JP2012148723A - 車両間ダンパ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体のロール振動を低減するとともに上下方向の車体曲げ振動への影響を抑制した車両間ダンパ装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2の鉄道車両10,20の間に設けられ、車体11,21間の相対ロール速度に応じて減衰力を発生する第1及び第2のダンパ30A〜30Dを有する車両間ダンパ装置を、第1及び第2のダンパは、車体の上端部又は下端部近傍であって第1の鉄道車両の車体の第2の鉄道車両の車体に対する相対ロール運動の中心軸と車体の左右中心線との少なくとも一方からの距離がほぼ同じ箇所に、水平方向にほぼ沿い又はロール運動の方向に近づくよう傾斜して配置される構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両の車両間ダンパ装置に関し、特に車体の曲げ振動を低減したものに関する。
複数の車両を連結して運行される鉄道車両には、隣接する車両間の相対ロール速度に応じた減衰力を発生する車両間ダンパ装置(ロールダンパ装置)が設けられる場合がある。このような車両間ダンパ装置は、車体のロール振動低減に有効であるほか、車体の上下剛体モードの振動低減にも効果がある。
例えば、特許文献1には、連結部における車体妻面の貫通路を挟んだ左右両側に、上下方向にほぼ沿って配置されたダンパを有する車両間ダンパ装置によって、車体のロール振動を低減することが記載されている。
また、特許文献2には、走行中の車体振動を抑制することを目的として、車体の妻面と連結路幌接合枠との間、及び、車体の妻面と連結器との間にそれぞれ左右動ダンパを備えた鉄道車両の車体間ダンパ装置が記載されている。
さらに、特許文献3には、曲線通過時のカントによる輪重抜けを防止することを目的として、隣合う車体の上部間に車体幅方向に沿って伸縮可能な制振装置を設けた車体間走行安定化装置が記載されている。
特開2008−201145号公報 特開2003−276602号公報 特開2005−289297号公報
しかし、特許文献1のように、ダンパを上下方向にほぼ沿わせて配置した車両間ダンパ装置は、ロール振動を低減するためには有効であるが、軌道不整等によって各車両が個別に上下に振動した場合には、車両間に相対的な上下速度が発生し、これに応じて車両間ダンパが上下方向に減衰力を発生させることが想定される。このようにして上下方向の減衰力が発生する場合には、車体妻面に作用する上下方向の力と、台車から車体に伝わる上下方向の力によって、強制力による車体の曲げ振動が発生する可能性がある。
このため、このような車両間ダンパ装置を設けると、例えば数Hz〜10Hz程度の乗り心地に影響が大きい周波数領域において、車両間ダンパ装置を設けない場合には発生しなかった上下振動が発生し、乗り心地向上効果が低下する場合が起こり得る。
一方、特許文献2、3のように、ダンパを水平方向に配置した場合には、上述したような上下方向の弾性振動の問題は発生しにくいが、車体のロール運動の中心とダンパ位置との関係が考慮されていないため、ロール振動の制振を効率的に行えないことが懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、車体のロール振動を低減するとともに上下方向の車体曲げ振動への影響を抑制し、車両の乗り心地をより優れたものとするための車両間ダンパ装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の車両間ダンパ装置は、第1の鉄道車両と、前記第1の鉄道車両に連結される第2の鉄道車両との間に設けられ、前記第1の鉄道車両の車体と前記第2の鉄道車両の車体との相対ロール速度に応じて減衰力を発生する第1のダンパ及び第2のダンパを有する車両間ダンパ装置であって、前記第1のダンパ及び前記第2のダンパは、車体の上端部又は下端部近傍であって前記第1の鉄道車両の車体の前記第2の鉄道車両の車体に対する相対ロール運動の中心軸と車体の左右中心線との少なくとも一方からの距離がほぼ同じ箇所に水平方向にほぼ沿って配置されることを特徴とする。
これによれば、ダンパが水平方向にほぼ沿って配置されていることから、上下方向の車体の弾性振動に起因して減衰力が発生することがなく、車両間ダンパ装置を付加したことに起因する車体の上下振動の悪化を防止することができる。
また、第1のダンパ及び第2のダンパを、車体の相対ロール運動の中心軸からの距離がほぼ同じ箇所にほぼ水平に配置したことによって、ダンパ取付箇所を車両妻部の下部にすることができるため、ダンパ設置に伴う補強箇所を妻部下部のみとすることができ、また、保守の際も高い足場を使うことなく容易に作業することができ、かつロール振動抑制効果を得ることができる。
また、本発明の車両間ダンパ装置は、第1の鉄道車両と、前記第1の鉄道車両に連結される第2の鉄道車両との間に設けられ、前記第1の鉄道車両の車体と前記第2の鉄道車両の車体との相対ロール速度に応じて減衰力を発生する第1のダンパ及び第2のダンパを有する車両間ダンパ装置であって、前記第1のダンパ及び前記第2のダンパは、車体の上端部又は下端部近傍であって前記第1の鉄道車両の車体の前記第2の鉄道車両の車体に対する相対ロール運動の中心軸と車体の左右中心線との少なくとも一方からの距離がほぼ同じ箇所に配置されるとともに、水平方向に対して前記相対ロール運動の方向に近づくよう傾斜して配置されることを特徴とする。
これによれば、上述した効果と実質的に同様の効果に加えて、第1のダンパ及び第2のダンパを、水平方向に対して相対ロール運動の方向(中心に対する周方向)に近づくよう傾斜して配置したことによって、ロール角が同等であればダンパのストロークを増して効率よく減衰力を発生させることができる。
また、ダンパを傾斜させることにより、貫通路などとの干渉が発生しにくくなり、設置スペースをコンパクトにすることができる。
本発明において、前記第1のダンパ及び前記第2のダンパは、前記車体の前後方向から見たときに前記相対ロール運動の中心軸を含む鉛直線と車体の左右中心線との少なくとも一方に対してほぼ線対称に配置される構成とすることができる。
これによれば、前記相対ロール角に対する第1のダンパと第2のダンパの発生力が実質的に等しくなり、不要なアンバランス力の発生を防ぐことができる。
また、本発明において、前記第1のダンパ及び前記第2のダンパは、前記車体の前後方向から見たときに前記相対ロール運動の中心軸と車体の中心軸との少なくとも一方に対してほぼ点対称に配置される構成とすることができる。
これによれば、第1の鉄道車両と第2の鉄道車両との間の相対的な左右振動あるいはロール振動が発生した場合、左右振動がロールモードの振動に転換されたり、ロールモードの振動が左右振動に転換されることを軽減することができる。
ここで、車体の中心軸として、例えば車体妻面を車両進行方向から見た平面形における幾何学的中心(例えば図心、重心など)を通りかつ車両進行方向に沿った直線を利用することができる。
また、本発明において、前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの一方の端部を、前記車体の車幅方向における端部近傍に配置した構成とすることができる。
これによれば、相対ロール運動の中心軸からダンパまでの距離を大きくし、ダンパをより効率よく作動させることができる。
また、本発明において、前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの減衰特性を変更する減衰特性切替手段と、車両の走行速度を検出する速度検出手段と、前記走行速度検出手段が検出した前記走行速度の低下に応じて、前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの減衰力を小さくするとともに、前記走行速度の増加に応じて前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの減衰力を大きくする減衰特性制御手段とを備える構成とすることができる。
例えば駅構内の渡り線を渡るときなどに、車体間に大きな左右変位が発生することがあり、その際に車体間ダンパに大きな左右力が発生すると、当該区間の列車のスムースな通過を阻害する可能性がある。
これに対し、この発明によれば、比較的車体振動が大きい高速走行時にはダンパの減衰力を大きくする一方、低速走行時にはダンパの減衰力を低くすることにより、曲線やポイントをスムースに通過させることができる。
以上のように、本発明によれば、車体のロール振動を低減するとともに上下方向の車体曲げ振動への影響を抑制し、車両の乗り心地をより優れたものとするための車両間ダンパ装置を提供することができる。
本発明の比較例の車両間ダンパ装置を有する鉄道車両編成の一部を示す模式図である。 図1のII−II部矢視断面図である。 車両間ダンパ装置(従来技術に係るもの)の有無による車体中央床面の加速度パワースペクトル密度(PSD)の相違を示すグラフである。 比較例の車両間ダンパ装置の有無による車体曲げ振動の形状の違いを示す模式図である。 本発明を適用した車両間ダンパ装置の第1実施形態の構成を示す模式図であって、比較例における図2に相当する箇所を示す図である(図6、図7において同様)。 本発明を適用した車両間ダンパ装置の第2実施形態の構成を示す模式図である。 本発明を適用した車両間ダンパ装置の第3実施形態の構成を示す模式図である。
以下、本発明を適用した車両間ダンパ装置の第1乃至第4実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
先ず、本発明の実施形態に先立ち、従来技術に係る車両間ダンパ装置の一例である本発明の比較例について説明する。
図1は、本発明の比較例の車両間ダンパ装置を有する鉄道車両編成の一部の構成を示す模式図である。
図1は、編成中に中間車両として組み込まれる車両10、車両20及びその連結部を図示している。
車両10,20は、例えば電車等の旅客車であって、車体11,21、及び、2軸の1位台車12,22、2位台車13,23を有するボギー車である。
車体11、21は、例えば、アルミニウム系合金、ステンレス鋼、一般鋼等の金属材料によって、屋根構、台枠等の床部構造体、側構、妻構からなるほぼ六面体状に形成され、軌道進行方向(図1における左右方向)に伸びている。車体11と車体21とは、台枠に取り付けられた図示しない連結器又は連結棒によって相互に連結されている。
各台車12,13,22,23は、それぞれ枠状に形成された台車枠に2本の輪軸を軸箱支持装置を介して取り付けて構成されている。各輪軸の軸箱支持装置と台車枠との間には、軸バネ及び軸ダンパを有する1次バネ系が設けられる。また、台車枠は、例えば空気バネ等の2次バネ系を介して車体の台枠に取り付けられている。さらに、各台車12,13,22,23は、車体11,21との間で前後力を伝達する牽引装置、車体11,21に対するヨーイング角速度に応じて減衰力を発生するヨーダンパ装置等を備えている。
編成中の各車両の間には、車両間ダンパ装置のダンパ30が設けられている。
ダンパ30は、シリンダ及びピストンが上下方向にほぼ沿って配置された油圧緩衝器であって、シリンダに対するピストン速度(ダンパ30の伸縮速度)に応じた減衰力を発生するものである。
ダンパ30の上下は、各車体の妻面に固定されたブラケット31,32にそれぞれ取り付けられている。例えば、車両10と車両20との連結箇所においては、上側のブラケット31が車体11に固定され、下側のブラケット32が車体21に固定されている。ダンパ30の両端部は、例えば防振ゴムを有するブッシュないし球面軸受などを介して、各ブラケット31,32に揺動可能に取り付けられている。
図2は、図1のII−II部矢視断面図である。
図2に示すように、車体11の妻面11aには、中央部に貫通路11bが設けられている。
ダンパ30は、貫通路11bを挟んだ左右両側にそれぞれ配置されている。左右のダンパ30は、各車体11,21が相対的にロールしていない状態において、上端部の左右スパン(ブラケット31の左右スパン)に対して下端部の左右スパン(ブラケット32の左右スパン)が広くなるように相互に傾斜して配置されている。
また、図2において、車体11に対して相対ロールした場合の車体21及びダンパ30の輪郭を点線で図示している。
図2に示すように、左右のダンパ30は、車体11と車体21との相対ロールに応じて逆方向に伸縮する。
上述したような車両間ダンパであるダンパ30を用いて編成を運行した場合、ロール振動の低減効果は得られるが、ダンパ30から車体妻面への上下方向入力によって車体の曲げ振動が発生する可能性がある。
図3は、比較例の車両間ダンパ装置の有無による車体中央床面の加速度パワースペクトル密度(PSD)の一例を示すグラフである。図3において、横軸は周波数を示し、縦軸は加速度PSDを示している。また、図3において、車両間ダンパが有る場合の例を実線で示し、車両間ダンパが無い場合の例を点線で示している。
図3に示すように、従来技術に係る車両間ダンパ(ロールダンパ)装置を設けることによって、1Hz付近の上下振動加速度PSDのピーク高さは低減され、さらに、本図に示していないが、車体のロール方向の1Hz付近の振動が低減される。しかし、5Hz付近においては、車両間ダンパ装置を設けることによって、かえって上下振動が増加している領域が存在することがわかる。
図4は、従来技術の車両間ダンパ装置の有無による車体曲げ振動の形状の違いを示す模式図である。
図4(a)は、車両間ダンパが無い場合における車体曲げ振動の形状の一例を示す図である。
図4(a)に示すように、車両間ダンパが無い場合には、車体の上下曲げ振動に着目すると、車体は各台車との結合部を支持された単純はり状の挙動を示す。このとき、図4(a)に示すように、車体中央が上方へ変位した場合には、妻部は下方へ変位するが、車両間ダンパが存在しないため、妻部はこのようなダンパから上下方向の入力を受けることはない。
このような弾性振動は固有振動が主体であって、車体の固有の特性として振動しやすい周波数(例えば8〜12Hzが一般的)で振動する。
図4(b)は、車両間ダンパが有る場合における車体曲げ振動の形状の一例を示す図である。
図4(b)に示すように、1位台車から上向きの入力があり、2位台車から下向きの入力があった場合には、車体は1位台車側のダンパからは下向き、2位台車側からは上向きの入力(反力)を受ける。この場合、車体は、S字状に屈曲するような曲げ振動の形状となる。
このような曲げ振動は、例えば標準的な新幹線車両における300km/h走行時において、7.1Hz付近で発生することが想定される。
図4(c)は、車両間ダンパが有る場合における車体曲げ振動の形状の他の例を示す図である。
図4(c)に示すように、1位、2位台車に同相の上向きの入力があった場合には、車体は各ダンパから下向きの入力(反力)を受ける。この場合、車体は図4(a)とは異なり、車体の両端は車両間ダンパによる減衰力によって支持端に近い状態となるため、車体の両端が節となり車体中央が腹となるような振動が発生する。
このような曲げ振動は、例えば標準的な新幹線車両における300km/h走行時において、4.7Hz付近で発生することが想定される。
<第1実施形態>
次に、上述した問題を解決する、本発明を適用した車両間ダンパ装置の第1実施形態について説明する。なお、各実施形態においては、従前の実施形態、比較例と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図5に示すように、第1実施形態の車両間ダンパ装置は、比較例のダンパ30に代えて、以下説明するダンパ30Aを備えている。
ダンパ30Aは、車体11の妻面11aの下端部近傍に、その伸縮方向(ロッド軸線方向)をほぼ水平として配置されている。
ダンパ30Aの両端部は、車体11に固定されたブラケット31A、及び、車体21に固定されたブラケット32Aに、ゴムブッシュや球面軸受等を介して、揺動可能に取り付けられている。
ブラケット31Aは、車体11の妻面11aの下端部における枕木方向(車幅方向)外側の端部近傍に配置されている。
ブラケット32Aは、車体21の図示しない妻面の下端部における貫通路の下方に配置されている。
上述したダンパ30Aは、図5に示す車体11の妻面11aの正面視において、左右対称に1対が配置されている。
このような構成により、車体11の車体21に対する相対ロール運動の中心CRから左右のダンパ30Aまでの距離(例えば、ブラケット31A,32Aを結ぶ線分の中心までの距離)は、実質的に左右同じとなっている。
なお、車体のロール振動の中心CRの位置は、振動の周波数によって主に上下方向に変化する場合があるが、本発明においては、制振対象として最も重要な周波数帯域における相対ロール運動の中心CRから左右のダンパ30Aまでの距離をほぼ同じとすることによって、良好な効果を得ることができる。
また、相対ロール角が発生していない状態において、車体11,21の妻面の左右中心線から、左右のダンパ30Aまでの距離(例えば、ブラケット31A,32Aを結ぶ線分の中心までの距離)もまた実質的に左右同じとなっている。
また、ダンパ30Aには、その減衰特性を変更する減衰特性切替手段40が設けられている。
減衰特性切替手段40には、減衰特性切替指令発生手段41が接続されている。
減衰特性切替指令発生手段41は、走行速度検出手段42が検出する列車の走行速度が所定の低速状態である場合に、減衰特性切替手段40の減衰特性を、通常走行時(低速状態よりも高速での走行時)に対して減衰力が低下するよう変更するものである。
この場合、例えば、走行速度が予め設定された閾値よりも低い場合に低速状態であるとすることができる。この閾値は、例えば、列車が駅構内の渡り線のような大曲率の曲線を通過する際の速度を考慮して設定することができる。
以上説明した第1実施形態によれば、ダンパ30Aが水平方向に沿って配置されていることから、上下方向の車体11,21の弾性振動に起因して減衰力が発生することがなく、車両間ダンパ装置を付加したことに起因する車体の上下振動の悪化を防止することができる。なお、実際には車体11,21の対向する妻面が上下方向に相対変位することによって、ダンパ30Aは揺動しわずかに伸縮するが、これによって発生する減衰力は実質的に無視し得る程度である。
また、左右のダンパ30Aを、車体11,21の相対ロール運動の中心CRからの距離がほぼ同じ箇所となるように左右対称に配置したことによって、左右のダンパ30A間で入力変位、荷重が異なることによる片効きを防止し、相対ロール角に対する左右のダンパ30の発生力を実質的に等しくして不要なアンバランス力の発生を防ぎ、良好なロール振動抑制効果を得ることができる。
さらに、ダンパ30Aのブラケット31A側の端部を妻面11aの側端部近傍に配置したことによって、相対ロール運動の中心CRからダンパまでの距離を大きくし、ダンパ30Aをより効率よく作動させることができる。
また、ダンパ30Aの取付箇所を妻面の下部としたため、ダンパ30A設置に伴う補強箇所を、妻部下部のみとすることができ、また、保守の際も高い足場を使うことなく容易に作業することができる。
また、比較的車体振動が大きい高速走行時にはダンパ30Aの減衰力を大きくする一方、低速走行時にはダンパ30Aの減衰力を低くすることにより、曲線やポイントをスムースに通過させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用した車両間ダンパ装置の第2実施形態について説明する。
図6に示すように、第2実施形態の車両間ダンパ装置は、第1実施形態における左右いずれか一方(図6の場合には紙面に向かって左側)のダンパ30Aに代えて、以下説明するダンパ30Bを設けたものである。
ダンパ30Bは、車体11の妻面11aの上端部近傍(貫通路11bの上方)において、その伸縮方向をほぼ水平として配置されている。
ダンパ30Bの両端部は、車体11に固定されたブラケット31B、及び、車体21に固定されたブラケット32Bに、ゴムブッシュや球面軸受等を介して、揺動可能に取り付けられている。
ブラケット31Bは、車体11の妻面11aの上端部における枕木方向(車幅方向)外側の端部近傍に配置されている。
ブラケット32Bは、車体21の図示しない妻面の上端部における貫通路の上方に配置されている。
ダンパ30A及びダンパ30Bは、図6に示す車体11の妻面11aの正面視において、車体11の車体21に対する相対ロール運動の中心CRに対してほぼ点対称に配置されている。
また、ダンパ30A及びダンパ30Bは、車体11,21の妻面を、車両進行方向から見た平面形の幾何学的中心(例えば図心や重心:車体の中心軸)に対しても、ほぼ点対称に配置されている。
以上説明した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果に加えて、車体11と車体21との間の相対的な左右振動あるいはロール振動が発生した場合、左右振動がロールモードの振動に転換されたり、ロールモードの振動が左右振動に転換されることを軽減することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用した車両間ダンパ装置の第3実施形態について説明する。
図7に示すように、第3実施形態の車両間ダンパ装置は、第2実施形態におけるダンパ30A,30Bに代えて、以下説明するダンパ30C,30Dを設けたものである。
ダンパ30Cは、車体11側のブラケット31Cを、第2実施形態のブラケット31Aに対して上方に配置することによって、枕木方向外側が内側に対して高くなるように、傾斜して配置されている。
ダンパ30Dは、車体21側のブラケット31Cを、第2実施形態のブラケット31Bに対して上方に配置することによって、枕木方向外側が内側に対して低くなるように、傾斜して配置されている。
以上説明した第3実施形態によれば、上述した第1、第2実施形態の効果と実質的に同様の効果に加えて、ダンパ30C,30Dの伸縮方向を、水平方向に対して車体の相対ロール運動の方向(周方向)に近づくように傾斜させて配置したことによって、ロール角が同等であればダンパ30C,30Dのストロークを増して効率よく減衰力を発生させることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した各実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
例えば、鉄道車両及び車両間ダンパ装置の構成は適宜変更することができる。例えば、各実施形態の鉄道車両は電車であったが、気動車や無動力の客車、貨車等他種のものであってもよい。
また、ダンパの配置も各実施形態の構成には特に限定されず、ダンパの位置、本数や方向等は本発明の技術的範囲内において適宜変更することができる。
なお、例えば、車体11と車体21との間に、ほぼ水平に配置されるダンパ30A等を、複数ではなく1本のみ取り付けることによっても、ダンパが発生する力が妻面部に対して上下方向に作用することは防止でき、また各実施形態のように複数のダンパを設ける場合に対して、導入コストを低減することが可能であるが、この場合ロール振動低減効果は小さくなるため、各実施形態のように複数のダンパを設けることが好ましい。
10,20 車両 11,21 車体
11a 妻面 11b 貫通路
12,22 1位台車 13,23 2位台車
30,30A,30B,30C,30D ダンパ
31,31A,31B,31C ブラケット
32,32A,32B,32C ブラケット
40 減衰特性切替手段 41 減衰特性切替指令発生手段
42 走行速度検出手段

Claims (6)

  1. 第1の鉄道車両と、前記第1の鉄道車両に連結される第2の鉄道車両との間に設けられ、前記第1の鉄道車両の車体と前記第2の鉄道車両の車体との相対ロール速度に応じて減衰力を発生する第1のダンパ及び第2のダンパを有する車両間ダンパ装置であって、
    前記第1のダンパ及び前記第2のダンパは、車体の上端部又は下端部近傍であって前記第1の鉄道車両の車体の前記第2の鉄道車両の車体に対する相対ロール運動の中心軸と車体の左右中心線との少なくとも一方からの距離がほぼ同じ箇所に水平方向にほぼ沿って配置されること
    を特徴とする車両間ダンパ装置。
  2. 第1の鉄道車両と、前記第1の鉄道車両に連結される第2の鉄道車両との間に設けられ、前記第1の鉄道車両の車体と前記第2の鉄道車両の車体との相対ロール速度に応じて減衰力を発生する第1のダンパ及び第2のダンパを有する車両間ダンパ装置であって、
    前記第1のダンパ及び前記第2のダンパは、車体の上端部又は下端部近傍であって前記第1の鉄道車両の車体の前記第2の鉄道車両の車体に対する相対ロール運動の中心軸と車体の左右中心線との少なくとも一方からの距離がほぼ同じ箇所に配置されるとともに、水平方向に対して前記相対ロール運動の方向に近づくよう傾斜して配置されること
    を特徴とする車両間ダンパ装置。
  3. 前記第1のダンパ及び前記第2のダンパは、前記車体の前後方向から見たときに前記相対ロール運動の中心軸を含む鉛直線と車体の左右中心線との少なくとも一方に対してほぼ線対称に配置されること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両間ダンパ装置。
  4. 前記第1のダンパ及び前記第2のダンパは、前記車体の前後方向から見たときに前記相対ロール運動の中心軸と車体の中心軸との少なくとも一方に対してほぼ点対称に配置されること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両間ダンパ装置。
  5. 前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの一方の端部を、前記車体の車幅方向における端部近傍に配置したこと
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両間ダンパ装置。
  6. 前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの減衰特性を変更する減衰特性切替手段と、
    車両の走行速度を検出する速度検出手段と、
    前記走行速度検出手段が検出した前記走行速度の低下に応じて、前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの減衰力を小さくするとともに、前記走行速度の増加に応じて前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの減衰力を大きくする減衰特性制御手段とを備えること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両間ダンパ装置。
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