JP5956846B2 - 食品包装用シート及び食品包装用材料 - Google Patents

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Description

本発明は、食品包装用シート及び食品包装用材料に関する。
通常、家庭でおにぎりを作る場合、温かいご飯を素手もしくはラップ等を介して握った後、ラップ(プラスチックフィルム)もしくはアルミホイル等の包装材で包装する場合が多いが、温かいご飯から発生する水蒸気が前記包装材の内表面で結露し、水滴がおにぎりや海苔等の表面に付着することによりベタ付き、食味を著しく損なう。
また、素手でおにぎりを握った場合には手に付着している菌がおにぎりに移行し、衛生面で問題が発生する可能性があるため、ラップ等を介して握る場合があるが、かかる場合も上記と同様に、結露によりおにぎりの食味を損なうおそれがある。
上述したような包装材内表面での結露を防止する機能を有する包装材やラップとしては、従来から各種提案がなされている。例えば、特許文献1においては、アルミニウム箔と紙を部分的に積層したシートが提案されている。また、特許文献2では、合成樹脂製フィルム、セロハン、貫通孔を有する合成樹脂製フィルムの3層からなる吸湿性包装材が提案されている。
特許第2882591号公報 特開平8−52841号公報
しかしながら、特許文献1で開示されている包装材は、包装材の内表面の結露の低減化が図られてはいるが、不透明であり外部から包装された食品を見ることができず、また包装材の材料としてアルミホイルを用いているため、電子レンジでの再加熱ができない等の問題を有している。
また、特許文献2で開示されている包装材は、吸水能力が不十分であり、当該吸水量を上げるためには包装材を構成しているセロハン層を厚くする必要がありコスト高を招来し、さらには包装に必要な柔軟性を損なう等の問題を有している。
さらに、前記特許文献1、2に開示されている包装材は、いずれも結露を防止する機能については検討がなされているが、その包装材自身でおにぎりを握れるほどの柔軟性を有しておらず、かつ結露防止機能についても未だ改善の余地がある。
そこで本発明においては、上述した従来の問題に鑑み、柔軟性を有し、吸水性が高く、透明で外部からの視認が可能で、電子レンジでの加熱が可能な食品包装用シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、複数層構成を有し、かつ各層の構成を特定した食品包装用シートが上述した従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
合成樹脂からなり、貫通孔を有する内層と、合成樹脂からなる外層とを、有し、
前記内層と、当該内層に隣接する層とは、接着部分を介して接着されており、
前記内層と、前記内層に隣接する層との接着部分の面積が、層間界面の面積の5〜50
%であり、
前記内層と、前記内層に隣接する層との、前記接着部分形成面同士の密着仕事量が0.
7mJ/25cm2未満であり、
前記内層、前記内層に隣接する層の、少なくともいずれか一方の層の、前記接着部分形
成面側の表面張力が、
前記内層の、前記接着部分形成面とは反対側の面の表面張力よりも高い、食品包装用シート。
〔2〕
前記内層と前記外層の間に、貫通孔を有する合成樹脂からなる中間層を、少なくとも1
層有する、前記〔1〕に記載の食品包装用シート。
〔3〕
前記貫通孔の孔径が0.01〜2.0mmであり、当該貫通孔の開口率が0.3〜4%
である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の食品包装用シート。
〔4〕
前記内層と前記外層とが、自己粘着性フィルムである、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれ
か一に記載の食品包装用シート。
〔5〕
前記内層と前記外層とが、ゲル分率10〜50質量%の架橋ポリエチレンフィルムを含
む、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の食品包装用シート。
〔6〕
カット刃を具備する収納箱に、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の食品包装用シートが、ロール状に巻回された状態で収納されている食品包装用材料。
本発明によれば、優れた柔軟性を有し、吸水性が高く、透明で外部からの視認が可能で、電子レンジでの加熱が可能な食品包装用シートを提供することができる。
本実施形態の食品包装用シートの概略断面図を示す。 接着部分のパターンを示すフィルムの一例の概略平面図を示す。 貫通孔の形成パターンを示すフィルムの一例の概略平面図を示す。 おにぎりの一例の概略斜視図を示す。 おにぎりの包装方法の一例の説明図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、図を参照して詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
各図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、さらに図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
〔食品包装用シート〕
本実施形態の食品包装用シートは、合成樹脂からなり、貫通孔を有する内層と、合成樹脂からなる外層とを有し、
前記内層と、当該内層に隣接する層とは、接着部分を介して接着されており、
前記内層と、前記内層に隣接する層との接着部分の面積が、層間界面の面積の5〜50%であり、
前記内層と、前記内層に隣接する層との、前記接着部分形成面同士の密着仕事量が0.7mJ/25cm2未満である。
本実施形態の食品包装用シートにおいて、「内層」とは、被包装体である食品に接する側の層であり、「外層」とは、食品を包装した状態で外気と接する側の層である。
また、後述する「中間層」とは、前記「内層」と前記「外層」の間に積層される層をいう。
図1に、本実施形態の食品包装用シートの一例の概略断面図を示す。以下、本実施形態の食品包装用シートについて図1を参照して説明するが、本発明の食品包装用シートは図1に示す構成に限定されるものではない。
図1中、食品包装用シート10は、貫通孔12を有する内層11と、中間層13、外層14が、順次積層された構成を有しており、各層は、隣接する層と、これらの層の面内において所定の間隔で形成されている接着部分15、16を介して積層されており、前記内層11と当該内層に隣接する層である中間層13との間の接着部分15の面積は、十分な接着強度を得る観点から、層間界面の面積の5%以上とし、十分な吸水量を確保する観点から層間界面の面積の50%以下とする。好ましくは層間界面の面積の5〜30%であり、より好ましくは層間界面の面積の5〜15%である。
また、中間層13と外層14との間の接着部分16の面積は、十分な接着強度を得る観点から適宜選択できるが、中間層13にも前記内層11と同様の貫通孔を設ける場合には、十分な接着強度を得、かつ十分な吸水量を確保する観点から、層間界面の面積の5〜50%であることが好ましく、5〜30%であることが好ましく、5〜15%であることがより好ましい。
(内層、外層)
本実施形態の食品包装用シート10を構成する内層11、外層14は、合成樹脂からなり、いずれも単層構造でも多層構造でもよい。
内層11、外層14を構成する合成樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられ、柔軟性、透明性の観点から、ポリエチレン系樹脂が好ましく、内層11及び外層14のいずれも自己粘着性を有するフィルム(以下、単に自己粘着性フィルムと記載する。)であることがより好ましい。
内層11、外層14が、多層構造である場合、少なくとも各々の最も外側にある層が自己粘着性を有し、内層11、外層14が、それぞれ全体として自己粘着性を有するフィルムであることが好ましい。
前記「自己粘着性」とは、同じ材料のフィルムを2枚重ね合わせ、軽く押圧することによって、2枚が粘着したような外見を呈し、ある程度の力を加えないと剥離しなくなる現象である。なお、「自己粘着性フィルム」は、同材料のフィルム間のみならず、異材料の「自己粘着性フィルム」との間であっても、上記のような粘着したような外見を呈する。
内層11及び外層14としては、自己粘着性を有し、かつ耐熱性、カット性、透明性に優れているという観点から、二軸延伸架橋ポリエチレンフィルムがさらに好ましい。
前記二軸延伸架橋ポリエチレンフィルムは、例えば、ダブルバブルインフレーション法により製膜できる。具体的には、単数もしくは複数の押出機を用いて、前記フィルムを構成する材料であるポリエチレンと所定の可塑剤とを含有する樹脂組成物を環状ダイスから溶融押出して、これを急冷固化させたのち、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等から選択される電離性放射線を照射したものを延伸機内に誘導し、延伸開始点を、ポリエチレンと所定の可塑剤を含有する樹脂組成物の融点以上、かつ融点+40℃以下までの範囲に加熱しながら、速度差を設けたニップロール間でエアー注入を行い、MD方向、TD方向にそれぞれ延伸する。
延伸倍率は、MD方向、TD方向ともに5〜10倍が好ましく、6〜10倍がより好ましい。5倍以上に延伸することで易引裂性が得られ、10倍以下にすることにより延伸安定性が得られる。
前記内層11及び外層14は、ゲル分率が10〜50質量%の架橋ポリエチレンフィルムを含むことが好ましく、二軸延伸架橋ポリエチレンフィルムを含むことが好ましい。
ゲル分率は内層11及び外層14のそれぞれにおいて、10〜50質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましく、20質量%〜35質量%であることがさらに好ましい。ゲル分率を10質量%以上にすることで易引裂性が得られ、50質量%以下にすることで延伸時の安定性が得られる。
ゲル分率は、架橋度の尺度として用いられ、以下の方法で測定される。
先ず、精密天秤を用いて小数点以下2桁で自己粘着性フィルムの試料を約100mg計り取り、その試料を、袋状に折り畳んだ150メッシュのステンレス製金網の中に入れ、全体の質量を精密天秤で小数点以下2桁まで測定したものをサンプルとする。次に、前述のサンプルを1000mLの沸騰パラキシレン中で12時間抽出し、乾燥後、全体の質量を精密天秤を用いて小数点以下2桁で測定し、次式にて不溶解分の質量を求める。
不溶解分の質量(mg)=抽出前のサンプルの質量−抽出後のサンプルの質量
前記不溶解分の抽出前試料に対する割合をゲル分率として、次式により求める。
ゲル分率(質量%)=(不溶解分の質量/抽出前の試料質量)×100
内層11、外層14に前記ゲル分率が10〜50質量%の二軸延伸架橋ポリエチレンフィルムを含むフィルムを使用することにより易引裂性が得られ、カット刃での容易な切断が可能となる。
前記ゲル分率は、ポリエチレンフィルムを製造する際、環状ダイスから溶融押出して、これを急冷固化させたシートに照射する電離性放射線の照射量を調整することにより制御できる。
また、内層11、外層14の厚みは、5〜30μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。5μm以上にすることにより加工時の実用的な強度が得られ、30μm以下にすることによりカット刃での切断が容易になるとともに、必要な柔軟性を維持できる。
内層11、外層14を構成する合成樹脂のフィルムは、引張弾性率が200〜1000Mpaであることが好ましく、300〜700Mpaであることがより好ましい。
引張弾性率を200Mpa以上にすることにより取扱いが容易になり、1000Mpa以下にすることで実用的な柔軟性が得られる。
引張弾性率はJIS K7113に準拠して測定することができる。
具体的には、フィルムをMD方向及びTD方向に、長さが200mm、幅が10mmに切り出してサンプルとし、チャック間距離を100mm、引張速度を5mm/分に設定した定速引張試験機で引っ張って、2%歪み時における弾性率を引張弾性率とする。
上記引張弾性率はMD方向とTD方向の平均値を示す。なお、MD方向とはフィルム製膜時の流れ方向であり、TD方向とはMD方向と直交する方向である。
引張弾性率はMD方向及びTD方向の延伸倍率を調整することにより制御できる。
上記のように、本実施形態の食品包装用シート10を構成する内層11、外層14は、自己粘着性を有するフィルムを含み、かつ全体として自己粘着性を有するフィルムであることが好ましい。自己粘着性フィルムを用いることで、例えば食品を包んで保存する場合、シートが剥がれてくることないため、テープを用いずに固定することができる。
内層11、外層14を構成するフィルムの「自己粘着性」については、密着仕事量により表すことができ、当該密着仕事量が0.5〜3.0mJ/25cm2であることが好ましく、0.8〜2.0mJ/25cm2であることがより好ましい。0.5mJ/25cm2以上にすることにより、本実施形態の食品包装用シートをロール状に巻回した後、使用する際、実用的な密着性が得られ、3.0mJ/25cm2以下とすることにより、良好な取扱性を確保できる。
前記密着仕事量は、以下の方法で測定することができる。
まず、底面積25cm2、高さ55mm、重さ400gのアルミ製の円柱形の治具を2個用意し、双方の治具の底面に、底面と同形の濾紙を貼り付ける。
双方の濾紙を貼り付けた治具の底面に、皺が入らないようにフィルムを被せ、輪ゴムで抑えて固定する。このラップフィルムを被せた2個の治具を、フィルムを被せた側の面同士がピッタリ重なり合うように合わせて、加重500gで1分間圧着する。
次いで、引張圧縮試験機にて5mm/分の速度で、そのフィルム面同士を相互に面に垂直方向に引き剥がすときに必要な仕事量(密着仕事量)を測定する(単位:mJ/25cm2)。なおこの測定は、23℃、50%RHの雰囲気中で行う。
(中間層)
本実施形態の食品包装用シートは、図1に示すように、内層11と外層14との間に、所定の中間層13を有することが好ましい。当該中間層13は、単層構造でも多層構造でもよい。
中間層13の材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられ、特に、柔軟性、カット性に優れるポリエチレン系樹脂のフィルムが好ましい。
例えば、ポリエチレン系樹脂フィルムは、押出機から材料を溶融押出し、インフレーション成形又はTダイ成形によりフィルム状に成形することにより製造することができる。
中間層13を積層フィルムとする場合は、複数の押出機を用いて多層ダイにより共押出するのが好ましい。実用的には、環状ダイから材料樹脂を溶融押出してインフレーション成形するのが好ましく、その際のブローアップ比(チューブ径/ダイ径)は3以上が好ましく、特に4〜7の範囲が好適であり、ブロー比を上げることでカット性を向上させることができる。
さらに、得られたフィルムにマット加工を施すことで表面に凹凸をつけ、スリップ性を高めたり、コロナ処理を行うことにより表面張力を高めたりしてもよい。
中間層13を構成するフィルムとして、上記、高ブロー比のインフレーション成形フィルムや、延伸フィルムを使用することにより、易引裂性が得られ、カット刃での容易な切断が可能となる。
また、中間層13の厚みは、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。5μm以上にすることにより加工時の実用的な強度が得られ、40μm以下にすることによりカット刃での切断が容易になるとともに、必要な柔軟性を維持できる。
中間層13を構成するフィルムは、引張弾性率が100〜3000Mpaであることが好ましく、200〜700Mpaであることがより好ましい。
引張弾性率を200Mpa以上にすることにより取扱いが容易になり、1000Mpa以下にすることで実用的な柔軟性が得られる。
引張弾性率はJIS K7113に準拠して測定することができる。
具体的には、フィルムをMD方向及びTD方向に、長さが200mm、幅が10mmに切り出してサンプルとし、チャック間距離を100mm、引張速度を5mm/分に設定した定速引張試験機で引っ張って、2%歪み時における弾性率を引張弾性率とする。
上記引張弾性率はMD方向とTD方向の平均値を示す。なお、MD方向とはフィルム製膜時の流れ方向であり、TD方向とはMD方向と直交する方向である。
引張弾性率はMD方向及びTD方向の延伸倍率を調整することにより制御できる。
また、中間層13が内層に隣接する層である場合、中間層13は、内層11とスリップ性を有することが必要である。
スリップ性については、内層11との密着仕事量で表すことができ、内層11と当該内層に隣接する層である中間層との、接着部分形成面同士の密着仕事量は0.7mJ/25cm2未満であり、0.3mJ/25cm2以下が好ましく、0.1mJ/25cm2以下がより好ましい。
なお、前記内層11と当該内層に隣接する層(中間層13)との密着仕事量は、接着部分形成面同士であって、接着部分が形成されている箇所以外の場所における値であるものとする。
内層11と隣接する層との密着仕事量を0.7mJ/25cm2未満にすることにより、内層11との間で接着部分形成部分以外の箇所において隙間が確保しやすくなる。
なお、本実施形態の食品包装用シートが中間層を有さず、内層11と外層14の2層からなる構成の場合には、内層11と外層14とが、隣接する層として、所定の接着部分を介して積層されている構成となるが、少なくとも外層14の内層11と隣り合う面においては、内層11との間でスリップ性を有することが必要である。
スリップ性については、内層11との密着仕事量で表すことができ、内層11と当該内層に隣接する層である外層との、接着部分形成面同士の密着仕事量は0.7mJ/25cm2未満であり、0.3mJ/25cm2以下が好ましく、0.1mJ/25cm2以下がより好ましい。
なお、前記内層と外層との密着仕事量は、接着部分形成面同士であって、接着部分が形成されている箇所以外の場所における値であるものとする。
前記内層11と外層14との密着仕事量を0.7mJ/25cm2未満にすることにより、内層11との間で接着部分形成部分以外の箇所において隙間が確保しやすくなる。
また、上記外層14は、内層11と接触しない側の面は密着性を有するような多層構造にしてもよい。
前記内層と当該内層に隣接する層との、接着部分形成面における密着仕事量は、具体的に、以下の方法で測定することができる。
まず、底面積25cm2、高さ55mm、重さ400gのアルミ製の円柱形の治具を2個用意し、双方の治具の底面に、底面と同形の濾紙を貼り付ける。
双方の濾紙を貼り付けた治具の底面に、皺が入らないように所定のフィルム、すなわち前記内層と、当該内層に隣接する層を構成するフィルムのそれぞれ接着部分形成面が上側になるように被せ、輪ゴムで抑えて固定する。このフィルムを被せた2個の治具を、フィルムを被せた側の面同士、すなわち接着部分形成面に相当する面がピッタリ重なり合うように合わせて、加重500gで1分間圧着する。
次いで、引張圧縮試験機にて5mm/分の速度で、そのフィルム面同士を相互に面に垂直方向に引き剥がすときに必要な仕事量(密着仕事量)を測定する(単位:mJ/25cm2)。なおこの測定は、23℃、50%RHの雰囲気中で行う。
中間層13には、必要に応じて貫通孔を形成してもよい。中間層13及び内層11のいずれもが貫通孔を具備することにより、これらを積層させると、層間の隙間の体積が増加し、吸水量を増加させることができる。
(接着部分)
内層11と当該内層に隣接する層、図1に示す例においては、中間層13は、これらの層の面内において所定の間隔で形成されている接着部分15を介して接着積層されている。
図1に示す例においては、中間層13と外層14も同様に、これらの層の面内において所定の間隔で形成されている接着部分16を介して接着積層されている。
内層11と中間層13との接着部分15の面積は、層間界面の面積の5〜50%であり、5〜30%が好ましく、5〜15%がより好ましい。
また、中間層13と外層14との間の接着部分16の面積は、十分な接着強度を得る観点から適宜選択できるが、中間層13にも前記内層11と同様の貫通孔を設ける場合には、十分な接着強度を得る観点から層間界面の面積の5%以上とし、十分な吸水量を確保する観点から50%以下であることが好ましい。
なお、図1中、接着部分15間の領域17、接着部分16間の領域18は非接着部分(領域)である。
各接着部分15、16の面積を層間界面の面積の5〜50%にするためには、接着部分の個々の面積や配置個数を調整し、当該数値範囲に制御すればよい。具体的な測定方法については、後述する実施例に示す。
前記接着部分15、16は、加熱により形成されたものであることが好ましい。
例えば凹凸パターンを付与した金属製の加熱したエンボスロールとその受けロールの間で積層させたフィルム、すなわち内層11と当該内層に隣接する層を構成するフィルムを押圧することによって前記凹凸パターンに応じた間隔の接着部分が形成できる。
(貫通孔)
本実施形態の食品包装用シートを構成する内層11には、当該内層11を貫通する貫通孔12が設けられている。また、中間層を設ける場合、上述したように、中間層13にも貫通孔を必要に応じて設けてもよい。
貫通孔12の孔径は0.01〜2.0mmであることが好ましく、0.01〜1.5mmがより好ましく、0.01〜1.0mmであることがさらに好まし
貫通孔12の孔径0.01mm以上にすることにより、内層11の面に食品が接した状態でこれを包装した時に食品から発生する水蒸気や、内層11を構成するフィルム内面に結露した水滴を吸収し、十分な透湿性が得られ、貫通孔の孔径を2.0mm以下にすることにより水滴の逆戻りが抑制できる。
貫通孔12は、貫通孔を設ける層を構成するフィルムに熱針を用いて有孔加工を施したり、所定の微細凹凸を表面に具備するロール間にフィルムを挟み込んだりすることにより形成でき、孔径は、前記熱針の径や微細凹凸の寸法によって制御できる。
また、内層11の面内における貫通孔12の合計面積の、フィルム面積に対する割合(開口率)は0.3〜4.0%であることが好ましく、0.5〜3.0%がより好ましく、0.5〜2.0%であることがさらに好ましい。中間層13に貫通孔が設けられる場合も同様である。
貫通孔12の開口率を0.3%以上にすることで十分な透湿性が得られ、4.0%以下にすることで内層11としての強度を維持することができる。
貫通孔12の孔径の測定方法及び開口の算出方法については、後述する実施例で示す方法を適用する。
貫通孔12の孔径を0.1〜2.0mmとし、開口率を0.3〜4.0%の範囲に制御するためには、有孔加工の際に用いる熱針の径を適切に選択し、さらには、孔の形成数を調整すればよい。なお、具体的な測定方法については、後述する実施例に示す。
〔食品包装用シートの特性〕
<表面張力>
本実施形態の食品包装用シートは、内層11と当該内層に隣接する層の、少なくともいずれか一方の層の、接着部分形成面側の表面張力を、内層11の、前記接着部分形成面とは反対側の面、すなわち食品接触側の面の表面張力よりも高くし親水性を高めることが好ましい。これにより食品から発生する水蒸気や結露した水分の、内層11に形成された貫通孔12から層間界面の非接着部分17への移行がより容易になる。
表面張力を調整する方法としては、例えば、内層11と当該内層に隣接する層が同素材の場合、コロナ処理による表面改質をしたり、内層11と隣り合う層を別素材とし、隣り合う層に表面張力の高い素材を用いたりする等の方法がある。
<透湿度>
本実施形態の食品包装用シートは、上述したように、貫通孔を有する内層11と、外層14とを有し、当該外層14を設けることにより、防湿効果を付与した構成となっている。これにより本実施形態の食品包装用シートは、透湿度が低く抑制されている。
具体的な透湿度(WVTR)としては、500g/m2・24hr以下が好ましく、100g/m2・24hr以下がより好ましい。
透湿度は、後述する実施例に記載するように、JIS−K7194に準拠し、40℃−90%Rhの条件下で測定することができる。
上記構成にすることにより、食品を包装した時に食品から発生する水蒸気や、内層11を構成するフィルム内面に結露した水滴が、毛細管現象により内層11に施された貫通孔12を通過し、部分接着された中間層13との非接着部分17に拡散することにより、吸水性を発現し、開封後の食品のべたつきを防止することができるとともに、食品の必要以上の乾燥を防ぐことができる。
吸水量は、内層11と中間層13との間の接着部分15の面積、内層11と当該内層に隣接する層の、少なくともいずれか一方の層の、接着部分形成面側の表面張力を変更することにより調整が可能である。
また、上述したように、中間層13にも貫通孔を形成することで、内層11と中間層13との非接着部分17に結露した水分が、中間層13に形成された貫通孔を通過し、部分接着された外層14との非接着部分18に拡散することで、より吸水性を高めることができる。さらに、貫通孔を形成した中間層を複数層用いてもよい。これらのように、包装する食品によって適切な構成を選択することができる。
〔食品包装用シートの製造方法〕
以下、本実施形態に係る食品包装用シートの製造方法について説明する。
なお、本実施形態に係る食品包装用シートの製造方法は、以下の記載に限定されるものではない。
内層11、外層14には前述の方法で製膜された合成樹脂を含むフィルムを用い、内層11用のフィルムに、貫通孔12を形成する。貫通孔12の形成方法としては、例えばフィルムの繰り出し機と巻き取り機の間に、希望する孔径、開口率の熱針を有する加熱ロールを設置し、300℃程度に加熱された熱針に、長尺のフィルムを連続的に接触させる方法を適用できる。
また、中間層13には前述の方法で製膜されたポリエチレンフィルムを用いることができる。
中間層13には表裏の区別を明確にするために所定の印刷を施してもよい。中間層13に印刷を行う場合、貫通孔を形成せず、中間層13の外層14側のとの接着面側に印刷を行えば、貫通孔を通じてインキが食品に移行されることなく、衛生面でも優れた構成となる。
また、吸水量を増やしたい場合は、前述の方法で貫通孔12を形成した中間層13を1層又は複数層積層し、それぞれ隣接する層との接着部分の面積を、層間界面の面積の5〜50%とし、前記隣接する層の、前記接着部分形成面同士の密着仕事量を0.7mJ/25cm2未満にし、水分の移行する隙間の層を増やすことで対応ができる。
各層の積層方法としては、例えばエンボスロールを用いた熱ラミネーション方が適用される。例えば、円形のエンボスパターンが格子状に配置された金属製のエンボスロールを用い、当該エンボスロールを加熱し、その受けロールとの間で、積層フィルムを押圧することによって、エンボスパターン部分に相当する位置で接着が行われ、図2に示すように、接着部分22が格子状に配置された積層フィルムが得られる。
また、上述したように中間層13に印刷を行わず、凹凸のパターンを文字や絵にすることで表裏の区別ができるようにしてもよい。
内層11と当該内層に隣接する層との接着は、一般的な接着剤を用いた積層方法では、貫通孔を通過した接着剤成分が食品に移行することが考えられるため好ましくない。
上述のようにして各層を積層接着した後、所定の幅にスリットすることにより、本実施形態の食品包装用シートが得られる。
〔食品包装用材料〕
本実施形態の食品包装用材料は、カット刃を具備する収納箱に、上述した本実施形態の食品包装用シートが、ロール状に巻回された状態で収納されている。
本実施形態の食品包装用材料は、必要な時に必要量を容易にカットできる、食品包装用シートとして適した形状を提供することができる。
〔食品包装用シート、食品包装用材料の用途〕
本実施形態の食品包装用シートは、例えば、温かいおにぎりやハンバーガー等の包装や、電子レンジでの加熱用にも適しており、肉や魚等の切り身を包んで冷蔵や冷凍保存する場合にも好適に使用できる。また、本実施形態の食品包装用シートであれば十分な柔軟性を有しているため、おにぎりを直接握り、かつそのまま包装することも可能である。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例における測定方法及び評価方法は下記の通りである。
<接着部分の面積>
内層と、当該内層に隣接する層との接着部分の面積を、後述する実施例及び比較例において用いたエンボスロールに形成されている凹凸の寸法及び数により算出した。
図2に、エンボスロールによって形成した接着部分の配置パターンを示すフィルムの概略平面図を示す。
図2に示すように、円形の接着部分22を正四角形状のフィルム面上に配置した接着パターンを形成した。図2中、符号21は非接着部分である。
後述する実施例1、2、4〜9及び比較例3〜5においては、A、B、Cの寸法を、それぞれA=5mm、B=11mm、C=11mmとし、前記接着部分の面積は、層間界面の面積の16%であるものとした。
後述する実施例3においては、A、B、Cの寸法を、それぞれA=15mm、B=20mm、C=20mmとし、前記接着部分の面積は、層間界面の面積の44%であるものとした。
後述する比較例1においては、A、B、Cの寸法を、それぞれA=3mm、B=20mm、C=20mmとし、前記接着部分の面積は、層間界面の面積の1.8%であるものとした。
後述する比較例2においては、前記接着部分の面積は、層間界面の面積の100%であるものとした。
<孔径及び開口率>
貫通孔の孔径は、後述する実施例及び比較例において有孔加工の際に用いた熱針の針径とみなした。
開口率は、前記貫通孔の合計面積のフィルム面積に対する割合として、次式により求めた。
開口率(%)=(貫通孔の合計面積/フィルム面積)×100
図3に貫通孔の形成パターンを示すフィルムの概略平面図を示し、円形の貫通孔31が正四角形状のフィルムに配列された状態を示した。
具体的に、図3中のD、E、Fの寸法が、それぞれD=0.6mm、E=4.85mm、F=4.85mm(貫通孔の数≒42500個/m2)である場合、開口率は1.2%となる。
後述する実施例、比較例においては、D、E、Fの寸法を調整し、孔径を制御してフィルムの開口率を調整した。
<ゲル分率>
以下の方法で算出した。
精密天秤を用いて小数点以下2桁で試料を約100mg計り取り、その試料を150メッシュのステンレス製金網を袋状に折りたたんだ中に入れ、全体の質量を精密天秤を用いて小数点以下2桁まで測定したものをサンプルとした。
次に、前記サンプルを1000mLの沸騰パラキシレン中で12時間抽出し、乾燥後、全体の質量を、精密天秤を用いて小数点以下2桁まで測定し、次式にて不溶解分の質量を求めた。
不溶解分の質量(mg)=抽出前のサンプルの質量−抽出後のサンプルの質量
前記不溶解分の抽出前試料に対する割合がゲル分率として、次式により求めた。
ゲル分率(質量%)=(不溶解分の質量/抽出前の試料質量)×100
<引張弾性率>
引張弾性率はJIS K7113に準拠して測定した。
具体的には、フィルムをMD方向及びTD方向に、長さが200mm、幅が10mmに切り出してサンプルとし、チャック間距離を100mm、引張速度を5mm/分に設定した定速引張試験機で引っ張って、2%歪み時における弾性率を引張弾性率とした。
上記引張弾性率はMD方向とTD方向の平均値を示す。
なお、MD方向とはフィルム製膜時の流れ方向であり、TD方向とはMD方向と直交する方向である(単位:Mpa)。
<密着仕事量>
内層11のフィルムと、当該内層11のフィルムに隣接する層のフィルムとの間の、接着部分形成面の密着仕事量は、以下の方法で測定した。
まず、底面積25cm2、高さ55mm、重さ400gのアルミ製の円柱形の治具を2個用意し、双方の治具の底面に、底面と同形の濾紙を貼り付けた。
双方の濾紙を貼り付けた治具の底面に、それぞれ接着部分形成面を上側に皺が入らないようにフィルムを被せ、輪ゴムで抑えて固定した。
このフィルムを被せた2個の治具を、フィルムを被せた側の面同士がピッタリ重なり合うように合わせて、加重500gで1分間圧着した。
次いで、引張圧縮試験機にて5mm/分の速度で、そのフィルム面同士を相互に面に垂直方向に引き剥がすときに必要な仕事量(密着仕事量)を測定した(単位:mJ/25cm2)。評価基準は以下の通りとする。
(内層と当該内層に隣接する層の密着仕事量)
◎:0.1mJ/25cm2未満
○:0.1mJ/25cm2以上、0.7mJ/25cm2未満
×:0.7mJ/25cm2以上
<表面張力>
表面張力はJIS K6768に準拠して測定した。
JIS規定液を綿棒に浸し、試料表面に塗布した。
塗布した液膜の2秒後の形状を確認し、撥水することが無く、試料表面に塗れ広がる規定液の最小値を示した(単位:mN/m)。
<シートのカット性>
後述する実施例及び比較例において作製したシートを、サランラップ(旭化成ホームプロダクツ株式会社製、登録商標)の化粧箱から200mm引き出して、化粧箱に付属しているカット刃で容易に切断できるかを、下記の4段階で評価した。
◎:軽い力できれいに切断可能
○:多少の力が必要なもののきれいに切断可能
△:切断は可能であるが、スムーズに切断が出来ない
×:切断が困難で化粧箱が変形する
<包装テスト>
図4に、実施例及び比較例にて作製したおにぎり1の概略斜視図を示す。
図4中のG、H、Iは実施例及び比較例で採用した寸法を示す。
ご飯100gを電子レンジで加熱(700W−30s)し、実施例及び比較例において作製したシート(220mm×200mm)の内層(図1中の符号11)側にご飯が接触するようにして図4に示される大きさのおにぎり(寸法:G=30mm、H=70mm、I=70mm)を握り、直後に幅4cm、長さ12cmの焼き海苔2を図4に示すように巻き、シートの内層11がおにぎりに接するようにして図5のように包装し、必要に応じてテープで固定したのち室温で5時間放置後に開封した。
(握りやすさ)
先ず、おにぎりの握りやすさを実験者の感覚により評価した。握れたものについては表面の水滴の付き具合、前記シートからの剥離性をそれぞれ下記の基準で評価した。
(水滴の付き具合)
◎:ほとんど水滴が付いていない。
○:小さな水滴が若干付いているが実用上問題ない。
×:大きな水滴が付いて、濡れている。
(シートからの剥離性)
○:シートに何も残らない。
△:わずかにご飯粒等が残る。
×:かなりご飯粒等が残り、形が崩れる。
<シートの吸水性>
後述する実施例及び比較例において作製したシートを10×10cmに切断し、試料を作製した。
前記試料を水の中に浸漬させ、1時間後に取り出し、シート表面の水滴をキッチンペーパーで拭き取った後の重量増加量を100倍して、1m2あたりの吸水量を算出した。
吸水量について、以下の基準により評価した。
◎(良):20.0g/m2以上
○(実用上良):5.0g/m2以上、20.0g/m2未満
×(不良):5g/m2以下
<シートの透明性>
おにぎりを包んだときに中身が視認できるか確認した。
○:中身が容易に視認できる。
△:中身が明瞭ではないが視認できる。
×:中身が視認できない。
<シートの透湿度(WVTR)>
JIS−K7194に準拠し、40℃−90%Rhの条件下で測定した。
◎:100g/m2・24hr未満
○:100g/m2・24hr以上、500g/m2・24hr未満
×:500g/m2・24hr以上
<総合評価>
○:各項目の評価が全て○と◎から構成されるもの。
×:各項目の評価で△、又は×を含むもの。
〔実施例1〕
内層11として、図3のフィルムの概略平面図に示すパターンに従い、孔径(D)0.6mm、開口率1.2%の有孔加工を施した二軸延伸架橋ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製 サンテックA210E、厚み10μm、ゲル分率25質量%、引張弾性率400Mpa、密着仕事量1.2mJ/25cm2、表面張力32mN/m)を用いた。
外層14として、架橋ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製 サンテックA210E、厚み10μm、ゲル分率25質量%、引張弾性率400Mpa、密着仕事量1.2mJ/25cm2、表面張力32mN/m)を用いた。
中間層13として、ポリエチレンフィルム(フタムラ化学社製 LL−MTNST、コロナ処理品、厚み25μm、引張弾性率200Mpa、密着仕事量0mJ/25cm2、表面張力40mN/m)を用いた。
図2に示す接着パターンに従い接着部分22を形成し、隣接する層との接着面積が両者の層間界面の面積の16%となるように、積層した3層をライン速度5m/minで、140℃に加熱したエンボスロールと受けロールの間で押圧させることで、図1に示す構成の食品包装用シートを得た。
当該食品包装用シートを、幅220mmにスリットし、内径34mm、長さ230mmの紙管に5m巻回したのち、サランラップ(旭化成ホームプロダクツ株式会社製 登録商標)の化粧箱に収納し、食品包装用材料を得た。
得られた食品包装用シート及び食品包装用材料について、上記評価を実施した。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例2〕
内層11として、孔径1.0mm、開口率3.3%(実施例1の有孔パターンで孔径(D)のみ変更)の有孔加工を施した架橋ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製 サンテックA210E、厚み10μm、ゲル分率25質量%、引張弾性率400Mpa、密着仕事量1.2mJ/25cm2、表面張力32mN/m)を用いた。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例3〕
内層11と当該内層に隣接する層との接着面積が両者の層間界面面積の44%となるように積層した。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例4〕
中間層13として、HDPEフィルム(三陽化成株式会社製 HDPEフィルム♯10、 厚み10m、引張弾性率1000、密着仕事量0mJ/25cm2、表面張力30mN/m)を用いた。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例5〕
中間層13として、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製 両面コロナ処理品FOK−2、厚み12μm、引張弾性率2200、密着仕事量0.3mJ/25cm2、表面張力40mN/m)を用いた。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表1に示す。
内層11として、図3のフィルムの概略平面図に示すパターンに従い、孔径(D)0.6mm、開口率1.2%の有孔加工を施した二軸延伸架橋ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製 サンテックA210E、厚み10μm、ゲル分率25質量%、引張弾性率400Mpa、密着仕事量1.2mJ/25cm2、表面張力32mN/m)を用いた。
〔実施例6〕
中間層13として、ポリエチレンフィルム(フタムラ化学社製 LL−MTNST、厚み25μm、引張弾性率200Mpa、密着仕事量0mJ/25cm2、表面張力30mN/m)を用いた。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表2に示す。
〔実施例7〕
中間層13として、図3に示すパターンに従い、孔径(D)0.6mm、開口率1.2%の有孔加工を施した、ポリエチレンフィルム(フタムラ化学社製 LL−MTNST、コロナ処理品、厚み25μm、引張弾性率200Mpa、密着仕事量0mJ/25cm2、表面張力40mN/m)を用いた。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表2に示す。
〔実施例8〕
内層11として、図3に示すパターンに従い、孔径(D)0.6mm、開口率1.2%の有孔加工を施した二軸延伸架橋ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製 サンテックA210E、厚み10μm、ゲル分率25質量%、引張弾性率400Mpa、密着仕事量1.2mJ/25cm2、表面張力32mN/m)を用いた。
外層14として、ポリエチレンフィルム(フタムラ化学社製 LL−MTNST、コロナ処理品、厚み25μm、引張弾性率200Mpa、密着仕事量0mJ/25cm2、表面張力40mN/m)を用いた2層構成とした。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表2に示す。
〔実施例9〕
内層11及び外層13として、厚み10μmの未延伸ポリエチレンフィルム(三井化学ファブロ株式会社製クレアフォース、厚み11μm、引張弾性率230Mpa、密着仕事量1.8mJ/25cm2、表面張力34mN/m)を用いた。
なお内層11には、図3のフィルムの概略平面図に示すパターンに従い、孔径(D)0.6mm、開口率1.2%の有孔加工を施した。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表2に示す。
〔比較例1〕
内層11と当該内層に隣接する層との接着面積が両者の層間界面面積の1.8%となるように積層した。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製しようとしたが、スリット時に一部デラミが発生したため、上記評価は実施しなかった。
〔比較例2〕
内層11と当該内層に隣接する層との接着面積が両者の層間界面面積の100%となるように積層した。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し上記評価を実施した。
評価結果を下記表3に示す。
〔比較例3〕
内層11として、孔径3.0mm、開口率7.1%の有孔加工を施した架橋ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製 サンテックA210E、厚み10μm、ゲル分率25質量%、引張弾性率400Mpa、密着仕事量1.2mJ/25cm2、表面張力32mN/m)を用いた。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表3に示す。
〔比較例4〕
中間層を積層せず、内層11と外層14とを積層させ、2層構成とした。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表3に示す。
〔比較例5〕
内層11として、有孔加工を施さない、貫通孔を具備しない架橋ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製 サンテックA210E、厚み10μm、ゲル分率25質量%、引張弾性率400Mpa、密着仕事量1.2mJ/25cm2、表面張力32mN/m)を用いた。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用シート及び食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した。
評価結果を下記表3に示す。
〔比較例6〕
食品包装用シートとしてセロハン(フタムラ化学社製 太閤セロハンPL−DG ♯300、厚み21μm、引張弾性率3300Mpa、密着仕事量0.0mJ/25cm2、表面張力42mN/m)を用いた。
その他の条件は、実施例1と同様として食品包装用材料を作製し、上記評価を実施した 評価結果を下記表4に示す。
〔比較例7〕
食品包装用シート及び食品包装用材料として、アルミホイル(日本製箔社製 ニッパクホイル、厚み12μm、引張弾性率18500Mpa、密着仕事量0.0mJ/25cm2、表面張力50mN/m以上)を用い、上記評価を実施した。
評価結果を下記表4に示す。
実施例1〜8によれば、柔軟で吸水性が高く、透明で外部からの視認が可能で、電子レンジでの加熱が可能で、かつカット性に優れる食品包装用シートが得られた。
本発明の食品包装用シートは、温かいおにぎりやハンバーガー等の各種食品包装用シート、電子レンジでの加熱用シート、肉や魚等の切り身を包んで冷蔵や冷凍保存用シートとして、産業上の利用可能性がある。
1 おにぎり
2 焼き海苔
10 食品包装用シート
11 内層
12 貫通孔
13 中間層
14 外層
15、16 接着部分
17、18 非接着部分
21 非接着部分
22 接着部分
31 貫通孔

Claims (6)

  1. 合成樹脂からなり、貫通孔を有する内層と、合成樹脂からなる外層とを、有し、
    前記内層と、当該内層に隣接する層とは、接着部分を介して接着されており、
    前記内層と、前記内層に隣接する層との接着部分の面積が、層間界面の面積の5〜50
    %であり、
    前記内層と、前記内層に隣接する層との、前記接着部分形成面同士の密着仕事量が0.
    7mJ/25cm2未満であり、
    前記内層、前記内層に隣接する層の、少なくともいずれか一方の層の、前記接着部分形
    成面側の表面張力が、
    前記内層の、前記接着部分形成面とは反対側の面の表面張力よりも高い、食品包装用シート。
  2. 前記内層と前記外層の間に、貫通孔を有する合成樹脂からなる中間層を、少なくとも1
    層有する、請求項1に記載の食品包装用シート。
  3. 前記貫通孔の孔径が0.01〜2.0mmであり、
    当該貫通孔の開口率が0.3〜4%である、請求項1又は2に記載の食品包装用シート
  4. 前記内層と前記外層とが、自己粘着性フィルムである、請求項1乃至3のいずれか一項
    に記載の食品包装用シート。
  5. 前記内層と前記外層とが、ゲル分率10〜50質量%の架橋ポリエチレンフィルムを含
    む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の食品包装用シート。
  6. カット刃を具備する収納箱に、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の食品包装用シートが、ロール状に巻回された状態で収納されている食品包装用材料。
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