JP2009120021A - 車両のホイール駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラクションモータの効率を効果的に高めることが出来る車両のホイール駆動装置を提供する。
【解決手段】本発明は、車両本体に取り付けられたケース(3)内に設けられたステータ(21)及びロータ(22)を有するトラクションモータ(20)と、ロータ軸(25)と、ホイールハブを介してホイールに連結される出力軸(80)と、ロータ軸及び出力軸の間に設けられた減速機(30)と、を有し、トラクションモータの出力軸により車両のホイール(120)を駆動する車両のホイール駆動装置であって、潤滑油をステータ及び減速機に供給する油圧ポンプ(50)と、この油圧ポンプからステータへ潤滑油を供給する第1油路(100)と、油圧ポンプから上記減速機へ潤滑油を供給する第2油路(200)と、ホイール駆動装置の冷機時に、第1油路への潤滑油の供給を制限する潤滑油制限手段(63)と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両のホイール駆動装置に係り、特に、車両本体に取り付けられたケース内に設けられたステータ及びロータを有するトラクションモータを有し、ロータ軸の出力トルクにより車両のホイールを駆動する車両のホイール駆動装置に関する。
従来、懸架装置を介して車両に取付けられたケースと、ケース内に設けられてステータ及びロータを含むトラクションモータと、ロータ軸と、ケース内に注入されたオイルを冷却するオイルクーラーと、オイルクーラーで冷却されたオイルをステータに供給する油圧ポンプとを備えたホイール駆動装置が知られている。
また、特許文献1に記載されているような、オイルの循環経路を工夫することによりモータの冷却効率を向上させたホイール駆動装置(インホイールモータ)も知られている。
特開2005−73364号公報
ここで、一般的にトラクションモータの効率は温度によって変化するため、その温度を最も効率の良い温度付近に維持しておくことが望ましい。そして、ホイール駆動装置に用いられるトラクションモータは、ステータに設けられたステータコイルに電流が流れることにより発熱するので、温度維持のためには冷却が必要とされる。
しかしながら、要求される冷却性は必ずしもトラクションモータ回転数や車速に比例するものとは限らず、走行状況に応じて変化する。従来構造では、このような要求される冷却性と実際の冷却性とに大きな差が生じることがあり、それに伴う様々な問題が生じていた。例えば、トラクションモータの冷機時にトラクションモータの温度が低いことから、トラクションモータの効率が低下することがあった。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、トラクションモータの効率を効果的に高めることが出来る車両のホイール駆動装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明によれば、車両の左右輪の懸架装置を介して車両本体に取り付けられたケースと、このケース内に設けられたステータ及びロータを有するトラクションモータと、ロータに取り付けられたロータ軸と、ホイールハブを介してホイールに連結される出力軸と、ロータ軸及び出力軸の間に設けられた減速機と、を有し、トラクションモータの出力軸により車両のホイールを駆動する車両のホイール駆動装置であって、潤滑油をステータ及び減速機に供給する油圧ポンプと、この油圧ポンプからステータへ潤滑油を供給する第1油路と、油圧ポンプから減速機へ潤滑油を供給する第2油路と、ホイール駆動装置の冷機時に、第1油路への潤滑油の供給を制限する潤滑油制限手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、ホイール駆動装置の冷機時に、ステータへ潤滑油を供給する第1油路への潤滑油の供給が制限され、一方、減速機へは、第2油路を介して潤滑油が正規に供給されるので、冷機時に減速機への潤滑を確保しつつ、トラクションモータの早期の温度上昇を図り、トラクションモータの暖機を促進することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、潤滑油制限手段は、油圧ポンプから第1油路及び第2油路への潤滑油の流量を分配する分配調整弁を有する。
このように構成された本発明においては、油圧ポンプから第1油路及び第2油路への潤滑油の流量を分配する分配調整弁を有しているので、冷機時において第1油路を介したステータへの潤滑油の流量を制限し、その制限分を第2油路を介した減速機へ流量を増大させることが出来るので、潤滑油の効率的な利用を図ることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、第1油路が、ステータとケースの外壁との間に設けられている。
このように構成された本発明においては、第1油路が、ステータとケースの外壁との間に設けられているので、例えば、冷機時に、第1油路を空気層として断熱効果を発生させ、トラクションモータの暖機を促進することが可能である。
また、本発明において、好ましくは、分配調整弁は、左右輪のトラクションモータの温度の差に応じて、油圧ポンプから第1油路及び上記第2油路への潤滑油の流量を分配する。
このように構成された本発明においては、分配調整弁は、左右輪のトラクションモータの温度の差に応じて、油圧ポンプから第1油路及び上記第2油路への潤滑油の流量を分配するので、左右輪のトラクションモータの出力効率を均一にすることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、さらに、ロータ軸とは独立して設けられ油圧ポンプを駆動する油圧ポンプ駆動モータを有する。
このように構成された本発明においては、ロータ軸とは独立して設けられ油圧ポンプを駆動する油圧ポンプ駆動モータを有するので、例えば、停車時や低速走行時などにおいても、潤滑油の流量の効率的且つ適切な制御が可能である。
本発明の車両のホイール駆動装置によれば、トラクションモータの効率を効果的に高めることが出来る。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施形態に係るホイール駆動装置1の縦断面図である。また図2は図1の右側面図である。図1、図2においては図の上方が車両の上方を示し、図2においては図の右側が車両の前方を示す。なお図1、図2は左前輪を示すものであるが、同様の構成が全ての駆動輪に設けられている。
ホイール駆動装置1は、懸架装置130(図1に示す上方のストラットアッセンブリ131および下方のロアアーム132)を介して車両に取付けられたケース3と、ケース3内に設けられてステータ21及びロータ22を含むトラクションモータ20とを有する。ロータ22には、ロータ軸22を支持すると共に駆動するロータ軸25が設けられている。ケース3内に注入されたオイル11は、油圧ポンプ(オイルポンプ)50によりステータ21を含む各部に供給される。そして、ロータ軸25からの出力トルクによりホイール120が駆動される。
さらにホイール駆動装置1は、油圧ポンプ50を駆動する油圧ポンプ駆動軸(オイルポンプ駆動軸)52と、これを駆動する油圧ポンプ駆動モータ(オイルポンプ駆動モータ)51とを備える。ロータ軸25と油圧ポンプ駆動軸52との間にはワンウェイクラッチ70が設けられている。ワンウェイクラッチ70は、後に詳述するように、ロータ軸25から油圧ポンプ駆動軸52への一方向にのみトルクの伝達が可能であるように構成されている。またワンウェイクラッチ70の作用により、油圧ポンプ駆動軸52はロータ軸25に対してトラクションモータ回転数以上という部分回転域で独立回転可能となっている。
またホイール駆動装置1は、ケース3内に回転自在に設けられた出力軸80を備える。出力軸80はプラネタリギア(減速機)30を介してロータ軸25からの出力をホイール120に伝達する。
トラクションモータ20は、主にステータ21とロータ22とからなる。ステータ21は、略円筒状のステータコアにコイルが巻回されたもので、ケース3に固設されている。ロータ22は、そのステータ21の内周側に設けられた略円筒状の部材である。ロータ軸25は、ケース3に回転自在に支持されるとともに、ロータ22の内周側まで延び、ロータ22に連結されている。ステータ21のコイルに所定の電流を流すことにより、電磁力によってロータ22が回転し、その駆動力がロータ軸25から出力されるように構成されている。
なお、トラクションモータ20は、逆駆動時(出力軸80側からロータ軸25が駆動されるとき)には発電機として作用する。すなわちエネルギー回生機能を有する。発電した電気は高圧用バッテリ91や低圧用バッテリ93(図5、図6参照)に蓄電しておくことができる。
ロータ軸25の軸心部には軸方向に貫通するロータ軸油路27が形成されている。油圧ポンプ50は、ケース3に貯溜されたオイル11をオイル溜り10から吸い上げ、昇圧して潤滑・冷却用の油路に吐出する。油圧ポンプ50を駆動する油圧ポンプ駆動軸52は、ロータ軸25と同軸で且つロータ軸の車幅方向内方端部に連結されている。油圧ポンプ駆動軸52には、ロータ軸25の端部を内包する凹部52aが形成されている。そしてロータ軸25の端部外周面と凹部52aの内周面との間にワンウェイクラッチ70が介設されている。
次に、油圧ポンプ50を挟んでトラクションモータ20と反対側(車幅方向内側)には、油圧ポンプ駆動モータ51が設けられている。油圧ポンプ駆動モータ51はトラクションモータ20と類似の構造を有する電動モータであり、そのロータ53は油圧ポンプ駆動軸52に固定されている。従って油圧ポンプ駆動軸52は油圧ポンプ駆動モータ51の出力軸に直結されている。油圧ポンプ駆動モータ51は、その作動時、車両前進時のロータ軸25の回転方向と同方向(図3(b)の矢印A3方向)に油圧ポンプ駆動軸52を駆動する。
出力軸80は、ロータ軸25を挟んで油圧ポンプ駆動軸52の反対側(車幅方向外側)に、ロータ軸25と同軸上に設けられている。出力軸80の一端側(車幅方向外側)はホイールハブ85及びブレーキロータディスク87を介してホイール120に連絡されており、他端(車幅方向内側)はプラネタリギア(減速機)30を介してロータ軸25と連絡されている。出力軸80のロータ軸25側の端部は拡径され、その端面にはロータ軸25側に開口する凹部80aが形成されている。そしてその凹部80aにロータ軸25の先端が入り込み、凹部80aの内周側にロータ軸油路27の出口が位置するように配置されている。
出力軸80の先端側(車幅方向外側)はケース3から突出してホイール120と連結されている。詳しくは、出力軸80の先端側は、フランジ部を有する略円筒状のホイールハブ85に挿嵌され、ナット81で固定されている。ホイールハブ85のフランジ部には略円板状のブレーキロータディスク87と共にホイールディスク121がボルト・ナット103によって固定されている。タイヤ122は、ホイールディスク121の外周面に取り付けられ、そのホイールディスク121とタイヤ122とが一体となってホイール120を構成している。以上の構成によって、出力軸80、ホイールハブ85、ブレーキロータディスク87およびホイール120は一体回転する。
プラネタリギア30は、ロータ軸25の回転を減速して出力軸80に伝達する減速機であって、トラクションモータ20を挟んで油圧ポンプ50や油圧ポンプ駆動モータ51の反対側に設けられている。プラネタリギア30の主な構成は、中心に設けられたサンギヤ31と、このサンギヤ31に噛合し、サンギヤ31から放射状等距離の複数位置に配設されたピニオンギヤ32と、サンギヤ31と同軸のリング状部材の内周面で各ピニオンギヤ32と噛合するリングギヤ33と、各ピニオンギヤ32を、互いの相対位置を維持させつつ支持するキャリヤ34とからなる。サンギヤ31はロータ軸25と連結されている。またキャリヤ34は出力軸80と連結されている。そしてリングギヤ33はケース3に固定されている。
ここで、図3によりワンウェイクラッチの構成を説明する。図3は、図1のIII−III線断面図のうち、特にワンウェイクラッチ70の近傍を示す図であり、図3(a)はワンウェイクラッチ70のロック状態を示し、図3(b)はワンウェイクラッチ70のオーバーラン状態をそれぞれ示す。
図3において、矢印A1は車両前進時のロータ軸25の回転方向を示す。当実施形態のワンウェイクラッチ70は一般にローラタイプと呼ばれるものであり、主に外輪71、ローラ72、スプリング73及び保持器74からなる。外輪71は略環状の部材であって、外周面は油圧ポンプ駆動軸52の凹部52aの内周側に嵌入されている(スプライン嵌合等としても良い)。従って外輪71は油圧ポンプ駆動軸52と一体回転する。外輪71の内周面には所定のカム面が形成されている。ロータ軸25の外周面と外輪71の内周面(カム面)との間には環状の隙間が設けられ、そこにローラ72とスプリング73とのセットが複数配設されている(当実施形態では6セット)。またこれらが保持器74に保持されている。各スプリング73は、各ローラ72を周方向一方側(矢印A1と同方向)に付勢する。
このような構造により、図3(a)に示すように、油圧ポンプ駆動軸52がロータ軸25に対して矢印A1方向と反対側に相対回転しようとするとき(矢印A2で示す)、つまりロータ軸25より低速で回転しようとしたり、停止しようとしたり、逆方向に回転しようとしたりするときにはロック状態(単にロックともいう)になる。ロック時には、ローラ72がスプリング73の付勢方向に移動し、ロータ軸25の外周面と外輪71の内周面(カム面)との間に噛み込んでその相対回転を阻止する(×印で示す)。従ってそのような油圧ポンプ駆動軸52の回転が禁止され、油圧ポンプ駆動軸52はロータ軸25と一体回転する。そのときロータ軸25から油圧ポンプ駆動軸52にトルクの伝達が可能となる。
一方、図3(b)に示すように、油圧ポンプ駆動軸52がロータ軸25に対して矢印A1と同じ方向に相対回転しようとするとき(矢印A3で示す)、つまりロータ軸25より高速で回転しようとするときには、オーバーラン状態(単にオーバーランともいう)となる。オーバーラン時には、外輪71のカム面とローラ72との間に僅かな隙間が生じてローラ72の上記噛み込みが解除され、ローラ72が滑らかに転動する。従ってそのような油圧ポンプ駆動軸52の回転が許容される(○印で示す)。そのとき油圧ポンプ駆動軸52からロータ軸25にトルクの伝達はなされない。
結局、ワンウェイクラッチ70は、ロック状態となることにより、油圧ポンプ駆動軸52がロータ軸25よりも低速で回転すること(停止や逆回転を含む)を禁止し、オーバーラン状態となることにより、油圧ポンプ駆動軸52がロータ軸25よりも高速で独立回転することを許容する。またロック状態ではロータ軸25から油圧ポンプ駆動軸52へのトルク伝達が可能となり、オーバーラン状態では油圧ポンプ駆動軸52からロータ軸25にトルクの伝達がなされない。
次に、図1、図2及び図4により、ホイール駆動装置1の潤滑、冷却系について説明する。図4は、油路を周面に沿って切断した断面図であり、図5は、各油路及びソレノイドバルブの経路を模式的に表した図である。
図1に示すように、油圧ポンプ50の吸入口58には、ケース3内で下方に延びる油路57が接続されており、油路57の下端にはオイル溜り10の底部付近に開口するオイルストレーナ55が取付けられている。
図2に示すように、油圧ポンプ50の吐出口61には、油路62の一端が接続され、油路62の他端は、ソレノイドバルブ63に接続されている。このソレノイドバルブ63には、油路64及び油路69が接続されて、それぞれの油路64、69へのオイルの流量がソレノイドバルブ63により規定されるようになっている。
図2に示すように、油路64は、車体の前方側且つ下方側に向けて傾斜して、図2及び図4に示すように、ケース3の外周面に沿って延びる油路65に接続される。そして油路65は、ケース3の走行風が当たる前方側でケース3の車体前方側の外周部に沿って延びている。より詳細には、図2及び図4に示すように、油路65は、ケース3の幅方向に何度もつづら折りして往復して、最終的にケース3の上部の油路66に接続される。このようにケース3の外周面に渡って油路が構成されることにより、冷却油が冷却されるようになっている。なお、ケース3の外周には、冷却用フィンが設けられている。
次に、図1に示すように油路66は、ケース3の内部においてステータ21の上方で軸方向に延びている。これらの油路64、65、66により、ステータ21側へ冷却油を供給する第1油路100が構成される。後述するように、この第1油路100を流れる油は、Q1という流量を有する。そしてケース3に、一端が油路66に開口し、他端がケース3の内部に開口する油穴67、68が形成されている。油穴67は油路66とステータ21のステータコアの上方とを連通させ、油穴68は油路66とステータ21のコイルの上方とを連通させる。油圧ポンプ50の吐出口61からステータ21に至る油路62−オイルクーラー63−油路64−油路65,66−油穴67、68は、全体としてステータ冷却用油路を形成する。ステータ冷却用油路は、ステータ21を主に冷却するオイル供給油路である。
一方、油路69は、ロータ軸25の軸心部に設けられたロータ軸油路27に接続されている。これらの油路69、27により、出力軸80及びプラネタリギア30側へ冷却油を供給する第2油路200が構成される。後述するように、この第2油路200を流れる油は、Q2という流量を有する。ロータ軸油路27の先端側(下流側)は、出力軸80の凹部80a付近に開口している。油圧ポンプ50の吐出口61から出力軸80の凹部80a付近に至る油路62−オイルクーラー63−油路64−油路78−ロータ軸油路27は、全体として出力軸冷却用油路79を形成すると共にプラネタリギア(減速機)30の冷却用油路79を形成する。出力軸冷却用油路及びプラネタリギア30の冷却用油路79は、出力軸80及びプラネタリギア(減速機)30を主に冷却するオイル供給油路である。出力軸冷却用油路79のうち、油圧ポンプ50の吐出口61から油路64までの経路はステータ冷却用油路69と共有である。
次に、図5に示すように、油圧ポンプ50は、オイル溜め10からストレーナ55及び油路57を介して、Q0という流量の冷却油を油路62に供給する。このQ0という流量の冷却油は、ソレノイドバルブ(分配調整弁)63により、第1油路100及び第2油路200に分配して供給される。トラクションモータ20側へ冷却油を送る第1油路100の流量はQ1であり、プラネタリギア30側へ冷却油を送る第2油路200の流量はQ2である。即ち、Q0=Q1+Q2となっている。ソレノイドバルブ(分配調整弁)63は、第1油路100及び第2油路200に冷却油を後述する所定の割合で配分する。
次に、図6により、ホイール駆動装置の動力伝達系を説明する。図6は、ホイール駆動装置1の動力伝達系のブロック図である。当該車両には、トラクションモータ20を駆動する高圧用バッテリ91と、油圧ポンプ駆動モータ51を駆動する低圧用バッテリ93とが搭載されている。高圧用バッテリ91とトラクションモータ20とが第1インバータ・コンバータ92を介して接続されている。また低圧用バッテリ93と油圧ポンプ駆動モータ51とが第2インバータ・コンバータ94を介して接続されている。また高圧用バッテリ91と低圧用バッテリ93とが接続されており、必要に応じて高圧用バッテリ91から低圧用バッテリ93への電力供給が可能となっている。
次に、図7により、ホイール駆動装置1の制御系について説明する。図7は、ホイール駆動装置1の制御ブロック図である。
ホイール駆動装置1は、第1及び第2インバータ・コンバータ92、94を介してトラクションモータ20及び油圧ポンプ駆動モータ51を制御するための制御手段としてコントロールユニット100を備える。コントロールユニット100には、走行状態や運転状態を検知するための各種センサからの各検知信号が入力される。センサは、具体的には、車速センサ110、トラクションモータ回転数センサ111、油圧ポンプ回転数センサ112、スロットル開度センサ113、トラクションモータ温度センサ115及び油温センサ116である。
車速センサ110は、ホイール120の回転数等から車速Vを検知する。トラクションモータ回転数センサ111は、トラクションモータ20のロータ22の回転数からトラクションモータ回転数Nmを検知する。油圧ポンプ回転数センサ112は、油圧ポンプ駆動モータ51のロータ53の回転数から油圧ポンプ回転数Npを検知する。
スロットル開度センサ113はスロットル開度(アクセル開度)を検知する。スロットル開度が大きいほどトラクションモータ20の負荷が大きくなるので、スロットル開度センサ113は負荷検知手段として機能する。
トラクションモータ温度センサ115はトラクションモータ20の温度(ステータ21の温度)を検知するモータ温度検知手段である。油温センサ116はオイル11の温度を検知するオイル温度検知手段である。
コントロールユニット100は、CPU(中央演算処理部)やROM(記憶部)等を備えた制御装置であり、第1インバータ・コンバータ92を介してトラクションモータ20を制御するトラクションモータ制御部(トラクションモータ制御手段)105と、ソレノイドバルブ(分配調整弁)63を制御するソレノイドバルブ(分配調整弁、流量調整弁)制御部106と、第2インバータ・コンバータ94を介して油圧ポンプ駆動モータ51を制御する油圧ポンプ制御部(油圧ポンプ制御手段)107とを機能的に含む。
トラクションモータ制御部105は、車速センサ110、スロットル開度センサ113等からの検知信号に基いてトラクションモータ回転数Nmとトラクションモータ出力Wの各目標値を設定する。そしてその目標値となるようにトラクションモータ20への供給電流(逆駆動時にはトラクションモータ20の発電量)を決定し、制御信号を第1インバータ・コンバータ92に送信する。
第1インバータ・コンバータ92は、トラクションモータ制御部105からの制御信号に基いてその目標値となるように、駆動時には高圧用バッテリ91からトラクションモータ20に電力を供給する。また逆駆動時にはトラクションモータ20で発電された電気を高圧用バッテリ91に充電する。
油圧ポンプ制御部107は、走行状態に応じた油圧ポンプ回転数Npを設定し、その制御信号を第2インバータ・コンバータ94に送信される。その設定方法は後に詳述するが、まずトラクションモータ制御部105で設定されたトラクションモータ回転数Nm及びトラクションモータ出力Wの各目標値に基いて標準設定値を設定し、それに各部の温度(モータ温度センサ115によって検知されるトラクションモータ20の温度及び油温センサ116によって検知されるオイル11の温度)を考慮した補正を加え、最終設定値を設定する。
第2インバータ・コンバータ94は、油圧ポンプ制御部107からの制御信号に基いてその目標値となるように、低圧用バッテリ93から油圧ポンプ駆動モータ51に電力を供給する。なお低圧用バッテリ93には必要に応じて高圧用バッテリ91から電力が供給される。
次に、図8乃至図13により、第1実施形態による油圧ポンプ回転制御について説明する。図8は、本発明の第1実施形態による油圧ポンプ回転制御の制御内容を示すフローチャートであり、図9は、図8に示す制御で用いられる温間時の油圧ポンプのオイル流量、第1油路のオイル流量、第2油路のオイル流量を決定するマップであり、図10は、図8に示す制御で用いられる油圧ポンプの冷機時のオイル流量、第1油路のオイル流量、第2油路のオイル流量を決定するマップであり、図11は、図8に示す制御で用いられる油圧ポンプの油圧ポンプ回転数を決定するためのオイル流量と油圧ポンプ回転数との関係を示すマップであり、図12は、トラクションモータ及びギアなどの効率(a)及びロス(b)の傾向を示す線図であり、図13は、図8に示す制御によるトラクションモータの温度の推移を説明するための線図である。以下、Sは、各ステップを示す。
この第1実施形態は、油圧ポンプ50から送り出される冷却油であるオイルについて、トラクションモータ20へのオイル流量と、プラネタリギアへのオイル流量とを分配するものであり、主に、トラクションモータ20の温度が所定値より低い場合は、トラクションモータ20へのオイル流量を減少させて、トラクションモータ20の出力効率が高くなる温度までトラクションモータ20の温度を高めるようにするものである。
先ず、図8に示すように、本発明の第1実施形態では、S1において、トラクションモータ温度センサ115(図7参照)からトラクションモータ20の温度Tmを読み込む。次に、S2において、トラクションモータ20の温度Tmが所定値Tm0以上であるか否かを判定する。
トラクションモータ20の温度Tmが所定値Tm0以上である場合は、トラクションモータ20の温度が高効率な温度であるものとして、S3に進む。なお、トラクションモータ20の効率は、図12(a)に示すように、冷機時には効率が低く、所定の温度で効率が高まるようになっている。S3では、図9に示すマップ(Map1)により、トラクションモータ20の温度Tmから、トラクションモータ20側への冷却油の流量Q1及びプラネタリギア30側への冷却油の流量Q2をそれぞれ決定する。
一方、トラクションモータ20の温度Tmが所定値Tm0より低い場合は、トラクションモータ20の温度が低効率な温度(図12(a)参照)であるものとして、S4に進む。S4では、図10に示すマップ(Map2)により、トラクションモータ20の温度Tmから、トラクションモータ20側への冷却油の流量Q1及びプラネタリギア30側への冷却油の流量Q2をそれぞれ決定する。本実施形態では、トラクションモータ20側への冷却油の流量Q1は0(Q1=0)となっている。これにより、第1油路100において、ケース3の外周面に渡って且つケース3の幅方向に何度もつづら折りして往復して最終的にケース3の上部の油路66に接続される油路65内が空隙となり、油路が空気層になり断熱作用が働いてトラクションモータ20の温度が早期に上昇するようになる。
次に、S3或いはS4で読み込んだQ1及びQ2を足して、油圧ポンプ50から送り出される全体の流量Q0(=Q1+Q2)が決定される。S6では、図11に示すマップ(Map3)により、この決定された流量Q0(=Qo/p)から、油圧ポンプ50の回転数No/pを読み込む。
次に、S7において、油圧ポンプ制御部107(図7参照)により、S6で決定した油圧ポンプ50の回転数No/pとなるように油圧ポンプ50を制御する。
次に、S8において、ソレノイドバルブ(分配調整弁、流量調整弁)制御部106(図7参照)により、S3或いはS4で読み込んだ、トラクションモータ20側への冷却油の流量Q1及びプラネタリギア30側への冷却油の流量Q2となるように、ソレノイドバルブ63を制御する。
この図8に示すような制御により、図13に示すように、トラクションモータ20の温度Tが、ほぼ目標温度で推移することが出来るようになる。図8に示すような制御を行わないと、トラクションモータ20の温度Tの上昇率が低く、なかなか高効率な温度まで上昇しない。また、図13に示す目標温度は、図12(b)に示すように、トラクションモータ20、プラネタリギア30及びベアリングなどのロスの総計が小さいものでもある。
このように、第1実施形態によれば、ホイール駆動装置1のトラクションモータ20の冷機時に、トラクションモータ20のステータ21へ潤滑油(冷却油)を供給する第1油路100への潤滑油の供給が制限され、一方、プラネタリギア(減速機)30へは、第2油路200を介して潤滑油が正規に供給されるので、冷機時にプラネタリギア30への潤滑を確保しつつ、トラクションモータ20の早期の温度上昇を図り、トラクションモータ20の暖機を促進することが出来る。
さらに、第1実施形態によれば、油圧ポンプ50から第1油路100及び第2油路200への潤滑油の流量を分配するソレノイドバルブ(分配調整弁)63を有しているので、冷機時において第1油路100を介したトラクションモータ20のステータ21への潤滑油の流量を制限し、その制限分を第2油路200を介した減速機へ流量を増大させることが出来るので、潤滑油の効率的な利用を図ることが出来る。
さらに、第1油路100が、ステータ21とケース3の外壁との間に設けられているので、例えば、冷機時に、第1油路100を空気層として断熱効果を発生させ、トラクションモータ20の暖機を促進することが可能である。さらに、ロータ軸25とは独立して設けられ油圧ポンプ50を駆動する油圧ポンプ駆動モータ51を有するので、例えば、停車時や低速走行時などにおいても、潤滑油の流量の効率的且つ適切な制御が可能である。
さらに、ロータ軸52とは独立して設けられ油圧ポンプ50を駆動する油圧ポンプ駆動モータ51を有するので、例えば、停車時や低速走行時などにおいても、潤滑油の流量の効率的且つ適切な制御が可能である。
次に、図14乃至図18により、第2実施形態による油圧ポンプ回転制御について説明する。図14は、本発明の第2実施形態による油圧ポンプ回転制御の制御内容を示すフローチャートであり、図15は、図14に示す制御で用いられる温間時の油圧ポンプのオイル流量、第1油路のオイル流量、第2油路のオイル流量を決定するマップであり、図16は、図14に示す制御で用いられる油圧ポンプの冷機時のオイル流量、第1油路のオイル流量、第2油路のオイル流量を決定するマップであり、図17は、図14に示す制御で用いられる、基準となる油圧ポンプ回転数に付加すべき油圧ポンプ回転数及び左右輪のトラクションモータの温度差との関係を規定するマップであり、図18は、図14に示す制御で用いられる油圧ポンプの油圧ポンプ回転数を決定するためのオイル流量と油圧ポンプ回転数との関係を示すマップである。
この第4実施形態は、油圧ポンプ50から送り出される冷却油であるオイルについて、左右輪のトラクションモータの温度の差を考慮してトラクションモータ20へのオイル流量と、プラネタリギアへのオイル流量とを分配するものであり、主に、トラクションモータ20の温度が低い車輪についてトラクションモータ20へのオイル流量を増加させて、その車輪のトラクションモータ20の出力効率が高くなる温度までトラクションモータ20の温度を高めるようにするものである。
先ず、図14に示すように、本発明の第2実施形態では、S1において、左右輪それぞれについて、トラクションモータ温度センサ115(図7参照)からトラクションモータ20の温度TmL、TmRを読み込むと共に、油温センサ116(図7参照)から油圧ポンプ50から送り出される冷却油の油温Toilを読み込む。
次に、S2において、先ず左輪について、トラクションモータ20の温度TmLが所定値Tm0以上であるかを判定すると共に、右輪について、トラクションモータ20の温度TmRが所定値Tm0以上であるかを判定する。
左右輪それぞれについて、トラクションモータ20の温度TmL或いはTmRが所定値Tm0以上である場合は、左輪或いは右輪のトラクションモータ20の温度が高効率な温度であるものとして、S3に進む。なお、上述したように、トラクションモータ20の効率は、図12(a)に示すように、冷機時には効率が低く、所定の温度で効率が高まるようになっている。S3では、図15に示すマップ(Map1)により、トラクションモータ20の温度Tm(TmL或いはTmR)から、トラクションモータ20側への冷却油の流量Q1(左輪:Q1L、右輪:Q1R)及びプラネタリギア30側への冷却油の流量Q2(左輪:Q2L、右輪:Q2R)をそれぞれ読み込む。
一方、左右輪それぞれについて、トラクションモータ20の温度TmL或いはTmRが所定値Tm0より低い場合は、トラクションモータ20の温度が低効率な温度(図12(a)参照)であるものとして、S4に進む。S4では、図16に示すマップ(Map2)により、S1で読み込んだオイル温度Toilから、トラクションモータ20側への冷却油の流量Q1(左輪:Q1L、右輪:Q1R)及びプラネタリギア30側への冷却油の流量Q2(左輪:Q2L、右輪:Q2R)をそれぞれ読み込む。本実施形態では、トラクションモータ20側への冷却油の流量Q1は0(Q1=0)となっている。これにより、第1油路100において、ケース3の外周面に渡って且つケース3の幅方向に何度もつづら折りして往復して最終的にケース3の上部の油路66に接続される油路65内が空隙となり、油路が空気層になり断熱作用が働いてトラクションモータ20の温度が早期に上昇するようになる。
次に、S5において、S3或いはS4で読み込んだQ1及びQ2を足して、左輪について油圧ポンプ50から送り出される全体の流量Q0L(=Q1L+Q2L)、及び、右輪について油圧ポンプ50から送り出される全体の流量Q0L(=Q1L+Q2L)が決定される。
次に、S6に進み、左右輪のトラクションモータ20の絶対値としての温度差|TmL−TmR|が、所定値ΔTm0以上であるか否かを判定する。
温度差|TmL−TmR|が、所定値ΔTm0以上でない場合には、S7に進み、左輪についてS5で決定したQ0Lを油圧ポンプ50から送り出される冷却油の流量Qo/pLとし、右輪についてS5で決定したQ0Rを油圧ポンプ50から送り出される冷却油の流量Qo/pLとする。
一方、温度差|TmL−TmR|が、所定値ΔTm0以上である場合には、左右輪の温度差を考慮した油圧ポンプ駆動モータ51の回転数の制御を行う。
先ず、S8において、図17に示すマップ(Map3)により、左右輪のトラクションモータ20の温度差ΔTm=|TmL−TmR|に応じて、左右輪いずれかに付加する油圧ポンプ50の流量ΔQを読み込む。次に、S9により、左輪のトラクションモータ20の温度TmLが、右輪のトラクションモータ20の温度TmLより大きいか否かを判定する。左輪のトラクションモータ20の温度TmLが、右輪のトラクションモータ20の温度TmLより大きい場合には、S10に進む。
このS10では、左輪のトラクションモータ20の温度TmLの方、右輪よりが高いので、左輪の油圧ポンプ50の流量を右輪の油圧ポンプ50の流量よりも高く設定する。即ち、S10においては、左輪において油圧ポンプ50から送り出される冷却油の流量の総量Qo/pLを、S5で決定したQ0Lに、S8で読み込んだΔQを付加して決定する(Qo/pL=Q0L+ΔQ)。一方、右輪においては、油圧ポンプ50から送り出される冷却油の流量の総量Qo/pRを、S5で決定したQ0Rのまま総量として決定する(Qo/pR=Q0R)。
次に、S11において、左輪において油圧ポンプ50から分配されてトラクションモータ20側へ流れる冷却油の流量Q1Lを、S3或いはS4で読み込んだQ1LにS8で読み込んだΔQを付加して決定する(Q1L=Q1L+ΔQ)。一方、右輪において油圧ポンプ50から分配されてトラクションモータ20側へ流れる冷却油の流量Q1Rを、S3或いはS4で読み込んだQ1Rのまま冷却油の量として決定する(Q1R=Q1R)。
なお、S4で図16によりQ1=0としたときは、S10及びS11において第1油路100に冷却油が流れないようにΔQ=0とする。
次に、S9において、左輪のトラクションモータ20の温度TmLが、右輪のトラクションモータ20の温度TmLより小さい場合には、S12に進む。
このS12では、右輪のトラクションモータ20の温度TmRの方が、左輪より高いので、右輪の油圧ポンプ50の流量を左輪の油圧ポンプ50の流量よりも高く設定する。即ち、S12においては、右輪において油圧ポンプ50から送り出される冷却油の流量の総量Qo/pRを、S5で決定したQ0Rに、S8で読み込んだΔQを付加して決定する(Qo/pR=Q0R+ΔQ)。一方、左輪においては、油圧ポンプ50から送り出される冷却油の流量の総量Qo/pLを、S5で決定したQ0Lのまま総量として決定する(Qo/pL=Q0L)。
次に、S13において、右輪において油圧ポンプ50から分配されてトラクションモータ20側へ流れる冷却油の流量Q1Rを、S3或いはS4で読み込んだQ1RにS8で読み込んだΔQを付加して決定する(Q1R=Q1R+ΔQ)。一方、左輪において油圧ポンプ50から分配されてトラクションモータ20側へ流れる冷却油の流量Q1Lを、S3或いはS4で読み込んだQ1Lのまま冷却油の量として決定する(Q1L=Q1L)。
なお、S4で図16によりQ1=0としたときは、S12及びS13において第1油路100に冷却油が流れないようにΔQ=0とする。
次に、S14においては、S7で決定したQo/pL、Qo/pR、或いは、S10で決定したQo/pL、Qo/pR、或いは、S12で決定したQo/pL、Qo/pRという各油圧ポンプ流量(Qo/pとする)から、図18に示すマップ(Map4)を用いて油圧ポンプ駆動モータ51の回転数No/p(No/pL、No/pR)を読み込む。
次に、S15において、オイルポンプ制御部107(図7参照)により、左右輪それぞれの油圧ポンプ駆動モータ51の回転数がNo/pL、No/pRとなるように制御する。
最後に、S16において、左右輪の温度差が小さいとき(S6において温度差|TmL−TmR|が所定値ΔTm0以上ではないとき)は、ソレノイドバルブ(分配調整弁、流量調整弁)制御部106(図7参照)により、S3或いはS4で読み込んだ、トラクションモータ20側への冷却油の流量Q1L、Q1R及びプラネタリギア30側への冷却油の流量Q2L、Q2Rとなるように、ソレノイドバルブ63を制御する。
一方、左右輪の温度差が大きいとき(S6において温度差|TmL−TmR|が所定値ΔTm0以上であるとき)は、S16において、ソレノイドバルブ(分配調整弁、流量調整弁)制御部106(図7参照)により、S11或いはS13で決定した、トラクションモータ20側への冷却油の流量Q1L、Q1R及びプラネタリギア30側への冷却油の流量Q2L、Q2Rとなるように、ソレノイドバルブ63を制御する。
この図14に示すような制御により、例えば、右輪のトラクションモータ20の温度が左輪のトラクションモータ20の温度より高いとき、右輪のオイルポンプ駆動モータ51の回転数を左輪のオイルポンプ駆動モータ51の回転数より高めることにより、右輪のトラクションモータ20の温度が、限界温度を超えないようにすることが出来る。
このように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、ホイール駆動装置1のトラクションモータ20の冷機時に、トラクションモータ20のステータ21へ潤滑油(冷却油)を供給する第1油路100への潤滑油の供給が制限され、一方、プラネタリギア(減速機)30へは、第2油路200を介して潤滑油が正規に供給されるので、冷機時にプラネタリギア30への潤滑を確保しつつ、トラクションモータ20の早期の温度上昇を図り、トラクションモータ20の暖機を促進することが出来る。
さらに、第1実施形態の効果に加え、第2実施形態では、ソレノイドバルブ(分配調整弁)63は、左右輪のトラクションモータの温度の差に応じて、油圧ポンプ50から第1油路100及び上記第2油路200への潤滑油の流量を分配するので、左右輪のトラクションモータ20の出力効率を均一にすることが出来るという効果を有する。
本発明の一実施形態に係るホイール駆動装置1の縦断面図である。 図1の右側面図である。 図1のIII−III線断面図のうち、特にワンウェイクラッチ70の近傍を示す図であり、図3(a)はワンウェイクラッチ70のロック状態を示し、図3(b)はワンウェイクラッチ70のオーバーラン状態をそれぞれ示す。 油路を周面に沿って切断した断面図である。 各油路及びソレノイドバルブの経路を模式的に表した図である。 ホイール駆動装置の動力伝達系のブロック図である。 ホイール駆動装置の制御ブロック図である。 本発明の第1実施形態による油圧ポンプ回転制御の制御内容を示すフローチャートである。 図8に示す制御で用いられる温間時の油圧ポンプのオイル流量、第1油路のオイル流量、第2油路のオイル流量を決定するマップである。 図8に示す制御で用いられる油圧ポンプの冷機時のオイル流量、第1油路のオイル流量、第2油路のオイル流量を決定するマップである。 図8に示す制御で用いられる油圧ポンプの油圧ポンプ回転数を決定するためのオイル流量と油圧ポンプ回転数との関係を示すマップである。 トラクションモータ及びギアなどの効率(a)及びロス(b)の傾向を示す線図である。 図8に示す制御によるトラクションモータの温度の推移を説明するための線図である。 本発明の第2実施形態による油圧ポンプ回転制御の制御内容を示すフローチャートである。 図14に示す制御で用いられる温間時の油圧ポンプのオイル流量、第1油路のオイル流量、第2油路のオイル流量を決定するマップである。 図14に示す制御で用いられる油圧ポンプの冷機時のオイル流量、第1油路のオイル流量、第2油路のオイル流量を決定するマップである。 図14に示す制御で用いられる、基準となる油圧ポンプ回転数に付加すべき油圧ポンプ回転数及び左右輪のトラクションモータの温度差との関係を規定するマップである。 図14に示す制御で用いられる油圧ポンプの油圧ポンプ回転数を決定するためのオイル流量と油圧ポンプ回転数との関係を示すマップである。
符号の説明
1 ホイール駆動装置
3 ケース
11 オイル
20 トラクションモータ
21 (トラクションモータの)ステータ
22 (トラクションモータの)ロータ
25 ロータ軸
50 オイルポンプ(油圧ポンプ)
51 オイルポンプ駆動モータ(油圧ポンプ駆動モータ)
52 ポンプ駆動軸
63 ソレノイドバルブ(分配調整弁)
70 ワンウェイクラッチ
100 第1油路
200 第2油路

Claims (5)

  1. 車両の左右輪の懸架装置を介して車両本体に取り付けられたケースと、このケース内に設けられたステータ及びロータを有するトラクションモータと、上記ロータに取り付けられたロータ軸と、ホイールハブを介してホイールに連結される出力軸と、上記ロータ軸及び上記出力軸の間に設けられた減速機と、を有し、上記トラクションモータの出力軸により車両のホイールを駆動する車両のホイール駆動装置であって、
    潤滑油を上記ステータ及び上記減速機に供給する油圧ポンプと、
    この油圧ポンプから上記ステータへ潤滑油を供給する第1油路と、
    上記油圧ポンプから上記減速機へ潤滑油を供給する第2油路と、
    上記ホイール駆動装置の冷機時に、上記第1油路への潤滑油の供給を制限する潤滑油制限手段と、
    を有することを特徴とする車両のホイール駆動装置。
  2. 上記潤滑油制限手段は、上記油圧ポンプから上記第1油路及び上記第2油路への潤滑油の流量を分配する分配調整弁を有する請求項1に記載の車両のホイール駆動装置。
  3. 上記第1油路が、上記ステータと上記ケースの外壁との間に設けられている請求項1又は請求項2に記載の車両のホイール駆動装置。
  4. 上記分配調整弁は、左右輪のトラクションモータの温度の差に応じて、上記油圧ポンプから上記第1油路及び上記第2油路への潤滑油の流量を分配する請求項2に記載の車両のホイール駆動装置。
  5. さらに、上記ロータ軸とは独立して設けられ上記油圧ポンプを駆動する油圧ポンプ駆動モータを有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両のホイール駆動装置。
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