JP2009103838A - 光コネクタアダプタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光コネクタ21が両端側から接続されるアダプタハウジング2に、光コネクタ21が接続される中継フェルール3が収納された光コネクタアダプタ1。中継フェルール3の一端3aおよび他端3bに、それぞれ光コネクタ21のフェルール23が突き合わせ接続可能である。中継フェルール3には、光コネクタ21からの入射光のうち特定波長の光の一部を反射させて放出させる誘電体多層膜7が設けられている。
【選択図】図3
Description
このような手法において、漏れ光を発生させる光ファイバは、一般的には、光ファイバ心線、光ファイバ素線である。
光ファイバ対照装置に関する技術として、例えば特許文献1〜4が知られている。
光ドロップケーブルと宅内配線とのコネクタ接続にあっては、光ドロップケーブルの先端に取り付けた光コネクタ(光コネクタプラグ)を光コネクタアダプタに挿入して、この光コネクタアダプタ内にて宅内配線とコネクタ接続する。
近年では、光ケーブルの外被を把持し固定する、いわゆる外被把持型の光コネクタが多く用いられてきている。
この構造の光コネクタは、光ファイバ素線が露出されないため、クロージャからキャビネットまでの区間では光ファイバ素線の露出部分が無くなる。さらに、一般的な光ドロップケーブルは、光ファイバ素線を外被中に埋設した構造であるため、光ファイバ素線からの漏れ光が外部に放出されにくい。
このため、コネクタ接続した状態(活線状態)のままでは、光ファイバの導通確認や対照検査が難しいという問題があった。
本発明の請求項1にかかる光コネクタアダプタは、光コネクタが両端側から接続されるアダプタハウジングに、前記光コネクタが接続される中継フェルールが収納され、前記中継フェルールの一端および他端に、それぞれ前記両端側の光コネクタのフェルールが突き合わせ接続可能であり、前記中継フェルールには、前記光コネクタからの入射光のうち特定波長の光を反射させて前記中継フェルールから放出させる誘電体多層膜が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項2にかかる光コネクタアダプタは、請求項1において、前記誘電体多層膜は、前記入射光のうち前記光ファイバで通信に用いられる波長の光の一部を選択的に反射させることを特徴とする。
本発明の請求項3にかかる光コネクタアダプタは、請求項1または2において、前記アダプタハウジングに、中継フェルールから放出された反射光を前記アダプタハウジングの外側に放射させる光放射部としての開口窓が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項4にかかる光コネクタアダプタは、請求項3において、前記アダプタハウジングに、前記光放射部を開閉する開閉部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項5にかかる光コネクタアダプタは、請求項3において、前記光放射部に、透明材料からなり、前記反射光が透過する透光部が設けられていることを特徴とする。
従って、光ドロップケーブルのように、漏れ光を放出させるのが難しい光ファイバを使用する場合であっても、導通確認や対照検査を非破壊で実現できる。
特定波長の光を選択的に反射する誘電体多層膜を用いるため、検出対象となる光のみを反射させることができる。このため、この光を確実に検出でき、導通確認や対照検査の精度を高めることができる。
図1および図2は、本発明の光コネクタアダプタの一例である光コネクタアダプタ1の概略構成を示す断面図である。
光コネクタアダプタ1は、アダプタハウジング2内に、中継フェルール3と、中継フェルール3を保持するフェルール保持部4、4とを備えて構成されている。
フェルール保持部4は、スリーブ状に形成され、アダプタハウジング2の軸方向(光コネクタ21の挿入方向)に沿って形成されている。フェルール保持部4は、アダプタハウジング2の軸方向に間隔をおいて2つ設けられている。
フェルール保持部4の内部には、中継フェルール3が挿通する割りスリーブ6が設けられている。割りスリーブ6は、フェルール保持部4のほぼ全長にわたって設けられている。
中継フェルール3は、反射光が側面から出射可能なものが用いられ、ガラスなどの透明材料からなるものが用いられる。
誘電体多層膜7は、所定の波長帯の光を選択的に反射し、他の所定の波長帯の光を透過する性質を有するフィルタ素子である。例えば、波長1550±20nmの光を反射し、それ以外のものを透過するものを例示できる。
誘電体多層膜7としては、例えば、SiO2、TiO2、ZrO2、Ta2O5、Nb2O5などの誘電体から、高屈折率成分と低屈折率成分とを適宜選択して用い、所定の膜厚にて、交互に数〜数百層積層したものが好適である。
誘電体多層膜7は、特定波長の光のすべてを反射するものであってもよいが、一部のみを反射するように構成することもできる。
誘電体多層膜7は、対照検査に使用する試験光に用いられる波長の光を選択的に反射するものを使用することもできる。試験光の波長を反射できる誘電体多層膜7を使用することによって、確実な対照検査が可能である。
誘電体多層膜7は、反射される光の割合が低く、現用回線に影響を与えないものが好ましい。これによって、光ファイバ22を現用回線として使用している状況であっても、この現用回線の通信に影響を与えることなく、導通確認や対照検査を行うことができる。
保持溝8は、中継フェルール3の光軸方向に対し傾斜して形成されている。
保持溝8の形成位置および傾斜角度は、中継フェルール3への入射光の一部を誘電体多層膜7で反射させて中継フェルール3の外部に放出できるように設定される。
図2に示す例の誘電体多層膜7は、中継フェルール3の光軸方向に対し約45度傾斜しており、中継フェルール3内の内蔵光ファイバを通る光の一部を反射させ、中継フェルール3の光軸方向に対しほぼ垂直な方向に向け、中継フェルール3の側面から外部に放出させるようになっている。
光放射部9は、誘電体多層膜7からの反射光が通過する位置に形成される。
光コネクタ21に組み込まれたフェルール23に内挿固定された内蔵光ファイバ(図示略)は、光ファイバ22の光線路の一部を構成する。
光コネクタ21としては、外被把持型のもの、例えばフェルール23を有するコネクタ本体と、光ファイバ22の外被を把持してコネクタ本体に固定する把持機構(図示略)とを備えたものが好適である。コネクタ本体は、例えばフェルール23と、フェルール23の内蔵光ファイバを光ファイバ22から引き出された光ファイバに接続する接続機構と、これらを収容するハウジングとを備えたものである。
図4は、光ドロップケーブルの一例を示す断面図である。光ドロップケーブル51は、光ファイバエレメント部51dと、光ファイバエレメント部51dの側部に添えられた金属線51eを外被51cによって被覆した支持線部51fとを備えている。光ファイバエレメント部51dは、光ファイバ51aとその両側に配置した抗張力体51bとを外被51cで一括被覆したものである。
光ファイバエレメント部51dと支持線部51fとの間は、外被51cの薄肉部51gを介して繋がっており、薄肉部51gを切断することで、支持線部51fを光ファイバエレメント部51dから分離できる。
光ファイバ51aは、光ファイバエレメント部51dの断面中央部に埋設されており、光ファイバエレメント部51dを、ノッチ51hから2つに分割することで、光ファイバ51aを露出させることができる。抗張力体51bは、光ファイバ51aに沿って縦添えされた線条体であり、その材質は、例えばFRPである。支持線部51fの金属線51eとしては、例えば鋼線等が用いられる。
いわゆる光インドアケーブルは、例えば光ファイバエレメント部51dと同様の構成である。
架空クロージャ(図示略)から引き落とされた光ファイバ22(例えば光ドロップケーブル)と、宅内配線である光ファイバ22(例えば光インドアケーブル)とをコネクタ成端して光コネクタアダプタ1で接続し、この光コネクタアダプタ1を、利用者宅に設置されたキャビネット(図示略)の内部に設置することができる。
光コネクタアダプタ1は、利用者宅の外壁に設置することができる。
また、架空クロージャと利用者宅のキャビネットとの中間位置において、光ファイバ22に光コネクタアダプタ1を介在させ、この光コネクタアダプタ1を、光ファイバ22の中間位置に設置した中継クロージャ(図示略)内に収容してもよい。
図3に示すように、アダプタハウジング2の両端側のコネクタ接続部5、5に、それぞれ光コネクタ21、21を接続する。
光コネクタ21のフェルール23は、フェルール保持部4の割りスリーブ6に挿入され、中継フェルール3の接続端面3a、3bと突き合わせられる。これによって、光コネクタアダプタ1の両側の光ファイバ22、22が、中継フェルール3を介して光接続される。
図3に矢印で示すように、誘電体多層膜7に達した光のうち特定波長の光の少なくとも一部は反射し、図中上方に向かう。図示例では、反射光の方向は、中継フェルール3の光軸方向に対しほぼ垂直である。反射光は、中継フェルール3の側面から出射する。
反射されなかった光は、誘電体多層膜7を通過し、中継フェルール3の光軸方向に沿って進み、他方側(図3における左側)の光コネクタ21のフェルール23を経て光ファイバ22に入射する。
誘電体多層膜7として、光ファイバ22で通信に用いられる波長の光を選択的に反射するものを使用する場合には、通信波長の光を検出対象とでき、しかも検出される光にノイズが少なくなるため、精度の高い導通確認が可能である。
誘電体多層膜7として、試験光に用いられる波長の光を選択的に反射するものを使用すれば、検出される光にノイズが少なくなるため、精度の高い対照検査が可能である。
従って、光ドロップケーブルのように、漏れ光を放出させるのが難しい光ファイバ22を使用する場合であっても、導通確認や対照検査を非破壊で実現できる。
特定波長の光を選択的に反射する誘電体多層膜7を用いるため、検出対象となる光のみを反射させることができる。このため、この光を確実に検出でき、導通確認や対照検査の精度を高めることができる。
図5に示す例では、アダプタハウジング2の外面に、光放射部9を開閉する開閉部材41が設けられている。
開閉部材41は、アダプタハウジング2の外面に沿ってスライド移動可能であり、実線で示すように光放射部9を覆う閉止位置と、2点鎖線で示すように光放射部9を開放する開放位置との間を移動できる。
図6に示す例では、開閉部材41が、端部に設けられたヒンジ部41aでアダプタハウジング2に接続されている。開閉部材41は、実線で示す閉止位置と2点鎖線で示す開放位置との間でヒンジ部41aを支点として回動することによって光放射部9を開閉する。
光放射部9を閉止できるため、通常時において塵埃等がアダプタハウジング2内に入るのを防止し、光コネクタアダプタ1内を清浄に保ち、精度の高い反射光検出が可能となる。
この構成によれば、塵埃等がアダプタハウジング2内に入るのを防止し、光コネクタアダプタ1内を清浄に保ち、精度の高い反射光検出が可能となる。
また、透光部42の表面に、反射光によって蛍光を発する蛍光材料を塗布し、この表面に蛍光部を形成してもよい。これによって、反射光の検出が容易になる。
Claims (5)
- 光コネクタ(21)が両端側から接続されるアダプタハウジング(2)に、前記光コネクタが接続される中継フェルール(3)が収納され、前記中継フェルールの一端(3a)および他端(3b)に、それぞれ前記両端側の光コネクタのフェルール(23)が突き合わせ接続可能であり、
前記中継フェルールには、前記光コネクタからの入射光のうち特定波長の光を反射させて前記中継フェルールから放出させる誘電体多層膜(7)が設けられていることを特徴とする光コネクタアダプタ(1)。 - 前記誘電体多層膜は、前記入射光のうち前記光ファイバで通信に用いられる波長の光の一部を選択的に反射させることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタアダプタ。
- 前記アダプタハウジングに、中継フェルールから放出された反射光を前記アダプタハウジングの外側に放射させる光放射部(9)としての開口窓が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光コネクタアダプタ。
- 前記アダプタハウジングに、前記光放射部を開閉する開閉部材(41)が設けられていることを特徴とする請求項3記載の光コネクタアダプタ。
- 前記光放射部に、透明材料からなり、前記反射光が透過する透光部(42)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光コネクタアダプタ。
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