JP5201362B2 - 光導波板用シリコーンゴム組成物及び光導波板 - Google Patents

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Description

本発明は、オルガノポリシロキサンを主成分とし、ヒドロシリル化反応によって硬化するミラブルタイプ(非液状高粘度タイプ)の光導波板用シリコーンゴム組成物及び光導波板に関し、特にその硬化物として高透明かつ高硬度の成型物が得られ、携帯電話のキーパッド照光用バックライト装置の光導波板に好適に用いられる光導波板用シリコーンゴム組成物及び光導波板に関するものである。
携帯電話の夜間使用のため、多くのキーパッドは照光用バックライト装置を備えているが、この装置は、従来は発光ダイオード(LED)をキーパッドの裏側に多数個配置する構成であった。
しかし、最近の携帯電話の高機能化に伴い、照光用バックライト装置にも薄型化、軽量化、高輝度化、コストダウンの要求が高まっており、液晶ディスプレイ(LCD)でも採用されている光導波板による照光用バックライト装置が提案されている。
この照光用バックライト装置は、LED光源と、該光源に対向する端面から光を内部に導入して拡散し、照光したいキー部分に設置した反射面で光を反射して反射光を外部に投射する光導波板から構成されている(特許文献1:特開2003−59321号公報参照)。この装置の特徴は、照光すべき外部部材に対してLEDを横方向に設置することであり、これにより薄型化が可能になり、従来の裏側にLEDを設置したタイプに比べてLED個数を減らしてもキーパッド全面を均一に、かつ高輝度に照光可能となった。また、消費電力も低下したので電池の小型、軽量化も進み、低コスト化にも寄与した。
LCD用の照光用バックライト装置の光導波板は、光学的特性のみを要求されるが、LEDを光源とするキーパッド照光用バックライト装置の光導波板は、キー入力の変位(クリック)をスイッチング素子に伝達する役目も担うので、光学的特性(高透明であること)に加え、弾性やその温度依存性が小さいこと、薄く均一な厚みで表面平滑なフィルムを成型できることなども必要となる。一般にアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂は高透明でフィルム成型性は良好であるが、弾性の温度依存性、特に低温領域では脆化のため、キー入力時にクラックが発生することがあった。
そこで、キーパッド照光用バックライト装置の光導波板用の材料として、LEDの封止材等の光学材料にも応用されている高透明なシリコーン系樹脂(特許文献2:特開2002−265787号公報、特許文献3:特開2006−202952号公報、特許文献4:特開2006−342200号公報参照)が低温特性に優れている点で注目された。
しかしながら、これらシリコーン系樹脂に用いられている材料は、室温(25℃)で自己流動性を有する液状タイプであり、光導波板を製造する際の工程が煩雑となり、コストアップの要因となる問題があった。
特開2003−59321号公報 特開2002−265787号公報 特開2006−202952号公報 特開2006−342200号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、液状タイプに比べ、カレンダー成型性及び押し出し成型性に優れた透明性の高い、室温で自己流動性のないミラブル型シリコーンゴム組成物からなり、特に、キーパッド照光用バックライト装置用として好適な光導波板用シリコーンゴム組成物及び光導波板を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、室温で自己流動性のないミラブルタイプのシリコーンゴム組成物に、特定のシリカを所定量以上分散させることにより、シリカが高充填された系でも高透明の硬化物を与える材料が得られ、特にシリカが表面疎水化処理され、なおかつ特定量以上に比表面積の大きい表面処理シリカを用いることによって、シリカ充填量の多いことに起因する可塑戻りを抑制できると共に、より高透明な硬化物が得られることを見出し、上記ミラブルタイプのシリコーンゴム組成物が、光導波板用、特にキーパッド照光用のバックライト装置用として好適であることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明は、下記光導波板用シリコーンゴム組成物及び光導波板を提供する。
(1)(A)成分として下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜8の非置換又はハロゲン原子置換のアルキル基、アルケニル基又はシクロアルケニル基であり、かつ1分子中の少なくとも2個は脂肪族不飽和基である。aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される平均重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)予め表面疎水化処理されたシリカを、シリコーンゴム組成物の製造工程中に更にオルガノシラザン化合物で表面疎水化処理してなる、BET比表面積が170m2/gを超える表面疎水化処理されたシリカ 65〜150質量部、
(C)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜30質量部、
(D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
を含有してなることを特徴とする光導波板用シリコーンゴム組成物。
(2)(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子を含有するもので、下記平均組成式(II)
2 b c SiO (4-b-c)/2 (II)
(式中、R 2 は炭素数1〜6の非置換又はハロゲン原子置換のアルキル基又はシクロアルキル基であり、bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で表されるものである(1)記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
)(B)成分が、予めオルガノクロロシランで表面疎水化処理されたシリカを、シリコーンゴム組成物の製造工程中に更にオルガノシラザン化合物で表面疎水化処理してなるものである(1)又は(2)記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
)(A)成分の平均組成式(I)において、R1の脂肪族不飽和基以外の基がメチル基である(1)〜(3)のいずれかに記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
)シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートのJIS K7105の規定による全光線透過率が90%以上であることを特徴とする(1)〜()のいずれか1項記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
)シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートのJIS K7105の規定によるヘイズ値が10以下であることを特徴とする(1)〜()のいずれか1項記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
)キーパッド照光のためのバックライト装置用のものである()又は()記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
)(1)〜()のいずれかに記載のシリコーンゴム組成物を硬化させてなる光導波板。
本発明の光導波板用シリコーンゴム組成物は、液状タイプに比べて押し出し成型、カレンダー成型等の成型性に優れたミラブルタイプの(即ち、非液状(室温で自己流動性がなく)、高粘度であり、ロールミル等の混練機での混練が可能な)材料であり、その硬化物はシリカを含有していても高い透明性を有するもので、よって、簡単な工程でかつ低コストで光導波板を製造可能で、携帯電話等のキーパッド照光用バックライト装置の光導波板として最適である。
以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明のシリコーンゴム組成物において、主剤(ベースポリマー)としての(A)成分は下記平均組成式(I)で表される平均重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であり、かつ1分子中の少なくとも2個は脂肪族不飽和基である。aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子又はシアノ基等で置換した基などが挙げられ、中でもメチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
具体的には、上記式(I)のオルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)がジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部にジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等の形態でフェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を導入したもの等が好適である。
上記式(I)のオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上のアルケニル基、シクロアルケニル基等の、通常、炭素数2〜6程度の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、この脂肪族不飽和基としては特にアルケニル基、とりわけビニル基が好ましい。この場合、式(I)の全R1中の0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%、更には0.02〜5モル%が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
上記式(I)のオルガノポリシロキサンは、全R1中80モル%以上、特に90モル%以上、とりわけ95モル%以上がアルキル基、特にメチル基であることが好ましい。更に好ましくは、式(I)の全R1中の脂肪族不飽和基を除く全ての基がアルキル基、特にメチル基であることが、透明性の確保の点から望ましい。
aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖末端がトリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ジメチルヒドロキシシロキシ基、ジメチルビニルシロキシ基、メチルジビニルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)で封鎖され、主鎖が前記したジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものが好ましく用いられる。
特に好ましいものとしては、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。これらは基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、(A)成分としては、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上であり、好ましくは100〜100,000、より好ましくは1,000〜100,000、特に好ましくは2,000〜50,000、更に好ましくは3,000〜20,000であり、特に室温(25℃)において自己流動性のない生ゴム状であるものが好ましい。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(B)成分のBET比表面積が170m2/gを超える表面疎水化処理されたシリカは、透明性に優れ、また機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加されるもの(即ち、補強性充填剤)である。
(B)成分の表面疎水化処理されたシリカとしては、シリコーンゴム組成物の透明性向上のため、BET比表面積が170m2/gを超えるものを用いるもので、好ましくはBET比表面積が190m2/g以上、より好ましくは200m2/g以上のものである。BET比表面積が170m2/g以下のものでは、硬化物の透明性が低下してしまう。なお、BET比表面積の上限は特に制限されないが、作業性等の点から400m2/g以下、特に300m2/g以下程度が望ましい。
また、通常、シリコーンゴム組成物に使用される補強性シリカとしては、煙霧質シリカ(即ち、ヒュームドシリカ)、沈降シリカ等が挙げられるが、沈降シリカを用いると透明性が低下する場合があるため、本発明においては煙霧質シリカが好適に用いられる。
更に、(B)成分のシリカ、特に煙霧質シリカは、その表面をオルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のアルキルシラザンや、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラビニルジシラザンなどのオルガノシラザン化合物などの表面処理剤で疎水化処理する。本発明では、通常のシリコーンゴム組成物に比べてシリカの配合量が多く、このためロール作業、カレンダー成型などにおける作業性が低下し、可塑戻りの現象が生じてしまうことが見受けられる場合があるが、(B)成分のシリカ表面を疎水化処理することで、このような作業性の低下を抑制でき、更には透明性も向上する。
この表面疎水化処理としては、シリコーンゴム組成物の各成分を配合してゴムコンパウンドを調製する前に、予めシリカの表面処理を実施する場合と、ゴムコンパウンドを調製時に配合装置内で表面疎水化処理を実施する場合とがある。いずれの表面処理方法でもある程度作業性の低下を抑制する効果は認められるが、本発明において専ら使用するのは、予め表面疎水化処理されたシリカを用い、ゴムコンパウンドを調製時に配合装置内で更にオルガノシラザン化合物で再度表面疎水化処理を行う方法によって疎水化処理されたものである。より好ましくは、予めオルガノクロロシランを表面処理剤として使用して表面疎水化処理されたシリカを、シリコーンゴム組成物を構成する他の成分と混合して配合する時(即ち、組成物の製造時)に、ヘキサメチルジシラザン等のオルガノシラザン化合物を表面疎水化処理剤として添加して更に表面疎水化処理する手順である。このように表面疎水化処理シリカを配合時に更に表面疎水化処理を施すことで、作業性の低下を抑制できるばかりでなく、組成物(硬化物)の透明性がより高くなる。
予めシリカを表面処理する方法は公知であり、例えば西独特許第63784号明細書、特開2001−302228号公報に開示されており、これら公知の方法を用いることができる。
予め表面疎水化処理されたシリカを、シリコーンゴム組成物の製造時に更に表面疎水化処理する方法において、予め表面疎水化処理したシリカの処理に使用した表面疎水化処理剤と、組成物製造時に添加する表面疎水化処理剤とは同種でもよいが、例えば、オルガノクロロシラン処理の後のオルガノシラザンでの処理など、異種のものが好ましい。
(B)成分の表面疎水化処理されたシリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して65〜150質量部、好ましくは70〜120質量部である。65質量部未満では、シリコーンゴム組成物の硬化物(シート等)の透明性が低下する。150質量部を超えると、ベースポリマー中へのシリカの分散が困難となる。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、架橋剤として作用するものであり、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するもので、下記平均組成式(II)
2 bcSiO(4-b-c)/2 (II)
(ここで、R2は炭素数1〜6の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。
上記式(II)において、R2は炭素数1〜6の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものである。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基などの非置換の一価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換の一価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくはbは0.8〜2.0、cは0.10〜1.0、より好ましくは0.18〜1.0、更に好ましくは0.2〜1.0、かつb+cは1.0〜2.5を満足する正数である。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)が2〜300、特に3〜200、とりわけ4〜150のものが好ましく、室温で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖にあっても、その両方にあってもよく、1分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
上記の(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等や、上記各例示化合物のメチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたオルガノハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられる。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、適度な架橋密度を得る点から、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.3〜10質量部が好ましい。0.1質量部に満たないと架橋剤としての配合効果が得られず、30質量部を超えると硬化後のシリコーンゴムが脆くなったり、発泡したりする場合がある。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、同様の理由で、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基に対する(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比が0.5〜10モル/モル、好ましくは0.8〜6モル/モル、より好ましくは1〜5モル/モルとなる量で配合することが望ましい。
(D)成分のヒドロシリル化反応触媒は、公知のものが適用可能で、例えば、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属触媒が挙げられる。なお、このヒドロシリル化反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、白金族金属として(A)成分に対し、0.5〜1,000ppm、好ましくは1〜200ppm程度である。
本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、通常シリコーンゴム組成物に配合される難燃性付与剤、着色剤等を添加することができる。
本発明のシリコーンゴム組成物は、室温で自己流動性のない非液状(ミラブル型)であり、上述した成分の所定量を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りすることによって公知の方法で得ることができる。
本発明のシリコーンゴム組成物を硬化、成型する場合、成型方法としては、特に限定されないが、プレス成型、押し出し成型、カレンダー成型等が可能である。また、その硬化条件は特に限定されず、一般的には80〜500℃、特に100〜400℃で、5秒〜1時間、特に30秒〜30分程度の加熱硬化を採用することができる。また、100〜200℃で10分〜10時間程度ポストキュアーをしてもよい。
本発明のシリコーンゴム組成物は、好ましくはプレス成型等の方法で成型、硬化することにより高透明なシリコーンゴムが得られ、これらは通常、LEDを光源とする携帯電話のキーパッド照光用バックライト装置の光導波板等に好適に用いられるものである。
本発明においては、シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートの全光線透過率が、JIS K7105の規格に準じる、スガ試験機(株)製直読ヘイズコンピューターHGM−2による測定値で90%以上(即ち、90〜100%)、特に90%超であることが好ましい。上記全光線透過率が90%未満であると光導波板等に使用したときの光拡散が大きすぎ、入射光が光導波板の最遠部まで届かず、輝度にムラが生じてしまう場合がある。
なお、上記全光線透過率となる硬化物(シリコーンゴム)は、ベースポリマーであるオルガノポリシロキサンの種類(分子構造)や重合度、架橋剤であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの種類(分子構造)、重合度や配合量(架橋密度)、疎水性シリカ微粉末の種類や配合量の他、任意成分の種類や量を適宜選択することにより得ることができる。
更に、本発明のシリコーンゴム組成物は、厚さ2mmの硬化物シートのヘイズ値(ヘーズ(曇点))が、JIS K7105の規格に準じる、スガ試験機(株)製直読ヘイズコンピューターHGM−2による測定値で10以下(即ち、0〜10)、特に8以下(0〜8)、とりわけ5以下(0〜5)であることが好ましい。上記ヘイズ値が10を超える場合は光拡散が大きすぎて、光導波板等に使用したときの入射光が光導波板の最遠部まで届かず、輝度にムラが生じてしまう場合がある。ヘイズ値の下限値は0であってもよい。
なお、上記ヘイズ値となる硬化物(シリコーンゴム)は、ベースポリマーであるオルガノポリシロキサンの種類(分子構造)や重合度、架橋剤であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの種類(分子構造)、重合度や配合量(架橋密度)、疎水性シリカ微粉末の種類や配合量の他、任意成分の種類や量を適宜選択することにより得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量の単位は質量部である。また、重量平均分子量、重量平均重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算値である。
[実施例1]
ジメチルシロキサン単位((CH32SiO2/2)99.425モル%、メチルビニルシロキサン単位((CH2=CH)(CH3)SiO2/2)0.50モル%、ジメチルビニルシロキシ単位((CH2=CH)(CH32SiO1/2)0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000である生ゴム状のオルガノポリシロキサン100部、BET比表面積230m2/gの表面疎水化処理シリカ70部、前記表面疎水化処理シリカの表面疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザン16部、水4部を添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理して前記表面疎水化処理シリカの表面を再度疎水化処理すると共に、コンパウンドを調製した。なお、上記表面処理シリカは、煙霧質シリカをオルガノクロロシランにより公知の方法(特開2001−302228号公報記載の方法)で処理したものである。
上記コンパウンド100部に対し、付加架橋硬化剤としてC−25A(白金族金属を0.10質量%含有するペースト状白金触媒)/C−25B(分子中にSiH基を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを43質量%含有するペースト状の架橋剤)(共に信越化学工業(株)製)それぞれ0.5部/2.0部を2本ロールで混練後添加し、均一に混合した後、120℃、70kgf/cm2の条件で10分間プレスキュアーを行い、次いで200℃で4時間ポストキュアーを行い、試験用シートを作製した。
[実施例2]
BET比表面積230m2/gの表面疎水化処理シリカの添加量を80部、ヘキサメチルジシラザンの添加量を18.5部、水の添加量を4.6部とした以外は実施例1と同様な方法によりシートを成型した。
[実施例3]
BET比表面積230m2/gの表面疎水化処理シリカの添加量を100部、ヘキサメチルジシラザンの添加量を23部、水の添加量を5.7部とした以外は実施例1と同様な方法によりシートを成型した。
[比較例1]
BET比表面積230m2/gの表面疎水化処理シリカの添加量を50部、ヘキサメチルジシラザンの添加量を11.4部、水の添加量を2.9部とした以外は実施例1と同様な方法によりシートを成型した。
[比較例2]
BET比表面積110m2/gの表面疎水化処理シリカの添加量を70部、ヘキサメチルジシラザンの添加量を16部、水の添加量を4部とした以外は実施例1と同様な方法によりシートを成型した。
[比較例3]
BET比表面積300m2/gの表面非処理の乾式シリカ(商品名アエロジル300、日本アエロジル(株)製)の添加量を70部、ヘキサメチルジシラザンの添加量を16部、水の添加量を4部とした以外は実施例1と同様な方法によりシートを成型した。
Figure 0005201362
透明性評価方法;
厚さ2mmシートの全光線透過率、ヘイズ値を測定した。なお、これらは、JIS K7105の規定に基づくスガ試験機(株)製直読ヘイズコンピューターHGM−2による測定値である。
物性特性測定法;
ゴム組成物を120℃/10分の条件で硬化させ、JIS K6249に準じて、可塑度及び硬さ(デュロメーターA)を測定した。
作業性;
可塑戻りなし;○
可塑戻りあり;×

Claims (8)

  1. (A)成分として下記平均組成式(I)
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜8の非置換又はハロゲン原子置換のアルキル基、アルケニル基又はシクロアルケニル基であり、かつ1分子中の少なくとも2個は脂肪族不飽和基である。aは1.95〜2.05の正数である。)
    で表される平均重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)予め表面疎水化処理されたシリカを、シリコーンゴム組成物の製造工程中に更にオルガノシラザン化合物で表面疎水化処理してなる、BET比表面積が170m2/gを超える表面疎水化処理されたシリカ 65〜150質量部、
    (C)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜30質量部、
    (D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
    を含有してなることを特徴とする光導波板用シリコーンゴム組成物。
  2. (C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子を含有するもので、下記平均組成式(II)
    2 b c SiO (4-b-c)/2 (II)
    (式中、R 2 は炭素数1〜6の非置換又はハロゲン原子置換のアルキル基又はシクロアルキル基であり、bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
    で表されるものである請求項1記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
  3. (B)成分が、予めオルガノクロロシランで表面疎水化処理されたシリカを、シリコーンゴム組成物の製造工程中に更にオルガノシラザン化合物で表面疎水化処理してなるものである請求項1又は2記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
  4. (A)成分の平均組成式(I)において、R1の脂肪族不飽和基以外の基がメチル基である請求項1〜3のいずれか1項記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
  5. シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートのJIS K7105の規定による全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
  6. シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートのJIS K7105の規定によるヘイズ値が10以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
  7. キーパッド照光のためのバックライト装置用のものである請求項又は記載の光導波板用シリコーンゴム組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物を硬化させてなる光導波板。
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