JP2009096241A - 自動車内装品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】模様付きパネル3と隣接パネル2とが組み合わされている自動車内装品1において、模様付きパネル3は、表面側に露出する模様付きパネル側露出部7と、隣接パネル2と接して隠れる模様付きパネル側接合部8とを有し、隣接パネル2は、表面側に露出する隣接パネル側露出部10と、模様付きパネル3と接して隠れる隣接パネル側接合部11とを有し、模様付きパネル側接合部8の接線15と、隣接パネル側露出部10の接線16との成す角度Bを60°以下とし、模様付きパネル側露出部7の接線17と模様付きパネル側接合部の接線15との成す角度Aを約120°とした。
【選択図】図1
Description
従ってこの種のインストルメントパネルでは、中央部分(計器類が装着される部位とグローブボックスとの間)にシフトレバー装入部が設けられている。例えば特許文献1には、シフトレバー装入部が設けられたインストルメントパネルが開示されている。
すなわち本体パネル101は、シフトレバーパネル102が装着される開口103を有し、当該開口103にシフトレバーパネル102が装着されている。
そしてこの状態でシフトレバーパネル102が本体パネル101にネジ止めされている。
図8(a)は、従来技術のインストルメントパネルのシフトレバー装入部における本体パネルとシフトレバーパネルとの接合部分の断面斜視図であり、(b)は前記(a)の円内の拡大図である。
この様にシフトレバーパネル102は、本体部分の一部が奥に向かって傾斜し、端部が隣接する本体パネル101の内壁105に合わせて奥側に立ち下がっているから、シフトレバーパネル102の角の部位は鋭角となる。すなわちシフトレバーパネル102の外壁108は、組み立てた状態のときに表面側に露出する部分110(本体部分)から鋭角に立ち下がることとなる。
例えば図8(a),(b)に図示した例では、表面側に露出する部分110(本体部分)と外壁108との角度Cは約45°程度である。
しかしこれらの方法は、パネルの成形工程の他に模様付けのための工程が必要となり、製造工程の増加を招く。
そこで木目調のパネルを製造する方法として、射出成形と同時に木目模様を付する工法が開発されている。この工法は、IMD工法( インモールドデコレーション工法 In Mold Decoration)やインモールド工法あるいはインサート工法と称されるものである。
これら工法の定義や相違点は明確ではないが、少なくとも次の3種類の工法が知られている。
この工法では、基材たる射出成形層には転写層だけが積層され、転写シートのシート層は、成形後にはぎ取られる。
この工法では、基材たる射出成形層にシートそのものが接着される。
またこれの改良技術として射出成形型内でシートを真空成形するものも知られている。
しかしながら、本発明者らが上記したIMD工法等を採用して特許文献1に開示された様な複数のパネルを組み合わせた自動車内装品を試作したところ、従来技術からは予期できなかった新たな問題が発生した。
すなわちIMD工法等を採用して複数のパネルを組み合わせた自動車内装品を製造すると、パネル同士の合わせ部分の木目模様等の模様にに亀裂やフィルムの剥離が生じたり、木目模様等が延びて崩れ、違和感のある模様となる場合があった。
この理由を前記した図8を参照に説明すると次の通りである。
すなわち従来技術の自動車内装品において、本体パネル101とシフトレバーパネル102の接合部分に注目すると、図8(a)の円内に示すように、本体パネル101の内壁105が、表面側に露出する部分101(本体部分)から略垂直に立ち下がり、シフトレバーパネル102の外壁108がこの垂直壁(内壁105)と接している。
そのため前述した様にシフトレバーパネル102の端部は鋭角となる。具体的には、表面側に露出する部分110(本体部分)と外壁108との角度Cが約45°程度といった急角度を呈する。
ここでIMD工法等を採用してシフトレバーパネル102を製造する場合、前記した3工法のいずれを採用する場合であっても、平面状のシートや転写層が最終的にシフトレバーパネル102の形状に賦形される。そのため従来技術では、シフトレバーパネル102の端部の位置に相当するシート等は、他の部位に比べて強い変形を受け、亀裂が生じたり、模様が延びて崩れる事態となる。
図1は、本発明の実施形態の自動車内装品の要部を示す断面図である。図2は、本発明の他の実施形態の自動車内装品の要部を示す断面図である。
図1は、本発明の自動車内装品であって、前記した図8(a)の円内の拡大図に相当する部位を示している。
本実施形態の自動車内装品1は、従来技術(図7)と同様に、シフトレバー装入部100があり、シフトレバー装入部100は、本体パネル2と木目模様付きシフトレバーパネル3から構成されている。
すなわち木目模様付きシフトレバーパネル3は、パネル層5の表面に模様形成層(模様層)6が設けられたものである。
木目模様付きシフトレバーパネル3の具体的な製造方法は限定されるものではないが、本実施形態では、前記した第3の工法を採用している。すなわち予め熱可塑性樹脂シートに木目模様を印刷し、熱可塑性樹脂シートに木目模様の絵付けを行う。そして絵付けが成された熱可塑性樹脂シートを加熱して軟化させ、真空成形型に装着して真空成形し、木目模様付きシフトレバーパネル3の表面形状に合致する形状に賦形する。
ここで熱過疎性樹脂シートの素材は限定されるものではなく、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート、トリアセテート、ポリエーテルサルフィン、ポリエーテル・エーテルケトン、塩化ビニル、メチルメタアクリレート、アクリロニトリル−スチレン共重合体その他が採用可能である。
本体パネル2(隣接パネル)についても木目模様付きシフトレバーパネル3と組み合わされた状態のときに表面側に露出する隣接パネル側露出部10と、木目模様付きシフトレバーパネル3の端部と接して隠れる隣接パネル側接合部11とを有する。
すなわち本実施形態の自動車内装品1で採用するシフトレバー装入部100は、従来技術と同様にシフトレバー装入部100が本体パネル2と木目模様付きシフトレバーパネル3が接合させた構造となっているが、模様付きパネル側接合部7の接線15と、隣接パネル側露出部10の接線16との成す角度Bが従来のものに比べて非常に小さい。具体的には、模様付きパネル側接合部7の接線15と、隣接パネル側露出部10の接線16との成す角度Bは45°程度である。
角度Aは180°以下の範囲で大きいほど好ましく、少なくとも90°以上であることが必要である。またより好ましくは90°から135°であり、最も推奨される範囲は120°から135°である。
この様な事情から、角度B及び角度Aの条件を満足するエリアは、本体パネル2と木目模様付きシフトレバーパネル3とが接する領域の70%程度以上であることが推奨される。
ここで本体パネル2と木目模様付きシフトレバーパネル3の接合点からあまりに遠い部位を接線の基準とすると、本体パネル2と木目模様付きシフトレバーパネル3との一体感に寄与しない部位を基準とすることとなるために好ましくない。
逆に本体パネル2と木目模様付きシフトレバーパネル3の接合点に極めて近い部位としても不都合がある。すなわち木目模様付きシフトレバーパネル3の端部直近の部位は、本体パネル2に接触させなければならないという理由から平面形状が急変している場合がある。例えば前記した図1に示す本体パネル2であっても、接合点に極めて近い部位は、(図1の矢印Xの領域)は表面形状が急変している。そのため本体パネル2と木目模様付きシフトレバーパネル3の接合点に極めて近い部位を基準とすることも避けるべきである。
したがって本体パネル2の表面部分(隣接パネル側露出部10)の接線は、接合点近傍の表面形状の急変部(図1 矢印X)から外れた位置であって、接合点に最も近い位置を基準とするべきである。
また模様付きパネル側露出部7がなだらかな曲面である場合には、例えば模様付きパネル側露出部7の肉厚tとして接合点から2tの距離だけ離れた位置を基準として接線(接線17)を引き出す。
図3は、本発明の実施形態のインストルメントパネルの正面図である。図4は、図3に示すインストルメントパネルのシフトレバー装入部の一部を示す斜視図である。図5は、図4のA−A断面図である。図6は、図4に示すインストルメントパネルのシフトレバー装入部の一部の分解斜視図である。
インストルメントパネル30の外郭構成部31は、計器装着部32およびグローブボックス部33を有するものであり、公知の一体成形によって成形されたものである。すなわち外郭構成部31は、スラッシュ成形等によって成形された表皮と図示しない芯材を有し、両者の間に発泡ウレタン等の緩衝層が設けられたものである。
シフトレバー装入部34は、図6に示すように、シフトレバー部38その他が別パネルで作られている。すなわちシフトレバー装入部34は、複数の開口が設けられた本体パネル2と、本体パネル2の各開口に装着される複数の小パネルによって構成されている。
またシフトレバー部38は、本体パネル2に設けられた開口40に木目模様付きシフトレバーパネル41が装着されて構成されている。
木目模様付きシフトレバーパネル41は、先の実施形態と同様に木目調の模様を有するものであり、前記したIMD工法等によって成形されたものである。
すなわち木目模様付きシフトレバーパネル41は、図5に示すようにパネル層5の表面に模様形成層(模様層)6が設けられたものである。
木目模様付きシフトレバーパネル41には、本体パネル2に組み込まれた際に外部に露出する露出部(模様付きパネル側露出部)46と外部から見えない状態となる周辺部47がある。
周辺部47には、複数の開口51,52,53,54及び係合部56がある。これらのり開口51,52,53,54及び係合部56は、木目模様付きシフトレバーパネル41を本体パネル2に取り付ける際のネジ孔や係合手段として機能するものである。
本体パネル2(隣接パネル)についても木目模様付きシフトレバーパネル41と組み合わされた状態のときに表面側に露出する隣接パネル側露出部10と、木目模様付きシフトレバーパネル3の端部と接して隠れる隣接パネル側接合部11とを有する。
すなわち本体パネル2(隣接パネル)は、木目模様付きシフトレバーパネル41が装着される開口40を有し、この開口の内壁が隣接パネル側接合部11として機能する。
本実施形態のインストルメントパネル30についても、模様付きパネル側接合部8の接線15と、隣接パネル側露出部10の接線16との成す角度Bが従来のものに比べて非常に小さいので、木目模様付きシフトレバーパネル3(図1)の端部の角度を大きく設計することができる。
そのため木目模様付きシフトレバーパネル3をIMD工法等で成形しても、端部が深絞状態とならず木目模様が延びる等の不具合が生じない。
さらに本発明は、インストルメントパネル30に限定されるものではなく、コンソールボックスその他の自動車内装品に広く適用することができる。
2 本体パネル(隣接パネル)
3 シフトレバーパネル(模様付きパネル)
5 パネル層
6 模様形成層(模様層)
7 模様付きパネル側露出部
8 模様付きパネル側接合部
10 隣接パネル側露出部
11 隣接パネル側接合部
15 模様付きパネル側接合部の接線
16 隣接パネル側露出部の接線
17 模様付きパネル側露出部の接線
30 インストルメントパネル
34 シフトレバー装入部
40 模様付きパネル側露出部の開口
A 模様付きパネル側接合部の接線と模様付きパネル側露出部の接線とが成す角度
B 模様付きパネル側接合部の接線と隣接パネル側露出部の接線とが成す角度
Claims (7)
- 複数のパネルによって構成される自動車内装品であって、少なくとも一つの模様付きパネルとこれに隣接する隣接パネルとがあり、前記模様付きパネルと前記隣接パネルとが組み合わされている自動車内装品において、前記模様付きパネルは、隣接パネルと組み合わされた状態のときに表面側に露出する模様付きパネル側露出部と、隣接パネルと接して隠れる模様付きパネル側接合部とを有し、模様付きパネルと隣接パネルの接合部位の一部または全部において、模様付きパネル側露出部の接線と模様付きパネル側接合部の接線との成す角度Aが90°以上であることを特徴とする自動車内装品。
- 模様付きパネルと隣接パネルの接合部位の一部または全部において、模様付きパネル側露出部の接線と模様付きパネル側接合部の接線との成す角度Aが135°以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動車内装品。
- 隣接パネルについても模様付きパネルと組み合わされた状態のときに表面側に露出する隣接パネル側露出部と、模様付きパネルと接して隠れる隣接パネル側接合部とを有し、模様付きパネルと隣接パネルの接合部位の一部または全部において、模様付きパネル側接合部の接線と、隣接パネル側露出部の接線との成す角度Bが60°以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車内装品。
- 模様付きパネルはパネル層に模様層が積層されたものであって前記模様層はパネル層を成形する成形型内においてパネル層の成形時にパネル層に積層されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車内装品。
- 前記模様付きパネルは、別途形成された転写シート、別途形成された模様付きシート、あるいは予め賦形された模様付き賦形部材のいずれかを成形型内に配置し、成形型内にパネル層を構成する樹脂を充填して成形されたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動車内装品。
- 模様付きパネルは、模様付きパネル側露出部に開口又は凹部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の自動車内装品。
- 自動車内装品はインストルメントパネルであり、シフトレバー装入部を有し、シフトレバー装入部が模様付きパネルと隣接パネルとを備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の自動車内装品。
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