JP2009107753A - 搬送車の衝突防止方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軌道に沿って走行し目的位置で荷物を移載するようにした搬送車1の衝突防止方法において、搬送車1上に設置した距離計測機(3〜10)によって同一軌道上で稼動する他の搬送車1との車間距離を計測し、この車間距離から他の搬送車1に対する相対速度を検出するとともに、この相対速度に基づいて速度を制御し、他の搬送車1との衝突を回避するようにする。
【選択図】図3
Description
また、下記の特許文献2では、走行端のマーク検出時の速度で通常停止と非常停止を使い分ける方法が開示され、さらに、本件出願人による特許文献3では、最高速度から減速開始位置を設定し、目的の位置に停止させる方法等が開示されている。
(1)は2台の搬送車が接近する場合を示す。両方が定格速度で接近した場合が最も衝突の被害が大きくなることは容易に想像できる。
(2)は同一方向に2台が移動し、後続の搬送車の方が移動速度が速い場合、あるいは停止している搬送車が次の搬送のため移動し、その後に後続の搬送車が入る場合場度が該当する。
(3)は停車している搬送車への接近を示す。
(4)は走行の軌道の終点への接近の場合を示す。
1つは搬送車自体は正常に機能しているが、搬送車に指示を与える上位制御装置が誤って指示を出し、2台の搬送車が許容する間隔よりも接近する場合、もう1つは搬送車の制御自体が正常に機能していないため、予期しない挙動で搬送車が接近する場合である。
前者は搬送車制御は機能しているため、接近を検知した場合に一時的に速度を下げ、衝突を回避する。運用上では衝突防止が動作する大部分はこれに該当する。
一方、制御装置自体が異常を生じ、接近を検出し速度を変更する指示を与えても、搬送車が制御不能になっている後者の場合は、衝突が不可避となっても、電源を遮断し、機械的なブレーキで減速して停止し、衝突に至ったとしてもそのエネルギーを小さくし被害を最小限に抑える配慮が求められる。
Ld=v2/2a+td・v
となる。
したがって、レーザ距離計等で計測した他の搬送車あるいは軌道終点までの距離を常時監視し、現在の搬送車の速度と障害物までの距離が減速する限界距離以下になれば、速度を限界距離から逆算した速度まで下げるように時々刻々と速度を連続的に変化させれば衝突は起きないことは周知である。
このため、簡易な方法として一定距離以下に接近すると減速し、さらに接近すると停止するだけの方法が多用されている。
また、このときの減速する速度も、0.5m/s(秒)程度の人と接触しても重大事故に至らない程度の速度がAGVを始めとする無人搬送車等で用いられてきた。
条件としては、一方の搬送車は停止しており、加速度0.5m/s2、定格速度3m/sで、車間距離を250mm残して停止する移動を示す。
最も移動時間の短いのは、連続的に限界距離以下で速度を変化させる方法で、図2のグラフで破線の衝突防止を全く考慮しない場合であり、検出の遅延時間は100〜200ms程度であれば、連続制御は衝突防止を行わない場合とほぼ一致する。
これは、定格速度から1/6の速度まで減速するため低速での動作時間の占める割合が増加するためである。
搬送車には車体の前後に各1台のレーザ距離計3、4、5、6を設置し、レーザの反射物7、8、9、10を設け、レーザ距離計から照射するレーザ光線を回帰反射し、レーザ光線を距離計に戻す。
レーザ距離計は、距離計から照射する照射光と距離計に戻ってくる反射光の時間差から反射物までの距離を計測する。
レーザ距離計は距離を計測する手段であるが、距離データを時間で微分することで障害物との相対速度に変換する。
運転のロジックとしては、障害となる搬送車が停止あるいは離れていく場合と、接近してくる場合の2つのケースに分類する。そして、これらのケースについて、距離及び当該距離における制限速度を規定する。
距離の短い領域で2台が接近する場合には、概ね2倍の距離が同一制限速度における限界距離となり、この距離以下に接近した場合には制限速度まで減速する。
このように4段階の速度を切り替える場合、図2のグラフでの4段階検出となり、2段階の速度切り替えで30m以下の距離領域で極端に悪化した移動時間がすべての距離領域で2秒程度となり、実用的な搬送時間の悪化も数パーセント以下で、連続制御と同様な効果が得られる。
図5は搬送車1と搬送車2が交差する指示を受信し、2台が定格速度で接近する場合を示す。
図はそれぞれの搬送車の速度線図、位置線図、車間距離と指示の状況を表した模式図からなる。
2台の速度線図に着目すると、2台の搬送車は同時に減速を始め、ほぼ直線的に減速している。
搬送車1は1.5m/sの速度まで減速し数秒間、その速度を維持した後、さらに減速を行う。
搬送車1が減速中に搬送車2は停止するため、搬送車2の運転ロジックは、もう一方の搬送車が接近中から停止中に変わることになり、このため、距離に対する制限速度の選択が、以下に示す表1(衝突防止の運転ロジックを示す表)の右側領域から左側領域に切り替わる。
なお、搬送車が接近して停止したことを制御装置が認識し、その結果、既に受信した搬送指示に対して待ち状態を解消するまで待ち続けるか、その指示を中断し、別の位置への搬送指示を再指示するかは、搬送車の処理ではなく、本実施例の範囲には含まない。
△L=△v2/2a
となり、速度差の減速距離△L=1mとなる。
表1の1m以上の距離で検出距離から速度差の減速距離を減じた値で速度制限を判定する、以下に示す表2(非常停止の運転ロジックを示す表)の停止条件を判定し、制限速度以上の走行速度になっていた場合には、表1の条件で既に出されている減速の指令が有効に機能していないため搬送車を非常停止する信号を出力する。
非常停止は通常制御の減速を行わず、通常は走行モータを駆動するサーボモータやインバータの動力電源を遮断し、機械的なブレーキにより制動する。
表2は、表1から速度差減速距離を減じただけの距離であるが、実際の運用にあたっては本実施例の趣旨を逸脱しない範囲で判別や計算の遅延時間、計測誤差を吸収する余裕分を加味することはいうまでもない。
レーザ距離計の距離データを微分することで障害物との相対速度に変換し、サーボアンプやインバータ等の搬送車の走行駆動装置から得られる搬送車の走行速度との差により、相対速度が正の値で搬送車速度よりも大きい場合は、もう一方の搬送車が接近しつつあることを示しており、相対速度と搬送車速度が同じ場合には静止物あるいは停止している搬送車に自車が接近しつつあることを示している。
また、相対速度が負の領域はもう一方の搬送車あるいは自車が離れていることを示している。
この場合、速度計算や衝突判定を行う衝突防止制御装置を、走行スケジューリングを行う搬送車制御装置から独立させることで、搬送車制御装置が故障した場合でも、表2に示す停止条件で非常停止に信号を出力することで衝突リスクを低減した信頼性の高い搬送車の制御を行うことができる。
2 搬送車
3〜6 レーザ距離計(距離計測機)
7〜10 反射物(距離計測機)
11 車止め
12 車止め
Claims (4)
- 軌道に沿って走行し目的位置で荷物を移載するようにした搬送車の衝突防止方法において、搬送車上に設置した距離計測機によって同一軌道上で稼動する他の搬送車との車間距離を計測し、該車間距離から他の搬送車に対する相対速度を検出するとともに、該相対速度に基づいて速度を制御し、他の搬送車との衝突を回避することを特徴とする搬送車の衝突防止方法。
- 車間距離を計測して他の搬送車に対する相対速度を検出するとともに、該相対速度に基づいて速度を制御する衝突防止制御装置を、走行スケジューリングを行う搬送車制御装置から独立して設けることを特徴とする請求項1記載の搬送車の衝突防止方法。
- 軌道に沿って走行し目的位置で荷物を移載するようにした搬送車の衝突防止方法において、搬送車上に設置した距離計測機から軌道の終点までの距離を計測し、該計測した距離から終点に対する相対速度を検出するとともに、該相対速度に基づいて速度を制御し、終点との衝突を回避することを特徴とする搬送車の衝突防止方法。
- 軌道終点までの距離を計測して該終点に対する相対速度を検出するとともに、該相対速度に基づいて速度を制御する衝突防止制御装置を、走行スケジューリングを行う搬送車制御装置から独立して設けることを特徴とする請求項3記載の搬送車の衝突防止方法。
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