JP2009112994A - 汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置 - Google Patents

汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】往復動式チェンレス汚泥掻寄機において短時間内で汚泥掻寄サイクルを繰り返しても、これに連動するスカムスキマの傾動動作サイクルを任意に、かつ簡易に設定できるようにして過剰スカム水の排出を防止するとともに、スカム移送ポンプの運転頻度を低下させるようにした汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置を提供すること。
【解決手段】汚泥掻寄用フライト1の駆動と連動するスカム掻寄用プレート6によりスカムスキマSを傾動させるようにした往復動式チェンレス汚泥掻寄機Aにおいて、スカムスキマSの水面上方に配設する傾動装置8を、スカム掻寄用プレート6の駆動力により、クラッチ機構12を介して選択的に伝達してスカムスキマSを傾動させるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置に関し、特に、沈殿池、沈砂池等(以下、「沈殿池」という。)に配設する汚泥掻寄機の駆動により、スカム排出用のスカムスキマを必要に応じて連動させて傾動し、これによりスカム水の過剰排水を未然に防いで、掻き寄せスカムの排出を効率的に行うようにした汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置に関するものである。
従来、下水処理場等の沈殿池においては、池底に沈殿する汚砂、汚泥等を掻き寄せ、沈殿池外へ排出するために、池底に沿ってフライトを移動するようにした汚泥掻寄機が設置されている。
この汚泥掻寄機としては、池底に沿うようエンドレスに張架したエンドレスチェンに、所定間隔に複数の汚泥掻寄用フライトを取り付けて構成するエンドレスチェン式汚泥掻寄機、池底に沿ってある距離を蠕動運動にて往復動するようにした汚泥掻寄ロッドに所定間隔に汚泥掻寄用フライトを取り付けて構成する往復動式チェンレス汚泥掻寄機等がある。
この往復動式チェンレス汚泥掻寄機においては、汚泥掻寄用フライトの駆動と連動して水面位置で往復動するようにしたスカム掻寄用プレートを配設し、これにより水面に浮遊するスカムを掻き寄せ、スカムスキマより排出するようにしている。
また、このスカムスキマは、水面位置に傾動可能に配設し、池底に沿って移動するフライトの駆動力を利用して傾動するようにし、このスカムスキマの傾動により水面位置に浮遊するスカムを、該スカムスキマにて呑み込み池外へ排出するようにしている。
しかしながら、チェンを使用しない往復動式チェンレス汚泥掻寄機は、短時間、特に限定されるものではないが、例えば、約6分で汚泥掻寄サイクルを繰り返すようになっているので、これに連動してスカムスキマも約6分という短い時間で傾動動作を繰り返すものとなっている。
したがって、汚泥掻寄用フライトが駆動されると水面に浮遊するスカム量に関係なく、汚泥掻寄用フライトの駆動と連動してスカムスキマも作動するので、比較的短時間で傾動し、このためスカム水の排出が過剰となり、さらにはこの過剰スカム水の排出は、これを排出するためのスカム移送ポンプの運転頻度も高くなるという問題があった。
本発明は、汚泥掻寄機におけるスカムスキマの有する問題点に鑑み、往復動式チェンレス汚泥掻寄機において短時間内で汚泥掻寄サイクルを繰り返しても、これに連動するスカムスキマの傾動動作サイクルを任意に、かつ簡易に設定できるようにして過剰スカム水の排出を防止するとともに、スカム移送ポンプの運転頻度を低下させるようにした汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置は、汚泥掻寄用フライトの駆動と連動するスカム掻寄用プレートによりスカムスキマを傾動させるようにした往復動式チェンレス汚泥掻寄機において、スカムスキマの水面上方に配設する傾動装置を、スカム掻寄用プレートの駆動力により、クラッチ機構を介して選択的に伝達してスカムスキマを傾動させるように構成したことを特徴とする。
この場合において、傾動装置を、スカム掻寄用プレートの駆動力を伝達するようにした駆動力伝達ロッドと、スカムスキマを傾動させるようにした傾動ロッドとをクラッチ機構を介して連結するようにすることができる。
また、駆動力伝達ロッドと傾動ロッドの端部を、クラッチ機構を備えた駆動軸に突設したリンクに枢着することができる。
本発明の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置によれば、汚泥掻寄用フライトの駆動と連動するスカム掻寄用プレートによりスカムスキマを傾動させるようにした往復動式チェンレス汚泥掻寄機において、スカムスキマの水面上方に配設する傾動装置を、スカム掻寄用プレートの駆動力により、クラッチ機構を介して選択的に伝達してスカムスキマを傾動させるように構成することにより、汚泥掻寄機による汚泥掻寄サイクルが短時間で繰り返しても、この駆動力をスカムの発生量等に応じて選択的にクラッチ機構を介してスカムスキマ側に伝達してこれを必要に応じて傾動させることができるので、スカム水の過剰排水を未然に防止することができるとともに、このスカム排出のためのスカム移送ポンプ運転頻度も低下させることができ、かつ効率的なスカムの排出を行うことができる。
また、傾動装置を、スカム掻寄用プレートの駆動力を伝達するようにした駆動力伝達ロッドと、スカムスキマを傾動させるようにした傾動ロッドとをクラッチ機構を介して連結するようにすることにより、スカム掻寄用プレートの駆動力を確実にスカムスキマ側に伝達でき、確実な動作を行うことができる。
また、駆動力伝達ロッドと傾動ロッドの端部を、クラッチ機構を備えた駆動軸に突設したリンクに枢着することにより、傾動装置の機構をコンパクトに収めることができる。
以下、本発明の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図5に、本発明の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置の一実施例を示す。
下水処理場等の沈殿池Tは、特に限定されるものではないが、例えば、図1に示すように、矩形をしており、その一端側に槽底の一部を深くして汚泥ピットPを形成し、沈殿池T内に設置する汚泥掻寄機を駆動することにより槽底に沈殿した汚泥を掻き寄せ、この汚泥ピットP内に一時的に貯留して池外へ排出するようにしている。
この沈殿池Tに採用する汚泥掻寄機は、往復動式チェンレス汚泥掻寄機Aとし、沈殿池T内にこの往復動式チェンレス汚泥掻寄機Aと、掻き寄せスカムを排出するためのスカムスキマSとを配設する。
この往復動式チェンレス汚泥掻寄機Aは、槽底長手方向に添って敷設した池底レールRに導かれて往復移動するように構成する
この往復動式チェンレス汚泥掻寄機Aは、下方に複数の汚泥掻寄用フライト1を垂設して汚泥を掻き寄せるようにしたフライトビーム2と、該フライトビーム2を吊垂支持するフライトビーム支持ロッド3と、該フライトビーム支持ロッド3の上端に配設した駆動装置4と、前記フライトビーム支持ロッド3に取り付け、水面位置に浮遊するスカムを掻き寄せるためのスカム掻寄用プレート6を突設したスカム掻寄ビーム5とより構成する。
この駆動装置4は、図示省略したが複数本のピンを長円形のループ形に植設してなるピンラックと、該ピンラックに噛合して移動するようにしたピニオンとより構成する。
そして、このピンラックに噛合するピニオンを前記フライトビーム支持ロッド3の上端部に取り付け、これにより駆動装置4の駆動によりピニオンがピンラックに噛合して周回移動する際、往復動式チェンレス汚泥掻寄機Aを、往復移動と上下運動とを組み合わせた蠕動運動を行うようして槽底に沈殿する汚泥を汚泥ピットPに掻き寄せるようにする。
このため、ピンラックの全長は、汚泥を掻き寄せるためのフライトビーム2のストロークとなるように設定するとともに、フライトビーム2の前進による汚泥の掻き寄せとき、槽底に添うようフライトビーム2を降下し、またフライトビーム後退時には汚泥掻寄用フライト1が槽底面より少し浮上して沈殿汚泥を反ピット側に掻き寄せないよう上下運動をするようにする。
なお、この汚泥掻寄機の上下運動は、ピンラックの往路側と復路側との間にフライトビームの昇降範囲となるように間隔を設けることにより行う。
また、汚泥掻寄機のフライトビーム支持ロッド3には、フライトビーム2の上方位置で、望ましくは水面近傍の位置にスカム掻寄ビーム5を、前記フライトビーム支持ロッド3と平行するようにして取り付けるとともに、スカムスキマSを傾動させるためのストライカ7をも取り付ける。
このスカム掻寄ビーム5には複数のスカム掻寄用プレート6を所定の間隔をあけて上方に突出するようにして取り付け、これによりフライトビーム2が後退するとき、水面位置に浮遊するスカムを、汚泥ピットと反対側となる位置で水面位置に配設したスカムスキマ側に掻き寄せるようにする。
スカムスキマSは、特に限定されるものではないが、例えば、樋形或いは図示のように一部を開口したパイプ形とし、この開口部をスカムの吸込口Saとし、通常はこの吸込口Saを上向きとし、スカムの吸い込み時にはスカムスキマSを傾動させて水面位置より下方とすることで、水面に浮遊するスカムを吸い込むように、傾動可能に沈殿池Tに設置するように構成する。
また、このスカムスキマSには、図2以下に示すように、スカムスキマSを傾動させるためのスカムスキマの傾動装置8を水面上方に備える。
このスカムスキマの傾動装置8は、フレームFに正逆回転可能に支持した駆動軸9に2つのリンク10及び傾動用リンク13を突設固定し、一方のリンク10の先端にスカムスキマを傾動させる駆動力伝達ロッド11の先端部を係着し、他方の傾動用リンク13の先端には傾動ロッド14を係着するとともに、一方のリンク10の傾動を直接他方の傾動用リンク13に伝達することなく、駆動軸9に配設したクラッチ機構12を介して伝達するように構成する。
これにより、スカム掻寄ビーム5が往復運動をする際、スカム掻寄ビーム5の1往復毎にスカム掻寄ビーム5に突設したストライカ7にて蹴り金具16が蹴られて傾動しても、クラッチ機構12のオン、オフ作用にて選択的に傾動用リンク13、傾動ロッド14側に動力を伝達するようにし、スカムスキマSを傾動或いは停止状態を保つようにする。
このクラッチ機構12としては、特に限定されるものではないが、例えば、電磁クラッチを採用することができる。また、クラッチ機構12のオン、オフ作用は予め定めたタイマーにて行うこともできるが、水面に浮遊するスカム量をセンサーにて検出して行うようにすることもできる。
なお、このスカムスキマSを傾動させるための駆動力伝達ロッド11は、上部ロッド11aと下部ロッド11bとが屈曲可能に連結して構成するものとし、通常は下部ロッド11bが水平状態となるようにし、この駆動力伝達ロッド11の先端部、詳しくは下部ロッド11bの先端部を前記スカム掻寄ビーム5に突設するストライカ7にて蹴られるようにする。
これは、沈殿池T側に固定されたステー17の先端に下部ロッド11bの先端を係着軸15にて係着し、この係着軸15に蹴り金具16を突設するようにして取り付け、これによりスカム掻寄ビーム5の往復移動にてストライカ7が蹴り金具16の位置に来たとき、該ストライカ7にて蹴り金具16を蹴るようにする。これにより蹴り金具16がストライカ7にて蹴られて傾動するとき、図4(B)に示すように、係着軸15に係着した下部ロッド11bを水平状態より傾動するようにする。
次に、本発明の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置の作用について説明する。
往復動式チェンレス汚泥掻寄機Aを駆動装置4にて駆動すると、槽底部に配設されるフライトビーム2は往復移動する。このフライトビーム2の前進時、汚泥掻寄用フライト1は降下位置で、池底レールRに摺接するようになっており、この状態でフライトビーム2が前進すると、槽底に沈殿した汚泥は汚泥ピットP側に掻き寄せられる。
また、フライトビーム2の後退時には汚泥掻寄用フライト1は上昇位置の槽底より少し離間した状態となって後退する。これにより沈殿汚泥の掻き戻しを防ぐことができる。
このフライトビーム2の後退時には、フライトビーム2、スカム掻寄ビーム5もともに上昇位置となり、この水面位置まで上昇したスカム掻寄ビーム5に突設するスカム掻寄用プレート6にて水面に浮遊するスカムが反汚泥ピット側のスカムスキマ側に掻き寄せられる。
この動作にて掻き寄せられる浮遊スカムの量が、予め定めた所定量に達するまで、或いはタイマーの設定時間に達するまで、クラッチ機構12をオフとする。これにより、スカム掻寄ビーム5の移動にてストライカ7にて蹴り金具16が蹴られても、駆動力伝達ロッド11は、その下部ロッド11bと上部ロッド11aとの連結部で屈曲し、上部ロッド11aを押し上げるようになってリンク10を傾動するものとなる。しかし、このとき、クラッチ機構12がオフとなっているのでリンク10は傾動するもその動力は駆動軸9を介して傾動用リンク13側に伝達されないのでリンク10だけ傾動し、スカムスキマ傾動用の傾動ロッド14は傾動しないため、スカムスキマSを傾動させることはない。
したがって水面に浮遊するスカムをスカムスキマSにて吸い込まれることはない。
ところが、タイマーアップすると、或いはこのスカム掻寄ビーム5による水面に浮遊するスカムの掻き寄せ量が設定値以上となると、クラッチ機構12をオンとする。なお、このスカム量の検知は、センサーにて検知して操作するか、或いは手動にて操作するようにする。
これにより、スカム掻寄ビーム5の移動にてストライカ7にて蹴り金具16を蹴られると、前動作と同じように駆動力伝達ロッド11は、その下部ロッドと連結する上部ロッドを押し上げるようになって屈曲するようになってリンク10を傾動するとともに、該リンク10の傾動はクラッチ機構12、駆動軸9を介して傾動用リンク13側に伝達される。この傾動用リンク13の傾動にて傾動ロッド14を傾動させるものとなって、図5に示すように、図5(B)に示す状態からスカムスキマSを、図5(A)又は(C)に示すように傾動させるものとなる。
このスカムスキマSの傾動にてその吸込口Saが水面下になるとスカム水と共に水面に浮遊するスカムもスカムスキマ側に吸い込まれるようになって外部へ排出される。
このように、往復動式チェンレス汚泥掻寄機Aが短時間、特に限定されるものではないが、例えば、約6分で汚泥掻寄サイクルを繰り返しても、浮遊スカムの吸い込みサイクルは、クラッチ機構12の選択的なオン、オフ操作によりスカムスキマSの傾動作動時間を任意に設定でき、スカム水の過剰排出を防止して効率的にスカムの排出を行うことができるとともに、このスカムを排出するためのスカム移送ポンプの運転頻度も低下させることができる。
なお、スカムスキマの傾動方向は、図5に示すように、その吸込口を前方側、すなわち、汚泥ピット側に傾動させることも、後方側、すなわち、反汚泥ピット側に傾動させることも、或いは前方、後方のいずれ方向に傾動させることも、任意に設定することができる。
以上、本発明の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置について、実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置は、汚泥掻寄機の駆動により、スカム排出用のスカムスキマを必要に応じて連動させて傾動し、これによりスカム水の過剰排水を未然に防いで、掻き寄せスカムの排出を効率的に行うという特性を有していることから、沈殿池に配設する汚泥掻寄機の用途に好適に用いることができる。
本発明の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置の一実施例を示す正面縦断面図である。 スカムスキマの正面縦断面図である。 スカムスキマの側面図である。 スカムスキマの傾動駆動部の説明図で、(A)は駆動力伝達ロッド部を示し、(B)はスカムスキマ傾動用の傾動ロッド部を示す。 スカムスキマの傾動説明図で、(A)は前傾状態のスカムの吸い込み時を、(B)はスカムの吸い込み停止時を、(C)は後傾状態のスカムの吸い込み時をそれぞれ示す。
符号の説明
A 往復動式チェンレス汚泥掻寄機
S スカムスキマ
T 沈殿池
1 汚泥掻寄用フライト
2 フライトビーム
3 フライトビーム支持ロッド
4 駆動装置
5 スカム掻寄ビーム
6 スカム掻寄用プレート
7 ストライカ
8 スカムスキマの傾動装置
9 駆動軸
10 リンク
11 駆動力伝達ロッド
12 クラッチ機構
13 傾動用リンク
14 スカムスキマ傾動用の傾動ロッド
15 係着軸
16 蹴り金具
17 ステー

Claims (3)

  1. 汚泥掻寄用フライトの駆動と連動するスカム掻寄用プレートによりスカムスキマを傾動させるようにした往復動式チェンレス汚泥掻寄機において、スカムスキマの水面上方に配設する傾動装置を、スカム掻寄用プレートの駆動力により、クラッチ機構を介して選択的に伝達してスカムスキマを傾動させるように構成したことを特徴とする汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置。
  2. 傾動装置を、スカム掻寄用プレートの駆動力を伝達するようにした駆動力伝達ロッドと、スカムスキマを傾動させるようにした傾動ロッドとをクラッチ機構を介して連結するようにしたことを特徴とする請求項1記載の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置。
  3. 駆動力伝達ロッドと傾動ロッドの端部を、クラッチ機構を備えた駆動軸に突設したリンクに枢着したことを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥掻寄機におけるスカムスキマの傾動装置。
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