JP2009108960A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1速禁止処理を実行する自動変速機の制御装置において、車両の停止性をさらに向上させることのできる自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】1速禁止フラグPFが「ON」であって、1速段への変速を禁止する1速禁止処理の実行条件が成立している場合には(S200:YES)、1速段が選択されたか否かを判定し、1速段が選択された場合には(S210:YES)、現在の車速において自動変速機の変速段を1速段にした場合、駆動輪が駆動状態及び被駆動状態のうちのいずれの状態になるのかを判定する(S220)。そして駆動輪が被駆動状態になると推定される場合には(S220:YES)、1速段への変速を許可する(S230)。一方、駆動輪が駆動状態になると推定される場合には、1速段への変速を禁止する(S240)。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用の自動変速機の制御装置に関する。
車両に搭載される自動変速機は、1速段から最高速段までの変速段がアクセルペダルの操作量や車速等に応じて適切に設定される。
一方、路面の摩擦係数が低い低μ路では、1速段への変速を禁止するようにした技術が種々提案されている。
例えば、車両の発進時には、通常、1速段が選択されるのであるが、低μ路からの車両発進時にも1速段が選択されると、路面の摩擦係数に対して過剰に大きな駆動力が駆動輪に与えられることにより同駆動輪はスリップし、車両の発進性が悪化してしまうおそれがある。そこで特許文献1に記載のものでは、車両が低μ路に停車した場合、発進時の変速段として強制的に2速段を選択することで、駆動輪に対する過剰な駆動力の付与を抑えるようにしている。
また、低μ路走行中に車両を制動する際には、駆動輪よりも先に従動輪がロックしてしまうことがある。これは、制動時の駆動輪には、アクセルペダルが操作されていなくてもクリープ現象(アイドル状態での内燃機関の出力がトルクコンバータを介して駆動輪に伝達されることにより、アクセルペダルを操作していなくても車両が走行状態になる現象)による駆動力が付与されている。そのため、このクリープ現象による駆動力の分だけ、駆動輪に対する制動力は相対的に減少し、その結果、駆動輪がロックする前に従動輪がロックしてしまうようになる。このように従動輪がロックしたり、駆動輪の制動力が減少されてしまうと制動距離が長くなったり、制動時の車両の姿勢が不安定になるなど、車両の停止性が悪化するようになる。ちなみに、近年の車両には、制動時の車輪ロックを抑えるアンチロックブレーキ制御を行うものが多くなっているが、こうした車両でも、極低車速領域においてはその制御が作動しないものもあり、そうした車両では極低車速域において上述したような従動輪のロックが発生する可能性がある。
こうした不都合に対して、特許文献2に記載のものでは、低μ路での車両制動時において1速段への変速を禁止して駆動輪に付与される駆動力を減少させることにより、駆動輪に対する制動力を相対的に高めるようにしており、これにより低μ路での車両の停止性を向上させるようにしている。
特開平9−249050号公報 特開平10−141493号公報
ところで、車両の走行状態によっては、1速段に変速しても駆動力が増大することなく逆にエンジンブレーキによる制動力が得られることがあり、この場合には車両の停止性をさらに向上させることが可能になる。しかしながら、上記の技術のように、1速段への変速を禁止した場合には、1速段のエンジンブレーキが得られなくなる弊害が考えられ、車両の停止性の向上といった点で更なる改善の余地を残すものになっている。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、1速禁止処理を実行する自動変速機の制御装置において、車両の停止性をさらに向上させることのできる自動変速機の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、車両に搭載された自動変速機の変速を制御する装置であって、1速段への変速を禁止する1速禁止処理を実行する自動変速機の制御装置において、前記1速禁止処理の実行中に、1速段への変速が要求されるときには、1速段への変速を実行したときの駆動輪が駆動状態及び被駆動状態のうちのいずれの状態になるかを判定し、その判定結果に基づいて1速段への変速を実行するか否かを判定する判定手段を備えることをその要旨とする。
同構成によれば、1速禁止処理の実行中に1速段への変速が要求されるときには、1速段への変速を実行したときの駆動輪が、駆動力の付与される駆動状態になるのか、エンジンブレーキの作用する被駆動状態になるのかが判定される。そして、その判定結果に基づき、1速段への変速を実行するか否かが判定される。このように、同構成によれば、1速禁止処理の実行中において1速段への変速が要求されるときには、1速段への変速によってエンジンブレーキが得られるかどうかに基づき、1速段への変速を実行するか否かが判断される。従って、1速禁止処理の実行中にあって、車両停止性の向上という観点から1速段への変速を実行するか否かを適切に判定することができるようになり、車両の停止性をさらに向上させることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、前記判定手段は、駆動輪が駆動状態になると判定されるときには1速段への変速を禁止し、駆動輪が被駆動状態になると判定されるときには1速段への変速を許可することをその要旨とする。
同構成によれば、1速禁止処理の実行中にあって、1速段への変速により駆動輪が駆動状態になると判定されるときには、1速段への変速要求があってもその要求は無効にされて1速段への変速は禁止されることにより、駆動力の増大による停止性の悪化を抑えることができるようになる。また、1速禁止処理の実行中にあって、1速段への変速により駆動輪が被駆動状態になると判定されるときには、1速段への変速要求に基づく1速段への変速が実行されることにより、エンジンブレーキを利用した停止性の向上を図ることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置において、前記自動変速機の変速制御モードとして、前記車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動設定する自動変速モードと、運転者による変速段の選択を可能にする手動変速モードとを有し、前記1速段への変速が要求されるときとは、前記手動変速モードによって1速段の選択が行われたときであることをその要旨とする。
自動変速機の変速制御モードとして、上記自動変速モードと上記手動変速モードとを備えるものが知られている。ここで、上述した1速段への変速要求時としては、自動変速モードによる1速段の自動選択時と、手動変速モードによる1速段の選択時があり、特に、手動変速モードによる1速段の選択時においては、運転者がエンジンブレーキを利用して車両の停止性を向上させようとしていることが多い。こうした手動変速モードによる1速段の選択時でも、常に1速禁止処理が実行されてしまうと、エンジンブレーキが得られるときでも同エンジンブレーキを得ることができず、運転者の要求を満たすことができない。この点、同構成によれば、1速禁止処理の実行中にあって、手動変速モードにより1速段の選択が行われたときには、上記判定手段によって、1速段への変速を実行するか否かが適切に判断される。従って、1速段への変速を実行する判定結果が得られるときには、1速段への変速が行われることにより運転者の要求を満たすことができる。また、1速段への変速を禁止する判定結果が得られるときには、1速禁止処理の実行が優先されるため、駆動輪の駆動力減少による停止性の向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置において、前記自動変速機の変速制御モードとして、前記車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動設定する自動変速モードと、運転者による変速段の選択を可能にする手動変速モードとを有し、前記1速段への変速が要求されるときとは、前記自動変速モードによって1速段の選択が行われたときであり、前記駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定に際しては、2速段から1速段へのダウンシフトを実施する車速よりも少なくとも高い車速が判定値として設定されており、車速が前記判定値以上のときには駆動輪の状態を被駆動状態と判定し、車速が前記判定値未満のときには駆動輪の状態を駆動状態と判定することをその要旨とする。
上述したように、自動変速機の変速制御モードとして、上記自動変速モードと上記手動変速モードとを備えるものが知られており、上記1速段への変速要求時として、自動変速モードによる1速段の自動選択時を適用することも可能である。また、車速が高くなるほど、駆動輪に付与される駆動力は小さくなり、車速がある値を超えると被駆動力は大きくなる傾向がある。従って、適宜設定された判定値と車速との比較に基づいて駆動輪の駆動状態及び被駆動状態を判定することが可能である。
ここで、そうした判定値として、2速段から1速段へのダウンシフトを実施する車速(以下、1速ダウン車速という)よりも低い値(以下、判定値α1という)を設定すると、次のような不都合の発生が懸念される。
すなわち、車両が制動されて車速が低下していく過程において、1速禁止処理の実行条件が成立していても車速が上述したような判定値α1以上であれば、駆動輪の状態は被駆動状態になると判定され、これにより1速段への変速要求に基づく1速段への変速が実行される。そのため、車速が1速ダウン車速よりも低くなったときにその車速が判定値α1以上となっていれば、1速禁止処理の実行条件が成立していても変速段は2速段から1速段にシフトダウンされる。そして、さらに車速が低下して判定値α1未満になると、駆動輪は駆動状態になると判断されて1速禁止処理が実行されることにより、自動変速機の変速段は1速段から2速段に再び変速される。このように、1速禁止処理の実行条件が成立している状態で車両の車速が低下していく過程において、最終的には2速段にされるにもかかわらず、1速段への変速が一旦行われてしまい、こうした一時的なダウンシフトが行われることにより、例えば変速ショック等の発生機会が増加してしまうといった不都合の発生が懸念される。
この点、同構成では、そうした判定値として、2速段から1速段へのダウンシフトを実施する車速よりも高い値(以下、判定値α2という)を設定するようにしているため、そうした不都合の発生を抑えることができる。すなわち、1速禁止処理の実行条件が成立している状態で車両が制動されて車速が低下していく過程で、車速が1速ダウン車速より低くなった時点では、車速がすでに判定値α2未満になっているため、駆動輪は駆動状態になると判定されて1速段への変速が禁止される。従って、車速が1速ダウン車速よりも低くなった時点では、1速禁止処理の実行が優先され、自動変速機の変速段は2速段で維持されることにより、上述したような、一時的なダウンシフトの発生が抑えられるようになる。
請求項5に記載の発明は、車両に搭載された自動変速機の変速を制御する装置であって、1速段への変速を禁止する1速禁止処理を実行する自動変速機の制御装置において、前記自動変速機の変速段が1速段にされているときに、前記1速禁止処理の実行が要求されるときには、駆動輪が駆動状態及び被駆動状態のうちのいずれの状態になっているかを判定し、その判定結果に基づいて前記1速禁止処理を実行するか否かを判定する判定手段を備えることをその要旨とする。
同構成によれば、自動変速機の変速段が、すでに1速段に設定されているときに、1速禁止処理の実行要求がなされた場合、現在の駆動輪が、駆動力の付与されている駆動状態になっているのか、エンジンブレーキが作用している被駆動状態になっているのかが判定される。そして、その判定結果に基づいて1速禁止処理を実行するか否かが判定される。このように、同構成によれば、1速段が設定されているときに1速禁止処理の実行が要求されるときには、現在エンジンブレーキの作用が得られているかどうかに基づき、1速禁止処理を実行するか否かが判断される。従って、1速段が設定されているときにあって、車両停止性の向上という観点から1速禁止処理を実行するか否かを適切に判定することができるようになり、車両の停止性をさらに向上させることができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の自動変速機の制御装置において、前記判定手段は、駆動輪が駆動状態になっていると判定されるときには前記1速禁止処理を実行し、駆動輪が被駆動状態になっていると判定されるときには前記1速禁止処理の実行を禁止することをその要旨とする。
同構成によれば、自動変速機の変速段が1速段に設定されているときにあって、現在の駆動輪が駆動状態になっていると判定されるときには、1速禁止処理が実行されることにより、自動変速機の変速段は1速段から他の変速段(例えば2速段など)に変速され、これにより駆動力の減少による停止性の向上を図ることができるようになる。また、1速段に設定されているときにあって、現在の駆動輪が被駆動状態になっていると判定されるときには、1速禁止処理の実行が禁止されることにより、自動変速機の変速段は1速段のまま維持され、これによりエンジンブレーキを利用した停止性の向上を図ることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の自動変速機の制御装置において、前記自動変速機の変速制御モードとして、前記車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動設定する自動変速モードと、運転者による変速段の選択を可能にする手動変速モードとを有し、前記自動変速機の変速段が1速段にされているときとは、前記手動変速モードによって1速段が選択されているときであることをその要旨とする。
上述したように、自動変速機の変速制御モードとして、上記自動変速モードと上記手動変速モードとを備えるものが知られている。ここで、自動変速機の変速段が1速段に設定されているときとしては、自動変速モードによって1速段が自動選択されているときと、手動変速モードによって1速段が選択されているときがあり、特に、手動変速モードによって1速段が選択されているときには、運転者がエンジンブレーキを利用して車両の停止性を向上させようとしていることが多い。このように手動変速モードによって1速段が選択されているときでも、常に1速禁止処理の実行が優先されてしまうと、エンジンブレーキが得られているにもかかわらず、同エンジンブレーキが解除されてしまい、運転者の要求を満たすことができない。この点、同構成によれば、手動変速モードによって1速段が選択されているときにあって、1速禁止処理の実行が要求されたときには、上記判定手段によって、1速禁止処理を実行するか否かが適切に判断される。従って、1速禁止処理の実行を禁止する判定結果が得られるときには、1速段が維持されることにより運転者の要求を満たすことができる。また、1速禁止処理の実行を許可する判定結果が得られるときには、1速段が他の変速段に変更されるため、駆動輪の駆動力減少による停止性の向上を図ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1、2、3、5、6、7のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、前記駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定は、車速に基づいて行われることをその要旨とする。
上述したように、車速が高くなるほど、駆動輪に付与される駆動力は小さくなり、車速がある値を超えると被駆動力は大きくなる傾向がある。従って、請求項1、2、3、5、6、7のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、車速に基づき、上述したような駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定を行うことも可能である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の自動変速機の制御装置において、前記駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定に際しては、前記自動変速機の変速段が1速段にされている状態でクリープ現象による駆動力にて車両が走行しているときに得られる最高速度が判定値として設定されており、車速が前記判定値以上のときには駆動輪の状態を被駆動状態と判定し、車速が前記判定値未満のときには駆動輪の状態を駆動状態と判定することをその要旨とする。
自動変速機の変速段が1速段にされている状態で、クリープ現象による駆動力にて車両が走行しているときに得られる最高速度を判定値とした場合、この判定値よりも低い車速領域で変速段が1速段にされると、駆動輪に対して駆動力が付与されることにより同駆動輪は駆動状態にされる。一方、判定値よりも高い車速領域で変速段が1速段にされる場合には、駆動輪に対してエンジンブレーキといった被駆動力が付与されることにより同駆動輪は被駆動状態にされる。従って、上述したような判定値を設定し、その判定値と車速とを比較するようにした同構成によれば、駆動輪の駆動状態及び被駆動状態を適切に判定することができるようになる。
請求項10に記載の発明は、請求項1、2、3、5、6、7のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、前記駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定は、アクセルペダルの操作量、機関負荷、機関出力、及び車両の加速度のうちの少なくとも1つに基づいて行われることをその要旨とする。
アクセルペダルの操作量が少ないときほど、機関負荷が小さいときほど、機関出力が小さいときほど、或いは車両の加速度が小さいときほど、駆動輪に付与される駆動力は小さくなる傾向がある。そして、それら各パラメータがある値以下になると駆動輪は被駆動状態になる傾向がある。従って、上述した車速の他、同構成によるように、アクセルペダルの操作量、機関負荷、機関出力、及び車両の加速度のうちの少なくとも1つに基づき、上述したような駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定を行うことも可能である。
なお、上記1速禁止処理の実行条件としては、請求項11に記載の発明によるように、路面の摩擦係数が所定値以下であると判定されることを条件に実行される、といった構成を採用することができる。ちなみに、路面の摩擦係数が所定値以下であるか否かを判定する際には、例えば駆動輪と従動輪との回転速度差を検出し、その回転速度差が所定値以上である場合に、路面の摩擦係数が所定値以下であると判定することが可能である。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の自動変速機の制御装置において、前記1速禁止処理の実行条件として、さらにアイドル回転速度の増大処理が実行されていることを含むことをその要旨とする。
低μ路での制動時において、アイドル回転速度の増大処理が実行されると、非実行時よりも駆動輪に付与される駆動力が増大するため、車両の停止性は悪化しやすくなる。この点、同構成によれば、そのように低μ路での停止性が悪化しやすい、アイドル回転速度の増大処理が実行される車両において1速禁止処理が実行されることにより、当該車両の停止性を向上させることができるようになる。
また、請求項13に記載の発明によるように、上記1速禁止処理を、運転者による操作子、たとえば車両の制御状態を雪上走行等に対応したものに切り替えるスイッチ等の操作によって実行させることも可能である。ようにしてもよい。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、前記車両は、後輪駆動車であることをその要旨とする。
車両の制動力配分は、制動時における前輪荷重と後輪荷重との差異等を考慮して、通常、後輪よりも前輪の方が制動力は高くされている。従って、後輪駆動車は、前輪駆動車と比較して、駆動輪の制動力が小さくされており、低μ路走行中に車両を制動する際、駆動輪よりも先に従動輪がロックしてしまうといった現象が起きやすい。また、そうした現象が後輪駆動車で発生すると、前輪がロックされた状態で後輪は回転するため、車両は後ろから無理矢理押し出されるような状態になり、当該車両の挙動は不安定になりやすい。同構成によれば、そのように低μ路での停止性が悪化しやすい後輪駆動車においてその停止性を向上させることができるようになる。
なお、上述した手動変速モードは、運転者が直接、変速段の昇降操作を行うような変速モードだけでなく、変速段の変更範囲の最高速段を定めるシフトレンジを任意に選択可能とすることで、運転者がある程度任意に変速段を選択することができるような変速モードも含むものである。
以下、本発明にかかる自動変速機の制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図5を併せ参照して説明する。
図1に、本実施形態の自動変速機の制御装置が適用された車両についてその全体構成を示す。
この図1に示すように、車両100には、動力源としてのエンジン10が搭載されており、その吸気通路11には、吸入空気量を調量するスロットルバルブ12が設けられている。エンジン10では、吸入空気量に応じた燃料が燃料噴射弁から噴射されることにより、機関出力が調整される。
エンジン10のクランクシャフトは、流体継手であるトルクコンバータ20の入力軸に接続されており、トルクコンバータ20の出力軸は、複数の変速段を有する自動変速機30の入力軸に接続されている。自動変速機30の出力軸は、プロペラシャフト40に接続されており、プロペラシャフト40の出力軸は、デファレンシャルギヤ50に接続されている。デファレンシャルギヤ50の出力軸は、車両の右後輪70RR、及び左後輪70RLにそれぞれ接続されている。このように本実施形態における車両100は、トルクコンバータ付きの自動変速機30を備えた後輪駆動車とされている。
車両100の右前輪60FR、左前輪60FL、右後輪70RR、及び左後輪70RLにはそれぞれブレーキ80が設けられている。
車両の車室内には、自動変速機の変速態様を選択するシフトレバー装置31が設けられている。このシフトレバー装置31には、「P(パーキング)」、「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライブ)」及び「S(シーケンシャル)」の各シフト位置が設けられている。そしてシフトレバー装置31からは、レバー操作位置がこれらシフト位置のいずれに位置されているか示すシフト位置信号が出力される。またシフト位置「S」では、シフトレバーを前後に傾動させることで、シフトレンジの「アップ信号(+)」及び「ダウン信号(−)」がそれぞれ出力される。
例えばシフト位置「D」では、車速及びアクセルペダルの操作量に基づいたシフトスケジュールに従って、自動変速機30の変速段は、1速段から最高速段(例えば6速段など)の間で自動的に選択される。一方、シフト位置「S」では、入力された上記「アップ信号(+)」及び「ダウン信号(−)」に基づき、変速段の変更範囲の最高速段を定めるシフトレンジが「1速」から「最高速段」の範囲で昇降される。例えば、シフト位置「S」の状態で「6速」が選択されているときには、1速段から6速段の間で自動変速が行われ、「3速」が選択されているときには、1速段から3速段の間で自動変速が行われ、「1速」が選択されているときには、1速段に固定される。このように、自動変速機30の変速モードは、シフト位置「D」では、車両の走行状況に応じて変速段が自動設定される自動変速モードになり、シフト位置「S」では、運転者が変速段をある程度任意に選択することのできる手動変速モードになる。
「P」、「R」、「N」、「D」及び「S」といったレバー操作位置や、手動変速モードにて選択されているシフトレンジは、運転席のメータパネル90内に設けられたシフトインジケータ91に表示される。
車両100の状態は、各種センサ等によって検出される。例えば、クランク角センサ300によって機関回転速度NEが検出され、吸入空気量センサ310によって吸入空気量GAが検出され、スロットル開度センサ320によってスロットルバルブ12の開度であるスロットル開度TAが検出される。また、水温センサ330によってエンジン10の冷却水温THWが検出され、車速センサ340によって車両の車速SPが検出され、アクセルセンサ350によってアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACCPが検出され、ブレーキスイッチ360によって運転者がブレーキペダルを踏んでいるのか離しているのかが検出される。また、加速度センサ370によって車両100の加速度Gが検出され、ヨーレートセンサ380によってヨーレート(車両100の旋回方向における回転角速度)YRが検出され、ステアリングセンサ390によって運転者によるステアリングホイールの操作量であるステアリング操作量STEが検出される。そして、右前輪センサ400、左前輪センサ410、右後輪センサ420、及び左後輪センサ430によって、右前輪60FRの車輪速度(右前輪速SPFR)、左前輪60FLの車輪速度(左前輪速SPFL)、右後輪70RRの車輪速度(右後輪速SPRR)、及び左後輪70RLの車輪速度(左後輪速SPRL)がそれぞれ検出される。
上述したシフト位置信号や各種センサ等の信号は、制御装置200に入力され、同制御装置200は、そうした信号に基づき、エンジン10の燃料噴射制御や点火時期制御といった各種のエンジン制御や自動変速機30の変速制御等を行う。
また、制御装置200は、以下のような各種制御や処理も行う。
まず、ブレーキ操作が行われているときに、右前輪60FR、左前輪60FL、右後輪70RR、及び左後輪70RLのうちの少なくとも1つについてロックが検出されると、そのロックが検出された車輪に対する制動力が減少するようにブレーキ80を制御して車輪のロック状態を解除するアンチロックブレーキ制御(以下、ABSという)を行う。ちなみに、極低車速領域ではこのABSの作動は禁止される。これは、ABSが作動するとロック状態にあった車輪が回転するため、極低車速領域では逆に制動距離が長くなることがある等の理由による。
また、右前輪速SPFR、左前輪速SPFL、右後輪速SPRR、及び左後輪速SPRLに基づいて前輪と後輪の回転速度差を常時算出し、その回転速度差に基づいて車輪のスリップ率を算出する。そしてそのスリップ率が所定の閾値を超えた場合には、路面が低μ路であると判断して低μ路判定フラグCFを「ON」にする低μ路判定処理を行う。
また、車両の発進時や加速時等において、上記スリップ率が閾値を超えた場合には、右後輪70RRや左後輪70RLといった駆動輪が過剰な駆動力によってスリップしていると判定する。そしてこのように駆動輪のスリップが検出された場合には、スリップ中の駆動輪のブレーキ80を制御してある程度の制動力を発生させることで駆動力の低減を図り、そのスリップを抑える駆動力制御を行う。
また、ステアリング操作量STE、ヨーレートYR、及び加速度G等に基づいて旋回中の車両の挙動を推定し、その結果、前輪や後輪の横滑りが検出されたときには、車輪毎に設けられたブレーキ80の制御並びにエンジン出力の調整を行って横滑りを緩和する車両安定化制御を行う。
また、冷却水温THWが所定の判定値THLよりも低く、エンジン10の早期暖機を図る必要がある場合、あるいはエンジン10の補機を駆動する負荷が高くなっている場合等には、エンジン10のアイドル回転速度を所定の回転速度にまで増大させる、いわゆるアイドルアップ制御を行う。
そして、低μ路での車両100の停止性や発進性を向上させるために、上述したような1速禁止処理も行う。なお、低μ路での制動時に上述したようなアイドルアップ制御が実行されると、非実行時よりも駆動輪に付与される駆動力が増大するため、車両100の停止性は悪化しやすくなる。そこで本実施形態では、特に、そうしたアイドルアップ制御の実行時を前提にして、所定の実行条件が成立したときに1速段への変速を禁止するようにしている。
図2に、1速禁止処理を実行するか否かを判定する1速禁止判定処理についてその手順を示す。なお、本処理は、制御装置200によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、冷却水温THWが上記判定値THL以下であるか否かが判定される(S100)。この判定値THLとしては、上記アイドルアップ制御を行う必要がある程度にエンジン10の温度が低いか否かを判定することのできる値が設定されている。そして、冷却水温THWが判定値THLを超えている場合には(S100:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、冷却水温THWが判定値THL以下である場合には(S100:YES)、アイドルアップ制御が実行されているか否かが判定される(S110)。そして、アイドルアップ制御が実行されていない場合には(S110:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、アイドルアップ制御が実行されている場合には(S110:YES)、1速禁止処理の実行条件が成立しているか否かが判定される(S120)。ここでは、次の条件1〜条件3のうちの少なくともいずれか1つが成立している場合に、1速禁止処理の実行条件が成立していると判定される。
条件1:上記低μ路判定フラグCFが「ON」であり、かつ運転者がブレーキペダルを踏んでいる。ちなみに、低μ路判定フラグCFは、低μ路走行時における車輪のスリップのみならず、発進時や加速時等での過剰な駆動力によるスリップの発生時にも「ON」にされる。この点、発進時や加速時等での過剰な駆動力によるスリップの発生時には、通常、運転者はブレーキ操作をしていないことが多い。そこで、この条件1では、低μ路判定フラグCFが「ON」に設定されており、かつ運転者がブレーキペダルを踏んでいることを成立要件とすることで、その低μ路判定フラグCFの「ON」設定が、過剰な駆動力によるスリップの発生によるものではなく、低μ路走行によるスリップの発生によるものであると判断できるようにしている。
条件2:上記ABSが作動中である。
条件3:上記車両安定化制御の実行中である。
そして、1速禁止処理の実行条件が成立していない場合には(S120:NO)、本処理は一旦終了され、1速禁止処理の実行条件が成立している場合には(S120:YES)、1速禁止フラグPFが「ON」にされて(S130)、本処理は一旦終了される。
このように、1速禁止フラグPFが「ON」にされているときには、自動変速機30の1速段への変速を禁止する1速禁止処理が実行される。従って、この場合には、自動変速モードや手動変速モードにて1速段への変速要求があった場合でも1速段への変速は禁止され、自動変速機30の変速段は2速段に設定される。また、自動変速機30の変速段が1速段に設定されているときに1速禁止フラグPFが「ON」にされた場合には、自動変速機30の変速段は、強制的に2速段にシフトアップされる。
なお、1速禁止フラグPFは、例えば次のような条件4〜条件7のうちの少なくともいずれか1つが成立している場合に「OFF」にされ、これにより1速禁止処理の実行を通じた1速段への変速禁止は解除される。
条件4:低μ路フラグCFが「OFF」である。
条件5:4速段への変速要求がある。
条件6:2速段への変速要求があり、かつ車速SPが適宜設定された禁止解除速度を超えている。
条件7:手動変速モードにて運転者が1速段を選択しており、かつ車速SPが適宜設定された禁止解除速度を超えている。
上述した1速禁止処理が行われることにより、車両100が低μ路から発進するときの変速段としては2速段が設定される。これにより、駆動輪に対する過剰な駆動力の付与が抑えられて同駆動輪のスリップも抑制され、低μ路での車両100の発進性が向上する。
また、制動時の駆動輪には、アクセルペダルが操作されていなくてもクリープ現象によって駆動力が付与されているため、このクリープ現象による駆動力の分だけ、駆動輪に対する制動力は相対的に減少する。従って、低μ路走行中に車両100を制動する際には、駆動輪がロックする前に、右前輪60FRや左前輪60FLといった従動輪がロックするといった状況が起きやすい。このように従動輪がロックしたり、駆動輪の制動力が減少されてしまうと制動距離が長くなったり、制動時の車両100の姿勢が不安定になるなど、車両100の停止性が悪化するようになる。特に、上記アイドルアップ制御が実行されているときには、同制御の非実行時よりも駆動輪に付与される駆動力が増大するため、駆動輪に対する制動力はさらに減少し、車両100の停止性は悪化しやすくなる。この点、本実施形態では、低μ路での車両制動時に1速段への変速禁止が行われることにより、本来、1速段が設定される走行状態において2速段が設定される。これにより駆動輪に付与される駆動力が減少されて、同駆動輪に対する制動力が相対的に高められることにより、低μ路での車両100の停止性が向上される。
ちなみに、車両の制動力配分は、制動時における前輪荷重と後輪荷重との差異等を考慮して、通常、後輪よりも前輪の方が制動力は高くされている。従って、後輪駆動車である車両100では、前輪駆動車と比較して、駆動輪の制動力が小さくされており、低μ路走行中に車両100を制動する際、駆動輪よりも先に従動輪がロックしてしまうといった上記現象が起きやすい。また、そうした現象が後輪駆動車で発生すると、前輪がロックされた状態で後輪は回転するため、車両100は後ろから無理矢理押し出されるような状態になり、当該車両100の挙動は不安定になりやすい。この点、本実施形態では上述したような1速段への変速禁止が行われることにより、低μ路での停止性が悪化しやすい後輪駆動車においてその停止性が向上される。
ところで、上述したような1速禁止処理が実行されているときに、1速段への変速条件が満たされることで、1速段への変速及び1速禁止処理の実行といった相反する要求が同時に発生する可能性がある。また、自動変速機30の変速段が1速段に設定されているときに、1速禁止処理の実行条件が成立することで、1速段の維持及び1速禁止処理の実行といった相反する要求が同時に発生する可能性もある。こうした相反する要求が発生した場合に、1速段への変速や1速段の維持を優先させると、上述したような1速段への変速を禁止する効果が得られないため、基本的には1速禁止処理の実行を優先させることが望ましい。
しかし、1速禁止処理の実行を常に優先させるようにすると、次のような不都合が生じてしまう。
すなわち、上記1速禁止処理の実行条件が成立していても、車両100の走行状態によっては、1速段に変速しても駆動力が増大することなく逆にエンジンブレーキによる制動力が得られることがあり、この場合には車両100の停止性をさらに向上させることが可能になる。
例えば、車両の車速が高くなるほど、駆動輪に付与される駆動力は小さくなり、車速がある値を超えると被駆動力(エンジンブレーキによる制動力)は大きくなる傾向がある。より具体的には、図3に示すように、自動変速機30の変速段が1速段にされている状態で、クリープ現象による駆動力(アクセルペダルが踏まれておらず、アイドル回転速度になっている機関から発生する駆動力)にて車両100が走行しているときに得られる最高速度を判定値αとする。この判定値αよりも低い車速領域で自動変速機30の変速段が1速段にされる場合には、駆動輪に対して駆動力が付与されることにより同駆動輪は駆動状態にされる。一方、判定値αよりも高い車速領域で自動変速機30の変速段が1速段にされる場合には、駆動輪に対してエンジンブレーキといった被駆動力が付与されることにより同駆動輪は被駆動状態にされる。このように、車両100の車速によっては、1速段への変速を行うことでエンジンブレーキを利用することが可能になり、これにより車両100の停止性を向上させることができる。
このように停止性をさらに向上させることのできる状態においても、1速禁止処理の実行を常に優先させるようにしてしまうと、エンジンブレーキを利用した停止性の向上を図ることができなくなる。
特に、上記1速段への変速や1速段の維持が、上記自動変速モードによる1速段の自動選択によるものではなく、上記手動変速モードによる1速段の選択によるものである場合には、運転者がエンジンブレーキを利用して車両の停止性を向上させようとしていることが多い。従って、手動変速モードによって1速段が選択されたとき、あるいは1速段が選択されているときでも、常に1速禁止処理の実行が優先されてしまうと、エンジンブレーキが得られる状況下でも同エンジンブレーキを得ることができず、運転者の要求を満たすことができないといった不都合も生じる。
そこで、本実施形態では、1速禁止処理が実行されているときに運転者が手動変速モードにて1速段を選択した場合には、1速段への変速を実行するか否かを判定する1速可否判定処理を実行する。また、手動変速モードによる1速段の選択を通じて自動変速機30の変速段が1速段に設定されているときに、1速禁止処理の実行条件が成立した場合には、1速禁止処理を実行するか否かを判定する1速禁止可否判定処理も実行する。そしてこれら1速可否判定処理や1速禁止可否判定処理の実行を通じて、車両100の停止性をさらに高めるようにしている。なお、それら1速可否判定処理や1速禁止可否判定処理は上記判定手段を構成している。
図4に、上記1速可否判定処理の手順を示す。なお、本処理も、制御装置200によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、1速禁止フラグPFが「ON」であるか否かが判定され(S200)、1速禁止フラグPFが「OFF」である場合には(S200:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、1速禁止フラグPFが「ON」である場合には(S200:YES)、1速禁止処理が現在実行されていると判断され、次に、1速段が選択されたか否か、より詳細には手動変速モードにて1速段が選択された直後であるか否かが判定される(S210)。そして、1速段が選択されていない場合には(S210:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、1速段が選択された場合には(S210:YES)、1速段への変速要求があると判断され、次に、現在の車速SPにおいて自動変速機30の変速段を1速段にした場合、駆動輪が駆動状態及び被駆動状態のうちのいずれの状態になるのかが判定される(S220)。ここでは、車速SPと上述した判定値αとの比較を行うことで駆動状態及び被駆動状態の推定が行われる。
このステップS220にて、車速SPが判定値α以上であると判定される場合には(S220:YES)、駆動輪は被駆動状態になると推定され、この場合には、1速段への変速が許可されることにより(S230)、1速段へのダウンシフトが実行されて、本処理は一旦終了される。
一方、ステップS220にて、車速SPが判定値α未満であると判定される場合には(S220:NO)、駆動輪は駆動状態になると推定され、この場合には、1速段への変速が禁止にされて(S240)、本処理は一旦終了される。ちなみに、ステップS240の処理の実行に併せて、上記シフトインジケータ91に2速段の選択を示す「2」を表示したり、警告音を鳴らしたりするようにすれば、運転者に対して1速段の選択が無効にされたことを通知することができる。
次に、上記1速禁止可否判定処理の手順を図5に示す。なお、本処理も、制御装置200によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、1速段が選択されているか否か、より詳細には手動変速モードで1速段が選択されているか否かが判定される(S300)。そして、1速段が選択されておらず、自動変速機30が1速段以外の変速段に設定されている場合には(S300:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、1速段が選択されており、自動変速機30の変速段が1速段に設定されている場合には(S300:YES)、1速禁止フラグPFが「ON」にされたか否かが判定され(S310)、1速禁止フラグPFが「OFF」である場合には(S310:NO)、本処理は一旦終了される。
そして、1速禁止フラグPFが「ON」である場合には(S310:YES)、現在、駆動輪は駆動状態及び被駆動状態のうちのいずれの状態になっているのかが判定される(S320)。ここでも、車速SPと上述した判定値αとの比較を行うことで駆動状態及び被駆動状態の判定が行われる。
上記ステップS320にて、車速SPが判定値α以上であると判定される場合には(S320:YES)、駆動輪は被駆動状態になっていると判断され、この場合には、1速禁止処理の実行が禁止されることにより(S330)、自動変速機30の変速段は、運転者によって選択されている1速段に維持されて、本処理は一旦終了される。
一方、ステップS320にて、車速SPが判定値α未満であると判定される場合には(S320:NO)、駆動輪は駆動状態になっていると判断され、この場合には、1速禁止処理が実行されることにより(S340)、変速段は2速段にシフトアップされ、運転者による1速段の選択は無効にされる。そして、本処理は一旦終了される。ちなみに、ステップS340の処理の実行に併せて、上記シフトインジケータ91に2速段の選択を示す「2」を表示したり、警告音を鳴らしたりするようにすれば、運転者に対して1速段の選択要求が無効されたことを通知することができる。
以上説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
(1)上記1速可否判定処理では、1速禁止処理の実行中に1速段への変速が要求されるとき(1速段が選択されたとき)には、1速段への変速を実行したときの駆動輪が、駆動力の付与される駆動状態になるのか、エンジンブレーキの作用する被駆動状態になるのかが判定される。そして、その判定結果に基づき、1速段への変速を実行するか否かが判定される。このように、上記1速可否判定処理では、1速禁止処理の実行中において1速段への変速が要求されるときには、1速段への変速によってエンジンブレーキが得られるかどうかに基づき、1速段への変速を実行するか否かが判断される。従って、1速禁止処理の実行中にあって、車両100の停止性の向上という観点から1速段への変速を実行するか否かを適切に判定することができるようになり、車両100の停止性をさらに向上させることができるようになる。
(2)上記1速可否判定処理では、1速禁止処理の実行中にあって、1速段への変速により駆動輪が駆動状態になると判定されるときには、1速段への変速要求があってもその要求を無効にして1速段への変速は禁止するようにしており、これにより駆動力の増大による停止性の悪化を抑えることができるようになる。また、1速禁止処理の実行中にあって、1速段への変速により駆動輪が被駆動状態になると判定されるときには、1速段への変速要求に基づく1速段への変速を許可するようにしており、これによりエンジンブレーキを利用した停止性の向上を図ることができるようになる。
(3)上記1速可否判定処理では、1速段への変速が要求されるときとして、手動変速モードにより1速段の選択が行われたときを適用するようにしている。従って、1速禁止処理の実行中にあって、手動変速モードにより1速段の選択が行われたときには、上記1速可否判定処理によって、1速段への変速を実行するか否かが適切に判断され、1速段への変速を実行する判定結果が得られるときには、1速段への変速が行われることにより運転者の要求を満たすことができる。また、1速段への変速を禁止する判定結果が得られるときには、1速禁止処理の実行が優先されるため、駆動輪の駆動力減少による停止性の向上を図ることができる。
(4)上記1速禁止可否判定処理では、自動変速機30の変速段が、すでに1速段に設定されているときに、1速禁止処理の実行要求がなされた場合、現在の駆動輪が、駆動力の付与されている駆動状態になっているのか、エンジンブレーキが作用している被駆動状態になっているのかが判定される。そして、その判定結果に基づいて1速禁止処理を実行するか否かが判定される。このように、上記1速禁止可否判定処理では、1速段が設定されているときに1速禁止処理の実行が要求されるときには、現在エンジンブレーキの作用が得られているかどうかに基づき、1速禁止処理を実行するか否かが判断される。従って、1速段が設定されているときにあって、車両100の停止性の向上という観点から1速禁止処理を実行するか否かを適切に判定することができるようになり、車両100の停止性をさらに向上させることができるようになる。
(5)上記1速禁止可否判定処理では、自動変速機30の変速段が1速段に設定されているときにあって、現在の駆動輪が駆動状態になっていると判定されるときには、1速禁止処理が実行されることにより、自動変速機30の変速段は1速段から2速段に変速され、これにより駆動力の減少による停止性の向上を図ることができるようになる。また、1速段に設定されているときにあって、現在の駆動輪が被駆動状態になっていると判定されるときには、1速禁止処理の実行が禁止されることにより、自動変速機30の変速段は1速段のまま維持され、これによりエンジンブレーキを利用した停止性の向上を図ることができるようになる。
(6)上記1速禁止可否判定処理では、自動変速機30の変速段が1速段にされているときとして、手動変速モードにより1速段の選択が行われているときを適用するようにしている。従って、手動変速モードによって1速段が選択されているときにあって、1速禁止処理の実行が要求されたときには、上記1速禁止可否判定処理によって、1速禁止処理を実行するか否かが適切に判断され、1速禁止処理の実行を禁止する判定結果が得られるときには、1速段が維持されることにより運転者の要求を満たすことができる。また、1速禁止処理の実行を許可する判定結果が得られるときには、1速段が2速段に変更されるため、駆動輪の駆動力減少による停止性の向上を図ることができる。
(7)上記1速可否判定処理及び1速禁止可否判定処理では、自動変速機30の変速段が1速段にされている状態でクリープ現象による駆動力にて車両100が走行しているときに得られる最高速度を判定値αとして設定し、車速SPが判定値α以上のときには1速段での駆動輪の状態を被駆動状態と判定するようにしている。また、車速SPが判定値α未満のときには1速段での駆動輪の状態を駆動状態と判定するようにしており、これにより1速段での駆動輪の駆動状態及び被駆動状態を適切に判定することができるようになる。
(8)低μ路での制動時において、アイドル回転速度を増大させる上記アイドルアップ制御が実行されると、同制御の非実行時よりも駆動輪に付与される駆動力が増大するため、車両100の停止性は悪化しやすくなる。そこで本実施形態では、そうしたアイドルアップ制御が実行されていることを前提に、上記1速禁止処理を行って1速段への変速を禁止するようにしている。従って、低μ路での停止性が悪化しやすい、アイドルアップ制御が実行される車両100においてその停止性を向上させることができるようになる。
(9)上述したように、後輪駆動車である車両100は、低μ路走行中の制動時にあって駆動輪よりも先に従動輪がロックしてしまうといった現象が起きやすく、停止性が悪化しやすい。この点、本実施形態では上述したような1速禁止処理の実行を通じて1速段への変速禁止が行われることにより、低μ路での停止性が悪化しやすい後輪駆動車においてその停止性を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・1速可否判定処理及び1速禁止可否判定処理のうちのどちらかのみを実行するようにしてもよい。
・1速段が設定されているときに1速禁止処理が実行されたときには、2速段へ変速するようにしたが、3速段以上の変速段に変速するようにしてもよい。
・路面が低μ路であると判定されたときに、1速禁止処理を自動的に実行するようにしたが、運転者による操作子、たとえば車両の制御状態を雪上走行等に対応したものに切り替えるスノースイッチ等の操作により、手動で実行させるようにしてもよい。
・アイドルアップ制御が実行されているときに上記1速禁止処理を行うようにしたが、必ずしもそうしたアイドルアップ制御の実行時を1速禁止処理の実行条件にする必要はなく、アイドルアップ制御が実行されていないときでも上記1速禁止処理を行うようにしてもよい。
・駆動輪の駆動状態及び被駆動状態を車速SPに基づいて判断するようにしたが、図6に示すように、アクセルペダルの操作量が少ないときほど、または機関負荷が小さいときほど、または機関出力が小さいときほど、または車両100の加速度が小さいときほど、駆動輪に付与される駆動力は小さくなる傾向がある。そしてそれら各パラメータがある値(図6に示す値X)以下になると駆動輪は被駆動状態になる傾向がある。従って、車速SPの他、アクセルペダルの操作量、機関負荷、機関出力、及び車両100の加速度のうちの少なくとも1つに基づき、上述したような駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定を行うことも可能である。
・上記1速可否判定処理のステップS210では、1速段が選択されたか否かの判断を、手動変速モードによって1速段が選択されたか否かに基づいて行うようにした。この他、こうした1速段への変速要求の有無を、上記自動変速モードによって1速段が自動選択されたか否かに基づいて行うようにしてもよい。この場合にも、1速禁止処理の実行中にあって、1速段への自動変速を実行するか否かが適切に判断され、1速段への自動変速を実行する判定結果が得られるときには、1速段への変速が行われることによりエンジンブレーキを確保することができる。また、1速段への自動変速を禁止する判定結果が得られるときには、1速禁止処理の実行が優先されるため、駆動輪の駆動力減少による停止性の向上を図ることができる。
・上記1速禁止可否判定処理のステップS300では、1速段が選択されているか否かの判断を、手動変速モードにて1速段が選択されているか否かに基づいて行うようにした。この他、こうした自動変速機30の変速段が1速段にされているか否かの判断を、上記自動変速モードによって1速段が自動選択されているか否かに基づいて行うようにしてもよい。この場合にも、1速段が自動選択されているときにあって、1速禁止処理を実行するか否かが適切に判断され、1速禁止処理の実行を禁止する判定結果が得られるときには、自動選択されている1速段が維持されることによりエンジンブレーキを確保することができる。また、1速禁止処理の実行を許可する判定結果が得られるときには、1速段が2速段に変更されるため、駆動輪の駆動力減少による停止性の向上を図ることができる。
・上記判定値αを、自動変速機30の変速段が1速段にされている状態で、クリープ現象による駆動力にて車両100が走行しているときに得られる最高速度を設定するようにしたが、駆動輪の駆動状態及び被駆動状態を判定可能な値であれば、他の値に変更してもよい。
・上記変形例によるように、1速可否判定処理のステップS210で、1速段が選択されたか否かの判断を、自動変速モードによって1速段が自動選択されたか否かに基づいて行う場合にあって、上記ステップS220の判定値αとして、2速段から1速段へのダウンシフトを要求する1速ダウン車速D1よりも低い値(以下、判定値α1という)を設定した場合には、図7に示すような不都合の発生が懸念される。
すなわち、1速禁止フラグPFが「ON」にされている状態で車両100が制動されて車速SPが低下していく過程において、車速SPが1速ダウン車速D1よりも低くなったときに、その車速SPが判定値α1以上となっていれば、変速段は2速段から1速段にシフトダウンされる(時刻t1)。そして、さらに車速SPが低下して判定値α1未満になると(時刻t2)、駆動輪は駆動状態になると判断されるため、1速禁止フラグPFに基づいた1速禁止処理が実行されることにより、自動変速機30の変速段は1速段から2速段に再び変速される。このように、低μ路であると判定されている状態で車両の車速が低下していく過程において、最終的には2速段にされるにもかかわらず、1速段への変速が一旦行われてしまい、こうした一時的なダウンシフトが行われることにより、例えば変速ショック等の発生機会が増加してしまうといった不都合の発生が懸念される。
そこで、同図7に二点鎖線にて示すように、上記判定値αとして、2速段から1速段へのダウンシフトを要求する1速ダウン車速D1よりも少なくとも高い値(以下、判定値α2という)を設定することにより、そうした不都合の発生を抑えることができる。この場合には、1速禁止フラグPFが「ON」にされている状態で車両100が制動されて車速SPが低下していく過程で、車速SPが1速ダウン車速D1より低くなった時点では(時刻t1)、車速SPがすでに判定値α2未満になっている。そのため、駆動輪は駆動状態になると判定されて1速段への変速が禁止され、一点鎖線にて示すように2速段が維持される。このように、2速段から1速段への変速要求が行われても、1速禁止フラグPFの「ON」に基づいた1速禁止処理の実行が優先され、自動変速機30の変速段は2速段で維持されることにより、上述したような、一時的なダウンシフトの発生が抑えられるようになる。
なお、上記1速ダウン車速D1には、通常、上記判定値α(自動変速機30の変速段が1速段にされている状態で、クリープ現象による駆動力にて車両100が走行しているときに得られる最高速度)よりも高い速度が設定されていることが多い。従って、先の図3に示すように、判定値α2としては、判定値αよりも高い速度が設定されることになり、車速SPが判定値α2以上のときには、駆動輪は被駆動状態になると推定することができる。そのため、車速SPが判定値α2以上のときには、1速段への変速を許可することでエンジンブレーキを有効活用することができる。一方、車速SPが「車速SP<判定値α」のときにあって、「判定値α≦車速SP<判定値α2」となっているときには、駆動輪がまだ被駆動状態になっている。そのため、車速SPが判定値α2未満のときに、駆動輪が駆動状態になると必ずしも判断することはできない。しかし、便宜上、車速SPが判定値α2未満のときには、駆動輪が駆動状態になると判定することにより、少なくとも駆動輪が駆動状態になると推定されるときには、1速段への変速が禁止されて1速禁止処理の実行が優先されるようになる。従って、こうした判定値α2を設定するようにしても、1速禁止処理の実行中にあって、車両停止性の向上という観点から1速段への変速を実行するか否かを適切に判定することができ、車両100の停止性をさらに向上させることができるようになる。
・上記シフトレバー装置31では、シフトレバーをシフト位置「S」に移動させることで手動変速モードになり、そのシフト位置「S」でシフトレバーを前後に傾動させることでシフトレンジを運転者が選択できるようになっていた。この他、例えば、シフトレバー装置に「P」、「R」、「N」、「D」、「3」、「2」、及び「L」といったレバー操作位置が設けられており、シフトレバーをシフト位置「3」、「2」、及び「L」のうちのいずれかに移動させることで、手動変速モードによるシフトレンジの選択を運転者が行えるシフトレバー装置であってもよい。なお、この場合には、シフト位置「3」で変速段の最高速段は3速段にされ、シフト位置「2」で変速段の最高速段は2速段にされ、シフト位置「L」では変速段は1速段に固定される。
・上述した手動変速モードは、変速段の変更範囲の最高速段を定めるシフトレンジを任意に選択可能とすることで運転者がある程度任意に変速段を選択することができる変速モードであり、いわばレンジホールドタイプの変速モードであった。この他、運転者が直接、変速段の昇降操作を行う変速モード、例えば「3速」を選択したときには自動変速機30の変速段が3速段に固定される、いわばギヤ段ホールドタイプの変速モードであってもよい。
・本発明は、前輪駆動車や4輪駆動車にも同様に適用することができる。
本発明にかかる制御装置を具体化した一実施形態にあって、これが適用される車両の構成を説明する断面図。 同実施形態における1速禁止判定処理の手順を示すフローチャート。 駆動輪の駆動状態及び被駆動状態と車速との関係を示す概念図。 同実施形態における1速可否判定処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態における1速禁止可否判定処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態の変形例において、アクセルペダルの操作量、機関負荷、機関出力、及び加速度と駆動輪の駆動状態及び被駆動状態との関係を示す概念図。 同実施形態の変形例における判定値の設定態様を示すタイミングチャート。
符号の説明
10…エンジン、11…吸気通路、12…スロットルバルブ、20…トルクコンバータ、30…自動変速機、31…シフトレバー装置、40…プロペラシャフト、50…デファレンシャルギヤ、60FL…左前輪、60FR…右前輪、70RL…左後輪、70RR…右後輪、80…ブレーキ、90…メータパネル、91…シフトインジケータ、100…車両、200…制御装置、300…クランク角センサ、310…吸入空気量センサ、320…スロットル開度センサ、330…水温センサ、340…車速センサ、350…アクセルセンサ、360…ブレーキスイッチ、370…加速度センサ、380…ヨーレートセンサ、390…ステアリングセンサ、400…右前輪センサ、410…左前輪センサ、420…右後輪センサ、430…左後輪センサ。

Claims (14)

  1. 車両に搭載された自動変速機の変速を制御する装置であって、1速段への変速を禁止する1速禁止処理を実行する自動変速機の制御装置において、
    前記1速禁止処理の実行中に、1速段への変速が要求されるときには、1速段への変速を実行したときの駆動輪が駆動状態及び被駆動状態のうちのいずれの状態になるかを判定し、その判定結果に基づいて1速段への変速を実行するか否かを判定する判定手段を備える
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記判定手段は、駆動輪が駆動状態になると判定されるときには1速段への変速を禁止し、駆動輪が被駆動状態になると判定されるときには1速段への変速を許可する
    請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記自動変速機の変速制御モードとして、前記車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動設定する自動変速モードと、運転者による変速段の選択を可能にする手動変速モードとを有し、
    前記1速段への変速が要求されるときとは、前記手動変速モードによって1速段の選択が行われたときである
    請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記自動変速機の変速制御モードとして、前記車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動設定する自動変速モードと、運転者による変速段の選択を可能にする手動変速モードとを有し、
    前記1速段への変速が要求されるときとは、前記自動変速モードによって1速段の選択が行われたときであり、
    前記駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定に際しては、2速段から1速段へのダウンシフトを実施する車速よりも少なくとも高い車速が判定値として設定されており、車速が前記判定値以上のときには駆動輪の状態を被駆動状態と判定し、車速が前記判定値未満のときには駆動輪の状態を駆動状態と判定する
    請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 車両に搭載された自動変速機の変速を制御する装置であって、1速段への変速を禁止する1速禁止処理を実行する自動変速機の制御装置において、
    前記自動変速機の変速段が1速段にされているときに、前記1速禁止処理の実行が要求されるときには、駆動輪が駆動状態及び被駆動状態のうちのいずれの状態になっているかを判定し、その判定結果に基づいて前記1速禁止処理を実行するか否かを判定する判定手段を備える
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  6. 前記判定手段は、駆動輪が駆動状態になっていると判定されるときには前記1速禁止処理を実行し、駆動輪が被駆動状態になっていると判定されるときには前記1速禁止処理の実行を禁止する
    請求項5に記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記自動変速機の変速制御モードとして、前記車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動設定する自動変速モードと、運転者による変速段の選択を可能にする手動変速モードとを有し、
    前記自動変速機の変速段が1速段にされているときとは、前記手動変速モードによって1速段が選択されているときである
    請求項5または6に記載の自動変速機の制御装置。
  8. 前記駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定は、車速に基づいて行われる
    請求項1、2、3、5、6、7のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
  9. 前記駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定に際しては、前記自動変速機の変速段が1速段にされている状態でクリープ現象による駆動力にて車両が走行しているときに得られる最高速度が判定値として設定されており、車速が前記判定値以上のときには駆動輪の状態を被駆動状態と判定し、車速が前記判定値未満のときには駆動輪の状態を駆動状態と判定する
    請求項8に記載の自動変速機の制御装置。
  10. 前記駆動輪の駆動状態及び被駆動状態の判定は、アクセルペダルの操作量、機関負荷、機関出力、及び車両の加速度のうちの少なくとも1つに基づいて行われる
    請求項1、2、3、5、6、7のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
  11. 前記1速禁止処理は、路面の摩擦係数が所定値以下であると判定されることを条件に実行される
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
  12. 前記1速禁止処理の実行条件として、さらにアイドル回転速度の増大処理が実行されていることを含む
    請求項11に記載の自動変速機の制御装置。
  13. 前記1速禁止処理は、運転者による操作子の操作によって実行される
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
  14. 前記車両は、後輪駆動車である
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
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