JP2009095661A - 栓体およびこれを具備する医療用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、従来の技術における上述した問題点を解決せんとするものであり、栓体をポートに締結した場合に、振動や経時変化による緩みを防止し、栓体の外れやポートからの内容物の漏出を防止することが可能で、かつ、栓体を容易に打栓することが可能であって、さらに、栓体自体に緩み防止機能を備えることで、締結する相手側ポートの形状を制限しない、栓体を提供することを目的とする。
【解決手段】
頭部と、前記頭部から突出した円筒部と、前記円筒部に形成されたねじ部とを備えた栓体において、前記ねじ部の圧接側面に、第1の螺合圧接面と、第2の螺合圧接面を備え、前記ねじ部が、前記第1の螺合圧接面と前記第2の螺合圧接面の間に段差部を備えることで、階段状に形成してなることを特徴とする栓体。
【選択図】図6

Description

本発明は、栓体に関し、医療用の流体処理ポートに好適に用いることができる栓体に関する。
従来より、栓体をポートに締結する場合には、栓体の材質をゴムなどの弾性体で形成し、弾性を利用して挿嵌し、固定する方法が広く知られている。かかる技術において、水や体液、血液、その他の液体や、空気などの気体を通すための流体処理ポート(以下、流体ポートということがある)に締結される栓体である場合、栓体のずれや外れにより、流体ポートの閉塞状態を保つことができず、液漏れが生じる場合があった。このため、確実な固定が可能な材質を選定することが、知られている(特許文献1)。
また、別の方法として、栓体側面に備えたねじにより螺合させることで、ポートに締結する方法が広く知られている。ねじにより螺合させる方法は、前述した挿嵌する方法と比較して、栓体の材質を広く選択することが可能であって、広く用いられている。
しかしながら、上記ねじにより螺合させる方法においては、振動や経時変化によりねじの緩みが生じると、締結力が弱まり、栓が外れることがあった。また、流体ポートの栓体として用いる場合には、ねじの緩みが生じることで、流体ポートの閉塞状態を保つことができず、流体の漏出が生じることがあった。
また、ねじの圧接側面に二つの異なる角度の斜面を形成する技術も知られている(特許文献2)が、この方法では、ねじ山を変形させなければならず、ねじ山の変形を促すためには大きな締め付けトルクが必要であることから、少ない締め付けトルクでは十分に効果を得ることができない場合があった。
また、ねじの緩みを防止するため、流体ポートに設けた突起に係合するよう、栓体リブを形成することが知られている(特許文献3)が、リブが係合する突起を設けたポート以外では、緩み防止の効果を発揮することができなかった。
特開2002−153539号公報 特開2006−57801号公報 特開2006−230739号公報
本発明は、従来の技術における上述した問題点を解決せんとするものであり、栓体をポートに締結した場合に、振動や経時変化による緩みを防止し、栓体の外れやポートからの内容物の漏出を防止することが可能で、かつ、栓体を容易に打栓することが可能であって、さらに、栓体自体に緩み防止機能を備えることで、締結する相手側ポートの形状を制限しない、栓体を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の栓体は、下記の構成からなる。
1.頭部と、前記頭部から突出した円筒部と、前記円筒部に形成されたねじ部とを備えた栓体において、前記ねじ部の圧接側面に、第1の螺合圧接面と、第2の螺合圧接面を備え、前記ねじ部が、前記第1の螺合圧接面と前記第2の螺合圧接面の間に段差部を備えることで、階段状に形成してなることを特徴とする栓体。
2.前記栓体を、前記円筒部の軸方向に投影した投影図において、前記円筒部の円周上に、前記栓体のねじ部の形成されていない部分が2箇所以上あることを特徴とする前記1に記載の栓体。
3.前記栓体のうち、少なくとも、前記円筒部と前記ねじ部が、曲げ弾性係数150Mpa以上、1600Mpa以下の範囲にある材質で形成されることを特徴とする前記1または2に記載の栓体。
4.前記円筒部に、流体を液密に保持するシール部を備え、該シール部に弾性体を有することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の栓体。
5.前記弾性体の硬度が30〜90の範囲内にある前記1〜4のいずれかに記載の栓体。
6.前記栓体取り外し時のトルクチャートがピーク部およびプラトー部を有してなり、ピーク部における最大緩みトルク値であるピークトップのプラトー部平均値に対する比が次式で表されることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の栓体。
5cN・m≦ピークトップ≦40cN・m
ピークトップ/プラトー部平均値=X (1.5≦X≦10)
7.医療用の流体処理ポートに用いられることを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の栓体。
8.前記7に記載の栓体を備えた医療用具。
9.前記1〜7のいずれかに記載の栓体を、前記第1の螺合圧接面をポートに備えられた螺合部に圧接させつつ回転し、ポートと栓体が突き当たり、ねじの進行が停止した後に、さらに回転することを特徴とする、栓体の締結方法。
10.前記ポートが、医療用の流体処理ポートであることを特徴とする、前記9に記載の栓体の締結方法。
11.ノズル部と、螺合部を備えたポートであって、前記螺合部の圧接側面に、第1の螺合圧接面と、前記第1の螺合圧接面に対して、前記ノズル部の根元方向上の圧接側面に形成された第2の螺合圧接面を備え、前記第1の螺合圧接面と前記第2の螺合圧接面の間に、段差部を備えることで、階段状に形成してなることを特徴とするポート。
12.医療用の流体処理に用いることを特徴とする前記11に記載のポート。
本発明によれば、栓体をポートに締結した場合に、振動や経時変化による緩みを防止し、栓体の外れやポートからの内容物の漏出を防止することが可能で、かつ、栓体を容易に打栓することが可能であって、さらに、栓体自体に緩み防止機能を備えることで、締結する相手側ポートの形状を制限することのない栓体を提供されるものである。
本発明における栓体とは、頭部と、頭部から突出した円筒部と、円筒部に形成されたねじ部を有するものであり、取り付ける相手や用途、大きさは特に規定しないが、栓体を取り付ける相手部材に螺合させ、回し進めると、栓体頭部が取り付ける相手部材と当接し、栓体の進行が停止して締結されるものであって、一例として、流体が流通するポートを密閉するための栓が挙げられる。上記ポートを流通する流体は、水や体液、血液、その他の液体や、空気などの気体をさすものである。また、流体ポートを密閉する栓以外の一例として、ボルトの先端に取り付ける袋ナットでも良い。
以下、本発明の最良の実施形態の例を中空糸膜を用いた血液浄化モジュール(以下、ダイアライザ)の血液ポートに具備される栓体に基づき、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る栓体およびダイアライザの血液ポートを一部断面概略図として示すものであり、栓体を挿入する前の状態を示している。
図1に示すダイアライザの血液ポート用栓体は、頭部1と、この頭部より突出した円筒部2を備え、円筒部の外周にねじ部3を備えている。円筒部の内周には、ポートを液密に保持するためのシール部4を備えている。頭部の外周には、ポートと締結した際にポートの外周を覆うようなカバー部5が設けられており、これにより、ポートに触れることなく打栓、抜栓作業をすることが可能となるため、医療用途に使用する場合には菌の付着を抑制することが可能となり、好ましく用いられる。本実施の形態は、ダイアライザを一例にとって説明するが、その他の医療用具として、血漿分離器、血漿成分分離器、血液濾過器、血漿成分吸着器、人工肺およびエンドトキシン除去フィルターなどが挙げられ、同じく好ましく用いられる。
栓体は、安価で、大量に精度よく製作できる点で、プラスチック材質が好適に用いられる。特に規定しないが、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂などのプラスチック材質が好適に用いられる。
また、シール部は、シール性を高める目的で、弾性体、すなわちゴム材質やエラストマー材質などの別部材を用いることが可能であり、栓体に組み込んでもよく、栓体の他の部分と一体成形をしても良い。
また、栓体が具備される血液ポートは、ノズル部7とノズル部の外周に形成された周壁部8を備えており、周壁部8の内壁には、台形のめねじ9が刻まれており、当該めねじ9に栓体のねじ部3が螺合して両者が締結される。
なお、血液ポートと栓体が締結されると、血液ポートのめねじの通気性が悪化し、生産工程において付着した水分が溜まり、衛生上問題になる場合があるため、頭部に、貫通穴10を設けることで、通気性を良くすることができる。
本実施の形態の場合においては、ポートの形状は、JIS T3250(2005)に定められているものであり、ねじは2条台形ねじで、ノズル部径や、周壁部径、ねじ部のピッチや径は、規定されている。血液ポートの材質については、特に規定しないが、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂などのプラスチック材質が好適に用いられる。
図2は、図1に示した栓体のねじ部の拡大断面図である。
本実施の形態においては、栓体の円筒部の外周には、血液ポートの2条台形めねじと螺合するように形成されたねじ部が備えられており、ねじ部は円筒部の軸方向に1列のみ形成されている。ねじ部には、その圧接側面、すなわち、血液ポートのねじ部と圧接する面において、第1の螺合圧接面11と第2の螺合圧接面12が備えられており、その間に段差部13が備えられることで、ねじ部が階段状に形成されている。第2の螺合圧接面は、第1の螺合圧接面に対して、円筒部の先端方向上の圧接側面に位置し、第1の螺合圧接面よりも、円筒部の半径方向の直径(ねじ径)が大きく、外周側に突出している。
図3は、本実施の形態に係るねじ部のその他の例を図示するものであり、段差部と、螺合圧接面との接点が滑らかにされている場合や、段差部が軸方向と平行でない場合を示している。この様な態様でも、本発明の効果を発揮することができる。
図4は、図1に示したダイアライザの血液ポートに用いる栓体の上面図である。ねじ部は、円筒部の外周に備えられており、対向する2箇所に形成されており、血液ポートの2条ねじと螺合するよう形成されている。すなわち、この態様では、栓体を円筒部の軸方向に投影した場合の投影図において、円筒部の円周上にねじ部の形成されていない部分が2箇所以上ある。これにより、第1の螺合圧接部が血液ポートのめねじを乗り越える際に、円筒部の内周方向に押し付ける力を受けたとき、円筒部が2方向から押し付けられることで、円筒部の断面が楕円状に変形するため、大きな締め付けトルクが必要とならず、手動で打栓作業を行う場合に、容易に打栓することが可能である。また、円筒部の肉厚は、特に規定しないが、上述した理由で、適切な肉厚とすることで、円筒部の断面が楕円状に変形し、容易に打栓することが可能となる。
図5は、本実施の形態のその他の例を図示した上面図である。図5の様に、栓体のねじ部が3箇所に形成されていてもよい。この態様では、上記「ねじの形成されていない部分」が3箇所ある。この様に、上記「ねじの形成されていない部分」が2箇所以上あることで、栓体の変形が容易となり、好ましい。また、栓体が円筒部の内周にめねじを備える場合であっても同様に、ねじの形成されていない部分が少なくとも2箇所以上あることで、変形が容易となり、好ましい。また、図5における実施形態とは異なるが、非等配置であってもよい。
本実施の形態においては、ねじ部は、円筒部の外周に2条台形ねじを1列のみ配置し、円筒部の対向する2箇所に形成されており、ねじ部には第1の螺合圧接面と第2の螺合圧接面が形成される。栓体を射出成形により形成する場合、栓体頭部に、水抜きの目的で形成される貫通穴10を、栓体のねじ部を上面からみたときの形状、位置に対応して形成させることで、金型の抜き穴とすることが可能となる。これにより、従来、ねじ部の螺旋構造を射出成形によって得る場合には、金型を回転させながら抜く必要があったが、第2の螺合圧接面付近に金型の割り位置を配置し、栓体の軸方向にスライドさせる金型のみで、ねじ部を形成することが可能となり、簡易的な金型で一体成形することが容易となる。
図6(a)は、図1に示したダイアライザの血液ポートと栓体の打栓の様子を示している一部断面概略図である。栓体のねじ部は、血液ポートのめねじと螺合しながらねじ込まれる。このとき、第1の螺合圧接面が、血液ポートのめねじと接触した状態でねじは進行方向に進み、血液ポート先端と栓体の頭部が突き当たり、栓体は進行方向に進むことが無い状態となる。
さらに栓体をまわすと、第1の螺合圧接面は、血液ポートのめねじと強く圧接され、円筒部が内周方向に反発力を受ける。これにより、第1の螺合圧接面が、めねじを乗り越え、第2の螺合圧接面が、めねじと圧接される。
図6(b)は、第1の螺合圧接面が血液ポートのめねじを乗り越えた後の状態を図示したものであり、この状態においては、第2の螺合圧接面の摩擦力に加え、円筒部の内径方向に受けた反発力により、段差部とめねじの接触面に摩擦力が生じている。
これにより、通常、ねじの圧接面の摩擦力のみで締結している場合に比べて、大きな摩擦力を得ることができ、ねじの緩みを防止することができる。
本実施の形態においては、栓体は円筒部の外周におねじを有し、血液ポートのめねじと螺合している場合を例に挙げたが、栓体が、円筒部の内周に備えためねじにより、締結される場合であっても、同様の効果を発揮することができる。この場合には、第2の螺合圧接面は、第1の螺合圧接面に対して、円筒部の根元方向に位置し、第1の螺合圧接面よりも、円筒部の内周側に形成されることとなる。また、この場合には、円筒部を長くして、ポートを覆う形にすることで、ポートに触れることなく打栓、抜栓作業をすることが可能となるため、医療用途に使用する場合には好ましく用いられる。さらに、上記したカバー部5を円筒部2とみなして、カバー部5の内側にねじ部3を有し、その圧接側面に上記第1の螺合圧接面、第2の螺合圧接面および段差部が備えられていてもよい。この場合、カバー部5内側のねじ部はめねじであり、流体処理ポートの周壁部8の外側におねじとなるねじ部が設けられる。
前述したように、栓体の材質には、プラスチックが好適に用いられ、特に円筒部とねじ部は、曲げ弾性係数が150Mpa〜1600Mpaの範囲の材質が好ましい。弾性係数が小さすぎると十分な反発力を得ることができず、弾性係数が大きすぎると大きなトルクを加えても円筒部が変形しにくく、ねじの破断が生じる恐れがあるため、より好ましくは、600Mpa〜1200Mpaの範囲の材質が好ましい。
また、前述のように、シール部には、シール性を高める目的で弾性体を用いることが可能である。かかる弾性体として、Oリング状のものが好適に用いられる。図6(c)は、シール部にOリング状の弾性体を有する栓体と、図1に示したダイアライザの血液ポートの栓体取り外し時の様子を示している一部断面概略図である。本実施の形態においては、栓体の円筒部内周面に矩形溝21を形成させ、該矩形溝にOリング状の弾性体22を挿嵌することで、容易な脱落を防止している。栓体を取り外す際、血液ポートのめねじを乗り越えていた第1の螺合圧接面が解放される。このとき、通常の台形ねじの螺合面同士のみが接触している場合に比べ、螺合面に加えて、栓体のおねじの段差部が接触している場合のほうが圧接面には大きな摩擦力が生じるために、通常の台形ねじよりも大きな緩みトルクが必要となる。
図6(d)は、血液ポートのめねじを乗り越えていた第1の螺合圧接面が解放された後の状態を図示したものである。かかる状態においては、第1の螺合圧接面が血液ポートのねじの下側に潜り込むため、栓体は図6(c)に比べて血液ポートのより下側に位置している。栓体のねじ部は、血液ポートのめねじと螺合しながら後退方向に進む。また、シール部と血液ポートのノズル部との間には弾性体による摩擦力が生じており、栓体の容易な脱落を防止することができる。
このとき、回転速度を1.2rpmとし0.1秒間隔で記録した緩みトルクデータを、横軸を時間とし縦軸をトルク値としてプロットしたグラフ(以下、トルクチャート)には、血液ポートのめねじを乗り越えていた第1の螺合圧接面が解放される際のピーク部が先ず現れ、次いでシール部と血液ポートのノズル部との間に生じる摩擦力等の影響によるプラトー部が現れる。ここでいうプラトー部とは、トルクチャートにおいて1秒間のトルク値の標準偏差が0.09以下であり、その状態が2秒以上継続する範囲のことである。このように、シール部に弾性体を用いることでトルクチャートにはプラトー部が現れ、第1の螺合圧接面が解放された後においてもなお栓体の容易な脱落を防止でき、安全性を向上させることが可能となる。
ピーク部における最大緩みトルク値(以下、ピークトップ)は、取り外し性を考慮し40cN・m以下であることが好ましく、ねじのゆるみ防止を考慮し5cN・m以上であることが好ましい。また、式(1)で表されるピークトップのプラトー部における緩みトルク値の平均値(以下、プラトー部平均値)に対する比(X)は、取り外しやすさを考慮し1.5以上であることが好ましく、栓体の脱落防止を考慮し10以下であることが好ましい。
ピークトップ/プラトー部平均値=X (1)
また、前述の通り、シール部にはゴム材質やエラストマー材質などの弾性体を用いることが可能であり、JISK 6253(2006)に記載の方法で測定した材質の硬度は、栓体を取り付け取り外しする際の取り扱い性を考慮し90以下が好ましく、また、シール性を損なう意図しない変形を防止するため30以上であることが好ましい。
図7は、図1に示した栓体を表す側断面図である。
上述したとおり、本実施の形態の場合においては、ポートの形状は、JIS T3250(2005)に定められているものであり、ノズル部先端の外径がφ6.0mm、めねじの内径φDp=11.0mmと定められている。
このポートに螺合可能な栓体であって、本発明における効果を得られる形状は、栓体の材質、栓体の円筒部の内径によって、適正値は異なるが、第1の螺合圧接面の最外周径φD1の寸法の好ましい範囲を、式(2)であらわすことができる。
φD1=φDp+A 、(0.1mm≦A≦0.4mm) (2)
この場合、Aは、第1の螺合圧接面におけるねじの係りしろであり、めねじ螺合部を乗り越える場合の栓体のねじの直径方向における変位量を示すものでもある。よって、円筒部の内径はこの変形が可能となるための隙間を、ノズル部との間に備えることが可能となるように設定する必要がある。
Aが小さすぎる場合、栓体を回し進める間に乗り越えが生じ、効果が十分に得られない場合があり、大きすぎると、大きなトルクを加えても第1の螺合圧接面が血液ポートのめねじを乗り越えることができず、ねじの破断が生じる恐れがあるため、上述の範囲であることが好ましい。
また、栓体がめねじの場合においては、φD1は螺合圧接面の最内径であり、φDpは流体ポートのおねじの最外周径とすることで、同様の関係を導くことができる。
また、ポートの形状が本実施の形態に依らない場合や、栓体の材質が異なる場合など、上述した関係式が適用できない場合がある。このような場合においては、栓体の3次元モデルを作成し応力と変形量の解析を用いることで、栓体を任意のねじりトルクで締め付けた場合におけるねじ部の直径方向の変位量を求めることができ、これを設計に利用することで適切な値を設定することが可能である。
栓体のねじ部の軸方向の長さCは、血液ポートの台形ねじに螺合可能に形成される必要があり、本実施の形態の場合は、軸と平行な方向の長さCは、JIS T3250(2005)に記載のポートのめねじ形状にあわせて、2.2mm程度以下である必要がある。この場合、段差部の軸と平行な方向の長さDが短すぎると、第1の螺合圧接面が乗り越えた状態を維持することが困難となり、軸方向の長さDが長すぎると、第2の螺合圧接面と、ねじ部の非圧接側斜面との厚みが薄くなり、第2の螺合圧接面の強度を保つことが困難となるため、適切な値を選択する必要がある。
前述した実施形態の例は、ダイアライザの血液ポートに具備される栓体について示したものであるが、以下、本発明の実施形態のその他の例として、本発明をポート側、具体的には、ダイアライザの血液ポートに適用する場合に基づいて説明する。
図8は、本実施の形態に係る栓体および血液ポートを一部断面概略図として示すものであり、栓体を挿入する前の状態を示している。
ポートには、ノズル部7と、ノズル部の外周に形成された周壁部8を備えており、周壁部8の内壁には、台形のめねじ92が刻まれており、このめねじ92に栓体のねじ部32が螺合して両者が締結されるものである。
図9は、本実施の形態に係る、血液ポートのめねじの拡大断面図であり、該めねじには、第1の螺合圧接面112が備えられ、該第1の螺合圧接面より、ポートの入り口方向に形成された、第2の螺合圧接面122が備えられ、この第1の螺合圧接面と該第2の螺合圧接面の間に、段差部132が備えられており、ねじ部が階段状に形成されている。
なお、本実施の形態においても、栓体のシール部に弾性体を同様に用いることで、第1の螺合圧接面が解放された後であってもなお、栓体の容易な脱落を防止でき、安全性を向上させることが可能である。
[実施例1]
以下、本発明に係る実施例を示す。
中空糸膜を用いた血液浄化モジュール(以下、ダイアライザ)に具備される栓体を、血液ポートに締結した。血液ポートの材質は、ポリカーボネート(曲げ弾性係数2300Mpa)であり、JIST3250(2005)に規定された形状である。
栓体は、図1に示す形状であり、ねじ部が、円筒部側面において対向2箇所に形成されている。ねじ部は、2条ねじであり、圧接側面に形成された第1の螺合圧接面の最外周径はφ11.5mm、であり、第2の螺合圧接面の最外周径はφ12.9mmである。
また、血液ポートのめねじの最内周径はφ11.0mmであるため、ねじの係りしろは、直径における長さとしては0.5mm、半径における長さとしては0.25mmである。
第1の螺合圧接面と第2の螺合圧接面の間に形成された段差部は、栓体の軸方向に平行に形成され、栓体の軸方向の長さは0.9mmである。
栓体の材質は、ポリエチレンで、曲げ弾性係数は820Mpaのものを使用した。
この栓体を、把持可能なホルダーに装着し、トルクドライバー(KANON製、N12LTDK)を用いてホルダーを回動させ、50cN・mで血液ポートに締め付けた。
上記の方法で締め付け完了5分後に、トルク試験機(杉崎計器製、DSD−4)を用いて、緩みトルクを測定した。
その結果、緩みトルクは、18cN・mとなった。
[比較例1]
実施例1に記載の血液ポートに、実施例1に記載のねじ部の断面形状が2条台形ねじである点のみが異なる栓体を締結した。
この栓体を、実施例1に記載の方法で、締め付けを行い、実施例1に記載の方法で、緩みトルクを測定した。
その結果、緩みトルクは5cN・mとなり、実施例1に比べ、緩みトルクが小さく、緩みやすいことが確認された。
[実施例2〜5]
実施例1に記載の血液ポートに、材質を曲げ弾性係数の異なるポリプロピレン(以下PP)、およびポリエチレン(以下PE)とした以外は実施例1に記載の栓体と同一の栓体を締結した。締め付けは、実施例1に記載の方法で行い、実施例1に記載の方法で緩みトルクを測定した。その結果、表1に示す結果となり、曲げ弾性係数150Mpa〜1600Mpaの栓体で良好な結果を得た。ここで、実施例2においては、打栓後にねじがつぶれているが、これは、締め付けトルクがより小さい値であるときは、同様の現象は起こらない。すなわち、材質や用途が異なる場合は、同じ曲げ弾性係数を有する場合でも、良好な結果を得られ得る。また、実施例5においては、第1の螺合圧接面を乗り越えられていないが、これは、締め付けトルクをより大きくすれば、乗り越えることは可能と考えられる(ただし、材質や用途によっては、締め付けトルクが大き過ぎると、ねじがつぶれる場合があるので、これらを考慮して設計することが重要である)。
[実施例6]
ねじ部が円筒部の全周に1つ形成されている以外は実施例1に記載の栓体と同一の栓体を締結した。締め付けは、実施例1に記載の方法で行い、実施例1に記載の方法で緩みトルクを測定した。その結果、表2に示す結果となった。締め付け後の栓体を確認した結果、本試験で付与した締め付けトルクでは、第1の螺合圧接面が、血液ポートめねじを乗り越えておらず、実施例1に比べ、緩みトルク向上の効果が見られなかった。たたし、締め付けトルクをより大きくすれば、乗り越えることは可能と考えられる。
[実施例7〜8]
実施例1に記載の血液ポートに、円筒部内周面に円筒部内天板部の裏面から0.6mmの位置に矩形溝を付与し、該溝にJISK 6253(2006)に記載の方法で測定した材質の硬度が70であり、内径φ6.0mm、外径φ8.9mmのニトリルゴム製Oリングを組み付けた以外は、実施例1に記載の栓体と同一の栓体を締結した。締め付け時のトルクを40cN・m〜60cN・mとした以外は実施例1に記載の方法で締め付けを行い、続いて、ゆるみトルク測定時の回転速度を1.2rpmとし0.1秒毎にトルク値を読み取った以外は実施例1に記載の方法で緩みトルクを測定した。結果を表3に示す。
[実施例9]
Oリングを組み付けなかった以外は実施例7〜8と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 2009095661
Figure 2009095661
Figure 2009095661
本発明における栓体の第1の実施の形態であり、栓体全体と該栓体が具備されるダイアライザの血液ポートを例示する側断面図である。 図1に示した栓体のねじ部を例示する部分断面図である。 本発明における栓体のそのほかの実施の形態を例示する側断面図である。 図1に示した栓体を円筒部の軸方向に投影した投影図である。 図4と同じ投影図であり、本発明における栓体のそのほかの実施の形態を例示する図である。 図1に示した栓体がポートに締結された状態を例示する部分断面図である。 図1に示した栓体の側断面図である。 本発明におけるポートの第1の実施の形態であり、ポート全体とポートに具備される栓体を例示する側断面図である。 図8に示したポートのめねじを例示する部分断面図である。
符号の説明
1 頭部
2 円筒部
3 ねじ部
4 シール部
5 カバー部
6 血液ポート
7 ノズル部
8 周壁部
9 めねじ
10 貫通穴
11 第1の螺合圧接面
12 第2の螺合圧接面
13 段差部
21 矩形溝
22 弾性体
32 ねじ部
92 血液ポート周壁部内壁のめねじ
112 第1の螺合圧接面
122 第2の螺合圧接面
132 血液ポート周壁部内壁の段差部
C 栓体のねじ部の軸方向の長さ
D 段差部の軸と平行な方向の長さ
φD1 第1の螺合圧接面の最外周径
φD2 第2の螺合圧接面の最外周径

Claims (12)

  1. 頭部と、前記頭部から突出した円筒部と、前記円筒部に形成されたねじ部とを備えた栓体において、前記ねじ部の圧接側面に、第1の螺合圧接面と、第2の螺合圧接面を備え、前記ねじ部が、前記第1の螺合圧接面と前記第2の螺合圧接面の間に段差部を備えることで、階段状に形成してなることを特徴とする栓体。
  2. 前記栓体を、前記円筒部の軸方向に投影した投影図において、前記円筒部の円周上に、前記栓体のねじ部の形成されていない部分が2箇所以上あることを特徴とする請求項1に記載の栓体。
  3. 前記栓体のうち、少なくとも、前記円筒部と前記ねじ部が、曲げ弾性係数150Mpa以上、1600Mpa以下の範囲にある材質で形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の栓体。
  4. 前記円筒部に、流体を液密に保持するシール部を備え、該シール部に弾性体を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の栓体。
  5. 前記弾性体の硬度が30〜90の範囲内にある請求項1〜4のいずれかに記載の栓体。
  6. 前記栓体取り外し時のトルクチャートがピーク部およびプラトー部を有してなり、ピーク部における最大緩みトルク値であるピークトップのプラトー部平均値に対する比が次式で表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の栓体。
    5cN・m≦ピークトップ≦40cN・m
    ピークトップ/プラトー部平均値=X (1.5≦X≦10)
  7. 医療用の流体処理ポートに用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の栓体。
  8. 請求項7に記載の栓体を備えた医療用具。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の栓体を、前記第1の螺合圧接面をポートに備えられた螺合部に圧接させつつ回転し、ポートと栓体が突き当たり、ねじの進行が停止した後に、さらに回転することを特徴とする、栓体の締結方法。
  10. 前記ポートが、医療用の流体処理ポートであることを特徴とする、請求項9に記載の栓体の締結方法。
  11. ノズル部と、螺合部を備えたポートであって、前記螺合部の圧接側面に、第1の螺合圧接面と、前記第1の螺合圧接面に対して、前記ノズル部の根元方向上の圧接側面に形成された第2の螺合圧接面を備え、前記第1の螺合圧接面と前記第2の螺合圧接面の間に、段差部を備えることで、階段状に形成してなることを特徴とするポート。
  12. 医療用の流体処理に用いることを特徴とする請求項11に記載のポート。
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