JP4185833B2 - 食品包装用紙材、食品包装容器及び容器入り食品 - Google Patents

食品包装用紙材、食品包装容器及び容器入り食品 Download PDF

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Description

本発明は、中華饅頭、蒸しパン等の水分を多く含み、加熱された食品を収容可能な食品容器用として好適な食品容器用紙材、該紙材を製函して得られる食品容器及び該食品容器に食品を収納した容器入り食品に関する。
従来、食品容器などとして使用される防水性を有する紙材としては、例えば、ライナの内面に合成樹脂製膜を接着或いは含浸形成すると共に、中芯の段頂に合成樹脂膜の一部を含浸させて両者を接着したことを特徴とする防水段ボールが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、穀物の熱水抽出エキスと、アルキルジメチル−ベンザルコニウム−クロライドと、ラウリル−イミノ−ジプロピオン酸と、ポリオキシ−プロピレングリコールとを含有してなる抗菌剤の5乃至10%水溶液を、アクリル系バインダー樹脂と共に、紙材の表面に塗布したことを特徴とする抗菌加工紙が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、表面粗さが最大高さで30〜5μm及びコップ吸水度が50〜20g/m・2分である製紙用天然繊維を主体とする基紙の片面または両面に、ガラス転移温度が10〜28℃のアクリル系樹脂のエマルジョン塗工液を固形分で3〜20g/m塗工し加熱乾燥して得られる、耐ブロッキング性が良好で再生可能な耐水耐油紙が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平7−9594号公報 特開2001−288697号公報 特許第3055867号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載された防水段ボールは、表面が紙なので、その表面に蒸した中華饅頭や蒸しパンなどの水分を多く含んだ食品が接すると、食品の表面が段ボール表面に付着してしまうという課題が残されていた。
また前記特許文献2に記載された抗菌加工紙は、耐水コート剤を塗工してあるのが表層なので、蒸した中華饅頭や蒸しパンなどの水分を多く含んだ食品を包装すると、表面がビショビショになり、食感が著しく低下してしまう問題がある。
また、耐水コートを施すと、箱を組み立てる際に使用する水溶性接着剤が接着し難くなり、生産性が悪化する問題がある。
また前記特許文献3に記載された耐水耐油紙は、アクリル系樹脂の均一な塗膜形成を目的にしているので紙の表面粗さに制限があり、紙材の選択の自由度が狭い問題がある。
さらにこの耐水耐油紙は、アクリル系樹脂塗膜が食品と接触する面にあるため、蒸気を発生する食品を包装時、食品から発せられた蒸気が外へ逃げ難く、包装容器内で水滴化し、食品表面がベタベタして食感が低下する問題がある。
またこの耐水耐油紙は、アクリル系樹脂塗膜が完全に紙材表面を覆って形成されているので、箱状の容器を組み立てる際に使用する水溶性接着剤の接着、乾燥が悪く、生産性が悪化し、糊ハガレが多発する問題がある。
さらにこの耐水耐油紙の基紙は、実施例から見ると320g/mと厚紙を用いているので、重量が嵩み、しかも断熱性に乏しい。
またこの耐水耐油紙は、単なる板紙であり段ボールに比べて保温性は低く、塗膜にムラがありピンホールを生じた場合、その保温性が更に低下してしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、水分を多く含み、熱がかかる食品の包装に適した加工紙、それを用いた段ボール構造を有する食品包装用紙材、この食品包装用紙材を製函した食品包装容器及び容器入り食品の提供を目的とする。
前記目的を達成するために本発明は、波形形状をなす中芯の表裏の少なくとも一方に、基紙の一面側にアクリル系樹脂エマルジョンが固形物で0.9〜2.7g/mとなるように塗工、乾燥されてなるアクリル系樹脂不均一皮膜層が設けられ、前記基紙の他面側に合成樹脂防水層が設けられた加工紙を、前記中芯に前記合成樹脂防水層を接着することによって固定した段ボール構造を有することを特徴とする食品包装用紙材を提供する。
本発明の食品包装用紙材において、加工紙、前記アクリル系樹脂エマルジョンの塗工量は固形物で1.0〜1.8g/mの範囲が好ましい。
また本発明の食品包装用紙材において、加工紙は、エンボス加工がなされていることが好ましい。
また本発明は、前記食品包装用紙材を製函して得られる食品包装容器を提供する。
また本発明は、前記食品包装容器の中に食品を入れて包装してなる容器入り食品を提供する。
本発明の加工紙は、基紙の一面側に水や水蒸気を透過可能なアクリル系樹脂不均一皮膜層が設けられ、前記基紙の他面側に合成樹脂防水層が設けられた構成なので、アクリル系樹脂不均一皮膜層を食品に接するように用いると、食品への接触面は通気性、透水性を有しており、合成樹脂防水層までの基紙部分は水分保持ができ、水滴が生じ難くなり、水滴によって食品表面が濡れて食感が悪くなる不具合を防ぐことができる。また水分を含んだ食品が付着し難くなる。
またアクリル系樹脂により基紙が完全に覆われていないので、水溶性接着剤が接着可能となり、水溶性接着剤を用いて容易に製函できる。
またエンボス加工することで、エンボス加工面と食品との接触面積が減り、更に付着し難くなる。またエンボス加工することで、過剰な水蒸気が発生し、容器底面等に水滴が溜まっても、食品に再付着する量が少なくなる。
また本発明の食品包装用紙材は、波形形状をなす中芯の表裏の少なくとも一方に、前記中芯に前記合成樹脂防水層を接着することによって前記加工紙を固定した段ボール構造を有するものなので、アクリル系樹脂不均一皮膜層を食品に接するように用いると、前述した加工紙と同様の効果が得られる。さらに段ボール構造としたことで、軽量で高剛性の容器が得られる。また本発明の食品包装用紙材は段ボール構造としたので、中芯に空気層が有り保温性がある。
また本発明の食品包装容器は、前記食品包装用紙材を製函して得られたものなので、食品が付着せず、食品の食感を良好に保ち、保温性に優れ、高剛性を有しており、水分を多く含み、熱がかかる食品の包装に好適である。
また本発明の容器入り食品は、前記食品包装容器に食品を入れて包装したものなので、内部の食品の食感が良好に保たれ、冷めにくく、食品が容器に付着し難く、携帯し易いものなので、テイクアウト用などとして利便性を有する。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は本発明に係る加工紙とそれを用いた段ボール構造を有する食品包装用紙材の第1の実施形態を示す図である。本発明の加工紙1は、基紙2の一面側にアクリル系樹脂不均一皮膜層3が設けられ、基紙2の他面側に合成樹脂防水層4が接着された構成になっている。前記アクリル系樹脂不均一皮膜層3は、アクリル系樹脂が基紙2表面を均一に被覆しておらず、このアクリル系樹脂不均一皮膜層3を通して水滴や水蒸気が基紙2側に浸透可能になっている。一方、合成樹脂防水層4は、基紙2の他面側を完全に被覆しており、水滴や水蒸気の漏れが生じないようになっている。
前記アクリル系樹脂不均一皮膜層3は、基紙2の一面側にアクリル系樹脂エマルジョンを、固形物で0.9〜2.7g/mの範囲となるように塗工、乾燥して形成されている。アクリル系樹脂エマルジョンの塗工量は、固形物で1.0〜1.8g/mの範囲とすることがより好ましい。このアクリル系樹脂の塗工量が固形物で0.9g/m未満であると、アクリル系樹脂による防水効果及び食品等の付着防止効果が不十分となる。一方、アクリル系樹脂の塗工量が固形物で2.7g/mを超えると、基紙2の表面を覆うアクリル系樹脂の均一度が増し、水滴や水蒸気の透過性が損なわれ、水滴や水蒸気が基紙2側に浸透不可能となり、食品の濡れ防止効果が不十分となる。
このアクリル系樹脂不均一皮膜層3を形成するために用いるアクリル系樹脂エマルジョンとしては、例えば、アクリルポリマー、アクリル−スチレン共重合体等の共重合体エマルジョンや自己架橋型アクリル系共重合体エマルジョン等の各種エマルジョンを使用することができる。例えば、スチレン及びスチレン誘導体、アクリル酸(メタクリル酸)及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルやメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステルなどを共重合したアクリル系共重合体を含むエマルジョンを用いることができる。またこのアクリル系樹脂エマルジョンは、各種の市販品の中から、食品包装用として安全性を確保し得る材料を選択使用することができる。
このアクリル系樹脂エマルジョンの基紙2への塗工は、オンマシン或いはオフマシンで使われているロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、リバースコーター、グラビアコーター等の塗工装置を用いて行うことができる。本発明の加工紙1にあっては、基紙2の片面に均一なアクリル系樹脂皮膜を形成する必要がないので、塗工法には特に制限を受けず、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スプレー印刷等の従来周知の印刷法を用いて塗工することができる。また、アクリル系樹脂エマルジョンを塗工した基紙2の乾燥条件は特に限定されず、使用するアクリル系樹脂エマルジョンの乾燥適温等に応じて乾燥温度や時間を適宜設定することが望ましい。
本発明の加工紙1の製造に用いられる基紙2としては、材質、厚さ、表面粗さの異なる種々の紙材を適宜選択して用いることができ、基紙2の選択の自由度が大きい点が本発明の一つの特徴になっている。すなわち、本発明の加工紙1は、基紙2の一面側に設けられるアクリル系樹脂不均一皮膜層3を均一に被覆しなくてもよく、表面粗さの小さな紙材は勿論、表面粗さの比較的大きな紙材であっても使用可能となる。このように、基紙2としては材質、厚さ、表面粗さの異なる種々の紙材を適宜選択して用いることができるが、後述するように、この加工紙1を段ボール構造を有する食品包装用紙材に加工して用いる場合、段ボール製造用のライナ原紙として通常使用されるロール紙等の紙材が好適に用いられる。この場合、基紙2の秤量は20〜70g/m、好ましくは30〜60g/m程度の紙材が好ましい。
前記合成樹脂防水層4の材料となる合成樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、フッ素樹脂などのハロゲン含有樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの共重合体樹脂などが挙げられ、低価格で耐水性、耐久性に優れる等の点から、ポリエチレン系樹脂が好ましい。この合成樹脂防水層4は、基紙2の片面に溶融した樹脂をTダイ等を用いて厚さ5〜100μm、好ましくは10〜15μm程度の厚さにラミネートすることにより形成できる。または厚さ5〜100μm、好ましくは10〜15μm程度の厚さの合成樹脂フィルムを基紙2に重ね合わせて加熱押圧し、該合成樹脂フィルムを基紙2の片面に接着させて形成することもできる。
この加工紙1は、アクリル系樹脂不均一皮膜層3を食品に接するように用いると、食品への接触面は通気性、透水性を有しており、合成樹脂防水層4までの基紙2部分は水分保持ができ、水滴が生じ難くなり、水滴によって食品表面が濡れて食感が悪くなる不具合を防ぐことができる。また水分を含んだ食品が付着し難くなる。
またアクリル系樹脂により基紙2が完全に覆われていないので、水溶性接着剤が接着可能となり、水溶性接着剤を用いて容易に製函できる。
この加工紙1は、基紙2としてエンボス加工紙を用いることができ、或いは基紙2にアクリル系樹脂不均一皮膜層3と合成樹脂防水層4とを積層後にエンボス加工することができる。このエンボス加工は、製紙及び紙材加工分野で従来より周知の方法及び加工装置を用いて実行し得る。
加工紙1をエンボス加工することで、エンボス加工面と食品との接触面積が減り、更に食品が付着し難くなる。またエンボス加工することで、過剰な水蒸気が発生し、容器底面等に水滴が溜まっても、食品に再付着する量が少なくなる。
この加工紙1は、アクリル系樹脂不均一皮膜層3が食品と接するようにして、食品を包装するための紙材として単独で用いることができる他、図1に示すように、波形形状をなす中芯5の一方の面側に、中芯5に合成樹脂防水層4を接着することによってこの加工紙1を固定し、中芯5の他方の面側にライナ6を接着剤7で接着した段ボール構造を有する食品包装用紙材8として用いることができる。
この段ボール構造を有する食品包装用紙材8は、加工紙1以外は従来の段ボール製造方法及び製造装置を用いて製造可能である。中芯5としては、例えば秤量30〜100g/m、好ましくは40〜60g/m程度のクラフト紙製の中芯が用いられ、ライナ6としては秤量20〜70g/m、好ましくは30〜60g/m程度のロール紙等を用いることができる。また中芯5とライナ6との接着用の接着剤7としては、澱粉系接着剤などの段ボール製造用接着剤として従来周知の接着剤が使用可能である。この食品包装用紙材8は、秤量70〜250g/m、好ましくは100〜200g/m程度とするのが好ましい。
この食品包装用紙材8は、コルゲータなどと称される従来周知の段ボール製造設備を一部変更して製造可能である。この食品包装用紙材8において、波形形状に加工した中芯5の波頭と加工紙1の合成樹脂防水層4との接着は、該合成樹脂防水層4を加熱溶融せしめ、その一部を中芯5の波頭面に含浸させて両者を接着することにより、余分な接着剤を使用することなく接着固定することが望ましい。そのための製造設備としては、中芯5に加工紙1を重ねて加熱押圧し、中芯5の波頭面に溶融状態の合成樹脂防水層4の樹脂を含浸させる接着工程と、中芯5の残りの面に接着剤を塗布してライナ6を接着する糊付け工程とを別個に実施可能な装置を用いる必要がある。またライナ6の外側は、印刷面とすることができ、通常の食品包装用紙材8と同様に印刷して用いることができる。
この食品包装用紙材8は、アクリル系樹脂不均一皮膜層を食品に接するように用いることによって、前述した加工紙1と同様の効果が得られる。さらに段ボール構造としたことで、軽量で高剛性の容器が得られる。また段ボール構造としたので、中芯に空気層が有り保温性に優れている。
図2は本発明に係る食品包装用紙材の第2の実施形態を示す図である。本実施形態の食品包装用紙材9は、第1の実施形態の食品包装用紙材8と同様の構成要素を備えている他、ライナ6の中芯5側の面に合成樹脂防水層4を設け、中芯5の両面に合成樹脂防水層4を接着させたことを特徴としている。
この食品包装用紙材9は、中芯5の一方面に前記加工紙1の合成樹脂防水層4が接し、中芯5の他方面にライナ6に接着した合成樹脂防水層4が接した状態でそれぞれを重ね合わせ、加熱押圧して中芯5に加工紙1とライナ6とを一挙に接着して製造することが好ましい。図3は、この食品包装用紙材9の製造設備を例示するものであり、この製造設備では、それぞれロール巻きした加工紙1と、中芯原紙10と、合成樹脂防水層4接着前のライナ6とを供給可能になっている。中芯原紙10は、一対の段ロール12,12aに送り込み、波形形状に段付け加工して中芯5とされる。ライナ6は、途中でコーター11等により溶融した合成樹脂を塗工し、合成樹脂防水層4を接着する。途中で合成樹脂を塗工する方法に代えて、Tダイ等を用いてライナ6に合成樹脂防水層4を予め接着したラミネート紙を用いてもよい。
次いで、中芯5の一面側に加工紙1の合成樹脂防水層4を接触させると共に、中芯5の他面側にライナ6の合成樹脂防水層4を重ね合わせ、加熱盤と押圧搬送ベルト等を備えた加熱部13に送り込んで約100〜180℃程度に瞬間的に加熱する。この加熱温度は合成樹脂防水層4の樹脂の種類に応じて適宜変更可能である。これらの各紙材は加熱され、加工紙1の合成樹脂防水層4とライナ6の合成樹脂防水層4とは溶融し、中芯5の波頭に接したそれらの樹脂は中芯5の波頭部に含浸され、加熱と同時に押圧力を加えることで中芯5と加工紙1及びライナ6とが接着される。段ボール構造となった食品包装用紙材9は、冷却部14で冷却され、その後カッター15等で切断される。
本実施形態の食品包装用紙材9は、第1の実施形態の食品包装用紙材8と同様の効果が得られる他、中芯5の一面側に加工紙1を、他面側に合成樹脂防水層4付きのライナ6とを溶着した構成としたので、段ボール構造を有する食品包装用紙材9を安価に提供することができる。また接着不良による部分剥離等を防止でき、接着線を薄く目立たなく、外観を良好にすることができる。
本発明の食品包装用紙材8,9は、函形等の所望の形状に製函して食品包装容器として利用することができる。図4は本発明に係る食品包装容器26の製函工程を示す図であり、この食品包装容器26は、函形の紙容器を製造するための従来周知の製造方法及び製造装置を用いて実行可能である(例えば、特公平8−11428号公報参照。)。
図4に示す通り、この食品包装容器26を作製するには、まず食品包装用紙材8,9を打抜機にて容器の展開形状に打ち抜くと同時に折り曲げ罫線を入れて紙容器素材20を作製する(図4(a))。この紙容器素材20は、四角形の底片21と、その四辺からそれぞれ延出した4つの側片22と、一対の側片22の両側端から延出した糊付片23と、一辺の側片22に連設した蓋片24とを備えている。それぞれの片の間は折り曲げ可能になっている。この紙容器素材20において、食品包装用紙材8,9のアクリル系樹脂不均一皮膜層3は、食品と接する容器内面側になるように配置されている。
次に、この紙容器素材20を製函機に投入し、それぞれの糊付片23に澱粉糊などの糊25を塗布し(図4(b)参照。)、それぞれの側片22を立ち上げて箱状に組み立てる(図4(c)参照。)。そして、それぞれの糊付片23を重なり合う側片22に接着固定させることで、開閉可能な蓋片24を有する食品包装容器26が作製される。糊付片23の表面(糊25を塗布する面)は、アクリル系樹脂不均一皮膜層3になっており、澱粉糊のような水溶性接着剤であっても接着可能である。
この食品包装容器26は、前記食品包装用紙材8,9を製函して得られたものなので、食品が付着せず、食品の食感を良好に保ち、保温性に優れ、高剛性を有しており、水分を多く含み、熱がかかる食品の包装に好適である。
なお、本発明に係る食品包装容器は本例示に限定されるものではなく、種々変更が可能であり、その大きさや形状、開閉構造等は包装する食品の種類等に応じて適宜変更が可能である。また手提げ用バンドを取り付けたり、開閉或いは廃棄の際に函の分解が容易なミシン線を適所に設けることもできる。
図5は、本発明に係る容器入り食品の一例を示す図である。この容器入り食品28は、前記食品包装容器26に食品27を入れて蓋片24を閉め、包装したものである。図5(a)は食品包装容器26内に食品27を入れた状態、(b)は蓋片24を閉めた状態をそれぞれ示している。
食品包装容器26に入れられる食品27としては、特に限定されないが、耐水性、付着防止性、保温性に優れる前記食品包装容器26の特性を利用し、水分を多く含み、熱がかかる食品などが特に好適である。この種の食品としては、例えば、中華饅頭(肉まん、あんまんなど)、蒸しパン、蒸し饅頭、シュウマイ、餃子、お好み焼き、たこ焼き、ビザ、コロッケやフライドチキンなどの油ちょう食品、電子レンジ加熱調理用の各種冷凍・冷蔵食品などが挙げられる。
本発明の容器入り食品28は、前記食品包装容器26に食品27を入れて包装したものなので、内部の食品27の食感が良好に保たれ、冷めにくく、食品27が容器に付着し難く、携帯し易いものなので、テイクアウト用などとして利便性を有する。また本発明の容器入り食品28を、電子レンジ加熱調理用の各種冷凍・冷蔵食品に適用し、食する直前に容器ごと電子レンジ加熱調理することもできる。
(実施例1)
秤量30g/mのロール紙の片面にポリエチレン樹脂を13μmの均一な厚みになるようにラミネートして合成樹脂防水層を形成した。次いで、このラミネート紙の未ラミネート面にフレキソ印刷機を用いてアクリル系樹脂エマルジョン(ジョンソンポリマー社製、PDX−7687)を固形分が1.8g/mになるよう塗工して加工紙を作製した。
次に、コルゲート設備を用いて、裏ライナ用に前記加工紙、中芯用に坪量50g/mのクラフト紙を前記加工紙のポリエチレン樹脂ラミネート層を接着剤として接着し、次いで表ライナ用に30g/mのロール紙を中芯と澱粉糊で接着し、図1に示すような段ボール構造を有する食品包装用紙材を作製した。
次に、図4に示すように、この食品包装用紙材を打抜機にて、容器の展開形状に抜くと同時に、折り曲げ罫線を入れて紙容器素材とした。
次に、この紙容器素材を製函機を用いて製函し、図4(c)に示す形状の食品包装容器を作製した。
(実施例2)
アクリル系樹脂エマルジョンを固形物が1.0g/mになるよう塗工した以外は、実施例1と同様にして食品包装容器を作製した。
(実施例3)
アクリル系樹脂エマルジョンを固形物が2.3g/mになるよう塗工した以外は、実施例1と同様にして食品包装容器を作製した。
(実施例4)
食品包装用紙材にエンボス加工を施した以外は、実施例1と同様にして食品包装容器を作製した。
(比較例1)
アクリル系樹脂エマルジョンを固形物が0.8g/mになるよう塗工した以外は、実施例1と同様にして食品包装容器を作製した。
(比較例2)
アクリル系樹脂エマルジョンを固形物が3.0g/mになるよう塗工した以外は、実施例1と同様にして食品包装容器を作製した。
<評価方法>
(付着防止性評価)
あんまん(冨士食品工業社製)を家庭用蒸機で15分間蒸した後、実施例1〜4、比較例1〜2のそれぞれの食品包装容器に入れ、容器の上蓋にあんまんの上部が接するように蓋を閉め、容器を天地逆さまの状態で室温25℃雰囲気で3分間放置する。3分放置後、容器の天地を戻し、蓋を開け容器内上面とあんまんの皮の付着状態を観察し、次の評価基準で付着防止性を評価した。
◎ 容器を逆さまにした時、自然にあんまんが落ちる。
○ 自由落下はしないが、手で容易に取れ、あんまんが容器についていない。
× あんまんの表皮層が容器に付着する。
(濡れ防止性評価)
前記付着性試験と同様に、蒸したあんまんを実施例1〜4、比較例1〜2のそれぞれの食品包装容器に入れ、室温25℃雰囲気で30分間放置後、容器を開けてあんまん表面の濡れ状態を手で触って確かめ、次の評価基準により濡れ防止性を評価した。
◎◎ あんまんの皮はしっとりした表面で、ふっくらしている
◎ 手に湿り気を感じる程度、皮はややふやけている。
○ 手に水分がややつき、皮はふやけている。
× 皮が余剰水分を吸い、ぐっしょり濡れていて、触ると手に多量の水分がつき、ベタベタな状態。
実施例1〜4、比較例1〜2のそれぞれの食品包装容器について、付着防止性と濡れ防止性を評価し、その結果を表1にまとめて記す。
Figure 0004185833
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜4の食品包装容器は、食品と接する側の面に固形分が0.9〜2.7g/mになるようにアクリル系樹脂エマルジョンを塗工してアクリル系樹脂不均一皮膜層を設けたことによって、蒸した中華饅頭のような水気が多く、熱い食品を入れて包装しても、食品の表面が容器内面に付着することがなく、十分な付着防止性が得られた。さらに食品表面から生じた蒸気及び水滴がアクリル系樹脂不均一皮膜層を通して基紙側に透過、保持されるので、結露した余剰水が食品表面に付着して食感を悪くすることが少なくなり、十分な濡れ防止性が得られた。
一方、アクリル系樹脂エマルジョンの塗工量が本発明の範囲よりも少ない比較例1の食品包装容器では、アクリル系樹脂による付着防止性が不十分であった。
またアクリル系樹脂エマルジョンの塗工量が本発明の範囲よりも多い比較例2の食品包装容器では、アクリル系樹脂皮膜が基紙の表面を完全に覆っているために、結露した余剰水が食品表面に付着して食感が悪くなった。
本発明の加工紙及び食品包装用紙材の一例を示す断面図である。 本発明の食品包装用紙材の他の例を示す断面図である。 食品包装用紙材の製造に用いる製造設備の一例を示す構成図である。 食品包装容器の製造工程を例示する斜視図である。 食品包装容器に食品を入れ包装した容器入り食品を例示する斜視図である。
符号の説明
1…加工紙、2…基紙、3…アクリル系樹脂不均一皮膜層、4…合成樹脂防水層、5…中芯、6…ライナ、7…接着剤、8,9…食品包装用紙材、10…中芯原紙、11…コーター、12,12a…段ロール、13…加熱部、14…冷却部、15…カッター、20…紙容器素材、21…底片、22…側片、23…糊付片、24…蓋片、25…糊、26…食品包装容器、27…食品、28…容器入り食品。

Claims (5)

  1. 波形形状をなす中芯の表裏の少なくとも一方に、基紙の一面側にアクリル系樹脂エマルジョンが固形物で0.9〜2.7g/mとなるように塗工、乾燥されてなるアクリル系樹脂不均一皮膜層が設けられ、前記基紙の他面側に合成樹脂防水層が設けられた加工紙を、前記中芯に前記合成樹脂防水層を接着することによって固定した段ボール構造を有することを特徴とする食品包装用紙材。
  2. 前記加工紙は、前記アクリル系樹脂エマルジョンの塗工量が固形物で1.0〜1.8g/mである請求項1に記載の食品包装用紙材。
  3. 前記加工紙は、エンボス加工がなされている請求項1又は2に記載の食品包装用紙材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品包装用紙材を製函して得られる食品包装容器。
  5. 請求項に記載の食品包装容器の中に食品を入れて包装してなる容器入り食品。
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