JP2009095443A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リプレイタイムが終了する第一の特定図柄の組合せを構成する特定図柄「7」と第二の特定図柄の組合せを構成する補助特定図柄「プラム」を設定し、特定図柄「7」の停止位置が、いずれか一つに限定される場合に限り、補助特定図柄「プラム」を停止させ、第二の特定図柄の組合せとなるように停止制御することで、すべての停止操作順において、特定図柄の組合せが停止される割合を均等にする構成としてある。
【選択図】 図10
Description
そして、内部抽せんにおける抽せん対象には、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象と、なんら遊技価値が付与されない抽せん対象であるハズレがある。遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象は、役と呼ばれ、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」がある。
これらの抽せん対象が抽せんされる抽せん確率は、通常、ハズレが頻出するとともに、小役、再遊技役が時折発生し、ボーナス役が稀に発生するように設定されている。したがって、遊技状態のうちの大半は、ハズレや小役、再遊技役が発生する通常遊技が占めることになり、遊技者は、このような通常遊技において、ボーナス役の当せんを期待しつつ、スロットマシン遊技を進行させている。
遊技者に有利となる遊技状態としては、上記の再遊技役が高確率で発生し、再遊技が頻出する状態(再遊技頻出遊技)が継続する、いわゆる「リプレイタイム(RT)」(以下、再遊技頻出遊技をリプレイタイムと称し、必要に応じて再遊技頻出遊技を使用する。)と呼ばれる遊技状態が知られている。
リプレイタイムでは、再遊技役が高確率で発生することから、再遊技役に当せんする度にメダルを投入することなく次回遊技可能となるため、その分投入するメダルの量も抑えられ、遊技者への負担が、通常遊技より軽減され、遊技者に有利な遊技状態となっている。
ボーナス遊技は、内部抽せんにより、ボーナス役に当せんするとともに、「7・7・7」などの所定の停止図柄の組合せが停止表示されることにより、通常遊技等からボーナス遊技に移行するようになっている。
ボーナス遊技は、所定の小役が高確率で発生するように設定され、既定のメダル数の獲得により終了するようになっている。
リプレイタイムでは、再遊技役が高確率で発生するとともに、この間の抽せん対象には、「ボーナス役」が含まれている。これにより、リプレイタイムでは、遊技者は、通常遊技より少ない遊技投資で、ボーナス役の当せんを期待しながら、遊技を楽しめるようになっている。
リプレイタイムの終了条件には、リプレイタイム中におけるボーナス役の当せんや、ボーナス役に対応する図柄の組合せの停止表示によるボーナス遊技への移行以外に、例えば、あらかじめ定められた遊技回数が消化されることや、特定の図柄の組合せ(以下、特定図柄の組合せという)が停止表示されることなどが、遊技機に関する規則において規定されている。
このようなスロットマシンでは、各リールを停止させる停止ボタンの操作時に、一定の技術を介入させた遊技者の選択により、特定図柄の組合せの停止表示を回避させる、いわゆる「ハズシ」を行わせることで、引続きリプレイタイムを継続させるようにしている。
例えば、特定役を「チェリー役」とし、対応する特定図柄の組合せが「左リールの左図柄・中リールの中図柄・右リールの右図柄」の順で「チェリー・ANY・ANY」(ANYは、図柄の種類を特定しないすべての図柄を示す、以下同じ。)としたときに、リプレイタイムにおいて、「チェリー役」に当せんし、当該当せんが遊技者に対して報知された場合には、遊技者は、左リールに対応して設けられた左停止ボタンを、左リールに「チェリー」が停止表示されないタイミングで停止操作をする、いわゆる「ハズシ」を行うことで、特定図柄の組合せが停止表示されず、リプレイタイムの終了が回避され、リプレイタイムを継続させることができるようになっている。
この例のように、左リールに「チェリー」が停止表示されないタイミングで、左停止ボタンを停止操作する場合には、遊技者が、回転中の左リールにおける「チェリー」を目視するとともに、「チェリー」が停止可能な範囲を通過した後に、停止ボタンを停止操作したり、「チェリー」が停止表示されない範囲に表された図柄である「ハズシ図柄」を目安とし、停止ボタンを停止操作したりする、いわゆる「目押し」と呼ばれる行為が必要とされる。
このような場合において、一般的に「チェリー」は、リールに占める図柄大きさが小さい部類の図柄に属するため、上級の遊技者にとっては、回転中のリールにおいて「チェリー」を識別でき、リプレイタイムの終了を回避することができるものの、特に「目押し」の技量が不足している初心者にとっては、識別しにくく、「目押し」を失敗する確率が高いため、リプレイタイムの終了を回避することが困難とされていた。
その結果、「目押し」の技量の差によって、遊技収支にも格差を生じさせることになり、初心者に対して、公平な遊技を提供するものではなかった。
この発明では、特定図柄の組合せが停止表示されることを回避し、特定の小役に対応する図柄の組合せを停止表示し易くするため、当該図柄の組合せを構成する所定のリールに表された図柄が、リールに占める図柄の大きさが大きい図柄であるボーナス役に対応する図柄「7」を採用している。
その結果、回転している当該リールにおいて、識別し易い「7」を「目押し」することで、「取りこぼし」が発生することなく、特定の小役に対応する図柄の組合せが停止表示させることができ、特定図柄の組合せの停止表示を回避することができるようになっている。
このように、ハズシ図柄を図柄の大きさが大きい「7」にすることで、初心者が「目押し」において、識別し易くなり、技量の格差を是正することができる。
リプレイタイムにおいて遊技者の関与により、リプレイタイムの終了を回避させ、リプレイタイムを継続させるタイプのスロットマシンでは、前述の一つのリールに停止表示される「チェリー」のみで、特定図柄の組合せが確定する「チェリー役」を特定役としている仕様のスロットマシンが、市場に多く設置させている。
ところが、前述したように、「チェリー」は、リールにおいて図柄の大きさの占める割合が比較的小さいという欠点があることから、「チェリー」が停止表示される範囲を外す「ハズシ」を行う場合の「目押し」においても、他の色の「チェリー」からなる「ハズシ図柄」を狙う「目押し」においても、「チェリー」の図柄自体の識別性が低いため、正確な「目押し」を困難にさせている。
単純に「チェリー」の外形を大きくすることも考えられるが、一般的には、ボーナス遊技に移行するボーナス役に対応する図柄である「7」等の識別性を優先するため、「チェリー」に比べ、「7」等を大きく形成する慣行があり、「チェリー」の図柄自体を大きく形成することは適切ではない。
ところが、このような一の有効ラインに沿って停止表示された固有の図柄の組合せに対応する役では、以下のような問題があった。
そして、当該停止ボタンの停止操作は、遊技者の任意のタイミングで停止操作されるとともに、停止操作の順番も任意に選択できるようになっている。
また、「役」に当せんした場合、スロットマシンでは、当該「役」に対応する図柄の組合せを構成する各図柄の停止表示可能な図柄コマ数(通常0〜4コマ)内において停止操作タイミングが発生したときは、当該「役」に対応する図柄の組合せとなるように停止制御しなければならないようになっている。
このような制約があるため、特定役に対応する図柄の組合せを、三つのリールにおいて一の有効ラインに沿って停止表示される固有の図柄の組合せとした場合において、停止ボタンの停止操作順の違いにより、当該図柄の組合せが停止表示される割合が異なる場合があった。
具体的には、最初に左リールにおける「7」を停止表示させる場合には、「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に停止表示させるように停止制御すればよいため、回転中の左リールにおける「7」が、「下段」に位置しているときに、停止操作タイミングが発生した場合には、停止表示可能な図柄コマ数として「0」を選択すれば「下段」の停止位置に停止表示できる。一方、回転中の左リールにおける「7」が、「上段」の停止位置よりリールの回転方向に対して4コマ後方に位置している場合には、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である「4」を選択することにより「上段」の停止位置に停止表示させることができる。
すなわち、左リールにおける「7」を最初に停止表示させる場合には、「7」を「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に引き込めるコマ数(以下、引き込み数という)は、「7」が「下段」に位置する場合から、「上段」の停止位置よりリールの回転方向に対して4コマ後方に位置している場合の範囲である「7コマ」存在することになる。
例えば、中リール及び右リールの各「上段」の停止位置に「プラム」が既に停止表示されている場合において、回転中の左リールにおける「7」が、「中段」、「下段」に位置するときは、リールを逆に回転しない限り、「上段」の停止位置には停止表示させることはできず、結局、回転中の左リールにおける「7」が、「上段」に位置する場合(停止表示可能な図柄コマ数は「0」)からリールの回転方向に対して4コマ後方に位置している場合の範囲である「5コマ」が引き込み数となる。
その結果、停止ボタンの操作の順番によっては、特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」で停止表示される割合が異なってしまい、これを逆手に取った遊技者が、最初に左停止ボタンを停止操作せずに、例えば、常に左停止ボタンを最後に停止操作することで、特定図柄の組合せが停止表示される割合を減らすことができてしまう。
一方、市場において一般的なスロットマシンの仕様と同様に、特定役を「チェリー役」とし、特定図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とした場合には、中リールと右リールに停止表示された図柄に拘わらず、左リールの上段、中段、下段のいずれかの停止位置に「チェリー」が停止表示されるのみで、特定図柄の組合せが確定する。このため、いかなる停止ボタンの停止操作順によっても、「チェリー」の引き込み数は「7コマ」となり、上記のような停止操作の順番の違いにより特定図柄の組合せが停止表示される割合が異なるような問題は生じない。
すなわち、前述したように「チェリー役」以外の役は、一の有効ラインに沿って3つのリールにおいて停止表示された固有の図柄の組合せの停止表示により成立するようになっている。このため、先に停止表示された図柄の停止位置によって、後に停止表示される図柄の停止位置が限定されてしまう。その結果、後に停止表示される図柄の引き込み数が少なくなり、ひいては特定図柄の組合せが停止表示される割合が減少してしまう。
具体的には、第二特定図柄と第三特定図柄は、各々各リールにおいて、停止表示可能な図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置されているため、対応する各停止ボタンの停止操作タイミング及び停止操作の順番に拘わらず、必ずある有効ラインに沿って停止制御されるようになっている。
一方、第一特定図柄は、第一リールに一つしか配置されていないため、第一リールに対応する停止ボタンの停止操作タイミングいかんによっては、停止表示されない場合もあり、停止表示されるか否かによって、第一の特定図柄の組合せの停止表示が左右される、前述の「チェリー」と同様な役割を果たす図柄となっている。
その結果、第一特定図柄の停止表示いかんによって、リプレイタイムの終了か又は継続かが決定されるため、遊技者が、当該第一特定図柄を停止表示可能な範囲以外で「目押し」をすることにより、停止表示されないようにする「ハズシ」の対象となる図柄となっている。
その結果、第一リールにおいて、図柄が、例えば、21図柄が配置されている場合は、第一特定図柄を停止表示させることができる割合は7/21となり、さらに、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、第二特定図柄と第三特定図柄は必ず停止表示されるため、7/21の割合で第一の特定図柄の組合せが停止表示されることになる。
その結果、停止ボタンの停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せの停止表示される割合の減少を補うことができ、停止ボタンの停止操作順によらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にすることができる。
これにより、第二の特定図柄の組合せは、第一リールに対応する停止ボタンが他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つの停止位置に限定される場合に停止制御されるように設定するとともに、第一補助特定図柄が停止表示可能な図柄コマ数を、第一特定図柄が停止表示可能な範囲を通過した後から第一補助特定図柄の通過までの2コマの範囲とあらかじめ設定することができる。
その結果、第一リールに対応する停止ボタンが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、2/21の停止表示の割合をもって、第二の特定図柄の組合せを停止表示させることができ、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことができる。
これにより、遊技者が、第一特定図柄を停止表示させない「ハズシ」を行う場合においても、第一特定図柄を識別し易い大きな外形の図柄を採用することができ、第一特定図柄を外すための「目押し」が容易にできる。
これは、第一リールに対応する停止ボタンが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作された場合において、第一特定図柄が通過した直後の停止操作のタイミングであれば、第一特定図柄が停止表示されないものと勘違いし、誤って、停止操作をすると、第一補助特定図柄が停止表示されてしまう場合があるからである。
このような勘違いを避けるためにも、第一リールに対応する停止ボタンを最初に停止操作をすることが好ましく、第一特定図柄が通過した直後を見計らって「目押し」をしても、第一補助特定図柄が停止表示されることはないため、特定図柄の組合せが停止表示されることはない。
以上のことより、停止ボタンの停止操作順に拘わらず、「チェリー役」と同等な引き込み数を確保しつつ、「ハズシ」を行う場合の目安となる第一特定図柄を識別性の高い大きな外形の図柄とすることができ、特定役に当せんした場合のリプレイタイムの終了を回避するための「目押し」において、上級遊技者と初心者との巧拙の格差を是正することができる。
一般的に、「目押し」の対象となるリールは、両端側に位置する左リール又右リールとされていることが多いため、第一リールが、左リール又は右リールに該当することが好ましい。
スロットマシンにおいては、ボーナス役に対応する図柄の組合せは、通常、「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」などの図柄の組合せからなり、これらの図柄の組合せを構成する図柄は、リールにおいて他の図柄より大きな外形で表されている。
ボーナス役は、遊技者が最も期待する抽せん対象であるとともに、各リールにおいて表されている数も少なく、遊技者の「目押し」を必要とするため、大きな外形で表されている。このため、上級者のみならず、初心者も、「目押し」に慣れ親しんでいる図柄であるため、「目押し」により「ハズシ」を行う場合にも、上級者と初心者との技量的な格差が生じにくい図柄である。
これにより、初心者でも、容易に「7」等を識別することで、簡単に「目押し」をすることができ、リプレイタイムの終了を回避することができる。
その結果、例えば、一の特定役に当せんし、この特定役に対応する第一特定図柄が、遊技者に報知された場合において、当該第一特定図柄と図柄の種類の異なる他の第一特定図柄である「ハズシ図柄」を積極的に狙って「目押し」を行うことができる。
そして、「ハズシ図柄」は、識別性の高い大きな外形で形成されているため、「ハズシ図柄」を狙った「目押し」を容易にすることができる。
このような構成とすることにより、前述のように「ハズシ図柄」を積極的に狙って「目押し」を行う場合にも、形状が同一なので、色の違いのみに着目して、「目押し」を行うことができる。
これにより第一特定図柄は、それ自体大きな外形で表されているとともに、各第一特定図柄の形状が同一なので、図柄の形状の違い見分ける必要がなくなり、色の違いのみ見分けることで、容易に「目押し」を行うことができる。
このような構成とすることにより、第一特定図柄と当該第一特定図柄の一図柄前方及び/又は後方に配置された図柄及び/又は図柄の背景が、同じ色彩が付されるため、第一特定図柄が2図柄又は3図柄の範囲に亘って一体的に識別されることから、回転中の第一リールにおいて、第一特定図柄を簡単に見分けることができ、「目押し」を更に容易にすることができる。
ここで、以下の実施形態に示す本発明のスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の制御、例えば、リールの回転開始,リールの停止制御,内部抽せん等を行わせる。このように、本発明にかかるスロットマシンにおける各制御,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものである。なお、プログラムは予めROM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行される。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るスロットマシン本体の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図であり、図2は、同じく本実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図であり、図3は、本実施形態に係るスロットマシンの表示窓における有効ラインを示す図である。
これら図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、従来のスロットマシンと同様に、スロットマシン1に備えられた複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体を獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
前扉1aは、図1及び図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられる扉体で、この前扉1aに前面パネル2とその他各部が備えられてスロットマシン1の正面部を構成している。
表示器L1は、液晶表示装置等からなる特定役の当せんを報知する後述の特定役報知手段等として機能し、リプレイタイムにおいて、特定役に当せんしたときに、リプレイタイムの終了を回避する「目押し」の負担を軽減させるために、特定役の当せん情報、特定役に対応する特定図柄の組合せの情報(各図柄の絵柄など)などを演出画像(動画及び静止画像を含む)として表示することで、遊技者に報知するようになっている。
この表示器L1による演出は、スピーカ9からの音による演出と連動して、又はスピーカ9による音による演出とは独立して行われるようになっている。
この表示器L1は、制御部10から送信されるとともに、筐体1bに設けられた演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられる表示器駆動回路42によって駆動制御される(図5参照)。
例えば、リプレイタイムにおいて、特定役に当せんしたときに、リプレイタイムの終了を回避する「目押し」の負担を軽減させるために、特定役の当せん報知、特定図柄の図柄名称などが、音声によりスピーカ9から出力されることで、遊技者に報知することができる。
このスピーカ9から発生される音声は、制御部10から送信されるとともに、筐体1bに設けられた演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられるサウンド回路41によって生成・出力されるようになっている(図5参照)。
表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に表された複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する三つの図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
そして、この表示窓3を介して視認されるリール21の停止図柄の組合せには、有効ラインが設定されている。
図3に示すように、有効ラインは、水平に3つ平行に並んだ中段、上段、下段の有効ライン1、有効ライン2、有効ライン3と、斜めにクロスする2つの有効ライン4、有効ライン5の計5ラインが設けられ、有効ライン1〜5に沿って停止表示されたリール21a〜21cに表された図柄の組合せによって、ゲームの結果が決定されるようになっている。
貯留枚数表示部2a,状態表示部2b及び獲得枚数表示部2cは、それぞれ7セグメントLED等からなり、所定の数値が表示されるようになっている。
貯留枚数表示部2aは、貯留メダル数が表示され、状態表示部2bは、ボーナス遊技におけるメダルの払出総数や消化ゲーム数が表示され、獲得枚数表示部2cは、入賞時の払出数が表示される。
各表示部は、制御部10に備えられた表示部駆動回路15によって駆動制御される(図5参照)。
ボーナス当せん告知部L2は、スロットマシン1の制御部10における内部抽せんの結果、ボーナス役に当せんした場合に、所定の条件に基づき、点灯又は点滅するLED発光ダイオード(以下、LEDという)と、LEDの光によって絵柄等を透光表示させる透光表示部とを有している。
特定役当せん告知部L3は、特定役に当せんしたときに報知手段として機能し、点灯又は点滅するLEDと、絵柄等をLEDの光によって透光表示させる透光表示部とを有している。
そして、上記の各告知部L2〜L3は、制御部10から送信されるとともに、演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられる表示器駆動回路42によって駆動制御される(図5参照)。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御部10にスタート信号が出力され(図5参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉又は順次に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、制御部10において内部抽せんが行われ、当せん内容が決定されるようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及び停止ボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに表された図柄を所定の組合せの停止表示となるようスロットマシン遊技を行うことができる。
メダル投入口6の本体内部側には、図2に示すようにメダルセレクタ6aが備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御部10に出力されるようになっている。これにより、メダル投入口6からメダルが1枚投入されれば1枚賭けのゲーム、2枚投入されれば2枚賭けのゲーム、3枚投入されれば3枚賭け(MAXBET)のゲームが行えるようになる。
具体的には、メダルが3枚投入されている状態で、さらにメダル投入口6からメダルが投入されると、4枚目以降のメダルは貯留メダルとして、所定数(例えば、最大50枚)が貯留,記憶される。また、入賞時の払出があった場合、貯留メダルの最大数までは、入賞メダルは貯留メダルとして貯留させる。貯留メダル数は前面パネル2の貯留枚数表示部2aに数値として表示される。
この精算ボタン6bが押下されることで、貯留メダル分のメダルがメダル払出装置30から遊技メダル払出口8に排出され、RAM11bに記憶された貯留メダル数のデータも消去される。
また、貯留メダルが精算されることで貯留枚数表示部2aの数値もゼロ表示となる。
具体的には、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダル(通常3枚)を貯留メダルから投入する3枚賭け用のMAXBETボタン7aと、一回の押下で1枚のメダルを貯留メダルから投入する1枚賭け用の1BETボタン7bとが備えられている。
1BETボタン7bは一回押下するたびに1枚賭け、2枚賭け、3枚賭けとBET数が増加するようになっている。
このBETボタン7が押下されると、メダル信号が制御部10に出力され(図5参照)、押下された回数と同数のメダルが、RAM11bに記憶された貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、貯留メダルが投入されると、RAM11bに記憶された貯留メダル数が投入数だけ減算され、貯留枚数表示部2aの表示数値も投入数だけ減ることになる。
停止ボタン5の押下によって停止された各リール21が所定の図柄の組合せとなった場合に、筐体内のメダル払出装置30から図柄の組合せに応じた数量のメダルが、遊技メダル払出口8より、払い出されるようになっている。払い出されたメダル数は、リールの表示窓3の下側にある状態表示部を構成する獲得枚数表示部2cに表示される。
ドラムユニット20は、三つのリール21a,21b,21cと、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持し、各リール21a〜21cに対応するステッピングモータ23a〜23cを回転駆動することで各リール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うモータ駆動回路22と、各リール21a〜21cが一回転する毎に各リール21a〜21cの基準位置を検出してマーカー信号として制御部10に出力する回胴位置検出部24と、を備えている(図5参照)。
各リール21a〜21cに表された図柄は、図4に示すように、各リールごとに等間隔で配設され、例えば色違いの3種類の「7」や「ベル」,「スイカ」,「チェリー」,「リプレイ」,「プラム」等の絵柄や文字が、所定の順番で表示されており、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、これらのリール21a〜21cに表された図柄が、スタートレバー4が押下操作されることで、下方向に回転するとともに、対応する停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、各リール21a〜21cに表された縦方向に連続して隣接する三つの図柄が、上述した表示窓3の有効ライン1〜5に沿って停止し、停止表示された停止図柄の組合せによって、遊技価値が付与される(図9参照)。
ドラムユニット20では、三つのリール21a〜21cは対応する三つのステッピングモータ23a〜23cによってそれぞれ回転自在に保持されており、スタートレバー4及び停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、モータ駆動回路22に制御部10からパルス(駆動)信号が入力され、ステッピングモータ23a〜23cを駆動して(図5参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御が行われる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御部10で内部抽せんが行われ、制御部10からのパルス信号によりドラムユニット20が制御されることで、停止ボタン5が押下されるタイミングに基づく所定の図柄コマ数の範囲内で、当せん内容に応じた図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるよう、各リール21a,21b,21cが停止制御されることになる。
そして、このメダル払出装置30から排出されるメダルが、前扉1aの遊技メダル払出口8からスロットマシン前面に払い出されて遊技者に提供されることになる。
次に、スロットマシン1全体を制御する制御部10について、図5、図6を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る制御部及びその周辺構成の概略を示すブロック図であり、図6は、本実施形態に係る制御部において実行される制御の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態の制御部10は、上述したスロットマシン1の各部を制御する、IC,メモリ,各種回路基板等を備えたマイクロコンピュータを有する制御基板として構成され、筐体1bの後部に配設されている。
具体的には、制御部10は、CPU11と、当該CPU11に内蔵され記憶手段であるROM11a及びRAM11b、基準クロックを発生する本体クロック発生回路12、乱数発生のための基準クロックを生成する乱数クロック発生回路14、内部抽せん用の乱数を生成する乱数カウンタ13、各表示部2a〜2cを駆動する表示部駆動回路15等を備えている。
そして、制御部10では、ROM11aに記憶されたプログラムやデータに基づき、スロットマシン1全体を制御する処理が実行されるようになっている。
さらに、停止表示された停止図柄の組合せを判定して、図柄の組合せに応じて、所定数のメダルを払出したり、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイムを含む複数の遊技状態に移行させたりするゲーム管理を行うようになっている。
以下、図6のフローチャートに基づき、制御部10で実行される処理の流れを詳細に説明する。
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイム(RT)が設けられている。
リプレイタイム(RT)は、通常遊技より、再遊技役が抽せんされる確率が高く設定された遊技状態となっている。
通常遊技においても、再遊技役は抽せんされる抽せん対象となっているため、再遊技役の抽せん確率で比較すると、リプレイタイム(RT)(高確率)>通常遊技(低確率)、となる関係が成り立つようになっている。
なお、ボーナス遊技においては、再遊技役は抽せんされないようになっている。
同図に示すように、リプレイタイム(RT)は、ボーナス遊技終了後に移行し、所定の遊技回数(Nゲーム回数)の間リプレイタイムが継続した後、通常遊技に移行するようになっている。なお、所定の遊技回数(Nゲーム回数)間に、特定図柄の組合せが停止表示されるか、又は、ボーナス役に当せんした場合には、通常遊技に移行するようになっている。
また、本実施形態では、電源投入時の遊技状態は、通常遊技から開始されるように設定されている。
このため、初期設定では、電源投入時の遊技状態を管理するため、ゲームモードフラグを通常遊技に設定する処理を行うようになっている。
本実施形態におけるゲームモードフラグと遊技状態の関係を図8に示す。
同図に示すように、ゲームモードフラグは、RAM11bに設けられたゲームモード領域にビット単位で設定されるようになっている。
具体的には、「ビット0」に「1」をセットで通常遊技、「ビット1」に「1」をセットでリプレイタイム(RT)、「ビット2」に「1」をセットでボーナス遊技となり、設定されたビット毎のゲームモードフラグを1ゲーム毎に参照することで、各遊技状態となるように制御される(ゲーム管理手段)。
そして、初期設定では、通常遊技となるように、同図における「ビット0」に「1」をセットし、その他のビットは、「0」でクリアされるようになっている。
これにより、電源投入後、ボーナス役に当せんし、ボーナス遊技となるまで、通常遊技が継続されるようになっている。
メダル投入処理では、具体的には、メダルセレクタ6aからのメダル信号及びBETボタン7(MAXBETボタン7a,1BETボタン7b)からのメダル信号の入力を監視し、メダル投入口6から投入されたメダルの枚数、又はBETボタン7が押下されて賭けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、BETボタン7からのメダル信号に基づき、RAM11bで記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに賭けられる賭け数1〜3が決定されることになる。
これにより、1回のゲームがスタート可能な状態となる。
以下、本実施形態に係る内部抽せんについて説明する。
更新範囲(0〜16383)で発生する乱数カウンタ13から出力される乱数をスタートレバー4の操作のタイミングで取得(ラッチ)し、取得された乱数を、遊技状態別の乱数テーブルの各抽せん対象に対応する当せん範囲と比較することにより、いずれの抽せん対象に対応する当せん範囲に属しているかを判定し、その属する当せん範囲が示す抽せん対象が今回ゲームの当せん内容として決定・当せんするようになっている。
遊技価値が付与される役には、対応する停止表示される各リール21に表された図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、遊技媒体は付与されないが、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」がある。
図9に本実施形態の抽せん対象である各役と、対応する停止表示される各リール21に表された図柄の組合せと、付与される遊技価値との関係を示す。
「再遊技役」は、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルの配当はないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技をすることができるようになっている。
小役Aは、対応する停止図柄の組合せが「赤7・プラム・プラム」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
さらに、小役Aは、本発明に係る特定の役(以下、特定役という。)であって、「赤7・プラム・プラム」の組合せが停止表示されることでリプレイタイム(RT)が終了する本発明に係る第一の特定の組合せ(特定図柄A)となっており、左リール21aの「赤7」、中リール21bの「プラム」、右リール21cの「プラム」が、各々本発明に係る第一特定図柄、第二特定図柄、第三特定図柄に該当する。
小役Bは、対応する停止図柄の組合せが「黄7・プラム・プラム」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
また、小役Bも、本発明に係る特定役であって、「黄7・プラム・プラム」の組合せが停止表示されることでリプレイタイム(RT)が終了する本発明に係る第一の特定図柄の組合せ(特定図柄B)となっており、左リール21aの「黄7」、中リール21bの「プラム」、右リール21cの「プラム」が、各々本発明に係る第一特定図柄、第二特定図柄、第三特定図柄に該当する。
小役Cは、対応する停止図柄の組合せが「緑7・プラム・プラム」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
同様に、小役Cは、本発明に係る特定役であって、「緑7・プラム・プラム」の組合せが停止表示されることでリプレイタイム(RT)が終了する本発明に係る第一の特定図柄の組合せ(特定図柄C)となっており、左リール21aの「緑7」、中リール21bの「プラム」、右リール21cの「プラム」が、各々本発明に係る第一特定図柄、第二特定図柄、第三特定図柄に該当する。
これにより、各第一特定図柄及び後述の第一補助特定図柄が停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、小役A〜Cのいずれかの小役に当せんした場合において、当該小役に対応する第一特定図柄「7」と色彩の異なる「7」をリプレイタイムの終了を回避する「目押し」の目安となる「ハズシ図柄」とすることができる。
その結果、例えば、小役Aに当せんし、この小役Aに対応する第一特定図柄である「赤7」が、遊技者に後述の特定図柄報知手段により報知された場合において、当該「赤7」と色彩の異なる「黄7」又は「緑7」を「ハズシ図柄」として積極的に狙って「目押し」を行うことで、「赤7・プラム・プラム」が停止表示されず、リプレイタイムの終了を回避することができるようになっている。
小役Eは、対応する停止図柄の組合せが「ベル・ベル・ベル」からなり、当該図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
また、小役Fは、対応する停止図柄の組合せが「スイカ・スイカ・スイカ」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが15枚配当されるようになっている。
図10は、第一の特定図柄の組合せと対をなす第二の特定図柄の組合せとの対応関係を示した図である。
小役Aに対応する特定図柄Aと対をなす第二の特定図柄の組合せとしては、左リール21aにおける「赤7」から当該リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された図柄番号「0」(図4参照)に該当する「プラム」を本発明に係る第一補助特定図柄とする「プラム(0)・プラム・プラム」となる組合せ(補助特定図柄A)が設定されている。
小役Aに当せんし、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「赤7」を停止表示させる場合、すなわち、「赤7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合、回転中における左リール21aの「赤7」が当該有効ラインを超え、プラム(0)までの範囲で、左停止ボタン5aが停止操作されたときに、「プラム(0)・プラム・プラム」が停止表示されるようになっている。
小役Bに当せんし、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「黄7」を停止表示させる場合、すなわち、「黄7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合、回転中における左リール21aの「黄7」が当該有効ラインを超え、プラム(7)までの範囲で、左停止ボタン5aが停止操作されたときに、「プラム(7)・プラム・プラム」が停止表示されるようになっている。
小役Cに当せんし、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「緑7」を停止表示させる場合、すなわち、「緑7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合、回転中における左リール21aの「緑7」が当該有効ラインを超え、プラム(14)までの範囲で、左停止ボタンaが停止操作されたときに、「プラム(14)・プラム・プラム」が停止表示されるようになっている。
これらの各第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄A〜Cは、停止表示により、「ハズレ」と同様に、なんら遊技価値を付与されることはないが、リプレイタイムにおいて、各小役に当せんしたときに、当該小役と対応関係にある補助特定図柄A〜Cが停止表示されることで、リプレイタイムが終了するようになっている。
なお、各小役A〜Cに当せんした場合において、当せんした小役と対応関係にない補助特定図柄A〜Cは、停止表示されないようになっている。
本実施形態の内部抽せんにおける遊技状態別の抽せん対象を図11に示す。
同図に示すように、抽せん対象には、例えば11種類の組合せが設けられており、各抽せん対象は、遊技状態毎で、抽せんされる確率が異なるように設定されている。
具体的には、同図に示すように、遊技状態別に異なる乱数テーブルが参照され、通常遊技では、通常遊技用の乱数テーブル、リプレイタイム(RT)では、リプレイタイム用の乱数テーブルを参照して内部抽せんが行われるようになっている。
そして、各参照される乱数テーブルは、抽せん対象が抽せんされる確率が異なるように、抽せん対象が当せんすることとなる当せん範囲が異なる値に設定されている。
なお、図中の「・・・」は抽せん対象毎に設定されている当せん幅の所定の数値を示している。
たとえば、抽せん番号10に該当する「リプレイ」の当せん幅は、通常遊技用の乱数テーブルでは、「2245」、リプレイタイム用の乱数テーブルでは、「13650」と設定されており、これにより各遊技状態における再遊技役(「リプレイ」)の当せん確率は、通常遊技では、「1/7.3」(≒2245/16384)、リプレイタイム(RT)では、「1/1.2」(≒13650/16384)となっている。
その結果、各遊技状態における再遊技役(「リプレイ」)の当せん確率を比較すると、リプレイタイム(RT)の当せん確率(高確率)>通常遊技の当せん確率(低確率)の関係となっている。
同様に、対応する図柄の組合せが第一の特定図柄の組合せとなる小役A〜Cも、所定の当せん確率となるように設定され、リプレイタイムにおいて、抽せん番号4〜6に当せんした場合に、当せんした小役に対応する色彩の「7」を停止表示させないように、他の色彩の「7」を「目押し」することで、特定図柄の組合せの停止表示を回避することができるようになっている。
乱数の判定は、抽せん番号が大きな値の抽せん番号から順次行い、各抽せん対象の当せん範囲の上限値と、乱数カウンタ13から取得された乱数と、を比較し、当該遊技における当せん内容が決定される。
決定された当せん内容は、当せんフラグによって管理されるようになっている。
図12は、RAM11bにおける当せんした各役に対応する当せんフラグを設定する当せんフラグ領域を示す図である。
同図に示すように、当せんフラグ領域は、当せん役に対応して当せんフラグ領域1〜当せんフラグ領域3が設けられ、当せんフラグ領域1は、ボーナス役を設定する領域、当せんフラグ領域2は、再遊技役(リプレイ)を設定する領域、当せんフラグ領域3は、各種小役を設定する領域となっている。
そして、内部抽せんにおいて、当せんした当せん内容に応じた当せんフラグが設定されるようになっている。
また、抽せん番号4の抽せん対象である「小役A」に当せんした場合には、当せんフラグ領域3の「ビット0」に「1」がセットされる。
同様に、抽せん番号10の抽せん対象である「リプレイ」に当せんした場合には、当せんフラグ領域2の「ビット0」に「1」がセットされる。
そして、この当せんフラグ領域のセットされたフラグを参照して、その後のリール停止制御処理や、停止図柄判定処理が行われ、停止図柄判定処理においてすべて「0」でクリアされるようになっている。
なお、これらの当せんフラグのうち、ボーナス役であるボーナスA、B、Cに関する当せんフラグは、対応する停止図柄の組合せ(「7・7・7・」)で停止表示されない限り、当せんフラグはクリアされず、当せんフラグが次回の遊技に持ち越されるようになっている。
そして、各リール21の回転中においては、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号により、各リール21a〜21cの図柄位置を監視する処理が行われるようになっている。
具体的には、RAM11bの所定の領域には、図13に示すように、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号を管理する図柄番号領域が、各リール単位で設けられている。
図柄番号領域は、制御部10がモータ駆動回路22に出力するパルス(駆動)信号が所定パルス数(各図柄間の回転角度に相当)毎に+1更新されるとともに、各リールが一周する毎に回胴位置検出部24から出力されるマーカー信号により、初期化(図柄番号0)されるようになっている。
そして、各図柄番号領域の値は、そのときの中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号と一致している(図4参照)。
これにより、後述するリール停止制御処理や停止図柄判定処理において、各リールに対応する停止ボタン5が停止操作された場合の、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄を判別することで、リール停止制御処理では、停止表示可能な図柄コマ数(0〜4コマ)の範囲内で、各リール21を回転させて停止することで、当せん内容に対応する図柄の組合せとなるように停止制御したり、停止図柄判定処理では、有効ライン1〜5に停止表示された図柄の組合せを判定したりすることができるようになっている。
リール停止制御処理では、遊技者が各停止ボタン5を押下するタイミングで発生するストップ信号に基づき、前述した内部抽せんにおける当せん内容(当せんフラグ)に対応した図柄の組合せが停止表示されるように各リール21を停止制御する(S6)。
具体的には、各リール21の停止制御は、リール21毎に、検出されたストップ信号のタイミングにおける各リールの図柄番号領域の図柄番号の値を参照し、停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0〜4コマ)にある当せんフラグに対応した停止図柄を各リール毎に決定するとともに、この図柄コマ数に対応するパルス信号をモータ駆動回路22に出力することで、目的とする停止図柄まで各リール21を回転させた後、各リール21を励磁して停止させる処理が行われるようになっている。
なお、当せんフラグに対応した停止図柄が停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0〜4コマ)にない場合には、図9のいずれの停止図柄の組合せとならない「ハズレ」の組合せとなるように各リールを制御する。
停止図柄テーブルは、当せんフラグと、各リール21の停止操作の順番と、図柄番号領域の図柄番号の値とにより、選択される停止図柄テーブルが異なるように複数の停止図柄テーブルが設けられ、各停止図柄テーブルには、ストップ信号のタイミングにおける図柄番号からリールを回転させる図柄コマ数(「0〜4」のいずれかの値)が設定されている。
停止図柄テーブルは、前述した図11における抽せん対象毎に異なる組合せとなるように選択される。これは、各抽せん対象に対応して、停止表示される図柄が異なるためである。また、停止ボタン5の停止操作の順番により、選択される停止図柄テーブルも異なるようになっている。
なお、選択される停止図柄テーブル及び停止図柄テーブルに設定された図柄コマ数は、図4に示す図柄の配列及びストップ信号のタイミングから回転可能な図柄コマ送り数(0〜4コマ)の範囲に基づいて、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで可能な限り停止するように設定されている。
ストップ信号のタイミングから回転可能な図柄コマ送り数(0〜4コマ)の範囲に当せん内容に対応する停止図柄が存在しない場合は、他の当せん内容に対応する停止図柄の組合せとなることもなく、図9におけるいずれの役にも該当しない「ハズレ」の組合せで停止表示されるように設定されている。
図14は、「小役C」に当せんした場合の、各リールに対応する停止ボタン5の停止操作毎に順次選択される停止図柄テーブルを模式的に示した図である。
同図に示すように、選択される停止図柄テーブルは、停止ボタン5の停止操作の順番により異なるようになっている。停止操作の順番は、遊技者の任意の選択により6通り存在する。
中リール21bに対応する中停止ボタン5bを最初に停止操作する場合では、「中停止ボタン5b→左停止ボタン5a→右停止ボタン5c」の順番で停止操作をする停止順3と、「中停止ボタン5b→右停止ボタン5c→左停止ボタン5a」の順番で停止操作をする停止順4とがある。
また、右リール21cに対応する右停止ボタン5cを最初に停止操作する場合では、「右停止ボタン5c→中停止ボタン5b→左停止ボタン5a」の順番で停止操作をする停止順5と、「右停止ボタン5c→左停止ボタン5a→中停止ボタン5b」の順番で停止操作をする停止順6とがある。
これらの停止順は、各停止ボタン5の押下操作により発生するストップ信号に基づき、判別されるようになっている。
そして、各停止順毎に、停止図柄テーブルが順次選択されることで、当せん内容に対応した停止図柄の組合せが停止表示されるようになっている。
これは、図4に示すように、中リール21及び右リール21cにおいて、「プラム」が、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である「4コマ」を超えない間隔をもって複数配置されているため、「プラム」を停止表示させる停止位置がいずれか一つに限定されても、停止ボタン5b,5cの操作のタイミングに拘わらず、必ず、当該停止位置に「プラム」を引き込むような停止制御ができるためである。
すなわち、中リール21及び右リール21cにおいて「プラム」は、停止操作順及び停止操作のタイミングに拘わらず、いかなる停止位置にも100%引き込むことができるようになっている。
さらに、「緑7」は、停止操作順によっては、上a、中a、下aの停止位置に停止表示される割合が変化する。
以下、停止操作順によって変化する「緑7」が停止表示される割合について説明する。
具体的には、図15に示す停止図柄テーブル101に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが図柄番号7〜図柄番号13(停止操作時における「中a」の停止位置の図柄番号、以下同じ)の範囲であれば、停止表示可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに停止表示させることができるようになっている。
すなわち、最初に左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する停止操作順においては、「緑7」を「上a」、「中a」、「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる引き込み数は、図柄番号7〜図柄番号13までの「7コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「上a」、「中a」、「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる割合は、7/21となる。その結果、第一の特定図柄の組合せである特定図柄Cが停止表示される割合も、中リール21及び右リール21cにおいて「プラム」は、100%引き込むことができることから考慮する必要はないため、同様に、7/21となる。
中停止ボタン5bを最初に停止操作する停止順3及び停止順4では、図14に示すように、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示される中リール21bを停止制御する停止図柄テーブル202が選択されている。
これより、有効ライン1又は有効ライン4又は有効ライン5に沿って、「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させることができるため、「緑7」を停止位置「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに停止制御するように停止図柄テーブル101が選択されるようになっている。
なお、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示される中リール21bを停止制御する停止図柄テーブル202が選択されている理由は、「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させることができる有効ライン数を最大限確保するためである。
これは、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示されているとともに、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」又は「中c」又は「下c」のいずれかに停止表示されていることで、「緑7・プラム・プラム」の組合せが停止表示される有効ラインが、有効ライン1又は有効ライン4又は有効ライン5に定まるためである。
また、右リール21cにおいて「プラム」が「中c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、「緑7」を「中a」に停止表示させることで、有効ライン1に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル103が選択されるようになっている。
同様に、右リール21cにおいて「プラム」が「下c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、「緑7」を「上a」に停止表示させることで、有効ライン4に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル102が選択されるようになっている。
例えば、図15に示す停止図柄テーブル102に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが、図柄番号7から図柄番号11の範囲であれば、停止表示可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」に停止表示させることができる。
すなわち、操作順4においては、「緑7」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「5コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、5/21となってしまう。
同様に、「緑7」を「中a」に停止表示させる停止図柄テーブル103及び「緑7」を「下a」に停止表示させる停止図柄テーブル104も、停止図柄テーブル104と同様、「緑7」を各停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「5コマ」となり、左リール21aにおいて「緑7」を「中a」又は「下a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、5/21となる。
具体的には、停止ボタンの停止操作順によって、「緑7」が停止表示される停止位置が、「上a」又は「中a」又は「下a」のいずれかに限定されるような場合には、左リール21aにおける図柄番号14の「プラム(14)」が本発明の第一補助特定図柄として機能し、特定図柄の組合せが停止表示される割合の低下を補うようになっている。
これにより、停止図柄テーブル102の例では、有効ライン4に沿って、第二の特定図柄の組合せである「プラム(14)・プラム・プラム」からなる補助特定図柄Cが停止表示される。
その結果、停止順4における第一の特定図柄の組合が停止表示される割合と、第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合を合計した、トータルの特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21に2/21を加えた7/21となり、停止順1及び停止順2及び停止順3と同等な割合にすることができる。
これにより、停止順4における第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことができ、停止順1〜4までの特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等に保つことができる。
これは、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示されているとともに、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」又は「「下c」のいずれかに停止表示されていることで、「緑7・プラム・プラム」の組合せが停止表示される有効ラインが、有効ライン4又は有効ライン5に定まるためである。
また、右リール21cにおいて「プラム」が「下c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、停止順4と同様に、「緑7」を「上a」に停止表示させることで、有効ライン4に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル102が選択されるようになっている。
なお、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」又は「下c」に停止表示される右リール21cを停止制御する停止図柄テーブル304が選択されているとともに、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示される中リール21bを停止制御する停止図柄テーブル202が選択されている理由は、「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させることができる有効ライン数を最大限確保するためである。
例えば、図15に示す停止図柄テーブル104に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが、図柄番号9〜図柄番号13の範囲であれば、停止制御可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「下a」に停止表示させることができる。
すなわち、操作順5においては、停止順4と同様、「緑7」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「5コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、5/21となってしまう。
これにより、停止図柄テーブル104の例では、有効ライン5に沿って、第二の特定図柄の組合せである「プラム(14)・プラム・プラム」からなる特定図柄Cが停止表示される。
その結果、停止順5における第一の特定図柄の組合が停止表示される割合と、第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合を合計した、トータルの特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21に2/21を加えた7/21となり、停止順1及び2及び3と同等な割合にすることができる。
これにより、停止順4と同様に、停止順5における第一の特定図柄の組合が停止表示される割合の減少を補うことができ、停止順1〜5までの特定図柄の組合が停止表示される割合を均等に保つことができる。
具体的には、図15に示す停止図柄テーブル105に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが図柄番号7〜図柄番号13の範囲であれば、停止制御可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」又は「下a」のいずれかに停止表示させることができるようになっている。
この場合は、停止順1〜3と同様、特定図柄Cが停止表示される割合は、7/21となるため、前述の停止順4及び5のように、第一補助特定図柄によって、特定図柄の組合せが停止表示される割合の低下を補う必要はない。
この場合には、小役Cに当せんした場合にも、該当する配当数のメダルも獲得できないこととなる。
なお、本発明の特定役である小役A又は小役Bに当せんし場合においても、「赤7」又は「黄7」の停止位置が、いずれかの停止位置に限定される場合において、停止操作のタイミングによっては、小役Cの場合と同様な停止制御により、対をなす第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄A又は補助特定図柄Bが停止表示され、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことで、いかなる停止順においても、均等に特定図柄の組合せが停止表示されるようになっていることは勿論である。
これにより、例えば、小役Cに当せんし、この小役Cに対応する「緑7」が、遊技者に後述する特定図柄報知手段により報知された場合において、「緑7」と色彩の異なる「赤7」又は「黄7」である「ハズシ図柄」を積極的に狙って「目押し」を行うことができる。
その結果、「目押し」に成功した場合には、第一の特定図柄である「緑7・プラム・プラム」の組合せは停止表示されず、リプレイタイムの終了は回避され、リプレイタイムを継続させることができる。
これにより、初心者でも、容易に「7」等を識別することで、簡単に「目押し」をすることができ、リプレイタイムの終了を回避することができる。
そのうえ、本実施形態では、各第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して一図柄前方に配置された図柄(「リプレイ」など)の背景が、各第一特定図柄「7」と同じ色彩が付される。これにより、各第一特定図柄「7」と当該第一特定図柄「7」の一図柄前方に配置された図柄(「リプレイ」などの背景)が、同じ色彩が付されるため、第一特定図柄「7」が2図柄の範囲に亘って一体的に識別されることから、回転中の右リール21aにおいて、各第一特定図柄「7」を簡単に見分けることができ、「目押し」を更に容易にすることができるようになっている。
なお、本実施形態では、各第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して一図柄前方に配置された図柄の背景を、各第一特定図柄「7」と同じ色彩としたが、図柄自体の色彩を同色にすることもできる。
また、各第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して一図柄前方のみならず、一図柄後方の図柄及び/又は背景を同色にすることもできる。
これにより、遊技者は、当せんした特定役を推測して、「ハズシ図柄」の「目押し」を行う。
色彩の異なる「7」が均等に3つ配置されており、停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、遊技者の推測が当る確率は2/3となり、この確率をもって、リプレイタイムの終了を回避することができる。
反対に、1/3の確率で、特定図柄の組合せが停止表示され、リプレイタイムを終了させることもできる。
停止図柄判定処理は、停止時の各リールの図柄番号領域における図柄番号を参照することで、停止図柄の組合せを判定する。
各リールの図柄番号領域における図柄番号は、前述したように、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号と一致しているため、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄を判別することで、すべての有効ライン1〜5に停止表示された図柄の組合せを判定することができる(図4参照)。
そして、判定された停止図柄の組合せが、内部抽せんにおいて当せんした当せんフラグに対応した停止図柄の組合せか否か判定し、合致していた場合には、当せんフラグに対応したその後の処理を行うようになっている。
以下、当せんフラグが、ボーナス役、再遊技役、小役の場合について説明する。
そして、図8におけるゲームモードフラグをボーナス遊技に該当する「ビット5」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、ボーナス遊技に移行するようになっている。
一方、当せんした当せんフラグが、ボーナス役であるにも拘わらず、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「7・7・7」で停止していないと判定した場合には、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域1の対応する「ビット」を「0」でクリアせずに、そのままにし、ボーナス役の当せんフラグを次回遊技に持ち越すようになっている。
この状態は、次回遊技においても、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「7・7・7」で停止しない限り、継続されるようになっている。
そして、ボーナス遊技が終了した時点で、図8におけるゲームモードフラグをリプレイタイム(RT)に該当する「ビット1」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、リプレイタイム(RT)に移行するようになっている(図7参照)。
一方、このような遊技状態において、リプレイタイム(RT)の終了か継続かの成否が決定される特定図柄の組合せが停止表示されることになる特定役が、図11のリプレイタイム用の乱数テーブルに基づき抽せんされるようになっている。
そして、表示器L1に表示された色彩の付された「7」と色彩の異なる「7」を狙いつつ、左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する「目押し」に成功することで、第一の特定図柄の組合せが停止表示されず、リプレイタイム(RT)の終了が回避され、リプレイタイム(RT)を継続させることができる。
また、特定役報知手段及び特定図柄報知手段を作動させない場合には、上記特定役の当せんは、外部から察知されないため、特定図柄の組合せで停止表示されるようになり、リプレイタイム(RT)を終了させるように作用させることもできる。
リプレイタイム(RT)の遊技回数は、RAM11bの所定の領域に設けられた遊技回数計数カウンタを、停止図柄の組合せの判定毎に更新することで、計数されるようになっている。なお、本実施形態では、リプレイタイム(RT)において、特定図柄の組合せが停止表示されたとき、又は、ボーナス役に当せんしたときには、通常遊技に移行するようになっている。
これらの場合には、図8におけるゲームモードフラグを通常遊技に該当する「ビット0」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、リプレイタイム(RT)を終了させ、通常遊技に移行するようになっている(図7)。
当せんした当せんフラグが、再遊技役の「リプレイ」であり、かつ、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」で停止したと判定した場合には、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域2の対応する「ビット0」を「0」でクリアと同時に、次回遊技において、メダル投入することなく遊技可能となるよう、図6に示すように、前述したメダル投入処理が終了した後の遊技状態に移行させるようになっている(S8)。
なお、再遊技役に対応する停止図柄の組合せを構成する図柄である「リプレイ」は、図4に示すように、各リールとも最大でも4コマの間隔をもって配置されているため、図柄コマ送り数「0〜4」の範囲であれば、停止ボタンの停止操作のタイミングによらず、常に「上,中,下」のいずれの停止位置にも停止可能であり、再遊技役は、必ず成立するようになっている。
各小役に対応する停止図柄の組合せで停止したと判定した場合は、図6に示すように、メダルが獲得される「入賞」として判定され(S9)、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域3の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、その後、メダル払出処理(S10)に移行するようになっている。
一方、各小役に対応する停止図柄の組合せで停止されず、いわゆる「取りこぼし」と判定された場合には、上記と同様、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域3の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、内部抽せんにおいて上記のボーナス役、再遊技役、小役のいずれにも該当しない「ハズレ」と同様、メダル投入処理(S2)以前の遊技状態に移行するようになっている。
具体的には、メダル払出処理では、図5に示すにホッパー駆動回路32を制御することで、ホッパー31内に設けられたメダル払出モータが駆動制御され、メダルを払出すようになっている。
そして、メダルが払出されることで、メダル検出部33の所定のセンサから1枚メダルが払出される毎に1パルスの払出信号が出力されるようになっている。
制御部10では、この払出信号を監視し、パルス数が各小役のメダル配当数になるまで、ホッパー駆動回路32を制御するようになっている。
これにより、小役の種類に応じた所定数のメダルを払出すことができる。
以上のように、図6に示すフローチャートに基づき制御部10において行われるメダル投入処理からメダル払出処理までの処理により、スロットマシン遊技における1ゲームをなすとともに、この1ゲームが繰り返されることで遊技が進行するようになっている。
次に、特定図柄報知手段、特定役報知手段として機能する演出制御部40について説明する。
演出制御部40は、制御部10と同様に、CPUやROM、RAMが搭載されたマイクロコンピュータであり、制御部10から送信された制御コマンドに従って、サウンド回路41及び表示器駆動回路42を制御することで、表示器L1,各告知部L3〜L4及びスピーカ9が所定の演出を行うように駆動制御される。
なお、制御部10と演出制御部40間の通信は、制御部10から演出制御部40への一方向性が担保された通信形態で構成されており、演出制御部40における制御処理により、制御部10が影響されないようになっている。
制御部10は、1ゲーム毎に内部抽せんにおける当せん内容やゲームモードフラグの内容を含む制御コマンドを演出制御部40に送信するようになっている。
その結果、演出制御部40では、この制御コマンドを解読することで、制御部10が管理する遊技状態に対応し、かつ、内部抽せんにおける当せん内容に即した演出を行うことが可能となっている。
リプレイタイム(RT)では、多彩な遊技性を備えるように、演出制御部40における抽せん処理やボーナス遊技後のゲーム回数に応じて作動、未作動が決定されるように設定されている。
例えば、演出制御部40において抽せん処理を行い、この抽せん処理に当せんした場合に特定図柄報知手段が作動するようにしてもよい。又は、ボーナス遊技後の所定の遊技回数の間(例えば、Nゲーム回数より少ない遊技回数間)は、特定図柄報知手段のみ作動し、その後は、特定役報知手段のみ作動するように設定することもできる。
これにより、遊技者は、左リール21aに当せんした特定役に対応した「7」と色彩の異なる「7」を「目押し」することで、リプレイタイム(RT)の終了が回避され、リプレイタイム(RT)を継続させることができる。
図16は、特定図柄報知手段又は特定役報知手段が作動した場合の表示器L1及び特定役当せん告知部L3の表示態様を示す図である。
同図に示すように、特定図柄報知手段が作動した時には、遊技者が、当せんした小役A〜C(特定役)に対応する色彩の「7」が判別可能となる表示態様となっている。
具体的には、表示器L1では、各小役に対応した色彩の「7」が表示されるようになっている。
これにより、遊技者は、左リール21aに各小役に対応した「7」と異なる色彩の「7」を狙って「目押し」を行うことができる。
このように、本発明の特定図柄報知手段が作動することで、各小役に対応した「7」と異なる色彩の「7」を狙って「ハズシ」を行い、リプレイタイム(RT)の終了を回避することができる。
具体的には、表示器L1では、各小役に対応した3色の「7」が同時に表示され、特定役当せん告知部L3では、点滅表示が行われる。これらの表示は、いずれか一方のみで行われることもある。
これにより、前述の特定図柄報知手段が作動せず、特定役報知手段のみが作動した時には、小役A、小役B、小役Cのうち、いずれの小役に当せんしたのか判別不能となっている。
その結果、遊技者は、当せんしたいずれかの小役を予測して、左リール21aに予測した小役に対応する「7」と色彩の異なる「7」を狙って「目押し」を行うようになっている。
これにより、遊技者に、リプレイタイム(RT)の終了か、継続かの成否を遊技者に委ねて決定させることができ、リプレイタイムにおいて、遊技者にスリルを味あわせることができ、遊技性の向上が図られる。
例えば、特定図柄報知手段が作動した場合には、左リール21aに各小役に対応した「7」と色彩の異なる「7」を狙って「目押し」を行うような音声を出力することもできる。
また、特定役報知手段のみが作動した場合には、前述した三者択一で「ハズシ図柄」の「目押し」を行うゲームを示唆する「三択」などの音声を出力してもよい。
すなわち、前述したように「チェリー役」以外の役は、一の有効ラインに沿って3つのリールにおいて停止表示された固有の図柄の組合せの停止表示により成立するようになっている。このため、先に停止表示された図柄の停止位置によって、後に停止表示される図柄の停止位置が限定されてしまう。その結果、後に停止表示される図柄の引き込み数が少なくなり、ひいては特定図柄の組合せが停止表示される割合が減少してしまう。
具体的には、第二特定図柄「プラム」と第三特定図柄「プラム」は、中リール21b及び右リール21cにおいて、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である4コマを超えない間隔をもって、複数配置されているため、対応する各停止ボタン5b,5cの停止操作タイミング及び停止操作の順番に拘わらず、必ずある有効ラインに沿って停止表示させることができるようになっている。
その結果、第一特定図柄「7」の停止表示いかんによって、リプレイタイムの終了か又は継続かが決定されるため、遊技者が、当該第一特定図柄「7」を停止表示可能な範囲以外で「目押し」をすることにより、停止表示されないようにする「ハズシ」の対象となる図柄となっている。
その結果、左リール21aにおいて、図柄が、例えば、21図柄が配置されている場合は、第一特定図柄「7」を停止表示させることができる割合は7/21となり、さらに、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合は、第二特定図柄「プラム」と第三特定図柄「プラム」は必ず停止表示されるため、7/21の割合で第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示されることになる。
その結果、停止ボタン5の停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せの停止表示される割合の減少を補うことができ、停止ボタン5の停止操作順によらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にすることができる。
これにより、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」は、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄「7」が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つの停止位置に限定される場合に停止制御されるように設定するとともに、第一補助特定図柄「プラム」が停止表示可能な図柄コマ数を、第一特定図柄「7」が停止表示可能な範囲を通過した後から第一補助特定図柄「プラム」の通過までの2コマの範囲とあらかじめ設定することができる。
その結果、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄「7」が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、2/21の停止表示の割合をもって、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」を停止表示させることができ、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合の減少を補うことができる。
これにより、遊技者が、第一特定図柄を停止表示させない「ハズシ」を行う場合においても、第一特定図柄を識別し易い大きな外形の図柄である「7」を採用することができ、第一特定図柄「7」を外すための「目押し」が容易にできる。
例えば、上述した実施形態のスロットマシンでは、使用する遊技媒体がメダル(コイン)の場合を示したが、本発明に係るスロットマシンに使用可能な遊技媒体はメダルに限られず、例えば、パチンコ球と同様の遊技球を遊技媒体として使用することもできる。このような遊技球を使用して遊技可能なスロットマシンは、パチロット等とも呼ばれ、本発明のスロットマシンとして適用可能である。
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) 停止ボタン
6 メダル投入口
7 BETボタン
8 遊技メダル払出口
9 スピーカ
10 制御部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30 メダル払出装置
40 演出制御部
Claims (5)
- スタート操作により各々数種類の図柄が所定の順序で配置された第一リール、第二リール、第三リールが回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンの停止操作により回転する各リールが停止されることで、各リールにおける連続して隣接する三つ図柄が、上段・中段・下段の停止位置に停止表示されるとともに、所定の有効ラインに沿って停止表示された各リールに表された図柄の組合せに基づき遊技価値を付与するスロットマシンであって、
複数の抽せん対象から所定の抽せん確率に基づいてゲーム毎に内部抽せんを行い、抽せんされた当せん内容に対応した図柄の組合せを構成する各リールにおける図柄が停止表示可能な所定の図柄コマ数内で、前記各停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときに、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとなるように各リールを停止制御する停止制御手段と、
通常遊技、ボーナス遊技、及び遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされる再遊技頻出遊技を含む複数の遊技状態に移行させるゲーム管理手段と、
前記抽せん対象となる特定の役に対応する図柄の組合せであって、第一リールにおいて他の図柄の外形より大きく表され、当該リールに一つ配置される第一特定図柄と、第二リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第二特定図柄と、第三リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第三特定図柄の組合せからなり、前記各特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで、前記再遊技頻出遊技が終了する第一の特定図柄の組合せと、前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された第一補助特定図柄と、前記第二特定図柄と、前記第三特定図柄の組合せからなり、前記第一補助特定図柄と前記第二特定図柄と前記第三特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで遊技価値が付与されることなく前記再遊技頻出遊技が終了する第二の特定図柄の組合せと、を設定する特定図柄設定手段と、を備え、
前記停止制御手段が、前記特定の役に当せんし、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内で、第一リールに対応する停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときは、前記第一の特定図柄の組合せとなるように各リールを停止制御するとともに、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内を通過し、2コマ以内に当該停止操作のタイミングが生じたときは、各停止ボタンの停止操作順により、前記第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、前記第一補助特定図柄を停止表示させ、第二の特定図柄の組合せとなるように第一リールを停止制御することを特徴とするスロットマシン。 - 前記第一特定図柄が、ボーナス役に対応する図柄の組合せを構成する図柄と兼用される請求項1記載のスロットマシン。
- 前記第一特定図柄が、前記第一リールにおいて複数表され、前記各第一特定図柄が種類の異なる図柄からなるとともに、当該各第一特定図柄に対応する第一の特定図柄の組合せが複数設けられ、当該各第一特定図柄と対をなす前記第一補助特定図柄を備え、
前記各第一特定図柄が、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値に少なくとも2コマ加えた間隔をもって、前記第一リールに配置される請求項1又は2記載のスロットマシン。 - 前記複数の各第一特定図柄が、形状が同一で、色彩が各々異なる図柄からなる請求項3記載のスロットマシン。
- 前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して一図柄前方及び/又は後方に配置された図柄及び/又は図柄の背景が、当該第一特定図柄と同じ色彩が付される請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットマシン。
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