JP2009109949A - 像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法 - Google Patents

像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法 Download PDF

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真也 田中
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直幸 尾崎
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Abstract

【課題】経時で、クリーニングブレードによるクリーニング性を維持することができ、帯電部材の汚れを抑制することのできる像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法を提供する。
【解決手段】像担持体たる感光体表面に保護剤供給手段たる塗布ブラシローラ19Yにより塗布され、感光体表面への近接放電からを保護する像担持体保護剤として、主成分が炭化水素ワックスからなり、この炭化水素ワックスに微粒子が含有されたものを用いた。
【選択図】図3

Description

本発明は、像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法に関するものである。
従来、電子写真式の画像形成装置では、像担持体としての感光体の回転とともに、その周面を帯電装置で一様に帯電し、次いで露光装置で書込みを行って感光体上に静電潜像を形成する。そののち現像装置でトナーを付着することによりその静電潜像を可視像化して感光体上にトナー画像を形成する。そして、転写装置を用いてそのトナー画像を記録媒体に転写して後、定着装置で転写画像を定着して記録媒体上に画像を記録していた。一方、トナー画像転写後の感光体周面は、クリーニング装置で残留したトナーを除去して感光体への再度の画像形成に備えていた。
また、クリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、クリーニングブレードを用いたものがよく知られている。クリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性材料からなり、その基端を支持部材で支持して先端稜線部を感光体の周面に押し当て、感光体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去するものである。
また、感光体を帯電する帯電方式としては、コロナ方式や接触または近接帯電方式があるが、近年では環境の為、比較的オゾンが発生しにくい接触または近接帯電方式を用いるものが増えてきている。しかしながら、近接帯電方式を用いると、上記クリーニングブレードによるクリーニングにいくつかの問題を生じてしまう。
近接帯電方式は、近接配置された帯電部材に電圧を印加して近接放電をおこなうものであるが、感光体が近接放電によって酸化し、化学的劣化が進みやすいという不具合がある。また、近接帯電方式では、帯電均一性を高めるためにAC電圧が重畳されたDC電圧を帯電部材に印加することが多いが、AC電圧を重畳すると、DC電圧に比べて高エネルギーの放電が発生するため、感光体の化学的劣化が大きくなる。この近接放電による不具合を解決するために、感光体表面が直接放電にさらされないように、ワックスやステアリン酸亜鉛などを保護剤として感光体表面に供給するものが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2002−244516号公報 特開2004−341480号公報 特開2005−341480号公報
しかしながら、ステアリン酸亜鉛などを保護剤として感光体表面に供給する装置では、経時で、転写残トナーがクリーニングブレードにより十分にせき止められずに、トナーすり抜け量が増加してしまい、すり抜けたトナーが帯電部材に付着して、帯電部材が汚れしまうという問題が発生した。これは、感光体表面に塗布したワックスなどの保護剤が帯電装置による放電領域を通過する際に、感光体の身代わりとして酸化され、劣化してしまう。劣化した保護剤は、潤滑性を失ってむしろ粘着性が増しており、クリーニングブレードにより除去できずに、繰り返しの画像形成の間に感光体上に堆積してしまう。劣化した保護剤の堆積物が感光体とクリーニングブレードの間に介在する場合には、クリーニングブレードと感光体との当接状態が不均一になり、クリーニングブレードと感光体とが当接するニップ部において、部分的な圧力不足などが発生する結果、すり抜けトナー量が増加すると考えられる。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、経時で、クリーニングブレードによるクリーニング性を維持することができ、帯電部材の汚れを抑制することのできる像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体表面に塗布され、前記像担持体表面への近接放電から前記像担持体を保護する像担持体保護剤において、微粒子を含有した炭化水素ワックスからなることを特徴とした像担持体保護剤。
また、請求項2の発明は、請求項1の像担持体保護剤において、前記炭化水素ワックスとして、フィッシャートロプシュワックスおよび/またはポリエチレンワックスを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の像担持体保護剤において、前記微粒子として、平均一次粒径が0.1[μm]以上、2.0[μm]以下の微粒子を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの像担持体保護剤において、前記炭化水素ワックスの含有量を、前記炭化水素ワックスの重量と前記微粒子の重量の和に対して、20[重量%]以上、60[重量%]以下としたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの像担持体保護剤において、脂肪酸金属塩を含有したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の像担持体保護剤において、前記脂肪酸金属塩として、ステアリン酸亜鉛を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5または6の像担持体保護剤において、前記脂肪酸金属塩を、前記炭化水素ワックスの重量と前記微粒子の重量の和に対して、1[重量%]以上、10[重量%]以下としたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの像担持体保護剤において、炭化水素ワックスと相溶する樹脂を含有したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の像担持体保護剤において、前記炭化水素ワックスと相溶する樹脂として、ノルボルネン類を構成単位として含む重合体または共重合体を含む樹脂を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の像担持体保護剤において、前記ノルボルネン類を構成単位として含む重合体または共重合体を含む樹脂として、α−オレフィン−ノルボルネン共重合体を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、前記像担持体表面への近接放電から前記像担持体を保護する像担持体保護剤を像担持体表面に塗布または付着させて像担持体表面に保護層を形成する保護層形成装置において、前記像担持体保護剤として、請求項1乃至10いずれかの像担持体保護剤を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の保護層形成装置において、前記像担持体表面に保護剤を塗布または付着させるための保護剤供給手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、像担持体と、近接放電により前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、表面が帯電した前記像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上の潜像を現像する現像手段と、現像後のトナー像を転写材に転写した後に像担持体と摺擦する部材によって前記像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、像担持体表面に像担持体保護剤を塗布または付着させて前記像担持体表面に保護層を形成する保護層形成手段とを備えた画像形成装置において、前記保護層形成手段として、請求項11または12の保護層形成装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、前記保護層形成手段を、前記クリーニング手段よりも前記像担持体表面移動方向下流側、かつ、前記帯電手段よりも前記像担持体表面移動方向上流側に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13または14の画像形成装置において、前記像担持体と接触または前記像担持体に近接配置された帯電部材を備え、前記帯電部材からの近接放電により前記像担持体表面を帯電するよう前記帯電手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の画像形成装置において、前記帯電部材に印加する電圧が、直流成分に交流成分を重畳した電圧であることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、像担持体と、少なくとも前記像担持体表面への近接放電から前記像担持体を保護する像担持体保護剤を像担持体表面に塗布または付着させて像担持体表面に保護層を形成する保護層形成手段とを一体的に形成し、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットにおいて、前記保護層形成手段として、請求項11または12の保護層形成装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17のプロセスユニットにおいて、前記保護層形成手段よりも前記像担持体表面移動方向上流側に配置され、現像後のトナー像を転写材に転写した後に像担持体と摺擦する部材によって前記像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項17または18のプロセスユニットにおいて、前記像担持体と接触または前記像担持体に近接配置された帯電部材を備え、前記帯電部材からの近接放電により前記像担持体表面を帯電する帯電手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項17乃至19いずれかのプロセスユニットを備えた画像形成装置。
また、請求項21の発明は、近接放電により像担持体を帯電させる工程と、表面が帯電した前記像担持体表面に潜像を形成する工程と、前記像担持体上の潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する工程と、前記可視像を転写材に転写する転写工程と、転写後の前記像担持体表面の転写残トナーをクリーニングブレードで除去する工程と、前記像担持体表面に像担持体保護剤を塗布または付着させる工程とを有する画像形成方法において、前記像担持体保護剤として請求項1乃至10いずれかの像担持体保護剤を用いたことを特徴とするものである。
本出願人は、後述する実験によって、炭化水素ワックスを用いることにより、放電などの電気的なストレスを受けても、保護剤の劣化が抑制され、粘着性の増加を抑制できることがわかった。さらに、炭化水素ワックスに微粒子を含有することで、ワックスの延展性、クリーニングブレードによる除去性を向上させることができた。これにより、像担持体表面に均一な保護層を形成することができ、感光体表面の放電による劣化を良好に保護することができる。また、クリーニングブレードで保護剤を良好に除去することができ、劣化した保護剤が感光体表面に堆積してクリーニングブレードと感光体の当接状態が不均一になるのを抑制することができ、経時で、クリーニングブレードによるクリーニング性を維持することができる。その結果、帯電部材にトナーが付着するのを抑制することができ、帯電部材の汚れを抑制することができる。
請求項1乃至21の発明によれば、経時で、クリーニングブレードによるクリーニング性を維持することができ帯電部材の汚れを抑制することのできるという効果がある。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式によって画像を形成する複写機の実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。この複写機は、プリンタ部1と、白紙供給装置100と、原稿搬送読取ユニット150とを備えている。原稿搬送読取ユニット150は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置たるスキャナ160と、これに支持される原稿搬送装置たるADF170とを有している。
白紙供給装置100は、ペーパーバンク101内に多段に配設された4つの給紙ユニット107、給紙路108、複数の搬送ローラ対109等を備えている。また、4つの給紙ユニット107はそれぞれ、給紙カセット104、給紙ローラ105、分離ローラ対106等から構成されている。
給紙ユニット107は、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で給紙カセット104内に収容している。そして、プリンタ部1からの制御信号に基づいて、給紙ローラ105を回転駆動させて、紙束における一番上の記録紙Pを給紙路108に向けて送り出す。送り出された記録紙Pは、分離ローラ対106によって1枚に分離されてから、給紙路108内に至る。そして、給紙路108内に設けられた複数の搬送ローラ対109の搬送ニップを経由して、プリンタ部1の第1受入分岐路30に送られる。
プリンタ部1は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを備えている。また、第1受入分岐路30、受入搬送ローラ対31、手差しトレイ32、第2受入分岐路34、手差し分離ローラ対35、転写前搬送路36、レジストローラ対37、搬送ベルトユニット39、定着ユニット43、スイッチバック装置46、排紙ローラ対47、排紙トレイ48、光書込ユニット50、転写ユニット60等も備えている。なお、像担持体ユニットとしてのプロセスユニット2Y,M,C,Kは、所定のピッチで並ぶ像担持体たるドラム状の感光体3Y,M,C,Kを有している。
後述する2次転写ニップの直前で記録紙Pを搬送するための転写前搬送路36は、紙搬送方向の上流側で第1受入分岐路30と第2受入分岐路34とに分岐している。白紙供給装置100の給紙路108から送り出された記録紙Pは、プリンタ部1の第1受入分岐路30に受け入れられた後、第1受入分岐路30内に配設された受入搬送ローラ対31の搬送ニップを経由して転写前搬送路36に送られる。
プリンタ部1の筺体における側面には、手差しトレイ32が筺体に対して開閉可能に配設されており、筺体に対して開いた状態でトレイ上面に紙束が手差しされる。手差しされた紙束における一番上の記録紙は、手差しトレイ32の送出ローラ32aによって第2受入分岐路34に向けて送り出される。そして、手差し分離ローラ対35によって1枚に分離されてから転写前搬送路36に送られる。
潜像形成手段たる光書込ユニット50は、図示しないレーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有しており、後述するスキャナ160によって読み取られた画像情報や、外部のパーソナルコンピュータから送られている画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動する。そして、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kを光走査する。具体的には、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によってそれぞれ図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。光書込ユニット50は、駆動中の感光体3Y,M,C,Kに対して、レーザー光Lをそれぞれ感光体の回転軸線方向に偏向せしめながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体3Y,M,C,Kには、Y,M,C,K画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
図2は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。各色のプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、像担持体たる感光体と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部本体に対して感光体や各種装置が一体的に着脱可能になっている。そして、互いに使用するトナーの色が異なる点の他が同様の構成になっている。Y用のプロセスユニット2Yを例にすると、これは、感光体3Yの他、これの表面に形成された静電潜像をYトナー像に現像するための現像手段たる現像装置4Yを有している。また、後述するY用の1次転写ニップを通過した後の感光体3Y表面に付着している転写残トナーを除去するクリーニング手段たるドラムクリーニング装置18Yなども有している。本複写機では、4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを、後述する中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。
図3は、Y用のプロセスユニット2Yを示す拡大構成図である。同図に示すように、プロセスユニット2Yは、感光体3Yの周りに、現像装置4Y、ドラムクリーニング装置18Y、帯電手段の帯電部材たる帯電ローラ16Y等を有している。また、図示しない除電ランプ等も有している。
感光体3Yの表面は、その回転に伴って上述した光書込ユニット(50)による光走査位置に進入する前に、帯電ローラ16Yによる一様帯電処理位置を通過する。帯電ローラ16Yには、図示しない電源により、直流電圧に交流電圧が重畳された帯電バイアスが印加されている。かかる帯電ローラ16Yは、感光体3Yの表面に当接又は近接するように配設されており、感光体3Yとの間に近接放電を発生させる。この近接放電により、感光体3Yの表面がYトナーの正規帯電極性と同極性に一様帯電せしめられる。
帯電ローラ16Yによって一様に帯電せしめられた感光体3Yの表面は、レーザー光Lによる光走査で露光部の電位を減衰させる。これにより、感光体3Yの表面には静電潜像が形成される。この静電潜像の電位も、一様帯電部(地肌部)と同様にYトナーの正規帯電極性と同極性であるが、その絶対値が地肌部電位の絶対値よりも大幅に小さくなっている。
現像装置4Yは、図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)を用いて潜像を現像するものである。内部に収容している現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌部5Yと、感光体3Y上の静電潜像を現像する現像部9Yとを有している。なお、現像装置4Yとして、二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用していもよい。
攪拌部5Yは、現像部9Yよりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された第1搬送スクリュウ6Y及び第2搬送スクリュウ7Y、これらスクリュウの間に設けられた仕切り板、ケーシングの底面に設けられたトナー濃度センサ8Yなどを有している。
現像部9Yは、ケーシングの開口を通して感光体3Yに対向する現像ロール10Y、これに対して自らの先端を近接させるドクターブレード13Yなどを有している。また、現像ロール10Yは、非磁性材料からなる筒状の現像スリーブと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラとを有している。このマグネットローラは、周方向に並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部5Yから送られてくる現像剤を現像スリーブ表面に引き寄せて担持させるとともに、磁力線に沿った磁気ブラシをスリーブ表面上に形成する。
磁気ブラシは、現像ローラ10Yの回転に伴ってドクターブレード13Yとの対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体3Yに対向する現像領域に搬送される。そして、現像ローラ10Yに印加される現像バイアスと、感光体3Yの静電潜像との電位差によってYトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、現像ローラ10Yの回転に伴って再び現像部9Y内に戻り、マグネットローラの磁極間に形成される反発磁界の影響によって現像ローラ10Y表面から離脱した後、攪拌部5Y内に戻される。攪拌部5Y内には、トナー濃度センサ8Yによる検知結果に基づいて、現像剤に適量のトナーが補給される。
現像ローラ10Yに印加される現像バイアスは、Yトナーの正規帯電極性と同極性で、その絶対値が感光体3Yの地肌部電位の絶対値よりも小さく且つ静電潜像の電位の絶対値よりも大きい直流電圧からなる。これにより、いわゆるネガ−ポジ現像が行われる。
感光体3Yの表面に形成されたYトナー像は、感光体3Yの表面移動に伴ってY用の1次転写ニップに進入する。具体的には、無端状の中間転写ベルト61の裏面(ループ内周面)には、Y用の1次転写ローラ62Yが当接しており、中間転写ベルト61を感光体3Yに向けて押し付けている。これにより、中間転写ベルト61のおもて面と、感光体3Yとが当接するY用の1次転写ニップが形成されている。1次転写ローラ62Yには、図示しない電源により、Yトナーの正規帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスが印加されている。この印加により、Y用の1次転写ニップには、感光体3Yの静電潜像と中間転写ベルト61のおもて面との間に転写電界が形成されている。感光体3Yの回転駆動に伴ってY用の1次転写ニップに進入したYトナー像は、ニップ圧や転写電界の作用によって感光体3Yから中間転写ベルト61のおもて面に1次転写される。
Y用の1次転写ニップを通過した後の感光体3Yの表面には、中間転写ベルト61に1次転写されなかった若干量の転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、ドラムクリーニング装置18Yによって感光体3Yの表面から除去される。
ドラムクリーニング装置18Yとしては、クリーニングブレード20Yを感光体3Yに押し当てる方式のものを用いている。そして、このドラムクリーニング装置18Yは除去部材たるクリーニングブレード20Y、保護層形成装置29Y、均しブレード23Y等を有している。
回転駆動に伴ってY用の1次転写ニップを通過した感光体3Yの表面は、ドラムクリーニング装置18Yとの対向位置に進入する。そして、クリーニングブレード20Yによるクリーニング位置、保護層形成装置29Yによる保護剤塗布位置、保護層形成用ブレード部材たる均しブレード23Yによる保護剤均し位置を順次通過する。
保護層形成装置29Yによる保護剤塗布位置を、クリーニングブレード20Yによるクリーニング位置よりも感光体表面移動方向上流側に設けて、クリーニングブレード20Yを均しブレードと兼用させてもよい。なお、感光体表面の転写残トナーなどの感光体表面残留物を除去する機能と、保護剤を均す機能とは、適切な部材の摺擦状態が異なることがある。異なる場合は、上述したように感光体表面が、クリーニングブレード20Yによるクリーニング位置、保護層形成装置29Yによる保護剤塗布位置、保護層形成用ブレード部材たる均しブレード23Yによる保護剤均し位置と順次通過するのが好ましい。
図4は、ドラムクリーニング装置18Yの内部構成と、感光体3Yとを示す拡大構成図である。なお、同図は、感光体3Y及びドラムクリーニング装置18Yを、図3のドラム軸線方向の反対側から示している。ゴムや樹脂等からなるクリーニングブレード20Yは、ブレードホルダー24Yによって片持ち支持されている。また、このブレードホルダー24Yは、ブレード固定端側とは反対側の端部を揺動軸として揺動可能に支持されており、コイルバネ25Yによって感光体3Yの表面に向けて付勢されている。これにより、ブレードホルダー24Yに片持ち支持されているクリーニングブレード20Yの自由端側のエッジと、感光体3Yの表面とが当接している。クリーニングブレード20Yは、その自由端側のエッジで、感光体3Yの表面に付着している転写残トナーを掻き取る。なお、クリーニングブレード20Yは、この固定端側よりも自由端側を感光体3Yの表面移動方向の上流側に向けるいわゆるカウンター方向で感光体3Yに当接するようになっている。
ドラムクリーニング装置18Yの保護層形成装置29Yは、像担持体保護剤たる粉体保護剤21Y、粉体保護剤21Yを収容する保護剤収容部28Y、保護剤供給手段たる塗布ブラシローラ19Y、粉体保護剤21Yを攪拌する保護剤攪拌部材22Y等を有している。また、塗布ブラシローラ19Yを図中時計回り方向に回転駆動せしめる図示しない駆動手段等も有している。塗布ブラシローラ19Yは、図示しない軸受けによって長手方向の両端部が回転自在に支持される回転軸部材と、これの表面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシローラ部とを具備している。そして、保護剤収容部28Yの開口部に配置され、ブラシローラ部を粉体保護剤21Yと感光体3Yの表面との両方に当接させながら、感光体3Yと線速差をもって回転するのに伴って、保護剤粉末を感光体3Yの表面に塗布する。この塗布により、感光体3Yの表面に保護剤粉末からなる保護層が形成されて、感光体3Yを一様帯電処理時の放電エネルギーから保護する。
また、粉体状の保護剤を圧縮成型する等して、バー状に成型し、バー状の保護剤を塗布ブラシローラに、加圧ばね等を用いて押し当て、ブラシローラ部でバーを削りながら保護剤を感光体に塗布するようにしてもよい。
塗布ブラシローラ19Yのブラシ繊維の材料としては、感光体表面への機械的ストレスを抑制するために可撓性を持つ材料が好ましい。ブラシ繊維の具体的な材料としては、一般的に公知の材料から1種または2種以上を選択して使用する事ができる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂(例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−ブタジエン樹脂;フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ナイロン;アクリル;レーヨン;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂);などの内、可撓性を持つ樹脂を使用することができる。
また、撓みの程度を調整するために、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合して用いても良い。
塗布ブラシローラ19Yは、例えばブラシ繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付けて形成する。ブラシ繊維は繊維径10〜500μm程度、ブラシの繊維の長さは1〜15[mm]、ブラシ密度は1平方インチ当たり1〜30[万本(1平方メートル当たり1.5×10〜4.5×10本)]のものが好ましく用いられる。
塗布ブラシローラ19Yとしては、供給の均一性やその安定性の面から、極カブラシ密度の高い物を使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作ることが好ましい。例えば、333デシテックス=6.7デシテックス×50フィラメント(300デニール=6デニール×50フィラメント)のように6.7デシテックス(6デニール)の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛するのが好ましい。
また、ブラシ表面には必要に応じてブラシの表面形状や環境安定性などを安定化することなどを目的として、被覆層を設けても良い。被覆層を構成する成分としては、ブラシ繊維の撓みに応じて変形することが可能な被覆層成分を用いることが好ましく、これらは、可撓性を保持し得る材料であれば、何ら限定される事無く使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);パーフルオロアルキルエーテル,ポリフルオロビニル、ポリフルオロビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂や、これらの複合樹脂等が挙げられる。
ドラムクリーニング装置18Yの均しブレード23Yも、クリーニングブレード20Yと同様に、ブレードホルダー26Yによって片持ち支持されている。均しブレード23Yは、接着や融着等の任意の方法によってブレードホルダー26Yに固定される。このブレードホルダー26Yは、ブレード固定端側とは反対側の端部を揺動軸として揺動可能に支持されており、コイルバネ27Yによって感光体3Yの表面に向けて付勢されている。これにより、ブレードホルダー26Yに片持ち支持されている均しブレード23Yの自由端側のエッジと、感光体3Yの表面とが当接している。均しブレード23Yは、その自由端側のエッジで、感光体3Yの表面に塗布された保護剤粉末を均等にならす。これにより、感光体3Yの表面上に保護剤膜が形成される。なお、均しブレード23Yは、この固定端側よりも自由端側を感光体3Yの表面移動方向の下流側に向けるいわゆるトレーリング方向で感光体3Yに当接するようになっている。
均しブレード23Yに用いる材料は、特に制限されるものではなく、例えばクリーニングブレード用材料として一般に公知の、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体を、単独またはブレンドして使用することができる。また、これらのゴムブレードは、感光体3Yとの接点部分を低摩擦係数材料でコーティングや含浸処理しても良い。また、弾性体の硬度を調整するために、他の有機微粒子や無機微粒子に代表される充填材を分散しても良い。
均しブレード23Yの厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね0.5〜5[mm]程度であれば好ましく使用でき、1〜3[mm]程度であれば更に好ましく使用できる。
また、ブレードホルダー26Yから突き出し、たわみを持たせることができる均しブレード23Yの長さ、いわゆる自由長についても同様に押圧で加える力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね1〜15[mm]程度であれば好ましく使用でき、2〜10[mm]程度であれば更に好ましく使用できる。
均しブレード23Yの他の構成としては、バネ板等の弾性金属ブレード表面に、必要によりカップリング剤やプライマー成分等を介して、樹脂、ゴム、エラストマー等の層をコーティング、ディッピング等の方法で形成し、必要により熱硬化等を行い、更に必要であれば表面研摩等を施した弾性金属ブレードを用いても良い。弾性金属ブレードの厚みは、0.05〜3[mm]程度であれば好ましく使用でき、0.1〜1[mm]程度であればより好ましく使用できる。また、弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に曲げ加工等の処理を施しても良い。
表面層を形成する材料としては、PFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂や、フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマー等を、必要により充填剤と共に用いることができるが、これに限定されるものではない。
また、均しブレード23Yの感光体への押圧力は、保護剤が延展し保護層や保護膜の状態になる力で十分であり、線圧として5[gf/cm]以上80[gf/cm]以下であることが好ましく、10[gf/cm]以上60[gf/cm]以下であることがより好ましい。
回転駆動に伴ってドラムクリーニング装置18Yによる保護剤均し位置を通過した感光体3Yの表面は、図示しない除電ランプによって除電される。そして、帯電ローラ16Yによって再び一様に帯電せしめられた後、上述した光書込ユニットによる光走査が施される。
先に示した図2において、プロセスユニット2M,C,Kの感光体3M,C,Kの表面には、これまで説明してきたY用のプロセスユニット2Yと同様の工程により、M,C,Kトナー像が形成される。
4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kの下方には、転写手段としての転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、複数のローラによって張架している中間転写ベルト61を、感光体3Y,M,C,Kに当接させながら何れか1つのローラの回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体3Y,M,C,Kと中間転写ベルト61とが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
Y,M,C,K用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ62Y,M,C,Kによって中間転写ベルト61を感光体3Y,M,C,Kに向けて押圧している。これら1次転写ローラ62Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,M,C,K用の1次転写ニップには、感光体3Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。
図中時計回り方向の無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト61のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト61の図中下方には、当接部材としての2次転写対向ローラ72が配設されており、これは中間転写ベルト61における2次転写ローラ68に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。これにより、中間転写ベルト61のおもて面と、2次転写対向ローラ72とが当接する2次転写ニップが形成されている。
中間転写ベルト61のループ内において、転写バイアス部材としての2次転写ローラ68には、図示しない2次転写電源回路により、トナーの正規帯電極性と同極性(本例では負極性)の2次転写バイアスが印加されている。一方、ベルトのおもて面に当接しながら2次転写ニップを形成している2次転写対向ローラ72は接地されている。これにより、2次転写ニップ内には、負極性のトナーをベルト側から2次転写対向ローラ72側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成されている。
2次転写ニップの図中右側方には、図示しない上述のレジストローラ対が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録紙を中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙に一括2次転写され、記録紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト61のおもて面には、2次転写ニップで記録紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト61に当接するベルトクリーニング装置75によってクリーニングされる。
先に示した図1において、2次転写ニップを通過した後の記録紙Pは、中間転写ベルト61から離間して、搬送ベルトユニット39に受け渡される。この搬送ベルトユニット39は、無端状の搬送ベルトを駆動ローラと従動ローラとによって張架しながら駆動ローラの回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動せしめる。そして、2次転写ニップから受け渡された記録紙Pをベルト上部張架面に保持しながらベルトの無端移動に伴って搬送して定着ユニット43に受け渡す。
定着ユニット43は、駆動ローラと発熱源を内包する加熱ローラとによって張架した定着ベルトを駆動ローラの回転駆動に伴って図中時計回り方向に無端移動せしめている。そして、定着ベルトの下方に配設された加圧ローラを定着ベルトの下部張架面に当接させて定着ニップを形成している。定着ユニット43に受け入れられた記録紙Pは、この定着ニップ内で加圧されたり加熱されたりすることで、表面上のフルカラー画像が定着せしめられる。そして、定着ユニット43内から排紙ローラ対47に向けて送り出される。
記録紙Pの第1面だけに画像を形成する片面プリントモードの場合には、排紙ローラ対47のローラ間の排紙ニップに挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外に排出されて排紙トレイ48上にスタックされる。
定着ユニット43や搬送ベルトユニット39の下方には、スイッチバック装置46が配設されている。記録紙Pの両面に画像を形成する両面プリントモードの場合には、排紙ニップに挟み込まれた記録紙Pが逆方向に戻されてスイッチバック装置46に進入する。そして、スイッチバック装置46内で上下反転せしめられた後、再び2次転写転写ニップに送られてもう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施される。
プリンタ部1の上に固定されたスキャナ160は、図示しない原稿の画像を読み取るための読取手段として、固定読取部と移動読取部とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する固定読取部は、原稿に接触するようにスキャナ160のケーシング上壁に固定された図示しない第1コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF170によって搬送される原稿が第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサで受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく原稿を走査する。
一方、スキャナ160の移動読取部は、原稿に接触するようにスキャナ160のケーシング上壁に固定された図示しない第2コンタクトガラスの直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させてスキャナ本体に固定された画像読取センサで受光する。これにより、光学系を移動させながら、原稿を走査する。
本複写機100は、帯電手段たる帯電装置として、帯電部材たる帯電ローラ16Yを感光体3Yの表面に当接又は近接するように配設し、近接放電によって感光体表面を帯電している。これにより、放電ワイヤを用いた所謂コロトロンやスコロトロンなどのコロナ放電器と比して、帯電時に発生するオゾン量を大幅に抑制することができる。
感光体3Yの表面に当接又は近接するように配設した帯電ローラ16Yの近接放電による帯電では、放電が感光体の表面近傍で起こるため、感光体表面で多量の活性種や反応生成物が発生し、これらが感光体表面に吸着し、感光体表面の付着力が増加してしまう。その結果、感光体表面の転写残トナーなどが感光体に付着するフィルミングが発生してしまう。また、近接放電による荷電粒子の衝突などによって感光体表面の樹脂の分子鎖の切断による低分子化、高分子鎖の絡み合い度の低下、樹脂の蒸発などの化学的な劣化が生じる。しかしながら、本複写機においては、保護層形成装置によって、感光体表面に保護層を形成して、感光体表面にかかる電気的なストレスを保護層によって保護している。これにより、感光体表面の付着力増加や化学的な劣化を抑制することができ、経時的な画像の変動や使用環境による画像の変動を大幅に抑制でき、安定した画像品質を得ることができる。
しかしながら、経時で、転写残トナーがクリーニングブレードにより十分にせき止められずに、トナーすり抜け量が増加してしまい、すり抜けたトナーが帯電ローラに付着して、帯電ローラが汚れ、黒スジ画像などに異常画像が生じる場合があった。これは、感光体表面に塗布した保護剤が帯電装置による放電領域を通過する際に、感光体の身代わりとして酸化され、劣化してしまう。劣化した保護剤は、潤滑性を失ってむしろ粘着性が増しており、感光体表面への付着力が増加し、クリーニングブレードにより良好に除去できずに、繰り返しの画像形成の間に感光体上に堆積してしまう。劣化した保護剤の堆積物が感光体とクリーニングブレードの間に介在する場合には、クリーニングブレードと感光体の当接状態が不均一になり、クリーニングブレードと感光体が当接するニップ部において、部分的な圧力不足などが発生する結果、すり抜けトナー量が増加したと考えられる。
そこで、本複写機においては、先に示した図4において、保護剤21Yとして、主成分が炭化水素ワックスからなり、この炭化水素ワックスに微粒子が含有したものを用いた。
保護剤21Yの主成分となる炭化水素ワックスとしては、脂肪族飽和炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素、脂環式不飽和炭化水素や芳香族炭化水素に分類される炭化水素ワックス類が例として挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、分子内の結合が、反応性が低く安定した飽和結合のみからなる、脂肪族飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素が好ましく、中でもノルマルパラフィン、イソパラフィンおよびシクロパラフィンが、付加反応が生じ難く化学的に安定であり、実使用の大気中で酸化反応を生じにくいため、経時安定性の面で好ましく用いられる。
また、比較的硬質な炭化水素ワックスを用いるのが好ましい。比較的硬質な炭化水素ワックスとしてフィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスの少なくとも1種を含む炭化水素ワックスが挙げられる。比較的硬質な炭化水素ワックスを用いることで、保護層自体の電気的ストレスに対する耐久性を高めることができるため、感光体表面に形成する保護層の厚みを過剰にすることなく、感光体の保護を実現することができるため、より好ましい。
炭化水素ワックスは、電気ストレスを受けたときの特性変化が少なく、放電生成物をワックス内に取り込み難く、保護剤として優れている。図5には、炭化水素ワックス(フィッシャートロプシュワックス)およびカルナバワックスをそれぞれ感光体に見立てたポリカーボネート樹脂塗膜上に一定時間(十分に被覆されるまで)塗布した後、AC帯電を印加したときの水接触角の変化を示している。なお、この実験ではAC帯電条件としてピーク間電圧Vpp=2.2[kV]、周波数f=900[Hz]、直流電圧Vdc=0[V]に設定した。図5からわかるように、炭化水素ワックスであるフィッシャートロプシュワックスは、炭化水素ワックスではないカルバナワックスよりもAC帯電印加後の水接触角の変化速度が遅く、変移量も小さい。すなわち、炭化水素ワックスは、AC帯電暴露による特性変化が少なく、劣化速度が遅いことを示している。
このように、耐電気的ストレス性に優れた炭化水素ワックスを保護剤の主成分として用いることで、電気的ストレスによる保護剤の劣化(特性変化)が抑制され、粘着性の増加を抑制でき、クリーニングブレードで良好に除去することができる。
しかし、フィッシャートロプシュワックスなど炭化水素ワックスは、比較的硬質なため、均しブレードによって延展されにくく、塗布ムラが生じ、感光体表面の一部が十分保護剤で保護されずに、感光体表面が電気的ストレスにさらされ、感光体表面が化学的に劣化したり、粘着性が増加してフィルミングが生じたりするおそれがある。
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、微粒子を炭化水素ワックスに含有させることで、感光体上への炭化水素ワックスの延展性が良好になるとともに、クリーニングブレードによって劣化したワックスを良好に除去することができることを見出した。以下に、具体的に説明する。
保護層形成装置による保護剤塗布位置を、クリーニングブレード20Yによるクリーニング位置よりも感光体表面移動方向上流側に設けて、クリーニングブレード20Yを均しブレードと兼用させた装置おいて、保護剤として炭化水素ワックスを用いた場合、画像面積率の低い画像を連続出力したとき、フィルミングが発生したことを本発明者らは、発見した。この現象から、本発明者らは、トナーやトナーの外添剤などのような微粒子の入力有無によって炭化水素ワックスの被覆状態が変化したのではないかと考えた。すなわち、画像面積率の低い画像を連続出力した場合は、トナーなどの微粒子の入力がほとんどないので、炭化水素ワックスが均一に塗布されずにフィルミングが発生したと考えたのである。
そこで、本発明者らは、感光体の保護剤の主成分として炭化水素ワックス(フィッシャートロプシュワックス)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛)それぞれに対して、平均一次粒径0.3[μm]のアルミナ微粒子を添加した場合と、添加しなかった場合とで、保護剤の除去性と塗布性とを調べる実験を行った。実験としては、上述の各保護剤をシリコン基板上に1分間塗布した後の保護剤の被覆率を調べることで、保護剤の塗布性を調べた。また、上述の各保護剤をシリコン基板上に1分間塗布したサンプル板にAC帯電を30秒間施してして保護剤を劣化させた後、ゴム部材で10回摺擦した後の被覆率を調べることで、保護剤の除去性を調べた。なお、AC帯電条件は、ピーク間電圧Vpp=2.2[kV]、周波数f=900[Hz]、直流電圧Vdc=0[V]に設定した。
図6は、実験結果である。なお、図中ZnSTは、ステアリン酸亜鉛である。
実験結果から明らかなように、炭化水素ワックスにアルミナ微粒子を添加したものが図中点線で示した理想の推移に最も近くなっており、アルミナ微粒子は炭化水素ワックスに対して塗布性及び除去性を促進させる作用が大きいことがわかる。また、ステアリン酸亜鉛に対しては微粒子を含有することによる塗布性及び除去性の効果は、ほとんど発揮されないことも明らかとなった。
また、AC帯電後の炭化水素ワックスを観察したところ、ワックスが劣化して潤滑性が低下していること、またイオン性物質を取り込んで粘性が増していることも確認された。
炭化水素ワックスに微粒子を添加することにより、塗布性と除去性とが良好になる理由は定かではないが、塗布性に関しては、感光体表面に塗布された炭化水素ワックスの粉末は、均しブレードを通過する際の押圧力により一塊になる(固形化する)が、微粒子は、そのまま粒子として存在するためと考えられる。すなわち、感光体表面に塗布されたワックスの粉末が、一塊になるのを微粒子が抑制することで、少ないせん断力で、感光体表面上で固形化したワックスを崩すことができる。これによって、均しブレードのせん断力によって保護剤が良好に延展し、均されると考えられる。また、除去性に関しては、微粒子がクリーニングブレードによって掻き落とされるときに、粘着性を有するワックスを掻き集めて凝集物となって、感光体表面から除去されるためだと考えられる。
このように、炭化水素ワックスを感光体表面に均一に塗布するにあたり、微粒子は重要な役割を果たしていることがわかる。本実施形態においては、微粒子を保護剤中に添加することによって、常に微粒子が感光体表面に供給されることになるので、常に均一な塗膜を形成することができる。また、クリーニングブレードで感光体表面上の劣化した保護剤を良好に除去することができる。
また、炭化水素ワックスに含有される微粒子の一次平均粒径は、複写機の構成の兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね0.1[μm]以上2.0[μm]以下の範囲が好ましい。ここで言う平均一次粒径とは凝集状態にない微粒子そのものの粒径の平均値であり、例えば微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した観察像を画像解析し、球形に近似した粒度分布からその平均値を求める等、公知の方法を用いて得ることができる。微粒子の平均一次粒径が2.0[μm]より大きくなると、感光体表面が微粒子により摺擦された際にキズが発生しやすくなり、摩耗量も増加する傾向にある。また、平均一次粒径が0.1[μm]未満になると保護剤を感光体表面に延展させる効果が小さくなり、感光体表面に均一な保護層が形成できなくなる。その結果、保護層の厚みに対するフィルミングの余裕度が低下する。
また、炭化水素ワックスに含有される微粒子は、有機微粒子と無機微粒子のどちらも挙げることができる。有機微粒子としては、代表的な例としてポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、アクリル樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末等が挙げられ、また無機微粒子としては、代表的な例としてシリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化セリウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の金属チタン酸化物、マイカ、タルク、カオリン等の無機鉱物等が挙げられるが、もちろんこれらに限られるものではない。無機微粒子の方が保護剤の除去性に対して有利に働くためより好ましく、中でもアルミナが最も良好な作用を示すことから、特に好ましい。なお、これらの微粒子は単独で用いても、或いは2種以上を混合して用いても良い。また、これらの微粒子は疎水性を付与する目的等により、表面処理剤で表面処理を行っても良い。
また、炭化水素ワックスと微粒子の混合比に関しては、炭化水素ワックスの含有量が、炭化水素ワックスの重量と微粒子の重量との和に対して、20[重量%]以上60[重量%]以下の範囲であることが好ましい。20[重量%]未満であると保護剤としての炭化水素ワックスの機能が不足して感光体の摩耗が著しくなり、また、60[重量%]を超えると微粒子の効果が弱まるため炭化水素ワックス成分が感光体上に十分延展されず、フィルミングが発生しやすくなるとともに、クリーニングブレードで保護剤を良好に除去できなくなる。
また、主成分が炭化水素ワックスからなる保護剤中に微粒子に加えて、少量の脂肪酸金属塩を含有させることがより好ましい。脂肪酸金属塩は自身がラメラ結晶構造を有しているため、保護剤の均一塗布性を更に補うことができる。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。せん断力を受けて均一に感光体表面を覆っていくラメラ結晶の特性を有する脂肪酸金属塩を添加することで、延展性がさらに向上し、均一に感光体表面に保護層を形成することができる。これにより、保護層の厚みに対するフィルミングの余裕度がさらに向上し、保護層を薄くすることができ、保護剤の消費量を抑えることができる。ただし上述のように、脂肪酸金属塩を多量に添加することは炭化水素ワックスに対する微粒子の効果が小さくなるので好ましくなく、含有量が炭化水素ワックスの重量と微粒子との重量の和に対して1[重量%]以上10[重量%]以下、更に好ましくは1[重量%]以上5[重量%]以下となるように添加するのが好ましい。
また、本発明者らの以下に示す実験によって、脂肪酸金属塩を添加することで、保護剤の除去性が向上するという作用を確認した。
実験は、炭化水素ワックスに微粒子を添加した保護剤粉体に、脂肪酸金属塩であるステアリン酸亜鉛(ZnST)を添加しないものと、炭化水素ワックス及び微粒子の重量の和に対して5[重量%]加えたものを、感光体に見立てたポリカーボネート樹脂塗膜上に一定時間(十分に被覆されるまで)塗布した後、AC帯電印可有無の下でゴム部材で摺擦したときの水接触角変化を調べた。なお、この実験ではAC帯電条件としてピーク間電圧Vpp=2.2[kV]、周波数f=900[Hz]、直流電圧Vdc=0[V]に設定した。
図6は、その実験結果である。図に示すように、AC帯電の有無どちらの場合においても、ステアリン酸亜鉛が加えられた保護剤の方が表中点線で示した保護剤塗布前の水接触角の値に戻るまでの時間が早いことが判る。このことはステアリン酸亜鉛が添加されたことにより、保護剤成分がより機械的に除去されやすくなっていることを示している。
このように除去性が向上できる理由は、定かではないが、ラメラ結晶を有する脂肪酸金属塩の効果によって、クリーニングブレードによるせん断力が加わった際に、脂肪酸金属塩の分子間で潤滑効果が発揮されるため、クリーニングブレードにより感光体上の保護剤を容易に掻き落とすことができるのではないかと考えられる。
好適に用いられる脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸鉛、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、二塩基性ステアリン酸鉛等が挙げられるが、中でもステアリン酸亜鉛が画像ボケやフィルミングなどの副作用が最も少なく、好適に使用することができる。
また、主成分が炭化水素ワックスからなる保護剤中に微粒子に加えて、炭化水素ワックスと相溶する樹脂を含有させてもよい。炭化水素ワックスと相溶する樹脂の例としては、スチレン系重合体またはその共重合体、アクリル酸エステル系単重合体またはその共重合体、ノルボルネン系重合体またはその共重合体、ポリビニル誘導体、ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオール系重合体、テルペン系重合体等が挙げられる。
特にノルボルネン系共重合体は、炭化水素ワックス成分との馴染みがよく、炭化水素ワックスの延展補助材となるばかりでなく、透明性が高く、低誘電率であり、炭化水素ワックス成分と共に光学特性、静電特性に優れた良好な像担自体表面保護膜となるため、好ましく用いることができる。
さらに、ノルボルネン共重合体の中でも、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンとノルボルネンの共重合体を用いることで、耐フィルミング性に優れた結果を得ることができ最も好ましい。これは、α−オレフィン−ノルボルネン共重合体の長鎖アルキル部分が持つ低表面エネルギー性により、炭化水素ワックス単独での使用時よりも保護層とトナーとの付着力を低減することができるためと推測している。
これらの樹脂は炭化水素ワックスの特性を阻害しないため、好ましい添加量は材料によって異なり、それぞれ炭化水素ワックスと良好な相溶性を示す範囲を選んで構わないが、一般的には炭化水素ワックスと微粒子の重量の和に対して1[重量%]以上30[重量%]以下が好ましい。
次に、保護剤の作製方法について、説明する。
まず、加熱溶融した炭化水素ワックスに微粒子、及び必要に応じて炭化水素ワックスと相溶する樹脂を混合し、スターラー等で十分に攪拌し、冷却し、固体化する。次に、固体状保護剤を粉砕器にて粉砕し、粉末化する。必要に応じて、粉体状保護剤に脂肪酸金属塩粉末を加え、オースタミキサー等で十分に攪拌する。以上の工程により、保護剤を得ることができる。
また、これら粉体状の保護剤を圧縮成型する等して、バー状に成型して使用してもよい。
以下、実施例および比較例を用いて更に本発明を詳細に説明するが、本発明の構成はこれに限られたものではない。尚、実施例中の「部」は全て重量部を表す。
[保護剤製造例]
実施例および比較例の保護剤の処方を表1に示す。
表1に示した保護剤1〜23は、次のようにして製造したものである。ワックスを蓋付きのガラス製容器に入れ、120[℃]に温度制御したホットスターラーにより、攪拌しつつ溶融した後、微粒子、及びワックスと相溶する樹脂を投入し、更に20分間攪拌した。次に、予め85[℃]に加熱したアルミニウム製の金型を満たすように、溶融した各保護剤処方組成物を流し込み、50[℃]まで室温雰囲気で放冷後、温度設定をした恒温槽にて60℃まで再加熱して、その温度で20分間保持し、その後、室温まで放冷した。冷却後、保護剤固形物を型から外し、粉砕機にて粒径100[μm]以下の粒子に粉砕して粉体状の保護剤を得た。また、処方中に脂肪酸金属塩を含有する保護剤については、更に脂肪酸金属塩を混合し、オースタミキサーにて30秒間攪拌を行った。以上のようにして、保護剤1〜23を製造した。なお、保護剤24はワックスのみを溶融した後冷却粉砕して作製した。また、保護剤25は微粒子と脂肪酸金属塩をそのままオースタミキサーにて混合して作製した。
Figure 2009109949
[実施例1]
転写工程に引き続き、感光体表面が、クリーニングブレードによるクリーニング位置、保護層形成装置29Yによる保護剤塗布位置、保護層形成用ブレード部材たる均しブレード23Yによる保護剤均し位置を順次通過するよう、外径40[mm]の感光体の周りに、各部材を配置したプロセスカートリッジを作成した。保護層形成装置の保護剤収容部には、表1に示す保護剤1を収容した。なお、帯電ローラとしては直径12[mm]の硬質樹脂ローラを用い、感光体とのギャップを50[μm]に調整した。
上記プロセスカートリッジが搭載可能なように改造したリコー製カラーMFP imagio MP C3500に上記プロセスカートリッジを搭載し試験機を作成した。そして、この試験機を用いてA4版、画像面積率6%原稿5万枚の連続通紙試験を行なった。帯電条件としては−600[V]のDC成分に、AC成分としてピーク間電圧Vpp=3[kV]、周波数=1.5[kHz]の正弦波を重畳した交番電界を印加した。試験後の感光体について摩耗量の測定、フィルミングの目視観察、及び帯電ローラ汚れの目視観察を行った。更に試験後の画像品質を、32℃/80%RHの高温高湿環境および10℃/15%RHの低温低湿環境にて確認し、各環境下での異常画像の有無を調べた(高温高湿環境ではフィルミングによる画像ボケが、低温低湿環境では帯電ローラ汚れまたはクリーニング不良による黒スジが発生しやすい)。
[実施例2]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤2を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例3]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤3を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例4]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤4を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例5]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤5を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例6]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤6を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例7]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤7を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例8]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤8を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例9]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤9を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例10]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤10を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例11]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤11を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例12]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤12を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例13]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤13を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例14]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤14を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例15]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤15を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例16]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤16を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例17]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤17を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例18]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤18を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例19]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤19を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例20]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤20を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例21]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤21を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例22]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤22を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[実施例23]
転写工程に引き続き、感光体表面が、保護層形成装置29Yによる保護剤塗布位置、カウンタータイプのクリーニングブレード20Yによるクリーニング位置を順次通過するよう、外径40[mm]の感光体の周りに、各部材を配置したプロセスカートリッジを作成した。保護層形成装置の保護剤収容部には、表1に示す保護剤7を収容した。なお、帯電ローラとしては直径12[mm]の硬質樹脂ローラを用い、感光体とのギャップを50[μm]に調整した。上記プロセスカートリッジを、上記プロセスカートリッジ搭載可能なように改造したリコー製カラーMFP imagio MP C3500に搭載し、A4版、画像面積率6%原稿5万枚の連続通紙試験を行ない、実施例7と同様の評価を行った。
[比較例1]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤23を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[比較例2]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤24を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
[比較例3]
実施例1における保護剤1の代わりに保護剤25を保護層形成装置の保護剤収容部に収納して実施例1と同様の評価を行った。
実施例1乃至23、比較例1乃至3の結果を表2に示す。
Figure 2009109949
表2からわかるように、炭化水素ワックスであるフィッシャートロプシュワックスのみからなる保護剤24を用いた比較例2においては、保護剤を良好に延展することができず、塗布ムラが生じ、フィルミング、感光体磨耗量が許容レベル以下であった。さらに、実施例1〜実施例22に比べて、LL環境下黒スジ画像の評価が悪くなった。これは、微粒子を含有していないため、微粒子を含有した実施例に比べて、保護剤の除去性が悪かったため、実施例に比べて帯電ローラが汚れており、LL環境下黒スジ画像の評価が悪くなったと考えられる。また、ステアリン酸亜鉛に微粒子としてアルミナを含有した保護剤25を用いた比較例3は、帯電ローラの汚れが×になり、低温低湿環境で黒スジが許容レベル以下となった。これは、クリーニングブレードで感光体表面の劣化した保護剤を良好に除去することができなかったためと考えられる。また、炭化水素ワックスではないカルナバワックスにアルミナ微粒子を含有した保護剤23を用いた比較例1においては、感光体表面を十分に保護できず、感光体表面が電気的ストレスにより劣化して、フィルミングおよび感光体磨耗量の評価が×になってしまった。
一方、炭化水素ワックスに微粒子を含有した保護剤を用いた実施例1〜23においては、帯電ローラの汚れおよびフィルミングの評価レベルを許容レベル以上にすることができ、低温低湿環境下での黒スジを画像上問題ないレベル以上にでき、高温高湿環境下での画像ボケを許容レベル以上にすることができた。
また、平均一次粒径が0.05[μm]のシリカの含有する保護剤21を用いた実施例21は、平均一次粒径が0.3[μm]のシリカを含有する保護剤5を用いた実施例5に比べて、フィルミングが悪い結果となった。
また、平均一次粒径が3[μm]の微粒子の含有する保護剤22を用いた実施例22は、平均一次粒径が0.3[μm]の微粒子を含有する保護剤7を用いた実施例7に比べて、若干、感光体の磨耗が大きくなった。
また、保護剤の微粒子を無機微粒子とした実施例5、6は、保護剤の微粒子として無機微粒子以外のものを用いた実施例1〜4に比べて、ワックスの延展性、除去性が増し、フィルミング、帯電ローラの汚れが改善された。さらに、保護剤の微粒子としてアルミナを用いた実施例7においては、ワックスの延展性がさらに改善され、HH環境下で画像ボケのない極めて優れた画像が得られた。
また、ワックス配合量が15%の実施例10は、ワックスの量が少ないため、感光体表面を十分に保護できず、実施例7や実施例9に比べて、感光体表面が劣化し、フィルミングが若干多くなった結果、HH環境下で画像ボケが生じた。また、ワックス配合量が70%の実施例11は、ワックス配合量25%の実施例9よりも、帯電ローラが汚れてしまった。これは、微粒子の含有量が実施例9よりも少ないため、クリーニングブレードによる除去性が実施例9よりも若干劣った結果となったためと考えられる。また、実施例9よりも、フィルミングが発生していた。これも、微粒子の含有量が少ないため、炭化水素ワックスを均一に感光体表面に延展することができなかったためと考えられる。
さらに、脂肪酸金属塩を含有した保護剤を用いた実施例12〜実施例17は、脂肪酸金属塩を含有していない保護剤を用いた実施例7に比べて、ワックスの延展性や除去性が改善され、フィルミングや帯電ローラの汚れ、感光体の磨耗が改善された。特に、ステアリン酸亜鉛を含有した保護剤13を用いた実施例13は、ステアリン酸カルシウムを含有した保護剤12を用いた実施例12に比べて、感光体表面を良好に保護でき、フィルミングを改善することができた。また、実施例12に比べて帯電ローラの汚れを抑制でき、黒スジ画像のない極めて優れた画像を得ることができた。
また、ステアリン酸亜鉛の配合量が0.5部の保護剤15を用いた実施例15は、ステアリン酸亜鉛の配合量が5部の保護剤13を用いた実施例13や、ステアリン酸亜鉛の配合量が10部の保護剤16を用いた実施例16に比べて、フィルミングが悪化した。これは、ステアリン酸亜鉛の配合量が少なくて、ステアリン酸亜鉛の効果が得られなかったと考えられる。
また、ステアリン酸亜鉛の配合量が15部の保護剤17を用いた実施例17は、ステアリン酸亜鉛の配合量が5部の保護剤13を用いた実施例13や、ステアリン酸亜鉛の配合量が10部の保護剤16を用いた実施例16、ステアリン酸を配合してない保護剤7を用いた実施例7に比べて、帯電ローラの汚れが劣化した。これは、ステアリン酸亜鉛が多すぎて、炭化水素ワックスに対する微粒子の効果が小さくなり、クリーニングブレードによる除去性が低下したためと考えられる。
また、ワックスと相溶性のある樹脂を含有した保護剤を用いた実施例18乃至20は、フィルミング、帯電ローラの汚れに対して極めて優れた結果が得られ、LL環境下、およびHH環境下のいずれにおいても、極めて優れた画像が得られた。
また、実施例23は、クリーニングブレードが均しブレードを兼ねているため、保護剤を延展させるための最適な当接圧等にすることができないため、実施例7よりも保護剤を十分延展させることができず、実施例7よりもフィルミングの結果が悪くなってしまった。
以上、本実施形態の像担持体保護剤によれば、炭化水素ワックスを用いることで、耐電気ストレス性に優れた保護剤とすることができる。これにより、近接放電によって保護剤の特性が変化し、潤滑性が低下して粘着性が増加する不具合を抑制することができる。これにより、クリーニングブレードで保護剤を良好に除去することができ、劣化した保護剤が感光体表面に堆積してクリーニングブレードと感光体の当接状態が不均一になるのを抑制することができ、経時で、クリーニングブレードによるクリーニング性を維持することができる。さらに、炭化水素ワックスに微粒子を含有することで、炭化水素ワックスの延展性を向上させることができ、感光体表面に均一に保護剤を塗布することができる。これにより、塗布ムラを抑制することができ、フィルミングの発生を抑制することができる。また、除去性も向上させることができ、クリーニングブレードで保護剤を良好に除去することができ、劣化した保護剤が感光体表面に堆積してクリーニングブレードと感光体の当接状態が不均一になるのを抑制することができ、経時で、クリーニングブレードによるクリーニング性を維持することができる。その結果、帯電部材にトナーが付着するのを抑制することができ、帯電部材の汚れを抑制することができる。
また、炭化水素ワックスとして、フィッシャートロプシュワックスおよび/またはポリエチレンワックスを用いることで、耐電気的ストレスをさらに向上させることができる。
また、微粒子として、平均一次粒径が0.1[μm]以上、2.0[μm]以下の微粒子を用いることで、微粒子による炭化水素ワックスの延展性と除去性の効果を十分に発揮するこいとができ、かつ、感光体表面の傷を抑制することができる。
また、炭化水素ワックスの含有量を、炭化水素ワックスの重量と微粒子の重量の和に対して、20[重量%]以上、60[重量%]以下とすることで、微粒子による効果と、炭化水素ワックスによる感光体保護効果とを良好に得ることができる。
また、脂肪酸金属塩を含有することによって、炭化水素ワックスに微粒子を含有させただけのものに比べて、炭化水素ワックスの延展性、除去性に優れた効果を得ることができる。
特に、脂肪酸金属塩として、ステアリン酸亜鉛を用いることで、他の脂肪酸金属塩を用いたものに比べて画像ボケやフィルミングなどの副作用を抑えることができる。
また、脂肪酸金属塩を、炭化水素ワックスの重量と微粒子の重量の和に対して、1[重量%]以上、10[重量%]以下とすることで、微粒子による効果を低減させることなく脂肪酸金属塩を含有することによる効果を十分に得ることができる。
また、炭化水素ワックスと相溶する樹脂を含有することで、ワックスの延展性をさらに良好にすることができる。
特に、炭化水素ワックスと相溶する樹脂として、ノルボルネン類を構成単位として含む重合体または共重合体を含む樹脂を用いることで、光学特性、静電特性に優れた保護剤とすることができる。
特に、ノルボルネン類を構成単位として含む重合体または共重合体を含む樹脂として、α−オレフィン−ノルボルネン共重合体を用いることで、フィルミングが発生しにくい保護剤とすることができる。
また、像担持体たる感光体表面への近接放電から感光体を保護する保護剤を感光体表面に塗布または付着させて感光体表面に保護層を形成する保護層形成装置において、保護剤として、上述の保護剤を用いることで、感光体表面に均一に保護剤を塗布することができるとともに、感光体表面から容易に保護剤を除去することができる。
また、感光体表面に保護剤を塗布または付着させるための保護剤供給手段たる塗布ブラシローラ設けることで、感光体表面に均一に保護剤を塗布することができる。
また、感光体と、近接放電により感光体表面を帯電する帯電手段たる帯電装置と、表面が帯電した感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段たる光書込ユニットと感光体上の潜像を現像する現像手段たる現像装置と、現像後のトナー像を転写材に転写した後に感光体と摺擦する除去部材たるクリーニングブレードによって感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段たるクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、上述の保護層形成装置を用いることで、感光体表面の劣化、およびクリーニング不良を抑制することができ、経時にわたり良好な画像を得ることができる。
また、保護層形成装置を、クリーニングブレードよりも感光体表面移動方向下流側、かつ、帯電装置よりも感光体表面移動方向上流側に配置することで、保護層形成装置を、クリーニングブレードよりも感光体表面移動方向上流側に設けたものに比べて、感光体表面に均一に保護剤を塗布することが可能となる。
また、接触または感光体に近接配置された帯電部材たる帯電ローラを備え、帯電ローラからの近接放電により感光体表面を帯電するよう帯電装置を構成した装置においても、帯電ローラが汚れることなく、経時に渡り良好な画像を得ることができる。
また、帯電ローラに印加する電圧を、直流成分に交流成分を重畳した電圧とすることで、感光体表面を均一に帯電させることができる。
また、プロセスユニットとして、上述の保護層形成装置を備えることで、感光体表面を良好に保護することができるとももに、帯電ローラの汚れを抑制し、経時にわたりに安定的な画像を得ることができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。 同プリンタ部のY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。 同プロセスユニットのドラムクリーニング装置の内部構成と、感光体とを示す拡大構成図。 各ワックスの耐電気ストレス性を調べたグラフ。 各保護剤の塗布性と除去性とを調べたグラフ。 ステアリン酸亜鉛を添加した場合としない場合との保護剤の除去性について調べたグラフ。
符号の説明
2Y,M,C,K:プロセスユニット(像担持体ユニット)
3Y,M,C,K:感光体(像担持体)
19Y:塗布ブラシローラ(塗布部材)
21Y:固形潤滑剤(潤滑剤粉末の前駆体)

Claims (21)

  1. 像担持体表面に塗布され、前記像担持体表面への近接放電から前記像担持体を保護する像担持体保護剤において、
    微粒子を含有した炭化水素ワックスからなることを特徴とした像担持体保護剤。
  2. 請求項1の像担持体保護剤において、
    前記炭化水素ワックスとして、フィッシャートロプシュワックスおよび/またはポリエチレンワックスを用いたことを特徴とする像担持体保護剤。
  3. 請求項1または2の像担持体保護剤において、
    前記微粒子として、平均一次粒径が0.1[μm]以上、2.0[μm]以下の微粒子を用いたことを特徴とする像担持体保護剤。
  4. 請求項1乃至3いずれかの像担持体保護剤において、
    前記炭化水素ワックスの含有量を、前記炭化水素ワックスの重量と前記微粒子の重量の和に対して、20[重量%]以上、60[重量%]以下としたことを特徴とする像担持体保護剤。
  5. 請求項1乃至4いずれかの像担持体保護剤において、
    脂肪酸金属塩を含有したことを特徴とする像担持体保護剤。
  6. 請求項5の像担持体保護剤において、
    前記脂肪酸金属塩として、ステアリン酸亜鉛を用いたことを特徴とする像担持体保護剤。
  7. 請求項5または6の像担持体保護剤において、
    前記脂肪酸金属塩を、前記炭化水素ワックスの重量と前記微粒子の重量の和に対して、1[重量%]以上、10[重量%]以下としたことを特徴とする像担持体保護剤。
  8. 請求項1乃至7いずれかの像担持体保護剤において、
    炭化水素ワックスと相溶する樹脂を含有したことを特徴とする像担持体保護剤。
  9. 請求項8の像担持体保護剤において、
    前記炭化水素ワックスと相溶する樹脂として、ノルボルネン類を構成単位として含む重合体または共重合体を含む樹脂を用いたことを特徴とする像担持体保護剤。
  10. 請求項9の像担持体保護剤において、
    前記ノルボルネン類を構成単位として含む重合体または共重合体を含む樹脂として、α−オレフィン−ノルボルネン共重合体を用いたことを特徴とする像担持体保護剤。
  11. 前記像担持体表面への近接放電から前記像担持体を保護する像担持体保護剤を像担持体表面に塗布または付着させて像担持体表面に保護層を形成する保護層形成装置において、
    前記像担持体保護剤として、請求項1乃至10いずれかの像担持体保護剤を用いたことを特徴とする保護層形成装置。
  12. 請求項11の保護層形成装置において、
    前記像担持体表面に保護剤を塗布または付着させるための保護剤供給手段を設けたことを特徴とする保護層形成装置。
  13. 像担持体と、
    近接放電により前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、
    表面が帯電した前記像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記像担持体上の潜像を現像する現像手段と、
    現像後のトナー像を転写材に転写した後に像担持体と摺擦する部材によって前記像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、
    像担持体表面に像担持体保護剤を塗布または付着させて前記像担持体表面に保護層を形成する保護層形成手段とを備えた画像形成装置において、
    前記保護層形成手段として、請求項11または12の保護層形成装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13の画像形成装置において、
    前記保護層形成手段を、前記クリーニング手段よりも前記像担持体表面移動方向下流側、かつ、前記帯電手段よりも前記像担持体表面移動方向上流側に配置したことを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項13または14の画像形成装置において、
    前記像担持体と接触または前記像担持体に近接配置された帯電部材を備え、前記帯電部材からの近接放電により前記像担持体表面を帯電するよう前記帯電手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項15の画像形成装置において、
    前記帯電部材に印加する電圧が、直流成分に交流成分を重畳した電圧であることを特徴とする画像形成装置。
  17. 像担持体と、少なくとも前記像担持体表面への近接放電から前記像担持体を保護する像担持体保護剤を像担持体表面に塗布または付着させて像担持体表面に保護層を形成する保護層形成手段とを一体的に形成し、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットにおいて、
    前記保護層形成手段として、請求項11または12の保護層形成装置を用いたことを特徴とするプロセスユニット。
  18. 請求項17のプロセスユニットにおいて、
    前記保護層形成手段よりも前記像担持体表面移動方向上流側に配置され、現像後のトナー像を転写材に転写した後に像担持体と摺擦する部材によって前記像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段を備えたことを特徴とするプロセスユニット。
  19. 請求項17または18のプロセスユニットにおいて、
    前記像担持体と接触または前記像担持体に近接配置された帯電部材を備え、前記帯電部材からの近接放電により前記像担持体表面を帯電する帯電手段を備えたことを特徴とするプロセスユニット。
  20. 請求項17乃至19いずれかのプロセスユニットを備えた画像形成装置。
  21. 近接放電により像担持体を帯電させる工程と、
    表面が帯電した前記像担持体表面に潜像を形成する工程と、
    前記像担持体上の潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する工程と、
    前記可視像を転写材に転写する転写工程と、
    転写後の前記像担持体表面の転写残トナーをクリーニングブレードで除去する工程と、
    前記像担持体表面に像担持体保護剤を塗布または付着させる工程とを有する画像形成方法において、
    前記像担持体保護剤として請求項1乃至10いずれかの像担持体保護剤を用いたことを特徴とする画像形成方法。
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