JP2009120600A - ニフェジピン含有有核錠剤およびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】現在使用中のニフェジピン含有錠剤に比し小型化しながら、ニフェジピンの溶出特性やバイオアベイラビリティが変らない除放性ニフェジピン含有錠剤を提供する。
【解決手段】(A)ニフェジピン及び親水性ゲル形成性高分子物質を含有するニフェジピンの溶出が遅延化された芯部と、
(B)外殻部全重量に基いて(i)(イ)ニフェジピンと(ロ)pH非依存性の水不溶性高分子よりなる崩壊抑制作用物質とを合算して8〜22重量%、および(ii)セルロース誘導体及びポリビニルアルコールから選ばれる親水性ゲル形成性高分子物質を76〜95重量%含有する該芯部上に形成される外殻部とからなり、直径が7.5〜8.5mmであり且つ厚さが4.5〜5.2mmであって、該錠剤からのニフェジピンの溶出率が特定の範囲に調整されたニフェジピン含有有核錠剤。
【選択図】なし

Description

本発明はニフェジピン含有有核錠剤およびその製法、さらに詳しくは、小型化された1日1回投与型ニフェジピン含有有核錠剤およびその製法並びに該錠剤を用いた第2医薬成分との合剤に関する。
発明者らは先に1日1回投与型ニフェジピン含有有核錠剤を開発し、特許文献1に開示した。該ニフェジピン含有有核錠剤(商品名:アダラートCR錠)は現在日本で高血圧症患者に広く臨床使用されている。しかしながら、該有核錠剤10mg錠及び40mg錠は、圧縮被覆有核錠剤固有の特徴としてややサイズが大きい(直径約9mm、厚さ約5.5mm、体積約310mm3)ため、高齢者や嚥下障害のある患者にとって必ずしも服用しやすいとは言えず、小型化が望まれている。
また、上記有核錠剤を処方されている高血圧症患者のうち、およそ半数は他の降圧薬の併用投与を受けていると推定されている。実際、IMSの統計(2001年)によれば、アダラートCR錠とエナラプリル、リシノプリル等のアンジオテンシン変換酵素阻害薬との併用率は約15%、カンデサルタン、バルサルタン等のアンジオテンシンII受容体拮抗薬との併用率は約20%にのぼる。このように併用が多い理由は、(1)それぞれの降圧薬の単剤療法で満足できる降圧・血圧維持が得られない患者が少なくないこと、(2)降圧薬の単剤療法で十分に満足できる降圧・血圧維持を得ようとすると投与量を増やさざるを得ず、副作用発現の危険が増大すること、(3)作用機序の異なる降圧薬を複数低用量で組み合わせた併用療法の方が安全と考えられること、などである。
こうした併用療法の場合、錠剤サイズが大きめの上記ニフェジピン含有有核錠剤に加えて、少なくとももう1種類の薬剤を服用することとなり、患者の負担はさらに増大するため、ニフェジピン含有有核錠剤の小型化のニーズは併用療法において特に高い。そして、1日1回投与型のニフェジピン含有有核錠剤を十分に小型化することができれば、ニフェジピンと上記の如き第2医薬成分とを1剤にまとめていわゆる合剤とすることも可能となり、患者の身体的負担の軽減に大きく寄与することが期待される。
患者にとって望ましい最終錠剤サイズは直径7〜8mm、厚さ4〜5mm程度と見積もられ、そのうえ、小型化するといえども、1日1回投与型のニフェジピン製剤としての有効性・安全性を保証するためには、市販のニフェジピン有核錠剤のニフェジピン溶出特性と異なるものであってはならず、これをそのまま維持している必要がある。
特許文献1にはニフェジピン含有有核錠剤について記載されているが、それは上記のような小型化を意識したものではない。また、特許文献2にはニフェジピンの小型化に関する技術、即ちニフェジピン含有有核錠剤の芯部に崩壊抑制作用物質を配合することで芯部を小型化することにより完成錠剤のニフェジピン溶出特性を維持する技術が記載されている。しかし、本発明の芯部には崩壊抑制作用物質は含まれずかつ芯部直径及び厚さは従来のアダラートCRのそれらと大差がないこと及び外殻部のみを小型化することにより完成錠剤の所望のニフェジピン溶出特性及びバイオアベイラビリティーを維持することを目的とする点で特許文献2とは異なる。
特にニフェジピン含有有核錠剤1錠あたりのニフェジピンの含有量が高くなれば、芯部と外殻部においてニフェジピンの含有量が増加し添加剤量が減少すること、また適当なニフェジピン溶出特性とバイオアベイラビリティーの両方を維持するためには最低必要な添加剤量が存在することから、最終錠剤を小型化するためには芯部に比べて体積の大きい外殻部を小型化する方が、最終錠剤を小型化しながら適当なニフェジピン溶出特性とバイオアベイラビリティーの両方を維持するためにはより望ましいことである。
外殻部を小型化するにあたっては、種々の粘度の親水性ゲル形成性高分子物質を組み合わせることによりニフェジピンの溶出を制御することが考えられた。しかしながら、小型化による錠剤表面積の減少、錠剤のもつ機械的強度の変化、また含有できる添加剤量の減少により、親水性ゲル形成性高分子物質の調整のみで完成製剤のニフェジピン溶出特性とバイオアベイラビリティーの両方を維持することは困難であった。
特許第3,220,373号公報 特許第3,751,287号公報
本発明は、ニフェジピン含有錠剤において、患者の服用を容易にするために錠剤を小型化するとともに、そのニフェジピン溶出特性およびバイオアベイラビリティが従前の錠剤と変らない徐放性ニフェジピン含有錠剤を提供するものである。
発明者らは、特許文献1に記載された1日1回投与型ニフェジピン含有有核錠剤の小型化について特許文献2と異なる方法を鋭意検討した結果、特に外殻部への親水性ゲル形成性高分子物質及び崩壊抑制作用性物質の配合量を少なくする代わりに、外殻部中のニフェジピンと崩壊抑制作用性物質を合わせた含有率を一定にすることにより、市販のニフェジピン含有製剤品アダラートCRのニフェジピン溶出特性及びバイオアベイラビリティーが同等のままで、かつ錠剤体積比で従来の有核錠剤の約70%に小型化された1日1回投与型ニフェジピン含有有核錠剤を得ることに成功し、本発明を完成した。
本発明は以下の態様の発明を含む。
(1)(A)ニフェジピン及び親水性ゲル形成性高分子物質を含有するニフェジピンの溶出が遅延化された芯部と、
(B)外殻部全重量に基づいて
(i)(イ)ニフェジピンと(ロ)pH非依存性の水不溶性高分子よりなる崩壊抑制作用物質とを合算して8〜22重量%、および
(ii)セルロース誘導体及びポリビニルアルコールから選ばれる親水性ゲル形成性高分子物質を76〜95重量%
含有する該芯部上に圧縮被覆することにより形成される外殻部とからなり、該外殻部において、崩壊抑制作用物質がニフェジピンおよび親水性ゲル形成性高分子物質とともにマトリックスを形成しており、直径が7.5〜8.5mmであり且つ厚さが4.5〜5.2mmであるニフェジピン含有有核錠剤であり、該錠剤からのニフェジピンの溶出率が、
(a)日本薬局方の溶出試験第2法によるシンカーを使用する溶出試験において、
2時間後 10〜40%、
4時間後 30〜65%、
6時間後 55%以上
であり、そして
(b)日本薬局方の崩壊試験法による溶出試験において、
3時間後 35〜65%、
4時間後 65%以上
であることを特徴とするニフェジピン含有有核錠剤。
(2)崩壊抑制作用物質が、エチルセルロース又はアクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体である上記(1)に記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(3)崩壊抑制作用物質が、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体である上記(1)に記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(4)芯部および外殻部における親水性ゲル形成性高分子物質が、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(5)外殻部における親水性ゲル形成性高分子物質が、中粘度ヒドロキシプロピルセルロースと低粘度ヒドロキシプロピルセルロースの組合せからなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(6)外殻部におけるニフェジピンと崩壊抑制作用物質の比率が2:1〜3:1である上記(1)〜(5)のいずれかにに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(7)外殻部におけるニフェジピンと崩壊抑制作用物質の比率が1:1〜1:4である上記(1)〜(5)のいずれかにに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(8)外殻部におけるニフェジピンの含有率が、外殻部全重量に基いて、3〜15重量%の範囲内である上記(1)〜(7)のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(9)外殻部においてニフェジピンと崩壊抑制作用物質を合算して外殻部全重量に基いて18〜21重量%含有する上記(1)〜(8)のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(10)該錠剤からのニフェジピンの溶出率が、日本薬局方の崩壊試験法による溶出試験において、
3時間後 40〜60%、
4時間後 65〜90%
であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(11)芯部の直径が4.5〜5.5mmであり且つ厚さが1.5〜2.5mmである上記(1)〜(10)のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤に、該有核錠剤の少なくとも一部表面が露出するようにして、第2医薬成分を含有する速溶部が部分的に圧縮被覆されてなることを特徴とする錠剤。
(13)(A)ニフェジピン及び親水性ゲル形成性高分子物質を含有するニフェジピンの溶出が遅延化された芯部上に、
(B)外殻部全重量に基づいて
(i)(イ)ニフェジピンと(ロ)pH非依存性の水不溶性高分子よりなる崩壊抑制作用物質とを合算して8〜22重量%、および
(ii)セルロース誘導体及びポリビニルアルコールから選ばれる親水性ゲル形成性高分子物質を76〜95重量%
含有する外殻部を圧縮被覆することを特徴とする、該外殻部において、崩壊抑制作用物質がニフェジピンと親水性ゲル形成性高分子物質とともにマトリックスを形成しており、直径が7.5〜8.5mmであり且つ厚さが4.5〜5.2mmであるニフェジピン含有有核錠剤であり、該錠剤からのニフェジピンの溶出率が、
(a)日本薬局方の溶出試験第2法によるシンカーを使用する溶出試験において、
2時間後 10〜40%、
4時間後 30〜65%、
6時間後 55%以上
であり、そして
(b)日本薬局方の崩壊試験法による溶出試験において、
3時間後 35〜65%、
4時間後 65%以上
であるニフェジピン含有有核錠剤の製造方法。
(14)芯部の直径が4.5〜5.5mmであり且つ厚さが1.5〜2.5mmである上記(13)に記載のニフェジピン含有有核錠剤の製造方法。
(15)上記(1)−(12)のいずれかに記載の錠剤の外側に少なくとも1層の遮光性のフィルムコーティング層を有することを特徴とするフィルムコーティングされた錠剤。
(16)上記(13)又は(14)に記載の方法でニフェジピン含有有核錠剤を調製した後さらに外側に少なくとも1層の遮光性フィルムコーティングを設けることを特徴とするフィルムコーティングされた錠剤の製造方法。
本発明は外殻部中のニフェジピンと崩壊抑制作用性物質を合わせた含有率を一定のすることを最大の特徴を有するものである。
本発明のニフェジピン有核錠剤の外殻部は、ニフェジピン、親水性ゲル形成性高分子物質及び崩壊抑制作用物質の3成分を必須成分として含有するものである。
芯部および外殻部に使用されるニフェジピンの性状は特に制限されるものではなく、通常、沈降法又はレーザー回折散乱式粒度分布測定において、メディアン径が1〜30μm 程度、又はガス吸着法による測定で比表面積が0.5〜10m2/g程度の微粉砕されたニフェジピン結晶が好適に使用される。また、ポリビニルピロリドン等と共に非晶質化又は固溶体化して粉砕したニフェジピン、一旦有機溶媒に溶解した後軽質無水ケイ酸等の多孔質物質に吸着させたニフェジピン等も使用することができる。
本発明の有核錠剤はニフェジピンを1錠あたり一般に10〜120mg、好ましくは20〜90mg、更に好ましくは30〜90mg含有することができる。芯部と外殻部におけるニフェジピンの含有量の相対的割合は特に制限されるものではないが、芯部のニフェジピン含有量/外殻部のニフェジピン含有量の重量比は一般に1/7〜3/1、特に1/5〜2/1の範囲内とすることができる。
外殻部におけるニフェジピンの含有率は、外殻部全重量に基づいて外殻部中のニフェジピンと崩壊抑制作用物質を合算して8〜22重量%となるような範囲にすることができる。即ち、外殻部中ニフェジピンの量が増えれば、崩壊抑制作用物質の量が減る関係にある。外殻部中、ニフェジピンと崩壊抑制作用物質との比率は例えば2:1〜3:1のものや1:1〜1:4のものが挙げれるが本発明はそれに限定されるものではない。
これらの条件の中で、外殻部中のニフェジピンの含有率は、望ましくは外殻部全重量に基づいて、3〜15重量%、更に望ましくは10〜15重量%とすることができる。
芯部および外殻部に使用される親水性ゲル形成性高分子物質としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体やポリビニルアルコール等が挙げられる。中でも、セルロースのヒドロキシ低級アルキルエーテル、殊にHPC又はHPMCが好ましい。上記低級アルキルにおける低級は、炭素数6個以下であることを意味する。これらの親水性ゲル形成性高分子物質は単独で又は複数組み合わせて使用することができ、また、異なる粘度グレードの親水性ゲル形成性高分子物質を複数組み合わせて使用してもよい。異なる粘度グレードのヒドロキシプロピルセルロース(HPC)としては、例えば20℃における2%水溶液の粘度が約6〜約10mPa・sの低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)、20℃における2%水溶液の粘度が約150〜約400mPa・sの中粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M)及び20℃における2%水溶液の粘度が約1000〜約4000mPa・sの高粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H)が挙げられる。ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が使われる場合、中粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M)及び低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)の混合物の使用が望ましい。なお、親水性ゲル形成性高分子物質は、芯部および外殻部において、同一のものであっても、異種のものであってもよい。
これらの外殻部に使用される親水性ゲル形成性高分子物質の配合量は、外殻部全重量に基いて、76〜95重量%、好ましくは78〜85重量%、より好ましくは78〜82重量%の範囲内とすることができる。
本発明の外殻部に使用される崩壊抑制作用物質は、徐放性製剤の基剤又はフィルムとして使用されるpH非依存性の水不溶性高分子よりなる物質であって、外殻部に適度の強度を与え、もって消化管のような機械的刺激の強い環境下での安定な崩壊を可能ならしめるものであり、これを外殻部に配合することによりニフェジピンの溶出特性に変化をきたさずに親水性ゲル形成性高分子物質その他の添加物の配合量を少なくでき、結果的に芯部の体積を約70%まで小型化することが可能となる。
外殻部において、該崩壊抑制作用物質は、ニフェジピンおよび親水性ゲル形成性高分子物質とマトリックスを形成する。マトリックスとは、薬物活性成分が分子状態または微粒子として基剤中に均等に分散された状態を意味する。すなわち、本発明のニフェジピンが親水性ゲル形成性高分子物質および崩壊抑制作用物質に均等に分散されている。
外殻部に配合される崩壊抑制作用物質としては、特許文献1に記載の有核錠剤において外殻部に使用されているものと同じものを単独で又は複数組み合わせて使用することができる。それらの例としては、徐放性製剤の基剤やフィルムとして通常使用されるpH非依存性の特定の水不溶性高分子が挙げられ、エチルセルロースや好ましくは、水不溶性のメタクリレートコポリマーを使用することができる。なかでも、下記式(I)、(II)及び(III)で示される3つの繰返し単位よりなるアクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(以下、「アミノアルキルメタクリレート共重合体」という)が特に好ましい。アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体とは、EP公定書において“Ammonio Methacrylate Copolymer Type A”Ph. Eur.又は“Ammonio Methacrylate Copolymer Type B”Ph. Eur.である。
Figure 2009120600
上記アミノアルキルメタクリレート共重合体としては、上記式(I)、(II)及び(III)の繰返し単位の重量比(I)/(II)/(III)が1/2/0.1〜0.2であるものが好ましく、また、粘度が約1〜約4センチストークスの範囲内にあるものが好ましい。そのようなアミノアルキルメタクリレート共重合体は市販されており、オイドラギット(Eudragit)RS又はRLなる商品名[ドイツ、レーム・ファーマ社(Roehm Pharma GmbH)製]で入手することができる。
外殻部に配合される崩壊抑制作用物質は、外殻部全重量に基づいて外殻部に含まれるニフェジピンと崩壊抑制作用物質を合算して8〜22重量%、望ましくは17〜20重量%となるような範囲にすることができる。
即ち、外殻部中ニフェジピンの量が増えれば、外殻部中の崩壊抑制作用物質の量が減る関係にある。外殻部中、ニフェジピンの量と崩壊抑制作用物質の量との重量比率は例えば2:1〜3:1のものや1:1〜1:4のものが挙げれるが本発明はそれに限定されるものではない。
外殻部に配合される崩壊抑制作用物質は、外殻部の全重量に基いて、2〜20重量%、好ましくは2.5〜10重量%、さらに好ましくは3〜8重量%の範囲内とすることができる。
また、ニフェジピン結晶の濡れを改善したり、外殻部内への水や胃腸管液の浸透を促して、外殻部からのニフェジピンの溶出を促進するために、外殻部に界面活性剤を配合することができる。配合しうる界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリソルベート20、ラウリル硫酸ナトリウム、各種のショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上を適宜選択、組み合わせて使用してもよい。これらの界面活性剤の配合量は、芯部の全重量に基いて、通常、0.03〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲内とすることができる。
また、外殻部には必要に応じて流動化剤を配合することができ、配合しうる流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。これらの流動化剤の配合量は、外殻部の全重量に基いて、通常、0.02〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲内とすることができる。
外殻部にはまた必要に応じて滑沢剤を配合することができ、配合しうる滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルクなどが挙げられる。これらの滑沢剤の配合量は、外殻部の全重量に基いて、通常、0.02〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲内とすることができる。
さらに、外殻部には、場合により、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルファデンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン類、乳糖、白糖、ぶどう糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機塩類、パラフィン、ワックス、高級脂肪酸等の油脂類、セルロース類等の賦形剤;デンプン類、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、架橋ポリビニルピロリドン等の崩壊剤;各種の食用色素等や三二酸化鉄等の着色剤(顔料);などの医薬品添加物を配合することができる。
しかしながら、外殻部の小型のためには、これら医薬品添加物の配合量は必要最小限にとどめることが望ましい。
外殻部の最終的な組成は、該外殻部の組成のみで調製された錠剤からのニフェジピンの溶出率が、
日本薬局方の溶出試験第2法によるシンカーを使用する溶出試験(以下、「局方第2法溶出試験(シンカー使用)」という)において、
2時間後 20〜50%、好ましくは25〜45%、より好ましくは30〜40%、
4時間後 40〜90%、好ましくは45〜85%、より好ましくは50〜80%、
本溶出試験に供する本錠剤は、遮光性フィルムコーティングを施したものでもよく、あるいは施していないものでもよい。
本明細書において、局方第2法溶出試験(シンカー使用)は下記の条件下で実施されたものである。
・試験液:ラウリル硫酸ナトリウムを1%含有する、pH6.8のリン酸緩衝液900ml
・温度:37℃
・回転数:毎分100回転
・シンカーの固定位置:試験液の液面と撹拌翼の上端との中間で、且つ容器壁から10mm離れた位置に、線径1.0mm以下の耐酸性針金で固定。
また、日本薬局方の崩壊試験法による溶出試験(局方崩壊試験装置法)は、下記の条件下で実施されたものである。
・試験液:ポリソルベート80を0.5%含有する、pH6.8のリン酸緩衝液900ml
・温度:37℃
・補助盤使用。
一方、芯部は、外殻部と同様に、ニフェジピン及び親水性ゲル形成性高分子物質を必須成分として含有し、さらに必要に応じて、外殻部と同様の界面活性剤、流動化剤、滑沢剤及びその他の医薬品添加物を含有するものである。
芯部で使用される外殻部と同様のこれらニフェジピン、親水性ゲル形成性高分子物質、界面活性剤、流動化剤、滑沢剤及びその他の医薬品添加物としては、いずれも、外殻部に使用されうる前記したものの中から同一又は異なるものを適宜選択して使用することができる。
芯部においては、ニフェジピン結晶の濡れを改善したり、錠剤内部への水や胃腸管液の浸透を促してニフェジピンの溶出を促進するために、界面活性剤を配合することができる。その配合量は、芯部の全重量に基いて、通常、0.02〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲内とすることができる。
芯部に流動化剤を配合する場合、その配合量は、芯部の全重量に基いて、通常、0.02〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲内とすることができる。
芯部に滑沢剤を配合する場合、その配合量は、芯部の全重量に基づいて、通常、0.02〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲内とすることができる。
さらに、芯部には、上記成分のほか、必要に応じて、外殻部と同様の種々の医薬品添加物を配合することができる。
芯部の最終的組成は、該芯部の組成のみで調製された錠剤からのニフェジピンの溶出率が、日本薬局方の溶出試験第2法によるシンカーを使用しない溶出試験(以下、「局方第2法溶出試験(シンカー不使用)」という)において、一般に、45分後20〜70%、好ましくは25〜65%、より好ましくは30〜60%、2時間後65%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上となるように調節することが望ましい。
本溶出試験に供する本錠剤は、遮光性フィルムコーティングを施したものでもよく、あるいは施していないものでもよい。
ここで、局方第2法溶出試験(シンカー不使用)は、下記の条件下で実施されたものである。
・試験液:ラウリル硫酸ナトリウムを1%含有する、pH6.8のリン酸緩衝液900ml
・温度:37℃
・回転数:毎分75回転。
なお、上記溶出試験に用いる芯部と同一組成の錠剤としては、本発明の有核錠剤の芯部の打錠条件と同じ条件下で打錠することによって調製されたものを使用する。
以上に述べた芯部と外殻部とからなる有核錠剤は、例えば、それ自体既知の方法で芯部となる内核錠をつくり、次いで、有核打錠機(プレスコーター)を用いて該内核錠を前述した組成の外殻部で被覆することにより製造することができる。その際の打錠条件は厳密に制限されるものではなく、最終錠剤に望まれる溶出特性等に応じて変えることができるが、通常、芯部内核錠の打錠圧は100〜1000kgf程度が適当であり、また有核錠の打錠圧は500〜2000kgf程度が適当である。
本発明によれば、芯部の直径は4.5〜5.5mm、好ましくは4.5〜5.2mm、より好ましくは4.6〜5.1mmの範囲内に、また、芯部の厚さは1.5〜2.5mm、好ましくは1.7〜2.3mm、より好ましくは1.8〜2.2mmの範囲内にすることができる。そしてこれに外殻部を圧縮被覆(打錠)して製した有核錠剤は、一般に、直径を7.5〜8.5mm、好ましくは7.7〜8.3mm以下、より好ましくは7.8〜8.2mmの範囲内にすることができ、また、厚さは4.5〜5.2mm、好ましくは4.5〜5.1mm、より好ましくは4.6〜5.0mmの範囲内にすることができる。
上記芯部には外殻部で被覆するに先立ち、薄いフィルムコーティングを施してもよい。該フィルムコーティング基剤としては、例えば、HPC、HPMC、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系水溶性コーティング基剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系腸溶性コーティング基剤;メタアクリル酸コポリマー、セラック等その他の腸溶性フィルムコーティング基剤などが挙げられる。
上記のようにして製造される有核錠剤は、有核錠剤に成形した後にさらに外側に少なくとも1層の遮光性のフィルムコーティングを設けてもよい。そのような遮光性のフィルムコーティングとしては、例えば、三二酸化鉄及び/又は酸化チタン等の遮光剤を適量配合したセルロース系水溶性コーティングが挙げられる。該セルロース系水溶性コーティングとしては、中でも、造膜性の点でHPMCを用いるのが好適であり、20℃における2%水溶液の粘度が100mPa・s以下、特に15mPa・s以下のHPMCが特に好適である。これらのフィルムコーティング基剤には、必要に応じてポリエチレングリコール等の可塑剤を添加することができる。
このようにして調製される本発明のニフェジピン有核錠剤は、小型化されているにもかかわらず、特許文献1に開示されている1日1回投与型のニフェジピン有核錠剤と同等のニフェジピンの溶出特性を発揮する。すなわち、本発明の小型化されたニフェジピン含有有核錠剤からのニフェジピンの溶出率は、
(a)日本薬局方の溶出試験第2法によるシンカーを使用する溶出試験(「局方第2法溶出試験(シンカー使用)」)において、
2時間後 10〜40%、好ましくは15〜35%、より好ましくは20〜29%、
4時間後 30〜65%、好ましくは35〜60%、より好ましくは39〜56%、
6時間後 55%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上であり、そして
(b)日本薬局方の崩壊試験法による溶出試験(以下、「局方崩壊試験装置法という)において、
3時間後 35〜65%、好ましくは40〜60%、より好ましくは40〜50%、
4時間後65%以上、好ましくは65〜90%、より好ましくは70〜80%
である。
尚、(a)日本薬局方の溶出試験第2法によるシンカーを使用する溶出試験および(b)日本薬局方の崩壊試験法による溶出試験に供されるニフェジピン含有有核錠剤は、外側に、少なくとも1層の遮光性のフィルムコーティングを設けたものを使用してもよく、あるいは外側に遮光性のフィルムコーティングを施していないものを使用してもよい。
本発明のニフェジピン含有有核錠剤は、ニフェジピンの有効血中濃度を長時間(少なくとも24時間)にわたって持続させることができるだけでなく、小型化されているので、従来の市販品に比べて患者の嚥下・服用が極めて容易である。
また、本発明により提供されるニフェジピン含有有核錠剤は、前記のとおり小型化することができるので、該ニフェジピン含有有核錠剤上に第2医薬成分を含有する速放部を設けて、ニフェジピンと第2医薬成分との合剤とすることができる。かくして、本発明によれば、以上に述べたニフェジピン含有有核錠剤に、その少なくとも一部表面が露出するようにして、第2医薬成分を含有する速放部が部分的に圧縮被覆されてなることを特徴とする錠剤(以下、合剤という)が提供される。
本発明の合剤は、本発明の小型化されたニフェジピン含有有核錠剤と第2医薬成分を含有する速放部とからなる錠剤であって、該ニフェジピン含有有核錠剤の上面、底面及び側面の3面のうちの少なくとも一面を外部に露出させて該速放部が配置された構成からなる。
このような錠剤としては、具体的には、上記小型化されたニフェジピン含有有核錠剤をベースとして、その上、下面いずれか片面もしくは両面に速放部を圧縮被覆した単純な平行二層もしくは三層錠、又は上記小型化されたニフェジピン含有有核錠剤を芯とし、その底面及び側面が第2医薬成分含有の速放部で包囲され且つ該有核錠剤の上面が該速放部の上面に実質的に同心状に露出するよう圧縮した錠剤(別名“bull’s eye tablet”)を挙げることができる。なお、上記小型化されたニフェジピン含有有核錠剤を芯として、この全面を第2医薬成分含有の速放部で圧縮被覆して有核3重錠とすることもできるが、そうするとサイズが大きくなりすぎて患者の利便を害する可能性がある。
本発明の合剤に使用しうる第2医薬成分としては、ニフェジピンとの間で有害な相互作用のない薬物であって、速溶性が求められ、かつ1日1回経口投与型のものであれば特に制限されないが、ニフェジピンと併用されたときに互いに相乗的に作用する薬剤が望ましい。
そのような第2医薬成分としては、例えば、カンデサルタン・シレキセチル、ロサルタン・カリウム、バルサルタン、オルメサルタン・メドキソミル、テルミサルタン及びイルベサルタンよりなる群から選ばれるアンジオテンシンII受容体拮抗薬;マレイン酸エナラプリル、リシノプリル、シラザプリル及び塩酸デラプリルよりなる群から選ばれるアンジオテンシン変換酵素阻害薬が挙げられる。なかでも、カンデサルタン・シレキセチル及びマレイン酸エナラプリルは、その用量が少なく速放部の体積を小さくすることができるので、本発明の小型化されたニフェジピン有核錠剤との組合わせに特に好適である。
また、緩除な降圧効果を有するために降圧薬として古くから使用されている利尿薬も第2医薬成分として用いることができる。この目的のために使用される利尿薬としては、例えば、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ポリチアジド、メチクロチアジド、ペンフルチジド、クロロチアジド、シクロチアジド、フルメチアジド、ベンズチアジド、ベンドロフルメチアジドなどのサイアザイド系利尿薬;アセタゾラミド、アゾセミド、エタクリン酸、エタクリン酸ナトリウム、キネサゾン、クロフェナミド、クロルタリドン、スピロノラクトン、トリアムテレン、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド、メトラゾン、メフルシド、アミロライド、インダパミド、チクリナフェン、トリパミド、トルセミド、メチクラン、アミノフィリンなどの非サイアザイド系利尿薬が挙げられる。
本発明の合剤に使用される第2医薬成分の配合量は、該第2医薬成分の用法用量、成形性、嵩密度などに依存するが、通常、150mg以下、好ましくは120mg以下、より好ましくは100mg以下、さらにより好ましくは80mg以下である。
第2医薬成分を含有する速放部には、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、滑沢剤などの必要な医薬品添加物が配合される。これら医薬品添加物としては、上記小型化されたニフェジピン含有有核錠剤について前記したものと同様のものを使用することができる。速放部の特徴は、服用後、胃内で短い時間内に崩壊して第2医薬成分を放出することである。このため、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、滑沢剤などの必要な医薬品添加物を適宜選択し又はこれらを組み合わせて速放部の組成を決定する。速放部での第2医薬成分の含有率は、第2医薬成分の用量、物理化学的性質、特に溶解性やぬれ性などを勘案して決定することができる。
速放部からの第2医薬成分の溶出率は、日本薬局方の溶出試験第2法による溶出試験(50rpm)において、1時間後80%以上になるよう製剤設計することが望ましい。ここで、日本薬局方の溶出試験第2法による溶出試験(50rpm)とは、下記の条件下で実施されたものである。
・試験液:ポルソルベート80を0.5%含有する精製水900ml
・温度:37℃
・回転数:毎分50回転。
本発明の小型化されたニフェジピン含有有核錠剤と第2医薬成分含有の速放部との接合には、上記小型化されたニフェジピン含有有核錠剤の製造に用いた有核打錠機(プレスコーター)と同一又は類似の打錠機を使用することができる。市販の機械をそのまま用いてもよいし、改造して用いてもよい。打錠は、具体的には、例えば、以下に述べる3つの方法のいずれかによって行なうことができ、使用する有核打錠機(プレスコーター)の性能に合わせて適宜選択すればよい。
(1) 本発明のニフェジピン含有有核錠剤の直径と同じか、あるいはわずかに大きめ(+0.05〜0.2mm程度)の直径を有する臼と杵をセットした有核打錠機(プレスコーター)を準備し、速放部用打錠末を臼の中に充填し、その上にニフェジピン含有有核錠剤を載せ、第2充填のないまま臼の中で圧縮成形する方法。
この方法では、ニフェジピン含有有核錠剤の底面のみに第2医薬成分を含有した速放部が層状に接合され、ニフェジピン含有有核錠剤の上面と側面が外部に露出した状態の錠剤が得られる。この方法は、第2医薬成分の用量が十分に少量の場合(例えば10mg以下)で、速放部を小型に設計できる場合に、特に有用である。
(2) 本発明のニフェジピン含有有核錠剤の直径と同じか、あるいはわずかに大きめ(+0.05〜0.2mm程度)の直径を有する臼と杵をセットした有核打錠機(プレスコーター)を準備し、速放部用打錠末を臼の中に充填し、その上にニフェジピン含有有核錠剤を載せ、さらに速放部用打錠末を充填して、臼の中で圧縮成形する方法。
この方法では、ニフェジピン含有有核錠剤の上面と底面に第2医薬成分含有速放部が層状に接合され、ニフェジピン含有有核錠剤の側面のみが外部に露出した状態の錠剤が得られる。この方法は、第2医薬成分の用量が十分に少量の場合(例えば10mg以下)で、速放部を小型に設計できる場合に、特に有用である。
(3) 本発明のニフェジピン含有有核錠剤よりも大きいサイズ(通常、直径が+2.4mm以上のもの;円形でも楕円でも可)の臼と杵をセットした有核打錠機(プレスコーター)を準備し、速放部用打錠末を臼の中に充填し、その上にニフェジピン含有有核錠剤を載せ、第2充填のないまま臼の中で圧縮成形する方法。
この方法では、ニフェジピン含有有核錠剤の底面と側面に第2医薬成分含有速放部が凹状に接合され、実質的にニフェジピン含有有核錠剤の上面のみが速放部の上面に同心状に露出した状態の錠剤が得られる。この方法は、第2医薬成分の用量による制約を受けにくく、柔軟に合剤を製剤設計できるという利点を有するので、より多くの種類の第2医薬成分を対象にすることができ、最も広範囲に利用可能な方法である。
上記(1)〜(3)いずれの場合も、ニフェジピン含有有核錠剤と第2医薬成分含有速放部との良好な接合を得るために、ニフェジピン含有有核錠剤にあらかじめフィルムコーティングすることを避けるのが望ましい。
圧縮被覆(プレスコーティング)のための打錠圧は、ニフェジピン含有有核錠剤を実質的に破壊しない限度の圧力範囲で、速放部が適切な硬度や崩壊性を示すように調節すればよい。通常、プレスコーティングに要する打錠圧は500〜2000kgf程度とすることができる。
また、最終合剤のサイズは、大きいと、特に高齢の患者にとっては嚥下が困難になる場合があるので、患者が無理なく嚥下できるようなサイズに設計することが望まれる。円形錠の場合、最終錠剤の直径は、通常、12mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは9.5mm以下とし、錠剤の厚さは、通常、6mm以下、好ましくは5.8mm以下、より好ましくは5.6mm以下の範囲内にする。速放部を大きくせざるを得ない場合には、オブロング型、オーバル(楕円)型にし且つ短径を9mm程度に設計することが望ましい。
本発明の小型化されたニフェジピン含有有核錠剤と第2医薬成分含有速放部からなる合剤は、必要に応じて、通常のフィルムコーティングを施すことができる。フィルムコーティングの組成は、前述の小型化されたニフェジピン含有有核錠剤に用いるものと同様のものが挙げられる。
上記のように製造される、ニフェジピン含有有核錠剤と第2医薬成分を含有する速放部とからなる合剤は、ヒトに経口投与されると、まず速放部が速やかに崩壊し、第2医薬成分が溶出される。続いて、ニフェジピン含有有核錠剤からはニフェジピンが安定に溶出し、24時間にわたって有効血中濃度を維持する。
以下、本発明の好ましい態様を実施例及び比較例によって更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に使用したHPC−L及びHPC−Mは、それぞれ日本曹達(株)製のヒドロキシプロピルセルロース、粘度6.0〜10.0mPa・s(2%水溶液、20℃)及び日本曹達(株)製のヒドロキシプロピルセルロース、粘度150〜400mPa・s(2%水溶液、20℃)である。また、HPMCとしては、信越化学工業(株)製のヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、15mPa・sを用いた。「オイドラギット RL PO」はアクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体に対するドイツ、レーム・ファーマ社の商品名である。
実施例1
ニフェジピン(微粉砕結晶) 180g (30%)
乳糖 271g (45%)
HPC−L 146g (24%)
上記原料を均一に混合し造粒後、乾燥し、整粒した。これにステアリン酸マグネシウム2gを加えて混合した後、ロータリー打錠機(菊水)を用いて打錠圧0.5トンで打錠して、1錠重量が50mgの芯部錠剤(直径5mm、厚み2mm)を作製した。
ニフェジピン(微粉砕結晶) 100g (14%)
HPC−L 388g (54%)
HPC−M 192g (27%)
オイドラギットRLPO 36g ( 5%)
上記原料を均一に混合し造粒後、乾燥し、整粒した。これにステアリン酸マグネシウム4gを加えて混合した。この組成物を外殻部とし、先に作製した芯部錠剤と共に有核打錠機(菊水クリーンプレスコレクト18DC)を用いて打錠圧0.8トンで打錠して、1錠中ニフェジピンを40mg含有する重量230mgの有核錠剤(直径8mm、厚み4.8mm)を作製した。さらに、この有核錠剤の表面に、次の組成を有する遮光性のフィルムコーティングを施し、総重量237mg、体積約215mm3の錠剤を得た(市販品の体積の約70%)。
1錠当りのフィルムコーティングの組成:
HPMC 2910(15mPa・s) 4.2mg (60%)
ポリエチレングリコール 4000 1.4mg (20%)
三二酸化鉄(赤色) 0.3mg ( 4%)
酸化チタン 1.1mg (16%)
比較例1
ニフェジピン(微粉砕結晶) 100g (14%)
HPC−L 352g (49%)
HPC−M 192g (27%)
オイドラギットRLPO 72g (10%)
上記原料を均一に混合し造粒後、乾燥し、整粒した。これにステアリン酸マグネシウム4gを加えて混合した。この組成物を外殻部とし、実施例1に用いた芯部錠剤と共に有核打錠機(菊水クリーンプレスコレクト18DC)を用いて打錠圧0.8トンで打錠して、1錠中ニフェジピンを40mg含有する重量230mgの有核錠剤(直径8mm、厚み4.8mm)を作製した。さらに、この有核錠剤の表面に、実施例1と同様に遮光性のフィルムコーティングを施し、総重量237mg、体積約215mm3の錠剤を得た(市販品の体積の約70%)。
上記実施例1および比較例1で得られた錠剤並びに市販品のアダラートCR錠40mgについて、前記条件にしたがって、局方第2法溶出試験(シンカー使用)および局方崩壊試験装置法によりニフェジピン溶出率を測定した。それらの溶出パターンをそれぞれ図1および図2に示す。
実施例2
ニフェジピン(微粉砕結晶) 45g (8%)
乳糖 229g (38%)
HPC−L 323g (54%)
上記原料を均一に混合し造粒後、乾燥し、整粒した。これにステアリン酸マグネシウム2gを加えて混合した後、ロータリー打錠機(菊水)を用いて打錠圧0.5トンで打錠して、1錠重量が50mgの芯部錠剤(直径5mm、厚み2mm)を作製した。
ニフェジピン(微粉砕結晶) 38g (4%)
HPC−L 563g (52%)
HPC−M 270g (25%)
エチルセルロース 102g (9%)
結晶セルロース 102g (9%)
上記原料を均一に混合し造粒後、乾燥し、整粒した。これにステアリン酸マグネシウム6gを加えて混合した。この組成物を外殻部とし、先に作製した芯部錠剤と共に有核打錠機(菊水クリーンプレスコレクト18DC)を用いて打錠圧0.8トンで打錠して、1錠中ニフェジピンを10mg含有する重量230mgの有核錠剤(直径8mm、厚み4.8mm、総重量230mg、体積約215mm(市販品の体積の約70%))を作製した。さらに、所望により、この有核錠剤の表面に、次の組成を有する遮光性のフィルムコーティングを施してもよい。
1錠当りのフィルムコーティングの組成:
HPMC 2910(15mPa・s) 3.7mg (53%)
ポリエチレングリコール 4000 1.2mg (18%)
三二酸化鉄(赤色) 0.9mg (12%)
酸化チタン 1.2mg (17%)
実施例3
ニフェジピン(微粉砕結晶) 38g (4%)
HPC−L 563g (52%)
HPC−M 270g (25%)
エチルセルロース 102g (9%)
リン酸カルシウム 102g (9%)
上記原料を均一に混合し造粒後、乾燥し、整粒した。これにステアリン酸マグネシウム6gを加えて混合した。この組成物を外殻部とし、先に作製した芯部錠剤と共に有核打錠機(菊水クリーンプレスコレクト18DC)を用いて打錠圧0.8トンで打錠して、1錠中ニフェジピンを10mg含有する重量230mgの有核錠剤(直径8mm、厚み4.8mm、総重量230mg、体積約215mm(市販品の体積の約70%))を作製した。さらに、所望により、この有核錠剤の表面に、実施例2と同様に遮光性のフィルムコーティングを施してもよい。
比較例2
ニフェジピン(微粉砕結晶) 38g (4%)
HPC−L 677g (63%)
HPC−M 324g (30%)
エチルセルロース 36g (3%)
上記原料を均一に混合し造粒後、乾燥し、整粒した。これにステアリン酸マグネシウム6gを加えて混合した。この組成物を外殻部とし、実施例2に用いた芯部錠剤と共に有核打錠機(菊水クリーンプレスコレクト18DC)を用いて打錠圧0.8トンで打錠して、1錠中ニフェジピンを10mg含有する重量230mgの有核錠剤(直径8mm、厚み4.8mm、総重量230mg、体積約215mm3(市販品の体積の約70%))を作製した。さらに、所望により、この有核錠剤の表面に、実施例2と同様に遮光性のフィルムコーティングを施してもよい。
上記実施例2、実施例3および比較例2で得られた錠剤(遮光性のフィルムコーティングを施していないもの)並びに市販品のアダラートCR錠10mgについて、局方第2法溶出試験(シンカー使用)および局方崩壊試験装置法にしたがって、前記比較例1等と同様に、ニフェジピンの溶出率を測定した。それらの溶出パターンをそれぞれ図3および図4に示す。
試験例1
実施例1及び比較例1の各錠剤及び市販の1日1回投与型持続性ニフェジピン錠剤(商品名:アダラートCR錠40mg;ニフェジピン40mg含有)を各1錠健常成人男子12名に食後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータを比較した。結果を表1に示す。
Figure 2009120600
以上の結果から明らかなとおり、本発明に従う実施例1の錠剤を投与したとき、市販の1日1回投与型持続性ニフェジピン錠剤を投与したときと同等の最高血漿中濃度及び血中濃度曲線下面積を示した。従って、実施例の錠剤は市販の1日1回投与型持続性ニフェジピン錠剤と同等の血漿中ニフェジピン濃度推移を示すと考えられる。
一方、比較例1の錠剤は、最高血漿中濃度及び血中濃度曲線下面積ともに市販の1日1回投与型持続性ニフェジピン錠剤よりも低く、同等とはいえなかった。
本発明のニフェジピン含有有核錠剤は、現在用いられているニフェジピン含有錠剤に比べて小型されており、患者の服用が容易であるうえ、そのニフェジピンの溶出特性やバイオアベイラビリティが現在使用の錠剤と変わらず、ニフェジピンを持続放出し得るため、除放性ニフェジピン含有錠剤としてきわめて有用である。
実施例1及び比較例1の各錠剤並びに市販品のアダラートCR錠40mgからのニフェジピンの局方第2法溶出試験(シンカー使用)による溶出パターンを示す。
実施例1及び比較例1の各錠剤並びに市販品のアダラートCR錠40mgからのニフェジピンの局方崩壊試験装置法による溶出パターンを示す。
実施例2、実施例3及び比較例2の各錠剤(遮光性のフィルムコーティングを施していないもの)並びに市販品のアダラートCR錠10mgからのニフェジピンの局方第2法溶出試験(シンカー使用)による溶出パターンを示す。
実施例2、実施例3及び比較例2の各錠剤(遮光性のフィルムコーティングを施していないもの)並びに市販品のアダラートCR錠10mgからのニフェジピンの局方崩壊試験装置法による溶出パターンを示す。

Claims (16)

  1. (A)ニフェジピン及び親水性ゲル形成性高分子物質を含有するニフェジピンの溶出が遅延化された芯部と、
    (B)外殻部全重量に基いて
    (i)(イ)ニフェジピンと(ロ)pH非依存性の水不溶性高分子よりなる崩壊抑制作用物質とを合算して8〜22重量%、および
    (ii)セルロース誘導体及びポリビニルアルコールから選ばれる親水性ゲル形成性高分子物質を76〜95重量%
    含有する該芯部上に圧縮被覆することにより形成される外殻部とからなり、該外殻部において、崩壊抑制作用物質がニフェジピンおよび親水性ゲル形成性高分子物質とともにマトリックスを形成しており、直径が7.5〜8.5mmであり且つ厚さが4.5〜5.2mmであるニフェジピン含有有核錠剤であり、該錠剤からのニフェジピンの溶出率が、
    (a)日本薬局方の溶出試験第2法によるシンカーを使用する溶出試験において、
    2時間後 10〜40%、
    4時間後 30〜65%、
    6時間後 55%以上
    であり、そして
    (b)日本薬局方の崩壊試験法による溶出試験において、
    3時間後 35〜65%、
    4時間後 65%以上
    であることを特徴とするニフェジピン含有有核錠剤。
  2. 崩壊抑制作用物質が、エチルセルロース又はアクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体である請求項1に記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  3. 崩壊抑制作用物質が、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体である請求項1に記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  4. 芯部および外殻部における親水性ゲル形成性高分子物質が、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項1〜3のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  5. 外殻部における親水性ゲル形成性高分子物質が、中粘度ヒドロキシプロピルセルロースと低粘度ヒドロキシプロピルセルロースの組合せからなる請求項1〜3のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  6. 外殻部におけるニフェジピンと崩壊抑制作用物質の比率が2:1〜3:1である請求項1〜5のいずれかにに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  7. 外殻部におけるニフェジピンと崩壊抑制作用物質の比率が1:1〜1:4である請求項1〜5のいずれかにに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  8. 外殻部におけるニフェジピンの含有率が、外殻部全重量に基いて3〜15重量%の範囲内である請求項1〜7のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  9. 外殻部においてニフェジピンと崩壊抑制作用物質を合算して外殻部全重量に基いて18〜21重量%含有する請求項1〜8のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  10. 該錠剤からのニフェジピンの溶出率が、日本薬局方の崩壊試験法による溶出試験において、
    3時間後 40〜60%、
    4時間後 65〜90%
    であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  11. 芯部の直径が4.5〜5.5mmであり且つ厚さが1.5〜2.5mmである請求項1〜10のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のニフェジピン含有有核錠剤に、該有核錠剤の少なくとも一部表面が露出するようにして、第2医薬成分を含有する速溶部が部分的に圧縮被覆されてなることを特徴とする錠剤。
  13. (1)ニフェジピン及び親水性ゲル形成性高分子物質を含有するニフェジピンの溶出が遅延化された芯部上に、
    (2)外殻部全重量に基づいて
    (i)(イ)ニフェジピンと(ロ)pH非依存性の水不溶性高分子よりなる崩壊抑制作用物質とを合算して8〜22重量%、および
    (ii)セルロース誘導体及びポリビニルアルコールから選ばれる親水性ゲル形成性高分子物質を76〜95重量%
    含有する外殻部を圧縮被覆することを特徴とする、該外殻部において、崩壊抑制作用物質がニフェジピンと親水性ゲル形成性高分子物質とともにマトリックスを形成しており、直径が7.5〜8.5mmであり且つ厚さが4.5〜5.2mmであるニフェジピン含有有核錠剤であり、該錠剤からのニフェジピンの溶出率が、
    (a)日本薬局方の溶出試験第2法によるシンカーを使用する溶出試験において、
    2時間後 10〜40%、
    4時間後 30〜65%、
    6時間後 55%以上
    であり、そして
    (b)日本薬局方の崩壊試験法による溶出試験において、
    3時間後 35〜65%、
    4時間後 65%以上
    であるニフェジピン含有有核錠剤の製造方法。
  14. 芯部の直径が4.5〜5.5mmであり且つ厚さが1.5〜2.5mmである請求項13に記載のニフェジピン含有有核錠剤の製造方法。
  15. 請求項1−12のいずれかに記載の錠剤の外側に少なくとも1層の遮光性のフィルムコーティング層を有することを特徴とするフィルムコーティングされた錠剤。
  16. 請求項13又は14に記載の方法でニフェジピン含有有核錠剤を調製した後さらに外側に少なくとも1層の遮光性フィルムコーティングを設けることを特徴とするフィルムコーティングされた錠剤の製造方法。
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