6に示した脇用汗取りパッドに対し、図4に示した複数の折り曲げ線12A,12B,12Cが設けられている。
図8から図11は、種々のエンボス凹部11の形状を示しており、配置密度も異なっている。図9の汗取りパッド1は、配置線P1が、仕切り線Sから遠ざかるにしたがって折り曲げ線12に近づく方向に傾斜し、仕切り線Sに対する配置線P1の傾斜角K1が30度とされている。そして、エンボス凹部11は、配置線P1に対して傾斜角K1と同じ向きにさらに60度傾斜した傾斜線Q2、及び傾斜線Q2に対して同じ向きにさらに60度傾斜した傾斜線Q3にも沿うようにして配置され、これらの方向においても、配置線P1上のエンボス凹部11の配置間隔と同じ間隔で配置されている。これにより、エンボス凹部11の配置は、配置線P1及び傾斜線Q2,Q3の方向に等方的となっている。その結果、汗取りパッド1は配置線P1の箇所で曲がりやすく、且つ傾斜線Q2,Q3の箇所でも曲がりが容易化され、全体として極めて柔軟性に富んだものとなっている。
図12は、衣服の袖ぐり部の身頃側に付着して使用することができ、ノースリーブ等の衣服に好適な脇用汗取りパッド1の例の平面図である。この汗取りパッド1は、衣服の袖ぐり部に合うように、長円形の外周一部が、弧状の切欠き部14により凹形状とされている。仕切り線Sは、汗取りパッド1の中央部において、切欠き部14の凹入奥端部から延びるように位置している。図の右半分に相当するシート部分R1を代表例として説明すると、エンボス凹部11は、仕切り線SからK1の角度で傾斜した複数の配置線P1の各々に沿って配置され、隣り合うエンボス凹部11の配置間隔が、配置線P1の方向に最も小さくなっている。配置線P1は、仕切り線Sから遠ざかるにしたがって切欠き部14に近づく方向に傾斜しておりその傾斜角K1は、仕切り線Sから10〜80度とされることにより、前述のように衣服の脇部に脇用汗取りパッドを貼り付けて着用したときに、身体動作に伴って衣服脇部に波打ち状の皺として生じる変形線になじむ方向となる。これにより、衣服の動きへの良好な追随性が得られる。。この例では、65度の傾斜となっており、配置線P1に沿う方向のエンボス凹部11の配置間隔は、10mmとなっている。
この汗取りパッド1を使用する際は、図13に示すように、切欠き部14を衣服の裏側の袖ぐり部T1に沿わせて、粘着層により衣服の身頃T2の脇部に貼り付ける。このようにして付着することにより、仕切り線Sの両側の配置線P1に沿たエンボス凹部11と、配置線P2に沿ったエンボス凹部11とが、身体の前後方向に位置することなる。これにより、脇用汗取りパッドは、身体の脇部に沿いやすく、仕切り線Sの前部と後部で異なる変形を容易に生じ、身体動作時の衣服の動きに良好に追随する。
(性能試験)
次に、本発明に係る体液吸収具(脇用汗取りパッド)の性能試験について説明する。試験は、エンボス凹部の有無及び配置間隔と柔軟性、並びに、エンボス凹部の配置線の傾斜と柔軟性の関係を明らかにすべく行なった。
試験1.エンボス凹部の有無及び配置間隔
エンボス凹部の有無及び配置間隔と柔軟性との関係を試験した。柔軟性は、体液吸収具又は脇用汗取りパッドの身体への追随性評価に対応するよう、試験片を手に持って捩った時の柔らかさとして評価した。
(1) 試験に使用した試験片の仕様は以下の通りである。
(i) 外形:10×10cmの正方形(エンボス凹部の配置例を図14に示す。)
(ii) 層構成
・シート本体の表面層:ポリオレフィン、ポリエステル系繊維不織布; 厚さ0.5mm
・シート本体の吸収層:パルプ、ポリオレフィン、ポリエステル系繊維不織布; 厚さ0.8mm
・バックシート:ポリエチレン製シート; 厚さ0.05mm
なお、上記各層の厚さは、株式会社尾崎製作所製PEACOCKダイヤルゲージ「DG-205」を用いて7g/cm2荷重下において測定した。
(iii) エンボス凹部の仕様
試験片の辺に平行な配置線に沿ってエンボス凹部を熱圧により形成した。配置線上のエンボス凹部の配置間隔と配置線同士の間隔は等しくし、以下の通りとした。エンボス凹部の形状は円形で直径は1mmである。
間隔:エンボス凹部なし、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20mm
(2) 試験方法
試験片はエンボスの状態が見えないようにバックシートを手前側にし、対向する辺から1cmの範囲を両手で掴み、ゆっくりと捩りを加える動作及び上下方向に手を接近離反させて曲げ延ばしの動作を行ない、そのときに感じる柔軟性を評価した。評価は、不織布の風合い評価に熟練した4人の被験者で行ない、評点は、最も柔らかいものを3点、最も柔らかさの低いものを1点、中間的な柔らかさのものを2点とし、評価が同じ場合は同じ点数にした。
(3) 試験結果
上記試験の結果を表1に示す。
Figure 2009121001
(表中、エンボス配置間隔「なし」は、エンボス凹部がないことを意味する。)
表1に示す結果から、エンボス凹部の配置間隔が10mmのときに最も柔軟性が高く、順に7.5〜15mmの範囲で高い柔軟性を示し、7.5〜17.5mmの範囲でその範囲外のものより優れた柔軟性を示すことが明らかである。
試験2.エンボス凹部の配置線の傾斜
エンボス凹部を配置する際の配置線の傾斜と柔軟性との関係を試験した。柔軟性は、体液吸収具又は脇用汗取りパッドの身体への追随性に対応するよう、試験片を手に持って捩った時の柔らかさとして評価した。
(1) 試験に使用した試験片の仕様は以下の通りである。
(i) 外形:5×8cmの正方形(エンボス凹部配置の一部の例を図15(a),(b),(c)に示す。)
(ii) 層構成:試験1に使用した試験片と同じ
(iii) エンボス凹部の仕様
10mm間隔で並べた配置線に10mm間隔でエンボス凹部を熱圧により形成し、試験片の長辺に対する配置線の傾斜角を以下の通り設定した。エンボス凹部は長さ5mm、幅1mmの直線状である。
傾斜角:0、10、20、30、45、60、70、80、90度
(2) 試験方法
試験片はエンボスの状態が見えないようにバックシートを手前側にし、試験片の長手方向を上下にして上端及び下端から各々1cmの範囲を手に持って鉛直線回りにゆっくりと捩り、そのときに感じる柔らかさの程度を評価した。評価は、不織布の風合い評価に熟練した5人の被験者で行ない、最も柔らかいものを3点、最も柔らかさの低いものを1点、中間的な柔らかさのものを2点とし、評価が同じ場合は同じ点数にした。
(3) 試験結果
上記試験の結果を表2に示す。
Figure 2009121001

表2に示す結果から、エンボス凹部の配置は、配置線を45度の傾斜にしたときが最も柔軟性を高くし、順に20〜60度、10〜70度の範囲で高い柔軟性を示し、10〜80度の範囲で0度、90度の配置より優れた柔軟性を示すことが明らかである。
[2.脇用汗取りパッドにおける屈曲用ラインの形成]
図16は、脇用汗取りパッドに屈曲用ラインを形成した一実施形態の平面図、図17は図16のXVII−XVII線に沿う断面図(説明のため厚さ方向に拡大して示す)である。この汗取りパッド1は、汗を吸収するためのシート本体10をバックシート20の表側に積層し、裏側に衣服への付着のための粘着層30が設けられ、該粘着層を剥離シート40が覆っている。シート本体10は、表面層101とその内側の吸収層102とからなっている。シート本体10の表面には多数のエンボス凹部11が形成されている。
汗取りパッド1は、図の中央よりやや上方で左右にくびれ部111が設けられ、両方のくびれ部を結ぶ直線が基準線Gとなっており、基準線Gの両側に屈曲用ライン13A,13Bが形成されている。基準線Gは、以下に説明する屈曲用ライン13A,13Bの配置の基準として想定される線である。屈曲用ライン13A,13Bは、折り曲げを容易にするために設けられており、この例では、図17に断面を示すエンボス加工による凹入部として形成されている。屈曲用ラインは、この他、シート本体10の厚さ方向の一部を切断することによって形成することもでき、連続線又は断続線とすることができる。断続線とする場合は、シート本体10の厚さ全体を貫通してミシン目のように形成することもできる。
以下、屈曲用ライン13A,13Bの設定位置について説明する。シート本体10における基準線の両側を、第1領域RAと第2領域RBとする。第1領域RAは、装着時に衣服の身ごろ側に位置する部分、第2領域RBは袖側に位置する部分であり、発汗位置によく対応するように第1領域RAは第2領域RBより大きくされている。
屈曲用ライン13A,13Bは、各々基準線Gから離れる側に凸形状をなす弧状に形成され、第1屈曲用ライン13Aと基準線Gとの離反距離は、第2屈曲用ライン13Bと基準線Gとの離反距離よりも大きくされる。具体的には、第1屈曲用ライン13A及び第2屈曲用ライン13Bは、各々、基準線Gの中央で該基準線Gに直交する直交線T上の点を中心とする大小2つの円弧で囲まれた弧状域内に設けられている。すなわち、第1屈曲用ライン13Aは、基準線Gからの最大離反距離DOaが18mmとなるように第2領域RB内における直交線T上の点を中心として半径115mmで描かれた第1外円弧Oaと、基準線Gからの最大離反距離DIaが4mmとなるように第2領域RB内における直交線T上の点を中心として描かれた半径280mmの第1内円弧Iaとに囲まれた第1弧状域Ca内に設けられる。そして、第2屈曲用ライン13Bは、基準線Gからの最大離反距離DObが14mmとなるように第1領域RA内における直交線T上の点を中心とする半径115mmの第2外円弧Obと、基準線Gからの最大離反距離DIbが4mmとなるように第1領域RA内における直交線T上の点を中心とする半径280mmの第2内円弧Ibとに囲まれた第2弧状域Cb内に設けられる。
図示の実施形態では、屈曲用ライン13A,13Bは、以下の寸法で形成されることにより第1弧状域Ca及び第2弧状域Cb内に位置している。
第1屈曲用ライン13A
・基準線Gからの最大離反距離Da:15mm
・円弧の半径:109mm
第2屈曲用ライン13B
・基準線Gからの最大離反距離Db:8mm
・円弧の半径:166mm
この結果、第1屈曲用ライン13A及び第2屈曲用ライン13Bの各々は、基準線Gの中央で該基準線Gに直交する直交線T上において、第1屈曲用ライン13Aと基準線Gとの離反距離が、第2屈曲用ライン13Bと基準線Gとの離反距離より、7mm大きくなっている。
図16及び図17に示した汗取りパッド1は、主として袖付き衣服に貼り付けて使用される。使用する際は、汗取りパッド1から剥離シート40を剥離し、中央部(通常は基準線付近)で折り曲げ、図18に示すように、屈曲用ライン13A,13Bを衣服の裏側の袖ぐり線T1に沿わせて、粘着層30により衣服の脇部に貼り付ける。このとき、第1領域RAを身頃T2側、第2領域RBを袖T3側に位置させる。第1領域RAは、第2領域RBよりも寸法が大きくなっているので、このように位置決めすることにより発汗位置に適切に接近させることができる。この衣服を着用した場合、腕等の身体の動作に伴う衣服の変形は袖ぐり線T1付近に集中するが、その変形が屈曲用ライン13A,13Bに誘導され、該屈曲用ラインの屈曲容易性によって吸収され、衣服への貼着状態が安定する。また、脇用汗取りパッドを付けた衣服を着た状態で腕を動かしたときにパッドに作用する力が2本の屈曲用ライン13A,13Bに分散され、しかも2本の屈曲用ラインが離れているので屈曲用ライン同士が相対的に移動して変形を吸収することができる。したがって、衣服への貼着状態の優れた保持性が得られる。
屈曲用ライン13A,13Bは、上記効果が得られる種々の形態とすることができる。図19は、屈曲用ライン13A,13Bの形態を例示するものであり、(a)は1本の屈曲用ラインの位置で曲率が異なるもの(端部寄りで曲率半径が小さくなっている)、(b)は折れ曲がった直線により形成されているものである。また、(c), (d)のように全体として基準線Gから離れる側に凸形状をなす弧状であれば小さな凹凸や蛇行を含むものであってもよい。さらに、(e)のように断続的に延びる線としてもよいし、(f)のように点を並べることによって形成してもよい。
また、屈曲用ライン13A,13Bに他の屈曲用ラインを加えてもよく、例えば、図16の例において、基準線Gの位置にも屈曲用ラインを設けてもよい。
図20及び図21は、図16に示したのと同様のシート本体10における片方の領域にのみ屈曲用ラインを設けた実施形態を示しており、図20の例では第1領域RAに屈曲用ライン13Aを設けており、図21の例では第2領域RBに屈曲用ライン13Bを設けている。図示の例のように、身頃側に装着する第1領域10A、袖側に装着する第2領域10Bが相互に区別された形状の場合は、図16の例について述べた第1弧状域Ca及び第2弧状域Cbの範囲に、各々屈曲用ライン13A,13Bが形成されるのが望ましい。
一方、汗取りパッドは、第1領域RA及び第2領域RBを同じ形状とするなど、身頃側と袖側の区別のない形状とすることもできる。この場合は、屈曲用ラインを第1弧状域として示した範囲に設けるのが望ましい。
本発明は、上記実施形態及び図示例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。エンボス凹部11は、種々の形状とすることができ、省略することも可能である。脇用汗取りパッドの層構成は図示のもの以外に、前述の層の間に他の層を加えたもの、シート本体の裏面に直接粘着層を設けたもの等とすることもできる。各図示例についての説明及び変更態様は、他の図示例に対しても適用することができる。
(性能試験)
脇用汗取りパッドに設けた屈曲用ラインと、衣服への貼着状態の保持性との関係を試験した。
(1) 試験に使用した脇用汗取りパッドの仕様は以下の通りである。
(i) 外形:図16に示した形状であり、基準線Tの方向の寸法が120mm、これに垂直な方向の寸法が115mmである。
(ii) 層構成
・シート本体の表面層:ポリオレフィン、ポリエステル系繊維不織布; 厚さ0.5mm
・シート本体の吸収層:パルプ、ポリオレフィン、ポリエステル系繊維不織布; 厚さ0.8mm
・バックシート:ポリエチレン製シート; 厚さ0.05mm
・シート本体には、図16に示した形状及び配置で熱圧によりエンボス凹部を設けた。
なお、上記各層の厚さは、株式会社尾崎製作所製PEACOCKダイヤルゲージ「DG-205」を用いて7g/cm2荷重下において測定した。
(iii) 屈曲用ライン
・屈曲用ライン付き脇用汗取りパッド(実施例)
図16に示した実施形態における屈曲用ライン13A,13Bと同じ位置及び形状で屈曲用ラインを熱圧によるエンボス加工で形成した。
・屈曲用ラインなしの脇用汗取りパッド(比較例)
屈曲用ラインを形成せず、他の仕様は上記屈曲用ライン付き脇用汗取りパッドと同じとした。
(2) 試験方法
朝(午前9時)に袖付きブラウスを着用の際、左右脇部に上記実施例及び比較例の脇用汗取りパッドを各々貼り、日中通常の活動を行った後、夕刻(午後5時)に、上記実施例及び比較例の脇用汗取りパッドのブラウスへの貼着状態、ならびにパッドの折れまたはよれ具合を評価した。評価は不織布の風合い評価に熟練した4人の被験者で行なった。
(3) 試験結果
上記試験の結果、比較例の脇用汗取りパッドはブラウスへの貼着状態が
保持されず、一部ブラウスからの剥がれが認められた。また、比較例の脇用
汗取りパッドの第1領域第2領域には折れやよれが認められた。一方で、
実施例の脇用汗取りパッドは、全ての被験者においてブラウスへの貼着状態
が保持され、ブラウスからの剥がれは認められなかった。また、実施例の脇用
汗取りパッドの第1領域第2領域には目立った折れやよれは認められなかった。
この試験結果は、実施例の脇用汗取りパッドが腕等の身体の動作に伴う
衣服の変形を屈曲用ラインに吸収し、その結果、実施例の脇用汗取パッドが
衣服への貼着状態の保持性において優位であることを明らかにしている。
[3.おりもの用吸収シートへの適用]
図22は、本発明に係る体液吸収具をおりもの用吸収シート2とした一実施形態の平面図であり、図23は図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。この吸収シート2は、全体が細長い繭形の輪郭形状を有しており、体液を吸収するためのシート本体50をバックシート60の表側に積層し、裏側に衣服への付着のための粘着層70が設けられ、該粘着層を剥離シート80が覆っている。シート本体50は、表面層50Aとその内側の吸収層50Bとからなっている。シート本体50の中央部で長手方向に沿って延びる仕切り線S(エンボス凹部11の配置の基準として想定される線)の両側に多数のエンボス凹部11が形成されている。
これらの仕切り線Sによりシート本体50の面は、2つのシート部分R5,R6に区切られ、エンボス凹部11は、これら2つのシート部分に対し同じ態様で配置されている。シート部分R5を代表例にとって説明すると、シート部分R5においてエンボス凹部11は、仕切り線SからK5の傾斜角で傾斜した複数の配置線P5の各々に沿って配置され、隣り合うエンボス凹部11の配置間隔が、配置線P5の方向に最も小さくなっている。この例では、エンボス凹部11の配置間隔は10mm、配置線P5の傾斜角K5は45度、配置線P5同士の間隔は10mmとなっている。エンボス凹部11は、十文字花びら形とされ、相反する方向に延びる突出部110が配置線P5に沿って配置されている。この他の配置線P5の傾斜、エンボス凹部11の配置等のエンボス凹部に形態については、先の汗取りパッド1での説明が適用される。また、吸収シート2を構成するシート本体50、バックシート60、粘着層70、剥離シート80等の構成についても先の汗取りパッド1での説明が適用される。
この吸収シート2を使用する際は、吸収シート2の剥離シート80を剥離し、粘着層70によりショーツ等の下着の内面に貼り付ける。このとき吸収シート2の長手方向が身体の前後方向となるようにして付着することにより、配置線P5及びP6に沿ったエンボス凹部11が、仕切り線Sを中心として身体の左右に位置することなる。これにより、吸収シート2は、仕切り線Sの左右で異なる変形を容易に生じ、身体動作時の衣服の動きに対し良好に追随する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。各図の実施形態についての説明及び変更態様は、他の実施形態に対しても適用することができる。
本発明に係る脇用汗取りパッド一実施形態を示す平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図であり、説明のため厚さ方向に拡大している。 図1に示した脇用汗取りパッドの使用状態の説明図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドの他の実施形態を示す平面図である。 図4のV−V線に沿う断面図であり、説明のため厚さ方向に拡大している。 本発明に係る脇用汗取りパッドのさらに他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドのさらに他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドのさらに他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドのさらに他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドのさらに他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドのさらに他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドのさらに他の実施形態を示す平面図である。 図12に示した脇用汗取りパッドの使用状態の説明図である。 本発明に関する性能試験に用いた試験片の一例を示す平面図である。 本発明に関する性能試験に用いた試験片の他の例を示す平面図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドの一実施形態を示す平面図である。 図16のXVII−XVII線に沿う断面図であり、説明のため厚さ方向に拡大している。 図16に示した脇用汗取りパッドの使用状態の説明図である。 屈曲用ラインの種々の形態を例示する平面図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドの他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る脇用汗取りパッドのさらに他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る体液吸収具をおりもの用吸収シートに適用した一実施形態を示す平面図である。 図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図であり、説明のため厚さ方向に拡大している。
符号の説明
1 脇用汗取りパッド
2 おりもの用吸収シート
10 シート本体
11 エンボス凹部
12 折り曲げ線
13A 第1屈曲用ライン
13B 第2屈曲用ライン
14 切欠き部
20 バックシート
30 粘着層
40 剥離シート
50 シート本体
60 バックシート
70 粘着層
80 剥離シート
110 突出部
P1〜P6 配置線
S 仕切り線
RA 第1領域
RB 第2領域
G 基準線
T 直交線
Ca 第1弧状域
Cb 第2弧状域

Claims (10)

  1. 汗を吸収するためのシート本体と衣服への付着のための粘着層とを備えた脇用汗取りパッドであって、前記シート本体の中央部に延びる仕切り線の両側に多数のエンボス凹部が形成されており、該エンボス凹部は、隣り合うエンボス凹部の配置間隔が、前記仕切り線に対して対称をなす向きに10〜80度で傾斜した複数の配置線の各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されていることを特徴とする脇用汗取りパッド。
  2. 衣服の袖ぐり部に合うように一部が凹形状の切欠き部とされ、前記仕切り線が該切欠き部の凹入奥端部から延びるように位置しており、前記配置線は、前記仕切り線から遠ざかるにしたがって前記切欠き部に近づく方向に傾斜しており、その傾斜角が前記仕切り線から10〜80度とされていることを特徴とする請求項1に記載の脇用汗取りパッド。
  3. 前記仕切り線を横切る方向に延びる折り曲げ線が形成され、該折り曲げ線の部分で衣服の袖ぐり部に沿う折り曲げが容易化されており、前記配置線は前記仕切り線から遠ざかるにしたがって前記折り曲げ線に近づく方向に傾斜しており、その傾斜角が前記仕切り線から10〜80度とされていることを特徴とする請求項1に記載の脇用汗取りパッド。
  4. 前記配置線に沿う前記エンボス凹部の配置間隔が、7.5〜17.5mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の脇用汗取りパッド。
  5. 前記配置線の配置間隔が7.5〜17.5mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の脇用汗取りパッド。
  6. さらに、折れ曲がりを容易にするための屈曲用ラインが、該シート本体の中央部を通る直線である基準線から離れる側に凸形状をなす弧状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか脇用汗取りパッド。
  7. 前記屈曲用ラインが、前記基準線の中央で該基準線に直交する直交線上の点を中心とする大小2つの円弧で囲まれた弧状域内に設けられており、前記基準線からの最大離反距離が18mmとなるように前記直交線上の点を中心として半径115mmで描かれた外円弧と、前記基準線からの最大離反距離が4mmとなるように前記直交線上の点を中心として描かれた半径280mmの内円弧とに囲まれた弧状域内に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の脇用汗取りパッド。
  8. 前記屈曲用ラインが、前記基準線の両側に位置する第1領域と第2領域で各々前記基準線から離れる側に凸形状をなす第1屈曲用ライン及び第2屈曲用ラインとして形成されていることを特徴とする請求項6に記載の脇用汗取りパッド。
  9. 前記第1屈曲用ライン及び第2屈曲用ラインの各々が、前記基準線の中央で該基準線に直交する直交線上の点を中心とする大小2つの円弧で囲まれた弧状域内に設けられており、前記第1屈曲用ラインは、前記基準線からの最大離反距離が18mmとなるように前記第2領域内における前記直交線上の点を中心として半径115mmで描かれた第1外円弧と、前記基準線からの最大離反距離が4mmとなるように前記第2領域内における前記直交線上の点を中心として描かれた半径280mmの第1内円弧とに囲まれた第1弧状域内に設けられ、前記第2屈曲用ラインは、前記基準線からの最大離反距離が14mmとなるように前記第1領域内における前記直交線上の点を中心とする半径115mmの第2外円弧と、前記基準線からの最大離反距離が4mmとなるように前記第1領域内における前記直交線上の点を中心とする半径280mmの第2内円弧とに囲まれた第2弧状域内に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の脇用汗取りパッド。
  10. 体液を吸収するためのシート本体をバックシートの表側に積層し、裏側に衣服への付着のための粘着層が設けられた体液吸収具であって、前記シート本体の中央部に延びる仕切り線の両側に多数のエンボス凹部が形成されており、該エンボス凹部は、隣り合うエンボス凹部の配置間隔が、前記仕切り線に対して対称をなす向きに10〜80度で傾斜した複数の配置線の各々に沿う方向に最も小さくなるように配置されており、さらに前記エンボス凹部は、該エンボス凹部の中心部から少なくとも一方向へ延びる突出部を有し、該突出部の一つが前記配置線に沿って配置されていることを特徴とする体液吸収具。
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