JP2009116438A - 無線タグ構造体、無線タグラベル、及びタグラベル作成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線タグを金属の貼り付け面(又は金属が近くに存在する貼り付け面)に貼り付けた場合であっても通信障害を招くことなく、通信の円滑性・信頼性を確保する。
【解決手段】無線タグTは、貼り付け面Sに貼り付けるための貼り付け部2と、貼り付け面Sに対し自立する断面三角形状の自立部3とを備える。その自立部3の一つの傾斜面3aに、IC回路部150及びこのIC回路部に接続されるループコイルLC状のタグ側のアンテナ151とを備えた無線タグ回路素子Toが設けられ、このタグ側アンテナ151のループコイルLCに対し、自立部3の傾斜面3aがループコイルLCに対する磁束を入射する入射面を形成し、自立部3の他方の傾斜面3bがループコイルLCからの磁束を出射する出射面を形成する。この無線タグTは、テープ状に形成された無線タグラベルのラベル本体を折り曲げ線に沿って折り曲げて自立部3を立体化することによって形成される。
【選択図】図1
【解決手段】無線タグTは、貼り付け面Sに貼り付けるための貼り付け部2と、貼り付け面Sに対し自立する断面三角形状の自立部3とを備える。その自立部3の一つの傾斜面3aに、IC回路部150及びこのIC回路部に接続されるループコイルLC状のタグ側のアンテナ151とを備えた無線タグ回路素子Toが設けられ、このタグ側アンテナ151のループコイルLCに対し、自立部3の傾斜面3aがループコイルLCに対する磁束を入射する入射面を形成し、自立部3の他方の傾斜面3bがループコイルLCからの磁束を出射する出射面を形成する。この無線タグTは、テープ状に形成された無線タグラベルのラベル本体を折り曲げ線に沿って折り曲げて自立部3を立体化することによって形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、外部と情報の無線通信が可能である無線タグ回路素子を備えた無線タグ構造体、無線タグラベル及びそれらを作成するタグラベル作成装置に関する。
情報を記憶する無線タグ回路素子に対し非接触(コイルを用いる電磁結合方式、電磁誘導方式、あるいは電波方式等)で情報の送受信を行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。
一般に、無線タグ回路素子は、ラベル状の素材上に無線タグラベルとして形成され、このタグラベルが例えば各種書類・物品の分類・整理のために対象物品等に貼り付けられることが多い。このようなタグラベルの一例としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
この従来技術には、タグラベルの無線タグ回路素子に備えられるタグ側アンテナとして、ループコイルを備えたループアンテナ(アンテナコイル)を用いている。そして、IC回路部(ICチップ)と、このIC回路部に接続されたタグ側アンテナとを備えたアンテナ基材(インレット)を、タグ基材に設けて無線タグラベル(電子タグシール)を形成している。
ところで、ループアンテナでは、通電時に、コイルの径方向中心側をコイルの軸線方向に(すなわち電路と鎖交する)磁束が生じ、この磁束による電磁誘導を用いて通信相手と信号の送受を行う。したがって、通信効率を向上させ乱れのない円滑な通信を行うためには、コイルへの磁束の滑らかな入射と、その入射した磁束のコイルからの滑らかな出射とが実現されなければならない。
上記従来技術では、無線タグラベルを、粘着剤を備え貼り付け面に貼り付けられる部分と、粘着剤を備えず無線タグ回路素子が設けられる部分とに分けており、無線タグラベルを貼り付けたときにも、無線タグ回路素子が貼り付け面から若干浮くように構成されている。この結果、金属の貼り付け面に無線タグラベルを貼り付けた場合であっても通信障害を招きにくいように図られている。しかしながら、上記のような磁束の入射・出射における円滑化までは配慮されておらず、ループアンテナと貼り付け面との距離が非常に近い。このため、例えば無線タグラベルを金属面に貼り付けた場合には、その金属材質の影響によって、コイルからの出射側の磁束が歪んで乱れてしまう。この結果、乱れのない円滑な信頼性の高い通信を行うことが難しかった。
本発明の目的は、貼り付け面の材質による磁束への影響をなくし、通信の円滑性・信頼性を向上できる無線タグ構造体、無線タグラベル、及びそのような無線タグラベルを作成可能なタグラベル作成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、貼り付け面に対し貼り付けるための貼り付け部と、前記貼り付け面に対し自立する自立部と、前記自立部に設けられ、ループコイルを備え情報を送受信するタグ側アンテナと情報を記憶するIC回路部とを有する、少なくとも1つの無線タグ回路素子とを有し、前記自立部は、前記ループコイルと鎖交する磁束を入射する入射面と、前記入射面より入射された磁束を出射する出射面とを備えることを特徴とする。
本願第1発明の無線タグ構造体においては、貼り付け部を介し貼り付け面に対し貼り付けられる一方、自立部が貼り付け面に対し自立されており、この自立された自立部に無線タグ回路素子が設けられている。これにより、構造体全体を貼り付け面に貼り付けた後、無線タグ回路素子を貼り付け面から離間させた状態を確実に維持することができるので、金属の貼り付け面(又は金属が近くに存在する貼り付け面)に貼り付けた場合であっても通信障害を招くことなく、通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
このとき、無線タグ回路素子のタグ側アンテナとしてループコイルが用いられており、無線タグ通信装置側との通信時には、コイルの電路と鎖交する磁束によって電磁誘導により通信が行われる。ここで、本願第1発明においては、上記のように離間した状態に維持される無線タグ回路素子に対応して、上記磁束を入射する入射面と磁束を出射する出射面とが自立部に設けられている。これにより、貼り付け面の材質(金属であるかどうか等)による磁束への影響をなくし、タグ側アンテナのループコイルへの磁束の入射及び出射を乱れのない円滑なものとすることができるので、さらに確実に通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
上記目的を達成するために、第2発明は、ループコイルを備え情報を送受信するタグ側アンテナと情報を記憶するIC回路部とを備えた、少なくとも1つの無線タグ回路素子と、前記無線タグ回路素子が設けられ、貼り付け面に対し貼り付けられるときには立体化されるラベル本体とを有し、前記ラベル本体は、前記立体化されたときにおいて前記ループコイルと鎖交する磁束を入射する入射面と、前記立体化されたときにおいて前記入射面より入射された磁束を出射する出射面とを備えることを特徴とする。
本願第2発明の無線タグラベルにおいては、貼り付け面に対し貼り付けるときにラベル本体が立体化される。これにより、ラベル本体のうち貼り付け面から自立する部分に無線タグ回路素子を設けるようにすることで、無線タグラベルを貼り付け面に貼り付けた後、無線タグ回路素子を貼り付け面から離間させた状態を確実に維持することが可能となる。この結果、金属の貼り付け面(又は金属が近くに存在する貼り付け面)に貼り付けた場合であっても通信障害を招くことなく、通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
このとき、無線タグ回路素子のタグ側アンテナとしてループコイルが用いられており、無線タグ通信装置側との通信時には、コイルの電路と鎖交する磁束によって電磁誘導により通信が行われる。ここで、本願第2発明においては、上記のように離間した状態に維持される無線タグ回路素子に対応して、上記磁束を入射する入射面と磁束を出射する出射面とがラベル本体に設けられている。これにより、貼り付け面の材質(金属であるかどうか等)による磁束への影響をなくし、タグ側アンテナのループコイルへの磁束の入射及び出射を乱れのない円滑なものとすることができるので、さらに確実に通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
第3発明は、上記第2発明において、前記ラベル本体は、貼り付け面に対し貼り付けるための貼り付け部と、前記貼り付け部に連設され、前記貼り付け部に対し所定角度をもって自立するための、若しくは、前記貼り付け面から離間する離間面を備え前記貼り付け面から自立するための、自立部とを備え、前記無線タグ回路素子は、前記自立部に設けられ、前記自立部は、前記入射面及び前記出射面を備えていることを特徴とする。
ラベル本体の自立部に無線タグ回路素子を設けることにより、無線タグラベルを貼り付け面に貼り付けた後、無線タグ回路素子を貼り付け面から離間させた状態を確実に維持することができる。また、磁束を入射する入射面と磁束を出射する出射面とを無線タグ回路素子を備えた上記自立部に設けることにより、タグ側アンテナのループコイルへの磁束の入射及び出射を乱れのない円滑なものとすることができる。
第4発明は、上記第2又は第3発明において、前記ラベル本体は、前記立体化を実現するための折り曲げ用の線又は切り込み用の線のうち少なくともいずれかを備えていることを特徴とする。
これにより、ラベル本体に対して切り込み用の線に沿って切り込みを入れたり折り曲げ用の線に沿って折り曲げたりすることで、貼り付け面に対し貼り付ける部分と、折り曲げ線を介した折り曲げ構造により貼り付け面に対し自立される部分とを有する立体構造を形成し立体化を実現することができる。
第5発明は、上記第4発明において、前記折り曲げ用の線と前記切り込み用の線との両方を備え、前記折り曲げ用の線と前記切り込み用の線は互いに異なる態様で前記ラベル本体に印字されていることを特徴とする。
これにより、折り曲げ用の線と切り込み用の線を明確に区別することができ、これにより誤って折り曲げ用の線に切り込みを入れて無線タグラベルを破損してしまう可能性を抑え、所望の立体構造を形成する確実性が向上する。
第6発明は、上記第4又は第5発明において、前記折り曲げ用の線は山折り線と谷折り線からなり、互いに異なる態様で前記ラベル本体に印字されていることを特徴とする。
これにより、使用者が無線タグラベルを折り曲げる際に確実に立体構造を形成することが可能となる。この結果、金属の貼り付け面に(又は金属が近くに存在する貼り付け面)貼り付けた場合であっても通信障害を招くことなく、通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
第7発明は、上記第2又は第3発明において、前記ラベル本体は、前記立体化を実現するための切り込みを備えていることを特徴とする。
これにより、切り込みを広げてその近傍部分等の適宜の箇所を貼り付け面に貼り付けることで、無線タグ回路素子を貼り付け面から離間させた状態を確実に維持できる立体構造を形成することが可能となる。この結果、金属の貼り付け面に(又は金属が近くに存在する貼り付け面)貼り付けた場合であっても通信障害を招くことなく、通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
第8発明は、上記第4又は第7発明において、前記ラベル本体は、複数の前記折り曲げ用の線を備えており、すべての前記複数の折り曲げ用の線が、前記ラベル本体の長手方向と略平行に配置されているか、若しくは、すべての前記複数の折り曲げ用の線が、前記ラベル本体の短手方向と略平行に配置されていることを特徴とする。
ラベル本体の長手方向に略平行な複数の折り曲げ用の線を設けた場合、これら折り曲げ用の線に沿って折り曲げることで、貼り付け面からの突出高さが比較的小さく、かつ突出した部分のラベル本体長手方向長さが比較的大きい、安定感のある立体構造を実現することができる。ラベル本体の短手方向に略平行な複数の折り曲げ用の線を設けた場合、これら折り曲げ用の線に沿って折り曲げることで、貼り付け面からの突出高さが比較的大きく、かつ突出した部分のラベル本体長手方向長さが比較的小さい、立体性の大きい立体構造を実現することができる。
第9発明は、上記第8発明において、前記ラベル本体に備えられた前記複数の折り曲げ用の線は、前記貼り付け部と前記自立部との境界に設けられ、前記自立部を自立させるための貼り付け側折り曲げ線と、前記自立部内に設けられた自立側折り曲げ線とを含むことを特徴とする。
貼り付け側折り曲げ線によって、貼り付け面に貼り付けられる貼り付け部から立体的に立ち上がる部位の構造を実現することができる。自立側折り曲げ線によって、貼り付け面から離間した部分における折り曲げ構造を実現することができる。
第10発明は、上記第9発明において、前記ラベル本体は、前記複数の折り曲げ用の線のうち前記自立側折り曲げ線とこれに隣接する前記貼り付け側折り曲げ線との間、若しくは、前記複数の折り曲げ用の線のうち前記自立側折り曲げ線とこれに隣接する前記自立側折り曲げ線との間に、所定の印字がなされた少なくとも1つの印字領域を備えることを特徴とする。
これにより、貼り付け面に貼り付けられる貼り付け部ではなく、貼り付け面から立体的に立ち上がる部分に印字領域を配置することができる。この結果、印字領域の印字に対する使用者からの視認性を向上することができる。
第11発明は、上記第10発明において、前記ラベル本体は、第1印字領域と、前記第1印字領域と前記折り曲げ用の線を挟み反対側に設けられた第2印字領域とを含む複数の前記印字領域を備えており、前記第1印字領域には、ラベル長手方向に沿って、横向きの順方向印字がなされており、前記第2印字領域には、ラベル長手方向に沿って、前記第1印字領域の印字方向と上下反転した反転方向印字がなされていることを特徴とする。
これにより、折り曲げ用の線を介し折り曲げられた状態で立体化されたとき、使用者が折り曲げ用の線の一方側から見た第1印字領域の印字の態様と、使用者が折り曲げ用の線の他方側から見た第2印字領域の印字の態様とを、同一のものとすることができる。すなわち、2方向から同一の印字内容を視認させることができるので、さらに確実に視認性を向上することができる。
第12発明は、上記第4発明、第8乃至第11発明のいずれかにおいて、前記ラベル本体は、略テープ状の第1テープ基材層と、この第1テープ基材層を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着剤層と、この貼り付け用粘着剤層の前記貼り付け側を覆う剥離材層と、前記第1テープ基材層にその長手方向に所定の間隔で配置され、前記無線タグ回路素子をそれぞれ配置した略シート状の複数のアンテナ基材とを備えた積層構造により構成されていることを特徴とする。
貼り付け用粘着剤層を剥離材層で覆う構造とすることにより、使用者は剥離材層を剥がすだけで貼り付け用粘着剤層により無線タグラベルを所望の箇所に貼り付けることができ、利便性を向上することができる。
第13発明は、上記第4、第8乃至第11発明のいずれかにおいて、前記ラベル本体は、略テープ状に構成され、その長手方向に所定の間隔で複数の前記無線タグ回路素子を印刷により形成した第2テープ基材層と、この第2テープ基材層を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着剤層と、この貼り付け用粘着剤層の前記貼り付け側を覆う剥離材層とを備えた積層構造により構成されていることを特徴とする。
貼り付け用粘着剤層を剥離材層で覆う構造とすることにより、使用者は剥離材層を剥がすだけで貼り付け用粘着剤層により無線タグラベルを所望の箇所に貼り付けることができ、利便性を向上することができる。また無線タグ回路素子を印刷にて形成することによりラベル本体の厚さを低減することができ、この結果、ラベル本体の立体化作業が容易となり、また立体化形状の自由度を大きくすることができる。
第14発明は、上記第12又は第13発明において、前記ラベル本体は、所定の印字がなされた被印字テープ層と、前記テープ基材層を、前記被印字テープ層に貼り合わせるための貼り合わせ用粘着剤層とをさらに備えた積層構造により構成されていることを特徴とする。
これにより、被印字テープ層の貼り合わせ側に印字を行う(この場合鏡像印字となる)ようにすることで、無線タグラベルの表面側に印字面が露出しない構造とすることができる。この結果、水や汚れに強い無線タグラベルを実現することができる。
第15発明は、上記第12乃至第14発明のいずれかにおいて、前記剥離材層のうち、前記折り曲げ用の線に対応する部分の少なくとも一部に切断線が形成されていることを特徴とする。
使用者が無線タグラベルを貼り付け面に貼り付けるとき、実際に剥離材層を剥離して粘着剤層を露出する必要があるのはラベル本体のうちの貼り付け部だけであり、自立部では必ずしも粘着剤層を露出させる必要はない。本願第15発明の無線タグラベルにおいては、自立部と貼り付け部の境界線となる折り曲げ用の線に対応する少なくとも一部で剥離材層だけに切断線が形成されている(ハーフカットされている)。これにより、剥離する必要のある貼り付け部の剥離材層部分だけを容易に剥離させることができる。また、その切断線の存在によって折り曲げ用の線において折り曲げやすくなる効果もある。
上記目的を達成するために、第16の発明は、ループコイルを備え情報を送受信するタグ側アンテナと情報を記憶するIC回路部とを備えた、少なくとも1つの無線タグ回路素子が設けられ、貼り付け面に対し貼り付けられ立体化されたときにおいて前記ループコイルと鎖交する磁束を入射する入射面と、前記立体化されたときにおいて前記入射面より入射された磁束を出射する出射面とを備えるラベル本体を有するラベル媒体を搬送する搬送手段と、前記無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う送受信手段とを有することを特徴とする。
本願第16発明のタグラベル作成装置においては、搬送手段でラベル媒体を搬送し、ラベル媒体に備えられた無線タグ回路素子に対し送受信手段で情報送受信を行うことで、無線タグラベルを作成することができる。作成された無線タグラベルは、ラベル本体のうち貼り付け面に対し自立する部分を自立させ立体化することで立体構造体を形成することができる。したがって、ラベル本体のうち当該自立する部分に予め無線タグ回路素子を設けておくことで、作成された無線タグラベルの立体構造体を貼り付け面に貼り付けた後、無線タグ回路素子を貼り付け面から離間させた状態を確実に維持することが可能となる。この結果、金属の貼り付け面(又は金属が近くに存在する貼り付け面)に貼り付けた場合であっても通信障害を招くことなく、通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
このとき、本願第16発明においては、無線タグ回路素子のタグ側アンテナとしてループコイルが用いられており、無線タグ通信装置側との通信時には、コイルの電路と鎖交する磁束によって電磁誘導により通信が行われる。そして、ラベル媒体では、上記のように離間した状態に維持される無線タグ回路素子に対応して、上記磁束を入射する入射面と磁束を出射する出射面とが自立部に設けられている。これにより、貼り付け面の材質(金属であるかどうか等)による磁束への影響をなくし、タグ側アンテナのループコイルへの磁束の入射及び出射を乱れのない円滑なものとすることができるので、さらに確実に通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
第17発明は、上記第16発明において、前記搬送手段で搬送される前記ラベル媒体に対し、前記立体化を実現するための折り曲げ用の線及び切り込み用の線のうち少なくとも前記折り曲げ用の線を印字する線印字手段を有することを特徴とする。
これにより、作成したタグラベルのラベル媒体に対して切り込み用の線に沿って切り込みを入れるとともに折り曲げ用の線に沿って折り曲げることで、貼り付け面に対し貼り付ける部分と折り曲げ線を介した折り曲げ構造により貼り付け面に対し自立される部分とを有する立体構造を形成し、この自立される部分に無線タグ回路素子が設けられる無線タグ構造体を形成することができる。
第18発明は、上記第17発明において、前記ラベル媒体の所定の印字領域に対し文字又は図像を印字するために設けられ、前記ラベル本体に備えられた第1印字領域に対しラベル長手方向に沿って横向きの順方向印字を行い、前記ラベル本体に備えられ前記第1印字領域と前記折り曲げ用の線を挟み反対側に設けられた第2印字領域に対しラベル長手方向に沿って前記第1印字領域の印字方向と上下反転した反転方向印字を行う、文字・図像印字手段を有することを特徴とする。
文字・図像印字手段で文字や図像などをラベル媒体に印字することにより、例えば無線タグ回路素子に記憶された情報を、これに関連付けられた文字や図像によって視覚的に明らかにすることが可能となる。また、第1印字領域に横向き順方向印字、第2印字領域に反転方向印字を行うことにより、折り曲げ用の線を介し折り曲げられた状態で立体化されたとき、使用者が折り曲げ用の線の一方側から見た第1印字領域の印字の態様と、使用者が折り曲げ用の線の他方側から見た第2印字領域の印字の態様とを、同一のものとすることができる。すなわち、2方向から同一の印字内容を視認させることができるので、さらに確実に視認性を向上することができる。
第19発明は、上記第16乃至第18発明のいずれかにおいて、前記搬送手段で搬送される前記ラベル媒体に対し、前記立体化を実現するための切り込みを形成する切り込み形成手段を有することを特徴とする。
これにより、切り込み形成手段で切り込みを形成したタグラベルを作成することができる。この作成したタグラベルのラベル媒体に対して切り込みを広げて適宜の部分を貼り付け面に貼り付けることで、無線タグ回路素子を貼り付け面から離間させた状態を確実に維持できる立体構造を形成することができる。
本発明によれば、貼り付け面の材質による磁束への影響をなくし、通信の円滑性・信頼性を向上することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に、貼り付けられた状態の本実施形態による無線タグの全体構造を示す。
図1において、この無線タグ(無線タグ構造体)Tは、金属板M(又は金属が近くに存在する面でもよい。以下同様)の表面(以下、貼り付け面Sという)に対し貼り付けるための2つの貼り付け部2a,2b(以下適宜、貼り付け部2という)と、貼り付け面Sに対し自立する自立部3とを有し、貼り付け部2を介して貼り付け面Sに貼り付けられている。なお、図示のような薄い金属板Mの貼り付け面Sでなく、例えば金属の鋳塊物などの表面に貼り付けてもよい(以下、各変形例についても同様)。
自立部3は、貼り付け部2a,2bの間に連設され、この例では、それら貼り付け部2a,2bに対し上方に所定角度で折り曲がる断面略二等辺三角形状に形成されている。この自立部3の三角形の両側面を構成する傾斜面3a,3bのうち、一方の傾斜面3aの左寄りの位置に、無線タグ回路素子Toがラベル長手方向に設けられている。この無線タグ回路素子Toは、IC回路部150と、このIC回路部150に接続されたタグ側アンテナ151とを備えている。タグ側アンテナ151は、この例では全体の外郭形状が略長方形状となる、ループコイルLCを備えている。
また自立部3の2つの傾斜面3a,3bの一端(この例では図1中右奥)寄りの位置には、所定の文字、記号、バーコード等の印字Rがラベル長手方向に施されている。この印字Rは、例えば、無線タグ回路素子Toに記憶された情報(無線タグ情報)に対応する文字(この例では、「ABCDEFGHIJK」の文字)が印刷されている。
上記構成の無線タグTは、後述するようにタグラベル作成装置によって作成されたテープ形状の無線タグラベルL(後述の図2参照)を、ユーザが所定の折り曲げ用の線(折り曲げ線)7,6で折り曲げ、立体化することによって図1に示す立体構造としたものである。図2に、無線タグTを作成するための上記無線タグラベルLの平面図を示す。図1と同等の部分には同一の符号を付している。
図2において、無線タグラベルLは、テープ形状に作成されたラベル本体4を備え、この例ではラベル本体4の長手方向に平行に折り曲げ線6,7が設けられている。このうち折り曲げ線6(自立側折り曲げ線)は山折り用の線(以下適宜、単に「山折り線6」という)であり、ラベル本体4の幅方向(図示上下方向)の中央に、所定の態様(この例では一点鎖線)で印字されている。折り曲げ線7(貼り付け側折り曲げ線)は谷折り用の線(以下適宜、単に「谷折り線7」という)であり、上記山折り線6の図示上下の幅方向中央に山折り線6とは別の所定の態様(この例では点線)でラベル本体4の長手方向に印字されている。これにより、ラベル本体4の図示上下の谷折り線7の外側(上方及び下方)に、それぞれ上記貼り付け部2b,2aが区画される。また、図示上下の谷折り線7と図示中央の山折り線6との間に、それぞれ上記傾斜面3b,3aからなる自立部3が区画される。これにより、無線タグラベルLのラベル本体4を図示上下の谷折り線7で谷折りし、図示中央の山折り線6で山折りすることにより、2つの貼り付け部2a,2bの間で断面二等辺三角形状に自立部3が立ち上がり、図1に示した無線タグTの立体構造が得られる。
このとき、上記ラベル本体4は、図示中央の山折り線6と図示下側の谷折り線7との間(この例では、図示左側寄りの位置)に上記無線タグ回路素子Toをラベル長手方向に備えている。またラベル本体4は、図示中央の山折り線6と図示下側の谷折り線7との間(この例では、図示右側寄りの位置)が第1印字領域Q1に、図示中央の谷折り線6と図示上側の山折り線7との間(この例では、図示右側寄りの位置)が第2印字領域Q2になっている。第1印字領域Q1には、ラベル長手方向に沿って、上記印字Rが図示左から右の横向きの順方向に形成されている。一方、第2印字領域Q2には、ラベル長手方向に沿って、上記印字Rが(第1印字領域Q1の印字方向とは上下及び左右を反転した)逆方向に形成されている。
図3に、ラベル本体4の積層構造のうち、無線タグ回路素子To付近の要部断面構造を示す。
図3において、この例では、無線タグラベルLのラベル本体4は、無線タグ回路素子To及びその近傍を除くと基本的に5層構造となっている。すなわち、ラベル本体4は、その表側(図3中上側)から反対側(図3中下側)へ向けて順に、カバーフィルム(被印字テープ層)103と、適宜の粘着剤からなる粘着層(貼り合わせ用粘着剤層)101aと、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から成る色付きのベースフィルム(第1テープ基材層)101bと、適宜の粘着剤からなる粘着層(定置用粘着剤層)101cと、無線タグ回路素子Toが配置されたアンテナパターンシート161(アンテナ基材)と、適宜の粘着剤からなる粘着層(貼り付け用粘着剤層)101dと、粘着層101dを覆う剥離紙(剥離材層)101eとが積層して設けられている。
無線タグ回路素子Toは、前述のようにIC回路部150とタグ側アンテナ151とにより構成されており、これらは保護フィルム160により被覆されている。保護フィルム160は例えば樹脂から構成されている。
カバーフィルム103の裏面には(ただし図3に示す断面位置では図示されない。図2参照)、折り畳み用の線6,7の印字及び上記印字Rが施されている。このようにカバーフィルム103(被印字テープ層)の貼り合わせ側に印字を行う(この場合鏡像印字となる)ようにすることで、無線タグラベルLの表面側に印字面が露出しない構造とすることができる。この結果、水や汚れに強い無線タグラベルを実現することができる。
粘着層101dを剥離紙101eで覆う構造とすることにより、使用者は剥離紙101eを剥がすだけで粘着層101dにより無線タグTを所望の箇所に貼り付けることができ、利便性を向上することができる。このとき、剥離紙101eのうち折り曲げ線6,7に対応する部分の少なくとも一部(この例では全部)に、切断線HCが形成されている(但し、折り曲げ線6,7の長手方向一部、あるいは全折り曲げ線6,7のうちの一部に設けてもよい)。これには以下のような意義がある。すなわち、使用者が無線タグラベルLを貼り付け面Sに貼り付けるとき、実際に剥離紙101eを剥離して粘着層101dを露出する必要があるのはラベル本体4のうちの貼り付け部2a,2bだけであり、自立部3では必ずしも粘着層101dを露出させる必要はないからである。自立部3と貼り付け部2の境界線となる折り曲げ線6,7に対応する少なくとも一部で剥離紙101eだけに切断線HCが形成される(ハーフカットされている)ことで、剥離する必要のある貼り付け部2a,2bの剥離紙101e部分だけを容易に剥離させることができる。また、その切断線HCの存在によって折り曲げ線において折り曲げやすくなる効果もある。
図4は、上記無線タグTの機能的構成を表す機能ブロック図である。
この図4において、無線タグ回路素子Toは、図示しない無線タグ通信装置側のアンテナと所定周波数(例えばHF帯等)の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記タグ側アンテナ151と、このタグ側アンテナ151に接続され情報記憶機能を備えた上記IC回路部150とを有している。
IC回路部150は、タグ側アンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグ側アンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグ側アンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
変復調部156は、タグ側アンテナ151により受信された上記無線タグ通信装置のアンテナからの通信信号の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグ側アンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により上記タグ側アンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
上記において、本実施形態の最大の特徴は、無線タグ回路素子ToのループコイルLCへ磁束の形状(磁力線)にある。すなわち、ループコイルでは、通信時にはコイルの電路と鎖交する磁束によって電磁誘導により通信が行われる。本実施形態の無線タグTでは、上記のような立体化構造とすることにより、図5に示すように、自立部3の傾斜面3aがループコイルLCに対する磁束を入射する入射面として機能し、自立部3の他方の傾斜面3bがループコイルLCからの磁束を出射する出射面として機能する。したがって、図示のように、貼り付け面Sによる影響を受けないなめらかな磁束Bが実現される。
上記無線タグTは、タグラベル作成装置により作成された無線タグラベルLを折り曲げ立体化することによって形作られる。図6は、その無線タグラベルLを作成するタグラベル作成装置の構成の一例を表す概念的説明図である。
図6において、このタグラベル作成装置100は、カートリッジ120が着脱可能なカートリッジホルダ部120Aと、印字ヘッド105(線印字手段;文字・図像印字手段)と、印字ヘッド105に対向したプラテンローラ119と、搬送ローラ(搬送手段)115及びこれに対向した圧着ローラ118と、装置側アンテナ(送受信手段)106と、高周波回路(送受信手段)101と、切断カッタ107と、この切断カッタ107を駆動して切断動作を行わせるソレノイド108と、そのソレノイド108を制御する切断用ソレノイド駆動回路109と、操作部(選択手段)114と、上記搬送ローラ115を駆動するモータ116と、このモータ116を制御するモータ駆動回路117と、上記高周波回路110、切断用ソレノイド駆動回路109等を介し、タグラベル作成装置100全体の動作を制御するための制御回路102とを有する。
カートリッジ120には、所定間隔で無線タグ回路素子Toが備えられたタグテープ(ラベル媒体)101(上記粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、アンテナパターンシート161、粘着層101d、及び剥離紙101eを備える)が巻回されたタグテープロール104(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)と、カバーフィルム103が巻回されたカバーフィルムロール122とが備えられている。印字ヘッド105は、カバーフィルムロール122から繰り出されたカバーフィルム103の裏面への印字R、及び、上記折り曲げ線6,7の所定の線種(一点鎖線及び点線)による印字を行う。搬送ローラ115は、圧着ローラ118と協働して、タグテープロール104から繰り出されたタグテープ101と、印字が終了したカバーフィルム103とを貼り合わせるとともに、搬送する。装置側アンテナ106は、カバーフィルム103の貼り合わせが終了したタグテープ101の無線タグ回路素子Toに対し、無線通信により情報の送受信を行う。高周波回路110は、装置側アンテナ106を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ためのものである。切断カッタ107は、上記無線タグ回路素子Toへの上記情報書き込みが終了したタグテープ101を所定の長さに切断して無線タグラベルLとする。操作部114は、使用者(操作者)が、印字Rの内容及びその印字Rを行わせる印字領域や無線タグ回路素子Toへの書き込み情報などを選択入力可能に構成されている。
高周波回路110及び制御回路102は公知の構成であり、詳細な説明を省略するが、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を生成し、装置側アンテナ106を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155へ情報書き込みを行う。また制御回路102は有線又は無線の通信回線(ネットワーク)を介して他のコンピュータ、サーバ、端末等と接続されており、それらと情報の送受が可能となっている。
以上説明したように、本実施形態において、無線タグTは、貼り付け部2を介し貼り付け面Sに対し貼り付けられる一方、断面三角形状の自立部3により貼り付け面Sに対し自立される。そして、この自立部3の一方の傾斜面3aに無線タグ回路素子Toが設けられる。これにより、無線タグTの構造体全体を貼り付け面Sに貼り付けた後、無線タグ回路素子Toを貼り付け面Sから離間させた状態を確実に維持することができる。この結果、金属の貼り付け面(又は金属が近くに存在する貼り付け面)Sに貼り付けた場合であっても通信障害を招くことなく、通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
このとき、無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ151としてループコイルLCが用いられ、無線タグ通信装置側との通信時には、コイルの電路と鎖交する磁束によって電磁誘導により通信が行われる。ここで、本実施形態では、無線タグ回路素子Toが設けられる自立部3の一方の傾斜面3aがループコイルLCに対する磁束を入射する入射面として機能し、他方の傾斜面3bがループコイルLCからの磁束を出射する出射面として機能する。これにより、図5に示したように、貼り付け面Sの材質(金属であるかどうか等)による磁束Bへの影響をなくし、タグ側アンテナ151のループコイルLCへの磁束Bの入射及び出射を乱れのない円滑なものとすることができるので、さらに確実に通信の円滑性・信頼性を確保することができる。
また、本実施形態では特に、無線タグラベルLより無線タグTを形成する際、無線タグラベルLのラベル本体4に対し折り曲げ線6,7を設けていることにより、折り曲げ線6,7に沿って折り曲げることで、貼り付け部2と自立部3とを有する立体構造を形成し立体化を実現することができる。しかも、その折り曲げ線6,7を山折り用か、谷折り用かで線種が異なる態様で印字することにより、使用者が無線タグラベルLを折り曲げる際に確実に立体構造を形成することができる。さらに、全ての折り曲げ線6,7をラベル本体4の長手方向と略平行に配置しているので、これら折り曲げ線6,7に沿って折り曲げて得られる無線タグTは、貼り付け面Sからの自立部3の突出高さが比較的小さく、かつ突出した自立部3の部分のラベル本体4の長手方向長さが比較的大きい、安定感のある立体構造を実現することができる。
また、本実施形態では特に、印字ヘッド105で文字や図像などを印字Rとしてラベル本体4の印字領域Q1,Q2に印字することにより、例えば無線タグ回路素子Toに記憶された情報を、これに関連付けられた文字や図像によって視覚的に明らかにすることができる。このとき、貼り付け面Sに貼り付けられる貼り付け部2ではなく、貼り付け面Sから立体的に立ち上がる自立部2に印字領域Q1,Q2を配置しているので、印字領域Q1,Q2の印字Rに対する使用者からの視認性を向上することができる。しかも、第2印字領域Q2では、印字Rを、第1印字領域Q1の印字方向とは上下及び左右を反転した逆方向に形成している。これにより、無線タグラベルLが無線タグTとして立体化されたとき、使用者が山折り線6の一方側から見た第1印字領域Q1の印字Rの態様と、使用者が山折り線6の他方側から見た第2印字領域Q2の印字Rの態様とを、同一のものとすることができる。すなわち、2方向から同一の印字内容を視認させることができるので、さらに確実に視認性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、タグラベル作成装置100が操作部114を有しており、印字ヘッド105による文字や図像の印字をラベル本体4のうちの貼り付け部2及び折り曲げ自立体部3のいずれに印字するかを、使用者が操作部144によって選択入力することができる。これにより、貼り付け面Sの表面(貼り付け部2の表面)と貼り付け面Sから自立する面(折り曲げ自立体部3の表面)のどちらに文字や図像を印字するかを、確認しやすさなどの比較により任意に選択することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られず、その技術思想及び趣旨を逸脱しない範囲でさらに種々の変形が可能である。以下、それら変形例を示す。
(1)自立部を曲面形状とした場合
上記実施形態では、無線タグTの自立部を断面三角形状に形成したが、本発明はこれに限られず、自立部を曲面状に形成することもできる。
上記実施形態では、無線タグTの自立部を断面三角形状に形成したが、本発明はこれに限られず、自立部を曲面状に形成することもできる。
図7に、本変形例による無線タグTを示し、図8に、図7の無線タグTを作成するための無線タグラベルLを示す。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図7において、この変形例の無線タグTは、上記実施形態と同様、貼り付け面Sに対し貼り付けるための2つの貼り付け部2a,2bと、貼り付け部2a,2bの間に連設された自立部3とを有している。そして、自立部3は、貼り付け面Sから自立して離間した横長の円筒状の離間面3c(2つの湾曲面3c1,3c2からなる)を備えている。無線タグ回路素子Toは、自立部3の離間面3cの円筒頂部STの手前側の湾曲面3c1に(図示左寄りの位置に)設置されている。これにより、自立部3の上記湾曲面3c1,3c2のうち、例えば円筒頂部STの手前側の湾曲面3c1が、タグ側アンテナ151のループコイルLCに対する磁束を入射する入射面として機能し、円筒頂部STを介して反対側の湾曲面3c2が、ループコイルLCからの磁束を出射する出射面として機能する(入射面と出射面とが逆でもよい)。湾曲面3c1,3c2の図示右寄りの位置には、所定の印字R(この例では「ABCDEFGHIJK」の文字)が施されている。
上記無線タグTを形成するための無線タグラベルLは、図8に示すように、テープ形状のラベル本体4の長手方向に折り曲げ線として谷折り用の線(谷折り線)7が幅方向に間隔を開けて所定の態様(点線)の印字で2本設けられている。ラベル本体4の図示上下の谷折り線7の外側にそれぞれ上記貼り付け部2b,2aが区画され、上下の谷折り線7の間に円筒状の自立部3が区画されている。そして、その自立部3のうち図中仮想線8(上記円筒頂部STに相当)で示す図示中心位置から上下の部分が湾曲面3c2,3c1に対応している。
またラベル本体4は、図示中央の上記仮想線8と図示下側の谷折り線7との間の図示左寄りの位置に第1印字領域Q1が、図示中央の仮想線8と図示上側の山折り線7との間の図示右寄りの位置に第2印字領域Q2がそれぞれ備えられている。上記実施形態と同様、第1印字領域Q1には、ラベル長手方向に沿って印字Rが左から右の横向きの順方向になされ、第2印字領域Q2には、ラベル長手方向に沿って印字Rが第1印字領域Q1の印字方向とは上下及び左右を反転した逆方向になされている。
上記構成の無線タグラベルLを折り曲げ線7に沿って折り曲げることによって、図7に示した本変形例の無線タグTの立体構造が得られる。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、貼り付け面Sから離間する離間面3cに無線タグ回路素子Toを設けたことにより、無線タグ回路素子Toを貼り付け面Sから離間させた状態を確実に維持することができる。また無線タグ回路素子Toを備えた自立部3の湾曲面3c1,3c2が、磁束を入射する入射面と磁束を出射する出射面としてそれぞれ機能するので、前述と同様、タグ側アンテナ151のループコイルLCへの磁束の入射及び出射を乱れのない円滑なものとすることができる。
(2)折り曲げ線をラベル本体の短手方向に設けた場合
上記実施形態では、無線タグラベルLのラベル本体4の折り曲げ線6,7をラベル本体4の長手方向に設けたが、本発明はこれに限られず、折り曲げ線6,7をラベル本体4の短手方向に設けてもよい。
上記実施形態では、無線タグラベルLのラベル本体4の折り曲げ線6,7をラベル本体4の長手方向に設けたが、本発明はこれに限られず、折り曲げ線6,7をラベル本体4の短手方向に設けてもよい。
図9に、本変形例による無線タグTを示し、図10に、図9の無線タグTを作成するための無線タグラベルLを示す平面図である。上記実施形態や(1)の変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図9において、この変形例の無線タグTは、前述と同様、貼り付け面Sに対し貼り付けるための2つの貼り付け部2a,2bと、貼り付け部2a,2bの間に連設された自立部3とを有している。自立部3は、貼り付け面Sに対し離間方向に長く延びた断面三角形の形状を有し、その自立部3の三角形の両側面を構成する傾斜面3a,3bのうちの一方の傾斜面3aの上方寄りの位置に無線タグ回路素子Toが(その長手方向をラベル長手方向と平行となるように)設けられている。そして、自立部3の傾斜面3aが、無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ151のループコイルLCに対する磁束を入射する入射面として機能し、自立部3の他方の傾斜面3bがループコイルLCからの磁束を出射する出射面として機能する。自立部3の2つの傾斜面3a,3bの高さ方向下部寄りの位置には、所定の印字Rが施されている。
上記無線タグTを形成するための無線タグラベルLは、図10に示すように、テープ形状のラベル本体4の短手方向(ラベル幅方向)に折り曲げ線として山折り用の線(山折り線)6と谷折り用の折り曲げ線(谷折り線)7が印字によって互いに異なる所定の態様(この例ではそれぞれ一点鎖線と破線)で設けられている。ラベル本体4の図示左右の谷折り線7の外側にそれぞれ上記貼り付け部2b,2aが区画され、図示上下の谷折り線7の間に円筒状の自立部3が区画され、図示左右の谷折り線7と図示中央の山折り線6との間に、それぞれ上記傾斜面3a,3bが区画されている。
またラベル本体4は、図示中央の山折り線6と図示左側の谷折り線7との間の図示左寄りの位置に第1印字領域Q1が、図示中央の谷折り線6と図示右側の山折り線7との間の図示右寄りの位置に第2印字領域Q2がそれぞれ備えられている。上記実施形態や(1)の変形例と異なり、本変形例では、第1印字領域Q1には、ラベル短手方向(幅方向)に沿って、上記印字Rが横向きの順方向になされ、第2印字領域Q2には、ラベル短手方向(幅方向)に沿って、上記印字Rが第1印字領域Q1の印字方向とは上下及び左右を反転した逆方向になされている。
上記構成の無線タグラベルLを折り曲げ線6,7に沿って折り曲げることによって、図9に示した本変形例の無線タグTの立体構造が得られる。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。また、無線タグラベルLにおいて、全ての折り曲げ線6,7をラベル本体4の短手方向と略平行に配置している。これにより、折り曲げ線6,7に沿って無線タグラベルLを折り曲げて得られる無線タグTにおいて、貼り付け面Sからの自立部3の突出高さが比較的大きく、かつ突出した自立部3の部分のラベル本体長手方向長さが比較的小さい、立体性の大きい立体構造を実現することができる。
(3)自立部をコの字状とした場合
すなわち、自立部3を、貼り付け面Sに対し離間面を有するコの字状に形成した場合である。
すなわち、自立部3を、貼り付け面Sに対し離間面を有するコの字状に形成した場合である。
図11に、本変形例による無線タグTを示し、図12に、図11の無線タグTを作成するための無線タグラベルLを示す。上記実施形態や各変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図11において、この変形例の無線タグTは、前述と同様、貼り付け面Sに対し貼り付けるための2つの貼り付け部2a,2bと、貼り付け部2a,2bの間に連設された自立部3とを備えている。このとき、自立部3は、各貼り付け部2から直角に折り曲げた2つの垂直面3d1,3d1と、それら垂直面3d1,3d1の先端間を繋ぐ、貼り付け面Sに平行な平行面(離間面)3d2とを備え、全体としてコの字状に形成されている。無線タグ回路素子Toは、自立部3の離間面3d2の中央に(その長手方向がラベル長手方向に平行となるように)設けられている。この結果、自立部3の離間面3d2が、タグ側アンテナ151のループコイルLCに対する磁束を入射する入射面として機能し、自立部3の1対の垂直面3d1,3d1が、ループコイルLCからの磁束を出射する出射面として機能するようになっている(入射面と出射面が逆でもよい)。各垂直面3d1,3d1の高さ方向中間部の位置には、所定の印字Rが施されている。
上記無線タグTを形成するための無線タグラベルLは、図12に示すように、テープ形状のラベル本体4の短手方向(ラベル幅方向)に山折り用の折り曲げ線(山折り線)6が幅方向に間隔を開けて所定の態様(この例では一点鎖線)で2本印字され、その各山折り線6,6の外側に谷折り用の折り曲げ線(谷折り線)7が上記とは別の所定の態様(この例では破線)で各1本印字されている。ラベル本体4の図示左右の谷折り線7の外側にそれぞれ上記貼り付け部2b,2aが区画され、図示左右の谷折り線7と各側の山折り線7との間に上記自立部3の各垂直面3d1が区画され、図示左右の山折り線7,7の間に自立部3の離間面3d2が区画されている。
またラベル本体4は、図示左側の谷折り線7と山折り線6との間の位置に第1印字領域Q1が、図示右側の谷折り線7と山折り線6との間の位置に第2印字領域Q1がそれぞれ備えられている。本変形例においても、上記(2)の変形例と同様、第1印字領域Q1には、ラベル短手方向(幅方向)に沿って、上記印字Rが横向きの順方向になされ、第2印字領域Q2には、ラベル短手方向(幅方向)に沿って、上記印字Rが第1印字領域Q1の印字方向とは上下及び左右を反転した逆方向になされている。
上記構成の無線タグラベルLを折り曲げ線6,7に沿って折り曲げることによって、図11に示した本変形例の無線タグTの立体構造が得られる。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、自立部3の離間面3d2に無線タグ回路素子Toを設けたので、無線タグ回路素子Toを貼り付け面Sから離間させた状態を確実に維持することができる。また自立部3の離間面3d2および垂直面3d1,3d1が、ループコイルLCの磁束を入射・出射する入射面・出射面として機能するので、タグ側アンテナ151のループコイルLCへの磁束の入射及び出射を乱れのない円滑なものとすることができる。
(4)ラベル本体の切り込みを用いて立体化する場合
すなわち、例えばタグラベル作成装置に設けた切り込み用のカッタで無線タグラベルLの作成時に切り込みを入れ、この切り込みを開いて無線タグラベルLを立体化し、無線タグTを形成する場合である。
すなわち、例えばタグラベル作成装置に設けた切り込み用のカッタで無線タグラベルLの作成時に切り込みを入れ、この切り込みを開いて無線タグラベルLを立体化し、無線タグTを形成する場合である。
図13に、本変形例による無線タグTを示し、図14に、図13の無線タグTを作成するための無線タグラベルLを示す。上記実施形態や各変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図13において、この変形例の無線タグTは、前述と同様、貼り付け面Sに対し貼り付けるための3つの貼り付け部2a,2b,2cと、これら貼り付け部2a,2b,2cに対し自立する自立部3とを備えている。このとき、自立部3は、貼り付け部2a,2b,2cに対し直角に折り曲がった垂直面3e1,3e2,3e1からなる平面視コ字状に形成されている。そして、中央の垂直面3e2に上記無線タグ回路素子Toが(その長手方向がラベル長手方向と平行になるように)設けられている。この結果、自立部3の垂直面3e2が、タグ側アンテナ151のループコイルLCに対する磁束を入射する入射面として機能し、この垂直面3e2の両側に相対する各垂直面3e1,3e1が、ループコイルLCからの磁束を出射する出射面として機能するようになっている(入射面と出射面が逆でもよい)。各垂直面3e1,3e1には、所定の印字Rが施されている。
上記無線タグTを作成するための無線タグラベルLは、図14に示すように、テープ形状のラベル本体4の短手方向(ラベル幅方向。図示上下方向)の略中央に谷折りの折り曲げ線7が所定の態様(この例では破線)で印字されている。そして、この例では、自立部3がテープ長手方向(図示左右方向)に3つの部分(垂直面3e1,3e2,3e1)に区分されており、これら垂直面3e1,3e2,3e1同士の境界には山折り用の折り曲げ線6(山折り線)がラベル短手方向(図示上下方向)に上記とは別の所定の態様(この例では一点鎖線)で印字されている。また、本変形例の特徴として、山折り線6より図示下方側の貼り付け部2において、山折り線6の延長線上に切り込み5が入れられている。この結果、折り曲げ線7より図示下方部分が貼り付け部2a,2b,2cに分離されている(言い換えれば貼り付け部2aと貼り付け部2bとの間、及び貼り付け部2bと貼り付け部2cとの間に、切り込み5が設けられている)。
またラベル本体4は、自立部3のうち図示左右両側の各垂直面3e1,3e1にそれぞれ第1及び第2印字領域Q1,Q2が備えられている。本変形例では、それら第1及び第2の印字領域Q1,Q2には、ラベル長手方向(図示左右方向)に沿って、上記印字Rが左から右の横向きの順方向になされている。
上記構成の無線タグラベルLを、折り曲げ線7に沿って谷折りで折り曲げ、さらに(切り込み5を開きつつ)折り曲げ線6を全て山折りで折り曲げることによって、図13に示した本変形例の無線タグTの立体構造を得ることができる。
なお、本変形例の無線タグラベルLをタグラベル作成装置で作成する場合は、図6に示した上記タグラベル装置100において、図示想像線で示したように、ラベル本体4の所定の位置に上記切り込み5を形成するための切込カッタ(切り込み形成手段)111と、この切込カッタ111を駆動して切り込み動作を行わせるソレノイド112と、そのソレノイド112を制御する切込用ソレノイド駆動回路113とをさらに設ければよい。この切込カッタ111はタグテープ101を完全に切断(分断)させる切断カッタ107と異なり、タグテープ101のテープ幅方向の任意の長さで切り込みを入れることができるものである。その他の構成は上記実施形態のものと同じであるため説明を省略する。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、自立部3の垂直面3e2に無線タグ回路素子Toを設けたので、無線タグ回路素子Toを貼り付け面Sから離間させた状態を確実に維持することができる。また自立部3の垂直面3e2及び各垂直面3e1,3e1が、ループコイルLCの磁束を入射・出射する入射面・出射面として機能するので、タグ側アンテナ151のループコイルLCへの磁束の入射及び出射を乱れのない円滑なものとすることができる。さらに本変形例では特に、無線タグラベルLの切り込み5を広げて貼り付け部2a,2b,2cを貼り付け面Sに貼り付けることで、無線タグ回路素子Toを貼り付け面Sから離間させた状態を確実に維持できる立体構造を形成できる。
なお、上記のようにタグラベル作成装置によって切り込み5を形成するのではなく、印字ヘッド105によって無線タグラベルLに切り込み用の線を印字するようにし(このときの印字態様は折り曲げ線6,7と異なるものとしてもよい)、使用者がその切り込み用の線に対し、はさみやカッタ等で手動で切り込みを形成するようにしてもよい。この場合も、上記と同様の効果を得る。
(5)貼り付け部の片側に、自立部を上方に突出させて設けた場合
上記実施形態や(1)〜(3)の変形例では2つの貼り付け部の間に自立部を設けて離間面を形成し、上記(4)の変形例では3つの貼り付け部相互の間の切り込みを用いて自立部を自立させて離間面を形成したが、これに限られない。すなわち、貼り付け部の片側に自立部を連設し、それら貼り付け部と自立部との境界線を谷折りして自立部を上方に突出する姿勢とし、その自立部に無線タグ回路素子Toを設けるようにしてもよい。
上記実施形態や(1)〜(3)の変形例では2つの貼り付け部の間に自立部を設けて離間面を形成し、上記(4)の変形例では3つの貼り付け部相互の間の切り込みを用いて自立部を自立させて離間面を形成したが、これに限られない。すなわち、貼り付け部の片側に自立部を連設し、それら貼り付け部と自立部との境界線を谷折りして自立部を上方に突出する姿勢とし、その自立部に無線タグ回路素子Toを設けるようにしてもよい。
図15に、本変形例による無線タグTを示し、図16に、図15の無線タグTを作成するための無線タグラベルLを示す。上記実施形態や各変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図15において、本変形例の無線タグTは、前述と同様、貼り付け面Sに貼り付けるための1つの貼り付け部2と、この貼り付け部2から自立した自立部3とを備えている。この例では、自立部3は、互いに異なる角度で自立する複数(この例では3つ)の面3f1,3f2,3f3(離間面)が連続した、屈曲構造になっている。
そして、この例では、自立部3の最上端の面3f3は略鉛直姿勢の上下方向に長い面を形成しており、この面3f3に無線タグ回路素子Toが(その長手方向が上下方向となるように)設けられている。この結果、最上端の面3f3の表裏両面のうち一方側(例えば図15中の左側)の面がタグ側アンテナ151のループコイルLCに対する磁束を入射する入射面として機能し、面3f3の他方側(例えば図15中の右側)の面がループコイルLCからの磁束を出射する出射面として機能する。なお、この例では、最上端の面3f3の下に連設した傾斜面3f2に、所定の印字Rが施されている。
上記無線タグTを作成するための無線タグラベルLは、図16に示すように、テープ形状のラベル本体4の短手方向(ラベル幅方向。図示上下方向)に谷折りの折り曲げ線7が所定の態様(この例では破線)で3本印字され、それら3つの折り曲げ線7,7,7の外側にそれぞれ貼り付け部2及び最上端の面3f3が形成され、図示左右の折り曲げ線7,7と中央の折り曲げ線7との間に上記面3f1,3f2が形成されている。また上記面3fには印字領域Qが設けられ、上記印字Rが施されている。
上記構成の無線タグラベルLを3つの折り曲げ線7に沿って順次折り曲げることによって、図15に示した本変形例の無線タグTの立体構造が得られる。なお、折り曲げ線7の数は1本でもよい(この場合、上記屈曲構造ではなく単純なL字型構造となる)し、4本以上でもよい。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、突出して自立する自立部3(この例では面3f3)に無線タグ回路素子Toを設けたので、無線タグ回路素子Toを貼り付け面Sから離間させた状態を確実に維持することができる。また自立部3の面3f3の表裏両面が、ループコイルLCの磁束を入射・出射する入射面・出射面として機能するので、タグ側アンテナ151のループコイルLCへの磁束の入射及び出射を乱れのない円滑なものとすることができる。
(6)異なる積層断面構造の無線タグラベルを用いる場合
以上においては、前述の図3に示した積層構造の無線タグラベルLを立体化して無線タグTを形成したが、これに限られず、他の積層断面構造の無線タグラベルを用いてもよい。
以上においては、前述の図3に示した積層構造の無線タグラベルLを立体化して無線タグTを形成したが、これに限られず、他の積層断面構造の無線タグラベルを用いてもよい。
図17に、本変形例において用いるタグラベル作成装置100の構成の一例を示す。そして、この図17中の拡大図部分に、上記無線タグLを構成するためのタグテープ101′(詳細は後述)の積層断面構造を示す。上記図6と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
本変形例では、カートリッジ120には、上記図6のタグテープロール104に代えて、所定間隔で無線タグ回路素子Toが備えられたタグテープ(ラベル媒体)101′が巻回されたタグテープロール104′(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)が備えられている。
タグテープロール104′に巻回されたタグテープ101′はこの例では8層構造となっている(図17中部分拡大図参照)。すなわち、内側に巻かれる側(図17中右側)よりその反対側(図17中左側)へ向かって、適宜の粘着剤からなり、印字可能な印字面を貼り合わせ側に備えた上記カバーフィルム103を貼り合わせるための粘着剤層101′a(貼り合わせ用粘着剤層)、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成り、後述する印刷基材層101′dのテープ厚み方向一方側(図17中右側)に設けた略テープ状のテープ基材層101′b、適宜の粘着剤からなり、上記印刷基材層101′dと上記テープ基材層101′bとの間に設けた粘着剤層101′c、複数の上記無線タグ回路素子Toがテープ長手方向に連続して設けられた上記印刷基材層101′d(第2テープ基材層)、適宜の粘着剤からなり、上記印刷基材層101′dと後述するテープ基材層101′fとの間に設けた粘着剤層101′e、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成り、上記印刷基材層101′dのテープ厚み方向他方側(図17中左側)に設けた略テープ状のテープ基材層101′f、適宜の粘着剤からなり、上記印刷基材層101′dを貼り付け対象に貼り付けるための粘着剤層101′g(貼り付け用粘着剤層)、この粘着剤層101′gの貼り付け側(図17中左側)を覆うように設けられた剥離紙(剥離材層)101′hの順序で積層され構成されている。なお、上記粘着剤層101′a、テープ基材層101′b、及び粘着剤層101′cが第1テープ101′Aを構成し、粘着剤層101′e、テープ基材層101′f、粘着剤層101′g、及び剥離紙101′hが第2テープ101′Bを構成する。
印刷基材層101′dのテープ厚み方向一方側(図17中右側)の表面上には、IC回路部150及びタグ側アンテナ151を備えた上記無線タグ回路素子Toが印刷により形成されている。この無線タグ回路素子Toは、上記粘着剤層101′cによって内包されるように設けられている。剥離紙101′hは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着剤層101′gにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
なお、上記印刷基材層101′dのテープ厚み方向他方側(図17中左側)の表面上には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置に、搬送制御用の所定の識別マーク(図示省略)を印刷により設けてもよい。
図18に、上記印刷基材層101′dの無線タグ回路素子To形成部分を抽出して示す。また、図19に、IC回路部150を構成する複数の有機回路素子の積層構造を概念的に示す。詳細には、図19(a)に有機トランジスタTr、図19(b)に有機ダイオードDi、図19(c)に有機コンデンサCoの積層構造を示す。
図18において、印刷基材層101′dのテープ厚み方向一方側(図18中紙面手前側)の表面上には、上記無線タグ回路素子Toが所定のインクを用いた印刷により形成されている。この無線タグ回路素子Toは、有機トランジスタTr、有機ダイオードDi、及び有機コンデンサCo等の複数の有機回路素子から構成された、情報を記憶可能なIC回路部150と、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うタグ側アンテナ151とを備えている。
また図19(a)において、上記IC回路部150を構成する有機回路素子の1つである有機トランジスタTrは、上記印刷基材層101′d上に離間して配置され、電極用の導電性材料からなる電極インクを塗布することにより形成されたソース電極161及びドレイン電極162と、これらソース電極161及びドレイン電極162を覆うように配置され、有機半導体材料からなる有機半導体材料インクを塗布することにより形成された有機半導体層163と、この有機半導体層163を覆うように配置され、有機絶縁材料からなる絶縁インクを塗布することにより形成された有機絶縁体層164と、この有機絶縁体層164上に配置され、上記電極インクを塗布することにより形成されたゲート電極165とを有している。
また図19(b)において、上記IC回路部150を構成する有機回路素子の1つである有機ダイオードDiは、上記印刷基材層101′d上に配置され、上記電極インクを塗布することにより形成されたカソード電極171及びアノード電極172と、これらカソード電極171とアノード電極172との間に設けられ、上記電極インクを塗布することにより形成された有機半導体層173とを有している。なお、上記カソード電極とアノード電極の位置は反対でもよい。
また図19(c)において、上記IC回路部150を構成する有機回路素子の1つである有機コンデンサCoは、上記印刷基材層101′d上に配置され、上記電極インクを塗布することにより形成された第1電極181及び第2電極182と、これら第1電極181と第2電極182との間に設けられ、上記絶縁インクを塗布することにより形成された有機絶縁体層183とを有している。
上記IC回路部150は、上記構成である有機トランジスタTr、有機ダイオードDi、及び有機コンデンサCoを含む複数の有機回路素子が所定の位置に配置されるとともに印刷により形成された所定の配線により接続されることにより、以下の図9に示す機能を有するIC回路として構成されている。なお、上記無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ151は、上記電極インクを塗布することにより形成されている。
図3に示した構造のタグテープ101に代え、上記図17、図18、図19で説明した上記タグテープ101′を用いても、上記実施形態や(1)〜(5)の変形例に示した構造の無線タグラベルLを作成することができる。そして、この無線タグラベルLを用いて前述の立体化を行い、上記無線タグTを形作ることができ、前述と同様の効果を得る。またこれに加え、本変形例においては、無線タグ回路素子Toを印刷にて形成することにより無線タグラベルLの厚さを低減することができる。この結果、無線タグラベルLから無線タグTへの立体化作業が容易となり、また立体化形状の自由度を大きくできる効果もある。
(7)その他
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
2 貼り付け部
3 自立部
4 ラベル本体
5 切り込み
6 山折り線(折り曲げ線)
7 谷折り曲線(折り曲げ線)
100 タグラベル作成装置
101 高周波回路(送受信手段)
103 カバーフィルム(被印字テープ層)
105 印字ヘッド(線印字手段、文字・図像印字手段)
106 アンテナ(送受信手段)
115 搬送ローラ(搬送手段)
121 切込カッタ(切り込み形成手段)
150 IC回路部
151 アンテナ(タグ側アンテナ)
L 無線タグラベル
T 無線タグ(無線タグ構造体)
To 無線タグ回路素子
M 金属板
S 貼り付け面
3 自立部
4 ラベル本体
5 切り込み
6 山折り線(折り曲げ線)
7 谷折り曲線(折り曲げ線)
100 タグラベル作成装置
101 高周波回路(送受信手段)
103 カバーフィルム(被印字テープ層)
105 印字ヘッド(線印字手段、文字・図像印字手段)
106 アンテナ(送受信手段)
115 搬送ローラ(搬送手段)
121 切込カッタ(切り込み形成手段)
150 IC回路部
151 アンテナ(タグ側アンテナ)
L 無線タグラベル
T 無線タグ(無線タグ構造体)
To 無線タグ回路素子
M 金属板
S 貼り付け面
Claims (19)
- 貼り付け面に対し貼り付けるための貼り付け部と、
前記貼り付け面に対し自立する自立部と、
前記自立部に設けられ、ループコイルを備え情報を送受信するタグ側アンテナと情報を記憶するIC回路部とを有する、少なくとも1つの無線タグ回路素子と
を有し、
前記自立部は、
前記ループコイルと鎖交する磁束を入射する入射面と、
前記入射面より入射された磁束を出射する出射面とを備える
ことを特徴とする無線タグ構造体。 - ループコイルを備え情報を送受信するタグ側アンテナと情報を記憶するIC回路部とを備えた、少なくとも1つの無線タグ回路素子と、
前記無線タグ回路素子が設けられ、貼り付け面に対し貼り付けられるときには立体化されるラベル本体と
を有し、
前記ラベル本体は、
前記立体化されたときにおいて前記ループコイルと鎖交する磁束を入射する入射面と、
前記立体化されたときにおいて前記入射面より入射された磁束を出射する出射面とを備える
ことを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項2記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体は、
貼り付け面に対し貼り付けるための貼り付け部と、
前記貼り付け部に連設され、前記貼り付け部に対し所定角度をもって自立するための、若しくは、前記貼り付け面から離間する離間面を備え前記貼り付け面から自立するための、自立部と
を備え、
前記無線タグ回路素子は、前記自立部に設けられ、
前記自立部は、
前記入射面及び前記出射面を備えている
ことを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項2又は請求項3記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体は、
前記立体化を実現するための折り曲げ用の線又は切り込み用の線のうち少なくともいずれかを備えている
ことを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項4記載の無線タグラベルにおいて、
前記折り曲げ用の線と前記切り込み用の線との両方を備え、
前記折り曲げ用の線と前記切り込み用の線は互いに異なる態様で前記ラベル本体に印字されていることを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項4又は請求項5記載の無線タグラベルにおいて、
前記折り曲げ用の線は山折り線と谷折り線からなり、互いに異なる態様で前記ラベル本体に印字されていることを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項2又は請求項3記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体は、
前記立体化を実現するための切り込みを備えている
ことを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項4又は請求項7記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体は、
複数の前記折り曲げ用の線を備えており、すべての前記複数の折り曲げ用の線が、前記ラベル本体の長手方向と略平行に配置されているか、若しくは、すべての前記複数の折り曲げ用の線が、前記ラベル本体の短手方向と略平行に配置されている
ことを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項8記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体に備えられた前記複数の折り曲げ用の線は、
前記貼り付け部と前記自立部との境界に設けられ、前記自立部を自立させるための貼り付け側折り曲げ線と、
前記自立部内に設けられた自立側折り曲げ線とを含む
ことを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項9記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体は、
前記複数の折り曲げ用の線のうち前記自立側折り曲げ線とこれに隣接する前記貼り付け側折り曲げ線との間、若しくは、前記複数の折り曲げ用の線のうち前記自立側折り曲げ線とこれに隣接する前記自立側折り曲げ線との間に、所定の印字がなされた少なくとも1つの印字領域を備える
ことを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項10記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体は、
第1印字領域と、前記第1印字領域と前記折り曲げ用の線を挟み反対側に設けられた第2印字領域とを含む複数の前記印字領域を備えており、
前記第1印字領域には、ラベル長手方向に沿って、横向きの順方向印字がなされており、
前記第2印字領域には、ラベル長手方向に沿って、前記第1印字領域の印字方向と上下反転した反転方向印字がなされている
ことを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項4、請求項8乃至請求項11のいずれか1項記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体は、
略テープ状の第1テープ基材層と、
この第1テープ基材層を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着剤層と、
この貼り付け用粘着剤層の前記貼り付け側を覆う剥離材層と、
前記第1テープ基材層にその長手方向に所定の間隔で配置され、前記無線タグ回路素子をそれぞれ配置した略シート状の複数のアンテナ基材と
を備えた積層構造により構成されていることを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項4、請求項8乃至請求項11のいずれか1項記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体は、
略テープ状に構成され、その長手方向に所定の間隔で複数の前記無線タグ回路素子を印刷により形成した第2テープ基材層と、
この第2テープ基材層を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着剤層と、
この貼り付け用粘着剤層の前記貼り付け側を覆う剥離材層と
を備えた積層構造により構成されていることを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項12又は請求項13記載の無線タグラベルにおいて、
前記ラベル本体は、
所定の印字がなされた被印字テープ層と、
前記テープ基材層を、前記被印字テープ層に貼り合わせるための貼り合わせ用粘着剤層と
をさらに備えた積層構造により構成されていることを特徴とする無線タグラベル。 - 請求項12乃至請求項14のいずれか1項記載の無線タグラベルにおいて、
前記剥離材層のうち、前記折り曲げ用の線に対応する部分の少なくとも一部に切断線が形成されている
ことを特徴とする無線タグラベル。 - ループコイルを備え情報を送受信するタグ側アンテナと情報を記憶するIC回路部とを備えた、少なくとも1つの無線タグ回路素子が設けられ、貼り付け面に対し貼り付けられ立体化されたときにおいて前記ループコイルと鎖交する磁束を入射する入射面と、前記立体化されたときにおいて前記入射面より入射された磁束を出射する出射面とを備えるラベル本体を有するラベル媒体を搬送する搬送手段と、
前記無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う送受信手段と
を有することを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項16記載のタグラベル作成装置において、
前記搬送手段で搬送される前記ラベル媒体に対し、前記立体化を実現するための折り曲げ用の線及び切り込み用の線のうち少なくとも前記折り曲げ用の線を印字する線印字手段
を有することを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項17記載のタグラベル作成装置において、
前記ラベル媒体の所定の印字領域に対し文字又は図像を印字するために設けられ、前記ラベル本体に備えられた第1印字領域に対しラベル長手方向に沿って横向きの順方向印字を行い、前記ラベル本体に備えられ前記第1印字領域と前記折り曲げ用の線を挟み反対側に設けられた第2印字領域に対しラベル長手方向に沿って前記第1印字領域の印字方向と上下反転した反転方向印字を行う、文字・図像印字手段を有する
ことを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項16乃至請求項18のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記搬送手段で搬送される前記ラベル媒体に対し、前記立体化を実現するための切り込みを形成する切り込み形成手段
を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
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