JP2009112757A - 内視鏡用高周波処置具 - Google Patents

内視鏡用高周波処置具 Download PDF

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Abstract

【課題】先端電極の刃先に相当する幅狭の電極露出部を目標とする切開対象位置に正確に臨ませて所望通りの部位を安全に切開することができ、また、シンプルな機構で作動不良の発生し難い内視鏡用高周波処置具を提供すること。
【解決手段】先端電極2が先広がりの形状に配置された一対のばね線材20で形成されて、可撓性シース1の先端内に出入りする動作に伴ってそれ自体の弾性により開閉するその一対のばね線材20の表面に電気絶縁性コーティング25が施されると共に、一対のばね線材20のうちの少なくとも一方の閉じ方向面と開き方向面の少なくとも一方に、電気絶縁性コーティング25が被覆されていない電極露出部26が軸方向に細長く形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内視鏡の処置具案内管に通して使用される内視鏡用高周波処置具に関し、特に先端電極が鋏状に開閉するタイプの内視鏡用高周波処置具に関する。
内視鏡用高周波処置具としては、使用目的に応じてループ状の高周波スネア、棒状の高周波メス、前方に向かって開閉する高周波鋏等各種のものがあり、鋏状の内視鏡用高周波処置具では、刃先に相当する細い電極露出部が設けられた先端電極を、パンタグラフ状のリンク機構で前方に向かって開閉駆動するようになっている(例えば、特許文献1、2)。
特開平5−253241号公報 特開2007−229294号公報
鋏状の内視鏡用高周波処置具において切れ味よく安全に生体組織を切り裂くには、電極露出部の幅をできるだけ狭く形成するのが望ましい。しかし、先端電極がリンク機構で開閉駆動される内視鏡用高周波処置具においては、リンク機構の従動リンクに相当する先端電極を機械的にある程度以上に頑丈なものにする必要があるため、先端電極の電極露出部以外の部分が相当の幅を有する構成になってしまう。
しかし、そのように先端電極の電極露出部以外の部分が幅広に形成されていると、内視鏡観察画面においては、図31に示されるように、内視鏡の先端から前方に突出された先端電極aの背中の部分が画面内に大きく広がって、それによって遮られる電極露出部の位置が視認できないため、切開位置が所望の部位よりずれて不正確になってしまう場合がある。
また、パンタグラフ状の複雑なリンク機構は、高周波処置により発生する組織の焼け焦げ片が飛び散って付着すると、早期に作動不良を起こして開閉動作がうまくいかなくなってしまう場合がある。
本発明はそのような問題を解決するためになされたものであり、先端電極の刃先に相当する幅狭の電極露出部を目標とする切開対象位置に正確に臨ませて所望通りの部位を安全に切開することができ、また、シンプルな機構で作動不良の発生し難い内視鏡用高周波処置具を提供することを目的とする。
電気絶縁性の可撓性シースの先端部分に配置された先端電極が、可撓性シース内に配置された操作ワイヤーを進退操作することにより前方に向かって開閉するように構成された内視鏡用高周波処置具において、導電性の一対のばね線材を前方に向かうにしたがって互いの間の間隔が次第に離れる先広がりの形状に配置してそれらの後端を操作ワイヤーの先端に一体に接続固着して先端電極が構成され、操作ワイヤーを可撓性シース内で軸方向に進退させることにより、一対のばね線材が可撓性シースの先端内に出入りする動作に伴ってばね線材自体の弾性により開閉し、一対のばね線材の表面には電気絶縁性コーティングが施されると共に、一対のばね線材のうちの少なくとも一方の閉じ方向面と開き方向面の少なくとも一方に、電気絶縁性コーティングが被覆されていない電極露出部が軸方向に細長く形成されている。
なお、先端電極の最先端面が電気絶縁性コーティングで被覆されているとよい。また、一対のばね線材の基端寄りの部分が可撓性シース内に引き込まれて先端寄りの部分が可撓性シースの先端から突出した状態で、一対のばね線材の先端が閉じた状態になるとよく、一対のばね線材が閉じた時、一対のばね線材の先端どうしがあい対向して当接してもよく、一対のばね線材の先端どうしがすれ違ってもよい。
また、可撓性シースに外套管が緩く被嵌されていて、外套管の基端部分を可撓性シースの基端部分に対し軸方向に進退させることにより、外套管の先端を可撓性シースの先端に対して前後に移動させることができるようにしてもよく、外套管の先端が可撓性シースの先端から前方に突出した時、その外套管の突出部内に一対のばね線材が弾性変形した状態で収納されるようにしてもよい。
また、一対のばね線材のうち少なくとも一方の最先端部にばね線材より径の大きな先端塊が形成されていてもよく、先端塊が略球状又は半球状に形成されていてもよい。そして、一対のばね線材の先端に形成された先端塊が可撓性シース内に引き込まれない大きさに形成されていてもよい。また、一対のばね線材のうち少なくとも一方の最先端部が閉じ方向に折り曲げられて先端折り曲げ部が形成されていてもよく、一対のばね線材の長さが相違する場合に、少なくとも長い方のばね線材の最先端部に先端塊又は先端折り曲げ部が形成されていてもよい。また、一対のばね線材の長さが相違する場合に、その双方の先端に先端塊が形成され、長い方のばね線材の先端に形成された先端塊より短い方のばね線材の先端に形成された先端塊の方が小さく形成されていてもよい。
さらに、一対のばね線材が各々開閉方向と相違する方向にも屈曲して形成されていてもよく、一対のばね線材が開閉方向に対し垂直方向に各々屈曲して形成されていてもよい。また、一対のばね線材の双方の閉じ方向面に各々電極露出部が形成されていても、一対のばね線材の双方の開き方向面に各々電極露出部が形成されていても、一対のばね線材の双方の閉じ方向面と開き方向面に各々電極露出部が形成されていてもよく、一対のばね線材のうち一方のばね線材の表面全面に電気絶縁性コーティングが被覆されていてもよい。
また、一対のばね線材の各々の途中の少なくとも二箇所の位置に折り目が形成されていてもよく、二箇所の折り目のうちばね線材の先端に近い方の折り目より先端側の領域に電極露出部が形成されていてもよい。また、一対のばね線材の長さが相違していてもよく、一対のばね線材のうち長い方のばね線材の側面であって短い方のばね線材の先端より前方に位置する領域にも電極露出部が形成されていてもよい。
本発明の内視鏡用高周波処置具によれば、先端電極が先広がりの形状に配置された一対のばね線材で形成されて、可撓性シースの先端内に出入りする動作に伴ってそれ自体の弾性により開閉するその一対のばね線材の表面に電気絶縁性コーティングが施されると共に、一対のばね線材のうちの少なくとも一方の閉じ方向面と開き方向面の少なくとも一方に、電気絶縁性コーティングが被覆されていない電極露出部が軸方向に細長く形成されていることにより、細いばね線材が内視鏡の観察画像を殆ど遮らないので、先端電極の刃先に相当する幅狭の電極露出部を目標とする切開対象位置に正確に臨ませて所望通りの部位を安全に切開することができ、また、リンク機構等を用いることなくシンプルな機構でばね線材自体の弾性により先端電極を開閉することができるので、高周波処置により発生する組織の焼け焦げ片等による作動不良等が発生し難い等の格別の効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態の全体構成を示している。1は、例えば可撓性のあるフッ素樹脂チューブ等からなる電気絶縁性の可撓性シースであり、その長さは例えば1〜2m程度である。可撓性シース1の先端部分には、生体組織を高周波電流で焼灼して切り裂くための先端電極2が配置されている。可撓性シース1内には、可撓性を有する導電性の操作ワイヤー3が軸方向に進退自在に挿通されていて、その先端が先端電極2に機械的及び電気的に連結接続されている。
可撓性シース1の基端に連結された操作部10には、操作ワイヤー3の基端が連結された電極開閉操作部材12がスライド自在に配置されていて、矢印Aで示されるように、電極開閉操作部材12をスライド操作することにより操作ワイヤー3が可撓性シース1内で軸方向に進退して、先端電極2が可撓性シース1の先端で前方に向かって開閉動作をする。電極開閉操作部材12には、図示されていない高周波電源に接続される接続端子13が設けられていて、操作ワイヤー3を経由して先端電極2に高周波電流を通じることができる。
4は、可撓性シース1の外周に緩く被嵌された、例えば可撓性のあるフッ素樹脂チューブ等からなる電気絶縁性の外套管であり、その基端に取り付けられた摘み4aを、矢印Bで示されるように軸方向に進退操作することにより、外套管4が可撓性シース1に対して軸方向に進退し、外套管4の最先端部を可撓性シース1の最先端部に対して前後に移動させることができる。
図3は可撓性シース1の先端付近を示し、図4はX−O−X線で切断された断面における拡大断面図である。
先端電極2は、断面形状が円形の例えば直径が0.2〜0.5mm程度のばね用ステンレス線材等のような導電性の一対のばね線材20を、前方に向かうにしたがって互いの間の間隔が次第に離れる先広がりの形状に配置して、それらの後端を導電性の接続管5等で操作ワイヤー3の先端に一体に接続固着して構成されている。ただし、ばね線材20の断面形状を偏平にしてもよく、偏平面を開閉方向に位置させると、開閉方向が安定して捩れた動作をし難くなる。
この実施の形態の各ばね線材20の基端寄りの部分は、接続管5に対する基端固着部から平行に真っ直ぐ前方に向けて並んで配置されて、第1の折り目21において各々外方に例えば10〜30°程度折り曲げられ、さらに、第1の折り目21と最先端部との間の第2の折り目22で第1の折り目21より大きな角度(例えば30〜60°程度)で開き方向に折り曲げられ、各折り目21,22以外の部分では略真っ直ぐに形成されている。ただし、各ばね線材20の形状が曲線的な部分を有していたり、折り目が3箇所以上あっても差し支えない。
各ばね線材20の最先端部には、ばね線材20の径より大きな径の略球状又は半球状の先端塊23が形成されており、この実施の形態においては、先端塊23がばね線材20に対して偏位することなくばね線材20の外周の全方向に膨らんだ状態に形成され、各ばね線材20の第2の折り目22と先端塊23の間の部分が生体組織を切り裂くための電極刃部区間24になっている。
図4に示されるように、各ばね線材20の外表面には、例えばフッ素樹脂系等の電気絶縁性コーティング25が施されており、各図において電気絶縁性コーティング25の表面部分は砂目状に図示されている。そして、電極刃部区間24の領域においては、電気絶縁性コーティング25が施されていない電極露出部26が、各ばね線材20の閉じ方向面にばね線材20の軸方向に真っ直ぐに細長く形成されている。
図1は、そのような先端電極2の先端寄りの部分(電極刃部区間24の領域)を示しており、一対のばね線材20の双方の閉じ方向面に電極露出部26が向かい合う状態に形成されている。電極露出部26の幅は例えば0.1〜0.4mm程度、長さは1〜6mm程度である。先端塊23の表面には全面に電気絶縁性コーティング25が施されており、その結果、先端電極2の最先端面は電気絶縁性コーティング25で被覆された状態になっている。図中の矢印は、一対のばね線材20の開閉方向を示している。
このように構成された先端電極2は、操作ワイヤー3が操作部10側から牽引されると、図5に示されるようにばね線材20全体が可撓性シース1の先端内に引き込まれて、ばね線材20が窄まった状態に弾性変形する。先端塊23を可撓性シース1内に引き込まれない大きさに形成しておくと、先端電極2全体が可撓性シース1の奥まで引き込まれないので使いがってがよい。
逆に操作ワイヤー3が操作部10側から押されると、図3に示されるように、ばね線材20自体の弾性により一対のばね線材20が前方に向かって広がった状態に戻る。このように、操作ワイヤー3を操作部10側から軸方向に進退操作することにより、一対のばね線材20が、可撓性シース1の先端内に出入りしてばね線材20自体の弾性により開閉動作をする。
そしてその動作の途中において、図6に示されるように、第2の折り目22が可撓性シース1の最先端部にさしかかった位置で、電極刃部区間24だけが可撓性シース1の先端から前方に向かって突出して開いた状態になる。そして、その状態から操作ワイヤー3を操作部10側に牽引して、第2の折り目22が可撓性シース1内に少しだけ引き込まれるようにばね線材20の基端寄りの部分を可撓性シース1内に引き込むと、図7に示されるように、一対のばね線材20の電極刃部区間24が部分的に可撓性シース1の先端内に引き込まれ、電極刃部区間24の先端寄りの部分が可撓性シース1の前方に突出した状態で閉じた状態になる。その際に、この実施の形態では、一対のばね線材20の先端の先端塊23どうしが互いに摺接しながら、各ばね線材20を少し側方に弾性変形させてすれ違った状態になる。
なお、本発明の内視鏡用高周波処置具を図示されていない内視鏡の処置具案内管に挿脱する際には、図8に示されるように外套管4を前方に押し出して、その先端を可撓性シース1の先端から前方に突出させ、それによって一対のばね線材20を外套管4の突出部内において中程度に閉じた状態に弾性変形させて収容しておくとよい。或いは、図5に示されるように、先端電極2を可撓性シース1内に引き込んで完全に閉じた状態にしておいてもよい。
図9と図10は、この実施の形態の内視鏡用高周波処置具を鋏のように使って生体組織を切断している状態を示している。
即ち、図6に対応する図9に示されるように、開いた状態の一対の電極刃部区間24の間に生体組織を挟み込んだ状態にし、ばね線材20に高周波電流を流しながら、図7に対応する図10に示されるように、一対の電極刃部区間24を閉じると、生体組織が各電極刃部区間24の閉じ方向面に形成されている電極露出部26との接触部で焼灼されて切断される。
この時、ばね線材20が極めて細いことにより、電極刃部区間24が閉じる動作の際の生体組織との干渉量が小さいので、電極露出部26と接触した組織が切断されるのと同時に電極刃部区間24が生体組織の切り口内にスムーズに食い込んでいき、非常に切れ味のよい切断動作が得られる。また、図11に示されるように、内視鏡の観察画面においては、ばね線材20が極めて細くて観察視野を妨げないので、目標とする切開対象位置に電極露出部26を正確に臨ませて所望通りの部位を安全に切開することができる。また、先端塊23の表面が電気絶縁性コーティング25で被覆されていることにより、切開対象部位以外の生体組織を意に反して焼灼する恐れがない。
さらに、ばね線材20は、極細の電極露出部26以外の部分が電気絶縁性コーティング25で覆われているので生体組織の焼け焦げの付着が少なく、ばね線材20自体が有する弾性力でばね線材20の開閉が行われるシンプルな構成であって、リンク機構等のような複雑な作動部位がないので、焼け焦げ片が飛び散っても開閉動作の作動不良が起き難い。
図12〜図14は、本発明の第1の実施の形態における電極露出部26の配置の変形例を示しており、図12に示される第1の変形例においては、一対のばね線材20の一方のみの閉じ方向面に電極露出部26が形成されて、他方のばね線材20はその表面全体に電気絶縁性コーティング25が被覆されている。このように構成しても一方のばね線材20のみに形成された電極露出部26で生体組織を切り裂くことができる。図13に示される第2の変形例では、電極露出部26が一対のばね線材20の一方の(双方でもよい)ばね線材20の開き方向面に形成されている。このようにすると、生体組織を切り開く高周波切開処置を行うことができる。図14に示される第3の変形例では、電極露出部26がばね線材20の双方の(一方でもよい)ばね線材20の閉じ方向面と開き方向面の双方に電極露出部26が形成されている。
図15は、本発明の第2の実施の形態の先端電極2の先端付近(電極刃部区間24の部分)を示しており、各ばね線材20の先端に形成された先端塊23どうしが接触するかしない程度にばね線材20の長さを相違させたものである。このように構成すると、閉じ動作の際に先端塊23どうしがぶつからずに相手のばね線材20と擦れ合うので、一対のばね線材20の先端どうしがスムーズにすれ違うことができる。その他の構成は、第1の実施の形態と電極露出部26の配置の変形例を含めて同様である。
図16は、本発明の第3の実施の形態の先端電極2の先端付近(電極刃部区間24の部分)を示しており、各ばね線材20の先端に形成された先端塊23の閉じ方向面をばね線材20より出っ張らない状態に削除して、一対のばね線材20が閉じた状態では、ばね線材20の先端どうしがすれ違わずにあい対向して当接するようにしたものである。矢印はばね線材20の開閉方向を示している。その他の構成は、第1の実施の形態と電極露出部26の配置の変形例を含めて同様である。
このように構成すると、一対のばね線材20が閉じ状態において真っ直ぐに並んで棒状になるので、図17に例示されるように、一本のメスとして生体組織を切り裂く使い方にも適したものになる。したがって、この実施の形態の場合は、ばね線材20の開き方向面に電極露出部26が形成されていると具合がよく、先端塊23が電気絶縁性コーティング25で被覆されていることにより、周囲の生体組織をばね線材20の先端で焼灼する恐れがない効果がより大きくなる。
図18は、本発明の第4の実施の形態のばね線材20の先端付近(電極刃部区間24の部分)を示しており、各ばね線材20の先端に形成された先端塊23どうしが接触するかしない程度にばね線材20の長さを相違させ、さらに、短い方のばね線材20の先端塊23の閉じ方向面をばね線材20より出っ張らない状態に削除したものである。その他の構成は、第1の実施の形態と電極露出部26の配置の変形例を含めて同様である。このように構成しても、第3の実施の形態と同様に、一対のばね線材20が閉じ状態において真っ直ぐに並んで棒状になり、一本のメスとして生体組織を切り裂く使い方にも適したものになる。
図19〜図21は、本発明の第4の実施の形態の変形例を示しており、図19に示される第1の変形例では、長い方のばね線材20の先端に形成された大きな先端塊23が閉じ方向寄りに偏位し、且つ、それより小さく形成された短い方のばね線材20の先端塊23が長い方のばね線材20の先端塊23の後方に隠れるように構成されている。このように構成することにより、一本のメスとして使用する際の安全性がより高まる。図20に示される第2の変形例は、短い方のばね線材20の先端から先端塊23が省かれたもの、図21に示される第3の変形例は、先端塊23が非円形(例えば、略円錐形)に形成されたものである。このように構成しても、第4の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
図22は、本発明の第5の実施の形態の先端電極2の先端付近(電極刃部区間24の部分)を示しており、各ばね線材20の先端に先端塊23を形成するのに代えて、ばね線材20の最先端部を閉じ方向に折り曲げて先端折り曲げ部23′を形成したものである。矢印はばね線材20の開閉方向を示している。その他の構成は、第1の実施の形態と電極露出部26の配置の変形例を含めて同様である。このように構成しても、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られ、二つの先端折り曲げ部23′どうしがぶつかり合うことなくすれ違うことができる。なお、先端折り曲げ部23′の最先端面(図22において下方の面)は電気絶縁性コーティング25面になるが、図22に符号eで示される先端折り曲げ部23′の裏面には電極露出部26を形成してもよい。
図23と図24は、本発明の第5の実施の形態の変形例を示しており、図23に示される第1の変形例は、ばね線材20の長さを相違させたものであって、図15の実施の形態と同様の作用効果が得られる。図24に示される第2の変形例は、短い方のばね線材20から先端折り曲げ部23′を省略したものであり、この場合は一対のばね線材20が閉じ状態においてはすれ違わずに当接し合う。
図25は本発明の第6の実施の形態を示しており、第1の実施の形態の構成を全て備える内視鏡用高周波処置具のばね線材20の一方を他方より、例えば電極刃部区間24の長さと同程度(1/2〜3/2倍程度)の長さ分だけ長く形成して、その長い方のばね線材20の側面であって短い方のばね線材20の先端より前方に位置する延長区間27にも電極露出部26が形成されている。その他の構成は、第1の実施の形態と電極露出部26の配置の変形例を含めて同様である。このように構成すると、図26に示されるように、短い方のばね線材20の電極刃部区間24を可撓性シース1内に収めておいて、長い方のばね線材20の延長区間27だけをメスとして使用することができる。なお、このような構成は第2〜第5の実施の形態の内視鏡用高周波処置具に対しても適用することができる。
図27は本発明の第7の実施の形態の先端電極2を示しており、各ばね線材20が開閉方向において先端が広がった形状に形成されているだけでなく、開閉方向に対し垂直方向においても各々同形状に屈曲した形状に形成されている。矢印はばね線材20の開閉方向を示している。その他の構成は、第1の実施の形態と電極露出部26の配置の変形例を含め同じであり、このように構成すると、図28に示されるように、体壁面に対して浅い角度でしかアプローチできないような症例において、ばね線材20を容易に体壁面に沿って患部に臨ませることができる。なお、ばね線材20を開閉方向に対して垂直以外の方向(例えば45°傾いた方向等)に曲げてもよく、これらの構成は第2〜第6の実施の形態の内視鏡用高周波処置具に対しても適用することができる。
図29は本発明の第8の実施の形態の可撓性シース1の先端付近を示しており、各ばね線材20の第2の折り目22において、それより先側の電極刃部区間24が第1の折り目21と第2の折り目22との間の部分より内側へ向かうように折り曲げられている。電極露出部26は両電極刃部区間24の閉じ方向面に形成されており、第1の折り目21と第2の折り目22との間の領域の閉じ方向面にも電極露出部26が形成されているとよい。その他の構成は、第1の実施の形態と電極露出部26の配置の変形例を含め同様であり、このように構成すると、図30に示されるように、一対のばね線材20が可撓性シース1に引き込まれる前に第2の折り目22が外側に膨らんでループが形成されるので、そのループ内にポリープを捉えて高周波電流による切除処置を行うこともできる。このような構成は第2〜第7の実施の形態の内視鏡用高周波処置具に対しても適用することができる。
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、一対のばね線材20が高周波電源の正極と負極とに電気的に分離して接続されるいわゆるバイポーラ型の内視鏡用高周波処置具に本発明を適用することもできる。
本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の先端電極の先端寄りの部分の斜視図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の全体構成を示す側面図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の可撓性シースの先端付近の側面断面図。 本発明の第1の実施の形態の図3に示されるX−O−X線において切断された切断面の拡大断面図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において先端電極が可撓性シース内に引き込まれた状態の側面断面図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において先端電極の一対の電極刃部区間が開いた状態の側面断面図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において先端電極の一対の電極刃部区間が閉じた状態の側面断面図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において外套管が前方に押し出された状態の側面断面図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において生体組織に対し高周波処置が行われる状態の側面断面図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において生体組織に対し高周波処置が行われる状態の側面断面図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において生体組織に対し高周波処置が行われる際の内視鏡観察像の正面図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具における電極露出部の配置の第1の変形例の斜視図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具における電極露出部の配置の第2の変形例の斜視図。 本発明の第1の実施の形態の内視鏡用高周波処置具における電極露出部の配置の第3の変形例の斜視図。 本発明の第2の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の先端電極の先端寄りの部分の側面図。 本発明の第3の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の先端電極の先端寄りの部分の側面図。 本発明の第3の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において生体組織に対し高周波処置が行われる状態の側面図。 本発明の第4の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の先端電極の先端寄りの部分の側面図。 本発明の第4の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において先端塊の態様を変えた第1の変形例の斜視図。 本発明の第4の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において先端塊の態様を変えた第2の変形例の斜視図。 本発明の第4の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において先端塊の態様を変えた第3の変形例の斜視図。 本発明の第5の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の先端電極の先端寄りの部分の側面図。 本発明の第5の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において先端折り曲げ部分の態様を変えた第1の変形例の斜視図。 本発明の第5の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において先端折り曲げ部分の態様を変えた第2の変形例の斜視図。 本発明の第6の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の可撓性シースの先端付近の側面断面図。 本発明の第6の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において生体組織に対し高周波処置が行われる状態の側面図。 本発明の第7の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の先端電極部分の斜視図。 本発明の第7の実施の形態の内視鏡用高周波処置具において生体組織に対し高周波処置が行われる状態の側面図。 本発明の第8の実施の形態の内視鏡用高周波処置具の可撓性シースの先端付近の側面断面図。 本発明の第8の実施の形態の内視鏡用高周波処置具においてポリープ切除の高周波処置が行われる状態の側面断面図。 従来の内視鏡用高周波処置具において生体組織に対し高周波処置が行われる際の内視鏡観察像の正面図。
符号の説明
1…可撓性シース
2…先端電極
3…操作ワイヤー
4…外套管
20…ばね線材
21…第1の折り目
22…第2の折り目
23…先端塊
23′…先端折り曲げ部
24…電極刃部区間
25…電気絶縁性コーティング
26…電極露出部

Claims (23)

  1. 電気絶縁性の可撓性シースの先端部分に配置された先端電極が、前記可撓性シース内に配置された操作ワイヤーを進退操作することにより前方に向かって開閉するように構成された内視鏡用高周波処置具において、
    導電性の一対のばね線材を前方に向かうにしたがって互いの間の間隔が次第に離れる先広がりの形状に配置してそれらの後端を前記操作ワイヤーの先端に一体に接続固着して前記先端電極が構成され、
    前記操作ワイヤーを前記可撓性シース内で軸方向に進退させることにより、前記一対のばね線材が前記可撓性シースの先端内に出入りする動作に伴って前記ばね線材自体の弾性により開閉し、
    前記一対のばね線材の表面には電気絶縁性コーティングが施されると共に、前記一対のばね線材のうちの少なくとも一方の閉じ方向面と開き方向面の少なくとも一方に、前記電気絶縁性コーティングが被覆されていない電極露出部が軸方向に細長く形成されていることを特徴とする内視鏡用高周波処置具。
  2. 請求項1に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記先端電極の最先端面が前記電気絶縁性コーティングで被覆されている内視鏡用高周波処置具。
  3. 請求項1又は2に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の基端寄りの部分が前記可撓性シース内に引き込まれて先端寄りの部分が前記可撓性シースの先端から突出した状態で、前記一対のばね線材の先端が閉じた状態になる内視鏡用高周波処置具。
  4. 請求項3に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材が閉じた時、前記一対のばね線材の先端どうしがあい対向して当接する内視鏡用高周波処置具。
  5. 請求項3に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の先端が閉じた時、前記一対のばね線材の先端どうしがすれ違う内視鏡用高周波処置具。
  6. 請求項1から5の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記可撓性シースに外套管が緩く被嵌されていて、前記外套管の基端部分を前記可撓性シースの基端部分に対し軸方向に進退させることにより、前記外套管の先端を前記可撓性シースの先端に対して前後に移動させることができる内視鏡用高周波処置具。
  7. 請求項6に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記外套管の先端が前記可撓性シースの先端から前方に突出した時、その外套管の突出部内に前記一対のばね線材が弾性変形した状態で収納される内視鏡用高周波処置具。
  8. 請求項1から7の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材のうち少なくとも一方の最先端部に前記ばね線材より径の大きな先端塊が形成されている内視鏡用高周波処置具。
  9. 請求項8に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記先端塊が略球状又は半球状に形成されている内視鏡用高周波処置具。
  10. 請求項8又は9に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の先端に形成された先端塊が前記可撓性シース内に引き込まれない大きさに形成されている内視鏡用高周波処置具。
  11. 請求項1から7の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材のうち少なくとも一方の最先端部が閉じ方向に折り曲げられて先端折り曲げ部が形成されている内視鏡用高周波処置具。
  12. 請求項8から11の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の長さが相違する場合に、少なくとも長い方のばね線材の最先端部に前記先端塊又は先端折り曲げ部が形成されている内視鏡用高周波処置具。
  13. 請求項8、9又は10に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の長さが相違する場合に、その双方の先端に前記先端塊が形成され、長い方のばね線材の先端に形成された先端塊より短い方のばね線材の先端に形成された先端塊の方が小さく形成されている内視鏡用高周波処置具。
  14. 請求項1から13の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材が各々開閉方向と相違する方向にも屈曲して形成されている内視鏡用高周波処置具。
  15. 請求項14に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材が開閉方向に対し垂直方向に各々屈曲して形成されている内視鏡用高周波処置具。
  16. 請求項1から15の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の双方の閉じ方向面に各々前記電極露出部が形成されている内視鏡用高周波処置具。
  17. 請求項1から15の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の双方の開き方向面に各々前記電極露出部が形成されている内視鏡用高周波処置具。
  18. 請求項1から15の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の双方の閉じ方向面と開き方向面に各々前記電極露出部が形成されている内視鏡用高周波処置具。
  19. 請求項1から15の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材のうち一方のばね線材の表面全面に前記電気絶縁性コーティングが被覆されている内視鏡用高周波処置具。
  20. 請求項1から19の何れかに記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の各々の途中の少なくとも二箇所の位置に折り目が形成されている内視鏡用高周波処置具。
  21. 請求項20に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記二箇所の折り目のうち前記ばね線材の先端に近い方の折り目より先端側の領域に前記電極露出部が形成されている内視鏡用高周波処置具。
  22. 請求項1に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材の長さが相違している内視鏡用高周波処置具。
  23. 請求項22に記載された内視鏡用高周波処置具において、前記一対のばね線材のうち長い方のばね線材の側面であって短い方のばね線材の先端より前方に位置する領域にも電極露出部が形成されている内視鏡用高周波処置具。
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