JP2009113149A - 研削装置 - Google Patents

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文照 田篠
Sosuke Kumagai
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Abstract

【課題】被加工物の被研削面に傷を付けることなくチャックテーブルに保持された被加工物の厚みを計測することができる研削装置を提供する。
【解決手段】被加工物Wを保持する保持面を有する吸着テーブル714を備えたチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された被加工物の上面を研削する研削手段と、を具備する研削装置であって、チャックテーブルの吸着テーブルに埋設して配設され吸着テーブルの保持面に吸引保持された被加工物の厚みを計測する非接触式の厚み計測器8を具備している。
【選択図】図3

Description

本発明は、チャックテーブルに保持された半導体ウエーハ等の被加工物の厚みを計測する厚み計測器を装備した研削装置に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状であるウエーハの表面に格子状に形成されたストリート(分割予定ライン)によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域を分割予定ラインに沿って分割することにより個々のデバイスを製造している。なお、ウエーハは、一般に個々のチップに分割する前にその裏面を研削装置によって研削して所定の厚さに形成されている。
ウエーハの厚みを検出する方法としては、表面高さを検出する計測用の接触針をウエーハを保持するチャックテーブルの保持面に接触させてチャックテーブルの保持面の高さ位置HIを求め、次にチャックテーブルの保持面に保持されたウエーハの研削面(上面)に接触針を接触させてウエーハの上面の高さ位置H2を検出しつつ、H2−HIを演算してウエーハの厚みTを求めている。(例えば、特許文献1参照)。
特許第2993821号公報
而して、上述したウエーハの厚みを検出する方法においては、計測用の接触針をウエーハの被研削面に接触させるために、被研削面にリング状の傷がつきウエーハの品質を低下させるという問題がある。特に、ウエーハを形成するインゴットから切り出された基素ウエーハの表面および裏面を研削して、表面にデバイスを形成する基素ウエーハを研削する場合には、その後に実施する鏡面加工を阻害する原因となる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、被加工物の被研削面に傷を付けることなくチャックテーブルに保持された被加工物の厚みを計測することができる研削装置を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を保持する保持面を有する吸着テーブルを備えたチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物の上面を研削する研削手段と、を具備する研削装置において、
該チャックテーブルの該吸着テーブルに埋設して配設され該吸着テーブルの保持面に吸引保持された被加工物の厚みを計測する非接触式の厚み計測器を具備している、
ことを特徴とする研削装置が提供される。
上記非接触式の厚み計測器は、チャックテーブルの吸着テーブルに保持された被加工物に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射する発光手段と、該発光手段から照射されたレーザー光線が被加工物の下面および上面で反射した反射光を受光する受光手段とを具備している。
また、上記非接触式の厚み計測器は、チャックテーブルの吸着テーブルに保持された被加工物に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射する発光手段と、該発光手段から照射されたレーザー光線が被加工物の下面および上面で反射した反射光を受光する干渉カウンタとを具備している。
更に、上記非接触式の厚み計測器は、チャックテーブルの吸着テーブルに保持された被加工物に超音波を発振する超音波発振手段と、該超音波発振手段から発振され被加工物の下面および上面で反射した超音波を受信する反射波受信手段を具備している。
また、上記非接触式の厚み計測器は、チャックテーブルの吸着テーブルに径方向に複数個配設されていることが望ましい。
本発明による研削装置は、チャックテーブルの吸着テーブルに埋設して配設され吸着テーブルの保持面に吸引保持された被加工物の厚みを計測する非接触式の厚み計測器を具備しているので、被加工物の被研削面に傷を付けることなくチャックテーブルに保持された被加工物の厚みを計測することができる。
以下、本発明による研削方法および研削装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成された研削装置1の斜視図が示されている。図1に示す研削装置1は、全体を番号2で示す装置ハウジングを具備している。この装置ハウジング2は、細長く延在する直方体形状の主部21と、該主部21の後端部(図1において右上端)に設けられ実質上鉛直に上方に延びる直立壁22とを有している。直立壁22の前面には、上下方向に延びる一対の案内レール221、221が設けられている。この一対の案内レール221、221に研削手段としての研削ユニット3が上下方向に移動可能に装着されている。
研削ユニット3は、移動基台31と該移動基台31に装着されたスピンドルユニット4を具備している。移動基台31は、後面両側に上下方向に延びる一対の脚部311、311が設けられており、この一対の脚部311、311に上記一対の案内レール221、221と摺動可能に係合する被案内溝312、312が形成されている。このように直立壁22に設けられた一対の案内レール221、221に摺動可能に装着された移動基台31の前面には前方に突出した支持部313が設けられている。この支持部313に研削手段としてのスピンドルユニット4が取り付けられる。
研削手段としてのスピンドルユニット4は、支持部313に装着されたスピンドルハウジング41と、該スピンドルハウジング41に回転自在に配設された回転スピンドル42と、該回転スピンドル42を回転駆動するための駆動源としてのサーボモータ43とを具備している。スピンドルハウジング41に回転可能に支持された回転スピンドル42は、一端部(図1において下端部)がスピンドルハウジング41の下端から突出して配設されており、その一端(図1において下端)にホイールマウント44が設けられている。そして、このホイールマウント44の下面に研削ホイール5が取り付けられる。この研削ホイール5は、環状の砥石基台51と、該砥石基台51の下面に装着された研削砥石52からなる複数のセグメントとによって構成されており、砥石基台51が締結ネジ53によってホイールマウント44に装着される。上記サーボモータ43は、後述する制御手段10によって制御される。
図示の研削装置1は、上記研削ユニット3を上記一対の案内レール221、221に沿って上下方向(後述するチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向)に移動せしめる研削ユニット送り機構6を備えている。この研削ユニット送り機構6は、直立壁22の前側に配設され実質上鉛直に延びる雄ねじロッド61を具備している。この雄ねじロッド61は、その上端部および下端部が直立壁22に取り付けられた軸受部材62および63によって回転自在に支持されている。上側の軸受部材62には雄ねじロッド61を回転駆動するための駆動源としてのパルスモータ64が配設されており、このパルスモータ64の出力軸が雄ねじロッド61に伝動連結されている。移動基台31の後面にはその幅方向中央部から後方に突出する連結部(図示していない)も形成されており、この連結部には鉛直方向に延びる貫通雌ねじ穴(図示していない)が形成されており、この雌ねじ穴に上記雄ねじロッド61が螺合せしめられている。従って、パルスモータ64が正転すると移動基台31即ち研磨ユニット3が下降即ち前進せしめられ、パルスモータ64が逆転すると移動基台31即ち研削ユニット3が上昇即ち後退せしめられる。なお、パルスモータ64は、後述する制御手段10によって制御される。
上記ハウジング2の主部21にはチャックテーブル機構7が配設されている。チャックテーブル機構7は、チャックテーブル71と、該チャックテーブル71の周囲を覆うカバー部材72と、該カバー部材72の前後に配設された蛇腹手段73および74を具備している。チャックテーブル71は、図2に示すようにチャックテーブル本体711と、該チャックテーブル本体711の上面に締結ボルト712によって取付けられた枠体713と、該枠体713の上面に装着された吸着テーブル714とを具備している。枠体713の上面には円形状の凹部713aが設けられており、この凹部713aに円形状の吸着テーブル714が嵌合される。このように枠体713の凹部713aに嵌合された吸着テーブル714の上面である保持面と枠体713の上面とは同一平面となるように構成されている。吸着テーブル714はポーラスなセラミックス材によって形成され、上面が被加工物を保持する保持面として機能する。なお、枠体713に設けられた凹部713aは、吸引通路713bおよびチャックテーブル本体711に設けられた連通路711aを介して図示しない吸引手段に接続されている。従って、図示しない吸引手段を作動すると、負圧が連通路711と吸引通路713bおよび凹部713aを介して吸着テーブル714の上面である保持面に作用し、該保持面に載置された被加工物を吸引保持する。このように構成されたチャックテーブル71は、図示しない回転駆動手段によって回転せしめられるようになっている。
また、チャックテーブル71は、図示しないチャックテーブル移動手段によって図1に示す被加工物載置域70aと上記スピンドルユニット4を構成する研削ホイール5と対向する研削域70bとの間で移動せしめられる。上記蛇腹手段73および74はキャンパス布の如き適宜の材料から形成することができる。蛇腹手段73の前端は主部21の前面壁に固定され、後端はカバー部材72の前端面に固定されている。蛇腹手段74の前端はカバー部材72の後端面に固定され、後端は装置ハウジング2の直立壁22の前面に固定されている。チャックテーブル71が矢印71aで示す方向に移動せしめられる際には蛇腹手段73が伸張されて蛇腹手段74が収縮され、チャックテーブル71が矢印71bで示す方向に移動せしめられる際には蛇腹手段73が収縮されて蛇腹手段74が伸張せしめられる。
図示の研削装置1は、上記カバー部材72に配設されチャックテーブル71に保持された後述する被加工物の厚みを測定する接触式の厚み計測器8を具備している。この非接触式の厚み計測器8は、一般に用いられている厚み計測器でよく、計測用の接触針81を備え、該計測用の接触針81を被計測物の表面に接触させることにより被加工物の表面の高さ位置信号を後述する制御手段10に出力する。
図示の研削装置1は、上記チャックテーブル71を構成する吸着テーブル714に配設され保持面に保持された被加工物の厚みを測定する非接触式の厚み計測器9を具備している。この非接触式の厚み計測器9は、図2に示すように吸着テーブル714の上面である保持面に開口する計測器収容穴714aに収容される計測ケース91を具備している。計測ケース91には、図3に示すように発光手段92と、該発光手段92によって照射された光を受光する受光手段93が配設されているとともに、上面に透明版94が配設されている。発光手段92は、レーザーダイオード(LD)921と集光レンズ922を具備している。レーザーダイオード(LD)921は、後述する被加工物に対して透過性を有する波長、例えば1100nmの波長を有するレーザー光線を発振する。このレーザーダイオード(LD)921から発振されたレーザー光線は、集光レンズ922によって集光され、図3に示すように透明版94を通して上記チャックテーブル71の吸着テーブル714上に保持される被加工物としての基素ウエーハWに所定の入射角θをもって照射する。基素ウエーハWに照射されたレーザー光線は、図3に示すように基素ウエーハWの下面で反射するとともに、基素ウエーハを透過した光が基素ウエーハWの上面で反射する。
上記受光手段93は、図示の実施形態においてはCCDラインセンサー931を具備しており、上記発光手段92から照射されたレーザー光線が基素ウエーハWで正反射する位置に配設されている。受光手段93を構成するCCDラインセンサー931は、その検出信号をチャックテーブル本体711に設けられた図示しないロータリーブラシを介して制御手段10に送る。制御手段10は、発光素子921を制御するとともに、CCDラインセンサー931からの受信信号および上記接触式の厚み計測器8からの検出信号に基いて上記研削手段としてのスピンドルユニット4のパルスモータ64やサーボモータ43等を制御する。
ここで、上述した非接触式の厚み計測器9を構成する発光手段92と受光手段93の作用について、図3を参照して説明する。
発光手段92から基素ウエーハWに照射されたレーザー光線は、被加工物Wの下面で反射するとともに、基素ウエーハWを透過した光が基素ウエーハWの上面で反射する。この基素ウエーハWの下面で反射した光と、基素ウエーハWの上面で反射した光を受光手段93のCCDラインセンサー931によって受光し、その間隔(L)と入射角θに基づいて被加工物Wの厚みとして求めることができる。しかるに、基素ウエーハWはその材質によって屈折率が異なるため、基素ウエーハWの厚みを正確に計測することが困難である。従って、基素ウエーハWの厚みを正確に計測するは後述するように補正する。
図示の研削装置1は以上のように構成されており、以下、上記研削装置1を用いてウエーハを形成するインゴットから切り出された基素ウエーハWを所定の厚さに研削する研削方法について説明する。
基素ウエーハWは、図1に示す記研磨装置1における被加工物載置域70aに位置付けられているチャックテーブル71の吸着テーブル714上に載置され、図示しない吸引手段を作動することによって吸着テーブル714上に吸引保持される。チャックテーブル71の吸着テーブル714上に基素ウエーハWを吸引保持したならば、制御手段10は上記接触式の厚み計測器8を作動して吸着テーブル714に保持された基素ウエーハWの加工前の厚み(T1)を計測する第1の加工前の厚み計測工程を実施する。
第1の加工前の厚み計測工程は、図4の(a)に示すように接触式の厚み計測器8の計測用の接触針81をチャックテーブル71の枠体713の上面に接触させ、その高さ位置信号(H1)を制御手段10に送る。なお、このチャックテーブル71の高さ位置の計測は、吸着テーブル714上に基素ウエーハWを保持する前に、チャックテーブル71の上面である保持面に接触式の厚み計測器8の計測用の接触針81を接触させて実施してもよい。次に、図4の(b)に示すように接触式の厚み計測器8の計測用の接触針81をチャックテーブル71の吸着テーブル714の上面に保持された基素ウエーハWの上面に接触させ、その高さ位置信号(H2)を制御手段10に送る。制御手段10は、接触式の厚み計測器8から送られた上記高さ位置信号(H1)および高さ位置信号(H2)に基いて、チャックテーブル71の吸着テーブル714の上面に保持された基素ウエーハWの上面の高さ位置(H2)からチャックテーブル71の枠体713(吸着テーブル714)の上面の高さ位置(H1)を減算して基素ウエーハWの厚み(T1)(T1=H2−H1)を求める。このようにして求めた基素ウエーハWの厚み(T1)は、制御手段10のメモリーに格納される。
次に、制御手段10は、上記非接触式の厚み計測器9を作動してチャックテーブル71の吸着テーブル714に保持された基素ウエーハWの加工前の厚み(T2)を計測する第2の加工前の厚み計測工程を実施する。即ち、制御手段10は図3に示すように、発光手段92および受光手段93を作動する。そして、制御手段10は、発光手段92から照射されたレーザー光線が基素ウエーハWの下面で反射し受光手段93としてのCCDラインセンサー931に受光された位置と、基素ウエーハWの上面で反射した光をCCDラインセンサー931に受光された位置との間隔(L)と入射角θに基づいて基素ウエーハWの加工前の厚み(T2)(T2=(cosθ/sin2θ)×L)を求める。
上記第2の加工前の厚み計測工程によって求められた基素ウエーハWの加工前の厚み(T2)は、上述したように基素ウエーハWの材質によって屈折率が異なるため、基素ウエーハWの正確な厚みとはいえない。即ち、基素ウエーハWの材質固有の屈折率を上記厚み(T2)の計算式に乗じることにより基素ウエーハWの正確な厚みを求めることができるが、基素ウエーハWの正確な屈折率を知ることが困難であるため、便宜的に屈折率を1として厚みを求めているので、上記厚み(T2)は基素ウエーハWの正確な厚みとはいえない。そこで、制御手段10は、上記第1の加工前の厚み計測工程によって計測された被加工物の加工前の厚み(T1)と第2の加工前の厚み計測工程によって計測された被加工物の加工前の厚み(T2)に基づいて非接触式の厚み計測器9による計測値を補正する補正値(T1/T2)を求める補正値演算工程を実施する。このようにして求めた補正値(T1/T2)は、制御手段10のメモリーに格納される。
上述したように非接触式の厚み計測器9による計測値を補正する補正値(T1/T2)求め、この補正値(T1/T2)によって非接触式の厚み計測器9が計測した厚みを補正することにより、基素ウエーハWの正確な厚みを求めることが可能となる。次に、制御手段10は、非接触式の厚み計測器9を作動してチャックテーブル71の吸着テーブル714の上面(保持面)に保持された基素ウエーハWの厚みを計測しつつ研削手段を作動してチャックテーブル71の吸着テーブル714の上面(保持面)に保持された基素ウエーハWを研削する研削工程を実施する。即ち、制御手段10は基素ウエーハWを保持したチャックテーブル71の図示しない移動手段を作動し、チャックテーブル71を図1において矢印71aで示す方向に移動して研削域70bに位置付け、図5に示すように研削ホイール5の複数の研削砥石52の外周縁がチャックテーブル71の回転中心を通過するように位置付ける。
このように研削ホイール5とチャックテーブル71に保持された基素ウエーハWが所定の位置関係にセットされたならば、制御手段10は図示しない回転駆動手段を駆動してチャックテーブル71を図5において矢印Aで示す方向に例えば300rpmの回転速度で回転するとともに、上記サーボモータ43を駆動して研削ホイール5を矢印Bで示す方向に例えば6000rpmの回転速度で回転する。そして、制御手段9は、研削ユニット送り機構6のパルスモータ64を正転駆動し研削ホイール5を下降(研削送り)して複数の研削砥石52を基素ウエーハWの上面である被研削面に所定の圧力で押圧する。この結果、基素ウエーハWの被研削面が研削される(研削工程)。
上記研削工程においては、非接触式の厚み計測器9によって基素ウエーハWの厚み(T0)が測定されている。非接触式の厚み計測器9によって計測される基素ウエーハWの厚み(T0)は、上述した発光手段92から照射されたレーザー光線が基素ウエーハWの下面で反射し受光手段93としてのCCDラインセンサー931に受光された位置と、基素ウエーハWの上面で反射した光がCCDラインセンサー931に受光された位置との間隔(L)と入射角θに基づいて算出される。即ち、基素ウエーハWの厚み(T0)は、(T0=(cosθ/sin2θ)×L)となる。しかるに、非接触式の厚み計測器9によって計測される基素ウエーハWの厚み(T0)は、上述したように基素ウエーハWの屈折率によって異なるので、基素ウエーハWの正確な厚みとはいえない。そこで、制御手段10は基素ウエーハWの厚み(T0)に上記補正値(T1/T2)を乗算して基素ウエーハWの厚み(T)(T=T0×(T1/T2))を求める。そして、制御手段10は、基素ウエーハWの厚み(T)(T=T0×(T1/T2))が所定値に達したら、研削ユニット送り機構6のパルスモータ64を逆転駆動し研削ホイール5を上昇せしめる(切削終了工程)。この結果、研削ホイール5による研削作用は終了する。
以上のように、研削工程においては非接触式の厚み計測器9によって基素ウエーハWの下面から厚み(T0)を計測しているので、基素ウエーハWの上面である被研削面に傷がつくことはない。そして、非接触式の厚み計測器9によって計測された基素ウエーハWの厚み(T0)は、上記補正値(T1/T2)によって補正されるので、基素ウエーハWの材質によって屈折率が異なっても基素ウエーハWの正確な厚み(T)に研削することができる。
次に、上記非接触式の厚み計測器の他の実施形態について、図6を参照して説明する。なお、非接触式の厚み計測器以外は上記研削装置1を構成する各部材と同一である。
図6に示す非接触式の厚み計測器9aは、上記計測ケース91に配設され上記基素ウエーハWに対して透過性を有する波長、例えば1100nmの波長を有するレーザー光線を発振する発光手段としてのレーザーダイオード(LD)91aと、該レーザーダイオード(LD)91aから発振されたレーザー光線を図において上方に分光するビームスプリッター92aと、該ビームスプリッター92aによって分光されたレーザー光線を集光してチャックテーブル71の吸着テーブル714に保持された基素ウエーハWに向けて照射する集光レンズ93aと、該集光レンズ93aから照射されたレーザー光線が基素ウエーハWの下面および上面で反射した反射光を上記ビームスプリッター92aを介して受光する干渉カウンタ94aとからなっており、該干渉カウンタ94aによってカウントされた干渉数を上記制御手段10に送る。
図6に示す非接触式の厚み計測器9aは以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
レーザーダイオード(LD)91aから発振されたレーザー光線は、ビームスプリッター92aによって分光され、集光レンズ93aによって集光されてチャックテーブル71の吸着テーブル714に保持された基素ウエーハWに照射される。基素ウエーハWに照射されたレーザー光線は、基素ウエーハWの下面および上面で反射し、集光レンズ93aおよびビームスプリッター92aを介して干渉カウンタ94aに到達する。ここで、干渉カウンタ94aに到達する反射光について説明する。基素ウエーハWが研削されずに上面の高さ位置が変化しない場合には、基素ウエーハWの上面と下面で反射した反射光の光波は同一周期で推移する。一方、基素ウエーハWが研削され上面の高さ位置が変化すると、基素ウエーハWの下面と上面で反射した反射光の光波は次第に周期がずれてくる。図示の実施形態においては、レーザーダイオード(LD)91aから発振されるレーザー光線は波長(α)が1100nmに設定されているので、基素ウエーハWが1100nm研削される都度、基素ウエーハWの下面で反射した反射光の光波と基素ウエーハWの上面で反射した反射光の光波が干渉することになる。従って、この干渉回数(n)を干渉カウンタ94aによってカウントし、干渉回数(n)に波長(α)を乗算することにより研削量(n×α)を求めることができる。
図6に示す非接触式の厚み計測器9aを備えた上記研削装置1を用いてウエーハを形成するインゴットから切り出された基素ウエーハWを所定の厚さに研削する研削方法について説明する。
上記接触式の厚み計測器8を作動してチャックテーブル71に保持された基素ウエーハWの加工前の厚み(T1)を計測する加工前の厚み計測工程は、上述した実施形態の第1の加工前の厚み計測工程と同様に実施する。
次に、研削手段を作動してチャックテーブル71の吸着テーブル714の上面(保持面)に保持された基素ウエーハWを研削する研削工程を上述した実施形態と同様実施する。
この研削工程においては、非接触式の厚み計測器9aによって上述したように研削量(n×α)を求めている。この研削量(n×α)を求めることにより、上記加工前の厚み計測工程によって計測された基素ウエーハWの加工前の厚み(T1)から研削量(n×α)を減算することにより、現在の基素ウエーハWの厚み(T)を求める(T=T1−(n×α))ことができる。そして、現在の基素ウエーハWの厚み(T)(T=T1−(n×α))が所定値に達したら、制御手段10は研削ユニット送り機構6のパルスモータ64を逆転駆動し研削ホイール5を上昇せしめる(切削終了工程)。この結果、研削ホイール5による研削作用は終了する。このように研削工程においては非接触式の厚み計測器9aによって基素ウエーハWの上面(被研削面)を計測して研削量(n×α)を求め、加工前の厚み計測工程によって計測された基素ウエーハWの加工前の厚み(T1)から研削量(n×α)を減算することにより、現在の基素ウエーハWの厚み(T)(T=T1−(n×α))を求めることができるので、基素ウエーハWの被研削面に傷がつくことはない。
次に、上記非接触式の厚み計測器の更に他の実施形態について、図7を参照して説明する。なお、非接触式の厚み計測器以外は上記研削装置1を構成する各部材と同一である。
図7に示す非接触式の厚み計測器9bは、計測ケース91に配設された超音波発振手段92bと反射波受信手段93bを具備している。超音波発振手段82bは、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、リチウムタンタレート等の圧電セラミックスによって形成された超音波振動子921bと、該超音波振動子81に例えば250Vのパルス変圧を印加する電圧印加手段922bと、超音波振動子921bによって生成された超音波を伝送して発振する伝達部材923bとからなっており、チャックテーブル71の吸着テーブル714の上面(保持面)に保持された基素ウエーハWに向けて例えば周波数が1kHzの超音波を発振する。この超音波発振手段92bから発振された超音波は、の吸着テーブル714の上面(保持面)に保持された基素ウエーハWの下面で反射するとともに基素ウエーハWの上面で反射する。基素ウエーハWの下面と上面で反射した反射波は、反射波受信手段93bによって受信される。この反射波受信手段93bは、基素ウエーハWの下面で反射した反射波と基素ウエーハWの上面で反射した反射波を受信して受信信号を上記制御手段10に送る。
図7に示す非接触式の厚み計測器9bを備えた上記研削装置1を用いてウエーハを形成するインゴットから切り出された基素ウエーハWを所定の厚さに研削する研削方法について説明する。
上記接触式の厚み計測器8を作動してチャックテーブル71に保持された基素ウエーハWの加工前の厚み(T1)を計測する加工前の厚み計測工程は、上述した実施形態の第1の加工前の厚み計測工程と同様に実施する。
次に、制御手段10は超音波発振手段92bおよび反射波受信手段93bを作動し、超音波発振手段92bからパルス超音波が発振されてから加工前の基素ウエーハWの下面で反射した反射波が反射波受信手段93bで受信するまでの時間(t1)と、超音波発振手段92bからパルス超音波が発振されてから加工前の基素ウエーハWの上面で反射した反射波が反射波受信手段93bで受信するまでの時間(t2)との差(t)=(t2−t1)を求める。そして、両反射光が反射波受信手段93bに達するまでの時間差(t)で上記加工前の厚み計測工程によって求められた基素ウエーハWの加工前の厚み(T1)を除算することにより厚み計測基準値(T1/t)を求める。このようにして求めた厚み計測基準値(T1/t)は、制御手段10のメモリーに格納される。
次に、研削手段を作動してチャックテーブル71の吸着テーブル714の上面(保持面)に保持された基素ウエーハWを研削する研削工程を上述した実施形態と同様実施する。
この研削工程においては、非接触式の厚み計測器9bによって、超音波発振手段92cからパルス超音波が発振されてから基素ウエーハWの下面で反射した反射波が反射波受信手段93bで受信するまでの時間(t1)と、超音波発振手段92bからパルス超音波が発振されてから基素ウエーハWの上面で反射した反射波が反射波受信手段93bで受信するまでの時間(t2)との差(t0)=(t2−t1)を求めている。そして、制御手段10は、両反射光が反射波受信手段93bに達するまでの時間差(t0)を上記厚み計測基準値(T1/t)に乗算して現在の基素ウエーハWの厚み(T)を求める(T=(T1/t)×t0)ことができる。このようにして求めた現在の基素ウエーハWの厚み(T)(T=(T1/t)×t0))が所定値に達したら、制御手段10は研削ユニット送り機構6のパルスモータ64を逆転駆動し研削ホイール5を上昇せしめる(切削終了工程)。この結果、研削ホイール5による研削作用は終了する。このように研削工程においては非接触式の厚み計測器9bによって現在の基素ウエーハWの厚み(T)(T=(T1/t)×t0))を求めることができるので、基素ウエーハWの被研削面に傷がつくことはない。
上述した各実施形態においては、チャックテーブル71を構成する吸着テーブル714に1個の非接触式の厚み計測器を配設した例を示したが、図8に示すようにチャックテーブル71を構成する吸着テーブル714の径方向に複数個配設することが望ましい。即ち、図8に示すように吸着テーブル714の中央部と外周部および中央部と外周部との中間部にそれぞれ非接触式の厚み計測器9(9a,9b)を配設することにより、基素ウエーハWの各部の研削誤差を検出することができる。
本発明に従って構成された研削装置の斜視図。 図1に示す研削装置に装備されるチャックテーブルの要部断面図。 図1に示す研削装置に装備される非接触式の厚み計測器の構成ブロック図。 図1に示す研削装置に装備される接触式の厚み計測器を用いて実施する第1の加工前の厚み計測工程の説明図。 図1に示す研削装置を用いて実施する研削工程の説明図。 図1に示す研削装置に装備ざれる非接触式の厚み計測器の一実施形態を示す構成ブロック図。 図1に示す研削装置に装備ざれる非接触式の厚み計測器の更に実施形態を示す構成ブロック図。 非接触式の厚み計測器をチャックテーブルを構成する吸着テーブルの径方向に複数個排泄した状態を示す
符号の説明
2:装置ハウジング
3:研削ユニット
31:移動基台
4:スピンドルユニット
41:スピンドルハウジング
42:回転スピンドル
43:サーボモータ
44:ホイールマウント
5:研削ホイール
51:砥石基台
52:研削砥石
6:研削ユニット送り機構
64:パルスモータ
7:チャックテーブル機構
71:チャックテーブル
8:接触式の厚み計測器
81:計測用の接触針
9:非接触式の厚み計測器
91:計測ケース
92:発光手段
921:レーザーダイオード(LD)
922:集光レンズ
93:受光手段
931:CCDラインセンサー
94:透明版
9a:非接触式の厚み計測器
91a:レーザーダイオード(LD)
92a:ビームスプリッター
93a:集光レンズ
94a:干渉カウンタ
9b:非接触式の厚み計測器
10:制御手段

Claims (5)

  1. 被加工物を保持する保持面を有する吸着テーブルを備えたチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物の上面を研削する研削手段と、を具備する研削装置において、
    該チャックテーブルの該吸着テーブルに埋設して配設され該吸着テーブルの保持面に吸引保持された被加工物の厚みを計測する非接触式の厚み計測器を具備している、
    ことを特徴とする研削装置。
  2. 該非接触式の厚み計測器は、該チャックテーブルの該吸着テーブルに保持された被加工物に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射する発光手段と、該発光手段から照射されたレーザー光線が被加工物の下面および上面で反射した反射光を受光する受光手段とを具備している、請求項1記載の研削装置。
  3. 該非接触式の厚み計測器は、該チャックテーブルの該吸着テーブルに保持された被加工物に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射する発光手段と、該発光手段から照射されたレーザー光線が被加工物の下面および上面で反射した反射光を受光する干渉カウンタとを具備している、請求項1記載の研削装置。
  4. 該非接触式の厚み計測器は、該チャックテーブルの該吸着テーブルに保持された被加工物に超音波を発振する超音波発振手段と、該超音波発振手段から発振され被加工物の下面および上面で反射した超音波を受信する反射波受信手段を具備している、請求項1記載の研削装置。
  5. 該非接触式の厚み計測器は、該チャックテーブルの該吸着テーブルに径方向に複数個配設されている、請求項1から4のいずれかに記載の研削装置。
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