JP2009113373A - 感熱転写シートおよびこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

感熱転写シートおよびこれを用いた画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】皺発生を誘発せずに感熱転写シートと感熱転写受像シートとの融着あるいは接着に起因する印画不良が解消される感熱転写シートを提供する。
【解決手段】支持体の一方の面に、一般式(1)または(2)で表されるトリアジン環を有する化合物の少なくとも1種と熱転写可能な染料とを含む染料層を少なくとも1層有する感熱転写シート。
Figure 2009113373

(X1〜X3はNR201、SまたはO;R201は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリ−ル基、ヘテロ環基またはアシル基;R202、R203およびR204は水素原子、アルキル基またはヘテロ環基;R205〜R219は各々独立に置換基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は印画不良を解消し、高画質なプリントを提供する感熱転写シートおよび画像形成方法に関するものである。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作製できるプロセスとして注目されている。染料拡散転写記録方式は、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。
この染料拡散転写記録方式では、染料を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の染料を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色あるいはこれにブラックを加えた4色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
この方式で発色性向上の観点から、種々の染料を使用することが提案(例えば特許文献1〜4参照)されている。しかしながら、カラープリント材料として長い歴史を持つ銀塩写真に比較すると、得られた画像の連続処理における画像欠損発生率が高い問題がある。特に昨今のプリント高速化に伴い、プリント時に高い熱量を必要とすることから大量連続処理に伴い感熱転写シートに皺が発生することに起因する転写不良や、感熱転写シートと感熱転写受像シートとが融着あるいは接着し、これらがスムーズに剥離できないこと等に由来する印画不良の発生が問題となった。
感熱転写シートと感熱転写受像シートとの融着あるいは接着を防止するために、シリコーン系化合物をはじめとする種々の離型剤を感熱転写シートおよび/または感熱転写受像シートに添加する方法(特許文献5)、マット剤などの微粒子を感熱転写シートおよび/または感熱転写受像シートに添加する方法(特許文献6)が提案されている。
特開平7−232482号公報 特開平5−221161号公報 特開平4−357088号公報 特開昭62−55194号公報 特開平9−202058号公報 特開平6−40171号公報
しかしながら上記の特許文献に記載の方法は必ずしも効果が十分でなく、効果を増大するために添加量を増やすと感熱転写シートの皺発生を増大することがわかった。
従って感熱転写シートの皺を発生させずにかつ、融着、接着による印画不良を改善する離型剤が望まれていた。本発明は上記課題を鑑みなされたものであり、皺発生を誘発せずに感熱転写シートと感熱転写受像シートとの融着あるいは接着に起因する印画不良が解消される感熱転写シートおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
上記の目的達成のため鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)または(2)で表されるトリアジン環を有する化合物を感熱転写シートに含有させると上記課題を解決可能であることがわかった。詳細なメカニズムは明らかではないが、平面構造のトリアジン環を有する化合物がある種の規則的な配列をすることにより、感熱転写シートの表面特性を好ましく改良できたためと推定している。
すなわち、上記課題は下記の手段により達成された。
(1) 支持体の一方の面に、一般式(1)または(2)で表されるトリアジン環を有する化合物の少なくとも1種と熱転写可能な染料とを含む染料層を少なくとも1層有することを特徴とする感熱転写シート。
Figure 2009113373
(一般式(1)および(2)中、X1、X2およびX3は、各々独立にNR201、SまたはOを表す。ここで、R201は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリ−ル基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、または置換もしくは無置換のアシル基を示す。R202、R203およびR204は各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を示す。R201とR202〜R204の少なくとも1つが互いに結合して環を形成してもよい。R205〜R219は各々独立に置換基を表す。)
(2)イエロー、マゼンタ、シアンからなる3種の染料層が支持体上に面順次に形成されていることを特徴とする(1)に記載の感熱転写シート。
(3)さらに、少なくとも1つの転写性保護層積層体が前記染料層に対し面順次に形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の感熱転写シート。
(4)前記染料層が下記一般式(3)で表される樹脂を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写シート。
Figure 2009113373
(一般式(3)中、R301およびR302は各々独立に、炭素原子数が1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。a〜eは各繰り返し単位の質量比を表し、aおよびbは各々独立に0〜100、cおよびdは各々独立に0〜50、eは0〜50を表す。ただし、a〜eの総計は100であって、かつaとbの合計は20〜100である。)
(5)前記染料層を有する面とは反対側の支持体の面に背面層を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の感熱転写シート。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の感熱転写シートの染料層と感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
本発明の感熱転写シートおよびそれを用いた画像形成方法により連続プリント耐性を改良することができ、印画不良が解消された画像を提供することができる。
以下において、本発明の感熱転写シートおよびこれを用いた画像形成方法について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
<感熱転写シート>
感熱転写画像形成の際に、上述した感熱転写受像シートと併せて使用される感熱転写シート(インクシート)は、支持体上に拡散転写染料を含む染料層(感熱転写層、染料層、またはインク層ともいう。)を設けたものであり、熱転写された画像の上に透明樹脂からなる保護層を熱転写で形成し、画像を覆い保護するための転写性保護層積層体が同一支持体上に形成されることが好ましい。
<染料層>
(染料層)
本発明の染料層は、支持体上の一方の面に形成される。また、本発明の染料層は少なくとも1層の熱転写可能な染料を含む。
染料層の構成として、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層および必要に応じてブラックの染料層が同一の支持体上に面順次で繰り返し塗り分けられているのが好ましい。一例として、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色相の染料層が同一の支持体の長軸方向に、感熱転写受像シートの記録面の面積に対応して面順次に塗り分けられている場合を挙げることができる。この3層に加えて、ブラックの色相の染料層と転写性保護層のどちらか、あるいは双方が塗り分けられるのも好ましい態様である。
この様な態様を取る場合、各色の開始点をプリンターに伝達する目的で、感熱転写シート上に目印を付与することも好ましい態様である。このように面順次で繰り返し塗り分けることによって、染料の転写による画像の形成、さらには画像上への保護層の積層を一つの感熱転写シートで行なうことが可能となる。
しかしながら、本発明は前記のような染料層の設け方に限定されるものではない。昇華型熱転写インク層と熱溶融転写インク層を併設することも可能であり、また、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック以外の色相の染料層を設ける等の変更をすることも可能である。また、形態としては長尺であっても良いし、枚葉の熱転写シートであっても良い。
染料層は単層構成であっても複層構成であってもよく、複層構成の場合、染料層を構成する各層の組成は同一であっても異なっていてもよい。
(染料インク)
染料層を形成するための染料インクは、通常昇華性染料とバインダーを含有する。さらに、必要に応じて、ワックス類、シリコーン樹脂、含フッ素有機化合物等を含有することができる。
各々の染料は、染料層中にそれぞれ10〜90質量%含有されることが好ましく、20〜80質量%含有されることがより好ましい。
染料層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。また染料層の塗布量は、0.1〜2.0g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.2g/m2である。染料層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.2μmである。
(トリアジン化合物)
本発明の感熱転写シートの少なくとも1層の染料層は下記一般式(1)または(2)で表されるトリアジン環を有する化合物(以下、トリアジン化合物と称す)を含有する。これらを含有することにより感熱転写シートと感熱転写受像シートとの印画不良を抑止する効果が得られる。
以下、本発明に用いるトリアジン化合物について詳細に説明する。
Figure 2009113373
一般式(1)、(2)中、X1、X2およびX3は各々独立にNR201、SまたはOを表す。ここで、R201は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリ−ル基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、または置換もしくは無置換のアシル基を示す。R202、R203およびR204は各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を示す。R201とR202〜R204の少なくとも1つが互いに結合して環を形成してもよい。R205〜R219は各々独立に置換基を表す。
好ましい置換基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ−ル基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、アルキルチオ基、アリ−ルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリ−ルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ−ルオキシカルボニルアミノ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、カルボン酸基、アミノ基、スルホン酸基等が挙げられる。中でも特にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリ−ルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、カルバモイルアミノ基、スルファモイル基、スルファモイルアミノ基が挙げられる。
1、X2およびX3は同一であることが好ましい。
201〜R219で表される上記各基はさらに置換基を有していてもよく、その置換基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ−ル基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、アルキルチオ基、アリ−ルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリ−ルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ−ルオキシカルボニルアミノ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、カルボン酸基、アミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ニトロ基、エーテル基、フッ素原子およびコレステリル基等が好ましい。これらの置換基は、またさらに置換基を有していてもよい。その置換基としては、フッ素原子、アルコキシ基等が好ましい。
201〜R219におけるアルキル基は、直鎖もしくは分岐のアルキル基および環状のアルキル基(シクロアルキル基)を表わし、総炭素数が1〜30(環状の場合は3〜30)のアルキル基が好ましく、総炭素数が1〜25(環状の場合は3〜25)のアルキル基がさらに好ましく、1〜20(環状の場合は3〜20)のアルキル基が特に好ましい。例えばメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、タ−シャリ−ブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、ノルマルノニル基、イソノニル基、タ−シャリ−ノニル基、シクロヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が挙げられる。置換基を有するアルキル基としては、4−クロロベンジル基、(4−エトキシフェニル)メチル基、N,N−ジエチルカルバモイルメチル基、3−ドデシルオキシプロピル基、2−メトキシエチルオキシ基等が挙げられる。
201、R205〜R219におけるアルケニル基は直鎖もしくは分岐のアルケニル基および環状のアルケニル基(シクロアルケニル基)を表わし、総炭素数2〜30(環状の場合は5〜30)のアルケニル基が好ましく、総炭素数が2〜25(環状の場合は5〜25)のアルケニル基がさらに好ましく、1〜20(環状の場合は5〜20)のアルケニル基が特に好ましい。例えばビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基が挙げられる。
205〜R219におけるアルキニル基は直鎖もしくは分岐のアルキニル基および環状のアルキニル基(シクロアルキニル基)を表わし、直鎖もしくは分岐のアルキニル基が好ましい。なかでも総炭素数2〜30のアルキニル基が好ましく、総炭素数が2〜25のアルキニル基がさらに好ましく、2〜20のアルキニル基が特に好ましい。例えば、エチニル基、およびプロパルギル基が挙げられる。
201、R205〜R219におけるアリ−ル基は、総炭素数6から30のアリ−ル基が好ましく、さらに好ましくは6〜25のアリ−ル基が好ましく、特に好ましくは6〜20のアリ−ル基が好ましい。例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナスリル基、ピレニル基、ペリレニル基が挙げられる。
202〜R219におけるヘテロ環基は飽和ヘテロ環、不飽和ヘテロ環でもよく、3〜10員環のヘテロ環が好ましく、4〜8員環のヘテロ環がさらに好ましく、5〜7員環のヘテロ環が特に好ましい。例えば、オキサゾ−ル環、チアゾ−ル環、イミダゾ−ル環、ピラゾ−ル環、トリアゾ−ル環、イソオキサゾ−ル環、イソチアゾ−ル環、フラン環、チオフェン環、ピロ−ル環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環が挙げられる。ただし、この場合へテロ原子部分により結合することはない。このヘテロ環基はベンゾ縮環してもよい。
201で表されるアシル基としては、総炭素数2〜20のアシル基が好ましく、総炭素数が2〜18のアシル基がさらに好ましく、2〜16のアシル基が特に好ましい。例えば、アセチル基、プロパノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンゾイル基が挙げられる。
205〜R219におけるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子が特に好ましい。
205〜R219におけるアルコキシ基は、総炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、1〜25のアルコキシ基がさらに好ましく、1〜20のアルコキシ基が特に好ましい。例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、タ−シャリ−ブチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、ノルマルオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ノルマルデシルオキシ基、ノルマルドデシルオキシ基、ノルマルテトラデシルオキシ基、ノルマルヘキサデシルオキシ基、ノルマルオクタデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基、4−ビニルベンジルオキシ基、3−ビニルベンジルオキシ基、アリルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基が挙げられる。
205〜R219におけるアリ−ルオキシ基は、総炭素数6〜30のアリ−ルオキシ基が好ましく、総炭素数が6〜25のアリ−ルオキシ基がさらに好ましく、総炭素数が6〜20のアリ−ルオキシ基が特に好ましい。例えばフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、ピレニルオキシ基2−クロロフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−フェノキシフェニルオキシ基、4−ドデシルチオキシフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基が挙げられる。
205〜R219におけるアルキルチオ基は、直鎖または環状のアルキル基を表わし、総炭素数が1〜30のアルキルチオ基が好ましく、総炭素数が1〜25のアルキルチオ基がさらに好ましく、1〜20のアルキルチオ基が特に好ましい。例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルプロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ノルマルブチルチオ基、イソブチルチオ基、タ−シャリ−ブチルチオ基、ノルマルヘキシルチオ基、ノルマルオクチルチオ基、ノルマルノニルチオ基、ノルマルデシルチオ基、ノルマルドデシルチオ基、ノルマルテトラデシルチオ基、ノルマルヘキサデシルチオ基、ノルマルオクタデシルチオ基、イソノニルチオ基、タ−シャリ−ノニルチオ基、シクロヘキシルチオ基、アリルチオ基等が挙げられる。
205〜R219におけるアリ−ルチオ基は、総炭素数6〜30のアリ−ルチオ基が好ましく、さらに好ましくは6〜25のアリ−ルチオ基が好ましく、特に好ましくは6〜20のアリ−ルチオ基が好ましい。例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラセニルチオ基、フェナスリルチオ基、ピレニルチオ基、ペリレニルチオ基、2−ブトキシフェニルチオ基、2−ベンゾイルアミノフェニルチオ基、3−オクチルオキシフェニルチオ基が挙げられる。
205〜R219におけるアルコキシカルボニル基は、総炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、さらに好ましくは2〜25のアルコキシカルボニル基が好ましく、特に好ましくは2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル、タ−シャリ−ブトキシカルボニル基、ノルマルオクチルオキシカルボニル基、ノルマルドデシルオキシカルボニル基、ノルマルオクタデシルオキシカルボニル基、2−(パ−フルオロオクチル)エトキシカルボニル基が挙げられる。
205〜R219におけるアリ−ルオキシカルボニル基は、総炭素数7〜30のアリ−ルオキシカルボニル基が好ましく、さらに好ましくは7〜25のアリ−ルオキシカルボニル基が好ましく、特に好ましくは7〜20のアリ−ルオキシカルボニル基が好ましい。例えばフェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−ターシャリーブチルフェノキシカルボニル基が挙げられる。
205〜R219におけるアルキルもしくはアリ−ルスルホニル基は、総炭素数1〜30のアルキルスルホニル基または総炭素数6〜30のアリ−ルスルホニル基が好ましい。アルキルもしくはアリ−ルスルホニル基の例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル基などを挙げることができる。
205〜R219におけるアルコキシカルボニルアミノ基は、総炭素数2〜30のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、さらに好ましくは2〜25のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、特に好ましくは2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。例えばメトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ノルマルドデシルオキシカルボニルアミノ基、ノルマルオクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
205〜R219におけるアリ−ルオキシカルボニルアミノ基は、総炭素数7〜30のアリ−ルオキシカルボニルアミノ基が好ましく、さらに好ましくは7〜25のアリ−ルオキシカルボニルアミノ基が好ましく、特に好ましくは7〜20のアリ−ルオキシカルボニルアミノ基が好ましい。例えばフェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−N−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
205〜R219におけるアシルオキシ基としては、脂肪族、芳香族のアシルオキシ基のいずれでも良い。総炭素数が2〜30のアシルオキシ基が好ましく、総炭素数が2〜24のアシルオキシ基がさらに好ましく、2〜20のアシルオキシ基が特に好ましい。例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ノルマルオクタノイルオキシ基、ノルマルデカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が好ましい。
205〜R219におけるアシルアミノ基としては、脂肪族、芳香族のアシルアミノ基のいずれでも良い。総炭素数が2〜30のアシルアミノ基が好ましく、総炭素数が2〜24のアシルアミノ基がさらに好ましく、2〜20のアシルアミノ基が特に好ましい。例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ノルマルオクタノイルアミノ基、ノルマルデカノイルアミノ基、ノルマルドデカノイルアミノ基、ノルマルテトラデカノイルアミノ基、ノルマルオクタデカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−フェニルアセチルアミノ基、N−メチルアセチルアミノ基等が好ましい。
205〜R219におけるカルバモイル基としては、総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、総炭素数1〜25のカルバモイル基がさらに好ましく、総炭素数1〜20のカルバモイル基が特に好ましい。例えば、エチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、ヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、オクタデシルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジノルマルオクチルアミノカルボニル基、ジノルマルドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ベンジルアミノカルボニル基等が好ましい。
205〜R219におけるスルファモイル基は、総炭素数が0〜30のスルファモイル基が好ましく、無置換のスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、ピロリジノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基、モルホリノスルホニル基、N'−スルホニルピペラジノスルホニル基、ヘキサメチレンイミノスルホニル基が好ましい。総炭素数が3から13のスルファモイル基がさらに好ましく、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−ジ−ノルマルブチルスルファモイル基、ピロリジノスルファモイル基、ピペリジノスルファモイル基が特に好ましい。
(トリアジン化合物の合成方法)
一般的な1,3,5−トリアジン化合物の合成は、E.SCHAUMANN著「Methods of OrgaNic Chemistry 4th edition volume E9C」,第2.3章, 667〜796頁(1998),THIEME STUTTGART等に記載されている。この中でも塩化シアヌルを用いる方法が比較的簡便な方法である。本発明のトリアジン化合物は塩化シアヌルと対応するアミン、アニリン、チオ−ル、アルコ−ルとの置換反応で合成できる。
Figure 2009113373
ここで、R201〜R219は一般式(1)、(2)におけるものと同義である。
本発明のトリアジン化合物の合成方法においては、以下の条件が使用できる。
反応に使用する溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル-t-ブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒の他、スルホラン、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。溶媒の使用量は、原料が溶解する程度でよいが、高濃度であると高粘化し撹拌効率が下がり、低濃度では容積効率が低下する。
反応温度は、−10℃〜150℃の範囲で選べばよい。
脱酸剤として塩基性化合物を用いる。この場合、無機塩基でも有機塩基でもよく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、などが挙げられる。
以下に、本発明の一般式(1)または(2)で表される化合物の具体例を示すが、これによって本発明が限定されるものではない。
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
(染料)
本発明の感熱転写シートの染料層に用いられる染料は、熱により拡散し、感熱転写シートに組み込み可能かつ、加熱により感熱転写シートから受像シートに転写するものであれば特に限定されず、熱転写シート用の染料として従来から用いられてきている染料、あるいは公知の染料を用いることができる。
好ましい染料としては、たとえば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等が挙げられる。
具体例を挙げると、イエロー染料としては、ディスパースイエロー231、ディスパースイエロー201、ソルベントイエロー93等が、マゼンタ染料としては、ディスパースバイオレット26、ディスパースレッド60、ソルベントレッド19等が、さらに、シアン染料としては、ソルベントブルー63、ソルベントブルー36、ディスパースブルー354、ディスパースブルー35等が挙げられる。これらの例示された染料以外の適切な染料を用いることも、もちろん可能である。
また、上記の各色相の染料を任意に組み合わせることも可能である。例えばブラックの色相も染料の組み合わせで得ることができる。
以下に、本発明で好ましく用いることができる一般式(Y1)〜(Y9)、(M1)〜(M8)、および(C1)〜(C4)で表される染料について詳細に説明する。
Figure 2009113373
(一般式(Y1)中、環Aは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R1およびR2は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のカルバモイル基を表し、R4は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
前記、環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基としては、ハロゲン原子、不飽和脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシ基(代表としてアルコキシ基)、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基(代表としてアルコキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基(代表としてアルコキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基,脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニルアミノ基、脂肪族チオ基(代表としてアルキルチオ基)、スルファモイル基、脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルフィニル基)、脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、脂肪族オキシカルボニル基(代表としてアルコキシカルボニル基)、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基等が挙げられる。
これらの各基はさらに置換基を有してもよく、このような置換基としては、上述の置換基が挙げられる。
一般式(Y1)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Aは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R1が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10アリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Aは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R1が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R2が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Aはメチル基または塩素原子で置換されたベンゼン環または無置換のベンゼン環であり、R1が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基であり、R2が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基であり、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R4は置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(Y2)中、R5は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルケニル基を表し、R6およびR7は、各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R8は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアミノ基を表し、R9は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
5、R6、R7、R8およびR9の各基はさらに置換基を有していてもよい。R5、R6、R7、R8およびR9の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y2)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、R5は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、またはアリル基であり、R6は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R8は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアミノ基であり、R9は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R5は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、またはアリル基であり、R6は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R8は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアミノ基であり、R9は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R5は無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基であり、R6は無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R7は無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R8はメトキシ基、エトキシ基、またはジメチルアミノ基であり、R9は無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(Y3)中、R10は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R11は水素原子またはハロゲン原子を表し、R12は置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、または置換もしくは無置換のカルバモイル基を表す。)
10およびR12の各基はさらに置換基を有していてもよい。R10およびR12の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y3)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、R10が水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R11が水素原子、塩素原子、または臭素原子であり、R12が無置換のアルコキシカルボニル基、無置換のアリールオキシカルボニル基、または置換もしくは無置換のカルバモイル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R10が水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R11が水素原子、または臭素原子であり、R12が無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、または炭素数2〜12のジアルキルカルバモイル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R10が水素原子、または無置換の炭素数2〜4のアルキル基であり、R11が水素原子、または臭素原子であり、R12が炭素数2〜10のジアルキルカルボモイル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(Y4)中、環Bは置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表し、R13は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R14は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環B、R13およびR14の各基はさらに置換基を有していてもよい。環B、R13およびR14の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y4)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Bが置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換のピラゾリル基、または置換もしくは無置換のチアジアゾリル基であり、R13が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R14が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の置換基の組み合わせは、環Bが置換もしくは無置換のフェニル基、または置換もしくは無置換の1,3,4−チアジアゾリル基であり、R13が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R14が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の置換基の組み合わせは、環Bが4−ニトロフェニル基、または炭素数1〜6のチオアルキル基が置換した1,3,4−チアジアゾリル基であり、R13が無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R14が無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(Y5)中、R15、R16、R17およびR18は各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
15、R16、R17およびR18の各基はさらに置換基を有していてもよい。R15、R16、R17およびR18の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y5)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、R15が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R16が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R17が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R18が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R15が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R16が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R17が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R18が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R15が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R16が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R17がメチル基、エチル基、または無置換のフェニル基であり、R18がメチル基、エチル基、または無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(Y6)中、環C、環Dおよび環Eは各々独立に置換もしくは無置換のベンゼン環を表す。)
環C、環Dおよび環Eの各基はさらに置換基を有していてもよい。環C、環Dおよび環Eの各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y6)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Cとして、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環、ヒドロキシル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環、またはヒドロキシル基が置換したベンゼン環であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、または炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環である。
環Dとして、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環である。
環Eとして、好ましくはヒドロキシル基と炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、またはヒドロキシル基と炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環であり、より好ましくはヒドロキシル基と炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、またはヒドロキシル基と炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環であり、最も好ましくはヒドロキシル基と炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、またはヒドロキシル基と炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環である。
Figure 2009113373
(一般式(Y7)中、環Fは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R19およびR20は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環F、R19およびR20の各基はさらに置換基を有していてもよい。環F、R19およびR20の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y7)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Fが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R19が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R20が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Fが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R19が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R20が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Fがメチル基が置換したベンゼン環であり、R19が無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R20が置換を有する炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(Y8)中、環Gは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R21およびR22は各々独立に水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
環G、R21およびR22の各基はさらに置換基を有していてもよい。環G、R21およびR22の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y8)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Gが置換基を有するベンゼン環であり、R21が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R22が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Gが置換または無置換のアルコキシカルボニル基が置換したベンゼン環であり、R21が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R22が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Gが置換または無置換のアルコキシカルボニル基が置換したベンゼン環であり、R21が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R22が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(Y9)中、R23は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。)
23はさらに置換基を有していてもよい。R23が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y9)のR23として、好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、より好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、最も好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1〜4アルキル基、アリル基である。
Figure 2009113373
(一般式(M1)中、環Hは置換もしくは無置換のベンゼン環、または置換もしくは無置換のピリジン環であり、R24、R25、R26およびR27は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環H、R24、R25、R26、R27の各基はさらに置換基を有していてもよい。環H、R24、R25、R26、R27の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M1)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Hが無置換のベンゼン環であり、R24が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R25が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R26が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、またはアリル基であり、R27が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、またはアリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Hが無置換のベンゼン環であり、R24が置換もしくは無置換のフェニル基であり、R25が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R26が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R27が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Hが無置換のベンゼン環であり、R24が2−クロロフェニル基であり、R25が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R26が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R27が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(M2)中、環Iは置換もしくは無置換のベンゼン環、または置換もしくは無置換のピリジン環であり、R28、R29、R30およびR31は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環I、R28、R29、R30、R31の各基はさらに置換基を有していてもよい。環I、R28、R29、R30、R31の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M2)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Iが置換もしくは無置換のピリジン環、または無置換のベンゼン環であり、R28が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R29が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R30が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、またはアリル基であり、R31が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、またはアリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Iが置換もしくは無置換のピリジン環、または無置換のベンゼン環であり、R28が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R29が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R30が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R31が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、好ましい置換基の組み合わせは、環Iが置換もしくは無置換のピリジン環、または無置換のベンゼン環であり、R28が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R29が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R30が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R31が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(M3)中、環Jは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R32、R33およびR34は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環J、R32、R33およびR34の各基はさらに置換基を有していてもよい。環J、R32、R33およびR34の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M3)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Jが炭素数2〜8のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R32は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R33は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、またはアリル基であり、R34は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、またはアリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Jが炭素数2〜6のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R32は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、またはアリル基であり、R33は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、またはアリル基であり、R34は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、またはアリル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Jが炭素数2〜4のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R32は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基であり、R33は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基であり、R34は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(M4)中、環Kは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R35、R36およびR37は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環K、R35、R36およびR37の各基はさらに置換基を有していてもよい。環K、R35、R36およびR37の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M4)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Kが炭素数2〜8のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R35は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R36は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、またはアリル基であり、R37は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、またはアリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Kが炭素数2〜6のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R35は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R36は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、またはアリル基であり、R37は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、またはアリル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Kが炭素数2〜4のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R35は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R36は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基であり、R37は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(M5)中、R38およびR39は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表し、R40およびR41は独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
38、R39、R40およびR41の各基はさらに置換基を有していてもよい。R38、R39、R40およびR41の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M5)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、R38が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R39が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R40が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R41が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R38が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R39が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R40が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R41が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R38が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R39が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R40が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R41が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(M6)中、R42は置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、R43は水素原子、置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、R44はヒドロキシル基、または置換もしくは無置換のアミノ基である。)
42およびR43の各基はさらに置換基を有していてもよい。R42およびR42の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M6)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、R42が置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、R43が水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、R44がヒドロキシル基、または無置換のアミノ基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、R42が置換もしくは無置換のフェノキシ基であり、R43が水素原子、または置換もしくは無置換のフェノキシ基であり、R44がヒドロキシル基、または無置換のアミノ基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、R42が置換もしくは無置換のアミノ基が置換したフェノキシ基、または無置換のフェノキシ基であり、R43が水素原子、または置換もしくは無置換のフェノキシ基であり、R44がヒドロキシル基、または無置換のアミノ基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(M7)中、環Lは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R45およびR46は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環L、R45およびR46の各基はさらに置換基を有していてもよい。環L、R45およびR46の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M7)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Lが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R45が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R46が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Lが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R45が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R46が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Lがメチル基が置換したベンゼン環であり、R45が無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R46が無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(M8)中、環Qは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R100は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアミノ基を表し、R101は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R102およびR103は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環Q、R100、R101、R102およびR103の各基はさらに置換基を有していてもよい。環Q、R100、R101、R102およびR103の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M8)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Qは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R102が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R103が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R100は置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R101は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10アリール基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、環Qは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R102が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R103が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R100は置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R101は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、環Qは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R102が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基であり、R103が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはアリル基であり、R100は置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R101は置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(C1)中、環Mは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R47は水素原子またはハロゲン原子を表し、R48は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R49は置換もしくは無置換のアシルアミノ基、または置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基を表し、R50およびR51は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環M、R48、R49、R50およびR51の各基はさらに置換基を有していてもよい。環M、R48、R49、R50およびR51の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(C1)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Mが炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、塩素原子が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、R47が水素原子、塩素原子、または臭素原子であり、R48が水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R49が置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアシルアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニルアミノ基であり、R50が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R51が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Mが炭素数1〜2のアルキル基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R47が水素原子、または塩素原子であり、R48が水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R49が置換もしくは無置換の炭素数2〜8のアシルアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数2〜8のアルコキシカルボニルアミノ基であり、R50が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R51が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは好ましい置換基の組み合わせは、環Mがメチル基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R47が水素原子、または塩素原子であり、R48が水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R49が置換もしくは無置換の炭素数2〜6のアシルアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数2〜6のアルコキシカルボニルアミノ基であり、R50が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R51が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(C2)中、環Nは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R52は水素原子、置換もしくは無置換のアシルアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、または置換もしくは無置換のカルバモイル基を表し、R53およびR54は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
環N、R52、R53およびR54の各基はさらに置換基を有していてもよい。環N、R52、R53およびR54の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(C2)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Nが炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、R52が水素原子、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の2〜10のアルコキシカルボニル基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜10のカルバモイル基であり、R53が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R54が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Nが炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、R52が水素原子、置換もしくは無置換の炭素数2〜8のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の2〜8のアルコキシカルボニル基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜8のカルバモイル基であり、R53が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R54が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Nが炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、R52が水素原子、置換もしくは無置換の炭素数2〜6のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の2〜6のアルコキシカルボニル基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のカルバモイル基であり、R53が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R54が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(C3)中、R55およびR56は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。)
55およびR56の各基はさらに置換基を有していてもよい。R55およびR56の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(C3)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、R55が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R56カ゛置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R55が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R56が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R55が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R56が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009113373
(一般式(C4)中、環Oは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R56およびR58は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。)
環O、R56およびR57の各基はさらに置換基を有していてもよい。環O、R56およびR57の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(C4)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせは、環Oが炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、R57が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R58が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、環Oが炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、R57が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R58が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、環Oが炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、R57が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R58が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
以下に、本発明に好ましく用いることができる一般式(Y1)〜(Y9)、(M1)〜(M8)、および(C1)〜(C4)で表される染料の具体的化合物例を示すが、本発明に用いられる一般式(Y1)〜(Y9)、(M1)〜(M8)、および(C1)〜(C4)の染料は以下の具体例によって限定的に解釈されるものではない。
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
Figure 2009113373
(バインダー)
前記のような染料を担持するために染料層に含有されるバインダー樹脂としては、各種のものが公知であり、本発明ではこれらを使用することができる。例としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール類、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられる。なかでも、プロピオン酸変成セルロースに代表される変性セルロース系樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタール類が好ましい。これらを単独で用いる他、これらを混合、またはポリマーの場合各構成モノマー共重合して用いることも可能であり、各種架橋剤によって架橋することも好ましい。
バインダー樹脂として、下記一般式(3)で表される樹脂を用いることが特に好ましい。
Figure 2009113373
一般式(3)中、R301およびR302は各々独立に、炭素原子数が1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。R301およびR302は各々独立に、無置換のアルキル基または無置換のアリール基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましい。
a〜eは各繰り返し単位の質量比を表し、a〜eの総計を100とし、aおよびbは各々独立に0〜100、cおよびdは各々独立に0〜50、eは0〜50を表し、aとbの合計は20〜100である。
aとbの合計は30〜95が好ましく、50〜95がより好ましい。cとdは0〜30が好ましく、0〜20がより好ましい。eは0〜40が好ましく、0〜30がより好ましい。
一般式(3)で表される樹脂は、質量平均分子量が1万〜40万のものが好ましく、8万〜30万のものがより好ましい。
上記一般式(3)で表される樹脂は、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよく、任意の共重合方法により合成することができる。
これらの樹脂は、市販されているものを使用することができ、例えば、デンカブチラール#6000−C(商品名、電気化学工業(株)製)、デンカブチラール#5000−A(商品名、電気化学工業(株)製)、デンカブチラール#6000−CS(商品名、電気化学工業(株)製)、デンカブチラール#6000−AS(商品名、電気化学工業(株)製)、デンカブチラール#3000−1(商品名、電気化学工業(株)製)、エスレックスKS−1(商品名、積水化学工業(株)製)、エスレックスKS−5(商品名、積水化学工業(株)製)、エスレックスBX−1(商品名、積水化学工業(株)製)、エスレックスBX−5(商品名、積水化学工業(株)製)などが挙げられる。
前記バインダー樹脂は、本発明の感熱転写シートの染料層全体に対して30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%含有することが好ましい。
<染料バリア層>
本発明の感熱転写シートは、染料層と支持体の間に染料バリア層を設けることができる。染料バリア層は支持体上に直接形成しても、接着剤層などの上に形成してもよい。
染料バリア層を設けることによって、染料層から支持持体への染料の拡散防止を図り、感熱転写シートから受像シートへの染料転写性を向上させることができる。バリア層を設けない場合は、最大濃度(Dmax)が低下してしまうなどの影響がある。
染料バリア層を形成する樹脂としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ゼチンなどの水溶性などの水溶性ポリマーが使用でき中でも、ポリビニルピロリドンを好ましく用いることができる。
染料バリア層の厚さは、0.01〜0.2μmが好ましく、0.03〜0.10μmがより好ましい。
<接着剤層>
支持体面に対しては、塗布液の濡れ性および接着性の向上を目的として、易接着処理を行なってもよい。処理方法として、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術を例示することができる。
また、支持体上に塗布によって易接着層を形成することもできる。易接着層に用いられる樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を例示することができる。
支持体に用いられるフィルムを溶融押出し形成する時に、未延伸フィルムに塗工処理を施し、その後に延伸処理して行なうことも可能である。
また、上記の処理は、二種類以上を併用することもできる。
<保護層>
(転写性保護層積層体)
本発明では、感熱転写シートに転写性保護層積層体を面順次で設けるのが好ましい。転写性保護層積層体は、熱転写された画像の上に透明樹脂からなる保護層を熱転写で形成し、画像を覆い保護するためのものであり、耐擦過性、耐光性、耐候性等の耐久性向上を目的とする。転写された染料が感熱転写受像シート表面に曝されたままでは、耐光性、耐擦過性、耐薬品性等の画像耐久性が不十分な場合に有効である。
転写性保護層積層体は、支持体上に、支持体側から離型層、保護層、接着剤層の順に形成することができる。保護層を複数の層で形成することも可能である。保護層が他の層の機能を兼ね備えている場合には、離型層、接着剤層を省くことも可能である。支持体としては、易接着層の設けられたものを用いることも可能である。
(転写性保護層)
本発明の転写性保護層を形成する樹脂としては、耐擦過性、耐薬品性、透明性、硬度に優れた樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これら各樹脂のシリコーン変性樹脂、紫外線遮断性樹脂、これら各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。なかでも、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、各種架橋剤によって架橋することも可能である。
(転写性保護層樹脂)
本発明の転写性保護層を形成するアクリル樹脂としては、従来公知のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマーの中から選ばれた少なくとも1つ以上のモノマーからなる重合体で、アクリル系モノマー以外にスチレン、アクリロニトリル等を共重合させても良い。好ましいモノマーとしてメチルメタクリレートを仕込み質量比で50質量%以上含有していることが挙げられる。
本発明のアクリル樹脂は、分子量が20,000〜100,000であることが好ましい。分子量が20,000未満であると、合成時にオリゴマーが出て、安定した性能が得られず、また100,000を越えると、保護層転写時に箔切れが悪くなる。
本発明の転写性保護層を形成するポリエステル樹脂としては、従来公知の飽和ポリエステル樹脂を使用できる。上記ポリエステル樹脂を使用する場合は、ガラス転移温度は50〜120℃が好ましい。分子量は2,000〜40,000の範囲が好ましく、さらに4,000〜20,000の範囲が保護層転写時に箔切れ性が良くなり、より好ましい。
(硬化性樹脂)
電離放射線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂を用いることにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れた保護層を得ることができる。具体例として、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させるものがある。このさい、必要に応じて光重合開始剤を添加して電子線や紫外線によって重合架橋させても良い。その他、公知の電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。
(フィラー)
本発明の保護層には、フィラーも好ましく用いることが出来る。有機フィラーおよび/または無機フィラーとしては、ポリエチレンワックス、ビスアマイド、ナイロン、アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、マイクロシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子等を例示することができる。本発明の熱転写シートでは、これらに限定されることなく公知のものを好適に使用することができる。
有機フィラーおよび/または無機フィラーは、粒径が10μm以下、好ましくは0.1〜3μmの範囲であって、滑り性が良好であって透明性の高いものが好ましい。フィラーの添加量は、転写した時に透明性が保たれる程度が好ましく、樹脂100質量部に対して、0〜100質量部の範囲が好ましい。
(転写性保護層の形成)
保護層の形成法は、用いられる樹脂の種類に依存するが、前記染料層の形成方法と同様の、方法で形成され、0.5〜10μmの厚さが好ましい。
転写性保護層積層体の最上層として、保護層の最表面に接着層を設けることができる。これによって保護層の被転写体への接着性を良好にすることができる。
接着層として用いることができる樹脂としては、接着剤層の易接着層で用いた樹脂と同じである。
<紫外線吸収剤>
本発明の保護層転写シートでは、保護層および/または接着層に、紫外線吸収剤を含有することができ、その紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを使用することができる。また、樹脂のモノマーまたはオリゴマーに紫外線吸収剤を溶解させた後、このモノマーまたはオリゴマーを重合させる方法が開示されており(特開2006−21333号公報)、こうして得られた紫外線遮断性樹脂を用いることもできる。この場合には紫外線吸収剤は非反応性のもので良い。
これら紫外線吸収剤に中でも、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が好ましい。これら紫外線吸収剤は画像形成に使用する染料の特性に応じて、有効な紫外線吸収波長域をカバーするように組み合わせて使用することが好ましく、また、非反応性紫外線吸収剤の場合には紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いることが好ましい。
紫外線吸収剤の市販品としては、チヌビン−P(チバガイギー製)、JF−77(城北化学製)、シーソープ701(白石カルシウム製)、スミソープ200(住友化学製)、バイオソープ520(共同薬品製)、アデカスタブLA−32(旭電化製)等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は1種のみ用いても、2種以上混合して用いてもよい。
<離型層>
保護層転写シートでは、保護層が熱転写時に支持体から剥離しにくい場合には、支持体と保護層との間に離型層を形成することができる。転写性保護層と離型層の間に剥離層を形成しても良い。離型層は、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂、およびこれらの樹脂群の共重合体を少なくとも1種以上含有する塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成することができる。上記の樹脂の中でも、アクリル樹脂として、アクリル酸やメタクリル酸等の単体、または他のモノマー等と共重合させた樹脂、あるいはセルロース誘導体樹脂が好ましく、支持体との密着性、保護層との離型性において優れている。
各種架橋剤によって架橋することも可能であり、また、電離放射線硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂も用いることができる。
離型層は、熱転写時に被転写体に移行するもの、あるいは支持体側に残るもの、あるいは凝集破壊するもの等を、適宜選択することができるが、離型層が非転写性であり、熱転写により離型層が支持体側に残存し、離型層と熱転写性保護層との界面が熱転写された後の保護層表面になるようにすることが、表面光沢性、保護層の転写安定性等の点で優れており、好ましい態様である。離型層の形成方法は、従来公知の塗工方法で形成でき、その厚みは乾燥状態で0.5〜5μmが好ましい。
<背面層>
本発明の感熱転写シートは、染料層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に背面層を設けることが好ましい。また、保護層転写シートの場合にも、転写性保護層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に背面層を設けることが好ましい。
感熱転写シートの支持体の裏面とサーマルヘッド等の加熱デバイスとが直接接触した状態で加熱されると、熱融着が起こりやすい。また、両者の間の摩擦が大きく、感熱転写シートを印画時に滑らかに搬送することが難しい。
背面層は、感熱転写シートがサーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るように設けられるものであって、熱融着を防止し、滑らかな走行を可能にする。近年、プリンターの高速化に伴いサーマルヘッドの熱エネルギーが増加しているため、必要性は大きくなっている。
背面層は、バインダーに滑剤、離型剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを塗布することによって形成される。また、背面層と支持体との間に中間層を設けてもよく、無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂からなる層が開示されている。
本発明の背面層に用いることができるバインダーとしては、耐熱性の高い公知の樹脂を用いることができる。例として、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン等の天然または合成樹脂の単体または混合物を挙げることができる。
背面層の耐熱性を高めるため、紫外線または電子ビームを照射して樹脂を架橋する技術が知られている。また、架橋剤を用い、加熱により架橋させることも可能である。この際、触媒が添加されることもある。架橋剤としては、ポリイソシアネート等が知られており、このためには、水酸基系の官能基を有する樹脂が適している。特開昭62−259889号公報には、ポリビニルブチラールとイソシアネート化合物との反応生成物にリン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類塩および炭酸カルシウム等の充填剤を添加することにより背面層を形成することが開示されている。また、特開平6−99671号公報には、耐熱滑性層を形成する高分子化合物を、アミノ基を有するシリコーン化合物と1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を反応させることにより得ることが開示されている。
機能を十分に発揮させるために、背面層には、滑剤、可塑剤、安定剤、充填剤、ヘッド付着物除去のためのフィラー等の添加剤が配合されていても良い。
滑剤としては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化黒鉛等のフッ化物、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、硫化鉄等の硫化物、酸化鉛、アルミナ、酸化モリブデン等の酸化物、グラファイト、雲母、窒化ホウ素、粘土類(滑石、酸性白度等)等の無機化合物からなる固体滑剤、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂、シリコーンオイル、ステアリン酸金属塩等の金属セッケン類、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を挙げることができる。
アルキルりん酸モノエステル、アルキルりん酸ジエステルの亜鉛塩などの燐酸エステル系界面活性剤も用いられるが、酸根を有しており、サーマルヘッドからの熱量が大になると燐酸エステルが分解し、さらに背面層のpHが低下してサーマルヘッドの腐食摩耗が激しくなるという問題点がある。これに対しては、中和した燐酸エステル系界面活性剤を用いる方法、水酸化マグネシウムなどの中和剤を用いる方法等が知られている。
その他の添加剤としては高級脂肪酸アルコール、オルガノポリシロキサン、有機カルボン酸およびその誘導体、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。
背面層は、上に例示したようなバインダーに添加剤を加えた材料を溶剤中に溶解または分散させた塗工液を、グラビアコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、ワイヤーバーなどの従来から公知の方法で塗布することによって形成される。0.1〜10μmの膜厚が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5μmの膜厚である。
<支持体>
本発明の感熱転写シートおよび保護層転写シートの支持体は特に限定されず、必要とされる耐熱性と強度を有するものであれば、従来公知のいずれのものでも使用することができる。
例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルフィルムが挙げられる。
支持体の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜変更することができるが、好ましくは1〜100μmである。より好ましくは2〜50μmのものであり,さらに好ましくは3〜10μmのものが用いられる。
<感熱転写受像シート>
次に感熱転写受像シート(以下、単に受像シートともいう。)に関して詳細に説明する。
本発明に用いられる受像シートは、支持体上に少なくとも1層の染料受容層(以下、単に受容層ともいう。)を有するものであって、支持体と受容層との間に、例えば断熱層(多孔質層)、光沢制御層、白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの中間層が形成されていてもよい。支持体と受容層との間に少なくとも1層の断熱層を有することが好ましい態様である。
受容層およびこれらの中間層は同時重層塗布により形成されることが好ましく、中間層は、必要に応じて複数設けることができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていてもよい。支持体の裏面側の各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。
(受容層)
受像シートは、染料を受容し得る熱可塑性の受容ポリマーを含有する少なくとも1層の受容層を有する。受容層には、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、その他の添加物を含有させることができる。
(熱可塑性樹脂)
本発明において受容層には、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトンまたはこれらの混合物を含有することが好ましく、ポリエステル、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体またはこれらの混合物がさらに好ましい。以上のポリマーは、単独またはこれらの混合物として用いることができる。
使用されるポリマーは、有機溶剤(メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレンなど)を適宜用いて溶解させることで、支持体上に塗布することができる。あるいは、ポリマーラテックスとして水系の塗工液に加えて支持体上に塗布することもできる。
ポリエステルおよびポリ塩化ビニルについて、以下にさらに詳しく説明する。
(ポリエステル系ポリマー)
ポリエステルはジカルボン酸成分(その誘導体含む)とジオール成分(その誘導体を含む)との重縮合により得られるものである。ポリエステルポリマーは、芳香環および/または脂環を含有しても良い。脂環式ポリエステルについては、特開平5−238167号公報に記載の技術が染料取り込み能と像の安定性の点で有効である。
本発明においては、上記のジカルボン酸成分およびジオール成分を少なくとも使用して、分子量(質量平均分子量(Mw))が通常約11000以上、好ましくは約15000以上、より好ましくは約17000以上となるように重縮合したポリエステル系ポリマーを使用するのが好ましい。分子量があまり低いものを使用すると、形成される受容層の弾性率が低くなり、また耐熱性も足りなくなり、感熱転写シートと受像シートとの離型性を確保することが難しくなる場合がある。分子量は、弾性率を上げる観点からは大きいほど望ましく、受容層形成時に塗工液溶媒に溶かすことができなくなる等の弊害が生じたり、あるいは、受容層の塗布乾燥後に支持体との接着性に悪影響が出たりする等の弊害が生じたりしない限り、特に限定されないが、高くても約30000以下であり、好ましくは約25000以下である。なお、エステル系ポリマーの合成法としては、従来公知の方法を使用することができる。
飽和ポリエステルとしては、例えばバイロナールMD−1200、バイロナールMD−1220、バイロナールMD−1245、バイロナールMD−1250、バイロナールMD−1500、バイロナールMD−1930、バイロナールMD−1985(いずれも商品名、東洋紡(株)製)等が用いられる。
(塩化ビニル系ポリマー)
受容層に用いられる塩化ビニル系ポリマー、特に塩化ビニルを用いた共重合体について、さらに詳しく説明する。
塩化ビニルと共重合するモノマーには特に限定はなく、塩化ビニルと共重合できればよく、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが特に好ましく、ポリマーとしては塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体が優れている。これらの共重合体は、必ずしも塩化ビニル成分と上記の好ましいモノマー(酢酸ビニルあるいはアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル)成分のみとの共重合体である場合に限らず、本発明の目的を妨げない範囲のビニルアルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであってもよい。このような、塩化ビニルと上記の好ましいモノマーを主単量体とする共重合体を構成する他の単量体成分としては、ビニルアルコール、プロピオン酸ビニルなどのビニルアルコール誘導体、アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらのメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシルエステルなどのアクリル酸およびメタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸誘導体、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。共重合体中にしめる塩化ビニルと上記の好ましいモノマーとの成分比は任意の比率でよいが、塩化ビニル成分が共重合体中で50質量%以上であるのが好ましい。また、先に挙げた塩化ビニルと上記の好ましいモノマー以外の成分は10質量%以下であるのが好ましい。
このような塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、ビニブラン240、ビニブラン601、ビニブラン602、ビニブラン380、ビニブラン386、ビニブラン410、ビニブラン550(いずれも商品名、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体としては、ビニブラン270、ビニブラン276、ビニブラン277、ビニブラン609、ビニブラン680、ビニブラン690、ビニブラン900(いずれも商品名、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
(ポリマーラテックス)
本発明においては、ポリマーラテックスを好ましく用いることができる。以下、ポリマーラテックスについて説明する。
本発明で用いる感熱転写受像シートにおいて、受容層に用い得るポリマーラテックスは、疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものが好ましい。分散粒子の平均粒径は、好ましくは1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nmである。
ポリマーラテックスは、通常の均一構造のポリマーラテックスであっても、いわゆるコア/シェル型のラテックスであってもよい。このとき、コアとシェルでガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明で用いるポリマーラテックスのガラス転移温度は、−30℃〜130℃が好ましく、0℃〜120℃がより好ましく、10℃〜100℃がさらに好ましい。
本発明では、受容層を水系の塗工液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗工液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗工液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
本発明に用いられる上記のポリマーラテックスは、上記のポリマーラテックスとともにいかなるポリマーを併用してもよい。併用することのできるポリマーとしては、透明または半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂ポリマーおよびコポリマー、合成樹脂ポリマーおよびコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類が挙げられる。
本発明に用いられるバインダーは、加工脆性と画像保存性の点でガラス転移温度(Tg)が−30℃〜90℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは−10℃〜85℃の範囲、さらに好ましくは0℃〜70℃の範囲である。バインダーとして2種以上のポリマーをブレンドして用いることも可能で、この場合、組成分を考慮し加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。また、相分離した場合やコア−シェル構造を有する場合には加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。
受容層の塗布量は、0.5〜10g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましい。
(離型層)
硬化変性シリコーンオイルは、受容層にではなく、受容層の上に形成される離型層に添加してもよい。この場合にも、上述した受容層を使用してよく、また、受容層にシリコーンを添加してもよい。この離型層は、硬化型変性シリコーンを含有してなるが、使用するシリコーンの種類や使用方法は、受容層に使用する場合と同様である。また、触媒や遅延剤を使用する場合も、受容層中に添加するのと同様である。離型層は、シリコーンのみにより形成してもよいし、バインダーとして、相溶性のよい樹脂と混合して使用してもよい。この離型層の厚みは、0.001〜1g/m2である。
(中空ポリマー)
本発明に用いられる受像シートにおいて、断熱層は中空ポリマーと水溶性ポリマーを含有するのが好ましい。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に空隙を有するポリマー粒子である。例えば、[1]ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の分散媒が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、[2]ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれかまたはそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、[3]上記の[2]をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
これらの中空ポリマーの粒径は0.1〜20μmが好ましく、0.1〜5.0μmがより好ましく、0.2〜3.0μmがさらに好ましく、0.3〜1.0μmが特に好ましい。
中空ポリマーの空隙率は、20〜70%のものが好ましく、20〜50%のものがより好ましい。中空ポリマーの空隙率とは、粒子体積に対する空隙部分の体積の割合を示したものである。
中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましい。中空ポリマーは必要に応じて2種以上混合して使用することができる。
このような中空ポリマーは市販されており、前記[1]の具体例としてはローアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[2]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[3]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。これらの中で、前記[1]の系列の中空ポリマーがより好ましく使用できる。
(水溶性ポリマー)
断熱層のバインダーとしては、水溶性ポリマーを使用することができる。断熱層に用いることのできる水溶性ポリマーは、ポリマーラテックスと併用されるポリマーが好ましく用いられる。
本発明において、断熱層のバインダーとして用いられる水溶性ポリマーはポリビニルアルコール類、ゼラチンが好ましく、ゼラチンが最も好ましい。
また、断熱層に含まれる水溶性ポリマーは、クッション性や膜強度を調整する為に硬膜剤により架橋されていてもよい。硬膜により架橋する場合は、硬膜剤として、特開平1−214845号公報17頁のH−1,4,6,8,14,米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。
(支持体)
本発明の受像シートの支持体としては、コート紙やラミネート紙、合成紙を用いることができる。
(カール調整層・筆記層・帯電調整層)
本発明に用いる感熱転写受像シートには、受容層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)に必要に応じてカール調整層・筆記層・帯電調整層を設けることができる。
本発明の画像形成方法では、感熱転写受像シートの受容層と感熱転写シートの熱転写層とが接するように重ね合わせて、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する。
具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。本発明では、消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、プリント時間は15秒未満が好ましく、3〜12秒がより好ましく、さらに好ましくは、3〜7秒である。
上記プリント時間を満たすために、プリント時のライン速度は0.73msec/line以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.65msec/line以下である。また、高速化条件における転写効率向上の観点から、プリント時のサーマルヘッド最高到達温度は、180℃〜450℃が好ましく、さらに好ましくは200℃〜450℃である。さらには350℃〜450℃が好ましい。
本発明は、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所製、商品名、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、実施例中で、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[感熱転写シート101の作製]
(感熱転写シート用塗工液および、保護層用塗工液の作製)
感熱転写シート作製のため下記の塗工液を作製した。
イエロー熱転写層用塗工液PY−1の作製
イエロー染料Y4−2 3.7質量部
イエロー染料Y7−4 3.9質量部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 8.5質量部
(エスレックスKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
本発明の化合物T−22 0.4質量部
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 82質量部
マゼンタ熱転写層用塗工液PM−1の作製
マゼンタ染料M3−1 1.2質量部
マゼンタ染料M3−2 6.0質量部
シアン染料C1−2 0.4質量部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 9.0質量部
(エスレックスKS−1、商品名、 積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
本発明の化合物T−22 0.4質量部
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 83質量部
シアン熱転写層用塗工液PC−1の作製
シアン染料C1−2 1.4質量部
シアン染料C3−1 6.4質量部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 8.5質量部
(エスレックスKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
本発明の化合物T−22 0.4質量部
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 83質量部
熱転写可能な保護層用離型層塗工液PU1の作製
変性セルロース樹脂 5質量部
(L−30、商品名、ダイセル化学(株)製)
メチルエチルケトン 95質量部
熱転写可能な保護層用剥離層塗工液PO1の作製
アクリル樹脂溶液(固形分40%) 90質量部
(UNO−1、商品名、岐阜セラミック(有)製)
メタノール/イソプロパノール(質量比1/1) 10質量部
熱転写可能な保護層用接着層塗工液A1の作製
アクリル樹脂 25質量部
(ダイアナールBR−77、商品名、三菱レイヨン(株)製)
下記紫外線吸収剤UV−1 1質量部
下記紫外線吸収剤UV−2 2質量部
下記紫外線吸収剤UV−3 1質量部
下記紫外線吸収剤UV−4 1質量部
PMMA微粒子 0.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
Figure 2009113373
(背面層用塗工液の作製)
感熱転写シートの背面耐熱層作製のため下記の塗工液を作製した
背面層塗工液BC1の作製
アクリル系ポリオール樹脂 26.0質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.43質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.27質量部
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製)
イソシアネート(50%溶液) 8.0質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 64質量部
(前記塗工液の塗布によるシートの作製)
支持体として片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に乾燥後の固形分塗布量が1g/mとなるように背面層塗工液BC1を塗布した、乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着層塗布側に前記塗工液を下表1に記載された組み合わせで、イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写層および保護層を面順次となるように塗布した感熱転写シートAを作製した。なお、保護層を形成する場合は、保護層用離型層用塗工液PU1を塗布し、乾燥した後に、その上に保護層用剥離層用塗工液PO1を塗布し、乾燥した後に、さらにその上に保護層用接着層塗工液A1を塗布した。
この時の塗布量は固形分塗布量が、以下の塗布量となるように調整した。
イエロー熱転写層 0.8g/m2
マゼンタ熱転写層 0.8g/m2
シアン熱転写層 0.8g/m2
保護層離型層 0.3g/m2
保護層剥離層 0.5g/m2
保護層接着層 2.2g/m2
[感熱転写シート102の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を本発明の化合物T−19に置き換えた他は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
本発明の化合物T−19 0.4質量部
[感熱転写シート103の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を本発明の化合物T−33に置き換えた他は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
本発明の化合物T−33 0.4質量部
[感熱転写シート104の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を本発明の化合物T−3に置き換えた他は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
本発明の化合物T−3 0.4質量部
[感熱転写シート105の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を本発明の化合物T−23に置き換えた他は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
本発明の化合物T−23 0.4質量部
[感熱転写シート106の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を本発明の化合物T−24に置き換えた他は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
本発明の化合物T−24 0.4質量部
[感熱転写シート107の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を下記化合物に変更した他は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
本発明の化合物T−19 0.2質量部
本発明の化合物T−22 0.2質量部
[感熱転写シート108の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を下記化合物に変更した他は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
本発明の化合物T−22 0.2質量部
離型剤 0.03質量部
(変性シリコーンオイルX−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製(以下、X−22−3000Tという))
離型剤 0.02質量部
(塗料添加用シリコーンオイルTSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
[感熱転写シート109の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を下記比較化合物に変更した以外は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
比較化合物1 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
比較化合物2 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・
ジャパン合同会社製)
[感熱転写シート110の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を下記比較化合物に変更した以外は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
比較化合物1 0.25質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
比較化合物2 0.15質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・
ジャパン合同会社製)
[感熱転写シート111の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物T−22を下記比較化合物に変更した以外は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
比較化合物3 0.4質量部
(フロラードFC−430、商品名、住友スリーエム(株)製)
[感熱転写シート112の作製]
各染料層に本発明の化合物および比較化合物を用いなかったこと以外は、感熱転写シート101と同様にして作成した。
[感熱転写受像シート201の作製]
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の断熱層、受容層の順に支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量は下引き層:6.7g/m2、断熱層:8.6g/m2、受容層下層:2.6g/m2、受容層上層:2.7g/m2となるように塗布を行った。
受容層上層
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 22.2質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 2.5質量部
(ビニブラン276、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 0.5質量部
下記エステル系ワックスEW−1 2.0質量部
下記界面活性剤F−1 0.04質量部
受容層下層
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 24.4質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 1.4質量部
下記界面活性剤F−1 0.04質量部
断熱層
中空ポリマー粒子ラテックス(固形分として) 579質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 279質量部
下引き層
ポリビニルアルコール 16.8質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス(固形分として) 150質量部
(SN−307、商品名、日本エイ アンド エル(株)製)
下記界面活性剤F−1 0.1質量部
Figure 2009113373
[画像形成]
上記感熱転写シート101〜112と感熱転写受像シート201を用いて、富士フイルム株式会社製昇華型熱転写プリンターASK2000(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで出力を行った。この際、ライン速度は0.73m秒/ライン、TPHの最高到達温度は400℃であった。
[評価試験]
印画不良の評価を次のようにして行なった。プリンターを35℃90%の条件に調湿された室内に5時間放置した後、KG(キング)サイズの黒ベタ((R、G、B)=(0、0、0))となるデジタル画像情報を連続30枚プリントし、27〜30枚目に出力した3枚の画像を評価した。融着、接着やインク剥がれ等によると推定される画像欠陥やムラなどの印画不良のレベルを評価した。評価は10人の評価者によって下記のランクで評価を行ない、平均点を算出した。
1: 印画不良が非常に多く、印画画像の認識に支障をきたすレベルである
2: 印画不良が散発しており、実用上問題のあるレベルである
3: 印画不良が認められるが、実用上問題ないレベルである
4: 印画不良が非常に少ない
5: 印画不良が確認できない
感熱転写シートの皺の評価を次のように行った。プリンターを20℃15%RHに調節した室内に5時間放置した後、KGサイズの黒ベタ((R、G、B)=(0、0、0))となるデジタル画像情報を連続20枚プリントし、19枚目と20枚目のプリントに発生した皺の画像を下記に記載の方法で定量化し平均を算出した。
セイコーエプソン(株)社製ネットワークスキャナーES−2200を用いて、24bitカラー、400dpi条件でプリント画像を取り込み、bmp形式データファイル化した。画像取り込みの際、画面縁のノイズ情報を除去するために、画面中央98%部分を用いて画像解析を行った。感熱転写シートの皺の画像解析は、このデータファイルの中から視感度が最も強いGの情報を抽出し、25以上の情報を示す点を黒く再現していないピクセルがピクセル総数に占める割合を皺発生率Rsと定義した。皺が少なければRsは小さくなり、多く発生すればRsは大きくなる。なお、融着が発生したサンプルに関しては、皺評価は不能とした。結果を下記表1に示す。
Figure 2009113373
上記表26の結果から、本発明の感熱転写シートは皺の発生が少なくかつ印画不良を抑制できることが明らかである。

Claims (6)

  1. 支持体の一方の面に、一般式(1)または(2)で表されるトリアジン環を有する化合物の少なくとも1種と熱転写可能な染料とを含む染料層を少なくとも1層有することを特徴とする感熱転写シート。
    Figure 2009113373
    (一般式(1)および(2)中、X1、X2およびX3は、各々独立にNR201、SまたはOを表す。ここで、R201は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリ−ル基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、または置換もしくは無置換のアシル基を示す。R202、R203およびR204は各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を示す。R201とR202〜R204の少なくとも1つが互いに結合して環を形成してもよい。R205〜R219は各々独立に置換基を表す。)
  2. イエロー、マゼンタ、シアンからなる3種の染料層が支持体上に面順次に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写シート。
  3. 少なくとも1つの転写性保護層積層体が前記染料層に対し面順次に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写シート。
  4. 前記染料層が下記一般式(3)で表される樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写シート。
    Figure 2009113373
    (一般式(3)中、R301およびR302は各々独立に、炭素原子数が1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。a〜eは各繰り返し単位の質量比を表し、aおよびbは各々独立に0〜100、cおよびdは各々独立に0〜50、eは0〜50を表す。ただし、a〜eの総計は100であって、かつaとbの合計は20〜100である。)
  5. 前記染料層を有する面とは反対側の支持体の面に背面層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱転写シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱転写シートの染料層と感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015098537A (ja) * 2013-11-19 2015-05-28 三菱化学株式会社 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置

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