JP2009120091A - 車体間アンチロール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 相互に連結される車体の妻面(連妻面ともいう)を有効に利用でき、また急曲線路でも安定した走行が可能で、脱線係数および輪重抜け率の低減などを含め、走行安定性の向上を図れる車体間アンチロール装置を提供する。
【解決手段】 複数車体2a〜4aを連節した構造で各車体に台車を備えた鉄道車両1において、相対的にローリング可能に下部連結具19を介して連結された隣接する車体2a・3aまたは2a・4aの上部間に跨って設けられる車体間アンチロール装置10であって、オイルダンパ16とコイルスプリング17とを軸方向に沿って並列に配置した一対のアンチロールバー11・11を、相対向させかつ上方より見てX状に前記車体の車幅方向に沿って配置するとともに、各アンチロールバー11の両端を対応する前記車体の妻面上部に対し球面軸継手11a・11bを介して取り付けている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鉄道車両、たとえば路面電車等の隣接する車体間に跨って取り付けて、特に車両の走行安定性の向上が図れる車体間アンチロール装置に関する。
1) この種の車体間アンチロール装置に関して、従来は、隣接する車体の一方の妻面に上部一側方にL形リンクの直角部を車幅方向に回転自在に軸着し、短片側の一端に上端を枢着した鉛直(上下)方向のダンパの下端を枢着し、さらにL形リンクの長片の上端に一端を連結したバーの他端を、車幅方向に沿って配置したうえで相対向する他方の妻面の反対側上部に枢着し、L形リンクの長片の中間位置に戻しバネを内方へ間隔をあけて取り付けた構造のリンク方式の装置が使用されている。同種の装置に、例えば、特許文献1に記載の車端ダンパ装置がある。
2) 他の車体間アンチロール装置に関して、3両編成の低床式路面電車(LRV(Light Rail Vehicle))における連接部において、相対向する車体の上下方向の相対揺動を拘束し車幅方向の相対揺動のみを許容するように車体間を枢支連結する上部連結手段を設け、中間車体の垂直荷重を端部車体側で支持した状態で車幅方向に相対揺動可能に枢支連結する下部連結手段を車幅方向中央部に設け、下部連結手段の左右両側に相対向する車体の車幅方向の相対揺動を抑制するダンパを設けた構造の連結装置が使用されている(たとえば、特許文献2参照)。
3) 他の車体間アンチロール装置に関して、隣り合う車体間の上部には伸縮可能な制振装置が車体幅方向に沿って取り付けられ、前記隣り合う車体の上部が前記制振装置を介して互いに連接されているとともに、前記制振装置によって走行中に発生する車体上部の車幅方向の作用力を吸収するように構成された車両の車体間走行安定化装置が出願され、公開されている(たとえば特許文献3参照)。
特開平9−109888号公報 特開2003−48539号公報 特開2005−289297号公報
上記した従来の車体間アンチロール装置では、以下のような点でも改良すべきところがある。
1)に記載の車端ダンパ装置の場合、連妻面の一側方向において、上下方向の中間位置から上部にかけて大きな設置スペースが必要になる。このため、たとえば、車体間の連絡通路を大きく拡げることができない。
2)に記載の連結装置の場合、ヨー偏倚量に対し制約があり、急曲線路の走行に対応できない。また、ダンパの効果に限界がある。
3)に記載の車体走行安定化装置の場合、1基のダンパ装置を使用する場合に加えて、2基のダンパ装置を用いることが示されているが、2基の場合は同一方向に直列に組み合わされているため、いずれの場合にも曲線走行時に不都合な反力が発生する。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、相互に連結される車体の妻面(連妻面ともいう)を有効に利用でき、また急曲線路でも安定した走行が可能で、脱線係数および輪重抜け率の低減などを含め、走行安定性の向上を図れる車体間アンチロール装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明に係る車体間アンチロール装置は、複数車体を連節した構造の鉄道車両において、相対的にローリング可能に連結された隣接する車体の上部間に跨って設けられる車体間アンチロール装置であって、
ダンパを備えた一対のアンチロールバーを、相互に逆向きにしかつ上方より見てX状に前記車体の車幅方向に沿って配置するとともに、各アンチロールバーの両端を対応する車体の妻面上部に対し球面軸継手を介して取り付けたことを特徴とする。
請求項2に記載のように、前記各アンチロールバーを、ダンパとコイルスプリングとを並列に組み合わせた構成とすることが好ましい。
請求項3に記載のように、請求項2記載の車体間アンチロール装置において、前記各アンチロールバーを、オイルダンパのシリンダケースの一端に一方の前記球面軸継手を一体に備え、前記シリンダケース内のピストンに一端を連結したピストンロッドを他端側へ延設し、同ピストンロッドの他端に他方の前記球面軸継手を一体に備え、前記コイルスプリングを前記ピストンロッド又はその延長部の一部周囲に配置するとともに、前記オイルダンパのピストンが中立位置からいずれの方向へ移動しても、前記コイルスプリングが圧縮されるように構成することができる。
請求項4に記載のように、請求項1〜3のいずれか記載の車体間アンチロール装置において、前記鉄道車両が、隣接する前記車体下部間の車幅方向の中央位置で、球面軸受式連結器により連結される路面電車からなると、有効である。
請求項5に記載のように、請求項4記載の車体間アンチロール装置において、前記鉄道車両が3車体連節構造の路面電車からなり、前後各端部車体に先端台車を、中間車体に中間台車をそれぞれ配置した3台車方式で、前記先端台車が両側に車輪を有する2軸ボギー台車で、前記中間台車が4輪独立車輪方式の台車であることが好ましい。
本発明に係る車体間アンチロール装置は、上記のような構成からなるから次のような優れた効果を奏する。
・請求項1記載の装置によれば、車体間の相対的なロール変位がこの変位を妨げる向きに減衰力を発生するダンパで吸収され、緩和される。車体の連妻面の上部に車幅方向に沿って配置されるので、車体間のワタリ線を連通路脇の妻面に設けたり、アンチロール装置の上方の屋根部間に設けたりでき、また車体の妻面外周縁部間に全周幌を設けて外観の向上を図れ、さらに車体間を接続する連通路の大きさを大幅に拡大することができる。さらに、曲線路通過時の相対的なヨーイング(ヨー変位)に対して双方のダンパが作用し、ヨー方向(枕木方向・車幅方向)へ反力が生じるが、それらの反力は相対向するアンチロールバーの軸方向に生じる反力によって相互に打ち消し合われるので、走行安定性に影響を及ぼさない。こうした効果は、特に請求項4に記載のような車両間を車体妻面の下部中央位置で球面軸受式連結器にて連結した路面電車などにおいて、その効果を有効に発揮する。
・請求項2記載の装置によれば、ダンパだけでなくコイルスプリングを並列に備えるので、特にLRV(Light Rail Vehicle)などの複数台の台車付き車体を連節した構造の車両において、特に曲線走行時に車体間で相対的にヨー角が生じてもロール角に影響せず、したがって脱線係数および輪重抜け率の低減が図れ、また走行安定性が向上する。さらに、隣接する車体間の上下方向の相対変位(ピッチングなど)に対してもアンチロールバーの伸縮動作により対応できる。
・請求項3記載の装置によれば、外径の小さな断面で長尺のアンチロールバーを形成できるとともに、たとえば±100mmという長いストロークをコイルスプリングとオイルダンパの並列組み合わせで達成できる。また、車体連結部の上部間の限られたスペース(たとえば、車体連結部における幌とその上方の車体間ワタリ線との間)において、無理なくX状に配置して取り付けることができる。また、この構造によれば、コイルスプリングの付勢力は常に圧縮方向に作用するため、折損などが生じた場合でも機能の全てを失うことがなく、フェイルセーフ性を有している。
・請求項4記載の装置によれば、隣り合う車体間下部が球面軸受式連結器により連結されているので、車両走行時に隣り合う車体は相対的にローリング、ヨーイングあるいはピッチングの動作が生じる可能性があるが、ローリングに伴う衝撃力は、相対向する一対のアンチロールバーが伸縮する際に発生するダンパの減衰力にて吸収緩和され、ローリングに伴う車体間の相対変位はコイルスプリングの抗バネ力にて抑制されるために、車両の走行安定性が向上する。特に路面電車の場合には、急曲線路が設けられることが多いが、この急曲線路においては車両通過時の車体の相対ローリングが顕著になるが、衝撃力や相対変位が抑制されるため、曲線通過性能が向上する。一方で、相対ヨーイングにも対して双方のアンチロールバーのダンパおよびスプリングが作用し、ヨー方向に反力が生じるが、それらの反力は相互に打ち消し合うので走行安定性に悪影響が及ばさず、したがって車両は安定して急曲線路を走行できる。
・請求項5記載の装置によれば、X状配置の一対のアンチロールバーにて曲線路通過時にヨー方向への外力が打ち消されるので、車体に変な力が作用せず、走行安定性に悪影響を及ぼすことがなく、また特に球面軸受式連結器で車体間を連結した複数車体連節構造の車両と組み合わせると有効である。
以下、本発明に係るアンチロール装置の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1は本発明のアンチロール装置に係るアンチロールバーの実施例を示す、一部を断面で表した正面図、図2は本発明の実施例に係るアンチロール装置を備えた、3車体連節構造の路面電車を示す側面図、図3は図2の路面電車の上部を切り欠いて表した平面図、図4は右半分が図2のX−X線断面図で、左半分が図2のY−Y線断面図である。図5は図2の路面電車におけるアンチロール装置の取付状態を概略的に示す平面図、図6(a)はアンチロール装置を取り付けた状態の前端部車体の妻面を示す正面図、図6(b)はアンチロール装置を取り付けた状態の中間部車体の妻面を示す正面図、図7(a)は車体の連結部におけるアンチロール装置を示す平面図、図7(b)は図7(a)のb−b線断面図、図7(c)は図7(a)のc−c線断面図、図7(d)は図7(a)のd−d線断面図である。
本発明の実施例に係るアンチロール装置10は、図2に示すように、3車体連節構造の路面電車1を構成する前後端部車両3・4と中間部車両2との各連結部において、隣接する車体2aと車体3aおよび車体2aと車体4aの上部間に跨って、車幅方向に沿って取り付けられている。前後の各端部車両3・4の車体3a・4a下部の先端位置に、大径輪6a付き車軸と小径輪6b付き車軸とを備えたボギー台車6がそれぞれ設けられている。このボギー台車6は、大径輪6a側車軸に電動機を装架して大径輪6aを駆動する駆動台車である。なお、小径輪6bを誘導輪とする。また中間部車両2の車体2a下部に、台車枠の前後両側に配置される大径輪5aからなる4輪独立車輪方式の中間台車5が設けられている。この中間台車5は本例では、電動機を搭載しない付随台車であるが、たとえば駆動力のアップが必要になったり連節される車体の台数が増えたりすれば、電動機を搭載して駆動台車に変更できることは言うまでもない。
本例のアンチロール装置10は、図5〜図7に示すように、伸縮可能な上下一対のアンチロールバー11・11を備えている。これらのアンチロールバー11・11は、図5に示すように、隣接する中間部車体2aと前端部車体3aおよび隣接する中間部車体2aと後端部車体4aとの間で各車体2a〜4aの上部に相互に跨って取り付けられ、図6に示すように上方より見てX状にかつ車幅方向に沿って配設されている。
すなわち、各アンチロールバー11は、図1に示す両端の球面軸継手11a・11bが図5のように前後端部車体(一方の車体)3a・4aの上部と中間部車体(他方の車体)2aの上部との間に跨ってそれぞれ水平方向に旋回可能に取り付けられ、この取付状態で水平方向を含むほぼ全方向に旋回可能になる。詳しくは、図6(a)(b)に示すように前端部車体3a(後端部車体4a)の連妻面の上部において右側寄りと中間部車体2aの連妻面の上部において左側寄りに、図7(a)(b)のように第1ブラケット12・13がそれぞれ相互に相手側車体の方向に張り出すように突設されている。また、前端部車体3a(後端部車体4a)の連妻面の上部において第1ブラケット12よりやや下方で左側寄りと中間部車体2aの連妻面の上部において第1ブラケット13よりやや下方で右側寄りに、図7(a)(b)のように第2ブラケット14・15がそれぞれ相互に相手側車体の方向に張り出すように突設されている。そして、上側のアンチロールバー11の一方の球面軸継手11aは第1ブラケット12に、他方の球面軸継手11bは第1ブラケット13にそれぞれ水平旋回可能に枢着されており、下側のアンチロールバー11の一方の球面軸継手11aは第2ブラケット14に、他方の球面軸継手11bは第2ブラケット15にそれぞれ水平旋回可能に枢着されている。
各アンチロールバー11の両端の各球面軸継手11a,11bは、図1に示すようにアンチロールバー11の本体両端のリング部11c,11d内に本例ではゴムなどの弾性体からなる球面軸受11e・11fを介して嵌着され、それぞれほぼ全方向に旋回可能に構成されている。したがって、隣接する車体2aと車体3aまたは車体2aと車体4aの上部間に跨って取り付けられた状態で、上下の各アンチロールバー11・11の両端は、各車体2a〜4aの上部に対し水平方向を含むほぼ全方向に旋回可能になる。
また、各アンチロールバー11は、図1に示すように、オイルダンパ16とコイルスプリング17とを軸方向に沿って並列に配置している。オイルダンパ16の一部を構成するシリンダケース16aとこのシリンダケース16a内のピストン(図示せず)に一端が連結され、コイルスプリング17の方向に延びるピストンロッド16bの周囲を覆う円筒状カバー18を設けた伸縮可能な構造である。
すなわち、ピストンロッド16bの延長線上のロッド16cの一部とロッド16dの各周囲にコイルスプリング17が配置されている。このコイルスプリング17は、ロッド16cまたはロッド16dの外周面に沿って軸方向に摺動自在に配置された一対の円筒状スリーブ20・21の外端側に一体に形成された外向きフランジ20a・21a間に縮装されている。図1の左側の円筒状スリーブ20はピストンロッド16bが右方向に移動する際にピストンロッド16bと一体に右方向に移動し、右側の円筒状スリーブ20はピストンロッド16bが左方向に移動する際にピストンロッド16bと一体に左方向に移動するが、左側の円筒状スリーブ21の移動時には右側の円筒状スリーブ20は定位置に保持される一方、右側の円筒状スリーブ20の移動時には左側の円筒状スリーブ21は定位置に保持される構成からなる。つまり、本実施例では、各円筒状スリーブ20・21の先端側開口20b・21bはロッド16cの外径よりやや小さく、かつロッド16dの外径よりわずかに大きい。また、ロッド16dの一部周囲に、円筒状スリーブ21の先端側開口21bよりわずかに外径が大きな中空ロッド16eが接続され、この中空ロッド16eの左端に延長ロッド16fが接続されている。そして、前記球面軸継手11bは、延長ロッド16eの一端に一体に設けられている。したがって、オイルダンパ16内のピストン(ピストンロッド16b)がいずれの方向に移動しても、コイルスプリング17は圧縮されるので、減衰力と抗圧縮バネ力とが発生する。
一方、隣接する中間車両2および前後端車両3,4の下部は、図2に示すように、各車体2a,3a,4aがローリング、ヨーイングおよびピッチング可能な下部連結器19によって相互に連結されている。この下部連結器19は、隣接する中間部車体2aと前端車体3aあるいは後端車体4aとの間の下部間に取り付けられており、中間部車体2aの前後妻面の下部で車幅方向の中央位置にそれぞれ先端部を上向きの凸球面体状連結部19bに形成した連結器19aを対向車体側へ突設する一方、前端部車体3の妻面の下部および後端部車体4の妻面の下部でそれぞれ車幅方向の中間位置に先端部を下向きの凹球面体状連結部19dに形成した連結器19cを対向車体側へ突設し、一方の連結器19a上に他方の連結器19cを重ね合わせた状態で摺動自在に嵌合させている。また、図3に示すように方形の先端部分を半円形状に形成した連結板22を前後端車両3,4から中間車両2に跨るように張り出させ、下部連結器19上に載置している。
図2・図3に示すように、前端部車体3および後端部車体4aの連妻面および中間部車体2aの連妻面には、それぞれ上部側を下部側に比べて車幅方向へ開口部をより大きく拡げた貫通路24が形成され、渡り板22の上方の貫通路24の周辺を含む空間部周囲を全周幌23で車体間に跨って覆っている。また、図2中の符号25は車体間のワタリ線、26はパンタグラフを示す。
以上のようにして、本発明の実施例に係るアンチロール装置10を備えた3両編成の路面電車1が構成される。
この路面電車1は、前端部車両3および後端部車両4がそれぞれ先端台車6の両側大径輪6aと中間部車両2との球面軸受式連結器19との3点で支持された状態で連結されているため、中間部車両2とその前後端部車両3・4がそれぞれ相対的にローリングおよびヨーイング可能であり、また隣接する車両(2と3または2と4)間の相対的なピッチングも可能である。前者つまりローリングおよびヨーイングは下部連結器19により、隣接する車両(2と3または2と4)が各車体の中心軸線を中心に相対的に車幅方向に回転・揺動し、かつ下部連結器19のほぼ中心位置を通る鉛直方向の軸線を中心に相対的に各車体が車幅方向に回転する。特に曲線路に進入する際に、前端部車両3は中間部車両2より先に遠心力を受け曲線外方へ傾き始めるために、隣り合う前後の車体間は相対的に前記ローリングも顕著になるが、アンチロール共通のダンパとスプリングの作用により衝撃力を緩和し、過大な相対変位を抑制するので、曲線通過時の走行安定性が増す。その一方で、同時に、前後の車体間は相対的に左右に水平旋回するように揺れて、いわゆるヨーイング運動をするが、一対のアンチロールバー11・11を相対向させてX状に配置したことにより、2本のアンチロールバー11・11の長手方向(軸方向)に沿って相対向する方向に発生する外力が相互に打ち消し合われるので、車体を線路と直交する方向に押し出すような不都合な外力が作用しない。これにより曲線走行時において、前端部車両3が遠心力により傾いて輪重抜けを起こし、前端部車両3の先端側車輪が脱線したりする可能性は、下記の表1におけるシュミレーションデータに示されるように大幅に削減される。
Figure 2009120091
また、本実施の形態では、図1に示すように各アンチロールバー11はコイルスプリング17をオイルダンパ16の周囲ではなく、オイルダンパ16のシリンダケース16aから軸方向に離間した位置で、シリンダケース16aに比べて外径の小さなピストンロッド16c・16dの周囲に配置し、円筒状カバー18(18a・18b)で被覆している。このため、コイルスプリング17とオイルダンパ16を軸方向において並列に組み合わせたアンチロールバー11を構成でき、少ない断面(口径小)で長いストローク200mm(±100mm)を達成できたので、車体間の連結部において全周幌23とその上方のワタリ線25との空間部にX状に掛け渡して取り付けることができた。
ところで、上記に本発明に係る車体間アンチロール装置10を3車体連節構造の路面電車1の連結部間に設けた実施の形態を示したが、下記のように実施することができる。すなわち、
・路面電車に限らず、普通の鉄道車両に適用できる。
・連節する車体の台数は2台以上、たとえば4台でも5台でもよい。
・連結器は球面軸受式に限らず、たとえば自在継手式であってもよい。
本発明のアンチロール装置に係るアンチロールバーの実施例を示す、一部を断面で表した正面図である。 本発明の実施例に係るアンチロール装置を備えた、3車体連節構造の路面電車を示す正面図である。 図2の路面電車の上部を切り欠いて表した平面図である。 右半分が図2のX−X線断面図で、左半分が図2のY−Y線断面図である。 図2の路面電車におけるアンチロール装置の取付状態を概略的に示す平面図である。 図6(a)はアンチロール装置を取り付けた状態の前端部車体の妻面を示す正面図、図6(b)はアンチロール装置を取り付けた状態の中間部車体の妻面を示す正面図である。 図7(a)は車体の連結部におけるアンチロール装置を示す平面図、図7(b)は図7(a)のb−b線断面図、図7(c)は図7(a)のc−c線断面図、図7(d)は図7(a)のd−d線断面図である。
符号の説明
1 路面電車(鉄道車両)
2 中間部車両
2a 中間車体
3,4 端部車両
3a,4a 端部車体
5 中間台車
5a,6a 大径輪
6b 小径輪
6 ボギー台車
10 アンチロール装置
11 アンチロールバー
11a,11b 球面軸継手
11c,11d リング部
11e,11f 球面軸受
12,13 第1ブラケット
14,15 第2ブラケット
16 オイルダンパ
16a シリンダケース
16b ピストンロッド
16c,16d ロッド
17 コイルスプリング
18 円筒状カバー
19 下部連結具
19b 凸球面体状連結部
19d 凹球面体状連結部
20,21 円筒状スリーブ
20a,21a 外向きフランジ
20b,21b 先端側開口
22 渡り板
23 幌
24 連通口
25 ワタリ線
26 パンタグラフ

Claims (5)

  1. 複数車体を連節した構造の鉄道車両において、相対的にローリング可能に連結された隣接する車体の上部間に跨って設けられる車体間アンチロール装置であって、
    ダンパを備えた一対のアンチロールバーを、相互に逆向きにしかつ上方より見てX状に前記車体の車幅方向に沿って配置するとともに、各アンチロールバーの両端を対応する車体の妻面上部に対し球面軸継手を介して取り付けたことを特徴とする車体間アンチロール装置。
  2. 前記各アンチロールバーを、ダンパとコイルスプリングとを並列に組み合わせた構成としたことを特徴とする請求項1記載の車体間アンチロール装置。
  3. 前記各アンチロールバーを、オイルダンパのシリンダケースの一端に一方の前記球面軸継手を一体に備え、前記シリンダケース内のピストンに一端を連結したピストンロッドを他端側へ延長し、このピストンロッド延長部の他端に他方の前記球面軸継手を一体に備え、前記コイルスプリングを前記ピストンロッド又はその延長部の一部周囲に配置するとともに、前記オイルダンパのピストンが中立位置からいずれの方向へ移動しても、前記コイルスプリングが圧縮されるように構成にしたことを特徴とする請求項2記載の車体間アンチロール装置。
  4. 前記鉄道車両が、隣接する前記車体下部間の車幅方向の中央位置で、球面軸受式連結器により連結される路面電車からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の車体間アンチロール装置。
  5. 前記鉄道車両が3車体連節構造の路面電車からなり、前後各端部車体に先端台車を、中間車体に中間台車をそれぞれ配置した3台車方式で、前記先端台車が両側に車輪を有する2軸ボギー台車で、前記中間台車が4輪独立車輪方式の台車であることを特徴とする請求項4記載の車体間アンチロール装置。
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