JP2009120687A - 光導波板用シリコーンゴム組成物、光導波板及びその製造方法 - Google Patents

光導波板用シリコーンゴム組成物、光導波板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性と強度を両立させた硬化物を形成することができ、特にバックライト装置用として好適な光導波板用シリコーンゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記平均組成式(1):
nSiO(4-n)/2 (1)
(式中、Rは同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.04の正数である。)
で表され、フェニル基含有量がケイ素原子に結合した有機基の5〜20mol%である、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ:10〜100質量部、
(C)硬化剤:有効量
を主成分とすることを特徴とする光導波板用シリコーンゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、オルガノポリシロキサンを主成分とし、補強性シリカを含有する光導波板用シリコーンゴム組成物、その硬化物からなる光導波板及びその製造方法に関し、特に高透明、高強度の成型物が得られるため、これを携帯電話のキーパッド照光用バックライト装置の光導波板として好適に用いられるものである。
携帯電話の夜間使用のため多くのキーパッドは、照光用バックライト装置を備えているが、従来は発光ダイオード(LED)をキーパッドの裏側に多数個配置する構成であった。しかし、最近の携帯電話の高機能化に伴い、照光用バックライト装置にも薄型化、軽量化、高輝度化、コストダウンの要求が高まっており、液晶ディスプレイ(LCD)でも採用されている光導波板による照光用バックライト装置が提案された。これは、LED光源と、該光源に対向する端面から光を内部に導入して拡散し、照光したいキー部分に設置した反射面で光を反射して反射光を外部に投射する光導波板から構成されている(特開2003−59321号公報:特許文献1参照)。この装置の特徴は、LEDを横方向に設置することで薄型化が可能になり、従来の裏側にLEDを設置したタイプに比べてLED個数を減少してもキーパッド全面を均一に、高輝度に照光可能となった。また、消費電力も低下したので電池の小型、軽量化も進み、低コスト化にも寄与した。
LCDバックライト装置の光導波板は、光学的特性のみを要求されるが、キーパッド照光用バックライト装置の光導波板は、キー入力の変位(クリック)をスイッチング素子に伝達する役目も担うので、高透明であることに加え、弾性やその温度依存性が小さいこと、薄く均一な厚みで表面平滑なフィルムを成型できること等も必要となる。一般にアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂は高透明でフィルム成型性は良好であるが、弾性の温度依存性、特に低温領域では脆化のため、キー入力時にクラックが発生することがあった。そこで、LEDの封止材等の光学材料にも応用されている高透明なシリコーン系樹脂(特開2002−265787号公報、特開2006−202952号公報、特開2006−342200号公報:特許文献2〜4参照)が低温特性に優れている点で注目された。中でも、シリカを全く含まないために高透明、かつ低温でも弾性を損なわず、熱硬化によるフィルム成型も比較的容易なヒドロシリル化硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物がキーパッド照光用バックライト装置の光導波板として採用されるようになった。
しかし、補強材としてのシリカを全く含まないシリコーンゴムは、一般に強度がなくて柔らかく、表面粘着性を有するためフィルム成型に適さない。架橋密度を上げると強度と硬さが向上し、粘着性も小さくなるため、フィルム成型性は改善されるが、可撓性のない脆いフィルムになってしまう。
特開2003−59321号公報 特開2002−265787号公報 特開2006−202952号公報 特開2006−342200号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、透明性と強度を両立させた硬化物を形成することができ、特にバックライト装置用として好適な光導波板用シリコーンゴム組成物、その硬化物からなる光導波板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、フェニル基含有量がケイ素原子に結合した有機基の5〜20mol%であり、アルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンと、補強性シリカと、硬化剤とを含有したシリコーンゴム組成物が、透明性と強度を両立させた硬化物を与え、光導波板用として好適であることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の光導波板用シリコーンゴム組成物、光導波板及びその製造方法を提供する。
〔1〕 (A)下記平均組成式(1):
nSiO(4-n)/2 (1)
(式中、Rは同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.04の正数である。)
で表され、フェニル基含有量がケイ素原子に結合した有機基の5〜20mol%である、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ:10〜100質量部、
(C)硬化剤:有効量
を主成分とすることを特徴とする光導波板用シリコーンゴム組成物。
〔2〕 該シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートの引裂き強さが5kN/m以上であることを特徴とする〔1〕の光導波板用シリコーンゴム組成物。
〔3〕 該シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートの全光線透過率が90%以上であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕の光導波板用シリコーンゴム組成物。
〔4〕 該シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートのHAZEが10以下であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかの光導波板用シリコーンゴム組成物。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかのシリコーンゴム組成物の硬化物からなる光導波板。
〔6〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかのシリコーンゴム組成物をシート状に成形し、これを硬化することを特徴とする光導波板の製造方法。
本発明のシリコーンゴム組成物の硬化物フィルムは、高透明で高強度を備えたものであるので、携帯電話のキーパッド照光用バックライト装置の光導波板として最適である。
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のシリコーンゴム組成物の(A)成分のオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)
nSiO(4-n)/2 (1)
(式中、Rは同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.04の正数である。)
で表され、フェニル基含有量がケイ素原子に結合した有機基の5〜20mol%である、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。
上記オルガノポリシロキサンの炭素数1〜6の一価炭化水素基Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、並びにフェニル基等の非置換一価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基等で置換された置換アルキル基等の置換一価炭化水素基が挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンのフェニル基含有量は、ケイ素原子に結合した有機基の5〜20mol%であることが必須であり、より好ましくは8〜12mol%である。5mol%未満でも、20mol%より多くても、硬化物の透明性が低下する。
分子量については、特に限定なく粘度の低い液状のものから、粘度の高い生ゴム状のものまで使用できるが、硬化してゴム状弾性体になるためには、重合度が100〜100,000、特に150〜20,000であることが好ましい。
(B)成分の補強性シリカとしては、ヒュームド(煙霧質)シリカ、沈降(湿式)シリカが挙げられる。これらのシリカは、BET法による比表面積が50m2/g以上であり、特に100〜400m2/gであることが好ましい。比表面積が50m2/g未満であると、硬化物は引張強さや引裂き強さなどの機械的強度が十分でないものとなりやすい。
このようなシリカは、必要に応じてその表面をオルガノポリシロキサン、シラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の表面処理剤で表面処理されたシリカを用いてもよい。また、(A)成分のオルガノポリシロキサンに、これら微粉末シリカを配合する時に上記表面処理剤を配合してもよい。
補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜100質量部、好ましくは10〜80質量部である。配合量が少なすぎると十分なゴム強度が得られず、更に生ゴムを原料とするミラブルゴムの場合、加工性が低下してしまう。また、配合量が多すぎると配合が困難となり、ゴム物性が低下してしまう場合もある。
(C)成分は硬化剤であり、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させ得るものであれば特に限定されない。(C)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。(C)成分としては、例えば、加熱により該シリコーンゴム組成物を硬化させ得る硬化剤が挙げられ、好ましい例としては、(C−1)付加反応型硬化剤、(C−2)有機過酸化物硬化剤、及び(C−1)成分と(C−2)成分との組み合わせが挙げられる。
〔(C−1)付加反応型硬化剤〕
(C−1)成分としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒を組み合わせて用いられる。
ヒドロシリル化触媒は、(A)成分のアルケニル基と(C−1)成分中のオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子結合水素原子(以下、Si−H基と呼ぶことがある。)とを付加反応させる触媒である。
ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族金属系触媒としては、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として従来公知のものが使用できる。より具体的には、例えば、白金族の金属単体とその化合物が挙げられる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられ、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は、上記付加反応を促進できる量であればよく、好ましくは白金族金属量に換算して(A)成分の質量に対して1ppm〜1質量%の範囲で使用され、より好ましくは10〜500ppmの範囲である。該添加量が1ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%より多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、一分子中に2個以上、好ましくは3個以上のSi−H基を含有すれば、直鎖状、環状、分枝状のいずれであってもよく、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができ、例えば、下記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができる。
1 pqSiO(4-p-q)/2 (2)
上記平均組成式(2)中、R1は、非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、同一であっても異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を除いたものであることが好ましい。通常、炭素数1〜12、特に1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換した基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。なお、p,qは0≦p<3、好ましくは1≦p≦2.2、0<q≦3、好ましくは0.002≦q≦1、0<p+q≦3、好ましくは1.002≦p+q≦3を満たす正数である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とから成る共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的に下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 2009120687
(式中、kは2〜10の整数、s及びtは0〜10の整数である。)
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は、好ましくは0.1〜1,000mPa・s、より好ましくは0.5〜500mPa・s程度である。なお、本発明において、粘度は回転粘度計等により測定できる。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜40質量部が好ましい。また(A)成分の脂肪族不飽和結合(アルケニル基及びジエン基等)1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子(≡Si−H基)の割合が0.5〜10個の範囲が適当であり、好ましくは0.7〜5個となるような範囲が適当である。0.5個未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10個を超えると表面粘着性のあるフィルムとなってしまう場合がある。
また、(C−1)成分の付加反応型硬化剤を用いる場合には、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、反応制御剤を使用してもよい。具体的には、エチニルシクロヘキサノール等のアセチレンアルコール系制御剤やテトラシクロメチルビニルポリシロキサン等が挙げられる。
〔(C−2)有機過酸化物硬化剤〕
(C−2)成分として用いられる有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部、特に0.2〜5質量部が好ましい。添加量が少なすぎると硬化し難くなる場合があり、多すぎても、それ以上の効果はなく経済的ではなく、また分解残渣が多くなる場合がある。
本発明においては、上記(C−1)成分と(C−2)成分とを組み合わせて使用することもできる。この場合、上記(C−1)成分の配合量は、ヒドロシリル化触媒を、白金族金属として(A)成分の質量に対して0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度配合することが好ましく、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを上記と同量配合することが好ましい。また、上記(C−2)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましい。
本発明の組成物には、上記成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲において、必要に応じて、アルコキシシリル基を含有するアルコキシシラン系化合物、シランカップリング剤、チタン系やジルコニウム系等の縮合触媒などを配合してもよい。
本発明のシリコーンゴム組成物は、通常の混合撹拌器、混練器等を用いて上記の各成分を均一に混合することにより調製することができる。
硬化条件としては、その成形方法における公知の条件でよく、一般的に60〜450℃の温度で数秒〜1日程度である。また、硬化物の圧縮永久歪を低下させる、シリコーンゴム中に残存している低分子シロキサン成分を低減する、あるいは有機過酸化物の分解物を除去する等の目的で、200℃以上、好ましくは200〜250℃のオーブン内等で1時間以上、好ましくは1〜70時間程度、より好ましくは1〜10時間のポストキュア(2次キュア)を行ってもよい。
本発明のシリコーンゴム組成物の硬化物からなるバックライト装置用光導波板は、各成分を均一に混合した上記のシリコーンゴム組成物を80〜350℃、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜150℃で加熱硬化することにより得られる。成型法は公知の熱硬化樹脂によるフィルム成型法を用いることができ、例えばプレス成型法ならば、二枚の樹脂フィルム(ライナー)の間に本発明のシリコーンゴム組成物を流し込み、所定の金型、条件で加圧加硫させればよい。また延伸成型法の例としては、2枚の連続樹脂フィルムの間に本発明のシリコーンゴム組成物を供給しながらロールにより一定厚みに延伸し、加熱炉に連続的に供給して常圧熱気加硫させる。硬化後、冷却してからライナーを剥離すれば、光導波板が得られる。
この場合、本発明のシリコーンゴム組成物は、厚さ2mmの硬化物シートのJIS−K6249に準じて測定した引裂き強さが、5kN/m以上、特に10kN/m以上であることが好ましい。引裂き強さを5kN/m以上とするためには、比表面積が50m2/g以上である補強性シリカを10質量部以上添加することが好ましい。
また、シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートの全光線透過率(JIS−K7105に準ずる)が、スガ試験機(株)製直読ヘーズコンピューターHGM−2による測定値で90%以上であることが好ましい。全光線透過率を90%以上とするためには、オルガノポリシロキサン中のフェニル基含有量をケイ素原子に結合した有機基の5〜20mol%とすることが好ましい。
更に、シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートのHAZE(JIS−K7105に準ずる)が、スガ試験機(株)製直読ヘーズコンピューターHGM−2による測定値で10以下、特に8以下であることが好ましい。HAZE値を10以下とするためには、オルガノポリシロキサン中のフェニル基含有量をケイ素原子に結合した有機基の5〜20mol%とすることが好ましい。
以下、実施例と比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量の単位は質量部である。
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖にメチル基とフェニル基とビニル基(mol比が(CH2=CH)(CH3)SiO2/2/(C652SiO2/2/(CH32SiO2/2=0.15/10/89.85)を有するジメチルジフェニルポリシロキサン(平均重合度6,000)100質量部、ジメチルジクロルシラン処理乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)50質量部、白金触媒(Pt濃度1.0質量%)0.1質量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、粘度10mPa・s、SiH含有量0.009mol/g)0.6質量部、制御剤(エチニルシクロヘキサノール)0.1質量部を混合し、組成物Aを調製した。
[実施例2]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖にメチル基とフェニル基(mol比が(C652SiO2/2/(CH32SiO2/2=10/90)を有するジメチルジフェニルポリシロキサン(平均重合度300、粘度2.7Pa・s)100質量部、ジメチルジクロルシラン処理乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)50質量部、白金触媒(Pt濃度1.0質量%)0.1質量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、粘度10mPa・s、SiH含有量0.009mol/g)3.2質量部、制御剤(エチニルシクロヘキサノール)0.1質量部を混合し、組成物Bを調製した。
[比較例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖にメチル基とビニル基(mol比が(CH2=CH)(CH3)SiO2/2/(CH32SiO2/2=0.15/99.85)を有するジメチルポリシロキサン(平均重合度6,000)100質量部、ジメチルジクロルシラン処理乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)50質量部、白金触媒(Pt濃度1.0質量%)0.1質量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、粘度20mPa・s、SiH含有量0.016mol/g)0.5質量部、制御剤(エチニルシクロヘキサノール)0.1質量部を混合し、組成物Cを調製した。
[比較例2]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(平均重合度300、粘度2.3Pa・s)100質量部、ジメチルジクロルシラン処理乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)50質量部、白金触媒(Pt濃度1.0質量%)0.1質量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、粘度20mPa・s、SiH含有量0.016mol/g)3.0質量部、制御剤(エチニルシクロヘキサノール)0.1質量部を混合し、組成物Dを調製した。
[比較例3]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(平均重合度500、粘度5.5Pa・s)100質量部、オルガノポリシロキサン樹脂((CH33SiO1/2単位39.5mol%、(CH32(CH2=CH)SiO1/2単位6.5mol%、SiO2単位54mol%)50質量部、白金触媒(Pt濃度1.0質量%)0.1質量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、粘度20mPa・s、SiH含有量0.016mol/g)15質量部、制御剤(エチニルシクロヘキサノール)0.1質量部を混合し、組成物Eを調製した。
組成物A〜Eをそれぞれ、以下の通りに硬化させ、シリコーンゴム製透明フィルムを得た。
プレス板上に、ポリエチレンテレフタレート(PET)ライナー、厚さ2.2mmの枠を重ね、この枠内に上記のシリコーンゴム組成物をセットし、この上に更にPETライナー、プレス板を積層して120℃で10分間プレス成型した。二枚のPETライナーごと取り出して冷却後、PETライナーを剥離して厚さ約2mmのシリコーンゴム製透明フィルムを得た。
同様に厚さ0.2mmのスペーサー(枠)を使用して、150℃で2分間プレス成型することにより厚さ約0.2mmのシリコーンゴム製透明シートを得た。
これらについて下記の物性を評価した。
・ゴム硬度: JIS−K6249(2mmシート)
・ゴム引裂き強度: JIS−K6249(2mmシート)
・全光線透過率及びHAZE: JIS−K7105に準じて2mmシートをスガ試験機(株)製直読ヘーズコンピューターHGM−2により測定した。
・可撓性: 0.2mmシートから縦60mm×横20mmのピースを切り出し、縦方向ほぼ中央で二つ折りにし、屈曲部にクラック(割れ)が生じていなければ合格とした。
○:合格 ×:不合格
Figure 2009120687

Claims (6)

  1. (A)下記平均組成式(1):
    nSiO(4-n)/2 (1)
    (式中、Rは同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.04の正数である。)
    で表され、フェニル基含有量がケイ素原子に結合した有機基の5〜20mol%である、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ:10〜100質量部、
    (C)硬化剤:有効量
    を主成分とすることを特徴とする光導波板用シリコーンゴム組成物。
  2. 該シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートの引裂き強さが5kN/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
  3. 該シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートの全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
  4. 該シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートのHAZEが10以下であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物の硬化物からなる光導波板。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物をシート状に成形し、これを硬化することを特徴とする光導波板の製造方法。
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