JP2009117659A - 太陽電池モジュール及びその敷設構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防水シート2Aの表面に、シート状太陽電池2Bが一体に設けてある太陽電池モジュールにおいて、防水シート2Aの縁部は、隣接させる別の防水シートと接合自在な接合部2bとして構成してあり、防水シート2Aの裏面側には、防水シート2Aを受ける防水シート受け面3aを備えた防水下地材3が設けてあり、防水下地材3は、水平面上に設置した状態において、上方に重なるシート状太陽電池2Bの表面が水平面に対して傾斜状態となる形状に形成してある。
【選択図】図1
Description
また、この種の太陽電池モジュールの敷設構造としては、図9に示すように、ロール状に巻き取った荷姿の帯状太陽電池モジュールmを、切り妻屋根等の傾斜屋根20面上で、棟方向に沿わせて広げ、隣接する太陽電池モジュールmの帯側縁部どうしが重なる状態に敷設してあった。即ち、屋根平面視において、太陽電池モジュールmどうしの重なり部21の長手方向は、屋根表面の勾配方向と直交するように太陽電池モジュールmは敷設されている。
しかし、取付対象屋根が陸屋根である場合には、屋根面が水平面に近い平坦面であるから、太陽電池モジュールの上面も水平に近い平坦面となり、太陽電池上に水滴が溜まってその跡に汚れが残る危険性があり、その結果、発電量が著しく低下する問題点があった。
この問題点を解消するためには、陸屋根上に、傾斜した載置面を備えた太陽電池モジュール設置用台を設けて、その設置用台の前記載置面上に、太陽電池モジュールを設置しなければならない。但し、この太陽電池モジュール設置用台は、屋根面上に突出するから、台風等の風を表裏面に直接受けることになり、それ自体に充分な強度を有する必要があると共に、屋根への取り付けに関しても、強固に行う必要があり、設備が大掛かりになってコストアップにつながる上、屋根上の美観性の低下を招きやすいと言う新たな問題点が生じることになる。
一方、従来の太陽電池モジュール敷設構造によれば、屋根そのものが前述のように傾斜屋根である場合には、水の流れを阻害することは少ないが、水平に近い状態の陸屋根上に太陽電池モジュールが設置される場合には、太陽電池モジュールどうしの重なり部の表面端にできる段差部に、シート状太陽電池表面からこぼれた雨水等の水が溜まり易い。即ち、前記重なり部の表面端にできる段差部は、水が集まりやすい水路となるわけであるが、その水路の長手方向は、屋根勾配方向と直交しているから、実質的には、水路勾配が無い状態となり、溜まったままの水が流下しにくい状態となる。その結果、太陽電池表面まで浸水して汚れを付着させ、発電量が著しく低下する問題点があった。
ここで言う「隣接させる別の防水シート」とは、隣接させる別の太陽電池モジュールと一体となった防水シートである場合のみならず、単なる防水シートである場合も含んでいる。
そして、設置対象の屋根が陸屋根であっても、前記防水下地材をその屋根上に設置するだけで、その上方に重なるシート状太陽電池の表面が傾斜状態となるように配置することができるから、手間を掛けずに、太陽電池上に雨水等の水滴が残り難い状態に設置することができる。
従って、太陽電池上の清掃等の手間を省いても、適切な発電量を維持し易く、メンテナンスに手間が掛かり難くなる。
そして、防水下地材は、太陽電池モジュールの下方に隠蔽状態に位置させることができるから、従来のように、大掛かりでゴツゴツした太陽電池モジュール設置用台を屋根上にわざわざ立設設置する必要が無く、目立ち難い状態で、確実に、太陽電池の上面傾斜状態を作り出すことができる。その結果、太陽電池モジュール設置作業における経済性と美観性とを向上させることができる。
更には、防水シートと防水下地材とを接着していない状態においては、双方の分離も簡単に実施でき、防水シートと防水下地材との組み合わせを自由に変更して、例えば、発電量の大きい仕様の太陽電池付き防水シートに変更したり、強度の大きい防水下地材に変更したり、目的に合致した材質の各パーツに自由に変更することが可能となる。また、この利点は、太陽電池モジュールのメンテナンス時にも有効に利用することができる。
前記カバー部2と防水下地材3とは、きっちり嵌り合うように構成されている。
また、防水シート2Aの前記膨出部2aから外周側部分は鍔状に形成してあり、この鍔状部(接合部に相当)2bを、隣接させる別の防水シート2Aと重ね合わせて接合することで一連の防水層が構成される。
また、前記鍔状部2bは、カバー部2の全周にわたって設けられているが、太陽電池モジュールMの矩形長辺に位置する鍔状部2bは、長手方向での中央部から両端側にかけてそれぞれ下り勾配に形成してあり(図2参照)、太陽電池シート2Bの勾配によって鍔状部2b上に流下してきた水を、鍔状部2bの勾配に沿って速やかに排水することが可能となる。
更に、カバー部2の鍔状部2bに対応する防水下地材部分は、前記防水シート受け面3aより一段低く形成されており、太陽電池モジュールMの矩形長辺に位置する鍔状部2bの下方に位置する部分は、長手方向での中央部から両端側にかけてそれぞれ下り勾配に形成されている(図2参照)。
また、太陽電池モジュールMの矩形短辺に位置する部分には、前記太陽電池シート2Bの裏面に延出した電極線を収納できるように凹溝部3bを形成してある。この凹溝部3bは、隣接させる他の太陽電池モジュールの凹溝部3bと連通できるように設けられており、一連に設置された各太陽電池モジュールの電極線どうしを接続配線できるように構成されている(図4参照)。
[1]デッキプレート1A上に、各防水下地材3を隙間なく敷き並べる(図3(イ)参照)。
[2]隣接する長辺どうしの突合せ部上に、長手方向に間隔をあけて固定用金属ディスク板4をそれぞれ配置すると共に、突合せ部を貫通する状態にビスを挿通してデッキプレート1Aに螺着することで金属ディスク板4を固定する(図3(ロ)参照)。この金属ディスク板4によって防水下地材3はデッキプレート1Aに固定される。尚、前記金属ディスク板4の上面には、予め、ホットメルト接着層4aが設けてある。
[3]それらの上から、防水下地材3の防水シート受け面3a上に膨出部2aが重なるように前記カバー部2を被せる。
[4]隣接するカバー部2の鍔状部2bどうしを重ねて接着する(図3(ハ)参照)。
[5]前記鍔状部2bどうしの重ね部上から、前記金属ディスク板4を磁気誘導によって加熱し、前記ホットメルト接着層4aを溶融させてカバー部2を金属ディスク板4に固定する。この前記金属ディスク板4によって、防水下地材3並びにカバー部2も陸屋根1に固定される。
そして、このように設置された太陽電池モジュールは、陸屋根の低い位置に設置でき、従来の大掛かりでゴツゴツした太陽電池モジュール設置用台を屋根上にわざわざ立設設置するのに比べて美観性も向上するし、台風等による風圧による悪影響も受け難いという利点もある。
以下に他の実施の形態を説明する。
〈2〉 前記太陽電池モジュールMは、先の実施形態では、前記防水シート2Aと前記防水下地材3とが別体のものを説明したが、例えば、これらを予め一体に形成してあるものであってもよい。
また、先の説明で挙げた鍔状部2bは、必ず傾斜状に形成することに限らず、平坦面として構成してあってもよい。この場合、陸屋根1の自然の水流れ勾配を利用して、鍔状部2b自然勾配の姿勢となって水が溜まり難くなるように太陽電池モジュールMの配置を計画すればよい。
〈3〉 前記太陽電池モジュールMの設置構造は、先の実施形態で説明したものに限るものではなく、例えば、陸屋根1そのものがデッキプレート1Aで構成されていることに替えて、折板屋根やプレキャスト板や鉄筋コンクリート造の屋根であってもよく、それらを含めて陸屋根という。
また、若干の水流れ勾配をもつ陸屋根上に太陽電池モジュールMを設置するに当たっては、図6に示すように、シート状太陽電池2B表面から流下した水が、隣接する太陽電池モジュールM間に形成される水路6(前記鍔状部2bの上)に溜まったままになることを避ける意味で、屋根平面視における前記水路6の流下方向が、前記陸屋根1表面の勾配方向と直交しないように前記太陽電池モジュールMを配置することが好ましい。但し、先の実施形態の太陽電池モジュールMのように、鍔状部2bがもともと傾斜状に形成してある場合には、必ずしもこの限りではない。
〈4〉 前記太陽電池モジュールMは、何れのものも同一寸法のものを並設状態に設置すること以外にも、例えば、図7に示すように、辺の長さの異なるものを用意しておき、それらを組み合わせて設置することも可能である。この場合、隣接する太陽電池モジュールMのカバー部2どうしの重なり箇所の平面配置をずらすことができ、接合部分での、前記鍔状部2bの重なり枚数をより少なくすることが可能となる。その結果、前記鍔状部2bどうしの重なり構造を単純化でき、より接合部分での防水性能の向上を図ることが可能となる。
また、並設する各太陽電池モジュールMの設置は、表面幅方向の勾配がすべて同じ方向に向く状態に設置することに限らず、例えば、図8に示すように、下り勾配が異なる方向(図によれば、平面視において180度ずれた方向)に向くように設置するものであってもよい。この場合、隣接する太陽電池モジュールM間に形成される水路6(鍔状部2bの上)の幅寸法を、下り勾配の上手側に位置する水路に比べて、下り勾配の下手側の位置する水路の方を、広幅になるように設置しておくことで、スムースに水を流下させることが可能となる。
一方、防水下地材3やカバー部2の陸屋根への固定は、先の実施形態では、金属ディスク板4を用いて行う例を説明したが、その形態に限るものではなく、例えば、図8に示すように、ホットメルト接着層4aを上面に備えた帯状金属板10で構成するものであってもよい。
2b 鍔状部(接合部に相当)
2A 防水シート
2B シート状太陽電池
3 防水下地材
3a 防水シート受け面
6 水路
M 太陽電池モジュール
Claims (5)
- 防水シートの表面に、シート状太陽電池が一体に設けてある太陽電池モジュールであって、
前記防水シートの縁部は、隣接させる別の防水シートと接合自在な接合部として構成してあり、前記防水シートの裏面側には、前記防水シートを受ける防水シート受け面を備えた防水下地材が設けてあり、前記防水下地材は、水平面上に設置した状態において、上方に重なる前記シート状太陽電池の表面が水平面に対して傾斜状態となる形状に形成してある太陽電池モジュール。 - 前記防水シートと前記防水下地材とは、一体に形成してある請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記防水シートと前記防水下地材とは、別体に構成してあり、それらは嵌合自在な形状に形成してある請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記防水下地材は、断熱性材料で構成してある請求項1〜3の何れか一項に記載の太陽電池モジュール。
- 請求項1〜4に記載の太陽電池モジュールの複数を、陸屋根上に並べて敷設された太陽電池モジュール敷設構造であって、
隣接させる前記太陽電池モジュール間に、前記シート状太陽電池表面の傾斜に沿って流下する水が集まる水路が設けられ、屋根平面視における前記水路の流下方向が、前記陸屋根表面の勾配方向と直交しないように前記太陽電池モジュールが敷設してある太陽電池モジュール敷設構造。
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