JP2018149029A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた防漏性能と、良好な柔軟性及び肌触りとを兼ね備えた吸収性物品を提供するものである。【解決手段】本発明の吸収性物品は、該吸収性物品の第1面及び第2面の少なくとも一方の面の少なくとも一部を形成する疎水性の積層不織布(9)を備えており、前記積層不織布(9)は、一対のスパンボンド不織布層(9S1、9S2)と、該一対のスパンボンド不織布層(9S1、9S2)によって厚さ方向に挟まれた少なくとも1つのメルトブローン不織布層(9M)とによって構成され、さらに、前記積層不織布(9)は、基部(92)と、該基部(92)から前記厚さ方向の外方側に向かって突出する複数の凸部(91)とを有し、前記複数の凸部(91)の各々は、該凸部(91)の頂部(91T)において前記メルトブローン不織布層(9M)の構成繊維の一部が破断し、その破断端部(9MT1)が前記吸収性物品の外表面に露出した露出部(94)を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
従来より、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品においては、着用者から排出された排泄液(例えば、経血、尿等)の漏れを防ぐために、立体ギャザー(防漏壁)を形成し得る一対のサイドシートや吸収体の非肌対向面側に位置する裏面シート、当該裏面シートの非肌対向面側に位置する外装シートなどの疎水性を有する液不透過性のシート状部材(例えば、疎水性不織布等)が配設されている。
このような液不透過性のシート状部材を備えた吸収性物品として、例えば、特許文献1には、立体ギャザーを形成し得る一対のシートを、熱可塑性樹脂を用いた長繊維フィラメント群と極細短繊維群の二層或いは多層構造の積層体が熱融着された積層不織布であって、JIS L1092に準じて測定した耐水度が80mm以上であり、JIS L1096に準じて測定した剛軟度が3〜30gである前記積層不織布によって形成した吸収性物品が開示されている。この特許文献1に開示された吸収性物品によれば、着用者の肌に優しく、漏れ防止に優れた効果を有する吸収性物品を提供することができるとされている。
特開平11−197180号公報
しかしながら、この特許文献1に開示された吸収性物品のように、液不透過性のシート状部材を特定の積層不織布(例えば、SMS不織布等)で形成しただけでは、優れた耐水圧(防漏性)と良好な柔軟性とを同時に確保することは難しいため、依然として積層不織布の坪量や繊維密度を一定以上に高くする必要があるが、このように積層不織布の坪量や繊維密度を高くしてしまうと、良好な柔軟性が得られにくくなるばかりか、肌触りが悪くなってしまう虞があった。
そこで、本発明は、優れた防漏性能と、良好な柔軟性及び肌触りとを兼ね備えた吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の一態様(態様1)は、互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有するとともに、前記厚さ方向において相対する第1面及び第2面を有する吸収性物品であって、前記吸収性物品は、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方の面の少なくとも一部を形成する疎水性の積層不織布であって、一対のスパンボンド不織布層と、当該一対のスパンボンド不織布層によって前記厚さ方向に挟まれた少なくとも1つのメルトブローン不織布層とによって構成された前記積層不織布を備えており、前記積層不織布は、基部と、当該基部から前記吸収性物品の前記厚さ方向の外方側に向かって突出する複数の凸部とを有し、前記複数の凸部の各々は、当該凸部の頂部において前記メルトブローン不織布層の構成繊維の一部が破断し、その破断端部が前記吸収性物品の外表面に露出した露出部を有する、前記吸収性物品である。
本態様1の吸収性物品は、第1面及び第2面の少なくとも一方の面の少なくとも一部を形成する(すなわち、着用者等の使用者との接触面の少なくとも一部を形成する)疎水性の積層不織布が複数の凸部を有し、その複数の凸部の各々が、当該凸部の頂部において、繊維径の細いメルトブローン不織布層の構成繊維の一部が破断し、その破断端部が前記吸収性物品の外表面に露出した露出部を有しているため、当該積層不織布において、一定以上の耐水圧を保持しつつ、良好な柔軟性と肌触りを得ることができる。特に、複数の凸部の各々における、メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部が露出した露出部によって、使用者の肌面との接触面積を最小限に抑制しつつ、使用者の肌面に接触する部分が繊維径の細い柔らかい破断端部で形成されていることによって、乾燥した状態だけでなく、使用者の汗や排泄液等により湿気を帯びた状態においても、良好な柔軟性と肌触りを実感させることができる。
したがって、本態様1の吸収性物品は、優れた防漏性能と、良好な柔軟性及び肌触りとを兼ね備えることができる。
なお、本明細書において、吸収性物品の「着用者」は、吸収性物品を実際に身に付ける者を意味し、吸収性物品の「使用者」は、着用者のほか、吸収性物品を他者に着用させる者(例えば、介護者等)を含む、吸収性物品を自ら又は他者に対して使用する者を意味する。
また、本発明の別の態様(態様2)では、前記態様1の吸収性物品において、前記複数の凸部の各々は、当該凸部の頂部において、前記厚さ方向の外方側に位置する前記スパンボンド不織布層が破断した破断部を有しており、前記露出部は、前記メルトブローン不織布層の構成繊維の前記破断端部が前記破断部を介して前記吸収性物品の外表面に露出した部分を有する。
本態様2の吸収性物品は、前記露出部において、前記メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部が厚さ方向の外方側に位置するスパンボンド不織布層の破断部を介して吸収性物品の外表面に露出した部分を有するため、繊維径の細い柔らかい破断端部で形成される露出部をより広く確保することができ、上述の良好な肌触りをより確実に得ることができる。
本発明の更に別の態様(態様3)では、前記態様1又は2の吸収性物品において、前記複数の凸部の各々は、当該凸部の頂部において、前記厚さ方向の外方側に位置する前記スパンボンド不織布層の構成繊維の繊維間距離が、前記頂部以外の部分における構成繊維の繊維間距離よりも大きい低繊維密度部を有しており、前記露出部は、前記メルトブローン不織布層の構成繊維の前記破断端部が前記低繊維密度部における前記スパンボンド不織布層の構成繊維の繊維間を通って前記吸収性物品の外表面に露出した部分を有する。
本態様3の吸収性物品は、前記露出部において、メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部が前記低繊維密度部におけるスパンボンド不織布層の構成繊維の繊維間を通って吸収性物品の外表面に露出した部分を有するため、前記スパンボンド不織布層が破断していない部分を有することによって積層不織布層の一定以上の耐水圧をより確実に確保しつつ、上述の良好な肌触りを得ることができる。
本発明の更に別の態様(態様4)では、前記態様1〜3のいずれかの吸収性物品において、前記メルトブローン不織布層の構成繊維の前記破断端部が、先細りの形状を有している。
本態様4の吸収性物品は、メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部が先細りの形状を有しているため、使用者の肌面との接触面積をより小さく抑制しつつ、使用者の肌面に接触する部分を、上述の先細りの形状を有する破断端部によってより柔らかくすることができ、更に優れた肌触りを得ることができる。
本発明の更に別の態様(態様5)では、前記態様1〜4のいずれかの吸収性物品において、前記複数の凸部の各々は、中空の内部構造を有する。
本態様5の吸収性物品は、複数の凸部の各々が中空の内部構造を有しているため、当該凸部がより高い柔軟性やクッション性を発揮し、上述の露出部と協働して、より優れた柔軟性と肌触りを実現することができる。
本発明の更に別の態様(態様6)では、前記態様1〜5のいずれかの吸収性物品において、前記基部は、前記吸収性物品の前記厚さ方向の内方側に向かって窪む複数の溝部を有する。
本態様6の吸収性物品は、前記基部が吸収性物品の厚さ方向の内方側に向かって窪む複数の溝部を有しているため、上述の積層不織布において、前記厚さ方向に力(例えば、着用者の体圧等)が加わるような場合でも、前記溝部において上述の積層不織布を厚さ方向に支持しつつ、前記基部における溝部以外の部分が厚さ方向の内方側に撓むことによって上述の力を緩衝することができ、より一層優れた柔軟性やクッション性を発揮することができる。その結果、本態様6の吸収性物品は、積層不織布における上記特定の凹凸構造と上述の露出部とが協働して、より一層優れた柔軟性と肌触りを実現することができる。
本発明の更に別の態様(態様7)では、前記態様6の吸収性物品において、前記基部は、前記溝部の底部において、前記メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部が前記厚さ方向の内方側に位置する前記スパンボンド不織布層を通って、前記厚さ方向の内方側に延出した延出部を有する。
本態様7の吸収性物品は、前記溝部の底部において、メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部が厚さ方向の内方側に位置するスパンボンド不織布層を通って、厚さ方向の内方側に延出した延出部を有しているため、上述の積層不織布を吸収性物品の厚さ方向の内方側に位置する他の構成部材(例えば、表面シートや吸収体等)と接合する際に、上述の延出部がアンカーとなって、当該積層不織布と他の構成部材とをより強固に接合することができ、上述の一定以上の耐水圧を保持しつつ、良好な柔軟性と肌触りを得ることができるという作用効果を、より確実に得ることができる。
本発明の更に別の態様(態様8)では、前記態様1〜7のいずれかの吸収性物品において、前記積層不織布が、前記吸収性物品の前記第1面の少なくとも一部を形成する一対のサイドシートである。
本態様8の吸収性物品は、上述の積層不織布が吸収性物品の第1面の少なくとも一部を形成する一対のサイドシートであるため、当該一対のサイドシートを、一定以上の耐水圧を保持しつつ良好な柔軟性と肌触りを有するものとすることができ、吸収性物品としての優れた防漏性能と、良好な柔軟性及び肌触りとを、より効果的に発揮することができる。
本発明の更に別の態様(態様9)では、前記態様8の吸収性物品において、前記吸収性物品は、前記第1面の一部を形成する液透過性の表面シートを備え、前記一対のサイドシートは、平面視にて前記吸収性物品の前記幅方向の両端部において前記長手方向に延在するように配置されており、前記一対のサイドシートの各々は、前記幅方向の内方側に位置し且つ前記表面シートに接合されていない自由端部と、前記幅方向の外方側に位置し且つ前記表面シートに接合された固定端部と、を有している。
本態様9の吸収性物品は、上記一対のサイドシートの各々が吸収性物品の幅方向の内方側に位置し且つ表面シートに接合されていない自由端部を有しているため、着用者の肌面に接触しやすい上記自由端部において、サイドシートを構成する上記積層不織布の複数の凸部の変形の自由度が高く、優れた柔軟性を発揮することができ、より一層優れた肌触りを得ることができる。
本発明によれば、優れた防漏性能と、良好な柔軟性及び肌触りとを兼ね備えた吸収性物品を提供することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る生理用ナプキン1を、展開した状態で表面シート側から厚さ方向に見た平面図である。 図2は、生理用ナプキン1の図1における長手方向の中央軸線Cに沿った断面の端面図である。 図3は、生理用ナプキン1のサイドシート5に用いられる積層不織布9の斜視図である。 図4は、積層不織布9の要部拡大断面図である。 図5は、本発明の別の実施形態(第二実施形態)に係る生理用ナプキンのサイドシートに用いられる積層不織布9’の要部拡大断面図である。
以下、本発明の吸収性物品の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「展開した状態で水平面上に置いた対象物(例えば、吸収性物品、積層不織布等)を、垂直方向の上方側(対象物が吸収性物品の場合は表面シート側、対象物が積層不織布の場合は凸部側)から対象物の厚さ方向に見ること」を、単に「平面視」という。
本明細書において用いられる各種方向等については、特に断りのない限り、以下のとおりである。
本明細書において、「長手方向」は、「平面視における縦長の対象物(例えば、吸収性物品、積層不織布等)の長さの長い方向」を指し、「幅方向」は、「平面視における縦長の対象物の長さの短い方向(短手方向)」を指し、「厚さ方向」は、「展開した状態で水平面上に置いた対象物に対して垂直方向」を指し、これらの長手方向、幅方向及び厚さ方向は、それぞれ互いに直交する関係にある。
さらに、本明細書では、「縦長の対象物の長手方向において、該対象物の長手方向の中央に位置し且つ幅方向に延びる長手方向の中央軸線Cに対して相対的に近位側」を「長手方向の内方側」といい、「前記縦長の対象物の長手方向において、前記長手方向の中央軸線Cに対して相対的に遠位側」を「幅方向の外方側」という。同様に、「縦長の対象物の幅方向において、該対象物の幅方向の中央に位置し且つ長手方向に延びる幅方向の中央軸線Cに対して相対的に近位側」を「幅方向の内方側」といい、「前記縦長の対象物の幅方向において、前記幅方向の中央軸線Cに対して相対的に遠位側」を「幅方向の外方側」という。また、本明細書では、「対象物の厚さ方向において、当該対象物の厚さ方向の中心に対して相対的に近位側」を「厚さ方向の内方側」といい、「前記対象物の厚さ方向において、当該対象物の厚さ方向の中心に対して相対的に遠位側」を「厚さ方向の外方側」という。
また、本明細書では、「吸収性物品の長手方向において、着用者が当該吸収性物品を着用した際に着用者の腹部に対して相対的に近位側となる一方側」を、「吸収性物品の前方側」といい、「吸収性物品の長手方向において、着用者が当該吸収性物品を着用した際に着用者の腹部に対して相対的に遠位側(すなわち、着用者の背部に対して相対的に近位側)となる他方側」を、「吸収性物品の後方側」という。
そして、本明細書では、吸収性物品の厚さ方向において、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌面に対して相対的に近位側」を「肌対向面側」といい、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌面に対して相対的に遠位側」を「非肌対向面側」という。ここで、「着用時」とは、着用者が吸収性物品を着用した時点(すなわち、使用可能な状態を形成した時点)から、その状態を維持している間(着用している間)を意味する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る生理用ナプキン1を、展開した状態で表面シート側から厚さ方向に見た平面図であり、図2は、生理用ナプキン1の図1における長手方向の中央軸線Cに沿った断面の端面図である。また、図3は、生理用ナプキン1のサイドシート5に用いられる積層不織布9の斜視図であり、図4は、積層不織布9の要部拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第一実施形態に係る生理用ナプキン1(吸収性物品の一例)は、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有するとともに、前記厚さ方向Tにおいて相対する第1面F(本実施形態においては、肌対向面)及び第2面F(本実施形態においては、非肌対向面)を有している。
生理用ナプキン1は、図1に示すように、平面視にて、長手方向L及び幅方向Wを有する縦長の外形形状を有しており、さらに、表面シート2、吸収体4及び裏面シート3が厚さ方向Tに重複する縦長の吸収本体部と、該吸収本体部の前方側寄りの位置において幅方向Wの外方側へ延出する一対の前方側フラップ部6、6及び前記吸収本体部の後方側寄りの位置において幅方向Wの外方側へ延出する一対の後方側フラップ部7、7を含むフラップ部と、を備えている。
なお、本発明において、吸収性物品の外形形状は、本実施形態の外形形状に限定されず、長手方向Lの長さ寸法が幅方向Wの幅寸法よりも長い長形状のものであれば、各種用途等に応じて任意の縦長の形状(例えば、長方形、楕円形、砂時計形など)を採用することができる。
本実施形態の生理用ナプキン1は、図2に示すように、厚さ方向Tにおいて、生理用ナプキン1の肌対向面側に位置する液透過性の表面シート2と、非肌対向面側に位置する液不透過性の裏面シート3と、これらのシートの間に位置し且つ着用者から排出された経血等の排泄液を吸収して保持し得る吸液性の吸収体4と、前記表面シート2の肌対向面側に位置し且つ生理用ナプキン1の幅方向Wの両端部において長手方向Lに延びる一対のサイドシート5、5とを、主な構成部材として備えている。
さらに、この生理用ナプキン1は、図1及び図2に示すように、表面シート2、吸収体4及び裏面シート3をエンボス加工により肌対向面側から厚さ方向Tに圧搾して一体化した圧搾部Pが、平面視にて、生理用ナプキン1の中央部(すなわち、長手方向の中央軸線Cと幅方向の中央軸線Cの交点)を囲繞するように間欠的に配設されている。このような圧搾部Pが配設されていることによって、生理用ナプキン1は、着用者の身体形状に沿って変形しやすくなっているとともに、着用者から排泄された経血等の排泄液を、生理用ナプキン1の中央部を含む領域内に制御しやすくなっている。なお、上述の圧搾部は、本発明の吸収性物品においては必須の構成要素ではないため、本発明の吸収性物品は、このような圧搾部を有していなくてもよい。
また、生理用ナプキン1は、上述のとおり、幅方向Wの両端部において、縦長の吸収本体部から幅方向Wの外方側へ延出する一対のフラップ部を有しており、さらに、当該フラップ部は、厚さ方向Tにおいて、上述の吸収本体部から幅方向Wの外方側に延出する、サイドシート5、表面シート2及び裏面シート3の各々の延出部分と、上述の前方側フラップ部6において裏面シート3の非肌対向面側の表面に配置された着衣固定用の粘着部8、8とによって構成されている。
このように構成された生理用ナプキン1は、着用者が着用する際に、吸収本体部を該吸収本体部の非肌対向面側の表面に配置された着衣固定用の粘着部(不図示)によって着用者の着衣(下着等)の肌対向面側の表面に固定した後、上述の一対の前方側フラップ部6、6をそれぞれ着衣の非肌対向面側に折り返して、各前方側フラップ部6、6の非肌対向面側の表面に配置された着衣固定用の粘着部8、8によって着衣の非肌対向面側の表面に固定して使用される。ここで、生理用ナプキン1を着用者の着衣に固定するための各粘着部に用いられる粘着剤は、生理用ナプキン1を着用者の着衣に固定し得るものであれば特に制限されず、例えば、スチレン系ポリマー等の任意の粘着剤を採用することができる。
なお、上述のフラップ部は、本発明の吸収性物品においては必須の構成要素ではないため、本発明の吸収性物品は、このようなフラップ部を有していなくてもよい。
そして、本実施形態に係る生理用ナプキン1は、当該生理用ナプキン1の肌対向面(第1面の一例)の一部を形成する一対のサイドシート5、5が、図3及び図4に示すように、一対のスパンボンド不織布層(図3及び図4における、肌対向面側のスパンボンド不織布層9S及び非肌対向面側のスパンボンド不織布層9S)と、当該一対のスパンボンド不織布層によって厚さ方向Tに挟まれた1つのメルトブローン不織布層9Mとによって構成された、疎水性の積層不織布9(いわゆる、SMS不織布)によって形成されている。この積層不織布9は、基部92と、当該基部92から生理用ナプキン1の厚さ方向Tの外方側に向かって突出する複数の凸部91とを有しており、さらに、当該複数の凸部91の各々は、当該凸部91の頂部91Tにおいてメルトブローン不織布層9Mの構成繊維の一部が破断していて、その破断端部9MTが積層不織布9の外表面(すなわち、生理用ナプキン1の外表面)に露出した露出部94を有している。
本実施形態に係る生理用ナプキン1は、肌対向面の一部を形成する(すなわち、着用者との接触面の一部を形成する)疎水性の積層不織布9が上述の複数の凸部91を有し、さらに、その複数の凸部91の各々は、当該凸部91の頂部91Tにおいて、繊維径の細い(具体的には、0.5〜5.0μm程度の繊維径である)メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の一部が破断していて、その破断端部9MTが生理用ナプキン1の外表面に露出した露出部94を有しているため、当該積層不織布9において、スパンボンド不織布層を含む積層構造に基づく一定以上の耐水圧(具体的には、50mm以上の耐水圧)を保持しつつ、上述の複数の凸部91及びその凸部91の露出部94に基づく良好な柔軟性と肌触りを得ることができる。特に、複数の凸部91の各々における、メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTが露出した露出部94によって、着用者の肌面との接触面積を最小限に抑制しつつ、着用者の肌面に接触する部分が繊維径の細い柔らかい破断端部9MTで形成されていることによって、乾燥した状態だけでなく、着用者の汗や排泄液等により湿気を帯びた状態においても、良好な柔軟性と肌触りを実感させることができる。
これにより、本実施形態に係る生理用ナプキン1は、優れた防漏性能と、良好な柔軟性及び肌触りとを兼ね備えることができる。
なお、本発明において積層不織布の疎水性の程度は、当該積層不織布の表面に水を滴下したときに、滴下した水を吸収しない程度の疎水性であれば足りるが、湿潤時のヨレにくさ等の点から、積層不織布の表面に水を滴下したときに、滴下した水が当該積層不織布の表面で弾かれて水滴を形成する程度の疎水性(いわゆる、撥水性)であってもよい。
また、本明細書において、耐水圧は、JIS L1092に従って測定される耐水圧(mm)を意味する。かかる耐水圧は、吸収性物品の第1面又は第2面の少なくとも一部を形成するシート状部材(例えば、サイドシート、裏面シート、外装シート等)においては、防漏性や柔軟性、強度等の点から、50mm〜120mmの範囲内であることが好ましく、さらに60mm〜100mmの範囲内であることが好ましい。なお、かかるシート状部材の耐水圧が50mm以上であれば、吸収性物品の疎水性シート状部材(例えば、サイドシート、裏面シート等)として十分にその機能を果たすことができる。
以下、本発明の吸収性物品を構成する各種部材について、上述の第一実施形態に係る生理用ナプキン1を用いて更に詳細に説明する。
[サイドシート]
上記第一実施形態において、生理用ナプキン1に用いられる一対のサイドシート5、5は、図1に示すように、平面視にて、長手方向Lに延在する一対の帯状の疎水性シート状部材(本実施形態においては、上述の疎水性を有する積層不織布9)によって構成され、上述の表面シート2の肌対向面側の表面上において生理用ナプキン1の幅方向Wの両端部に配置されている。この一対のサイドシート5、5の各々は、図2に示すように、生理用ナプキン1の幅方向Wの内方側に位置し且つ表面シート2の肌対向面側の表面に接合されていない自由端部51と、生理用ナプキン1の幅方向Wの外方側に位置し且つ表面シート2の肌対向面側の表面に接合された固定端部52と、を有している。なお、本実施形態において、上述の固定端部52は、図2に示すように、サイドシート5における幅方向Wの外方側の部分が表面シート2の肌対向面側の表面と、該表面シート2よりも幅方向Wの外方側に延在する裏面シート3の肌対向面側の表面との両方に接合されているが、本発明の吸収性物品においては、サイドシートの固定端部は、このような態様に限定されず、例えば、表面シートが裏面シートと同様に吸収性物品の幅方向における両端部の端縁まで延在し、サイドシートにおける幅方向の外方側の部分が表面シートの肌対向面側の表面のみと接合されていてもよい。
本実施形態における一対のサイドシート5、5は、図2に示すように、生理用ナプキン1の幅方向Wの内方側に位置する一対の自由端部51、51が生理用ナプキン1の厚さ方向Tの外方側に向かって起立することができるため、当該一対のサイドシート5、5は、生理用ナプキン1の表面シート2上を幅方向Wに流れてきた経血等の排泄液を堰き止める防漏壁として機能することができる。
上記第一実施形態において、サイドシート5を形成する疎水性の積層不織布9は、図3及び図4に示すように、厚さ方向Tの外方側(すなわち、肌対向面側)に位置するスパンボンド不織布層9Sと、厚さ方向Tの内方側(すなわち、非肌対向面側)に位置するスパンボンド不織布層9Sと、これらのスパンボンド不織布層によって厚さ方向Tに挟まれた1つのメルトブローン不織布層9Mとによって構成されており、さらに、当該積層不織布9は、厚さ方向Tにおいて基準位置に位置する基部92と、当該基部92から厚さ方向Tの外方側に向かって突出する複数の凸部91と、を有し、その複数の凸部91の各々は、当該凸部91の頂部91Tにおいて上述のメルトブローン不織布層9Mの構成繊維の一部が破断していて、その破断端部9MTが積層不織布9の外表面(すなわち、生理用ナプキン1の外表面)に露出した露出部94を有している。
さらに、本実施形態においては、上記複数の凸部91の各々は、当該凸部91の頂部91Tにおいて、厚さ方向Tの外方側に位置するスパンボンド不織布層9Sが破断した破断部9SBを有しており、上記露出部94は、メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTが上述のスパンボンド不織布層9Sの破断部9SBを介して生理用ナプキン1の外表面に露出している。このようなスパンボンド不織布層9Sの破断部9SBは、平坦な構造を有するSMS不織布(積層不織布)に対して上述の複数の凸部91及び基部92を含む凹凸構造を付与する際に、一対の賦形ロール(例えば、外周面に六角形の複数の突出ピンを有する第1の賦形ロール及び外周面に複数本の凸条を有する第2の賦形ロール等)を備えた凹凸構造賦形装置のロール間隔、各賦形ロールにおける突出ピン及び凸条の配置間隔を調整し、各賦形ロールにおける突出ピン及び凸条の噛み込みにより上述のスパンボンド不織布層9Sの一部を破断させつつ、メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の一部を部分的に破断させるように上述の凹凸構造を賦形することで、形成することができる。このとき、破断したメルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTがスパンボンド不織布層9Sの破断部9SBを介して積層不織布9の外表面に露出し、上述の露出部94を形成する。
積層不織布9の露出部94がこのように形成されていると(すなわち、メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTが、上述のスパンボンド不織布層9Sの破断部9SBを介して生理用ナプキン1の外表面に露出していると)、繊維径の細い柔らかい破断端部9MTによって形成される露出部94をより広く確保することができるため、上述の良好な肌触りをより確実に得ることができる。
なお、上述の厚さ方向の外方側に位置するスパンボンド不織布層の一部を破断して、メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部を露出させる手段は、上述の賦形装置を用いた手段に限定されず、例えば、平坦な構造を有する積層不織布に上述の複数の凸部及び基部を含む凹凸構造を賦形した後に、前記複数の凸部に対して針布やエメリ等を用いた起毛手段を適用し、上述の厚さ方向の外方側に位置するスパンボンド不織布層を破断させつつ、メルトブローン不織布層の一部の構成繊維を破断し、その破断端部を露出させるようにしてもよい。
ここで、本明細書において、凸部の「頂部」は、凸部において厚さ方向の最も外方側(すなわち、積層不織布が吸収性物品の肌対向面側(第1面側)に配置される場合は最も肌対向面側、積層不織布が吸収性物品の非肌対向面側(第2面側)に配置される場合は最も非肌対向面側)に位置する頂点又は頂面を含む部分であって、該頂点又は頂面から凸部の高さ(すなわち、基部における厚さ方向の外方側の表面を含む平面(以下、「基準面」ということがある。)から前記頂点又は頂面までの厚さ方向の距離)の70%の位置までの部分を指す。ここで、凸部の高さの70%の位置とは、前記基準面を起点として、凸部の全高さの70%の高さの位置を指す。
また、上述の第一実施形態においては、メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTは、当該構成繊維が伸長して破断したことによる先細りの形状を有している。メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTがこのような先細りの形状を有していると、着用者の肌面との接触面積をより小さく抑制しつつ、着用者の肌面に接触する部分を、上述の先細りの形状を有する破断端部9MTによって、より一層柔らかくすることができ、更に優れた肌触りを得ることができる。
なお、本実施形態においては、積層不織布9は、1層のメルトブローン不織布層9Mが一対のスパンボンド不織布層(すなわち、スパンボンド不織布層9S及びスパンボンド不織布層9S)に挟まれた3層の積層構造を有する不織布(すなわち、SMS不織布)によって構成されているが、本発明における積層不織布は、少なくとも1層のメルトブローン不織布層が一対のスパンボンド不織布層に挟まれた積層構造のものであれば特に制限されず、例えば、2層のメルトブローン不織布層が一対のスパンボンド不織布層に挟まれた4層の積層構造を有する不織布(すなわち、SMMS不織布)などの4層以上の多層構造を有する不織布によって構成されていてもよい。
また、本発明において、積層不織布を構成する繊維は特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂繊維が挙げられ、これらの樹脂は単独で用いても、2種以上の樹脂を併用してもよい。
さらに、積層不織布の坪量は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されないが、防漏性や柔軟性、強度などの点から、好ましくは10g/m2〜75g/m2の範囲内であり、更に好ましくは15g/m2〜50g/m2の範囲内である。また、積層不織布の厚みも、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されないが、防漏性や柔軟性、強度などの点から、好ましくは0.1mm〜5.0mmの範囲内であり、更に好ましくは0.5mm〜3.0mmの範囲内である。なお、坪量は、JIS L 1906の5.2に従って測定することができる。
ここで、上述の第一実施形態における積層不織布9の凹凸構造(すなわち、複数の凸部91及び基部92を含む凹凸構造)について、更に詳細に説明する。
本実施形態において、積層不織布9の複数の凸部91は、図3及び図4に示すように、それぞれ、頂面と、該頂面の周縁部から厚さ方向Tに延在し且つ長手方向Lに平行な一対の長手方向壁部91Lと、前記頂面の周縁部から厚さ方向Tに延在し且つ幅方向Wに平行な一対の幅方向壁部91Wとを有する略直方体状の外形形状を有しており、その内部には、図4に示すように、略直方体状の中空部91Sを内部空間として備えている。本実施形態の生理用ナプキン1は、積層不織布9の複数の凸部91が、それぞれこのような中空の内部構造を有しているため、当該凸部91がより高い柔軟性やクッション性を発揮し、上述の露出部94と協働して、より優れた柔軟性と肌触りを実現することができる。
なお、本発明において、積層不織布の凸部の構造は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、立方体状、円柱状、楕円柱状、截頭円錐形状、半球状等の任意の構造を採用することができる。
また、上述の第一実施形態において、複数の凸部91は、平坦な構造を有する積層不織布に凹凸構造を付与する際に、賦形ロールの突出ピンにより厚さ方向Tの内方側(第2面側)から厚さ方向Tの外方側に向かって押圧される(すなわち、圧縮される)ことによって形成されているため、当該凸部91の頂面が、積層不織布9の中で最も大きい繊維密度を有している。一方、凸部91の頂面から厚さ方向Tに伸びる各壁部(すなわち、一対の長手方向壁部91L及び一対の幅方向壁部91W)は、頂面の近傍部分を含む頂部91Tにおいて、凹凸構造を付与する際に積層不織布の厚さ方向Tに掛かる張力によって、厚さ方向Tに伸長して繊維密度が小さくなっており、特に、厚さ方向Tの外方側に位置するスパンボンド不織布層9Sにおいては、当該不織布層が破断した破断部9SBが形成されている。
本発明において、積層不織布の凸部の高さは、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.05mm〜2.0mmの範囲内であり、好ましくは0.075mm〜1.5mmの範囲内である。凸部の高さがこのような範囲内にあると、上述の露出部を有する凸部によって奏される作用効果(すなわち、良好な柔軟性と肌触りを得ることができるという作用効果)を、より良好に発揮することができる。さらに、凸部の長手方向の長さは、特に制限されず、例えば、0.25mm〜5.0mmの範囲内であり、好ましくは0.5mm〜3.0mmの範囲内である。同様に、凸部の幅方向の長さも、特に制限されず、例えば、0.25mm〜5.0mmの範囲内であり、好ましくは0.5mm〜3.0mmの範囲内である。凸部の長手方向及び幅方向の各長さが、それぞれ上記範囲内にあると、上述の露出部を有する凸部によって奏される作用効果を、より良好に発揮することができる。
また、上述の第一実施形態においては、積層不織布9の複数の凸部91は、図3に示すように、長手方向Lに沿って一定の間隔で間欠的に配置された複数の凸部91の列が、幅方向Wに並ぶように配置されているとともに、幅方向Wに隣り合う複数の凸部91の列同士において、隣り合う凸部91同士が幅方向Wに重ならないように配置されている(すなわち、複数の凸部は、平面視にて、千鳥状の配置形態で配置されている)。本発明において、複数の凸部の配置形態は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されないが、使用者の肌面を滑らせたときの肌触りをより良好なものにするという観点から、上記複数の凸部は、上述の第一実施形態のような千鳥状の配置形態で配置されていることが好ましい。
さらに、上述の第一実施形態においては、積層不織布9は、図3及び図4に示すように、前記基部92が、厚さ方向Tの内方側に向かって窪む複数の溝部93を有しており、さらに、当該複数の溝部93は、長手方向Lに沿って延在し且つ幅方向Wに複数列並ぶように配置されている。積層不織布9の基部92がこのような複数の溝部93を有していると、当該積層不織布9において、厚さ方向Tに力(例えば、着用者の体圧等)が加わるような場合でも、当該溝部93において上述の積層不織布9を厚さ方向Tに支持しつつ、前記基部92における溝部93以外の部分が厚さ方向Tの内方側に撓むことによって上述の力を緩衝することができるため、より一層優れた柔軟性やクッション性を発揮することができる。これにより、このような積層不織布9を一対のサイドシート5、5として備えた生理用ナプキン1は、積層不織布9における上記特定の凹凸構造と上述の露出部94とが協働して、より一層優れた柔軟性と肌触りを実現することができる。
また、積層不織布9は、複数の溝部93の底部93Bにおいて、厚さ方向Tの内方側(非肌対向面側)の表面が、サイドシート5の非肌対向面側に配置される表面シート2及び裏面シート3の肌対向面側の表面と、ホットメルト型接着剤等の任意の接着剤を介して接合されている。
そして、本実施形態においては、積層不織布9は、図4に示すように、上記複数の溝部93の底部93Bにおいて、厚さ方向Tの内方側に位置するスパンボンド不織布層9Sが破断した破断部9SBを有し、さらに、上述のメルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTが上述のスパンボンド不織布層9Sの破断部9SBを介して厚さ方向Tの内方側に延出した延出部95を有している。積層不織布9が複数の溝部93の底部93Bにおいてこのような延出部95を有していると、当該積層不織布9を、生理用ナプキン1の厚さ方向Tの内方側に位置する他の構成部材(すなわち、表面シート2や裏面シート3等)と接合する際に、上述の延出部95がアンカーとなって、積層不織布9と上記他の構成部材とをより強固に接合することができるため、上述の一定以上の耐水圧を保持しつつ、良好な柔軟性と肌触りを得ることができるという作用効果を、より確実に得ることができる。
本発明において、幅方向に隣り合う複数の溝部の間の間隔は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.25mm〜5.0mmの範囲内であり、好ましくは0.5mm〜3.0mmの範囲内である。ここで、「幅方向に隣り合う複数の溝部の間の間隔」とは、各溝部における幅方向の略中央位置(実質的に溝部における底部の最深部の位置)の間の距離を指す。隣り合う複数の溝部の間の間隔が上記範囲内にあると、積層不織布のクッション性や表面の肌触りが更に良好になる。
さらに、溝部の深さ(すなわち、基部における厚さ方向の外方側の表面を含む平面(基準面)から底部の最深部(より具体的には、当該最深部における厚さ方向の外方側の表面)までの厚さ方向の距離)は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.25mm〜5.0mmの範囲内であり、好ましくは0.5mm〜3.0mmの範囲内である。この溝部の深さが上記範囲内にあると、積層不織布として、より一層優れたクッション性や肌触りを発揮することができる。
また、上述の第一実施形態においては、複数の溝部93は、図3及び図4に示すように、幅方向Wにおいて、基部92の溝部93以外の部分と一体に形成されている。なお、この基部92の溝部93以外の部分は、図3に示すように、幅方向Wにおいて、長手方向Lに延在する各溝部93を間に挟む形で複数列形成されており、いずれの部分も、相互に平行且つ同幅に形成されている。なお、本発明において、積層不織布の上記複数の溝部が延在する方向は上述の長手方向に限定されず、複数の溝部は、幅方向等の任意の方向に延在していてもよい。さらに、積層不織布における複数の凸部及び基部を含む凹凸構造は、本発明の効果を奏し得るものであれば上述の第一実施形態の構造に限定されず、積層不織布は、上述のような複数の溝部を有していない任意の凹凸構造を有していてもよい。
本発明において、積層不織布の上記凹凸構造(すなわち、複数の凸部及び基部を含む凹凸構造)自体は、任意の凹凸賦形加工方法(例えば、特許第5829349号公報や特許第5829326号公報等に開示されているような、平坦な不織布を一対の賦形ロール(具体的には、外周面に断面六角形状の複数の突出ピンを有する第1の賦形ロール及び外周面に複数本の凸条を有する第2の賦形ロール)で挟み込む凹凸賦形方法)などを用いて形成することができる。
なお、積層不織布における上記露出部及び延出部は、上述したとおり、上記一対の賦形ロールのロール間隔、各賦形ロールにおける複数の突出ピン及び凸条の配置間隔等を適宜調節して、厚さ方向の外方側に位置するスパンボンド不織布層及び厚さ方向の内方側に位置するスパンボンド不織布層の所定箇所を破断させつつ、メルトブローン不織布層の構成繊維を部分的に破断させることにより、或いは、積層不織布に上述の凹凸構造を賦形した後に、複数の凸部及び溝部の底部に対して針布やエメリ等を用いた起毛手段を適用して、上述の厚さ方向の外方側に位置するスパンボンド不織布層及び厚さ方向の内方側に位置するスパンボンド不織布層の所定箇所を、メルトブローン不織布層の構成繊維の一部とともに破断させることにより、当該メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部を積層不織布の外表面に露出させ、上述の露出部及び延出部を形成することができる。
上述の第一実施形態においては、生理用ナプキン1の一対のサイドシート5、5が上記特定の凹凸構造を有する積層不織布9によって形成されているが、本発明の吸収性物品においては、必ずしもこのような態様に限定されず、例えば、後述するように、裏面シートや外装シートが上記特定の凹凸構造を有する積層不織布で形成されることによって本発明の効果を得られるような場合には、上記一対のサイドシートは、当分野において公知の任意の疎水性シート状部材を用いることができる。そのような疎水性シート状部材としては、例えば、疎水性不織布などが挙げられ、具体的には、上述の第一実施形態のような1つのメルトブローン不織布層が一対のスパンボンド不織布層に挟まれたSMS不織布や2層のメルトブローン不織布層が一対のスパンボンド不織布層に挟まれたSMMS不織布などの積層不織布のほか、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、メルトブローン不織布、エアスルー不織布などの単層の各種疎水性不織布が挙げられる。中でも、上記一対のサイドシートは、SMS不織布やSMMS不織布等の積層不織布によって形成されていることが好ましく、さらには、上述の第一実施形態のような上記特定の凹凸構造(すなわち、上記露出部を有する複数の凸部と、基部とを含む凹凸構造)を有する積層不織布によって形成されていることが特に好ましい。
吸収性物品の第1面の少なくとも一部を形成する一対のサイドシートが、上記特定の凹凸構造を有する積層不織布によって形成されていると、当該一対のサイドシートを、一定以上の耐水圧を保持しつつ、良好な柔軟性と肌触りを有するものとすることができるため、このようなサイドシートを備えた吸収性物品は、優れた防漏性能と良好な柔軟性及び肌触りとを、より効果的に発揮することができる。
さらに、上記特定の凹凸構造を有する積層不織布によって形成された一対のサイドシートの各々が、上述の第一実施形態のように、吸収性物品の幅方向の内方側に位置し且つ表面シートに接合されていない自由端部と、吸収性物品の幅方向の外方側に位置し且つ表面シートに接合された固定端部とを有するように配置されていると、着用者の肌面に接触しやすい自由端部においてサイドシートを構成する上記積層不織布の複数の凸部の変形の自由度が高くなるため、このようなサイドシートを備えた吸収性物品は、優れた柔軟性を発揮することができ、より一層優れた肌触りを実現することができる。
また、本発明の吸収性物品が、上述の第一実施形態のような生理用ナプキンであると、生理用ナプキンは、第1面が着用者の肌面に密着した状態を維持しやすいため、一対のサイドシートが上記特定の凹凸構造を有する積層不織布によって形成されることによって奏される作用効果を、より効果的に発揮することができる。
(第二実施形態)
なお、本発明においては、上記特定の凹凸構造を有する積層不織布は、一対のスパンボンド不織布層と、当該一対のスパンボンド不織布層によって厚さ方向に挟まれた少なくとも1つのメルトブローン不織布層とによって構成され、且つ、基部と、上述の露出部を有する複数の凸部とを含むものであれば、上述の第一実施形態の態様のものに限定されない。例えば、本発明の別の実施形態(第二実施形態)では、積層不織布9’は、図5に示すように、複数の凸部91の各々の頂部91Tにおいて、厚さ方向Tの外方側に位置するスパンボンド不織布層9Sの構成繊維の繊維間距離が、頂部91T以外の部分における構成繊維の繊維間距離よりも大きい低繊維密度部9SMを有し、さらに、上述の露出部94は、メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTが前記低繊維密度部9SMにおけるスパンボンド不織布層9Sの構成繊維の繊維間を通って積層不織布9’の外表面に露出した構成を備えている。
ここで、図5は、本発明の別の実施形態(第二実施形態)に係る生理用ナプキンのサイドシートに用いられる積層不織布9’の要部拡大断面図である。この第二実施形態においては、上述の第一実施形態と異なる構成以外の構成は、基本的に上述の第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
この第二実施形態では、積層不織布9’は、図5に示すように、上述の露出部94において、メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTが上記低繊維密度部9SMにおけるスパンボンド不織布層9Sの構成繊維の繊維間を通って積層不織布9’の外表面(すなわち、生理用ナプキンの外表面)に露出しているため、スパンボンド不織布層が破断していない部分を有することによって積層不織布9’の一定以上の耐水圧をより確実に確保しつつ、上述の良好な肌触りを得ることができる。
ここで、積層不織布の所定部分(例えば、頂部、壁部、底部等)における繊維密度の大小(高低)の判断は、繊維密度の大小を比較する対象部分のそれぞれを、走査型電子顕微鏡等の拡大観察手段により20倍〜100倍程度の倍率で拡大観察し、一定面積当たりの繊維の本数等から目視により判断することができる。
さらに、本実施形態では、積層不織布9’は、図5に示すように、前記溝部93の底部93Bにおいて、厚さ方向Tの内方側(非肌対向面側)に位置するスパンボンド不織布層9Sの構成繊維の繊維間距離が、当該底部93B以外の部分における構成繊維の繊維間距離よりも大きい低繊維密度部9SMを有し、さらに、メルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTが上述の低繊維密度部9SMにおけるスパンボンド不織布層9Sの構成繊維の繊維間を通って、厚さ方向Tの内方側に延出した延出部95を有している。積層不織布9’が、溝部93の底部93Bにおいて、このような延出部95を有していると、積層不織布9’を、生理用ナプキンの厚さ方向Tの内方側に位置する他の構成部材(すなわち、表面シート2や裏面シート3等)と接合する際に、上述の延出部95がアンカーとなって、積層不織布9’と上記他の構成部材とを、より強固に且つより安定して接合することができる上、上述の作用効果(すなわち、積層不織布9’の一定以上の耐水圧をより確実に確保しつつ、良好な肌触りを得ることができるという作用効果)を、より有利に得ることができる。
また、本実施形態においては、積層不織布9’は、図5に示すように、複数の凸部91の各々の頂部91Tにおいて、厚さ方向Tの内方側に位置するスパンボンド不織布層9Sが破断してなる凸部内方側破断部9SBを有しており、さらに、溝部93の底部93Bにおいて、厚さ方向Tの外方側に位置するスパンボンド不織布層9Sが破断してなる溝部外方側破断部9SBを有している。なお、この第二実施形態においては、これらの凸部内方側破断部9SB及び溝部外方側破断部9SBは、いずれも溝部93の延在する方向と平行に(すなわち、長手方向Lに沿って)延在しているため、これらの凸部内方側破断部9SB及び溝部外方側破断部9SBがヒンジのように作用して、上述の複数の凸部91及び溝部93が幅方向W及び厚さ方向Tに変形しやすくなっている。これにより、上述の積層不織布9’は、着用者の肌面を滑らせたときの肌触りを、より滑らかにすることができる。
なお、上述の凸部内方側破断部及び溝部外方側破断部を備えることは、本発明においては必須の構成要件ではないため、積層不織布は、このような凸部内方側破断部及び溝部外方側破断部を備えていなくてもよい。
また、この第二実施形態における積層不織布9’も、上述の第一実施形態の積層不織布9と同様の手段により、上記特定の凹凸構造を形成することができる。すなわち、平坦な構造を有するSMS不織布(積層不織布)に対して上述の複数の凸部91及び基部92を含む凹凸構造を付与する際に、一対の賦形ロール(例えば、外周面に複数の突出ピンを有する第1の賦形ロール及び外周面に複数本の凸条を有する第2の賦形ロール等)を備えた凹凸構造賦形装置のロール間隔、各賦形ロールにおける突出ピン及び凸条の配置間隔を調整し、各賦形ロールにおける突出ピン及び凸条の噛み込みにより上述のスパンボンド不織布層9Sの一部を厚さ方向に伸長させて低繊維密度部9SMを形成させつつ、メルトブローン不織布層9Mの構成繊維を部分的に破断させるように上述の凹凸構造を賦形することで、形成することができる。このとき、破断したメルトブローン不織布層9Mの構成繊維の破断端部9MTが上述の低繊維密度部9SMにおけるスパンボンド不織布層9Sの構成繊維の繊維間を通って積層不織布9’の外表面に露出し、上述の露出部94を形成する。
(第三実施形態)
また、本発明の更に別の実施形態(第三実施形態)では、上記積層不織布は、上述の各実施形態(すなわち、第一実施形態及び第二実施形態)の両方の構成を備えていてもよい。すなわち、この第三実施形態では、積層不織布における複数の凸部の各々は、当該凸部の頂部において、厚さ方向の外方側に位置するスパンボンド不織布層が破断してなる破断部と、低繊維密度部とを有していて、さらに、上述の露出部は、メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部が上記破断部を介して積層不織布の外表面に露出した部分と、メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部が上記低繊維密度部におけるスパンボンド不織布層の構成繊維の繊維間を通って積層不織布の外表面に露出した部分とを有している。このような構成を備えた積層不織布は、上述の各実施形態によって奏される作用効果を同時に得ることができる。
以下、本発明の吸収性物品に用い得る、サイドシート以外の各種構成部材について、上述の第一実施形態に係る生理用ナプキン1を用いて更に詳細に説明する。
[表面シート]
上述の第一実施形態に係る生理用ナプキン1において、表面シート2は、図1及び図2に示すように、平面視にて、生理用ナプキン1の長手方向Lの一方側端縁から他方側端縁にわたって延在するとともに、生理用ナプキン1の幅方向Wの一方側端縁近傍から他方側端縁近傍にわたって延在する、長手方向Lに長い縦長の外形形状を有しており、生理用ナプキン1の厚さ方向Tにおいて、当該生理用ナプキン1の肌対向面側(第1面側)に配置され、着用者の肌面に直に接触し得る液透過性のシート状部材によって構成されている。
本発明において、表面シートとして用い得る液透過性のシート状部材としては、所定の液透過性を有するものであれば特に制限されず、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布等の不織布や織布などのシート状の繊維構造体;樹脂フィルムに複数の開孔を施した開孔フィルムなどを好適に用いることができる。なお、シート状の繊維構造体は、界面活性剤により親水化処理が施されていてもよい。これらの中でも、液透過性や柔軟性、強度等の点から、シート状の繊維構造体を用いることが好ましく、さらに、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布を用いることがより好ましい。
また、表面シートとしてシート状の繊維構造体を用いる場合、その構成繊維は特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂繊維が挙げられ、これらの樹脂は単独で用いても、2種以上の樹脂を併用してもよい。なお、熱可塑性樹脂繊維の構造は、特に制限されず、例えば、芯鞘型繊維等の複合繊維や異形断面型繊維、立体捲縮繊維などを用いてもよい。
さらに、上述の熱可塑性樹脂繊維は、例えば、界面活性剤や親水化剤等を用いた処理(例えば、繊維内部への界面活性剤の練り込み、繊維表面への界面活性剤の塗布等)などの親水化処理が施されていてもよく、また、消臭剤、抗菌剤などの任意の添加剤を含んでいてもよい。なお、これらの添加剤は、2種以上を併用してもよい。
本発明において、表面シートとして用い得る液透過性のシート状部材の坪量は、所定の液透過性及び強度を有するものであれば特に制限されず、例えば、5g/m〜100g/mの範囲内であり、好ましくは10g/m〜50g/mの範囲内である。
また、表面シートとして用い得る液透過性のシート状部材の構造は、所定の液透過性を有するものであれば特に制限されず、かかるシート状部材は、例えば、略平坦な構造を有するものや肌対向面側の表面に凹凸構造を有するものなどを好適に用いることができる。さらに、表面シートとして用い得る液透過性のシート状部材の寸法形状や厚み等は、かかるシート状部材が吸収性物品の表面シートとして機能し得るものであれば特に制限されず、所望の液透過性や柔軟性、強度等に応じた任意の寸法形状や厚み等を採用することができる。
[裏面シート]
上述の第一実施形態に係る生理用ナプキン1において、裏面シート3は、図1及び図2に示すように、平面視にて、生理用ナプキン1の長手方向Lの一方側端縁から他方側端縁にわたって延在するとともに、生理用ナプキン1の幅方向Wの一方側端縁から他方側端縁にわたって延在する、長手方向Lに長い縦長の外形形状を有しており、生理用ナプキン1の厚さ方向Tにおいて、当該生理用ナプキン1の非肌対向面側(第2面側)に配置され、着用者から排出された経血等の排泄液の漏洩を防ぐ液不透過性のシート状部材によって構成されている。
本発明において、裏面シートとして用い得る液不透過性のシート状部材としては、所定の液不透過性と、好ましくは通気性を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂フィルム;該樹脂フィルムに不織布を貼り合わせた積層体;SMS不織布やSMMS不織布等の積層不織布;上述の各実施形態のサイドシートと同様の上記特定の凹凸構造を備えた積層不織布などを好適に用いることができる。
中でも、裏面シートが使用者の肌面(例えば、吸収性物品を着用した着用者の大腿部や介護者の手など)に接触しやすい吸収性物品(例えば、使い捨ておむつや失禁パッド等)においては、裏面シートは、上述の各実施形態のサイドシートと同様の上記特定の凹凸構造(すなわち、上述の露出部を有する複数の凸部と、基部とを含む凹凸構造)を備えた積層不織布を用いることが好ましい。このような積層不織布を、吸収性物品の第2面(非肌対向面)を形成する裏面シートとして用いると、当該積層不織布による良好な柔軟性と肌触りを、着用者の大腿部等を介して着用者に実感させたり、或いは、吸収性物品の着用者以外の使用者(例えば、介護者等)の手を介して当該使用者に実感させたりすることができる。
さらに、吸収性物品の第1面(肌対向面)の一部を形成する一対のサイドシートと、第2面(非肌対向面)を形成する裏面シートとの両方が、上記特定の凹凸構造を備えた積層不織布によって形成されている場合は、当該吸収性物品(例えば、使い捨ておむつ等)の着用者だけでなく、当該着用者以外の使用者にも、上述の積層不織布による良好な柔軟性と肌触りを実感させることができる。
なお、本発明において、裏面シートとして用い得る液不透過性のシート状部材の坪量は、所定の液不透過性(防漏性)及び強度を有するものであれば特に制限されず、例えば、5g/m〜100g/mの範囲内であり、好ましくは10g/m〜50g/mの範囲内である。
また、裏面シートとして用い得る液不透過性のシート状部材の寸法形状や厚み等は、かかるシート状部材が吸収性物品の裏面シートとして機能し得るものであれば特に制限されず、所望の液不透過性や柔軟性、強度、通気性等に応じた任意の寸法形状や厚み等を採用することができる。
[吸収体]
上述の第一実施形態に係る生理用ナプキン1において、吸収体4は、図1及び図2に示すように、平面視にて、生理用ナプキン1の長手方向Lの一方側端縁近傍から他方側端縁近傍にわたって延在するとともに、生理用ナプキン1の幅方向Wの一方側端縁近傍から他方側端縁近傍にわたって延在する、長手方向Lに長い縦長の外形形状を有しており、生理用ナプキン1の厚さ方向Tにおいて、上述の表面シート2と裏面シート3との間に配置され、表面シート2を透過してきた着用者の経血等の排泄液を吸収して保持するように機能する、吸収性部材によって構成されている。
本発明において、吸収体として用い得る吸収性部材としては、経血や尿等の排泄液を吸収して保持することのできるものであれば特に制限されず、例えば、吸収性材料によって構成される吸収コアを、1枚又は2枚以上の親水性を有するティッシュ等のコアラップシートで覆ったものなどが挙げられる。吸収コアを構成する吸収性材料としては、例えば、親水性繊維や吸水性樹脂などが挙げられ、更に具体的には、粉砕パルプ、コットン等のセルロース繊維;レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース繊維;アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース繊維;アクリル酸ナトリウムコポリマー等の吸水性樹脂からなる粒状物又は当該吸水性樹脂を含む吸水性樹脂組成物からなる粒状物、及びこれら2種以上の任意の組み合わせなどが挙げられる。
本発明において、吸収体として用い得る吸収性部材の寸法形状や厚み、坪量等は、かかる吸収性部材が吸収性物品の吸収体として機能し得るものであれば特に制限されず、所望の吸収性能や柔軟性、強度等に応じた任意の寸法形状や厚み、坪量等を採用することができる。
また、本発明の吸収性物品は、上述した各実施形態の生理用ナプキンのほかに、例えば、パンティーライナー、使い捨ておむつ、失禁パッド等の様々な吸収性物品に適用することができる。例えば、本発明の吸収性物品は、非肌対向面(第2面)を形成する外装シートを備えた使い捨ておむつであってもよい。このような外装シートは、使い捨ておむつの非肌対向面側の表面の略全面を覆うようにして、裏面シートの非肌対向面側の表面にホットメルト型接着剤等の任意の接着剤を介して配置され、着用者から排出された尿等の排泄液の漏洩を防止しつつ、使い捨ておむつの外形を画定するように機能する、疎水性シート状部材によって形成される。そして、このような外装シートを備えた使い捨ておむつにおいては、外装シートは、上述の各実施形態のサイドシートと同様の特定の凹凸構造(すなわち、上述の露出部を有する複数の凸部と、基部とを含む凹凸構造)を備えた積層不織布を用いることが好ましい。このような積層不織布を、使い捨ておむつの非肌対向面(第2面)を形成する外装シートとして用いると、当該積層不織布による良好な柔軟性と肌触りを、着用者の大腿部等を介して着用者に実感させたり、或いは、使い捨ておむつの着用者以外の使用者(例えば、介護者等)の手を介して当該使用者に実感させたりすることができる。
さらに、かかる使い捨ておむつの肌対向面(第1面)の一部を形成する一対のサイドシートと、非肌対向面(第2面)を形成する外装シートとの両方が、上記特定の凹凸構造を備えた積層不織布によって形成されている場合は、当該使い捨ておむつの着用者だけでなく、当該着用者以外の使用者にも、上述の積層不織布による良好な柔軟性と肌触りを実感させることができる。
本発明の吸収性物品は、上述した各実施形態等に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや代替、変更等が可能である。なお、本明細書において、「第1」、「第2」等の序数は、当該序数が付された事項を区別するためのものであり、各事項の順序や優先度、重要度等を意味するものではない。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 サイドシート
51 自由端部
52 固定端部
6 前方側フラップ部
7 後方側フラップ部
8 粘着部
9 積層不織布
91 凸部
91S 中空部
91T 頂部
92 基部
93 溝部
93B 底部
94 露出部
95 延出部
9M メルトブローン不織布層
9MT 構成繊維の破断端部
9MT 構成繊維の破断端部
9S スパンボンド不織布層
9S スパンボンド不織布層
9SB 破断部
9SB 破断部
9’ 積層不織布
9SM 低繊維密度部
9SM 低繊維密度部

Claims (9)

  1. 互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有するとともに、前記厚さ方向において相対する第1面及び第2面を有する吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方の面の少なくとも一部を形成する疎水性の積層不織布であって、一対のスパンボンド不織布層と、当該一対のスパンボンド不織布層によって前記厚さ方向に挟まれた少なくとも1つのメルトブローン不織布層とによって構成された前記積層不織布を備えており、
    前記積層不織布は、基部と、当該基部から前記吸収性物品の前記厚さ方向の外方側に向かって突出する複数の凸部とを有し、
    前記複数の凸部の各々は、当該凸部の頂部において前記メルトブローン不織布層の構成繊維の一部が破断し、その破断端部が前記吸収性物品の外表面に露出した露出部を有する、前記吸収性物品。
  2. 前記複数の凸部の各々は、当該凸部の頂部において、前記厚さ方向の外方側に位置する前記スパンボンド不織布層が破断した破断部を有しており、前記露出部は、前記メルトブローン不織布層の構成繊維の前記破断端部が前記破断部を介して前記吸収性物品の外表面に露出した部分を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記複数の凸部の各々は、当該凸部の頂部において、前記厚さ方向の外方側に位置する前記スパンボンド不織布層の構成繊維の繊維間距離が、前記頂部以外の部分における構成繊維の繊維間距離よりも大きい低繊維密度部を有しており、前記露出部は、前記メルトブローン不織布層の構成繊維の前記破断端部が前記低繊維密度部における前記スパンボンド不織布層の構成繊維の繊維間を通って前記吸収性物品の外表面に露出した部分を有する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記メルトブローン不織布層の構成繊維の前記破断端部が、先細りの形状を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記複数の凸部の各々は、中空の内部構造を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記基部は、前記吸収性物品の前記厚さ方向の内方側に向かって窪む複数の溝部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記基部は、前記溝部の底部において、前記メルトブローン不織布層の構成繊維の破断端部が前記厚さ方向の内方側に位置する前記スパンボンド不織布層を通って、前記厚さ方向の内方側に延出した延出部を有する、請求項6に記載の吸収性物品。
  8. 前記積層不織布が、前記吸収性物品の前記第1面の少なくとも一部を形成する一対のサイドシートである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  9. 前記吸収性物品は、前記第1面の一部を形成する液透過性の表面シートを備え、
    前記一対のサイドシートは、平面視にて前記吸収性物品の前記幅方向の両端部において前記長手方向に延在するように配置されており、前記一対のサイドシートの各々は、前記幅方向の内方側に位置し且つ前記表面シートに接合されていない自由端部と、前記幅方向の外方側に位置し且つ前記表面シートに接合された固定端部と、を有している、請求項8に記載の吸収性物品。
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