JP2009107212A - 箔加工用接着剤及び箔加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の印刷ユニットを有するオフセット印刷機を用いて、基材への活性エネルギー線硬化型接着剤の塗布と箔加工とをインラインで行う方法を提供する。またその方法の実施に好適な接着剤を提供する。
【解決手段】 スチレン−アクリル共重合樹脂、アクリル樹脂、及びポリエステル樹脂から成る群から選ばれる一つ以上を10〜50%含有し、光重合開始剤を1〜15%含有し、さらに光重合性モノマーを5〜50%含有する活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて、まず一つの印刷ユニットでオフセット印刷により基材上に全面若しくは部分的に前記の接着剤を印刷・塗布して接着剤層を設け、次の印刷ユニットでその表面に箔フィルムを圧着した後に該フィルムを剥がし、その直後に活性エネルギー線を照射し、接着剤を完全に固着させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オフセット印刷機を用いてインラインで箔加工用の接着剤の塗布と箔加工とを行う方法およびその方法に用いられる接着剤に関する。
印刷物等の箔加工(箔押しとも呼ばれる)とは印刷物の表面加工方法の一つである。箔加工したい文字や図案を彫刻した金属版(押し型)を加熱して、金箔、銀箔、色箔等の一般にメタリック調の箔フィルムを、印刷物の表面に該金属版で圧着し、箔による文字や図案を印刷物に付加する。印刷物に高級感を与える方法として広く用いられている。
従来の箔加工方法の一つとしてオフライン加工が挙げられる。
これは印刷機で印刷が完了した印刷物を別の場所に移し、箔加工機あるいは箔押し機と呼ばれる装置で、接着剤付きの箔フィルムを型押しにて印刷物に熱圧着する方法である。オフラインでの箔加工は、印刷と箔加工と、少なくとも2つの工程が必要である。
箔加工は印刷された基材にすることが多いが、箔加工後に印刷する場合もある。印刷後に箔加工する場合は、通常は印刷されたインキの乾燥を待たなければならない。油性の酸化重合乾燥型の平版オフセットインキは十分乾燥するのに一日程度を要する。
また箔加工するためには押し型を作成する必要があり、さらに箔を基材に熱圧着しなければならない。熱圧着には押し型を110℃程度に加熱することが必要であり、圧着のスピードは速くても3500枚/時程度である。
以上の事情により、オフライン加工による箔加工物の作製には時間とコストを要していた。また押し型を用いるので、細かい形態の箔加工は困難であった。
特許文献1には、印刷物上の転写箔を転写したい部分に、転写箔が付着する印刷インキを使用して印刷し、また他の部分には転写箔が付着し難い印刷インキを使用して印刷した後、転写箔を加熱加圧し、前記転写箔が付着する印刷インキで印刷された部分のみに転写箔を転写する方法が記載されている。
この方法は箔を固着するのに加熱が必要であり、また接着性のインキと、箔が接着し難いインキの2つを用いることも必要である。
特許文献2には、オフセット印刷機により活性エネルギー線硬化型感熱接着剤の被膜パターンを基材表面に形成し、この被膜を硬化させ、次いで硬化被膜の表面に箔を熱圧着させる方法が記載されている。
この方法は箔を固着するのに加熱が必要であり、また接着性のインキは、箔を密着させる前に活性エネルギー線を照射して硬化させた後、箔を加熱圧着するという複雑な工程が必要である。
特開昭61−68289号公報 特開平5−320582号公報
本発明は、多色のオフセット印刷機等の複数の印刷ユニットを有するオフセット印刷機を用いて、基材への活性エネルギー線硬化型接着剤の塗布と箔加工とをインラインで行う方法を提供することを課題とする。
またその方法の実施に好適な接着剤を提供することを課題とする。
ここでインラインとは、接着剤の塗布(すなわち接着剤層の形成)と箔加工とを一つのオフセット印刷機で連続して一工程で行うことを言う。
発明者らは箔加工方法について鋭意検討を行い、複数の印刷ユニットを有するオフセット印刷機において、スチレン−アクリル共重合樹脂、アクリル樹脂、及びポリエステル樹脂から成る群から選ばれる一つ以上を10〜50%含有し、光重合開始剤を1〜15%含有し、さらに光重合性モノマーを5〜50%含有する活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて、次の(イ)及び(ロ)の二つの工程をその順に連続して行うことにより、基材への箔加工をインラインで行えることを実証し、本発明を完成した。
(イ)一つの印刷ユニットでオフセット印刷により基材上に全面若しくは部分的に前記の接着剤を印刷・塗布して接着剤層を設ける。本発明の接着剤は、平版オフセット印刷により基材に塗布することができる。すなわち、通常の平版印刷版を用いて、インキと同様に版の画線部のパターンで基材に接着剤層を形成できる。
(ロ)次の印刷ユニットでその表面に箔フィルムを圧着した後に該フィルムを剥がす。
フィルムを剥がしたとき、接着剤層の形成された部分の箔は基材に残り、その他の部分はフィルムとともに剥がされて箔加工が完成する。
その後、箔加工した印刷ユニットの直後において箔加工した上から活性エネルギー線を照射し、接着剤を完全に固着させる。
基材は印刷されていても良い。同じ印刷機の接着剤を塗布する前のユニットで、基材に印刷することができる。
箔加工の後、連続して同じ印刷機で箔加工された基材に印刷をすることも可能である。
例えば、同じ印刷機において、
(1)基材にまず絵柄、文字等を印刷し、
(2)接着剤層を全面または部分的に形成し、
(3)箔加工を行い、
(4)紫外線等の活性エネルギー線を照射して接着剤を固着し、
(5)さらに基材や箔加工部に印刷をする、
という作業をインラインで行うことができる。
また工程(5)において、例えば紫外線硬化型インキを用いて印刷した場合は、(5)の後、通常の紫外線硬化型インキを用いる印刷と同様に、紫外線照射してインキを完全に硬化させる。
前記(1)の工程を経ないで、印刷していない用紙・基材に(2)〜(5)の加工を行うこともできる。
基材としては、コート紙、アート紙、板紙などの紙、紙の表面にアルミ蒸着層を有するアルミ蒸着紙、合成紙であるユポや、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどをシート状にしたプラスチックシートなどを使用することができる。
また本発明で用いる接着剤は着色されていてもよい。着色することにより、接着剤の塗布量の管理を容易にかつ精密に行うことができる。
さらに、箔の色に応じて接着剤を着色することにより、下地が透けて見えることを防ぎ、箔の美粧性や隠ぺい力を高めることができる。
また着色された接着剤を用いることで、より薄い箔を使用できるので箔のコスト低減を図ることができる。さらに、薄い箔は紫外線等の透過性が高いので、接着剤の硬化が促進されるなど照射効率を高める効果もある。
基材に箔加工をした後、絵柄や文字の印刷を行うと、転写した箔から微細な破片がはがれて印刷ユニットの版やブランケットに付着し、堆積することがある。これは箔自体の皮膜強度が弱いために起きる現象である。
この現象が発生した場合には、箔を転写した後に、活性エネルギー線硬化型オーバープリントワニス層を設けることにより、はがれを軽減することができる。
前記の活性エネルギー線硬化型オーバープリントワニス層は、印刷ユニット間に活性エネルギー線照射装置を設置して硬化させても良く、あるいは最終の照射装置で硬化させても良い。
また前記の活性エネルギー線硬化型オーバープリントワニスの粘度が低いほうが、その後の絵柄等を印刷するユニットばかりでなく、このワニスを印刷するユニットの版、ブランケットへのはがれた箔の堆積を軽減できる。
活性エネルギー線硬化型オーバープリントワニスの水幅も考慮した場合、該ワニスのタック値は3〜7程度が好ましい。
また活性エネルギー線硬化型オーバープリントワニスは透明であるほうが、箔の金属光沢感を損ねにくく好ましい。
本発明の接着剤は、通常の平版オフセット印刷用の版上で水との反発によって画像(箔が接着する部分)を形成する。
すなわちオフセット印刷によって基材に塗布することができる。これによって、押し型を使うことなく、一般の平版オフセット印刷で形成可能なパターンであれば、精密なパターンや微細なパターンで接着剤を塗布することが容易に行え、すなわち精密、微細な箔加工を容易に行える。
また箔加工と印刷とを一つの印刷機内で完了することができるため、待ち時間等が無く生産性が高い。
本発明の箔加工には押し型は不要である。オフセット印刷により接着剤層を形成した部分のみに箔加工が行われる。
また箔を接着させるために加熱することも不要である。
さらに接着剤を着色することで、塗布量の管理をしやすくし、適正な塗布量を確保できる。
接着剤の塗布量管理の向上により、適正な箔加工性(箔の切れなどが少ない)を達成するとともに、次の印刷ユニットでの印刷インキによる箔のはがれを防止することができる。
本発明で用いる接着剤は、紫外線等活性エネルギー線の照射により硬化するので、箔押しした上から活性エネルギー線を照射することで、速乾で基材と箔を接着させるため、次の印刷ユニットでの印刷インキによる箔のはがれを更に軽減できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型接着剤は、樹脂、光重合性オリゴマー、光重合性モノマー、光重合開始剤、助剤などから構成されており、着色する場合には顔料を使用する。
樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂、脂肪酸変性ポリエステル樹脂、塩素化ポリエステル樹脂、アミン変性ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族ウレタン樹脂、脂肪族ウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル共重合樹脂、スチレン樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
中でもスチレン−アクリル共重合樹脂、アクリル樹脂、及びポリエステル樹脂が好適に用いられる。
スチレン−アクリル共重合樹脂、アクリル樹脂がより好ましい。
光重合性オリゴマーとしては、例えば不飽和ポリエステルアクリレートオリゴマー、脂肪酸変性ポリエステルアクリレートオリゴマー、アミン変性ポリエステルアクリレートオリゴマー、ビスフェノールA型エポキシアクリレートオリゴマー、ノボラック型エポキシアクリレートオリゴマー、脂肪酸変性エポキシアクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエーテルアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
光重合性モノマーとしては、1,2及び3官能性モノマー並びに多官能性モノマーが挙げられる。
このうち、1官能性モノマーとしては、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性ブチル(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、EO変性リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能性モノマーとしては、例えば、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ECH変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、アリルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリル酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、EO変性ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジアクリル化イソシアヌレート等が挙げられる。
3官能性モノマーとしては、例えば、トリメリロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメリロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ECH変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタアクリレートエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
多官能性モノマーとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等の水素引抜き型、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルケトン等の光開裂型が挙げられ、これらの1種若しくは2種以上を組み合わせて使用することが可能である。
又、光重合開始剤に光増感剤を併用しても差し支えない。このような光増感剤としては、例えば、n−ブチルアミン、n−ジブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンテトラミン、トリエタノールアミン、アミノアクリレート等が挙げられる。
助剤としては、ポリエチレン系ワックス、パラフィン系ワックス、フロン系ワックス、ジメチルポリシロキサン誘導体、電子線又は紫外線硬化型ジメチルポリシロキサン誘導体などが挙げられる。
また接着剤を箔の色に合わせて着色することで、箔の隠ぺい力を補い、下地の影響を極力排除し、美装効果の高い箔加工を可能にする。
例えば金箔の場合には、接着剤の色としては、薄い黄色、銀箔の場合、薄いグレーなどが適している。
接着剤を着色するための顔料としては、ジスアゾイエロー、カーミン6B、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、レーキレッドC、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、二酸化ケイ素、有機ベントナイト、タルクなどが挙げられる。
例えば薄い黄色に着色する場合はジスアゾイエロー、薄いグレーに着色する場合はカーボンブラックを添加する
着色するには、それぞれの顔料を使用した活性エネルギー線硬化型オフセットインキを1から10部程度接着剤に均一に混ぜて全量を100部としたものを用いても良い。
本願発明の実施に好適な箔フィルムは通常の箔に比べて蒸着層の厚みが1/2〜1/3程度のものである。
通常の金属箔は、輝度を高めるために、蒸着層を設けているが、活性エネルギー線の透過性が悪い。本願発明では、通常の箔よりも蒸着層の膜厚を1/2〜2/3程度にした特殊箔を使用する。それによって、活性エネルギー線透過性を高めている。
これによって活性エネルギー線透過性が良くなる反面、箔の隠ぺい力が低下するが、前記したように接着剤を箔の色に合わせて着色することにより、下地の影響を排除して美粧効果の高い箔加工が可能となる。
例えば金箔の場合には、接着剤の色としては、薄い黄色、銀箔の場合、薄いグレーなどが適している。
接着剤の粘着性(タック値)は、箔加工よりも後に印刷するインキよりも高くすることが好ましい。
これにより、押した箔の転写性(箔をベースフィルムからよりきれいに剥離させる)を高めることができる為、箔の切れを良くすることができる
本発明の実施に使用する箔としては、ベースフィルムから蒸着層が簡単に剥がれる方がより基材に対する箔の転写性がよい。そのような箔は、接着剤をベタで印刷したところは勿論、平網やグラデーションで印刷したところでも箔の転写性が非常に優れる。
但しベースフィルムと蒸着層の密着性が弱すぎると、箔加工中にベースフィルムから蒸着層が脱落することがあるため、ベースフィルムと蒸着層の間にある離型層の塗布量を調整することにより、ベースフィルムと蒸着層との密着性のバランスを考慮する必要がある。
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、部及び%は本明細書において特記しない限り質量基準である。
(接着剤)
実施例1〜3及び比較例の接着剤の配合を表1に示す。
表1の各原料は次の通りである。
炭酸カルシウム・・・白石工業株式会社製 白艶華O。
炭酸マグネシウム・・・株式会社トクヤマ製 炭酸マグネシウム。
光重合開始剤A・・チバ・ジャパン株式会社製 イルガキュア907。
光重合開始剤B・・チバ・ジャパン株式会社製 イルガキュア184。
スチレン・アクリル樹脂・・荒川化学工業株式会社製 ビームセット271。
アクリル樹脂・・荒川化学工業株式会社製 ビームセット243NS。
ポリエステル樹脂・・大日本インキ化学工業株式会社製 61X2002。
エポキシアクリレートオリゴマー・・大日本インキ化学工業株式会社製 ディックライトUE8200。
活性エネルギー線モノマー・・コグニスジャパン株式会社製 フォトマー4127。
以上の原料をよく混合した後、ロールミル等で練肉分散して接着剤を作る。
(箔加工方法)
本実施例では、印刷ユニットを6つ持つ印刷機を用いた。この印刷機は最大6色のインキで印刷することができる。その第1、第2ユニットを本発明の箔加工用に用いている。
まず印刷機の第1印刷ユニットにおいて、基材に前記の実施例及び比較例の接着剤のパターンを印刷によって形成した。
引き続き第2印刷ユニットにおいて、箔加工用フィルム(村田金箔社製)を圧着し、直ちにフィルムを剥離した。即ち第2印刷ユニットでは印刷インキで印刷することはなく、箔加工用フィルムを供給してブランケットと圧胴との間で基材に圧着することが行われる。接着剤のパターンが印刷された部分には箔が付着する。その他の部分の箔は基材には付着せずフィルムに付着したまま巻き取られる。
そして第2印刷ユニットの直後に設置された紫外線照射装置で紫外線を照射し、接着剤を硬化させて箔を基材に固着させた。
引き続き第3〜第6印刷ユニットにおいて、紫外線硬化型のプロセス4原色のインキで基材に絵柄を印刷した。基材としては薄手コート紙、両面コート紙及びポリプロピレンシートの3種類を用いた。
(使用基材)
・薄手コート紙:王子製紙株式会社製OKトップコートプラス。
・両面コート紙:王子製紙株式会社製OKエルカード。
・ポリプロピレンシート:出光ユニテック株式会社製スーパーピュアレイ。
(印刷条件等)
・使用印刷機:ディックマンローランド社R700オフセット印刷機(第2印刷ユニットに箔加工ユニットを取り付けたもの。その箔加工ユニットにおいて箔フィルムの巻き出し、印刷ユニットへの供給及び使用後のフィルムの巻き取りを行う。
・印刷速度:8,000枚/時。
・使用箔:村田金箔社製アルミ箔(品名SGO)。
・紫外線硬化型印刷インキ:大日本インキ化学工業株式会社製 ダイキュアRT−V4原色。
箔加工物の評価結果を同じく表1に示す。
Figure 2009107212
(評価方法)
箔の転写性は、ベタ及び網点の部分がきれいに転写されているかどうかを目視で判定した。
また箔の密着性はセロハンテープにより剥離試験にておこなった。これはベタ部分にセロハンテープを貼り付けて一気にはがし、そのはがれた程度を目視で評価する。箔がはがれないか、又は箔ははがれずに基材が破れるものが良好である。
◎、○及び△は実用可能で合格であることを示し、×は実用上問題があり不合格であることを示す。
(表1の評価結果について)
実施例1〜3の接着剤は、3種類の基材すべてについて、箔の転写性、箔の密着性とも実用上問題ないレベルである。

Claims (4)

  1. スチレン−アクリル共重合樹脂、アクリル樹脂、及びポリエステル樹脂から成る群から選ばれる一つ以上を10〜60%、光重合開始剤を1〜15%、及び光重合性モノマーを5〜70%含有し、複数の印刷ユニットを有するオフセット印刷機において、次の(イ)及び(ロ)の二つの工程をその順に連続して行うことによる箔加工物の作製に用いられる活性エネルギー線硬化型接着剤。
    (イ)一つの印刷ユニットでオフセット印刷により基材上に全面若しくは部分的に前記の接着剤層を設ける。
    (ロ)次の印刷ユニットでその表面に箔フィルムを圧着した後に該フィルムを剥がし、箔加工された基材に活性エネルギー線を照射して接着剤を固着させる。
  2. オフセット印刷機において、次の(a)及び(b)の二つの工程をその順に連続して行うことによる箔加工物の作製方法。
    (a)一つの印刷ユニットでオフセット印刷により基材上に全面若しくは部分的に請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型接着剤の層を設ける。
    (b)次の印刷ユニットでその表面に箔フィルムを圧着した後に該フィルムを剥がし、箔加工された基材に活性エネルギー線を照射して接着剤を固着させる。
  3. 請求項2に記載の(a)及び(b)の工程に引き続いて、さらに次の(c)の工程を行うことによる箔加工物の作製方法。
    (c)次の印刷ユニットで、箔加工された基材上に活性エネルギー線硬化型オーバープリントワニス層を形成する。
  4. 複数の印刷ユニットを有するオフセット印刷機を用いて、請求項2または請求項3のいずれかに記載の方法により作製された箔加工物。
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