JP2009109803A - カラーフィルタ用青色着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】色純度およびコントラスト比が高く、加熱工程での明度低下や色差ΔEab*が小さいカラーフィルタ用青色着色組成物、および該組成物を用いて形成されるカラーフィルタの提供。
【解決手段】樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、該顔料担体に分散された青色顔料、紫色顔料および黄色顔料、好ましくはC. I. Pigment Yellow 150を含み、紫色顔料の含有量が、顔料の全量を基準として15〜50重量%であるカラーフィルタ用青色着色組成物、および該青色着色組成物から形成される青色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。前記カラーフィルタ用青色着色組成物において、紫色顔料の比表面積は100〜150m2/gであることが好ましく、黄色顔料の含有量は0.01〜5重量%であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置および固体撮像素子に用いられるカラーフィルタ用青色着色組成物、およびこの青色着色組成物を用いて形成されるカラーフィルタに関する。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数μm〜数100μmと微細であり、しかも色相ごとに所定の配列で整然と配置されている。
カラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタの上には、一般に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成工程を一般に200℃以上好ましくは230℃以上の高温で行なう必要がある。
一般的なカラーフィルタでは、透明基板上に光の3原色である青、緑、赤のフィルタセグメントが配置されているが、単一の顔料だけでそれぞれ目的のカラーフィルタとしての分光スペクトルを得るのが困難な場合には、顔料を2種以上用いて分光スペクトルを調整することが多い。青については、一般に耐性に優れた銅フタロシアニンブルー顔料が用いられているが、銅フタロシアニンブルー顔料のみでは目的の分光スペクトルが得られない。そのため、様々な色の顔料を混合して、明度や色味を調整している。(例えば、特許文献1参照)
また、近年では、色純度が高く、かつコントラスト比が高いカラーフィルタの要望が高まっている。
カラー液晶表示素子の色再現範囲は、赤、緑、青の画素から放射される光の色で決まり、それぞれの画素のCIE XYZ表色系における色度点を(xR、yR)、(xG、yG)、(xB、yB)としたとき、x−y色度図上のこれらの三点で囲まれる三角形の面積で表される。即ち、この三角形の面積が大きいほど鮮やかなカラー画像が再現できることになる。この三角形の面積は、通常、アメリカNational Television System Committee (NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67、0.33)、緑(0.21、0.71)、青(0.14,0.08)の三点で形成される三角形を基準として、この三角形の面積に対する比(単位%、以下「NTSC比」と略す。)として表現される。この値は一般のノートパソコンで40〜50%程度、デスクトップパソコン用モニターで50〜60%、現行液晶TVで70%程度である。
一般的に色純度を高くするには、膜厚を厚くする必要がある。例えば、現行の青色着色組成物を用いてEBU規格を満たす青色カラーフィルタを形成しようとすると、その膜厚を5〜9μmとする必要がある。しかし、感光性の顔料分散レジストの場合、光硬化していない部分を溶解除去するために必要な時間が長くなるため、パターンの周辺部の直線性がサイドエッチングにより悪くなる。またパターンを形成するための露光の際、光が底部まで充分に達し得ず、膜の底部は未硬化のままになる。そのため膜厚が厚いと、膜断面が逆テーパー形状になりやすくなる。カラーフィルタの断面が逆テーパー状であると、その上に形成される透明電極が不連続となり、断線が生じ、液晶ディスプレーの表示に障害が起こる。
そのため、カラーフィルタの膜厚は1.0〜2.5μm、さらには1.0〜2.0μmが好適である。
青色カラーフィルタの場合、膜厚を1.0〜2.5μmに保ちつつ色純度を上げるには、青色着色組成物に紫色顔料を含有させれば良いことが知られている。(例えば、特許文献2参照)
しかし、全顔料に対する紫色顔料の比率を高くすると、コントラスト比がダウンする。また、透明電極および配向膜形成時の230℃以上の加熱工程において、分光スペクトルの透過率が低くなることで明度が下がり、色差ΔEab*が大きくなるなどの不具合が起きる。青色フィルタセグメントの明度が下がると、カラーフィルタのホワイトバランスが、透明電極および配向膜形成前と比べて大きくずれてしまい、工程上問題が大きい。
特開2004-279617 特開昭63-125902
そこで、本発明は、色純度およびコントラスト比が高く、加熱工程での明度低下や色差ΔEab*が小さいカラーフィルタ用青色着色組成物、および該組成物を用いて形成されるカラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、青色顔料、紫色顔料に加え、黄色顔料を含有させることにより、色純度とコントラスト比が高く、加熱工程での明度低下や色差ΔEab*が小さい青色フィルタセグメントを得ることが可能となったものである。
すなわち、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、該顔料担体に分散された青色顔料、紫色顔料および黄色顔料を含み、紫色顔料の含有量が、顔料の全量を基準として15〜50重量%であることを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物において、紫色顔料の比表面積は100〜150m/gであることが好ましい。
また、黄色顔料の含有量は、顔料の全量を基準として0.01〜5重量%であることが好ましく、該黄色顔料はC. I. Pigment Yellow 150であることが好ましい。
また、本発明のカラーフィルタは、上記青色着色組成物から形成される青色フィルタセグメントを具備することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、特定の比率で紫色顔料を含み、さらに黄色顔料を含むため、高い色純度、コントラスト比でありながら、加熱工程での明度低下や色差ΔEab*が小さい。
まず、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物について説明する。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、該顔料担体に分散された青色顔料、紫色顔料および黄色顔料を含有する。
カラーフィルタ用青色着色組成物に用いられる青色顔料としては、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、81等の顔料が挙げられ、中でもC.I. Pigment Blue 15:6が好ましい。
紫色顔料としては、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の顔料が挙げられ、中でもC.I. Pigment Violet 23が好ましい。
カラーフィルタ用青色着色組成物中の紫色顔料の含有量は、色純度、コントラスト比の点から顔料の全量を基準(100重量%)として15〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。紫色顔料の含有量が下限値より低い場合には、色純度の低い青色フィルタセグメントしか得られない。紫色顔料の含有量が上限値より高い場合には、青色フィルタセグメントのコントラスト比が低く、明度が小さくなり過ぎてしまう。
また、紫色顔料の比表面積は100〜150m/gであることが好ましい。紫色顔料の比表面積が下限値より低い場合には、得られる青色フィルタセグメントの輝度やコントラスト比が低くなる。また、紫色顔料の比表面積が上限値より高い場合には、青色顔料および紫色顔料がヘテロ凝集するため、着色組成物として安定性を保つことが難しくなり、流動性を確保することが困難になると共に、青色フィルタセグメントの輝度やコントラスト比の特性が悪くなる傾向がある。
黄色顔料としては、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の顔料が挙げられる。中でも、C.I. Pigment Yellow150が、耐熱性の点から好ましい。
また、カラーフィルタ用青色着色組成物中の黄色顔料の含有量は、明度の点から、顔料の全量を基準(100重量%)として0.01〜5重量%であることが好ましく、0.5〜3.5重量%であることがより好ましい。黄色顔料の含有量が下限値より低い場合には、耐熱性がほとんど改善しない。黄色顔料の含有量が上限値より高い場合には、明度が小さくなりすぎるとともに、x値が大きくなるため、目的の色度を達成しにくい。
顔料を分散させる顔料担体は、上述したように、樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成され、形成される青色フィルタセグメントにおいて、樹脂質バインダーを提供する。樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。顔料担体は、顔料の合計100重量部に対して、好ましくは50〜700重量部、より好ましくは100〜400重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば, ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
モノマーおよびオリゴマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、トリメチロールプロペントリアクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
カラーフィルタ用青色着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-[-(4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、顔料の合計100重量部に対して、5〜150重量部の量で用いることができる。
上記光重合開始剤は、単独であるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜150重量部の量で用いることができる。
カラーフィルタ用青色着色組成物は、青色顔料と、紫色顔料と、黄色顔料とを、必要に応じて上記光重合開始剤と共に、顔料担体中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。 また、カラーフィルタ用青色着色組成物は、各顔料を別々に顔料担体中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、顔料誘導体、トリアジン誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる青色着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散助剤は、顔料の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部の量で用いることができる。
顔料の比表面積を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して比表面積を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の比表面積の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の比表面積の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する顔料の合成法や化学的性質等により、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができる。
以下に、それぞれの方法について説明するが、本発明の着色組成物に含まれる顔料の比表面積の制御方法は、上記方法のいずれを用いてもよい。
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の比表面積の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下するため、一般的には、顔料1重量部に対して無機塩を1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常顔料1重量部に対して0.5〜3重量部の量が用いられる。
上記ソルトミリングについてさらに具体的に説明すると、顔料と水溶性無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の比表面積の顔料を得ることができる。
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の比表面積の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより比表面積の大きさが制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
本法の代表例としては、酸性溶剤に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング法がある。工業的にはコストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100重量%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料に対して3〜10重量倍の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、これ以下では硫酸が凍結するおそれがありかつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、この温度以上で注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。これ以下の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は顔料1部に対して0.1〜30分が好ましい。時間が長くなるほど比表面積は小さくなる傾向がある。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
顔料誘導体およびトリアジン誘導体は、有機顔料またはトリアジンに置換基を導入した化合物である。有機顔料には、一般に顔料とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。顔料誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
さらに、カラーフィルタ用青色着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布して青色フィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、酢酸イソアミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2,3−トリクロロプロパン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、m−キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、o−キシレン、o−クロロトルエン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、n−プロピルアセテート、トリアセチン、酢酸プロピル、イソブチルアルコール、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、1,4−ジオキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノールアセテート、γ―ブチロラクトン、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジイソブチルケトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、p−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3-メトキシブタノール、1,3-ブチレングリコール、3,3,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、ダイアセトンアルコール、イソホロン、二塩基酸エステル、ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、顔料の合計100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることができる。
また、カラーフィルタ用青色着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,5ジ−T−ブチルハイドロキノン、T−ブチルハイドロキノン、T−ブチルβベンゾキノン、T−ブチルハイドロキノン2,5ジフェニル−P−ベンゾキノンなどのハイドロキノン系化合物、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィンなどのホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどのホスファイト化合物、T−ブチルピロカテコールなどが挙げられる。貯蔵安定剤は、顔料の合計100重量部に対して、0.1〜5重量部の量で用いることができる。
カラーフィルタ用青色着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。着色レジスト材は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤とを含有する組成物中に顔料を分散させたものである。
青色顔料、紫色顔料および黄色顔料は、青色フィルタセグメントをフォトリソグラフ法により形成する場合には、合計して青色着色組成物中に1.5〜10重量%の割合で含有されることが好ましい。また、青色フィルタセグメントを印刷法により形成する場合には、合計して青色着色組成物中に1.5〜40重量%の割合で含有されることが好ましい。いずれにせよ、顔料は、最終青色フィルタセグメント中に好ましくは10〜40重量%の割合で含有され、その残部は、顔料担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。
カラーフィルタ用青色着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子さらに好ましくは、0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の青色着色組成物を用いて形成される青色フィルタセグメントを具備するが、さらに、赤色、緑色、黄色、シアン色、およびマゼンタ色から選ばれる少なくとも1色のフィルタセグメントを具備してもよい。青色以外の各色フィルタセグメントは、各色の着色組成物を用いてそれぞれ形成することができる。
赤色の着色組成物は、青色顔料等の代わりに、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、C.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等の赤色顔料、および必要に応じ調色用として、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等を用いて得られる組成物である。
緑色の着色組成物は、青色顔料等の代わりに、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料、および必要に応じ調色用として上記黄色顔料を用いて得られる組成物である。
黄色の着色組成物は、青色顔料等の代わりに、上記黄色顔料を用いて得られる組成物である。
シアン色の着色組成物は、青色顔料等の代わりに、例えばC.I. Pigment Blue 15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を用いて得られる組成物である。
マゼンタ色の着色組成物は、青色顔料等の代わりに、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red 81、144、146、177、169等の紫色顔料および赤色顔料、および必要に応じ調色用として上記黄色顔料を用いて得られる組成物である。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、本発明の着色組成物を用いて透明基板上に各色のフィルタセグメントを形成することにより製造することができる。
透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物は、いずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
実施例に先立ち、顔料の比表面積、塗膜のコントラスト比の測定法、耐熱試験法、およびアクリル樹脂溶液の調製法について説明する。
顔料の比表面積は、窒素吸着によるBET法で求めた。なお、測定には、自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いた。
次に、塗膜のコントラスト比の測定法について、図1を用いて説明する。
液晶ディスプレー用バックライトユニット(7)から出た光は、偏光板(6)を通過して偏光され、ガラス基板(5)上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜(4)を通過し、偏光板(3)に到達する。偏光板(6)と偏光板(3)の偏光面が平行であれば、光は偏光板(3)を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板(3)により遮断される。しかし、偏光板(6)によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜(4)を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板(3)を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは偏光板(3)を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
従って、塗膜(4)中の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計(1)としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスク(2)を当てた。
次に、塗膜の耐熱試験法について説明する。
透明基板上に乾燥塗膜が約2.5μmとなるように青色着色組成物を塗布し、所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成する。その後オーブンで230℃1時間加熱、放冷後、得られた塗膜のC光源での色差1(L*(1),a*(1),b*(1))と、最大透過率T1(%)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、耐熱試験としてオーブンで250℃1時間加熱し、C光源での色差2(L*(2),a*(2),b*(2))、最大透過率T2(%)を測定した。
測定した色差値を用いて、下記計算式により、色差変化率ΔEab*を算出した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
また、測定した最大透過率値を用いて、下記計算式により透過率変化率ΔTを算出し、3段階(○:ΔTが0%以上3%未満、△:ΔTが3%以上6%未満、×:ΔTが6%以上)で評価した。
ΔT= (T2−T1)/T1
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン450部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で、メタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、ブチルメタクリレート55.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、およびアゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けてアクリル樹脂溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、その測定値に基づき、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
[実施例1]
下記組成の混合物を均一に分散撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型青色着色組成物を作製した。
青色顔料:C.I. Pigment Blue 15:6 3.71部
(東洋インキ製造社製「リオノールブルー ES」)
紫色顔料:C.I. Pigment Violet 23 0.67部
(東洋インキ製造社製「リオノゲンバイオレットRL」)
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 139 0.02部
(BASF社製「Paliotol Yellow D1819」)
分散剤(日本ルーブリゾール社「ソルスパーズ20000」) 1.00部
アクリル樹脂溶液 24.00部
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.7部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.50部
シクロヘキサノン 63.40部
[実施例2〜8および比較例1〜3]
顔料およびその配合量を表1に示すよう変更した以外は、実施例1と同様にして青色着色組成物を得た。なお、黄色顔料PY150(C.I. Pigment Yellow 150)としては、ランクセス社製「E4GN−GT」を用いた。
実施例3および6で用いた、比表面積が100〜120m/gの紫色顔料は、紫色顔料(東洋インキ製造社製「リオノゲンバイオレットRL」)500部、塩化ナトリウム2500部、およびポリエチレングリコール(東京化成社製)250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で6時間混錬し、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥して得たものである。
また、実施例4および5で用いた、比表面積が120〜150m/gの紫色顔料は、混錬時間を12時間に、塩化ナトリウムの量を5000部に変更した以外は、上記の比表面積が100〜120m/gの紫色顔料の製造法と同様にして得たものである。
Figure 2009109803
実施例1〜8および比較例1〜3で得られた青色着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJで紫外線露光を行った。塗布基板を230℃で1時間加熱、放冷後、得られた青色塗膜のC光源での色度(Y, x, y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP200」を用いて測定した。その時の色度、コントラスト比を表2に示す。また、前記耐熱試験を行い、その時の色差ΔEab*と最大透過率の変化も表2に示す。
青色塗膜のC光源での色度y値は、0.065以下であると高い色純度を有していると言え、0.036以下であれば非常に高い色純度を有していると言える。
また、青色塗膜の耐熱性は、色差ΔEab*が4.5以下で透過率変化が6%未満であれば良い耐熱性を有していると言え、色差ΔEab*が2.5以下で透過率変化が3%未満であれば非常に良い耐熱性を有していると言える。
Figure 2009109803
表2より、本発明の青色着色組成物を用いて形成された青色塗膜の耐熱性は、比較例と比べて良好であった。
すなわち、実施例1では、紫色顔料を多く含むため、比較例1と比べて色純度が良好であり、比較例2と比べてコントラスト比と耐熱性が良好であった。
実施例2では、C. I.Pigment Yellow 150を含むことにより、比較例1と比べて耐熱性が非常に良好であった。
実施例3では、C. I.Pigment Yellow 150を含み、比表面積の大きい紫色顔料を含むことにより、実施例2と比べて耐熱性が非常に良好でコントラスト比が高かった。
実施例4では、紫色顔料を多く含むため、実施例1と比べてC光源でのy値が低く、高い色純度となっており、比較例2と比べてコントラスト比が高く耐熱性が良好であり、比較例3と比べて耐熱性が良好であった。
実施例5では、紫色顔料を多く含み、C. I.Pigment Yellow 150を含むため、実施例2と比べて高い色純度で、耐熱性が非常に良好となっている。
実施例6では、比表面積の大きい紫色顔料を多く含み、C.I.Pigment Yellow 150を含むため、実施例5と比べて高い色純度で、耐熱性が良好で、かつコントラスト比が高くなっている。
実施例7では、実施例6より比表面積の大きい紫色顔料を多く含み、C.I.Pigment Yellow 150を含むため、実施例6と比べて高い色純度で、耐熱性が良好で、非常にコントラスト比が高くなっている。
実施例8では、実施例7より多くC.I.Pigment Yellow 150を含むため、実施例7と比べて高い色純度で、耐熱性が非常に良好で、非常にコントラスト比が高くなっている。
コントラスト比を測定するための測定装置の概念図である。
符号の説明
1 輝度計
2 マスク
3 偏光板
4 着色組成物の乾燥塗膜
5 ガラス基板
6 偏光板
7 バックライトユニット

Claims (5)

  1. 樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、該顔料担体に分散された青色顔料、紫色顔料および黄色顔料を含み、紫色顔料の含有量が、顔料の全量を基準として15〜50重量%であることを特徴とするカラーフィルタ用青色着色組成物。
  2. 紫色顔料の比表面積が100〜150m/gであることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用青色着色組成物。
  3. 黄色顔料の含有量が、顔料の全量を基準として0.01〜5重量%であることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用青色着色組成物。
  4. 黄色顔料が、C. I. Pigment Yellow 150であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用青色着色組成物。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の青色着色組成物から形成される青色フィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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