JP2009113795A - 鉄道車両の発光式握り棒 - Google Patents

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Abstract

【課題】押し出し形材を利用することで、製造が容易で、コストダウンが図れる鉄道車両の発光式握り棒を提供する。
【解決手段】筒状部材2、透明樹脂棒12及び透明カバー13は、いずれも押し出し形材で、筒状部材2の第1および第2の部分2A,2Bに対し、その端部側から、透明樹脂棒12及び透明カバー13を挿入して固定する。透明樹脂棒12の上端面に対向するようにLEDユニット14を、下端面に対向するように反射板15をそれぞれ配置する。透明樹脂棒12の粗面12aからその外方に放射される光は、透孔2Caから透明カバー13を通過して筒状部材2の外に放射される。
【選択図】図2

Description

この発明は、鉄道鉄道車両の乗降口に設けられている発光式握り棒(グリップ)に関するものであり、特にドアの開閉状態を視覚的に報知する機能を併せ持つものである。
従来、鉄道車両においては、乗降口のドアが開閉操作される場合に、乗降口のドアが開閉される旨を音声で案内するのが一般的である。そして、乗客の乗降の際のさらなる安全を確保するために、前記乗降口下方の床面のステップ部(クツズリ)内にライト部を収容し、ライト部内のLED(光源)の点灯或いは点滅によって、プラットホームの縁端と車体との間に隙間や段差があることを車両側において警告し、身障者や高齢者などの車両の乗降口の存在を明確に報知するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかしながら、このようなLEDによる警告は、乗降口下方の床面においてなされるので、ほとんどの乗客にとっては気づきにくく、特に、混雑時においては、室内側からもホーム側からも乗降客によって隠されてしまうため、実際上ほとんど見えない場合もあると考えられる。
ところで、鉄道車両の車体側部に形成される乗降口の側縁近傍には、握り棒(グリップ)が立設されている。これを、前述したような、ドアの開閉の予告、開閉状態の光学的表示に利用することができれば、乗客に見えやすく、見やすさや低コスト化の観点から好都合であることから、前記握り棒の部分に、前述したような光学的な表示手段を設けるようにしたものが提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開2005−145343号公報(段落0018及び図2) 特開2005−145344号公報(段落0016及び図2) 特開2007−230380号公報(段落0010〜0012及び図1、図2)
前記特許文献3に記載のものでは、光学的な表示手段を設けるために、機械加工が多く必要であり、製造が面倒であり、コストアップの原因となる。
この発明は、押し出し形材を利用することで、製造が容易で、コストダウンが図れる鉄道車両の発光式握り棒を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、透光部が形成される筒状部材と、この筒状部材内に嵌挿される透明樹脂棒と、前記透光部に設けられる透明カバーとを備え、前記透明樹脂棒の一端部に対向して発光体が、他端部に対向して反射板がそれぞれ配置され、鉄道車両の乗降口の側部に設けられる鉄道車両の発光式握り棒であって、前記筒状部材、透明樹脂棒及び透明カバーが、断面一様で押し出し成形されたものであり、前記筒状部材は、長手方向に延び前記透明樹脂棒が挿入される第1の部分と、前記透明カバーが挿入される第2の部分とに内部を区画する仕切り壁部を備え、前記透光部は、前記筒状部材の第2の部分側に形成され長手方向に沿って前記透明カバーが露出する第1の透光部と、前記仕切壁部に形成され単数又は複数の透孔からなる第2の透光部とを備えることを特徴とする。
このようにすれば、発光体の点灯状態を、戸締め装置(ドアエンジン)に対するドア開閉指令の制御回路に連動して制御して、たとえば、ドア開信号で上記発光体が点滅し、ドア開状態で発光体が連続点灯し、ドア閉信号で発光体が再び点滅し、ドア閉状態で発光体が消灯するように制御して、乗降口におけるドア開閉状態を、視覚的に乗客に報知し、乗客の注意を喚起することができる。
特に、前記筒状部材、透明樹脂棒及び透明カバーはいずれも、断面一様で押し出し成形された押し出し形材であるので、仕切壁部に透孔を形成し、前記筒状部材のいずれかの端部側から、第1及び第2の部分に透明樹脂棒及び透明カバーをそれぞれ挿入すれば組み付けることができる。よって、製造が容易であり、コストダウンを図る上でも有利である。
請求項2に記載のように、上記発光体は、発光ダイオード(LED)である構成とすることができる。
このようにすれば、発光ダイオードでもって発光体を簡単に構成することができる。
請求項3に記載のように、上記透明樹脂棒の、前記仕切壁部側の外周面は、帯状の平坦面に形成され、その平坦面全体が粗面に仕上げられていることが望ましい。
このようにすれば、透明樹脂棒内の光が粗面からその外へ放射され、透明カバーを通じて外部に放射される。
請求項4に記載のように、前記筒状部材の各端部に中空形状の取付ブラケットが固定され、前記取付ブラケットの中空部内に前記発光体及び反射板がそれぞれ配置されている構成とすることができる。
このようにすれば、筒状部材の各端部に固定される中空形状の取付ブラケットの中空部を利用して、発光体や反射板が無理なく配置される。
請求項5に記載のように、鉄道車両の側壁部に形成され上下方向に延びる凹部内に設けられる構成とされ、前記筒状部材は、上下端部が前記凹部の上下面に形成される取付孔に挿入されるとともに上下端部が取付具を介して固定されている構成とすることができる。
このようにすれば、鉄道車両の側壁部に形成され上下方向に延びる凹部を利用して、簡単に取り付けられる。
請求項6に記載のように、前記透明樹脂棒は、前記反射板が設けられている端部側であって前記透明カバーとは反対側に、前記反射板側から前記発光体側に向けて、深さが徐々に浅くなる傾斜面が形成されていることが望ましい。
このようにすれば、発光体からの光が傾斜面において透明樹脂棒内に反射され、透光部に向けて反射される光量が増加する。
その場合、請求項7に記載のように、前記傾斜面は、前記発光体側からの光の一部を前記反射板を介して前記反射板側に反射させる一方、前記発光体側からの光の他の一部を前記反射板を介して前記発光体側に反射させることが望ましい。
このようにすれば、前記傾斜面によって反射される前記発光体側からの光の一部が、前記反射板を介して前記反射板側に、他の一部が前記反射板を介して前記発光体側に反射されるので、前記反射板や発光体が設けられる端部付近が明るくなる。
以上のように構成したから、本発明は、発光体の点灯を制御することで、乗降口におけるドア開閉状態を、視覚的に乗客に報知し、乗客の注意を喚起することができる。
特に、前記筒状部材、透明樹脂棒及び透明カバーとして、断面一様で押し出し成形されたものを用いているので、筒状部材の仕切壁部に透孔を形成し、筒状部材の第1及び第2の部分に透明樹脂棒及び透明カバーをそれぞれ挿入することで製造することができる。よって、製造が容易であり、コストダウンを図る上でも有利である。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
図1は本発明に係る発光式握り棒を鉄道車両の車体に取り付けた状態を、車室内側から見た正面図、図2(a)(b)(c)はそれぞれ、発光式握り棒の両端に取付ブラケット
が取り付けられた状態を示す正面図、図2(b)は一部を断面にして示す同側面図、図2(c)は同平面図、図3は発光式握り棒を分解して示す分解斜視図である。
図1に示すように、発光式握り棒1は、金属(例えばアルミニウム合金)製の筒状部材2を有し、その筒状部材2の上下両端に取付用ブラケット3,4が止めネジ(取付用ブラケット4についての止めネジ5のみ図示)にてそれぞれ固定されている。これら取付ブラケット3,4を介して、鉄道車両Sの乗降口S1(出入り口)の両側に取り付けられている。握り棒1は、取付壁面に対し、取付ブラケット3,4が傾斜した状態で取り付けられる。
図2及び図3に示すように、筒状部材2は、内部が、長手方向に延び透明樹脂棒12が挿入される第1の部分2Aと、長手方向に延び透明カバー13(例えば、ポリカーボネート)が挿入される第2の部分2Bとに仕切り壁部2Cにて区画されている。第2の部分2Bにおいては、透明カバー13が露出する隙間2Ba(第1の透光部)が筒状部材2の長手方向に沿って形成されている。また、仕切壁部2Cには、NC加工などの機械加工により、複数の長孔形状の透孔2Ca(第2の透光部)が部分的に形成されている。よって、第1の透光部となる隙間2Baは、押し出し成形時に成形されるので、押し出し成形材を所定長さの筒状部材2とする切断する加工と、隙間2Baを通じて透孔2Caを形成する加工とだけで、前述した握り棒1に用いられる筒状部材2が形成される。
また、筒状部材2、透明樹脂棒12及び透明カバー13は、いずれも押し出し形材で、一様断面であるので、筒状部材2に対し、その端部側から、透明樹脂棒12及び透明カバー13を長手方向に沿って挿入し、それらを止めネジ16で固定することで、握り棒1が製造される。なお、透明カバー13は、取付用ブラケット3,4が取り付けられた状態で、握り棒1の端部に接触する内側フランジ部3a,4aによって移動不能に規制される。
一方の取付ブラケット3内において、透明樹脂棒12の一端面に対向するようにLEDユニット14が取付具17を介して固定されている。他方の取付ブラケット4内に、透明樹脂棒12の他端面に対向するように反射板15が配置されている。そして、この握り棒1を発光させる発光装置は、透明樹脂棒12と、この透明樹脂棒12の一端面側に配置した高輝度LED14a(LEDユニット14)と、他端面側に配置した反射板15との、3つの要素によって実質的に構成される。
透明樹脂棒12は透明な合成樹脂棒であればその材料の如何を特に問わないが、透明度と屈折率の点から、アクリル樹脂が最適である。図3に示すように、透明な円柱状の樹脂棒の外周面の一部が、連続した平坦面に加工されており、その面全体が、ショットブラストなどによる梨地仕上げ加工により粗面となるように加工されて、帯状の粗面12aになっている。この粗面12aは透光面であり、透明樹脂棒12内を通過する光が、粗面12aからその外へ放射される。なお、粗面12aの部分を除く、外周面が湾曲した部分は、樹脂棒12の端面から入射される光が全反射するために、鏡面に近い状態であることが望ましい。
このように加工することによって、断面形状が長手方向において一定である円柱状樹脂棒を、簡便で経済的な加工方法で導光棒として機能するようにできる。
透明樹脂棒12が、筒状部材2の第1の部分2Aに挿入され、その粗面12aが筒状部材2(仕切壁部2C)の透孔2Caと重ねられ、この状態で筒状部材2の第1の部分2Aに止めネジ16にて固定されて、ユニット化される。そして、取付ブラケット3,4が側壁面に取り付けられた状態では、光が外部に漏れないようになっている。
この実施例におけるLEDユニット14は、一つの高輝度のLED14aを用いたものであるが、複数であってもよいのはもちろんである。この発光式握り棒1は、高輝度LED14aを使用することによって、1つのLED14aでも充分な視認性が得られるので、極めて経済的な構造である。
上記のように構成すれば、筒状部材2、透明樹脂棒12及び透明カバー13はいずれも、断面一様で押し出し成形された押し出し形材であるので、仕切壁部2Cに透孔2Caを形成し、筒状部材2のいずれかの端部側から、第1及び第2の部分2A,2Bに透明樹脂棒12及び透明カバー13をそれぞれ挿入すれば組み付けることができる。よって、製造が容易であり、コストダウンを図る上でも有利である。
また、透明樹脂棒12に対して、一端面にLED14a(LEDユニット14)から入射された光は、透明樹脂棒12の外周面に当たることによって、光学上の全反射の原理で内側に反射する。透明樹脂棒12の反対側の他端面を反射板15と対向させ、取付ブラケット3で塞いでいるので、他端面まで行った光も反射板15で反射され、樹脂棒12内へ戻される。しかし粗面12aにおいては全反射される角度以下の角度で光が当たる確率が高いため、粗面12aからその外方に放射される。この粗面12aが、仕切り壁部2Cに形成される透孔2Caに一致していると、上記放射光がこの透孔2Caから透明カバー13を通過して筒状部材2の外に放射される。そして、透明樹脂棒12の一端面から投入された光は、透孔2Caから外方に放射されるので、この透孔2Caが明るく照明される。
そして、乗降口S1の左右の握り棒1は、取付ブラケット3,4が取付壁面に対し傾斜して取り付けられることで、乗降口S1の両側部において室内側に突出し、かつ透孔2Caが乗降口S1の中央側に向かって配置されているので、その透孔2Caからの照明が乗降口S1近傍の車室内側及び車室外側からもよく見えるようになっている。
そして、LEDユニット14のLED14aを、戸締め装置(ドアエンジン)に対するドア開閉指令の制御回路(図示せず)に連動して制御して、前記LED14aの点灯状態でドア開閉の状態を表示することで、ドア開閉状態を視覚的に乗客に報知し、乗客の注意を喚起することができる。LED14aの点灯制御は、たとえば、ドア開信号で上記照明が点滅し、ドア開状態で照明が連続点灯し、ドア閉信号で照明が再び点滅し、ドア閉状態で照明が消灯するという具合に行われる。また、LED14aを点灯制御することにより、ドア開閉の状態を表示することができるだけでなく、鉄道車両の左右どちらのドアが開閉するかを示すこともできる。さらに、再開閉スイッチや戸バサミ検知装置がある場合は、その機能が働いている間は乗客に特に注意を与えるため再び点滅させ、特に点滅の間隔を変えることによって、さらに注意を乗客にあたえることも可能である。
前記実施の形態では、筒状部材の上下端部に中空形状の取付ブラケットが固定され、前記取付ブラケットを介して乗降口の両側に取り付けるようにしているが、本発明はそれに制限されるものではなく、例えば図4〜図6に示すように、鉄道車両の側壁部に形成され上下方向に延びる凹部内に設けられる構成とすることも可能である。
即ち、図4に示すように、乗降口S1の両側に形成され上下方向に長い凹部S2内に筒状部材2(握り棒)が配置され、それらの上下端を、凹部S2内の上下面に形成した取付孔S2a,S2bに嵌め込み、その嵌め込み状態で固定されるようになっている。
筒状部材2は、上端部が、凹部S2内の上底面部に形成される取付孔S2a内に嵌挿され、その挿入部分が、シム31および取付金具32を介して止めネジ33にて固定されている。この取付金具32に、筒状スペーサ34を介してLEDユニット14が、このLEDユニット14の高輝度LED14aが筒状部材2内の透明樹脂棒12の上端面に対向するように取り付けられている。なお、筒状部材2の端部のネジ部に筒状ネジ36がねじ込まれ、固定されている。また、筒状部材2の下端部は、凹部S2の内底面に形成される取付孔S2b内に嵌挿され、その挿入部分が、上端部側と同様に、シム41および取付金具42を介して止めネジ43にて固定されている。この取付金具42の下側には、透明樹脂棒12の下端面に対向するように反射板15を取り付けるためのネジキャップ46が取り付けられている。
前記実施の形態では、透明樹脂棒12は、透明な円柱状の樹脂棒の外周部の一部が平坦面に加工され、その平坦面が帯状の粗面12a(透光面)とされているだけであるが(図3参照)、図7(a)〜(c)に示すように、透明樹脂棒12Aは、反射板を含む反射板ユニットが設けられている端部側であって粗面とは180°反対側(つまり透明カバー13とは反対側)に、反射板12(反射板ユニット)側から発光体(LEDユニット14)側に向けて、深さが徐々に浅くなる傾斜面12Aaを形成することで、前記発光体からの光が傾斜面において内側に反射され、粗面12Ab(透光面)に向けて反射される光量が増加するように構成することも可能である。なお、傾斜面12Aaは円柱状の樹脂棒の外周部を、一定の傾斜角度(例えば0.3°)で斜めに切削して形成されるので、長楕円形状の平面となる。
この傾斜面12Aaによって反射されて光量が増加することを確認するために、図5及び図6に示す発光式握り棒において、透明樹脂棒12あるいは透明樹脂棒12Aを、筒状部材2に装着して、輝度を測定する試験を行った。なお、使用電源は50Hzで、筒状部材の仕切り壁部に形成される透孔は6つである。
試験は、本発明例1(前述したところの傾斜面がない透明樹脂棒12)と本発明例2(傾斜面12Aa(傾斜面の長さL10)がある透明樹脂棒12A)とを前記握り棒にそれぞれ装着し、通電した状態で、図8の上側部分に示すように、各透孔2Ca’(この試験においては、前記実施の形態における各透孔2Caに対し2つの透孔2Ca’を形成し、合計6つの透孔2Ca’としている)の長手方向の中央部に対応する位置P1〜P6で輝度を3回ずつ測定した結果の平均値(cd/m2)を、次の表1に示し、それら(各平均値及びそれらを多項式化したもの)をグラフ化したものを、図8の下側部分に示す。尚、図8(a)(b)における各部の寸法は、L1=787mm,L2=118mm,L3=100mm,L4=125mm,L5=100mm,L6=125mm,L7=100mm,L8=119mm,L9=65mm,L10=210mmである。
Figure 2009113795
この結果より、本発明例2(透明樹脂棒12A)においては、傾斜面12Aaを設けることで、傾斜面12Aaの部位で光の反射角度が調整され、前記発光体(LEDユニット14)側からの光の一部が反射板15を介して反射板15の近くに反射される(図8の下側部分であるグラフのA1参照)一方、発光体側からの光の他の一部が反射板15を介して反射板15から離れた前記発光体側に反射される(図8の下側部分であるグラフのA2参照)ようになることが分かる。よって、本発明例2の場合には、中央部において本発明例1(透明樹脂棒12)と同程度の明るさを維持して、反射板15や前記発光体が設けられる端部付近を、傾斜面を設けない本発明例1の場合よりも明るくすることができる。
本発明は、前述した実施の形態のほか、次に説明するように変更して実施することも可能である。
(i)前記実施の形態では,高輝度LEDを使用することによって、LEDは1つだけ用いていても充分な視認性が得られるが、複数個を用いる構成とすることも可能である。また、複数個用いる場合には、2色以上のLEDを組み合わせて用い、ドアの状態によって色を変えることで、乗客に対しての情報量を増すこともできる。例えば、通常の開状態は白色であるが、戸バサミ事故や指の戸袋への引き込まれ事故等による場合は、赤色LEDを点灯させることにより、注意を喚起させることも可能である。
(ii)前記実施の形態では、筒状部材の仕切壁部に縦一列に透光長孔を配列するようにしているが、本発明はそれに限定されるものではなく、透光長孔を、千鳥状に縦2列に配列することも可能である。千鳥状に配列すれば、同じ横位置で開口(透光長孔)を設けるとパイプの有効断面積が小さくなり握り棒としての強度の低下が大きくなるが、それを回避することができる。強度的に余裕がある構造であれば、並列に透光長孔を配列することもできるのはいうまでもない。
本発明の一実施の形態に係る発光式握り棒を鉄道車両の車体に取り付けた状態を、車室内側から見た正面図である。 図2(a)は発光式握り棒の両端に取付ブラケットが取り付けられた状態を示す正面図、図2(b)は一部を断面にして示す同側面図、図2(c)は同平面図である。 前記発光式握り棒を分解して示す分解斜視図である。 前記発光式握り棒の、他の取付態様を示す説明図である。 図4に示す取付態様の上端部を示し、(a)は平面図、(b)は側面断面図である。 図4に示す取付態様の下端部を示し、(a)は底面図、(b)は側面断面図である。 他の実施の形態である透明樹脂棒を示す図である。 輝度測定試験の測定位置とともに試験結果を示す図である。
符号の説明
S1 乗降口
S2 凹部
1 発光式握り棒
2 筒状部材
2A 第1の部分
2B 第2の部分
2C 仕切壁部
2Ca 透孔
3,4 取付ブラケット
12,12A 透明樹脂棒
12Aa 傾斜面
12a 粗面
13 透明カバー
14 LEDユニット
15 反射板

Claims (7)

  1. 透光部が形成される筒状部材と、この筒状部材内に嵌挿される透明樹脂棒と、前記透光部に設けられる透明カバーとを備え、前記透明樹脂棒の一端部に対向して発光体が、他端部に対向して反射板がそれぞれ配置され、鉄道車両の乗降口の側部に設けられる鉄道車両の発光式握り棒であって、
    前記筒状部材、透明樹脂棒及び透明カバーが、断面一様で押し出し成形されたものであり、
    前記筒状部材は、長手方向に延び前記透明樹脂棒が挿入される第1の部分と、前記透明カバーが挿入される第2の部分とに内部を区画する仕切り壁部を備え、
    前記透光部は、前記筒状部材の第2の部分側に形成され長手方向に沿って前記透明カバーが露出する第1の透光部と、前記仕切壁部に形成され単数又は複数の透孔からなる第2の透光部とを備えることを特徴とする鉄道車両の発光式握り棒。
  2. 上記発光体は、発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項1記載の発光式握り棒。
  3. 上記透明樹脂棒の、前記仕切壁部側の外周面は、帯状の平坦面に形成され、その平坦面全体が粗面に仕上げられていることを特徴とする請求項1または2記載の鉄道車両の発光式握り棒。
  4. 前記筒状部材の各端部に中空形状の取付ブラケットが固定され、前記取付ブラケットの中空部内に前記発光体及び反射板がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両の発光式握り棒。
  5. 鉄道車両の側壁部に形成され上下方向に延びる凹部内に設けられる構成とされ、
    前記筒状部材は、上下端部が前記凹部の上下面に形成される取付孔に挿入されるとともに上下端部が取付具を介して固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両の発光式握り棒。
  6. 前記透明樹脂棒は、前記反射板が設けられている端部側であって前記透明カバーとは反対側に、前記反射板側から前記発光体側に向けて、深さが徐々に浅くなる傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両の発光式握り棒。
  7. 前記傾斜面は、前記発光体側からの光の一部を前記反射板を介して前記反射板側に反射させる一方、前記発光体側からの光の他の一部を前記反射板を介して前記発光体側に反射させることを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両の発光式握り棒。
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