JP2009120218A - 包装用シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装用シート内部での水蒸気の凝縮・結露が防止され、また塵、埃等の内部への混入の問題がなく、さらに印刷適性に優れた包装用シートを提供する。
【解決手段】本発明は、樹脂層を有する包装用シートであって、前記樹脂層の片面に前記樹脂層を貫通しない複数の凹部が設けられている。前記包装用シートのJIS K7129に準じた水蒸気透過度は、温度40℃、相対湿度90%で30〜300g/m2・day・atmであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、包装用シート及びその製造方法に関する。
従来より、食品を保存するために種々の包装材が開発されているが、調理済みの食品や包装後も蒸すなどの加熱処理が必要な食品は、加熱処理を施すと包装材内部で水蒸気が凝縮・結露し、水滴が食品に再付着することにより食味を害する恐れや、食品が包装材内部の酸素と接することによって、カビ等が発生する恐れがあった。また、食品に接する面に紙などを使用した場合、透湿、吸湿性は良好であるが、濡れた部分を摩擦するとパルプ繊維が剥離し、食品を汚染する恐れがあった。
そこで、食品の保存中に発生した水蒸気が、容器内壁面に結露し食品に再付着することを防止する中敷シートや(特許文献1参照)、穴開け加工されたフィルムの片側に、熱可塑性樹脂膜を積層したラミネート包装材が使用されていた(特許文献2参照)。
特開平3−289455号公報 特開2002−370320号公報
しかしながら、調理済の食品や包装後も蒸すなどの加熱処理が必要な食品を容器に収納するに際し、吸湿性のあるシートを容器の内壁面に被せたりすると、四隅などでシートがずれ、食品が容器に直接接する部分がある恐れがあった。また、従来の穴開け加工されたフィルムと熱可塑性樹脂相とが積層されたラミネート包装材においては、水蒸気透過用の孔がラミネート加工と別の工程で、有針ロールによる穿孔法か、レーザー光照射による穿孔法により穿孔されており、製造工程が複雑化し、生産効率が低下するという問題があった。また、有針ロールによる貫通孔を基材表面に施すため、通気性はよくとも、塵、埃等が包装内部へ混入する危険性があり、また穴の大きさによっては、基材表面への影響があり、印刷適性の悪化、インクの内部への染み込みによる食品の汚染の問題、またシートの巻き取り時に、貫通孔形成により発生する基材表面のバリにより、しわが入りやすいという問題があった。また、貫通孔であるため、過度に通気性が高くなりすぎ、メロンパンやフランスパンといったパンを包装する場合や、まんじゅうなどの菓子を包装する場合には、表面のサクサク感、内部のしっとり感が失われる問題があり、結果長時間の保存を要するコンビニやスーパーで陳列される際の食品包装用シートには適さないという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、包装用シート内部での水蒸気の凝縮・結露が防止され、また塵、埃等の内部への混入の問題がなく、さらに印刷適性に優れた包装用シート、さらにはこのような包装用シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、樹脂層を有する包装用シートであって、前記樹脂層の片面に前記樹脂層を貫通しない複数の凹部が設けられていることを特徴とする。
前記包装用シートのJIS K7129に準じた水蒸気透過度が温度40℃、相対湿度90%で30〜300g/m2・day・atmであることが好ましい。
前記包装用シートは、前記樹脂層の前記凹部の平面視における面積率が、前記包装用シートの0.01〜64%であることが好ましい。
前記包装用シートは、前記樹脂層と、前記樹脂層の前記凹部が設けられている面とは反対側の面に積層された基材とからなることが好ましい。
また、本発明は、樹脂層を有する包装用シートの製造方法であって、前記包装用シートは、前記樹脂層の片面に前記樹脂層を貫通しない複数の凹部が設けられ、JIS K7129に準じた水蒸気透過度が温度40℃、相対湿度90%で30〜300g/m2・day・atmである。
本発明の包装用シートは、水蒸気の包装用シート内部での凝縮・結露を防止し、塵、埃等の包装内部への混入を防ぎ、また基材への印刷時のインクの内部への染み込みがなく印刷適性に優れている。
以下、本発明にかかる包装用シート及びその製造方法について、詳細に説明する。
本発明の包装用シートは、片面に複数の凹部が形成された樹脂層を有する。前記樹脂層の凹部が形成されている面とは反対側の面には基材が積層されていることが好ましい。前記樹脂層の凹部が形成されている面は、包装用シートの最外面であることが好ましい。
本発明に使用される基材としては、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロンなどからなる樹脂製シート、紙製シート、レーヨン、不織布などを使用することができる。これらの中でも紙製シート、特に和紙調の風合いを持つ紙製シートにレーヨンを混抄して用いることで、本発明にかかる包装用シートをパン、菓子等の調理済の食品や包装後も蒸すなどの加熱処理が必要な食品の包装用シートに用いた場合に、被包装物を安全、清潔に包装しながらも、水蒸気透過度、透気性に優れ、和紙調で風合い、高級感のある包装用シートとすることができる。
紙製シートとしては、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)等の化学パルプ;サーモメカニカルパルプ(TMP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)等の機械パルプ;ディンギングパルプ(DIP)、ウェストパルプ(WP)等の化学パルプや機械パルプ由来の古紙パルプ等からなる紙製シートを使用できるが、これらのパルプのうちパルプ強度が強い点から針葉樹未晒パルプ(NUKP)を原料として含む紙製シートが好ましく用いられる。また、食品包装用シートとして用いる場合、美粧性の点から広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)も紙製シートの原料として好ましく用いられる。また、不織布繊維やレーヨン繊維等を混抄した紙製シートも使用することもできる。特に、レーヨンは、吸湿性・放湿性に優れる特性、また熱に強く軟化をしないという特性を持っており、本発明のように加熱により水蒸気を発する食材を含む場合には好ましく使用される。またレーヨンは、光沢性を有しており、使用することにより、きらきらとした和紙調の高級感をかもし出すことが出来る。レーヨンは、原料中5〜50質量%混抄されることが好ましく、さらに5〜25質量%混抄されることが好ましい。レーヨンの原料における混抄率が5質量%未満だと、吸湿性低下の問題があり、25質量%を超えると過度の吸湿により、食品が乾燥し、パンやまんじゅうなどを包装した場合に表面のサクサク感、内面のしっとり感が損なわれたり、またレーヨンの嵩高性により、インクが染込み、印刷適性が悪化したりする。本発明においては、基材は吸湿性を有することが好ましく、レーヨンのような吸湿性・放湿性を有する繊維を使用することにより、包装用シート内部から樹脂層を透過する水蒸気を基材がさらに吸い上げ、結果、より水蒸気透過度が上がることとなる。
基材の米坪は、紙製シートを用いる場合は、6〜40/m2、特に14〜20g/m2が好ましい。6g/m2未満では、抄造が困難であり、40g/m2を超えると、和紙調の風合いが失われ、基材の剛度が高くなりすぎるため包装用シートとしての曲げ、加工適性に劣る場合がある。
基材の厚さは、15〜95μm、特に35〜50μmが好ましい。15μm未満では、基材にピンホールが生じる可能性があり、それに伴い、基材表面への印刷適性が悪化する恐れがある。95μmを超えると、基材の剛度が高くなり、包装用シートとしての曲げ、加工適性に劣る場合がある。
次に、基材の一面に設けられる樹脂層について説明する。樹脂層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、スチレンエラストマー、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等を原料として使用することが可能である。特に、本発明においては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を使用することが好ましく、より好ましくは、押出し溶融ラミネートを行う場合にはポリエチレンを使用することが好ましく、ドライラミネートにより、フィルムとして貼合わせる場合には、コストの面からポリプロピレンを使用することが好ましい。
押出し溶融ラミネートで行う場合、ポリエチレンは、融点が低く、加工性に優れ、製袋を容易に行えるヒートシール性を有し、またコストの面から見ても、安価であるという特性を持つことから、薄い包装用シートの樹脂層として好適に使用できる。また、融点が100〜135℃と低く、後述する本発明の特徴の一つである凹部を設けるのに好適な加工適性を有する。しかしながら一方で、このポリエチレンは防湿能力が高く、また水蒸気透過度などのバリヤ性能に優れるため、水蒸気を発する食品を包装した場合には、包装シート内部で水蒸気が凝縮・結露し、水滴が食品に再付着することにより食味を害する恐れがあった。本発明は、この包装材内部での水蒸気の凝結・結露を解決するため、例えばポリエチレンの様な樹脂層の表面に貫通しない複数の凹部を設けることにより、水蒸気の透過度を調整することを特徴とする。また、樹脂層の厚さは、10〜50μmが好ましく、特に10〜40μmが好ましい。10μm未満では、反基材面に凹部を加工する際に、貫通孔ができやすい。40μmを超えると、水蒸気透過度低下の問題がある。
そして、以上の基材と樹脂層の組み合わせについては、特に限定しないが、本発明においては、紙製シートと樹脂層を組み合わせることが好ましい。樹脂層の凹部が設けらていない面に、紙製シートを貼合わせることで、紙製シートのクッション性により、樹脂層の基材と対向しない側に設けられている凹部の影響を紙シートの表面が受けることなく、印刷適性を向上させることができる。
次に、樹脂層の反基材面に施される凹部の加工について説明する。樹脂層の反基材面は凹部を有する。凹部は、例えば、複数の点状凹部、矩形状凹部を有するように形成することができ、その他には、例えば、複数の線状凹部、格子状凹部を有するように形成することもでき、その用途やデザイン適性等も考慮しながら調整、選択することが出来る。凹部の形成は、例えば、エンボスロールのような型押し加工機の押圧力により形成することができ、本発明における前記凹部は樹脂層を貫通しないことを特徴とする。詳しくは、本発明における樹脂層を貫通しない凹部は、型押し加工機の押圧力により凹部の側壁部と凹部の底面部の樹脂を伸ばすことにより、または、加熱した凸部を有する加工機により、樹脂を溶融しながら形成することが出来る。型押し加工機による凹部の形成は、型押し加工機の押圧力だけで行うことも出来るが、この場合は、反対面に凸部が形成されやすく、印刷適性に劣る場合がある。そのため、100℃以上に加熱した凸部を有する型押し加工機を樹脂層に押付け、樹脂を溶融・伸ばしながら凹部を設けることが好ましい。このように凹部を形成することで、水蒸気透過度や透気度を食品の包装に適する所定の範囲に調整することができ、また、前記の加熱した凹部を有する型押し加工機による場合、凹部の側壁、凹部の底面部の樹脂は凹部の外側(凹部の周辺部分)に押出され、その押出された樹脂により、凹部の周辺部に樹脂の凸部が形成される。この凸部により、食品と樹脂層の接触を面による接触から、点(凸部)接触とすることができ、蒸すなどの熱処理により水蒸気を発生するまんじゅうを包装する場合や、エクレアやチョコレートなどの熱に弱く溶けやすい食品を包装する場合には、食品に触れている部分が少ないため、食品と樹脂層が剥がれやすく、食品を取りだしやすい。
凹部の深さ(凹部の側壁部の高さ)は、2〜44μmが好ましく、特に3〜30μmが好ましい。深さが2μm未満では、透気度・水蒸気透過度の低下(空気が通りにくい、水蒸気がとおりにくい)の問題があり、44μmを超えると、凹部加工により凹部の側壁、また凹部の底面部の樹脂が非常に薄くなり樹脂層を貫通する恐れがある。また、樹脂層の凹部の深さが大きくなると、これに接する基材の表面への印刷適性の悪化の問題がある。
樹脂層の凹部の厚さ(凹部の底面部の厚さ)は、3〜8μmが好ましく、さらに3〜7μmが好ましい。凹部の厚みが3μm未満となると、透気度・水蒸気透過度が過度になりすぎ、包装用シート内部の食品のサクサク感、しっとり感、風味を害する恐れがある。また、凹部の層が薄く、貫通してしまう恐れがあり、外部の塵・埃等が混入してしまう危険性もある。一方、凹部の厚さが8μmを超えると、凹部の樹脂層の厚みにより、食品包装に用いる場合、必要な透気度・水蒸気透過度を実現できない問題がある。
樹脂層の反基材面は、前記凹部の平面視における面積率が0.01〜64%であることが好ましく、0.16〜36%であることが特に好ましい。凹部の面積率が0.01%未満になると、水蒸気透過度・透気度の低下(空気が通りにくい、水蒸気がとおりにくい)の問題があり、面積率が64%を超えると、透過度が過度になりすぎ、食品包装に用いる場合、包装シート内部の食品の表面のサクサク感、内部のしっとり感、風味を害する恐れがある。
凹部の1個あたりの面積は、0.01〜25mm2が好ましく、さらに好ましくは、0.04〜9 mm2が好ましい。面積が、0.01 mm2未満では、透気度・水蒸気透過度低下(空気が通りにくい、水蒸気がとおりにくい)の問題があり、25 mm2を超えると透気度・水蒸気透過度が過度になり、食品包装に用いる場合、内部の食品が乾燥しすぎるという問題がある。
凹部を矩形状に形成する場合、複数の矩形状凹部の個数は、1〜100個/ cm2であることが好ましく、4〜25個/ cm2であることがより好ましい。矩形状凹部の個数が1個/cm2未満となると、水蒸気透過度・透気度が低下する(空気が通りにくい、水蒸気がとおりにくい)問題があり、100個/ cm2を超えると、透気性が大きくなりすぎて、過度に水蒸気を逃がしてしまい、食品包装に用いる場合、食品の風味を低下させることになる。
型押し加工機にエンボスロールを用いる場合について、以下に説明する。樹脂層の反基材面は、エンボスロールを転接させて凹部を形成することが好ましく、さらに好ましくは加熱エンボスロールを転接させることによって凹部を形成する。エンボスロールを転接する際に、凹部が樹脂層を貫通しないように形成する。
加熱エンボスロールを用いる場合、物理的な圧力に加えて、樹脂層を熱溶融しながら、樹脂を押出すように凹部が形成されるため、加熱エンボスロールの温度は使用する樹脂の融点以上の温度から適宜選択する。その表面温度としては、例えば100〜200度とすることができ、樹脂層に応じて110〜180度が最適である場合がある。加熱エンボスロールの回転速度としては、10m/分〜100m/分が好ましく、さらに好ましくは、20m/分〜80m/分が好ましい。10m/分未満となると、加熱エンボスロールによる物理的な圧力・熱が加えられている時間が長くなるため、凹部が貫通する恐れがあり、また一方では余熱により凹部の外側に形成された凸部の突起部分が、流動性を有するままエンボスの凹部へ落ち込み、結果エンボスの凹部の側壁部、底面部の樹脂の厚さが大きくなり、十分な透気度が得られなくなる可能性がある。また速度の点から生産性が悪い。また、100m/分を超えると、エンボスロールによる物理的な圧力・熱が加えられている時間が短くなるため、十分なエンボスが加工されず、食品包装に用いる場合、必要な透気度・水蒸気透過度を確保することが難しくなる。
図1に、本発明の包装用シートの樹脂層に凹部を形成する一装置の概略構成を示す。図1に示す装置10においては、予め樹脂層を基材にラミネートした包装用シートを繰り出しロール1より繰り出し、加熱されたエンボスロール2とプレスロール3の間を通過させて、樹脂層の表面にエンボスロール2を柔らかく押し当てることにより、樹脂層の表面に樹脂層を貫通しない凹部を設ける。そして、凹部が形成された包装用シートを巻き取りロール4に巻き取る。
装置10においては、エンボスロール2に対向するプレスロール3を、エンボスロール2から進行方向に少しずらして配置しておくことが好ましい。このような配置することにより、この間を通過する包装用シートの樹脂層の表面に樹脂層を貫通しない凹部を形成することができる。エンボスロール2に対向する位置にずらさずにプレスロール3を設ける場合、溶融樹脂のエンボスロール2への押圧力が強くなってしまうことがあり、この場合凹部が樹脂層を貫通してしまう可能性があり好ましくない。
装置10を用いる場合に、包装用シートの基材として紙製シートが用いられることが好ましい。樹脂層が紙製シートと貼合わされていることにより、紙製シートのクッション性により貫通しない凹部をより形成しやすくなるので好ましい。
上述の方法とは異なり、予め凹部が施されている樹脂層を基材に貼合させる方法であっても本発明の包装用シートを製造することができる。
以上のように、本発明の包装用シートは、樹脂層の片面に貫通しない凹部が設けられてなる構成であり、好ましくは、JIS K7129に準じた水蒸気透過度が温度40℃、相対湿度90%で30〜300g/m2・day・atm、より好ましくは、30〜200 g/m2・day・atmである。30g/m2・day・atm未満では、水蒸気が逃げず、食品の包装に用いる場合、食品の外側に付着して、風味低下の問題がある。また、300g/m2・day・atm超えると、過度に水蒸気を逃がし、食品の包装に用いる場合、食品が乾燥してしまう問題がある。
また、本発明の包装用シートは、樹脂層の片面に貫通しない凹部が設けられてなる構成であり、好ましくは、JIS P8117に準じた透気度が、500〜9000秒であり、より好ましくは、800〜5000秒である。食品を包装する場合、500秒未満では、透気が過度になり、包装シート内部の食品の酸化劣化が進む。また、また、9000秒を超えると、十分な透気度を得られず、包装シート内部の食品の表面のサクサク感、内部のしっとり感を維持できない。
(用途)
本発明の包装用シートは、樹脂層の面を内側にして食品を包装して使用する食品包装用シートに適している。例えば、包装された状態で電子レンジ等により加熱されて喫食される食品の包装用に適しており、ごはん、各種揚げ物、焼き魚、ハンバーガー、まんじゅう等の予備調理した冷蔵食品等の包装に適している。これらの食品を本発明の包装用シートで包装すると、加熱調理時に発生する水蒸気を適度に透過させ、またさらに外袋で包装する等の手間を施すことなく、埃や塵等の食品への混入を防ぐことができる。また、本発明の包装用シートは、包装後、蒸すなどの加熱処理が必要な食品の包装にも適しており、例えばまんじゅうの包装に適している。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.試料の製造
(実施例1)
基材としてレーヨン混抄紙(米坪17.0g/cm2、厚さ42.5μm、丸菱ヘ゜ーハ゜ーテック社製、レーヨンM)上に、押出しラミネート加工機を用いて、ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:ノバテックLD LC701)をラミネート加工し厚さ20μmの樹脂層を設けた後に、図1に記載の装置10を用いて加熱エンボスロール(ロール表面温度160℃、加工スピード40m/分)により樹脂層の反基材面に樹脂層を貫通しない矩形状の複数の凹部を形成し、実施例1の包装用シートを製造した。凹部の深さ、凹部の底部の樹脂層の厚み、凹部の樹脂層貫通の有無、凹部1個あたりの面積、凹部の個数、シート全体に占める凹部の面積率は表1のとおり調整した。
(実施例2)
基材を使用せず、東セロ株式会社 ポリエチレンフィルム(LL−XL TN #30)、水蒸気透過度18g/m2・day・atmに表1のとおり凹部形成加工を行った。
(実施例3〜8)
樹脂層の凹部厚みを表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様に製造した。
(実施例9〜15)
シート全体に占める凹部部分の面積率を表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様に製造した。
(実施例16〜20)
基材のレーヨン配合率を表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様に製造した。
(実施例21〜22)
樹脂層に用いる樹脂を表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様に製造した。
なお、実施例21の樹脂層材料としては、ポリプロピレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:ノバテックPP FL03H)を用いた。
実施例22の樹脂層材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー株式会社製、商品名:625L)を用いた。
(比較例1)
比較例1の包装用シートは、有針ロールを用いて樹脂層を貫通させた以外は、実施例2と同様に製造した。
(比較例2)
比較例2の包装用シートは、エンボスロールを用いて樹脂層を貫通させた以外は、実施例1と同様に製造した。
(市販品A)
東セロ株式会社 ポリエチレンフィルム(LL−XL TN #30)を同様に評価した。
(市販品B)
丸菱ヘ゜ーハ゜ーテック社製 レーヨン混抄紙(米坪17.0g/cm2、厚さ42.5μm、レーヨンM)を同様に評価した。
2.試料の評価
測定条件は、特に断りのない限り、温度23℃、相対湿度50%条件下で測定した。
(透気度)
JIS P8117に準じて透気度を測定した。表1に測定値を示す。
(水蒸気透過度)
JIS K7129(A法)に準じて水蒸気透過度を測定した。単位をg/m2・day・atmとして、表1に測定値を示す。測定条件は、温度40℃、相対湿度90%とした。測定機器は、水蒸気透過度試験機(スイス リッシ―社製、L80-4000)を用いた。
(印刷適性)
JIS P8129に定めるIGT印刷適性試験機に用いる標準タックグードインクを使用し、KRK万能印刷適性試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いて印刷し、印刷面を以下の評価基準に基づいて評価した。表1に評価結果を示す。なお、印刷面は基材表面(基材の樹脂層が設けられている面とは異なる面)とし、基材が積層されていない実施例2,比較例1,市販品Aについては樹脂層に印刷を施した。
◎:インク着肉性が良好で、優れる。
○:インク着肉性が良く、実用上問題はない。
△:インク着肉性が低く、またインクが沈み込み傾向で実用上やや問題がある。
×:インク着肉性が悪く、またインクが沈み込み、実用上問題がある。
(インクの染込み)
上記、印刷適性試験のとおり印刷した包装用シートにおいて、樹脂層表面(反基材面、反印刷面)にインクの染込みがあるか以下の評価に基づいて評価した。表1に評価結果を示す。
◎:インクの染込みはない。
○:インクの染込みが多少見られるが、食品に付着はしない。
△:インクの染込みが多少見られ、食品に若干付着する可能性があり、好ましくない。
×:インクの染込みにより、食品が汚染される可能性があり、問題である。
(外観)
包装シートの外観を以下の評価基準に基づいて評価した。表1に評価結果を示す。
◎:和紙調の高級感があり、樹脂層の凹部にバリ、シワもなく問題なし。
○:和紙調の高級感があり、実用上問題はない。
△:高級感に乏しく、包装用シートとしての機能性に劣る。
×:高級感がなく、樹脂層の凹部にバリ、シワがあり、実用に適さない。
各実施例および各比較例の包装用シートを用いて、樹脂層を内側にして(樹脂層が積層されていない比較例1、市販品Aは内外関係なく)食品(まんじゅう)を包装し、蒸器により10分間加熱し、1時間常温に放置した後、包装用シートを剥がし食品について以下の評価を行った。
(食品の状態)
食品表面の塵、埃の付着状況及び包装用シートを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。表1に評価結果を示す。
◎:埃・塵がつかなかった。包装用シートを埃・塵が通過する恐れもない。
×:埃・塵がついた。または、包装用シートを埃・塵が通過する恐れがある。
(食感)
10名が食品を喫食し、まんじゅうの表面のしっとり感・ぱさつき感・水分再付着によるねちゃつき感等の食感を総合的に評価した。表1に評価結果を示す。
◎:10名中8名以上が、食感が良いと評価した。
○:10名中5〜7名が、食感が良いと評価した。
△:食感が良いと評価した者は、3〜4名であった。
×:食感が良いと評価した者は、2名以下であった。
Figure 2009120218
本発明の包装用シートは、種々の食品の包装用シートとして有用であり、特に包装した状態で加熱する食品の包装用シートとして有用である。
本発明の製造方法に用いる凹部形成用の一装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 繰り出しロール
2 エンボスロール
3 プレスロール
4 巻き取りロール
10 装置

Claims (5)

  1. 樹脂層を有する包装用シートであって、前記樹脂層の片面に前記樹脂層を貫通しない複数の凹部が設けられていることを特徴とする、包装用シート。
  2. 前記包装用シートのJIS K7129に準じた水蒸気透過度が、温度40℃、相対湿度90%で30〜300g/m2・day・atmである、請求項1に記載の包装用シート。
  3. 前記樹脂層の前記凹部の平面視における面積率が、前記包装用シートの0.01〜64%である、請求項1または2に記載の包装用シート。
  4. 前記樹脂層と、前記樹脂層の前記凹部が設けられている面とは反対側の面に積層された基材とからなる、請求項1乃至3いずれかに記載の包装用シート。
  5. 樹脂層を有する包装用シートの製造方法であって、
    前記包装用シートは、
    前記樹脂層の片面に前記樹脂層を貫通しない複数の凹部が設けられ、
    JIS K7129に準じた水蒸気透過度が、温度40℃、相対湿度90%で30〜300g/m2・day・atmであることを特徴とする、包装用シートの製造方法。
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