JP2009118816A - 食品素材及びこれを含む飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】むくみを防止或いは改善する効果を有する食品素剤及び飲食品を提供すること。
【解決手段】トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物を含有する食品素材、血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物をさらに含む食品素材、及びこれを含む飲食品とする。
【選択図】なし
【解決手段】トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物を含有する食品素材、血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物をさらに含む食品素材、及びこれを含む飲食品とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物を含有する食品素材、血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物をさらに含む食品素材、及びこれを含む飲食品に関し、その目的は、自然発症的なむくみを防止又は改善することである。
近年の健康への関心から、薬用植物が有する効果への期待は高まりつつある。漢方薬は、薬用植物の乾燥物、細胞内容物、抽出物等を原料として製造され、医薬分野においては既に広く使用されている。また、近年になり、このような薬用植物が、一般食品、健康食品、機能性食品、特定保健用食品及び保健機能食品等の各種食品の素材として応用されつつある。
漢方生薬として知られる南蛮毛は、一般的にはトウモロコシ(Zea mays L. (イネ科))の雌花の花柱を陰干ししたもので、現在も中国市場では「玉蜀黍柱頭」、「玉蜀黍蕊」、「玉米鬚」の名で用いられ、日本では「ナンバの毛」や「南蛮毛」と称して市販されている。また、欧米では「コーンシルク(corn silk)」と称して民間的に使用されており、いずれにおいても利尿薬として用いられている。
その他の効果として、南蛮毛は、植物ウイルスの感染を阻害することが知られている(特許文献1参照)。
その他の効果として、南蛮毛は、植物ウイルスの感染を阻害することが知られている(特許文献1参照)。
健康志向の高まりは、他の観点からも確認できる。近年になって、長時間の立位や座位等が原因で起こる「むくみ」を防止或いは改善する方法が多く提案されてきている。「むくみ(浮腫)」は、血液中の体液が血管外に濾出するなどして、血管外皮下組織に水分が過剰にたまった状態をいい、なかでも足は重力の影響で特にむくみやすいとされる部位である。むくみをそのままにしておくと、周囲の毛細血管が圧迫されてさらにむくみが進行し、疲労感や鈍痛を伴うだけでなく、体の不調を招くことがある。
このような「むくみ」を防止或いは改善する手段として貼付剤や皮膚外用剤が多く創出されている一方で、むくみ改善に効果的な食用組成物の創出が期待されている。
特開平7−291815公報
このような「むくみ」を防止或いは改善する手段として貼付剤や皮膚外用剤が多く創出されている一方で、むくみ改善に効果的な食用組成物の創出が期待されている。
本発明の課題は、むくみを防止或いは改善する効果を有する食品素材及びこれを含む飲食品を提供することである。
請求項1に係る発明は、イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はイネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物を含有する食品素材に関する。
請求項2に係る発明は、前記抽出物のカリウム含量が6000mg/100g以上であることを特徴とする請求項1に記載の食品素材に関する。
請求項3に係る発明は、血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物をさらに含有する請求項1又は2に記載の食品素材に関する。
請求項4に係る発明は、セリ科シシウド属植物(Angelica L.)の根茎の乾燥物の抽出物をさらに含有する請求項1又は2に記載の食品素材に関する。
請求項5に係る発明は、前記食品素材が、むくみ改善作用を有するむくみ改善用食品素材であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の食品素材に関する。
請求項6に係る発明は、前記請求項1乃至5いずれかに記載の食品素材が含有されてなる飲食品に関する。
請求項2に係る発明は、前記抽出物のカリウム含量が6000mg/100g以上であることを特徴とする請求項1に記載の食品素材に関する。
請求項3に係る発明は、血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物をさらに含有する請求項1又は2に記載の食品素材に関する。
請求項4に係る発明は、セリ科シシウド属植物(Angelica L.)の根茎の乾燥物の抽出物をさらに含有する請求項1又は2に記載の食品素材に関する。
請求項5に係る発明は、前記食品素材が、むくみ改善作用を有するむくみ改善用食品素材であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の食品素材に関する。
請求項6に係る発明は、前記請求項1乃至5いずれかに記載の食品素材が含有されてなる飲食品に関する。
本発明の食品素材は、イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はイネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物(以下、トウモロコシの雌花の花柱抽出物という場合がある)を含み、優れたむくみ改善効果を示す。また、前記抽出物に、カリウム(K)が6000mg/100g以上含まれると、さらに優れたむくみ改善効果を奏する。
尚、この食品素材は、含有されるトウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱又は柱頭自体が本来有する作用、即ち利尿作用、血圧降下、胆汁分泌促進、乳汁分泌促進、腎尿路結石、止血、血管拡張、発疹等の効果もあわせもつ。
本発明の食品素材は、血流改善作用を有する植物素材をさらに含有してなる。この食品素材は、含有するトウモロコシの雌花の花柱抽出物と植物素材の相乗効果により、むくみ防止又は改善の効果に優れる。また、この食品素材は、トウモロコシの雌花の花柱又は柱頭部分由来の利尿作用、血圧降下、胆汁分泌促進、乳汁分泌促進、腎尿路結石、止血、血管拡張、発疹等、植物素材の血流改善作用の効果もあわせもつ。
本発明の食品素材において、前記血流改善作用を有する植物素材が、セリ科シシウド属植物(Angelica L.)の根茎の乾燥物である場合、トウモロコシの雌花の花柱抽出物と、前記植物素材又はその抽出物の組合せの相乗効果により、更に優れたむくみ防止又は改善作用を発揮する。
本発明の食品素材において、前記血流改善作用を有する植物素材の抽出物が、シシウドAngelica polyclada Franch.(=Angelica pubescens Maxim.)の根茎の乾燥物(唐独活)の抽出物である場合、トウモロコシの雌花の花柱抽出物と、前記植物素材又はその抽出物の組合せの相乗効果により、更に優れたむくみ防止又は改善作用を発揮する。
前記食品素材は、むくみ改善効果に優れるので、むくみ改善用食品素材として使用可能である。
尚、この食品素材は、含有されるトウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱又は柱頭自体が本来有する作用、即ち利尿作用、血圧降下、胆汁分泌促進、乳汁分泌促進、腎尿路結石、止血、血管拡張、発疹等の効果もあわせもつ。
本発明の食品素材は、血流改善作用を有する植物素材をさらに含有してなる。この食品素材は、含有するトウモロコシの雌花の花柱抽出物と植物素材の相乗効果により、むくみ防止又は改善の効果に優れる。また、この食品素材は、トウモロコシの雌花の花柱又は柱頭部分由来の利尿作用、血圧降下、胆汁分泌促進、乳汁分泌促進、腎尿路結石、止血、血管拡張、発疹等、植物素材の血流改善作用の効果もあわせもつ。
本発明の食品素材において、前記血流改善作用を有する植物素材が、セリ科シシウド属植物(Angelica L.)の根茎の乾燥物である場合、トウモロコシの雌花の花柱抽出物と、前記植物素材又はその抽出物の組合せの相乗効果により、更に優れたむくみ防止又は改善作用を発揮する。
本発明の食品素材において、前記血流改善作用を有する植物素材の抽出物が、シシウドAngelica polyclada Franch.(=Angelica pubescens Maxim.)の根茎の乾燥物(唐独活)の抽出物である場合、トウモロコシの雌花の花柱抽出物と、前記植物素材又はその抽出物の組合せの相乗効果により、更に優れたむくみ防止又は改善作用を発揮する。
前記食品素材は、むくみ改善効果に優れるので、むくみ改善用食品素材として使用可能である。
本発明の食品素材について説明する。
本発明の食品素材は、有効成分として、イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、又はイネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は乾燥物の抽出物を含有してなり、これらは、いずれか単独で含まれてもよいし、組み合わせて使用されてもよい(以下、単に有効成分という場合がある)。好ましくは、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物が使用される。
前記イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)とは、その近縁種或いは栽培品種も含むものとする。
イネ科植物トウモロコシ属トウモロコシ(玉蜀黍)(Zea mays L.)の雌花の花柱と柱頭は、シトステロール、スティグマステロール、ビタミンA、B、K、グルコース、ガラクタン、カリウム塩、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を含むことが知られている。
トウモロコシの雌花の花柱や柱頭の乾燥物は、生薬の南蛮毛として知られ、トウモロコシの雌花の花柱や柱頭をむしりとって乾燥させたものである。この乾燥方法は特に限定されないが、例えば、熱風乾燥、真空凍結乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波加熱乾燥、天日干し等が挙げられる。或いは、市場で入手可能な南蛮毛をそのまま使用してもよい。
本発明の食品素材は、有効成分として、イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、又はイネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は乾燥物の抽出物を含有してなり、これらは、いずれか単独で含まれてもよいし、組み合わせて使用されてもよい(以下、単に有効成分という場合がある)。好ましくは、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物が使用される。
前記イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)とは、その近縁種或いは栽培品種も含むものとする。
イネ科植物トウモロコシ属トウモロコシ(玉蜀黍)(Zea mays L.)の雌花の花柱と柱頭は、シトステロール、スティグマステロール、ビタミンA、B、K、グルコース、ガラクタン、カリウム塩、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を含むことが知られている。
トウモロコシの雌花の花柱や柱頭の乾燥物は、生薬の南蛮毛として知られ、トウモロコシの雌花の花柱や柱頭をむしりとって乾燥させたものである。この乾燥方法は特に限定されないが、例えば、熱風乾燥、真空凍結乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波加熱乾燥、天日干し等が挙げられる。或いは、市場で入手可能な南蛮毛をそのまま使用してもよい。
イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭から、或いはこれらの乾燥物から抽出物を得るための抽出方法は特に限定されないが、溶媒抽出法が好適に用いられる。
抽出溶媒として、水系溶媒又は有機溶媒のいずれも使用することができる。前記水系溶媒としては、水、熱水等が好適に使用される。水の種類は特に限定されず、純水、精製水等であってもよい。尚、抽出溶媒として熱水を使用する場合、その熱水の温度は50〜100℃、好ましくは80〜100℃である。
抽出溶媒として、水系溶媒又は有機溶媒のいずれも使用することができる。前記水系溶媒としては、水、熱水等が好適に使用される。水の種類は特に限定されず、純水、精製水等であってもよい。尚、抽出溶媒として熱水を使用する場合、その熱水の温度は50〜100℃、好ましくは80〜100℃である。
抽出溶媒として有機溶媒が用いられる場合、親水性有機溶媒、疎水性有機溶媒のいずれでもよい。親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸等の公知の有機溶媒が挙げられる。上記の親水性有機溶媒は水との混合物として用いられてもよい。疎水性有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン等の公知の有機溶媒が挙げられる。上記の親水性有機溶媒および疎水性有機溶媒はそれぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に係るトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物とは、前記の抽出方法により得られる抽出液、これを濃縮した濃縮抽出物、これらを乾燥させた乾燥抽出物等をも含むものとする。好ましくは以下の工程(1)乃至(5)により得ることができる。
(1)花柱及び/又は柱頭の乾燥物を、80〜100℃の熱水に浸ける
(2)乾燥物を含む熱水をろ過して、前記乾燥物の抽出液を得る
(3)得られた抽出液を濃縮して抽出濃縮物を得る
(4)抽出濃縮物を高圧加熱処理により殺菌する
(5)殺菌後の抽出濃縮物を乾燥して雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物を得る
(1)花柱及び/又は柱頭の乾燥物を、80〜100℃の熱水に浸ける
(2)乾燥物を含む熱水をろ過して、前記乾燥物の抽出液を得る
(3)得られた抽出液を濃縮して抽出濃縮物を得る
(4)抽出濃縮物を高圧加熱処理により殺菌する
(5)殺菌後の抽出濃縮物を乾燥して雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物を得る
工程(1)で使用する熱水の量は、好ましくは乾燥物の10〜20倍量である。乾燥物を熱水に浸した後は、室温で30分〜2時間程度置く。
工程(3)の濃縮方法は特に限定されず、例えばエバポレーターのような減圧濃縮装置や加熱による溶媒除去などにより、濃縮することができる。前記工程(3)で得られた抽出濃縮物に対しデキストリン等の賦形剤を添加してもよい。
工程(5)で行われる乾燥処理方法は特に限定されないが、例えば、熱風乾燥、真空凍結乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波加熱乾燥、天日干し等が挙げられる。得られた抽出物は、そのまま利用してもよいし、所望の形状に切断して用いてもよいし、或いは粉末状にして使用してもよい。
工程(3)の濃縮方法は特に限定されず、例えばエバポレーターのような減圧濃縮装置や加熱による溶媒除去などにより、濃縮することができる。前記工程(3)で得られた抽出濃縮物に対しデキストリン等の賦形剤を添加してもよい。
工程(5)で行われる乾燥処理方法は特に限定されないが、例えば、熱風乾燥、真空凍結乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波加熱乾燥、天日干し等が挙げられる。得られた抽出物は、そのまま利用してもよいし、所望の形状に切断して用いてもよいし、或いは粉末状にして使用してもよい。
本発明に係るトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物には、カリウム(K)が5000mg/100g以上、好ましくは6000mg/100g以上含有されている。このカリウム含量を有する抽出物は、むくみ改善効果に特に優れる。
本発明の食品素材は、有効成分(即ち、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物)のみで構成されてもよいし、或いは他の添加物と組み合わせて構成されてもよい。前記添加物とは、例えば、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等が挙げられる。本発明の食品素材は、その形状は特に限定されないが、例えば、液状或いは固形状とされる。固形状の場合は、適当な添加物と組み合わせて錠剤もしくは丸剤等の形状に成形してもよいし、或いは粉末状としてもよい。
本発明の食品素材により、改善又は防止される「むくみ」とは、自然発症的なむくみを指し、例えば、長時間の立位や座位等が原因で起こる膝下の「むくみ」が挙げられる。この「むくみ」は、血液中の体液が血管外に濾出するなどして、血管外皮下組織に水分が過剰にたまった状態をいい、なかでも足は重力の影響で特にむくみやすい部位とされる。
本発明の食品素材は、優れたむくみの防止又は改善の効果を奏するだけでなく、含有されるトウモロコシの雌花の花柱や柱頭部分由来の利尿作用、血圧降下、胆汁分泌促進、乳汁分泌促進、腎尿路結石、止血、血管拡張、発疹等の効果もあわせもつ。
本発明の食品素材は、血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物をさらに含有してもよい。
前記血流改善作用を有する植物素材について述べる。
本発明に係る血流改善作用を有する植物素材としては、公知の植物素材のうち血流改善作用を有するものであればよい。前記植物素材は、例えば、経口摂取により或いは皮膚に塗布されることにより血流を改善する作用を示す。
前記血流改善作用を有する植物素材について述べる。
本発明に係る血流改善作用を有する植物素材としては、公知の植物素材のうち血流改善作用を有するものであればよい。前記植物素材は、例えば、経口摂取により或いは皮膚に塗布されることにより血流を改善する作用を示す。
本発明に係る血流改善作用を有する植物素材としては、好ましくは、セリ科シシウド属植物(Angelica L.)の根茎、その乾燥物、ショウガ科ショウガ属ショウガ(Zingiber officinale Rosc.)の根茎、その乾燥物、ウコギ科トチバニンジン属サンシチニンジン(Panax pseudoginseng Wall.)の根茎、その乾燥物、ウコギ科トチバニンジン属オタネニンジン(Panax schin-seng Nees)の根茎、その乾燥物、ミカン科サンショウ属カショウ(Zanthoxylum bungeanum Maxim)の果実、その乾燥物、ユリ科ネギ属ニンニク(Allium sativum L.)の根茎、その乾燥物、ナス科トウガラシ属トウガラシ(Capsicum annuum L.) の果実、その乾燥物が使用され、これらを単独で或いは複数組み合わせて使用してもよい。
前記植物素材のうち、好ましくは、セリ科シシウド属植物(Angelica L.)の根茎の乾燥物が使用される。このセリ科シシウド属植物の根茎の乾燥物が含まれた食品素材は、該乾燥物と、有効成分(即ち、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物)の相乗効果により、優れたむくみ改善効果を示す。
前記植物素材のうち、好ましくは、セリ科シシウド属植物(Angelica L.)の根茎の乾燥物が使用される。このセリ科シシウド属植物の根茎の乾燥物が含まれた食品素材は、該乾燥物と、有効成分(即ち、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物)の相乗効果により、優れたむくみ改善効果を示す。
前記セリ科シシウド属植物として、例えば、トウキ(当帰)(Angelica. acutiloba (Sieb.et Zucc.))、セイヨウトウキ(Angelica archangelica L.; Archangelica officinalis Hoffm.)(別名:アンゼリカ)、カラトウキ(唐当帰)(Angelica sinense (Oliv.))、ヨロイグサ(Angelica dahurica (Hoffm.))、シシウド(猪独活)Angelica polyclada Franch.(=Angelica pubescens Maxim.)、ノダケ(野竹)(Angelica decursiva Fr. Et Sav.)、アシタバ(明日葉)(Angelica keiskei (Miq.) Koidz.)、イヌトウキ(犬当帰)(Angelica shikokiana)、ミヤマシシウド(Angelica matsumurae Yabe)及びこれらの近縁種或いは栽培品種が挙げられる。
前記セリ科シシウド属植物の根茎は、「独活」とも称され、本発明においては、前記セリ科シシウド属植物のうち、シシウドAngelica polyclada Franch.(=Angelica pubescens Maxim.)及びミヤマシシウド(Angelica matsumurae Yabe)の根茎又はこれらの乾燥物が好適に使用される。
最も好ましくは、シシウドAngelica polyclada Franch.(=Angelica pubescens Maxim.)の根茎の乾燥物であり、一般に生薬の「唐独活」と呼ばれるものである。尚、シシウドの根茎には、精油、クマリン誘導体、アンゲリコール、アンゲリコン、ウンベリフェロン、スコポレチン、チグリン酸、アンゲリカ酸、パルミチン酸等が含まれることが知られている。
最も好ましくは、シシウドAngelica polyclada Franch.(=Angelica pubescens Maxim.)の根茎の乾燥物であり、一般に生薬の「唐独活」と呼ばれるものである。尚、シシウドの根茎には、精油、クマリン誘導体、アンゲリコール、アンゲリコン、ウンベリフェロン、スコポレチン、チグリン酸、アンゲリカ酸、パルミチン酸等が含まれることが知られている。
前記セリ科シシウド属植物の根茎の乾燥物は、定法により得ることができる。例えば、セリ科シシウド属植物の根茎を掘りとり、これを乾燥させて得られる。又は、セリ科シシウド属植物の根茎を堀って、水洗いしてから所望の大きさに輪切りにして、まず風通しのよいところで陰干しにして、数時間日光をあてた後、仕上げの乾燥をして得ることができる。或いは、市場で入手可能な唐独活を使用することができる。
前述のとおり、本発明に係る血流改善作用を有する植物素材とは、好ましくは、前記植物の根茎或いは果実、及びこれらの乾燥物を指し、植物の根茎或いは果実が用いられる場合は、洗浄のみして未処理のまま食品素材に含まれてもよいし、切断又は粉砕等を行った後含有されてもよい。植物の根茎或いは果実の乾燥物が用いられる場合も同様、切断又は粉砕等を行ったもの、或いは追加の乾燥処理を経たものを本発明の食品素材に含有させてもよい。
次に、血流改善作用を有する植物素材の抽出物について説明する。
本発明の食品素材には、血流改善作用を有する植物素材とその抽出物のうち、いずれか一方或いは両方が含有されてもよいが、好ましくは血流改善作用を有する植物素材の抽出物が含有される。
本発明の植物素材の抽出物を製造するための原料としては、前述の植物素材が好適に使用される。
血流改善作用を有する植物素材の抽出物を得る方法として、好ましくは溶媒抽出法が採用される。抽出用の植物素材は未処理のものを使用してもよいし、抽出効率を考慮して、別途、切断、粉砕、乾燥などを経た植物素材を使用してもよい。
本発明の食品素材には、血流改善作用を有する植物素材とその抽出物のうち、いずれか一方或いは両方が含有されてもよいが、好ましくは血流改善作用を有する植物素材の抽出物が含有される。
本発明の植物素材の抽出物を製造するための原料としては、前述の植物素材が好適に使用される。
血流改善作用を有する植物素材の抽出物を得る方法として、好ましくは溶媒抽出法が採用される。抽出用の植物素材は未処理のものを使用してもよいし、抽出効率を考慮して、別途、切断、粉砕、乾燥などを経た植物素材を使用してもよい。
抽出溶媒として、水系溶媒又は有機溶媒のいずれも使用することができる。前記水系溶媒としては、水、熱水等が好適に使用される。水の種類は特に限定されず、純水、精製水等であってもよい。尚、抽出溶媒として熱水を使用する場合、その熱水の温度は50〜100℃であることが好ましい。
抽出溶媒として有機溶媒が用いられる場合、親水性有機溶媒、疎水性有機溶媒のいずれでもよい。親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸等の公知の有機溶媒が挙げられる。本発明においては、抽出溶媒として親水性有機溶媒と水の混合物が好適に使用される。このような混合物としては、エチルアルコールと水の混合物が挙げられる。
疎水性有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン等の公知の有機溶媒が挙げられる。上記の親水性有機溶媒および疎水性有機溶媒はそれぞれ単独で用いることもでき、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
疎水性有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン等の公知の有機溶媒が挙げられる。上記の親水性有機溶媒および疎水性有機溶媒はそれぞれ単独で用いることもでき、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に係る血流改善作用を有する植物素材の抽出物とは、適宜決定される抽出方法により得られる抽出液、これを濃縮した濃縮抽出物、これらを乾燥させた乾燥抽出物等をも含むものとする。
本発明に係る血流改善作用を有する植物素材の抽出物は、好ましくは以下の工程(1)乃至(6)により得ることができる。尚、下記の工程は、前記植物素材がシシウドの根茎の乾燥物(唐独活)である場合に、好適に使用される工程である。
(1)シシウドの根茎を掘りとり乾燥させて、血流改善作用を有する植物素材を得る
(2)植物素材を含水アルコールに含浸させる
(3)植物素材を含む含水アルコールをろ過して、シシウドの根茎の乾燥物の抽出液を得る
(4)得られた抽出液を濃縮して抽出濃縮物を得る
(5)抽出濃縮物を高圧加熱処理により殺菌する
(6)殺菌後の抽出濃縮物を乾燥してシシウドの根茎の乾燥物の抽出物を得る
本発明に係る血流改善作用を有する植物素材の抽出物は、好ましくは以下の工程(1)乃至(6)により得ることができる。尚、下記の工程は、前記植物素材がシシウドの根茎の乾燥物(唐独活)である場合に、好適に使用される工程である。
(1)シシウドの根茎を掘りとり乾燥させて、血流改善作用を有する植物素材を得る
(2)植物素材を含水アルコールに含浸させる
(3)植物素材を含む含水アルコールをろ過して、シシウドの根茎の乾燥物の抽出液を得る
(4)得られた抽出液を濃縮して抽出濃縮物を得る
(5)抽出濃縮物を高圧加熱処理により殺菌する
(6)殺菌後の抽出濃縮物を乾燥してシシウドの根茎の乾燥物の抽出物を得る
前記工程(4)の濃縮方法は特に限定されず、例えばエバポレーターのような減圧濃縮装置や加熱による溶媒除去などにより、濃縮することができる。前記工程(4)で得られた抽出濃縮物は、そのまま利用してもよいし、デキストリン等の賦形剤を添加してもよい。
前記工程(6)で得られた抽出物は、そのまま利用してもよいし、所望の形状に切断して使用してもよいし、或いは粉末状にして使用してもよい。
前記工程(6)で得られた抽出物は、そのまま利用してもよいし、所望の形状に切断して使用してもよいし、或いは粉末状にして使用してもよい。
本発明に係る血流改善作用を有する植物素材の抽出物としては、好ましくはセリ科シシウド属植物の根茎の乾燥物の抽出物、更に好ましくはシシウドAngelica polyclada Franch.(=Angelica pubescens Maxim.)又はミヤマシシウド(Angelica matsumurae Yabe)の根茎の乾燥物の抽出物、最も好ましくは、シシウドAngelica polyclada Franch.(=Angelica pubescens Maxim.)の根茎の乾燥物(唐独活)の抽出物が使用される。この抽出物は、有効成分(即ち、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物)と組み合わせられることにより、相乗的にむくみ改善効果を高めることができる。
本発明の食品素材において、有効成分(即ち、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物)と、血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物のそれぞれの含有比率は特に限定されないが、有効成分が1重量部に対し、血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物が0.1〜10重量部、更に好ましくは、0.5〜5重量部とする。この含有比率を有する食品素材は、むくみ改善効果に優れる。
本発明の飲食品は、前記食品素材を含有させて製造され、他の添加物と組み合わせて構成されてもよい。前記添加物とは、例えば、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等であってもよい。
本発明の飲食品の他の形態は特に限定されないが、固形食品、液状食品のみならず、調味液、調味料等にも適用可能である。また、本発明の飲食品は、健康食品、機能性食品、特定保健用食品及び保健機能食品等の各種食品であってもよい。
本発明の飲食品は、例えば、米類、豆類、麦類、小麦粉、澱粉、砂糖、澱粉糖、パン類、麺類、菓子類、食用油、乳製品(アイスクリーム、バター、チーズ、乳酸菌製品等)、清涼飲料、豆製品、園芸加工品(果実飲料、缶詰、ジャム、乾燥果実等)、発酵食品類(酒類、食酢、醤油、味噌、ソース、納豆、漬け物等)、肉製品類(ソーセージ、缶詰ハム、ベーコン類)、卵製品、各種冷凍食品類、乾燥食品類、水産食品類、インスタント食品類、レトルト食品類等を含んでもよい。或いは、本発明の飲食品は、酵素製品類、調味料類等に添加することも可能であるが、これらに限られるものではない。また、前記食品類への添加の方法は、当業者に公知の何れの方法によっても可能である。
本発明の飲食品は、例えば、米類、豆類、麦類、小麦粉、澱粉、砂糖、澱粉糖、パン類、麺類、菓子類、食用油、乳製品(アイスクリーム、バター、チーズ、乳酸菌製品等)、清涼飲料、豆製品、園芸加工品(果実飲料、缶詰、ジャム、乾燥果実等)、発酵食品類(酒類、食酢、醤油、味噌、ソース、納豆、漬け物等)、肉製品類(ソーセージ、缶詰ハム、ベーコン類)、卵製品、各種冷凍食品類、乾燥食品類、水産食品類、インスタント食品類、レトルト食品類等を含んでもよい。或いは、本発明の飲食品は、酵素製品類、調味料類等に添加することも可能であるが、これらに限られるものではない。また、前記食品類への添加の方法は、当業者に公知の何れの方法によっても可能である。
本発明の飲食品は、本発明の食品素材を含み、この食品素材のむくみ改善効果は、有効成分(即ち、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物)と、血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物の組合せにより、相乗的に高められる。従って、本発明の飲食品或いは前記食品素材自体を、むくみ改善剤として使用することができ、そのむくみ改善効果は顕著に優れる。
本発明の飲食品中に含まれる本発明の食品素材の含量は特に限定されず、飲食品の種類は形態に応じて適宜決定すればよい。目安としては、むくみ改善効果を得るためには、有効成分のみからなる食品素材(即ち、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物のみからなる食品素材、又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物のみからなる食品素材)は、1日あたり、0.1〜20mg/kg(体重)摂取されるとよい。或いは、有効成分と植物素材及び/又はその抽出物の組合せのみからなる食品素材(即ち、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物及び/又はトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物と、植物素材及び/又はその抽出物の組合せのみからなる食品素材)は、1日あたり、0.2〜40mg/kg(体重)摂取されるとよい。
本発明の飲食品は、トウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物と、血流改善作用を有する植物素材が本来有する効果、即ちトウモロコシの雌花の花柱及び/又は柱頭由来の利尿作用、血圧降下、胆汁分泌促進、乳汁分泌促進、腎尿路結石、止血、血管拡張、発疹等、植物素材由来の血流改善作用の効果もあわせもつ。
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
[食品素材の製造1]
原料として、中国産の南蛮毛(イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱の乾燥粉末)1kgを用意した。この南蛮毛を95℃の熱水10Lに含浸させて、室温で1日間置く。その後、南蛮毛を含む熱水をろ過して、南蛮毛の抽出液を得た。この抽出液を、減圧濃縮により濃縮して抽出濃縮物を得た。これを高圧加熱処理により殺菌した後、凍結乾燥により乾燥することにより、南蛮毛の抽出物59gを得た。これを、本発明の食品素材の実施例1とした。
[食品素材の製造1]
原料として、中国産の南蛮毛(イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱の乾燥粉末)1kgを用意した。この南蛮毛を95℃の熱水10Lに含浸させて、室温で1日間置く。その後、南蛮毛を含む熱水をろ過して、南蛮毛の抽出液を得た。この抽出液を、減圧濃縮により濃縮して抽出濃縮物を得た。これを高圧加熱処理により殺菌した後、凍結乾燥により乾燥することにより、南蛮毛の抽出物59gを得た。これを、本発明の食品素材の実施例1とした。
[食品素材の製造方法2]
原料として、中国産の唐独活(セリ科シシウド属シシウド(Angelica pubescens Maxim.)の根茎の乾燥粉末)1kgを用意した。この唐独活を、含水アルコール(水:エタノール=3:7(重量))10Lに含浸させて、室温で1日間置く。その後、唐独活を含む含水アルコールをろ過して、唐独活の抽出液を得た。この抽出液を、減圧滅菌により濃縮して抽出濃縮物を得た。これを高圧加熱処理により殺菌した後、凍結乾燥により乾燥して唐独活の抽出物68gを得た。このうち唐独活の抽出物5gと、実施例1の南蛮毛の抽出物10gを混合して、粉末状の食品素材を製造し、これを実施例2とした。
尚、上記で得られた唐独活の抽出物は、それ単独で比較例1として、以下の試験例1のむくみ率の比較試験で利用した。
原料として、中国産の唐独活(セリ科シシウド属シシウド(Angelica pubescens Maxim.)の根茎の乾燥粉末)1kgを用意した。この唐独活を、含水アルコール(水:エタノール=3:7(重量))10Lに含浸させて、室温で1日間置く。その後、唐独活を含む含水アルコールをろ過して、唐独活の抽出液を得た。この抽出液を、減圧滅菌により濃縮して抽出濃縮物を得た。これを高圧加熱処理により殺菌した後、凍結乾燥により乾燥して唐独活の抽出物68gを得た。このうち唐独活の抽出物5gと、実施例1の南蛮毛の抽出物10gを混合して、粉末状の食品素材を製造し、これを実施例2とした。
尚、上記で得られた唐独活の抽出物は、それ単独で比較例1として、以下の試験例1のむくみ率の比較試験で利用した。
[試験例1:むくみ率の比較試験]
実施例1と2、及び比較例1のそれぞれについて、これらを摂取した場合のむくみ率を調べた。被験者として、20〜40歳代の、午前9時00分〜午後18時00分の事務的業務に従事する健常人10名(男女各5名ずつ)を選んだ。試験方法の詳細は、次のとおりである。
実施例1と2、及び比較例1のそれぞれについて、これらを摂取した場合のむくみ率を調べた。被験者として、20〜40歳代の、午前9時00分〜午後18時00分の事務的業務に従事する健常人10名(男女各5名ずつ)を選んだ。試験方法の詳細は、次のとおりである。
(試験手順A)
(手順1)午前9時00分に、被験者の膝下(左右)の体積を測定する
(手順2)午前9時30分に、被験者が実施例1(100mg)を摂取する
(手順3)午後16時30分に、被験者の膝下(左右)の体積を測定する
(手順1)午前9時00分に、被験者の膝下(左右)の体積を測定する
(手順2)午前9時30分に、被験者が実施例1(100mg)を摂取する
(手順3)午後16時30分に、被験者の膝下(左右)の体積を測定する
被験者は、上記(手順1)乃至(手順3)を除いては、通常業務及び食事をとることとした。
上記(手順1)及び(手順3)の膝下の体積測定は、その排除体積を測定することにより行った。即ち、膝裏関節より5cm下の位置まで水を満たした容器に浸し、その排除体積をメスシリンダーにて測定することにより膝下の体積測定を行った。(手順1)及び(手順3)の膝下の体積測定は、左右ごとに実施し、膝下体積測定値の平均値を算出した後、各被験者について次式によりむくみ率(%)を算出した。対照試験、実施例1、実施例2、比較例1ともに3回実施し、平均値を結果として記載した。
[式]
むくみ率(%)=(手順3)で得られた平均測定値/(手順1)で得られた平均測定値×100
上記(手順1)及び(手順3)の膝下の体積測定は、その排除体積を測定することにより行った。即ち、膝裏関節より5cm下の位置まで水を満たした容器に浸し、その排除体積をメスシリンダーにて測定することにより膝下の体積測定を行った。(手順1)及び(手順3)の膝下の体積測定は、左右ごとに実施し、膝下体積測定値の平均値を算出した後、各被験者について次式によりむくみ率(%)を算出した。対照試験、実施例1、実施例2、比較例1ともに3回実施し、平均値を結果として記載した。
[式]
むくみ率(%)=(手順3)で得られた平均測定値/(手順1)で得られた平均測定値×100
上記試験手順Aに従い、まず実施例1について試験を行い、その1週間後に実施例2、その1週間後に比較例1について試験を行った。即ち、それぞれの試験の間には6日間の期間を設けた。比較例1の試験の1週間後、実施例1及び2それぞれの5日間連続摂取におけるむくみ率を調べた。尚、実施例1と実施例2の5日間連続摂取の試験の間は、16日間の間隔をとった。
尚、上記、(手順2)において、実施例2は150mg(南蛮毛の抽出物100mgと唐独活の抽出物50mg)、比較例1は100mg摂取された。
また、対照むくみ率(即ち、通常業務で発生するむくみ率)を測定するために、実施例1の試験の1週間前に、上記(手順1)及び(手順3)のみ(即ち、(手順2)を行わず)を実施した。
被験者10名のそれぞれのむくみ率を表1に示し、被験者10名分の平均むくみ率をグラフ化し、これを図1に示す。尚、5日間連続摂取の結果は、5日間全ての体積測定結果の平均値に基づくものである。
尚、上記、(手順2)において、実施例2は150mg(南蛮毛の抽出物100mgと唐独活の抽出物50mg)、比較例1は100mg摂取された。
また、対照むくみ率(即ち、通常業務で発生するむくみ率)を測定するために、実施例1の試験の1週間前に、上記(手順1)及び(手順3)のみ(即ち、(手順2)を行わず)を実施した。
被験者10名のそれぞれのむくみ率を表1に示し、被験者10名分の平均むくみ率をグラフ化し、これを図1に示す。尚、5日間連続摂取の結果は、5日間全ての体積測定結果の平均値に基づくものである。
表1が示す如く、本発明の食品素材である実施例1は優れたむくみ改善率57%を示し、5日間連続摂取においては、むくみ改善率78%を有すること、また実施例2の5日間連続摂取によるむくみ改善率は103%であり、さらに優れたむくみ改善効果を有することが分かった。一方で、血流改善作用を有することで知られる唐独活からなる比較例1は、むくみ改善効果を何ら有さないことが分かった。しかしながら、この唐独活と南蛮毛の組合せである実施例2は、南蛮毛のみを含む実施例1と比較して、優れたむくみ改善作用を有する。即ち、南蛮毛の有するむくみ改善効果は、唐独活により相乗的に高められていることがわかった。
図2は、前記試験例1の実施例2の連続摂取による膝下体積の経時的な測定結果を示すグラフである。試験例1の実施例2の測定を行う前日の午後16時30分に、膝下測定を行い、その結果は「0day」において示され、以後7日間、試験手順Aに従って膝下体積を測定した。前半5日間の測定結果に基づくむくみ率は、表1及び図1の通りである。
図2が示す如く、本発明の食品素材を連続摂取すると、単回摂取と比較して膝下体積が小さくなることがわかった。詳細には、本発明の食品素材を連続摂取すると、4日目までに膝下体積の顕著な減少が認められ、それ以降は減少された膝下体積が維持されることが分かった。本試験例により、本発明の食品素材は、連続的に摂取することによりむくみ改善の効果が高められることがわかった。
[試験例2:植物素材が本来有する効果の評価]
実施例2を用いて、これに含まれる植物素材が本来有する効果を奏するか否かについて評価した。即ち、実施例2に含まれる唐独活が本来血流改善作用を有しているから、この実施例2の摂取により、その効果が認められるか否かを調べた。試験方法は、以下の試験手順C乃至Eに基づき、血行不良からくる冷え性が改善された程度を下記の評価基準に従って評価した。被験者として、20〜40歳代の、午前9時00分〜午後18時00分の事務的業務に従事する健常人10名(男性5名女性5名)を選んだ。結果を表2に示す。
実施例2を用いて、これに含まれる植物素材が本来有する効果を奏するか否かについて評価した。即ち、実施例2に含まれる唐独活が本来血流改善作用を有しているから、この実施例2の摂取により、その効果が認められるか否かを調べた。試験方法は、以下の試験手順C乃至Eに基づき、血行不良からくる冷え性が改善された程度を下記の評価基準に従って評価した。被験者として、20〜40歳代の、午前9時00分〜午後18時00分の事務的業務に従事する健常人10名(男性5名女性5名)を選んだ。結果を表2に示す。
(試験手順B)
(手順1)午前9時30分に、被験者が実施例2を摂取する
(手順2)午後16時30分に、評価基準に基づき、冷え性改善の程度を評価する
(試験手順C)
(手順1)5日間、毎日午前9時30分に、被験者が実施例2を摂取する
(手順2)5日目(最終日)午後16時30分に、評価基準に基づき、冷え性改善の程度を評価する
(試験手順D)
(手順1)7日間、毎日午前9時30分に、被験者が実施例2を摂取する
(手順2)7日目(最終日)午後16時30分に、評価基準に基づき、冷え性改善の程度を評価する
(手順1)午前9時30分に、被験者が実施例2を摂取する
(手順2)午後16時30分に、評価基準に基づき、冷え性改善の程度を評価する
(試験手順C)
(手順1)5日間、毎日午前9時30分に、被験者が実施例2を摂取する
(手順2)5日目(最終日)午後16時30分に、評価基準に基づき、冷え性改善の程度を評価する
(試験手順D)
(手順1)7日間、毎日午前9時30分に、被験者が実施例2を摂取する
(手順2)7日目(最終日)午後16時30分に、評価基準に基づき、冷え性改善の程度を評価する
上記(手順1)における実施例2の摂取量は、150mg(南蛮毛の抽出物100mgと唐独活の抽出物50mg)である。被験者は、上記(手順1)及び(手順2)を除いては、通常業務、生活及び食事をとることとした。
(評価基準)
摂取前と比較して冷え性が非常によく改善された 4点
摂取前と比較して冷え性がよく改善された 3点
摂取前と比較して冷え性の程度は変化しなかった 2点
摂取前と比較して冷え性が悪化した 1点
摂取前と比較して冷え性が非常によく改善された 4点
摂取前と比較して冷え性がよく改善された 3点
摂取前と比較して冷え性の程度は変化しなかった 2点
摂取前と比較して冷え性が悪化した 1点
表2が示す如く、試験手順B乃至Dの平均点は、それぞれ、2.7、2.7及び2.9であり、いずれにおいても、摂取前と比較して冷え性の程度は変化しなかった場合を示す2点を大幅に超える点数を得ることができた。従って、本発明の実施例2を摂取すると、血行不良からくる冷え性が改善されていることが確認された。即ち、本発明の食品素材は、これに含まれる唐独活が本来有する血流改善作用の効果もあわせもつといえる。
試験例1で示したとおり、本発明の食品素材は、これに含まれる南蛮毛と植物素材の相乗効果により顕著に優れたむくみ改善効果を備える。また、試験例2により本発明の食品素材は、含有される植物素材が本来有する効果もあわせもつことが分かった。
[処方例]
(食品素材)
南蛮毛の乾燥粉末の抽出物 50重量%
賦形剤(デキストリン) 50重量%
合計 100重量%
(食品素材)
南蛮毛の乾燥粉末の抽出物 50重量%
賦形剤(デキストリン) 50重量%
合計 100重量%
(機能性錠剤/食品素材)
南蛮毛の乾燥粉末の抽出物 50重量%
唐独活の乾燥粉末の抽出物 25重量%
賦形剤(デキストリン) 25重量%
合計 100重量%
南蛮毛の乾燥粉末の抽出物 50重量%
唐独活の乾燥粉末の抽出物 25重量%
賦形剤(デキストリン) 25重量%
合計 100重量%
Claims (6)
- イネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の抽出物、及び/又はイネ科トウモロコシ属トウモロコシ(Zea mays L.)の雌花の花柱及び/又は柱頭の乾燥物の抽出物を含有する食品素材。
- 前記抽出物のカリウム含量が6000mg/100g以上であることを特徴とする請求項1に記載の食品素材。
- 血流改善作用を有する植物素材及び/又はその抽出物をさらに含有する請求項1又は2に記載の食品素材。
- セリ科シシウド属植物(Angelica L.)の根茎の乾燥物の抽出物をさらに含有する請求項1又は2に記載の食品素材。
- 前記食品素材が、むくみ改善作用を有するむくみ改善用食品素材であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の食品素材。
- 前記請求項1乃至5いずれかに記載の食品素材が含有されてなる飲食品。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012167060A (ja) * | 2011-02-15 | 2012-09-06 | Asahi Group Holdings Ltd | 経口用組成物 |
JP2014011971A (ja) * | 2012-07-04 | 2014-01-23 | Kwang Dong Pharmaceutical Co Ltd | トウモロコシの毛茶の製造方法 |
JP2015101586A (ja) * | 2013-11-25 | 2015-06-04 | カトリック ユニバーシティ インダストリー アカデミック コーオペレイション ファウンデーション | メイシンを含む肥満予防及び治療用医薬組成物 |
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-
2007
- 2007-11-16 JP JP2007298612A patent/JP2009118816A/ja active Pending
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