JP2009098369A - フォトマスクの欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置 - Google Patents

フォトマスクの欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、黒欠陥修正後、吸収層または遮光層のパターンの端部にて良好な断面形状が得られるフォトマスクの欠陥修正方法、およびそれを用いたフォトマスクの製造方法、それを実施するためのフォトマスクの欠陥修正装置を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、基板と、上記基板上にパターン状に形成され、金属もしくは合金を含有する吸収層または遮光層とを有するフォトマスクの欠陥修正方法であって、上記金属もしくは合金が、この金属もしくは合金の酸化物よりもエッチング速度が速いものであり、上記吸収層または遮光層の余剰に起因する黒欠陥部の表面および側面を酸化して、酸化皮膜を形成する酸化工程と、上記酸化皮膜のみをエッチングするように、上記黒欠陥部をドライエッチングするエッチング工程とを有することを特徴とするフォトマスクの欠陥修正方法を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フォトマスクの黒欠陥を修正するフォトマスクの欠陥修正方法、それを用いたフォトマスクの製造方法、およびそれを実施するフォトマスクの欠陥修正装置に関するものである。
フォトマスクの欠陥には、本来必要なパターンが欠損もしくは欠落しているもの(白欠陥)と、不要なパターンが余剰に存在しているもの(黒欠陥)とがある。黒欠陥の場合には、余剰部分を除去することにより正常なパターンが得られる。黒欠陥の修正方法としては、アシストガスを吹きつけながら集束イオンビーム(FIB)や電子ビーム(EB)を照射して、黒欠陥部分をガスアシストエッチングすることにより除去する方法(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)が主流である。
反射型マスクの吸収層や、透過型マスクの遮光層には、タンタルなどの酸化されやすい金属材料が用いられている。吸収層または遮光層が酸化されやすい金属材料を含有する場合には、金属材料が空気中の酸素と反応して酸化被膜を形成するため、吸収層または遮光層のパターンの表面および側面が酸化被膜で覆われることとなる。アシストガスを吹きつけながらFIBもしくはEBを照射して黒欠陥部をエッチングする場合、金属とその酸化物とではエッチング速度が異なるため、吸収層または遮光層のパターンの表面および側面に形成された酸化被膜と、吸収層または遮光層のパターンの内部とでは、エッチング速度が異なる。金属がその酸化物よりもエッチング速度が速い場合には、吸収層または遮光層のパターンの内部が、吸収層または遮光層のパターンの表面および側面に形成された酸化被膜よりもエッチング速度が速くなる。そのため、例えば図10(a)に示すような、基板51上に多層反射層52とバッファー層53とがこの順に積層され、バッファー層53上に吸収層54がパターン状に形成され、吸収層54の表面および側面に酸化皮膜55が形成されている反射型マスクにおいて、黒欠陥部50にアシストガスを吹きつけながらFIBもしくはEB56を照射して黒欠陥部50をエッチングすると、酸化皮膜55の除去によって露出した吸収層54のエッチングが急速に進行して、図10(b)に例示するように、吸収層54のパターンの端部が過剰にエッチングされてしまう。このように、黒欠陥部にアシストガスを吹きつけながらFIBもしくはEBを照射してガスアシストエッチングを行う場合には、黒欠陥修正後の吸収層または遮光層のパターン形状のコントロールが困難であった。
なお、従来、アシストガスとしては、エッチングされる吸収層または遮光層に含まれる金属材料と比較的反応しやすく、エッチング時の反応生成物が気体になりやすいものを選択するのが一般的であり、エッチングされる吸収層または遮光層に含まれる金属材料を酸化させるものを使用することはなかった。
特開2004−177682号公報 Klaus Edingerl, Volker Boegli, Wolfgang Degel, Proceedings of SPIE vol. 5853, p. 361-370 (2005)
近年、フォトマスクのパターンの微細化、高精度化に伴い、フォトマスクの黒欠陥を高精度に修正することができる方法が望まれている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、黒欠陥修正後、吸収層または遮光層のパターンの端部にて良好な断面形状が得られるフォトマスクの欠陥修正方法、それを用いたフォトマスクの製造方法、およびそれを実施するためのフォトマスクの欠陥修正装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、上記基板上にパターン状に形成され、金属もしくは合金を含有し、露光光を吸収する吸収層または露光光を遮光する遮光層とを有するフォトマスクの欠陥修正方法であって、上記金属もしくは合金が、この金属もしくは合金の酸化物よりもエッチング速度が速いものであり、上記吸収層または遮光層の余剰に起因する黒欠陥部の表面および側面を酸化して、酸化皮膜を形成する酸化工程と、上記酸化皮膜のみをエッチングするように、上記黒欠陥部をドライエッチングするエッチング工程とを有することを特徴とするフォトマスクの欠陥修正方法を提供する。
本発明によれば、黒欠陥部の表面および側面を酸化して酸化皮膜を形成する酸化工程を行い、エッチング工程にて、酸化皮膜のみをエッチングするように黒欠陥部をドライエッチングするので、酸化皮膜の下の吸収層または遮光層をエッチングすることなく、常に酸化皮膜をエッチングすることができ、黒欠陥部のエッチング速度を一定に保つことが可能である。したがって、吸収層または遮光層に含有される金属もしくは合金が、この金属もしくは合金の酸化物よりもエッチング速度が速いものであっても、黒欠陥部のエッチング時に、吸収層または遮光層が過剰にエッチングされることがなく、吸収層または遮光層のパターンの端部にて良好な断面形状を得ることができる。
上記発明においては、上記金属もしくは合金がタンタルもしくはタンタル合金であることが好ましい。タンタルまたはタンタル合金は、その酸化物に比べて、エッチング速度が数倍〜十数倍程度と速いので、本発明のフォトマスクの欠陥修正方法を用いることにより、黒欠陥部のエッチング時の吸収層または遮光層の過剰なエッチングを効果的に防ぐことができるからである。
また本発明においては、上記エッチング工程にて、上記黒欠陥部に、アシストガスを供給しながら、集束イオンビームまたは電子ビームを照射することにより、上記黒欠陥部をドライエッチングすることが好ましい。アシストガスを用いた集束イオンビームまたは電子ビームの照射によるエッチングでは、黒欠陥部を良好にエッチングすることができるからである。
この際、上記酸化工程にて、上記黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを用いて、上記黒欠陥部の表面および側面を酸化し、上記黒欠陥部への上記集束イオンビームまたは電子ビームの照射および上記アシストガスの供給と、上記黒欠陥部への上記酸化性ガスの供給とを交互に繰り返し行い、上記エッチング工程と上記酸化工程とを交互に繰り返し行ってもよい。このような構成とすることにより、エッチング工程にて、効率的に酸化皮膜のみをエッチングすることができるからである。
また、上記酸化工程にて、上記黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを用いて、上記黒欠陥部の表面および側面を酸化し、上記酸化性ガスの雰囲気中で、上記黒欠陥部への上記集束イオンビームまたは電子ビームの照射および上記アシストガスの供給と、上記集束イオンビームまたは電子ビームの照射および上記アシストガスの供給の停止とを交互に繰り返し行い、上記エッチング工程と上記酸化工程とを交互に繰り返し行ってもよい。このような構成とすることによっても、エッチング工程にて、効率的に酸化皮膜のみをエッチングすることができるからである。
さらに、上記酸化工程にて、上記黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを用いて、上記黒欠陥部の表面および側面を酸化し、上記黒欠陥部に、上記アシストガスおよび上記酸化性ガスを供給しながら、上記集束イオンビームまたは電子ビームを照射して、上記エッチング工程と上記酸化工程とを同時に行ってもよい。このような構成とすることにより、酸化皮膜のみをエッチングすることが可能となるからである。
また本発明においては、上記酸化性ガスが、酸素、オゾン、水蒸気、過酸化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物、および二酸化塩素からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらを含む酸化性ガスは、タンタルまたはタンタル合金を酸化させるのに十分な能力があるためである。
さらに本発明においては、上記フォトマスクが、上記基板と上記パターン状の吸収層との間に露光光を反射する多層反射層が形成されたEUV露光用反射型マスクであることが好ましい。EUV露光用反射型マスクにおける多層反射層には、タンタルが用いられることが多い。上述したように、タンタルは、その酸化物に比べて、エッチング速度が数倍〜十数倍程度と速いので、本発明のフォトマスクの欠陥修正方法を用いることにより、黒欠陥部のエッチング時の吸収層または遮光層の過剰なエッチングを効果的に防ぐことができる。
また本発明は、上述のフォトマスクの欠陥修正方法を行うことにより、フォトマスクの黒欠陥部を修正する修正工程を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法を提供する。
本発明のフォトマスクの製造方法は、上述のフォトマスクの欠陥修正方法を行う修正工程を有するので、高精度な黒欠陥部の修正が可能であり、高精細な吸収層または遮光層のパターンを得ることができる。
さらに本発明は、上述のフォトマスクの欠陥修正方法を実施するためのフォトマスクの欠陥修正装置であって、上記フォトマスクを収容するチャンバーと、上記フォトマスクにアシストガスを供給するアシストガス供給手段と、上記チャンバー内に上記フォトマスクの黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを導入する酸化性ガス導入手段と、上記フォトマスクに集束イオンビームまたは電子ビームを照射する照射手段とを具備することを特徴とするフォトマスクの欠陥修正装置を提供する。
本発明のフォトマスクの欠陥修正装置は、酸化性ガス導入手段を有するので、上述のフォトマスクの欠陥修正方法を実施することができ、高精度な黒欠陥部の修正が可能である。
また、本発明のフォトマスクの欠陥修正装置は、上記黒欠陥部の酸化を検出する検出手段を具備することが好ましい。これにより、酸化皮膜を検出しながら、酸化皮膜をエッチングすることができ、酸化皮膜の下の吸収層または遮光層をエッチングすることなく、酸化皮膜のみをエッチングすることができるからである。
本発明によれば、黒欠陥部の表面および側面を酸化して酸化皮膜を形成する酸化工程を行い、エッチング工程にて、酸化皮膜のみをエッチングするように黒欠陥部をドライエッチングするので、黒欠陥部のエッチング速度を一定に保つことができ、黒欠陥修正後の吸収層または遮光層のパターンの端部にて良好な断面形状を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明のフォトマスクの欠陥修正方法、それを用いたフォトマスクの製造方法、およびそれを実施するためのフォトマスクの欠陥修正装置について詳細に説明する。
A.フォトマスクの欠陥修正方法
本発明のフォトマスクの欠陥修正方法は、基板と、上記基板上にパターン状に形成され、金属もしくは合金を含有し、露光光を吸収する吸収層または露光光を遮光する遮光層とを有するフォトマスクの欠陥修正方法であって、上記金属もしくは合金が、この金属もしくは合金の酸化物よりもエッチング速度が速いものであり、上記吸収層または遮光層の余剰に起因する黒欠陥部の表面および側面を酸化して、酸化皮膜を形成する酸化工程と、上記酸化皮膜のみをエッチングするように、上記黒欠陥部をドライエッチングするエッチング工程とを有することを特徴とするものである。
本発明のフォトマスクの欠陥修正方法について、図面を参照しながら説明する。
図1および図2は、本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の一例を示す工程図であって、反射型マスクの欠陥を修正するものである。図1(a)に示すように、基板2上に、多層反射層3およびバッファー層4がこの順に積層され、バッファー層4上に吸収層5がパターン状に形成された反射型マスク1は、吸収層5が余剰に存在している黒欠陥部10を有している。吸収層5は、金属もしくは合金を含有しており、露光光に対して低反射性を備えるために、あらかじめ、露出している表面および側面が酸化され、酸化皮膜6が形成されている。吸収層に含まれる金属もしくは合金が酸化されやすいものである場合は、吸収層のパターンの形成後に、空気中の酸素等により吸収層の表面および側面が自然に酸化される。
黒欠陥部10を除去するためには、まず、図1(b)に示すように、黒欠陥部10に、アシストガス(図示なし)を吹きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射して、黒欠陥部10表面の酸化皮膜6をエッチングする(エッチング工程)。エッチング後は、黒欠陥部10で吸収層5表面に酸化皮膜6がわずかに残存する状態となっている。
次に、図1(c)に示すように、黒欠陥部10に、吸収層5に含まれる金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガス12を吹きつけて、黒欠陥部10の表面および側面を酸化し、酸化皮膜6を形成する(酸化工程)。
次いで、図1(d)に示すように、黒欠陥部10に、アシストガス(図示なし)を吹きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射して、黒欠陥部10表面の酸化皮膜6をエッチングする(エッチング工程)。エッチング後は、上記と同様に、黒欠陥部10では吸収層5表面に酸化皮膜6がわずかに残存する状態となっている。
続いて、図1(e)に示すように、黒欠陥部10に酸化性ガス12を吹きつけて、黒欠陥部10の表面および側面を酸化して、酸化皮膜6を形成する(酸化工程)。
次に、図2(a)〜(e)に示すように、上記と同様にして、エッチング工程(図2(a),(c),(e))および酸化工程(図2(b),(d))を交互に繰り返し行う。このように、黒欠陥部を徐々にエッチングして、黒欠陥部が所望の厚さになるまでエッチング工程および酸化工程を交互に繰り返し行うことにより、黒欠陥部を除去する。
図3および図4は、本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の他の例を示す工程図であって、透過型マスクの欠陥を修正するものである。図3(a)に示すように、基板2上に遮光層7がパターン状に形成された透過型マスク9は、遮光層7が余剰に存在している黒欠陥部10を有している。遮光層7は、金属もしくは合金を含有しており、反射防止を目的として、あらかじめ、露出している表面および側面が酸化され、酸化皮膜6が形成されている。遮光層に含まれる金属もしくは合金が酸化されやすいものである場合は、遮光層のパターンの形成後に、空気中の酸素等により遮光層の表面および側面が自然に酸化される。
黒欠陥部10を除去するためには、まず、図3(b)に示すように、黒欠陥部10に、アシストガス(図示なし)を吹きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射して、黒欠陥部10表面の酸化皮膜6をエッチングする(エッチング工程)。エッチング後は、黒欠陥部10では遮光層7表面に酸化皮膜6がわずかに残存する状態となっている。
次に、図3(c)に示すように、黒欠陥部10に、遮光層7に酸化性ガス12を吹きつけて、黒欠陥部10の表面および側面を酸化し、酸化皮膜6を形成する(酸化工程)。
次いで、図3(d)に示すように、黒欠陥部10に、アシストガス(図示なし)を吹きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射して、黒欠陥部10表面の酸化皮膜6をエッチングする(エッチング工程)。エッチング後は、上記と同様に、黒欠陥部10では遮光層7表面に酸化皮膜6がわずかに残存する状態となっている。
続いて、図3(e)に示すように、黒欠陥部10に酸化性ガス12を吹きつけて、黒欠陥部10の表面および側面を酸化し、酸化皮膜6を形成する(酸化工程)。
さらに、図3(f)に示すように、黒欠陥部10に、アシストガス(図示なし)を吹きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射して、黒欠陥部10表面の酸化皮膜6をエッチングする(エッチング工程)。エッチング後は、また上記と同様に、黒欠陥部10では遮光層7表面に酸化皮膜6がわずかに残存する状態となっている。
次に、図4(a)〜(d)に示すように、上記と同様にして、エッチング工程(図4(b),(d))および酸化工程(図4(a),(c))を繰り返し行う。このように、黒欠陥部を徐々にエッチングして、黒欠陥部が所望の厚さになるまでエッチング工程および酸化工程を交互に繰り返し行うことにより、黒欠陥部を除去する。
本発明においては、黒欠陥部の表面および側面を酸化して酸化皮膜を形成する酸化工程を行い、エッチング工程にて、酸化皮膜のみをエッチングするように、黒欠陥部をドライエッチングするので、常に酸化皮膜をエッチングすることになり、酸化皮膜の下の吸収層または遮光層をエッチングすることはないため、黒欠陥部のエッチング速度を一定に保つことが可能である。吸収層または遮光層に含有される金属もしくは合金は、この金属もしくは合金の酸化物よりもエッチング速度が速いものであるので、吸収層または遮光層は酸化皮膜よりもエッチング速度が速くなる。しかしながら、上述したように、酸化皮膜のみがエッチングされ、吸収層または遮光層はエッチングされないので、吸収層または遮光層が過剰にエッチングされることがなく、吸収層または遮光層のパターンの端部の断面形状を良好なものとすることができる。
本発明においては、エッチング工程と酸化工程とを交互に繰り返し行ってもよく、エッチング工程と酸化工程とを同時に行ってもよい。
図5および図6は、本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の他の例を示す工程図であって、エッチング工程と酸化工程とを交互に行う場合であり、反射型マスクの欠陥を修正するものである。
エッチング工程と酸化工程とを交互に行う場合には、図5に例示するように、黒欠陥部10に、アシストガス用ガス銃13からアシストガス14を吹きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射して、黒欠陥部10表面の酸化皮膜6をエッチングするエッチング工程(図5(a),(c))と、黒欠陥部10に酸化性ガス12を吹きつけて、黒欠陥部10の表面および側面を酸化し、酸化皮膜6を形成する酸化工程(図5(b),(d))とを交互に繰り返し行ってもよい。この場合には、集束イオンビームや電子ビーム等の照射およびアシストガスの供給と、酸化性ガスの供給とを交互に繰り返し行うことで、エッチング工程と酸化工程とを交互に繰り返し行う。
また、エッチング工程と酸化工程とを交互に行う場合には、図6に例示するように、チャンバー15内に酸化性ガス12を導入して、チャンバー15内の圧力を所定の範囲に調整した後、酸化性ガス12の雰囲気中で、黒欠陥部10に、アシストガス用ガス銃13からアシストガス14を吹きつけながら、エネルギービーム鏡筒16から集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射して、黒欠陥部10表面の酸化皮膜6をエッチングするエッチング工程(図6(a))と、集束イオンビームまたは電子ビームの照射およびアシストガスの供給を停止し、酸化性ガス12の雰囲気によって黒欠陥部10の表面および側面を酸化し、酸化皮膜6を形成する酸化工程(図6(b))とを交互に繰り返し行ってもよい。この場合には、酸化性ガスの雰囲気中で、集束イオンビームや電子ビーム等の照射およびアシストガスの供給と、この集束イオンビームや電子ビーム等の照射およびアシストガスの供給の停止とを交互に繰り返し行うことで、エッチング工程と酸化工程とを交互に繰り返し行う。酸化性ガス雰囲気であっても、黒欠陥部に局所的にアシストガスを吹きつけながら、集束イオンビームや電子ビームを照射することにより、酸化皮膜をエッチングすることができる。
図7は、本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の他の例を示す工程図であって、エッチング工程と酸化工程とを同時に行う場合であり、反射型マスクの欠陥を修正するものである。エッチング工程と酸化工程とを同時に行う場合には、図7(a)に例示するように、黒欠陥部10に、混合ガス用ガス銃17からアシストガスおよび酸化性ガスの混合ガス18を吹きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射することにより、黒欠陥部10の表面および側面を酸化して酸化皮膜6を形成しつつ、この酸化皮膜6をエッチングしてもよい。また、図7(b)に例示するように、黒欠陥部10に、アシストガス用ガス銃13からアシストガス14を吹き付けるとともに、酸化性ガス用ガス銃19から酸化性ガス12を吹きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射することにより、黒欠陥部10の表面および側面を酸化して酸化皮膜6を形成しつつ、この酸化皮膜6をエッチングしてもよい。この場合には、黒欠陥部の表面および側面に酸化皮膜を形成しながら、この酸化皮膜をエッチングしており、エッチングおよび酸化が同時に連続的に行われる。すなわち、エッチング工程および酸化工程が同時に行われる。
以下、本発明のフォトマスクの欠陥修正方法における各工程、および本発明に適用されるフォトマスクについて説明する。
1.酸化工程
本発明における酸化工程は、吸収層または遮光層の余剰に起因する黒欠陥部の表面および側面を酸化して、酸化皮膜を形成する工程である。
黒欠陥部の表面および側面を酸化する方法としては、黒欠陥部を所望の深さ(厚さ)だけ酸化させることができる方法であれば特に限定されるものではないが、通常は黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを使用する方法が用いられる。ドライプロセスによる酸化処理であれば、高度な微細加工が可能であるので微細な黒欠陥部にも対応でき、また後工程として洗浄が不要だからである。
酸化性ガスを使用して黒欠陥部を酸化する方法としては、例えば、黒欠陥部に局所的に酸化性ガスを供給する方法、フォトマスクを酸化性ガスの雰囲気中に配置する方法などが挙げられる。
使用される酸化性ガスは、黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化するガスであれば特に限定されるものではなく、黒欠陥部に含有される金属もしくは合金の種類によって適宜選択される。このような酸化性ガスとしては、酸素、オゾン、水蒸気、過酸化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物、および二酸化塩素からなる群から選択される少なくとも1種を含むガスを用いることが好ましい。これらを含むガスは、タンタルまたはタンタル合金を酸化させるのに十分な能力があるためである。
エッチング工程と酸化工程とを交互に行う場合であって、図6に例示するように、酸化性ガス12の雰囲気中で、集束イオンビームまたは電子ビーム11等の照射およびアシストガス14の供給(図6(a))と、集束イオンビームまたは電子ビーム11等の照射およびアシストガス14の供給の停止(図6(b))とを交互に繰り返し行う場合には、チャンバー内に酸化性ガスを導入することによって、チャンバー内の圧力を1.0×10-1Pa〜1.0×10-4Pa程度に調整することが好ましい。酸化性ガスによってチャンバー内の圧力を上記範囲とすることにより、酸化工程においては黒欠陥部の表面および側面が速やかに酸化され、エッチング工程においては黒欠陥部に局所的にアシストガスを吹きつけることで黒欠陥部の周辺のみを酸化性ガスからアシストガスに置換することができるからである。
上記の場合には、チャンバー内に酸化性ガスを常時導入することによって、チャンバー内の圧力を上記範囲に調整することができる。
また、エッチング工程と酸化工程とを同時に行う場合であって、図7(a)に例示するように、黒欠陥部10に、アシストガスおよび酸化性ガスの混合ガス18を供給しながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11等を照射する場合、混合ガス中の酸化性ガスの割合は、黒欠陥部の表面および側面を速やかに酸化することができるように設定されることが好ましく、金属もしくは合金の種類等に応じて適宜選択される。具体的には5体積%〜95体積%程度とすることができる。
一方、図7(b)に例示するように、黒欠陥部10に、アシストガス14および酸化性ガス12をそれぞれ供給しながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11等を照射する場合、アシストガスおよび酸化性ガスの全体積に対する酸化性ガスの割合は、黒欠陥部の表面および側面を速やかに酸化することができるように設定されることが好ましく、金属もしくは合金の種類等に応じて適宜選択される。具体的には5体積%〜95体積%程度とすることができる。
2.エッチング工程
本発明におけるエッチング工程は、酸化皮膜のみをエッチングするように、黒欠陥部をドライエッチングする工程である。
黒欠陥部をドライエッチングする方法としては、黒欠陥部の表面や側面に形成された酸化皮膜のみを局所的にエッチングすることができる方法であれば特に限定されるものではない。中でも、黒欠陥部にアシストガスを供給しながらエネルギービームを照射することにより、黒欠陥部をガスアシストエッチングする方法が好ましく用いられる。エネルギービームのみを用いる場合に比較して、黒欠陥部を良好にエッチングすることができるからである。
エネルギービームとしては、黒欠陥部の表面や側面に形成された酸化皮膜のみを局所的にエッチングできるものであれば特に限定されるものではないが、集束イオンビームまたは電子ビームが好ましく用いられる。これらは、高度な微細加工が可能であり、微細な黒欠陥部にも対応できるからである。
集束イオンビームのイオン源としては、集束することができるものであればよいが、通常はGaが用いられる。
また、アシストガスとしては、黒欠陥部をエッチングできるガスであれば特に限定されるものではなく、例えば、XeF2、ヨウ素、SF6、CF4、NOx等が挙げられる。
エッチング工程と酸化工程とを交互に行う場合であって、図6に例示するように、酸化性ガス12の雰囲気中で、集束イオンビームまたは電子ビーム11等の照射およびアシストガス14の供給(図6(a))と、集束イオンビームまたは電子ビーム11等の照射およびアシストガス14の供給の停止(図6(b))とを交互に繰り返し行う場合には、エッチング工程にて、黒欠陥部に局所的にアシストガスを供給して、黒欠陥部の周辺のみを酸化性ガスからアシストガスに置換する。この場合、例えばアシストガスをジェット噴射することによって、黒欠陥部に局所的にアシストガスを供給することができる。
また、エッチング工程と酸化工程とを同時に行う場合であって、図7(a)に例示するように、黒欠陥部10に、アシストガスおよび酸化性ガスの混合ガス18を供給しながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11等を照射する場合、混合ガス中のアシストガスの割合は、酸化皮膜のみを効率的にエッチングすることができるように設定されることが好ましく、金属もしくは合金の種類等に応じて適宜選択される。具体的には5体積%〜95体積%程度とすることができる。
一方、図7(b)に例示するように、黒欠陥部10に、アシストガス14および酸化性ガス12をそれぞれ供給しながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11等を照射する場合、アシストガスおよび酸化性ガスの全体積に対するアシストガスの割合は、酸化皮膜のみを効率的にエッチングすることができるように設定されることが好ましく、金属もしくは合金の種類等に応じて適宜選択される。具体的には5体積%〜95体積%程度とすることができる。
エッチング工程では、酸化皮膜のみをエッチングするので、酸化皮膜を検出しながら、黒欠陥部をエッチングすることが好ましい。酸化皮膜の検出方法としては、非破壊による酸素の表面分析法を用いることができ、例えば、オージェ電子分光法により黒欠陥部表面の酸素原子の存在量を測定する方法、黒欠陥部表面の元素分析による方法等を用いることができる。また、あらかじめ、酸化工程における黒欠陥部の酸化条件ごとに形成される酸化皮膜の厚みを算出しておき、酸化皮膜のみがエッチングされるように、エッチング条件を選択してもよい。この際、黒欠陥部について酸素含有量の深さ方向組成分析を行い、膜中酸素含有率を算出することで、酸化皮膜の厚みを算出することができる。
酸化皮膜のみをエッチングするために、エッチング工程と酸化工程とを交互に行う場合には、酸化皮膜を完全に除去する前に、酸化皮膜のエッチングを停止することが好ましい。また、酸化皮膜のみをエッチングするために、エッチング工程と酸化工程とを同時に行う場合には、酸化皮膜が完全に除去された際には、エッチングガスの供給および集束イオンビームや電子ビーム等の照射を停止することが好ましい。
3.エッチング工程および酸化工程
本発明においては、上述したように、エッチング工程および酸化工程を、交互に行ってもよく、同時に行ってもよい。
エッチング工程および酸化工程を交互に行う場合には、黒欠陥部への集束イオンビームまたは電子ビームの照射およびアシストガスの供給と、黒欠陥部への酸化性ガスの供給とを交互に行ってもよく、また、酸化性ガスの雰囲気中で、黒欠陥部への集束イオンビームまたは電子ビームの照射およびアシストガスの供給と、集束イオンビームまたは電子ビームの照射およびアシストガスの供給の停止とを交互に行ってもよい。
この場合、エッチング工程と酸化工程とを繰り返し行う回数としては、吸収層または遮光層の厚み、および、エッチング工程でのエッチングされる酸化皮膜の厚み等に応じて適宜調整される。例えば、吸収層の厚みが90nm程度であり、1回のエッチング工程にて酸化皮膜を5nmの深さ(厚さ)までエッチングする場合には、18回ずつエッチング工程および酸化工程を交互に行うことによって、黒欠陥部を除去することができる。
一方、エッチング工程および酸化工程を同時に行う場合には、黒欠陥部に、アシストガスおよび酸化性ガスをそれぞれ供給しながら、集束イオンビームまたは電子ビームを照射してもよく、黒欠陥部に、アシストガスおよび酸化性ガスの混合ガスを供給しながら、集束イオンビームまたは電子ビームを照射してもよい。
なお、エッチング工程および酸化工程を同時に行う場合、酸化皮膜のみをエッチングするために、エッチング速度を比較的遅くすることが好ましい。
4.フォトマスク
本発明のフォトマスクの欠陥修正方法が適用されるフォトマスクは、基板と、上記基板上にパターン状に形成され、金属もしくは合金を含有し、露光光を吸収する吸収層または露光光を遮光する遮光層とを有するものである。
以下、フォトマスクにおける各構成について説明する。
(1)吸収層または遮光層
フォトマスクにおける吸収層または遮光層は、基板上にパターン状に形成され、金属もしくは合金を含有するものであり、この吸収層または遮光層に含有される金属もしくは合金は、その金属もしくは合金の酸化物よりもエッチング速度が速いものである。
吸収層または遮光層に含有される金属または合金としては、フォトマスクの吸収層または遮光層に用いられる金属または合金であって、その金属もしくは合金の酸化物よりもエッチング速度が速いものであれば特に限定されるものではない。中でも、金属もしくは合金のエッチング速度が、金属もしくは合金の酸化物のエッチング速度に対して、2倍以上速いことが好ましい。このような金属または合金が吸収層または遮光層に含有されている場合には、黒欠陥部のエッチング時に、吸収層または遮光層のパターンの端部にて過剰なエッチングが起こりやすいが、本発明を適用することにより、吸収層または遮光層のパターンの端部での過剰なエッチングを防ぎ、良好なパターンが得られるからである。
このような金属または合金としては、タンタルまたはタンタル合金であることが好ましい。タンタル(Ta)は非常に酸化されやすく、また例えばTaとその酸化物であるTaとでは、エッチング速度が十倍程度と大きく異なるからである。
TaまたはTa合金を含有する材料としては、例えば、Ta単体、TaN、TaSi、TaSiN、TaGe、TaGeN、TaB、TaBN等が挙げられる。
吸収層または遮光層の成膜方法としては、例えば、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、CVD法、蒸着法などが用いられる。
フォトマスクが、露光光を吸収する吸収層を有する場合には反射型マスクとなり、露光光を遮光する遮光層を有する場合には透過型マスクとなる。以下、反射型マスクおよび透過型マスクに分けて説明する。
(2)反射型マスク
反射型マスクは、基板と、基板上に形成された多層反射層と、多層反射層上にパターン状に形成された吸収層とを有するものである。以下、反射型マスクにおける吸収層以外の各構成について説明する。
(i)多層反射層
反射型マスクにおける多層反射層の材料としては、一般的に反射型マスクの多層反射層に使用されるものを用いることができ、中でも、露光光に対する反射率が極めて高い材料を用いることが好ましい。反射型マスク使用時においてコントラストを高めることができるからである。例えば、EUV光を反射する多層反射層としては、通常、Mo/Siの周期多層膜が用いられる。また、特定の波長域で高い反射率が得られる多層反射層として、例えば、Ru/Siの周期多層膜、Mo/Beの周期多層膜、Mo化合物/Si化合物の周期多層膜、Si/Nbの周期多層膜、Si/Mo/Ruの周期多層膜、Si/Mo/Ru/Moの周期多層膜、Si/Ru/Mo/Ruの周期多層膜等も用いることができる。
多層反射層を構成する各層の膜厚や、各層の積層数としては、使用する材料に応じて異なるものであり、適宜調整される。例えば、Mo/Siの周期多層膜としては、数nm程度の厚さのMo膜とSi膜とが40層〜60層ずつ積層された多層膜を用いることができる。
多層反射層の成膜方法としては、例えば、イオンビームスパッタ法やマグネトロンスパッタ法などが用いられる。
また、多層反射層上に、多層反射層の酸化防止やマスク洗浄時の保護のために、SiまたはRuが成膜されていてもよい。
(ii)バッファー層
反射型マスクにおいては、多層反射層と吸収層との間に、バッファー層が形成されていることが好ましい。バッファー層が形成されていることにより、吸収層をパターニングする際や、上述したように黒欠陥部を除去する際に、多層反射層がエッチングによるダメージを受けるのを防止することができるからである。また、多層反射層の最表面がSi膜やRu膜である場合には、酸化工程にてSi膜やRu膜が酸化されるのを防ぐことができるからである。Si膜やRu膜が酸化されると、多層反射層の反射率が低下するおそれがある。
バッファー層の材料としては、一般的に反射型マスクのバッファー層に使用されるものを用いることができ、通常、吸収層とエッチング特性の異なる材料、すなわち吸収層とのエッチング選択比が大きい材料が用いられる。バッファー層および吸収層のエッチング選択比は5以上であることが好ましく、より好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上である。さらに、バッファー層の材料としては、低応力で、平滑性に優れた材料であることが好ましい。特にバッファー層の平滑性は、0.3nmRms以下であることが好ましい。このような観点から、バッファー層の材料は、微結晶またはアモルファス構造であることが好ましい。
このようなバッファー層の材料としては、例えば、SiO、Al、Cr、CrN等が挙げられる。
バッファー層の成膜方法としては、例えば、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法などが挙げられる。
(iii)基板
反射型マスクにおける基板としては、一般的に反射型マスクの基板に使用されるものを用いることができ、例えば、ガラス基板や金属基板を使用することができる。中でも、ガラス基板が好ましく用いられる。ガラス基板は、良好な平滑性および平坦度が得られるので、特にフォトマスク用基板として好適である。ガラス基板の材料としては、例えば、石英ガラス、低熱膨張係数を有するアモルファスガラス(例えばSiO−TiO系ガラス等)、β石英固溶体を析出した結晶化ガラス等が挙げられる。また、金属基板の材料としては、例えば、シリコン、Fe−Ni系のインバー合金等が挙げられる。
基板は、高反射率および転写精度を得るために、平滑性が0.2nmRms以下であることが好ましく、また平坦度が100nm以下であることが好ましい。なお、平滑性を示す単位Rmsは、二乗平均平方根粗さであり、原子間力顕微鏡を用いて測定することができる。また、平坦度は、TIR(Total Indicated Reading)で示される表面の反り(変形量)を示す値である。この値は、基板表面を元に最小二乗法で定められる平面を焦平面としたとき、この焦平面より上にある基板表面の最も高い位置と、焦平面より下にある最も低い位置の高低差の絶対値である。また、上記平滑性は10μm角エリアでの平滑性であり、上記平坦度は142mm角エリアでの平坦度である。
(iv)反射型マスクの種類
反射型マスクの種類としては、EUV露光用反射型マスクが好ましいものとして挙げられる。すなわち、本発明が適用されるフォトマスクは、EUV露光用反射型マスクであることが好ましい。EUV露光用反射型マスクにおける吸収層には、Ta単体やTaを主成分とする材料が好ましく用いられる。Taは、上述したように酸化されやすく、例えばTaの酸化物であるTaよりもエッチング速度が十倍程度速い。そのため、EUV露光用反射型マスクに本発明を好ましく適用することができるのである。
(3)透過型マスク
透過型マスクは、少なくとも、基板と、基板上にパターン状に形成された遮光層とを有するものである。
透過型マスクに用いられる基板としては、一般的に透過型マスクの基板に使用されるものを用いることができ、例えば、ガラス基板やプラスチック基板を用いることができる。
透過型マスクにおける遮光層および基板以外の構成としては、透過型マスクの種類に応じて適宜選択される。
透過型マスクの種類としては、例えば、位相シフトマスク、バイナリーマスク(BIM:Binary Intensity Mask)等が挙げられる。
B.フォトマスクの製造方法
本発明のフォトマスクの製造方法は、上述のフォトマスクの欠陥修正方法を行うことにより、フォトマスクの黒欠陥部を修正する修正工程を有することを特徴とするものである。
本発明のフォトマスクの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明のフォトマスクの製造方法の一例を示す工程図であって、反射型マスクを製造する例である。
まず、図8(a)に示すように、基板2上に、多層反射層3とバッファー層4と吸収層5とがこの順に積層された反射型マスクブランク21を準備する。
次に、図示しないが、吸収層上にレジスト層を形成して、パターン描画、現像を行って、所定のレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして、吸収層をエッチングして、吸収層のパターンを形成する。続いて、残存するレジストパターンを除去する。これより、図8(b)に示すように吸収層5のパターンが得られる。そして、得られた吸収層5のパターンを、波長257nmの光を使用するマスク検査機によって検査し、エッチング不足による黒欠陥部10を確認する。
ここで、吸収層に酸化されやすい金属もしくは合金が含有されている場合には、吸収層のパターンの形成後に、空気中の酸素等により吸収層の表面および側面が自然に酸化される。その結果、図8(c)に示すように、吸収層5の表面および側面に酸化皮膜6が形成される。
次に、上記「A.フォトマスクの欠陥修正方法」に記載したように、図1および図2に示すように、黒欠陥部10にアシストガスを吹きつけながら集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射することにより、黒欠陥部10の表面および側面に形成された酸化皮膜6のみをエッチングし(図1(b),(d),図2(a),(c),(e))、酸化皮膜6のエッチング後に、黒欠陥部10に酸化性ガス12を吹きつけることにより黒欠陥部を酸化して酸化皮膜6を形成し(図1(c),(e),図2(b),(d))、このような黒欠陥部のエッチングおよび酸化を交互に繰り返し行って、図8(d)に示すように、黒欠陥部10を除去する(修正工程)。
次いで、図8(e)に示すように、露出しているバッファー層4をエッチングして、多層反射層3を露出させる。このようにして、露光光を反射する反射領域23と露光光を吸収する吸収領域24とを有する反射型マスク22が得られる。
本発明においては、上述のフォトマスクの欠陥修正方法によって黒欠陥部を修正する修正工程を行うので、黒欠陥部の修正時に吸収層または遮光層が過剰にエッチングされるのを防ぐことができ、高精細な吸収層または遮光層のパターンを得ることができる。
フォトマスクとして反射型マスクを製造する場合には、例えば、基板上に多層反射層とバッファー層と吸収層とがこの順に積層されたマスクブランク上に、レジスト層を形成し、このレジスト層にパターン描画および現像を行って、所望のレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとして吸収層をエッチングし、レジストパターンを除去し、吸収層のパターンを形成する。次いで、上記のフォトマスクの欠陥修正方法によって、吸収層のパターンの余剰による黒欠陥部を修正する。そして、反射領域のバッファー層を除去して、反射領域の多層反射層を露出させる。これにより、反射型マスクを得る。
また、フォトマスクとして透過型マスクを製造する場合には、例えば、基板上に遮光層が形成されたマスクブランク上に、レジスト層を形成し、このレジスト層にパターン描画および現像を行って、所望のレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとして遮光層をエッチングし、レジストパターンを除去し、遮光層のパターンを形成する。次いで、上記のフォトマスクの欠陥修正方法によって、遮光層のパターンの余剰による黒欠陥部を修正する。これにより、透過型マスクを得る。
以下、本発明のフォトマスクの製造方法における各工程ついて説明する。
1.マスクブランク調製工程
本発明においては、まず、マスクブランクを準備する。
マスクブランクは、フォトマスクの種類に応じて適宜選択され、一般的な反射型マスクブランクの製造方法または透過型マスクブランクの製造方法によって、作製することができる。
2.吸収層または遮光層のパターニング工程
次に、本発明においては、吸収層または遮光層のパターンを形成する。
吸収層または遮光層のパターンの形成方法としては、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。具体的には、吸収層または遮光層上にレジスト層を形成し、レジスト層をパターニングし、レジストパターンをマスクとして吸収層または遮光層をエッチングし、残存するレジストパターンを除去して、吸収層または遮光層のパターンを形成する。
レジスト層を用いた吸収層または遮光層のパターニング方法としては、一般的な方法を用いることができる。
3.修正工程
本発明における修正工程は、上述のフォトマスクの欠陥修正方法を行うことにより、フォトマスクの黒欠陥部を修正する工程である。
なお、フォトマスクの欠陥修正方法については、上記「A.フォトマスクの欠陥修正方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
4.その他の工程
本発明において、フォトマスクとして反射型マスクを製造する場合であって、反射型マスクがバッファー層を有する場合には、修正工程後に、反射領域に設けられたバッファー層を除去する。バッファー層の除去方法としては、一般的なバッファー層の除去方法を用いることができ、例えばドライエッチング等を挙げることができる。
C.フォトマスクの欠陥修正装置
本発明のフォトマスクの欠陥修正装置は、上述のフォトマスクの欠陥修正方法を実施するためのフォトマスクの欠陥修正装置であって、上記フォトマスクを収容するチャンバーと、上記フォトマスクにアシストガスを供給するアシストガス供給手段と、上記チャンバー内に上記フォトマスクの黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを導入する酸化性ガス導入手段と、上記フォトマスクに集束イオンビームまたは電子ビームを照射する照射手段とを具備することを特徴とするものである。
本発明のフォトマスクの欠陥修正装置について、図面を参照しながら説明する。
図9は、本発明のフォトマスクの欠陥修正装置の一例を示す模式図である。フォトマスクの欠陥修正装置30は、フォトマスクを収容するチャンバー15と、フォトマスクを設置するステージ31と、黒欠陥部にアシストガスを供給するアシストガス用ガス銃13(アシストガス供給手段)と、黒欠陥部に酸化性ガスを供給する酸化性ガス用ガス銃19(酸化性ガス導入手段)と、黒欠陥部に集束イオンビームまたは電子ビームを照射するエネルギービーム鏡筒16(照射手段)とを有している。
エネルギービーム鏡筒16は、イオン源または電子銃32と、光学系33とを有している。エネルギービーム鏡筒16が集束イオンビームを照射するものである場合には、例えばガリウムイオンを引き出す液体金属イオン源32から引き出された高輝度イオンビームを光学系33により集束させて、この集束された集束イオンビーム11をステージ31上に配置されたフォトマスク1の黒欠陥部に照射する。また、エネルギービーム鏡筒16が電子ビームを照射するものである場合には、電子銃32から放出された電子を光学系33によりビーム状に集束加速させて、この集束加速された電子ビーム11をステージ31上に配置されたフォトマスク1の黒欠陥部に照射する。
本発明のフォトマスクの欠陥修正装置を用いてフォトマスクの黒欠陥部を修正する方法について説明する。
まず、欠陥検出装置によって黒欠陥部を検出した後、この黒欠陥部にエネルギービーム鏡筒から集束イオンビームまたは電子ビームが照射されるように、フォトマスクが設置されたステージを動かしてフォトマスクの位置決めを行う。ステージ31は、XYZ方向へフォトマスク1を移動させるものであり、このステージ31を動かすことによって、集束イオンビームまたは電子ビーム11によりフォトマスク1の黒欠陥部を除去するための位置合わせを行う。
次に、黒欠陥部に、アシストガス用ガス銃13からアシストガスを吹きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビーム11を照射して、黒欠陥部の表面および側面に形成された酸化皮膜をエッチングする。次いで、酸化性ガス用ガス銃19から酸化性ガスを黒欠陥部に吹きつけて、黒欠陥部の表面および側面を酸化し、酸化皮膜を形成する。このような、集束イオンビームまたは電子ビームの照射およびアシストガスの供給と、酸化性ガスの供給とを交互に繰り返し行うことにより、黒欠陥部を徐々にエッチングしていき除去することができる。
本発明のフォトマスクの欠陥修正装置は、酸化性ガス導入手段を有しているので、黒欠陥部の表面および側面を酸化して酸化皮膜を形成することができる。したがって、この酸化皮膜を常にエッチングするように、集束イオンビームまたは電子ビームの照射およびアシストガスの供給と、酸化性ガスの導入とを調整することにより、高精度な黒欠陥部の修正が可能である。
また、本発明のフォトマスクの欠陥修正装置は、黒欠陥部の酸化を検出する検出手段を有することが好ましい。酸化皮膜を検出しながら、黒欠陥部をエッチングすることによって、酸化皮膜のみをエッチングして、酸化皮膜の下の吸収層または遮光層をエッチングしないようにすることができ、黒欠陥部のエッチング速度を一定に保つことができるからである。
以下、本発明のフォトマスクの欠陥修正装置における各構成について説明する。
1.酸化性ガス導入手段
本発明における酸化性ガス導入手段は、チャンバー内に、フォトマスクの黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを導入するものである。
酸化性ガス導入手段は、チャンバー内に酸化性ガスを導入することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、黒欠陥部に酸化性ガスを噴射するものであってもよく、チャンバー内全体に酸化性ガスを導入するものであってもよい。
酸化性ガス導入手段が黒欠陥部に酸化性ガスを噴射するものである場合には、図5に例示するように、集束イオンビームまたは電子ビーム11の照射およびアシストガス14の噴射と、酸化性ガス12の噴射とを交互に行って、黒欠陥部のエッチングおよび酸化を交互に行うことができる。またこの場合には、図7(a)に例示するように、集束イオンビームまたは電子ビーム11の照射と、アシストガスおよび酸化性ガスの混合ガス18の噴射とを同時に行う、あるいは、図7(b)に示すように、集束イオンビームまたは電子ビーム11の照射と、アシストガス14の噴射と、酸化性ガス12の噴射とを同時に行って、黒欠陥部のエッチングおよび酸化を同時に行うことができる。
一方、酸化性ガス導入手段がチャンバー内全体に酸化性ガスを導入するものである場合には、図6に例示するように、チャンバー15内に酸化性ガス12を導入してチャンバー内の圧力を所定に範囲に調整した後、酸化性ガス12雰囲気中で、集束イオンビームまたは電子ビーム11の照射およびアシストガス14の噴射と、集束イオンビームまたは電子ビーム11の照射およびアシストガス14の噴射の停止とを交互に行って、黒欠陥部のエッチングおよび酸化を交互に行うことができる。
また、酸化性ガス導入手段が黒欠陥部に酸化性ガスを噴射するものである場合、酸化性ガス導入手段は、アシストガス供給手段と別々に設けられていてもよく、アシストガス供給手段と一体に設けられていてもよい。酸化性ガス導入手段がアシストガス供給手段と一体に設けられている場合には、酸化性ガスおよびアシストガスの混合ガスを黒欠陥部に噴射するガス供給手段となる。
黒欠陥部に酸化性ガスを噴射する酸化性ガス導入手段、および、チャンバー内全体に酸化性ガスを導入する酸化性ガス導入手段としては、一般的に酸化性ガスを導入する手段として用いられるものを使用することができる。
なお、酸化性ガスについては、上記「A.フォトマスクの欠陥修正方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
2.アシストガス供給手段
本発明におけるアシストガス供給手段は、フォトマスクにアシストガスを供給するものである。
アシストガス供給手段は、フォトマスクにアシストガスを供給することができるものであれば特に限定されるものではないが、通常、黒欠陥部にアシストガスを噴射するものが用いられる。
黒欠陥部にアシストガスを噴射するアシストガス供給手段としては、一般的にアシストガスを供給する手段として用いられるものを使用することができる。
なお、アシストガスについては、上記「A.フォトマスクの欠陥修正方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
3.照射手段
本発明における照射手段は、フォトマスクの黒欠陥部に集束イオンビームまたは電子ビームを照射するものである。
照射手段は、集束イオンビームまたは電子ビームを照射することができるものであれば特に限定されるものではない。照射手段としては、一般的に集束イオンビームまたは電子ビームの照射に用いられるものを使用することができる。
なお、集束イオンビームおよび電子ビームについては、上記「A.フォトマスクの欠陥修正方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
4.チャンバー
本発明におけるチャンバーは、フォトマスクを収容するものである。
チャンバーは、フォトマスクを収容することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的なチャンバーを用いることができる。
上記酸化性ガス導入手段がチャンバー内全体に酸化性ガスを導入するものである場合には、チャンバーに、酸化性ガスの導入量を調整するバルブを介して酸化性ガス導入手段が接続されていてもよい。
5.検出手段
フォトマスクの欠陥修正装置は、黒欠陥部の酸化を検出する検出手段を有することが好ましい。酸化皮膜を検出しながら、黒欠陥部をエッチングすることによって、酸化皮膜のみをエッチングするように調整することができ、黒欠陥部のエッチング速度を一定に保つことができるからである。
検出手段としては、非破壊による酸素の表面分析を行うものを用いることができ、例えば、オージェ電子分光法により黒欠陥部表面の酸素原子の存在量を検出するもの、X線光電子分析、オージェ電子分光分析、電子顕微鏡分析等を用いることができる。
一方、本発明のフォトマスクの欠陥修正装置が検出手段を有さない場合には、例えば、あらかじめ、黒欠陥部の酸化条件ごとに形成される酸化皮膜の厚みを算出しておき、酸化皮膜のみがエッチングされるように、エッチング条件を選択することによって、酸化皮膜のみをエッチングすることができる。
6.その他の構成
本発明のフォトマスクの欠陥修正装置は、上記の構成のほかに、フォトマスクを設置するステージ、集束イオンビームまたは電子ビームの照射を制御する照射制御手段、アシストガスの導入を制御するアシストガス制御手段、酸化性ガスの導入を制御する酸化性ガス制御手段などを有していてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
図1(a)は、本発明に係る反射型マスクの1態様をあらわす断面図である。この反射型マスクでは、基板2上に反射部としての多層反射層3が形成され、その多層反射層3上にパターン形成補助膜となるバッファー層4が形成され、そのバッファー層4上に非反射部としての吸収層5が形成されている。特に、吸収層5は露光波長を強く吸収する役割の層で、酸化皮膜6はパターン検査における検査波長を強く吸収する役割の層である。吸収層5の黒欠陥部10をFIBもしくはEB方式の欠陥修正装置により、エッチング加工し黒欠陥部の修正を行う。エッチングと酸化を繰り返し、図2(e)に示したとおり黒欠陥部を修正する。以下に反射型マスクの黒欠陥修正方法の例を具体的に示す。
タンタルおよびタンタル合金からなり膜厚70nmの吸収層を有するEUV露光用反射型マスクの製造工程で発生したパターン欠陥を、マスクパターン欠陥検査装置で検出した。そのうちの黒欠陥部をFIB方式の欠陥修正装置にて修正することとし、アシストガスはXeF2を主体としたガスを使用した。まず、FIBにより黒欠陥部付近の画像取得を行い、パターンデータとの照合を行うことで、加工すべき黒欠陥部の特定を行った。次に、エッチングガスの噴射とFIB照射により黒欠陥部を深さ5nm除去した。このときエッチング深さ5nmの制御は、事前に当該マスク構造の酸化皮膜を除去するためのエッチングレートを算出しておき、エッチング時間を管理することで行った。その後、酸素を含む酸化性ガスを黒欠陥部に噴射し、黒欠陥部の表面および側面を酸化させた。続いて、エッチングガス噴射とFIB照射により黒欠陥部を深さ5nm除去した。この黒欠陥部のエッチング工程と酸化工程を14回繰り返し、黒欠陥部を修正した。
[実施例2]
図6(a)は、本発明に係る反射型マスクの断面図および欠陥修正装置の加工チャンバー断面概略図である。
マスクパターン欠陥検出装置で検出したマスクパターン上の黒欠陥部をFIB方式の欠陥修正装置で修正することとした。エッチングガスはXeF2を主体としたガスを使用した。FIBによる黒欠陥部付近の画像取得および黒欠陥部の特定後、黒欠陥部へのエッチングガス噴射とFIB照射により黒欠陥部を深さ5nm除去した。エッチング深さ5nmの制御は、事前に当該マスク構造の酸化皮膜を除去するためのエッチングレートを算出しておき、エッチング時間を管理することで行った。その後、FIB照射をストップし、黒欠陥部の表面および側面の酸化を行った。酸化の方法は、加工チャンバー内部の酸素により行った。具体的には、加工チャンバー内は1×10-2Paに保つよう酸素を導入しており、マスクパターンの黒欠陥部の酸化は、エッチングガス噴射を止め、チャンバー内に存在する酸素で行った。この黒欠陥部のエッチング工程と酸化工程を14回繰り返し、黒欠陥部を修正した。
本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の一例を示す工程図である。 本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の一例を示す工程図である。 本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。 本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。 本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。 本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。 本発明のフォトマスクの欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。 本発明のフォトマスクの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のフォトマスクの欠陥修正装置の一例を示す模式図である。 従来のフォトマスクの欠陥修正方法の一例を示す工程図である。
符号の説明
1 … フォトマスク
2 … 基板
3 … 多層反射層
4 … バッファー層
5 … 吸収層
6 … 酸化皮膜
7 … 遮光層
10 … 黒欠陥部
11 … 集束イオンビームまたは電子ビーム
12 … 酸化性ガス
14 … アシストガス

Claims (11)

  1. 基板と、前記基板上にパターン状に形成され、金属もしくは合金を含有し、露光光を吸収する吸収層または露光光を遮光する遮光層とを有するフォトマスクの欠陥修正方法であって、
    前記金属もしくは合金が、当該金属もしくは合金の酸化物よりもエッチング速度が速いものであり、
    前記吸収層または遮光層の余剰に起因する黒欠陥部の表面および側面を酸化して、酸化皮膜を形成する酸化工程と、前記酸化皮膜のみをエッチングするように、前記黒欠陥部をドライエッチングするエッチング工程とを有することを特徴とするフォトマスクの欠陥修正方法。
  2. 前記金属もしくは合金がタンタルもしくはタンタル合金であることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクの欠陥修正方法。
  3. 前記エッチング工程にて、前記黒欠陥部に、アシストガスを供給しながら、集束イオンビームまたは電子ビームを照射することにより、前記黒欠陥部をドライエッチングすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスクの欠陥修正方法。
  4. 前記酸化工程にて、前記黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを用いて、前記黒欠陥部の表面および側面を酸化し、
    前記黒欠陥部への前記集束イオンビームまたは電子ビームの照射および前記アシストガスの供給と、前記黒欠陥部への前記酸化性ガスの供給とを交互に繰り返し行い、前記エッチング工程と前記酸化工程とを交互に繰り返し行うことを特徴とする請求項3に記載のフォトマスクの欠陥修正方法。
  5. 前記酸化工程にて、前記黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを用いて、前記黒欠陥部の表面および側面を酸化し、
    前記酸化性ガスの雰囲気中で、前記黒欠陥部への前記集束イオンビームまたは電子ビームの照射および前記アシストガスの供給と、前記集束イオンビームまたは電子ビームの照射および前記アシストガスの供給の停止とを交互に繰り返し行い、前記エッチング工程と前記酸化工程とを交互に繰り返し行うことを特徴とする請求項3に記載のフォトマスクの欠陥修正方法。
  6. 前記酸化工程にて、前記黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを用いて、前記黒欠陥部の表面および側面を酸化し、
    前記黒欠陥部に、前記アシストガスおよび前記酸化性ガスを供給しながら、前記集束イオンビームまたは電子ビームを照射して、前記エッチング工程と前記酸化工程とを同時に行うことを特徴とする請求項3に記載のフォトマスクの欠陥修正方法。
  7. 前記酸化性ガスが、酸素、オゾン、水蒸気、過酸化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物、および二酸化塩素からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれかに記載のフォトマスクの欠陥修正方法。
  8. 前記フォトマスクが、前記基板と前記パターン状の吸収層との間に露光光を反射する多層反射層が形成されたEUV露光用反射型マスクであることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載のフォトマスクの欠陥修正方法。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかに記載のフォトマスクの欠陥修正方法を行うことにより、フォトマスクの黒欠陥部を修正する修正工程を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  10. 請求項1から請求項8までのいずれかに記載のフォトマスクの欠陥修正方法を実施するためのフォトマスクの欠陥修正装置であって、
    前記フォトマスクを収容するチャンバーと、前記フォトマスクにアシストガスを供給するアシストガス供給手段と、前記チャンバー内に前記フォトマスクの黒欠陥部に含有される金属もしくは合金を酸化させる酸化性ガスを導入する酸化性ガス導入手段と、前記フォトマスクに集束イオンビームまたは電子ビームを照射する照射手段とを具備することを特徴とするフォトマスクの欠陥修正装置。
  11. 前記黒欠陥部の酸化を検出する検出手段を具備することを特徴とする請求項10に記載のフォトマスクの欠陥修正装置。
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