JP2009120873A - 金属酸化物膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解した金属酸化物膜形成用溶液を、金属酸化物膜形成温度以上の温度まで加熱した基材に接触させることにより、上記基材上に金属酸化物膜を得る金属酸化物膜の製造方法であって、上記金属酸化物膜形成用溶液が、ジケトン化合物またはケトエステル化合物を含有することを特徴とする金属酸化物膜の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
まず、本発明の金属酸化物膜の製造方法について説明する。本発明の金属酸化物膜の製造方法は、金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解した金属酸化物膜形成用溶液を、金属酸化物膜形成温度以上の温度まで加熱した基材に接触させることにより、上記基材上に金属酸化物膜を得る金属酸化物膜の製造方法であって、上記金属酸化物膜形成用溶液が、ジケトン化合物またはケトエステル化合物を含有することを特徴とするものである。
まず、本発明の金属酸化物膜の製造方法の第一実施態様について説明する。本実施態様は、金属酸化物膜形成用溶液に溶解した金属源が、単独で膜を形成可能な単独膜形成可能金属源である実施態様である。
以下、本実施態様の金属酸化物膜の製造方法について、各構成毎に詳細に説明する。
まず、本実施態様に用いられる金属酸化物膜形成用溶液について説明する。本実施態様に用いられる金属酸化物膜形成用溶液は、少なくとも、金属源と、ジケトン化合物またはケトエステル化合物とを含有する。また、本実施態様においては、金属酸化物膜形成用溶液が、ジケトン化合物およびケトエステル化合物の両方を含有していても良い。さらに、必要に応じて、結晶状態改質材、溶媒および添加剤等を含有していても良い。
まず、本実施態様に用いられる金属源について説明する。本実施態様に用いられる金属源は、単独で膜を形成可能な単独膜形成可能金属源である。また、本実施態様に用いられる金属源は、通常、金属塩または有機金属化合物である。本実施態様においては、2種類以上の金属源を併用しても良い。
次に、本実施態様に用いられるジケトン化合物またはケトエステル化合物について説明する。本実施態様に用いられるジケトン化合物またはケトエステル化合物は、得られる金属酸化物膜の成膜性を向上させるものである。
次に、本実施態様に用いられる結晶状態改質材について説明する。本実施態様に用いられる金属酸化物膜形成用溶液は、金属酸化物膜の結晶状態を変化させる結晶状態改質材を含有していることが好ましい。所望の結晶状態の金属酸化物膜を得ることができるからである。従来、金属酸化物膜の結晶状態は、材料の金属源の種類等に依存するため、所望の結晶状態を有する金属酸化物膜を得ることができない場合があった。これに対して、金属酸化物膜形成用溶液に結晶状態改質材を添加することにより、金属酸化物膜の結晶状態を変化させることができ、目的とする結晶状態を有する金属酸化物膜を得ることができる。
本実施態様に用いられる溶媒は、上述した金属源等を溶解することができるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等の総炭素数が5以下の低級アルコール;トルエン;およびこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
また、本実施態様に用いられる金属酸化物膜形成用溶液は、セラミックス微粒子および界面活性剤等の添加剤を含有していても良い。
次に、本実施態様に用いられる基材について説明する。本実施態様に用いられる基材の材料としては、上記加熱温度に対する耐熱性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えばガラス、SUS、金属板、セラミック基材、耐熱性プラスチック等を挙げることができ、中でもガラス、SUS、金属板、セラミック基材を使用することが好ましい。汎用性があり、充分な耐熱性を有しているからである。
次に、本実施態様における基材と金属酸化物膜形成用溶液との接触方法について説明する。上記接触方法としては、上述した金属酸化物膜形成用溶液と上述した基材とを接触させる方法であれば特に限定されるものではないが、金属酸化物膜形成用溶液および基材を接触させた際に、基材の温度を低下させない方法であることが好ましい。基材の温度が低下すると成膜反応が起こらず所望の金属酸化物膜を得ることができない可能性があるからである。このような基材の温度を低下させない方法としては、例えば、金属酸化物膜形成用溶液を液滴として基材に接触させる方法等が挙げられ、中でも上記液滴の径が小さいことが好ましい。上記液滴の径が小さければ、金属酸化物膜形成用溶液の溶媒が瞬時に蒸発し、基材温度の低下をより抑制することができ、さらに液滴の径が小さいことで、均一な金属酸化物膜を得ることができるからである。
また、本実施態様の金属酸化物膜の製造方法においては、上述した接触方法等により得られた金属酸化物膜の洗浄を行っても良い。上記金属酸化物膜の洗浄は、金属酸化物膜の表面等に存在する不純物を取り除くために行われるものであって、例えば、金属酸化物膜形成用溶液に使用した溶媒を用いて洗浄する方法等を挙げることができる。また、本実施態様においては、金属酸化物膜の作製中または作製後に、紫外線の照射を行っても良い。紫外線を照射することにより、例えば金属酸化物膜の結晶性を向上させることができる。
次に、本発明の金属酸化物膜の製造方法の第二実施態様について説明する。本実施態様は、金属酸化物膜形成用溶液に溶解した金属源が、単独で膜を形成不可能な単独膜形成不可能金属源である実施態様である。
次に、本発明の成膜速度向上材について説明する。本発明の成膜速度向上材は、金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解し、かつ上記金属源が単独で膜を形成可能な単独膜形成可能金属源である金属酸化物膜形成用溶液に添加され、金属酸化物膜の成膜速度を向上させる成膜速度向上材であって、ジケトン化合物またはケトエステル化合物からなることを特徴とするものである。
次に、本発明の成膜化材について説明する。本発明の成膜化材は、金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解し、かつ上記金属源が単独で膜を形成不可能な単独膜形成不可能金属源である金属酸化物膜形成用溶液に添加され、金属酸化物膜の成膜を可能とする成膜化材であって、ジケトン化合物またはケトエステル化合物からなることを特徴とするものである。
次に、本発明の金属酸化物膜形成用溶液について説明する。本発明の金属酸化物膜形成用溶液は、金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解し、かつ、ジケトン化合物またはケトエステル化合物を含有することを特徴とするものである。
本実施例においては、アセチルアセトンを添加した金属酸化物膜形成用溶液を用いて、YSZ膜を作製した。
アセチルアセトンの代わりに、アセト酢酸エチルを用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして金属酸化物膜を得た。
エタノール20重量%およびトルエン80重量%の混合溶媒(アセチルアセトンを含有しない混合溶媒)を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして金属酸化物膜を得た。
本実施例においては、アセチルアセトンのみを溶媒とする金属酸化物膜形成用溶液を用いて、酸化ジルコニウム膜を作製した。
溶媒としてトルエンを用いたこと以外は、実施例2と同様にして金属酸化物膜を得た。得られた金属酸化物膜を、X線回折装置(リガク製、RINT−1500)を用いて測定したところ、酸化ジルコニウム膜が形成されていることが確認された。また、走査型電子顕微鏡による断面観察結果から膜厚を測定し、成膜速度を算出した結果、220nm/hであった。その結果、実施例2の成膜速度は、本比較例の成膜速度の5.7倍程度となった。これにより、アセチルアセトン(ジケトン化合物)を溶媒として用いることにより、成膜速度が向上することが確認された。
溶媒としてエタノールを用いたこと以外は、実施例2と同様にして金属酸化物膜を得た。得られた金属酸化物膜を、X線回折装置(リガク製、RINT−1500)を用いて測定したところ、酸化ジルコニウム膜が形成されていることが確認された。また、走査型電子顕微鏡による断面観察結果から膜厚を測定し、成膜速度を算出した結果、640nm/hであった。その結果、実施例2の成膜速度は、本比較例の成膜速度の2.0倍程度となった。これにより、アセチルアセトン(ジケトン化合物)を溶媒として用いることにより、成膜速度が向上することが確認された。
金属源の種類、ジケトン化合物またはケトエステル化合物、およびその他の事項を表1のように変更したこと以外は、実施例1−1と同様に金属酸化物膜を作製した。その結果を表1に示す。
2 … 金属酸化物膜形成用溶液
3 … スプレー装置
4、5、6 … ローラー
Claims (10)
- 金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解した金属酸化物膜形成用溶液を、金属酸化物膜形成温度以上の温度まで加熱した基材に接触させることにより、前記基材上に金属酸化物膜を得る金属酸化物膜の製造方法であって、
前記金属酸化物膜形成用溶液が、ジケトン化合物またはケトエステル化合物を含有することを特徴とする金属酸化物膜の製造方法。 - 前記金属源が、単独で膜を形成可能な単独膜形成可能金属源であることを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 前記金属源が、単独で膜を形成不可能な単独膜形成不可能金属源であることを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 前記ジケトン化合物が、アセチルアセトンであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 前記ケトエステル化合物が、アセト酢酸エチルであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 前記金属酸化物膜形成用溶液が、さらにドーピング金属源を含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 前記金属源を構成する金属元素が、Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Ag、In、Sn、Ce、Sm、Pb、La、Hf、Sc、Gd、Ca、Cr、Ga、Sr、Nb、Mo、Pd、Sb、Te、Ba、WまたはTaであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解し、かつ前記金属源が単独で膜を形成可能な単独膜形成可能金属源である金属酸化物膜形成用溶液に添加され、金属酸化物膜の成膜速度を向上させる成膜速度向上材であって、
ジケトン化合物またはケトエステル化合物からなることを特徴とする成膜速度向上材。 - 金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解し、かつ前記金属源が単独で膜を形成不可能な単独膜形成不可能金属源である金属酸化物膜形成用溶液に添加され、金属酸化物膜の成膜を可能とする成膜化材であって、
ジケトン化合物またはケトエステル化合物からなることを特徴とする成膜化材。 - 金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解し、かつ、ジケトン化合物またはケトエステル化合物を含有することを特徴とする金属酸化物膜形成用溶液。
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