JP2009094446A - パターン形成方法およびパターン形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクジェット法により導体パターンを形成する際、印刷および乾燥工程において、吐出されたインクが基板上で広がることを抑制し、所望のパターンを形成する。
【解決手段】 ヘッド本体27よりインクが吐出されるのに先立ち、基板温度検知手段9により基板25の温度を測定する。基板25の温度が、インクの温度より低い温度設定範囲内になるように、コントローラ12によりペルチェ素子群23を動作させて、基板25の温度を調節する。基板25の温度がこの温度設定範囲内に維持された状態で、インクを吐出し、その後、乾燥槽内に搬入された基板25の温度を、基板25に着弾したインクが適切な粘度に保持されるように調節した状態で、槽内を減圧させて、基板25の乾燥を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット法により、電子回路部品の導体部パターン、絶縁部パターンを形成するパターン形成方法、およびこれらパターンを形成するパターン形成装置に関するものである。
従来、印刷対象物にインクを吐出するインクジェット装置においては、インクが印刷対象物上に着弾した際に、着弾したインクが広がってしまうことが問題となっており、これを解決するために、様々な対策が講じられている。
その一例として、紙に印刷を行うものにおいては、着弾したインクに紫外線を照射して、インクの表面を硬化させる手段を設けるとともに、この硬化地点よりも上流側に、この紙を冷却する冷却装置を設ける構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、吐出されたインクが着弾するのに先立って予め紙を冷却しておくことで、紙面に着弾したインクが高粘化され、紙面上でインクが広がることを防止できる。
また、近年では、インク吸収性のない樹脂や金属からなる基板上に回路パターンを形成する際、金属粒子を含んだ溶媒からなる液滴を、上述のようなインクジェット方式の印刷技術を用いて、基板に直接吐出させる方法が用いられている。この方法では、基板に液滴を吐出させた後、液滴の乾燥を早めるために、液滴が塗布された基板を減圧環境に曝して、常温または高温下で溶媒を蒸発させる乾燥工程が行われる(特許文献2参照)。
特開2005−96415号公報 特開2001−276726号公報
予め印刷対象物を冷却することにより、着弾したインクの広がりを防止する技術は、紙への印刷に限らず、基板に導体パターンを形成する印刷にも応用し得るものである。しかしながら、この方法により印刷した基板を常温または高温下で乾燥させると、基板の冷却により高粘化された液滴は、再度低粘化し、乾燥の間に基板上に広がってしまうという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、インクジェット法により導体パターンを形成する際、乾燥中に、基板に塗布された液滴が広がることを抑制し、所望のパターンを形成することができる導体パターン形成方法および導体パターン形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のパターン形成方法は、金属粒子および溶媒を含んだインクを吐出手段から基材に吐出し、基材に所望のパターンを形成する導体パターン形成方法であって、前記基材の温度を吐出されるインクの温度よりも低い温度に調節し、前記温度に調節された状態の基材にインクを吐出させて所望のパターンに形成し、前記基材上のインクの粘度を保持するように前記基材の温度を調節した状態で、前記基材が置かれた区画の雰囲気を減圧することを特徴とことを特徴としている。
本発明によれば、インクが塗布された基材を乾燥する間も、インクの粘度は高粘度の状態が保たれ、着弾したインクの広がりを抑えることができるので、基材上に所望のパターンを形成することができる。
以下、図面を参照して、本発明の第一の実施形態を説明する。
本発明の導体パターン形成装置は、印刷装置1と乾燥装置101と図示しない基板搬送装置とを備えている。
図1および図2中、符号1は、本発明に係る導体パターン形成装置の印刷装置を示しており、この印刷装置1は、ステージ架台2と、テーブル3と、支持台4と、スライドレール5と、ラインヘッド6と、インク温度検知手段7と、インク供給装置8と、基板温度検知手段9と、メンテナンス部10とを備えている。
ステージ架台2は、四角形状に形成され、作業台としての役割を有している。その上面には、一辺方向に延びるスライドレール21が、ステージ架台2の略全幅に亘って延設されている。
テーブル3は、スライドレール21の上方に支持されており、スライドレール21との間に設けられた図示しない駆動機構の駆動により、スライドレール21に沿って、往復動が可能となっている。
また、テーブル3は、テーブル上部22aと、テーブル下部22bと、これらの間に設けられた、温度調節手段としてのペルチェ素子群23とを備えている。テーブル上部22aの上面には、基板25を載置するための載置面24が形成されている。この載置面24には、基材としての基板25を固定するための図示しない保持手段が設けられている。テーブル下部22bの下面には、スライドレール21に対応して、図示しないレール受け部が設けられており、前述した駆動機構により、テーブル3はスライドレール21に沿って移動可能となっている。そして、前述したスライドレール21と、駆動機構と、レール受け部とにより、搬送機構26(図2参照)が構成される。
ペルチェ素子群23は、載置面24上に保持される基板25を冷却または加熱するためのものであり、テーブル3の略全域に亘って設けられている。ペルチェ素子群23は、平板状に形成され、ペルチェ素子群23に流れる電流の極性を変えることで、載置面24に生じる冷却作用と加熱作用とを切り替える。テーブル上部22aは、ペルチェ素子群23の上側面に生じる吸熱・発熱作用を効率よく基板25に伝達するために、熱伝導性のよい材質でできており、テーブル下部22bも、また、ペルチェ素子群23の下側面に発生する熱を効率よく放熱できるように、熱伝導性のよい材質でできている。
なお、テーブル3は、上述の実施形態に限るものではなく、ペルチェ素子群23を基板25が載置される領域に対応した大きさとしてもよい。この場合は、吸熱作用を受けるテーブル上部22aと、加熱作用を受けるテーブル下部22bとの間に、ペルチェ素子群23の周囲を囲むようにして、断熱材を設けると、テーブル上部22aとテーブル下部22bとの間での熱の相殺を防止できる点で好ましい。
支持台4は、ステージ架台2の両側に対向して設けられており、これら支持台4には、スライドレール5が架設されている。スライドレール5は、両端を支持台4にそれぞれ支持されている。
ラインヘッド6は、吐出手段としてのヘッド本体27と、これを支持するヘッド支持具28とを備えている。ヘッド支持具28は、支持台4に架設されたスライドレール5上を、図示しない駆動機構によりスライド可能に取り付けられている。ヘッド本体27は周知の構成を持ったヘッドであり、長手方向がスライドレール21の延びる方向、すなわち、基板25の搬送方向(図1の矢印方向)と直交する方向となるように延設されている。内部には、ヘッド本体27の長手方向に亘って、インクが充填される供給室が設けられている。また、この供給室に隣接して、供給室に設けられた供給口よりインクが供給される複数の圧力室が配置されており、この圧力室には、充填されたインクを吐出するためのノズルが設けられている。この圧力室の一側面には圧電素子によって振動する振動板が設けられており、この振動板が振動することにより、圧力室内のインクがノズルより押し出されて、吐出されるようになっている。ノズルは、少なくとも基板25の幅寸法以上に亘って等間隔に配置されており、基板25に対してインクを吐出する印刷工程の際には、ラインヘッド6は、図1の状態に固定されている。
なお、本実施形態では、ラインヘッド式のインクジェットヘッドとしたが、印刷の目的に応じて、シャトル型のものを使用してもよい。しかしながら、印刷工程の時間効率を考慮すると、ラインヘッド型が好ましい。
また、図2に示すように、印刷装置1には、インクの温度を検知するインク温度検知手段7が設けられている。インク温度検知手段7としては、ヘッド本体27内部に、図示しない温度センサが設けられている。この温度センサは、例えば、前述した供給室内に設けられる。また、この温度センサとしては、接触式センサである白金側温抵抗体、サーミスタ、熱電対等が用いられる。インク温度検知手段7は、インクの温度を直接測定しているものに替えて、ヘッド本体27の周囲の環境温度を測定するものを採用してもよい。
前記ヘッド本体27にインクを供給するインク供給装置8は、インクボトル29と、インク供給チューブ30とを備えている。インクボトル29は、インクを収容するものであり、ここに収容されたインクは、インク供給チューブ30を通って前述のヘッド本体27の供給室に供給される。
前記インクボトル29に収容されるインクは、導体パターン形成用のインクが使用され、導体性粒子としての金属粒子に、分散剤としての有機物を被覆し、溶媒に分散させたものを用いる。金属粒子としては、例えば、銀、銅、アルミ、金などが用いられる。また、溶媒としては、例えば、水、エチレングリコール、エタノール等や、これらを混ぜた混合液等が用いられる。有機物は、金属粒子同士が凝集するのを防止するためのものである。インクの粘度は、例えば、室温25℃で10mPa・sとすると、繰り返し吐出で追従し、適切である。
なお、導電粒子やこれを内包する分散剤、これらを含有する溶媒は、導体パターン形成の目的に応じて、適宜選択することができる。
図1に示すように、ヘッド本体27の外郭には、基板温度検知手段9が設けられている。基板温度検知手段9としては、例えば、放射温度計が用いられる。放射温度計は、載置面24に載置された基板25の表面温度を測るものであり、基板25より放出される赤外線を検知する図示しない検知部が、載置面24上の基板25と対向するように設けられている。基板温度検知手段9は、これに限られるものではなく、テーブル3に載置された基板25や、ペルチェ素子群23の基板25と対向する面の温度を直接測定するような、接触式の温度センサを用いてもよい。しかしながら、基板25の厚さに影響されず、吐出されたインクが着弾する基板25の表面の温度を直接測定できる点で、前述の放射温度計を用いる実施形態が好ましい。
メンテナンス部10は、ヘッド本体27のメンテナンスを行うものであり、ステージ架台2上のスライドレール21に隣接する位置に設けられている。メンテナンスを行う際には、印刷工程時に図1の状態に固定されていたラインヘッド6を、スライドレール5に沿ってスライドさせて、メンテナンス部10の上方まで移動させる。ヘッド本体27のメンテナンス方法としては、例えば、ヘッド本体27のノズルを図示しないキャップで覆い、ノズルからインクや異物を吸い出すなどして、ノズルの清掃を行う。
次に、印刷装置1の制御に係る構成を説明する。
図2に示すように、印刷装置1の制御にかかる構成は、入力装置11と、コントローラ12と、報知手段13とから構成されている。
入力装置11は、インクに関するデータを入力する装置であって、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)等である。入力されたデータは、コントローラ12に送信される。インクに関するデータは、後述する基板25の温度調節制御において参照される温度設定範囲を決定するために使用されるものであり、例えば、金属粒子の種類、平均粒径、溶媒の成分、濃度、等が入力される。
コントローラ12は、システムコントローラ41と、データ受信部42と、記憶装置43と、吐出制御手段としてのヘッド駆動制御部44と、搬送制御部45と、温度調節手段としての温度制御部46とを備えている。
システムコントローラ41は、コントローラ12において中心的な役割を果たすものであって、CPUを備えており、入力装置11から送信されるインクのデータ、インク温度検知手段7からの検知結果、記憶装置43に記憶された処理情報に基づいて、ヘッド駆動制御部44と、搬送制御部45と、温度制御部46のそれぞれを制御する。
データ受信部42は、入力装置11に入力されたインクに関するデータを受信し、このデータをシステムコントローラ41に送信するものである。
記憶装置43は、ヘッド駆動制御部44、搬送制御部45、温度制御部46の各処理内容を記憶するほかに、ペルチェ素子群23により基板25の加熱・冷却を行う際の温度の設定範囲を記憶している。
この温度設定範囲は、着弾したインクが基板25上で広がらない適切な粘度となる温度の範囲であり、主に、溶媒の成分や、溶媒中の金属粒子の濃度により決定される。記憶装置43内には、入力装置11により入力されるインクのデータに対応して温度設定範囲が予め設定され、データテーブルとして格納されている。一般的に、パターン形成用の金属粒子を含んだインクは、15℃〜25℃の温度下において、安定吐出が可能である。上記温度状態において印刷工程を行う場合には、前述の温度設定範囲の上限値Tは、通常、インク温度検知手段7により測定されたインク温度よりも低く設定される。また、後述する減圧乾燥工程において、減圧作用により溶媒を蒸発させる際に、インクから気化熱が奪われて溶媒の温度が融点以下まで下がると、インクが凍結してしまい、溶媒がうまく蒸発しなくなる。従って、温度設定範囲の下限値Tは、溶媒の融点よりも高く設定される。例えば、溶媒に水を使用した場合は、0℃よりも高い温度が設定される。
ヘッド駆動制御部44は、ラインヘッド6の駆動を制御するものであって、システムコントローラ41からの指示に従って、ヘッド本体27から吐出させるインクの量や、吐出させるタイミング等を制御している。また、メンテナンスを行う際には、ヘッド支持具28がスライドレール5上をスライドしてメンテナンス部13の上方に位置するように制御する。
搬送制御部45は、搬送機構26を制御するものであって、システムコントローラ41からの指示に従って、搬送機構26を駆動する方向や移動量などを制御している。そして、この搬送制御部45と、前述のヘッド駆動制御部44とが、搬送機構26とラインヘッド6とをそれぞれ適宜動作させることにより、基板25上に、所望の導体パターンが印刷される。
温度制御部46は、基板温度検知手段9からの検知結果をもとに、基板25の温度が、前述の記憶装置43のデータテーブルに格納された温度設定範囲内になるように、システムコントローラ41からの指示に従って、ペルチェ素子群23の吸熱・加熱を制御する。
システムコントローラ41は、インク温度検知手段7から検知結果を取得すると、インクの温度Tと、データテーブルを参照して得た温度設定範囲の上限値Tとを比較する。この比較の結果、T>Tである場合は、インクの安定吐出が可能な状態だと判断して、記憶装置43に記憶された温度設定範囲に従って、基板温度検知手段9により検知される基板25の温度Tが温度設定範囲の上限値Tと下限値Tの間、すなわち、T≧T≧Tの状態に維持されるように、温度制御部46によりペルチェ素子群23の温度制御をさせる。その後、ヘッド駆動制御部44によりインクを吐出させる。前述の比較の結果が、T≦Tである場合は、インクの安定吐出が可能な状態ではないと判断して、インクの吐出は行わないとともに、その旨を報知手段13に出力させる。
このように、適切な温度範囲を設定し、この温度範囲内において基板25の温度が調節されるようにすることで、基板25の冷却が不十分で、着弾したインクが基板25上に広がってしまったり、逆に、後述する乾燥工程において、基板25の過冷却のため、着弾したインクが凍結して溶媒の蒸発を妨げてしまうことを防止でき、インクの印刷・乾燥工程を安定した状態で実施することができる。
次に、図3および図4を参照して、乾燥装置101について説明する。
乾燥装置101は、印刷装置1においてインクを塗布された基板25が搬入される乾燥槽102と、基板温度検知手段103と、インクに含まれる溶媒を蒸発させるために乾燥槽102内を大気圧以下に減圧する減圧手段としての減圧装置104と、槽内圧力検知手段105と、乾燥槽102内の湿度を低下させるために乾燥槽内にドライエアを導入するドライエア導入手段としてのドライエア供給装置106と、槽内温度検知手段107と、槽内湿度検知手段108と、コントローラ109と、インクに関するデータを入力するための入力装置110とから構成されている。
乾燥槽102は、乾燥槽本体121を有し、この乾燥槽本体121内には、基板25を載置するための載置台124が設けられている。載置台124は、テーブル3と同様に、熱伝導性のよい材料にて形成した載置台上部124aおよび載置台下部124bと、これらの間に挟持して設けられた温度調節手段としてのペルチェ素子群125とから構成されており、載置台上部124aの上面には、基板25を載せるための載置面126と、基板25を保持固定するための図示しない保持手段が設けられている。
また、乾燥槽本体121の側面には、減圧装置104により乾燥槽本体121内の空気を排気するための空気排気孔127と、ドライエア供給装置106よりドライエアを導入するためのドライエア供給孔128とが穿設されている。
乾燥槽本体121の上側内壁面には、載置面126と対向する箇所に、基板温度検知手段103が設けられている。基板温度検知手段103としては、基板温度検知手段9と同様に、放射温度計が用いられ、載置面126に載置された基板25の表面温度を測るために使用される。また、基板25より放出される赤外線を検知する検知部が、載置面126上の基板25と対向して設けられている。基板温度検知手段103としては、印刷装置と同様、接触式の温度センサを用いてもよい。
前記乾燥槽102の内部を大気よりも減圧する減圧装置104は、空気排気孔127に接続された配管129と、この配管129を介して乾燥槽本体121内に連通する減圧ポンプ130と、配管129の途中に設けられて、減圧ポンプ130による空気の吸引量を調節するバルブ131とを備えており、コントローラ109からの指示に従い、減圧ポンプ130の作用により、配管129を通して、基板25が置かれた区画としての乾燥槽本体121内の空気を吸引し、乾燥槽本体121内を所定の気圧状態に保つ。
さらに、乾燥槽本体121内には、槽内の気圧を測定するための槽内圧力検知手段105が設けられている。槽内圧力検知手段105としては、例えば、圧力センサが用いられ、この圧力センサは、減圧装置104による減圧工程の際、乾燥槽本体121内の気圧を検知して、結果を減圧駆動制御部154に出力する。
なお、減圧装置104による減圧工程の際、乾燥槽本体121内の気圧を溶媒の蒸気圧以下とすると、溶媒が沸騰し、導体パターンの膜が均一化するのを妨げてしまう。従って、減圧工程時における乾燥槽本体121内の気圧は、溶媒の蒸気圧よりも100Pa以上の大きさに設定することが好ましい。なお、この減圧工程時の圧力設定は、温度設定範囲と同様、入力装置110に入力されるインクデータに対応させて、記憶装置153のデータテーブルに格納されており、減圧工程時に、システムコントローラ151により参照される。
前記減圧装置104により乾燥槽121内を減圧する前工程で、乾燥槽121に低湿度に調整されたエアーを導入するドライエア供給装置106は、ドライエア供給孔128に接続された配管132と、この配管132を介して乾燥槽本体121内に連通するドライエア供給装置本体133と、配管132の途中に設けられて、ドライエア供給装置本体133による乾燥槽本体121内へのドライエアの供給量を調節するバルブ134とを備えている。ドライエアは、乾燥槽本体121内の湿度を下げることにより、乾燥槽本体121内で減圧環境下に置かれた基板25上に塗布されている導体パターンに、結露が発生することを防止するためのものである。
ドライエア供給装置としては、例えば、圧縮空気供給手段より供給された圧縮空気を、膜式エアドライヤにおいて除湿し、この除湿された空気を乾燥槽本体121内に導入する方法などが挙げられるが、定格露点温度が後述する条件を満たすものであれば、膜式エアドライヤに限らず、冷凍式エアドライヤ、吸着式エアドライヤなどの機器のいずれを用いてもよい。
また、本実施形態ではドライエアとして空気を使用したが、金属粒子や溶媒の種類によっては、例えば、化学反応の生じにくい不活性ガス等を用いてもよい。
また、乾燥槽本体121内には、槽内の気温を測定するための槽内温度検知手段107と、槽内の湿度を測定するための槽内湿度検知手段108が設けられている。これら検知手段としては、それぞれ温度センサと湿度センサが用いられ、ドライエア供給装置106によりドライエアを導入する工程の際、乾燥槽本体121内の温度や湿度を検知して、結果をドライエア駆動制御部156に出力する。
なお、ドライエア供給装置106によるドライエア導入工程の際には、少なくとも減圧工程における温度設定範囲の下限値Tにおいて結露が発生しないように、ドライエア導入工程終了時の乾燥槽内空気の露点温度T<温度設定範囲の下限値Tの関係を満たすように、乾燥槽本体121内のドライエアの相対湿度を調整する必要がある。この相対湿度の設定は、上述した槽内温度検知手段107と槽内湿度検知手段108の各検知結果をもとに、後述するコントローラ109内の露点温度計算部155において算出され、その結果がドライエア駆動制御部156に出力される。
次に、乾燥装置101の制御に係る構成を説明する。
図4に示すように、乾燥装置101の制御にかかる構成は、入力装置110と、コントローラ109とから構成されている。
入力装置110は、印刷装置1と同様、インクに関するデータを入力する装置であって、例えば、PC等である。入力されたデータは、コントローラ109に送信される。インクに関するデータは、後述する基板25の温度調節制御において参照される温度設定範囲を決定するために使用されるものであり、例えば、金属粒子の種類、平均粒径、溶媒の成分、温度等が入力される。
図4に示すように、コントローラ109は、システムコントローラ151と、データ受信部152と記憶装置153と、減圧制御手段としての減圧駆動制御部154と、露点温度計算部155と、ドライエア駆動制御部156と、温度調節手段としての温度制御部157とを備えている。
システムコントローラ151は、コントローラ109において中心的な役割を果たすものであって、CPUを備えており、入力装置110から送信されるインクのデータ、記憶装置153に記憶された処理情報に基づいて、減圧駆動制御部154と、ドライエア駆動制御部156と、温度制御部157のそれぞれを制御するものである。
データ受信部152は、入力装置110に入力されたインクに関するデータを受信し、このデータをシステムコントローラ151に送信するものである。
記憶装置153は、減圧駆動制御部154、ドライエア駆動制御部156、温度制御部157の各処理内容を記憶するほかに、ペルチェ素子群125による基板25の加熱・冷却温度の設定範囲を記憶している。
この温度設定範囲は、印刷工程での温度設定範囲と同様に、印刷工程において基板25上に着弾し、その後、冷却により適切な粘度に高粘化されたインクが、基板25上でこの粘度を保持しうる温度であり、印刷装置1の記憶装置43に記憶した温度設定範囲と同一のものが使用される。
減圧駆動制御部154は、減圧装置104の駆動を制御するものであって、システムコントローラ151からの指示に従って、槽内圧力検知手段105からの検知結果をもとに、減圧ポンプ130の駆動やバルブ131の開閉を行う時間やタイミングなどを制御して、槽内の圧力を調整する。
露点温度計算部155は、槽内温度検知手段107と、槽内湿度検知手段108の検知結果、すなわち、乾燥槽本体121内の気温と湿度とから、検知時点での槽内空気の露点温度を算出するものであり、ドライエア駆動制御部156とアクセス可能になっている。
ドライエア駆動制御部156は、ドライエア供給装置106を制御するものであって、システムコントローラ151からの指示に従って、ドライエア供給装置本体133の駆動やバルブ134の開閉を行う時間やタイミングなどを制御することにより、露点温度計算部155で算出した露点温度Tと温度設定範囲の下限値Tとが、T<Tの関係を満たすように、槽内空気の湿度を調整する。
温度制御部157は、ペルチェ素子群125を制御するものであって、基板温度検知手段103からの検知結果をもとに、基板25の温度が、前述の記憶装置153のデータテーブルに格納された温度設定範囲になるように、システムコントローラ151からの指示に従って、ペルチェ素子群125の吸熱・加熱を制御する。
システムコントローラ151は、減圧工程の際、記憶装置153に記憶された所定の温度範囲に従って、基板25の温度Tが温度設定範囲の上限値Tと下限値Tの間、すなわち、T≧T≧Tの状態に維持されるように、温度制御部157に対してペルチェ素子群125の温度制御をさせる。
また、ドライエア導入工程の際には、ドライエア導入工程終了時の乾燥槽本体121内の空気の露点温度T<温度設定範囲の下限値Tの関係を満たすように、ドライエア駆動制御部156に対してドライエア供給装置106に槽内の湿度を調整させる。
このように、適切な温度範囲を設定し、この温度範囲内において基板25の温度が調節されるようにすることで、基板25の冷却が不十分で、前述の印刷工程において着弾したインクが、高粘化して基板25上に広がってしまったり、逆に、基板25の過冷却のため、着弾したインクが凍結して溶媒の蒸発を妨げてしまうことを防止でき、インクの印刷・乾燥工程を安定した状態で実施することができる。
図示しない基板搬送装置は、印刷装置1により印刷工程を終えた基板25を乾燥装置101に搬送するものである。この基板搬送装置は、印刷装置1のテーブル3や乾燥装置101の載置台124と同様に、内部にペルチェ素子群が設けられている。そして、これを制御する温度制御部により、搬送装置に載置された基板25の温度Tが、温度設定範囲の上限値Tと下限値Tの間、すなわち、T≧T≧Tの状態に維持されるように制御される。このように、搬送される基板25を、印刷工程時の温度設定範囲と同じ温度に維持することにより、印刷装置1から乾燥装置101に搬送される間においても、基板25に着弾したインクの粘度は安定した状態が保たれる。
次に、図5、図6を参照して、本実施形態の動作を説明する。
図5は、印刷工程におけるコントローラ12の動作を示すフロー図である。
まず、入力装置11にインクに関するデータを入力する。入力されたインクのデータは、コントローラ12のデータ受信部42により受信され(S1)、データ受信部42は、受信したデータをシステムコントローラ41に送信する。システムコントローラ41は、記憶装置43を参照し、受信したインクのデータと対応した基板25の温度設定範囲を取得する(S2)。
次に、システムコントローラ41は、インク温度検知手段7を動作させ、インクの温度を測定し(S3)、測定したインクの温度Tを、温度設定範囲の上限値Tと比較する(S4)。
この比較の結果、T>Tを満たしている場合は、インクが安定吐出の可能な粘度状態にあると判断し、基板温度検知手段9を動作させて、基板25の温度を測定する(S5)。
続いて、システムコントローラ41は、基板温度検知手段9による基板25の測定結果を取得し、測定した基板25の温度Tを、温度設定範囲の上限値Tおよび下限値Tと比較する(S6)。
この比較の結果、T≧T≧Tを満たしている場合は、基板25の温度が、着弾したインクを広がらせないための粘度をインクに与え得る状態にあると判断して、システムコントローラ41は、ヘッド駆動制御部44および搬送制御部45を、記憶装置43に記憶した処理データに基づいて動作させることにより、印刷処理を開始する(S7)。その後、基板25上に所望の導体パターンが形成されて印刷が完了すると、印刷装置1は動作を終了する。
一方、S6での比較の結果、T≧T≧Tを満たしていない場合は、基板25の温度が、インクが着弾しても広がってしまう状態にあると判断し、基板25の温度TがT≧T≧Tを満たすよう、温度制御部46の駆動を制御する(S8)。
また、S4での比較の結果、T>Tを満たしていない場合は、インクが安定吐出が可能な粘度状態でないと判断し、システムコントローラ41は、報知手段13を動作させて、インクの温度Tが温度設定範囲の上限値T以下であることを操作者に報知し(S9)、その後、印刷装置は動作を終了する。
この報知を受けた操作者は、インクが安定吐出に適した状態になるよう、印刷装置1の環境温度を上げるか、または、インクそのものを加熱するなどして、T>Tの条件を満たすようにすることになる。
このように、S4において、温度設定範囲の上限値TUとインク温度Tとを比較して、インク温度Tが温度設定範囲の上限値TUよりも低いときはインクの吐出を行わないようにしたことで、インクの粘度が安定吐出に適さない状態であるにもかかわらず、印刷を実施してしまうことを防止できる。
なお、図5のフローチャートでは、S9の報知の後に印刷装置1の動作を終了したが、例えば、別途インク加熱装置や環境温度加熱装置等を設けて、この報知に替えて、又は報知後に、自動的にインクの温度上昇の処理を行うようにさせてもよい。この場合は、インクの温度上昇処理の後、引き続きS3の処理にループさせて、印刷工程を続行する。
また、少なくとも印刷工程が終了するまでの間、S5、S6、S8の動作は常に行われ、基板25の温度が印刷工程の間、常にT≧T≧Tの状態を保つように制御される。
次に、基板の乾燥工程について説明する。
図6は、乾燥工程におけるコントローラ109の動作を示すフロー図である。
操作者は、印刷工程を終えた基板25を、テーブル3の載置面24に設けられた保持手段から取り外す。取り外された基板25は、基板搬送装置により、印刷工程における温度状態を保たれながら乾燥装置101まで搬送され、その後、乾燥槽本体121内に搬入される。その後、搬入した基板25を載置台124の載置面126に載置して、図3の状態とし、図示しない保持手段にて固定する。
続いて、操作者により、印刷工程と同様に入力装置110にインクに関するデータが入力されると、入力されたインクのデータは、コントローラ109のデータ受信部152により受信され(S10)、データ受信部152は、受信したデータをシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、記憶装置153から、受信したインクのデータと対応した温度設定範囲を取得する(S11)。
さらに、ドライエア駆動制御部156を動作させて、乾燥槽本体121内の空気の露点温度が、S11で検出した温度設定範囲の下限値Tを下回るように、ドライエア供給装置106により、乾燥槽本体121内にドライエアを導入し、槽内の湿度を調整する(S12)。
続けて、基板温度検知手段103を動作させて、基板25の温度を測定する(S13)。
システムコントローラ151は、基板温度検知手段103の測定結果を取得し、この結果Tを、温度設定範囲の上限値Tおよび下限値Tと比較する(S14)。
この比較の結果、T≧T≧Tを満たしている場合は、基板25に着弾したインクが、適切な粘度に保たれていると判断して、システムコントローラ151は、減圧駆動制御部154を記憶装置153に記憶した処理データに基づいて動作させることにより、減圧処理を開始する(S15)。この際、乾燥槽本体121内の気圧が、基板25に塗布されたインクの蒸気圧よりも小さくならないように、減圧駆動制御部154は減圧装置104を動作させる。
その後、所定時間経過後に、減圧処理を終了する。
このように、ドライエア供給装置106を設けて、減圧工程に先立ってドライエアを導入させたので、基板25を冷却することに起因する結露の発生を防止することができる。
また、ドライエアを供給する際、露点温度Tが温度設定範囲の下限値Tよりも小さくなるように、乾燥槽本体121内の空気の湿度を調節させるようにしたので、基板25の冷却に起因する結露の発生防止をより確実に行うことができる。
一方、S14での比較の結果、T≧T≧Tを満たしていない場合は、基板25の温度TがT≧T≧Tの関係を満たすよう、温度制御部157の駆動を制御してペルチェ素子群125を動作させる(S16)。
なお、少なくとも減圧工程が終了するまでの間、S13、S14、S16の動作は常に行われ、基板25の温度が減圧工程の間、常にT≧T≧Tの状態を保つように制御される。
また、ドライエアを供給するタイミングは、少なくとも減圧装置104により乾燥槽本体121内を減圧するのに先立って行われていればよく、例えば、基板25に対してドライエアを直接吹き付ける構成を備えたドライエア供給装置を印刷装置1に設けて、印刷工程の適宜なタイミングにおいて、ドライエアを供給してもよい。この場合、好ましくは、印刷工程における基板25の温度調節の前の段階でドライエアを供給すれば、冷却された基板25と周囲の空気との温度差に起因する結露の発生を未然に防止することができる。
乾燥工程を終えて溶媒が蒸発した基板25は、この後、図示しない焼成槽に搬入されて、焼成工程が行われる。
この焼成工程では、槽内の温度を200℃に制御したオーブンに入れ所定時間焼成を行う。これにより、金属微粒子を被覆していた有機膜が除去され、金属粒子同士が互いに凝集するようになり、導電性が発現し、導体パターンが形成される。
以上のように、第一の実施形態における導体パターン形成装置によれば、インクジェット法により導体パターンを形成する際、減圧乾燥中に基板25上でインクが広がるのを抑制できるので、基材上に所望のパターンを確実に形成することができる。
次に、図7〜図10を参照して、本発明の第二の実施形態について説明する。
なお、前述した第一の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
第二の実施形態が前述した第一の実施形態と異なるのは、印刷装置と乾燥装置とを一体化し、基板搬送装置を省いた点である。
図7、図8において、符号201は、第二の実施形態に係る印刷・乾燥装置であって、この印刷・乾燥装置201は、図1における印刷装置1と比べて、新たに、テーブル3を気密に覆うことにより気密室263を構成する密閉ケース260と、接続部材262を介してこの密閉ケース260を昇降する昇降機261と、密閉ケース260とテーブル3との間に構成された気密室263内を減圧する減圧装置204と、気密室263内にドライエアを供給するドライエア供給装置206と、前述の第一の実施態様における基板温度検知手段9(図1参照)に加えて設けられ、第二の実施態様の減圧乾燥プロセス中に基板25の温度を検知する基板温度検知手段203と、気密室263内の圧力を検知する室内圧力検知手段205と、気密室263内の温度を検知する室内温度検知手段207と、気密室263内の湿度を検知する室内湿度検知手段208とを備えている。また、図1における印刷装置1のコントローラ12と比べて、一部異なる構成を有するコントローラ212を備えている。
密閉ケース260は、天壁と4つの側壁からなり内部に空間を有する直方体形状の容器であって、図7における下方側が開放され、上方側に天壁が位置するように設けられている。各側壁がテーブル3の載置面24と対向する部分には、図示しないシール部材が設けられており、図8に示す状態の際に、このシール部材と載置面24との間が気密に接することにより、密閉ケース260内の空間が密閉されて、気密室263が生成される。
昇降機261は、ステージ架台2上に設けられており、密閉ケース260に取り付けられた接続部材262を上下方向に移動可能な駆動機構を内部に有している。この駆動機構の動作により密閉ケース260を上昇・下降させることで、印刷・乾燥装置201を、図7に示す印刷状態と図8に示す乾燥状態とに切り替え可能としている。
減圧装置204は、密閉ケース260内に連通接続された配管229と、この配管229を介して密閉ケース260内の空気を排出する減圧ポンプ230と、配管229の途中に設けられて、減圧ポンプ230による空気の吸引量を調節するバルブ231とを備えており、コントローラ212からの指示に従い、減圧ポンプ230の作用により、配管229を通して気密室263の空気を吸引し、所定の気圧状態に保つ。この減圧装置204は、図示のように密閉ケース260と一体的に設けられており、従って、昇降機261の駆動による密閉ケース260の昇降と共に移動する。なお、この減圧装置204は、減圧ポンプ230が重量的に密閉ケース260と一体的に設けるのが困難である場合には、例えば、密閉ケース260とは別体にしてステージ架台2上に固定配置しても良い。この場合には、配管229を可撓性を有する材質にて構成することにより、密閉ケース260の昇降に追随可能と出来る。
ドライエア供給装置206は、密閉ケース260内に連通接続された、好ましくは可撓性を有する配管232と、この配管232を介して密閉ケース260内にドライエアを供給するドライエア供給装置本体233と、配管232の途中に設けられて、ドライエア供給装置本体233による密閉ケース260内へのドライエアの供給量を調節するバルブ234とを備えている。ドライエアは、気密室263内の雰囲気湿度を下げることにより、気密室263内で減圧環境下に置かれた時に基板25上に塗布されている導体パターンに、結露が発生することを防止するためのものである。
なお、ドライエア供給装置本体233は、図示のように、ステージ架台2上に固定配置されているが、重量的に問題なければ、例えば、図示しない固定手段により密閉ケース260に取り付けられ、昇降機261の駆動により、密閉ケース260と共に上昇・下降するようにしても良い。
基板温度検知手段203、室内圧力検知手段205、室内温度検知手段207、室内湿度検知手段208は、それぞれ密閉ケースの天壁または側壁の内面に取り付けられており、第一の実施形態における各検知手段103、105、107、108(図3参照)と同様の機能・作用を有するものであるため、説明は省略する。
図9は、コントローラ212の機能を説明するブロック図であり、基本的には第一の実施形態で説明した図2と図4を合わせた構成を有しているが、新規な構成として、昇降機261の駆動を制御する昇降制御部243を備えている。
この昇降制御部243は、昇降機261の駆動を制御するものであって、システムコントローラ241からの指示に従って、昇降機261を駆動する方向や移動量などを制御している。また、オペレーターの手動操作によっても、昇降機261の制御を行うようにすることも可能である。
なお、システムコントローラ241による他の制御の内容は第一の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。
次に、図7〜図10を参照して、第二の実施形態の動作を説明する。
オペレーターは、図7に示す、密閉ケース260がテーブル3と離間した状態において、図示しない固定手段により載置部24に基板25を固定する。その後、コントローラ212の操作により印刷工程を開始する。
図10は、印刷・乾燥の一連の工程における、コントローラ212の動作を示すフロー図である。図10に示した各ステップのうち、S101〜S109までは、印刷工程を示しており、図5に示した印刷装置1のコントローラ12の動作S1〜S9と同一であるため、説明を省略し、S110より説明する。
S107において印刷処理を実施し、基板25上に所望の導体パターンが形成されて印刷が完了すると、システムコントローラ241は、搬送制御部45を動作させて、搬送機構26によりテーブル3を所定の位置(図7に示す位置)に移動する(S110)。続いて、昇降制御部243を動作させ、昇降機261により密閉ケース260をテーブル3の載置面24と接する位置まで下降させることにより、印刷・乾燥装置201を図8の状態とする(S111)。
さらに、ドライエア駆動制御部156を動作させて、気密室263内の雰囲気の露点温度が、S102(=S2)で検出した温度設定範囲の下限値Tを下回るように、ドライエア供給装置206により、気密室263内にドライエアを導入し室内の空気と置換することにより、槽内の湿度を調整する(S112)。
その後、システムコントローラ241は、減圧駆動制御部154を記憶装置242に記憶した処理データに基づいて動作させることにより、減圧処理を開始する(S113)。この際、気密室263内の気圧が、基板25に塗布されたインクの蒸気圧よりも小さくならないように、減圧駆動制御部154は減圧装置204を動作させ、所定時間経過後、減圧処理を終了する。次に、この工程に続いて、この減圧下で、基板の乾燥工程が所定時間実行される。
なお、印刷・減圧工程を通して、S105(=S5)、S106(=S6)、S108(=S8)の動作は常に行われ、基板25の温度が印刷・減圧工程の間、常にT≧T≧Tの状態を保つように制御される。
このように、第二の実施形態における印刷・乾燥装置201は、印刷装置と乾燥装置とを一体化して、基板25を同一の装置内に固定した状態で印刷工程と乾燥工程とを連続して行うので、第一の実施形態における印刷装置から乾燥装置への搬送作業を省略できる。このため、搬送作業を行う場合と比べて、全体の工程に掛かる時間を短縮でき、更には印刷・乾燥工程を通し、基板をより安定した温度状態に保つことができる点で有利である。
本発明は上述した各実施形態には制約されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば、適宜、変更してもよい。
例えば、前記各実施形態では、入力装置11、110の双方あるいは一方にインクのデータを入力し、これに基づいて記憶装置43、153から温度設定範囲を取得させたが、インクに適した冷却温度があらかじめ分かるようであれば、装置を簡略化して、入力装置11、110に温度を直接入力してもよい。
また、第一の実施形態では、印刷装置1の入力装置11と乾燥装置の入力装置110とでそれぞれ別々にインクのデータを入力したが、各入力装置や各記憶装置を1つに統合して共有化したり、入力装置11に入力されたデータを乾燥装置側に転送して使用してもよく、また、印刷装置1と乾燥装置101とで別々に設けたコントローラ12、109も、1つに統合してもよい。
さらに、印刷を終えた基板25を、印刷装置1から乾燥装置101に搬入する作業は、自動化してもよい。
また、各実施形態において、印刷・減圧各工程に際して、基板25の温度が所定の温度設定範囲内になるように調節したが、温度範囲の上限値や下限値を定めずに、単にインクの温度よりも低くなるように調節してもよい。しかしながら、適切な温度範囲内になるように調節する各実施形態の温度調節方法の方が、既述してきた効果を有する点で、より好ましい。
さらに、第二の実施形態と異なる態様により、印刷・乾燥・焼成の各工程のうち、少なくとも2つ以上の工程を、1つの槽や1つの装置において行ってもよい。
本発明の第一の実施形態に係る印刷装置を示す斜視図。 図1の印刷装置が備えるコントローラを示すブロック図。 本発明の第一の実施形態に係る乾燥装置を示す側断面図。 図3の乾燥装置が備えるコントローラを示すブロック図。 印刷工程時のコントローラの制御を示すフロー図 乾燥工程時のコントローラの制御を示すフロー図 本発明の第二の実施形態に係る印刷装置の一態様を示す斜視図。 図7の印刷装置について、他の態様を示す斜視図。 図7の印刷装置が備えるコントローラを示すブロック図。 図9のコントローラの制御を示すフロー図。
符号の説明
1…印刷装置
6…ラインヘッド
9、103、203…基板温度検知手段
12、109、212…コントローラ
27…ヘッド本体(吐出手段)
28…ヘッド支持具
25…基板(基材)
23、125…ペルチェ素子群(温度調節手段)
44…ヘッド駆動制御部(吐出制御手段)
46、157…温度制御部(温度調節手段)
101…乾燥装置
102…乾燥槽
104、204…減圧装置(減圧手段)
106、206…ドライエア供給装置(ドライエア導入手段)
121…乾燥槽本体
124…載置台
130、230…減圧ポンプ
133、233…ドライエア供給装置本体
154…減圧駆動制御部(減圧制御手段)
201…印刷・乾燥装置
243・・・昇降制御部
260・・・密閉ケース
263…気密室
…基板25の温度
…インクの温度
…温度設定範囲上限値
…温度設定範囲下限値

Claims (4)

  1. 金属粒子および溶媒を含んだインクを吐出手段から基材に吐出し、基材に所望のパターンを形成する導体パターン形成方法であって、
    前記基材の温度を吐出されるインクの温度よりも低い温度に調節し、
    前記温度に調節された状態の基材にインクを吐出させて所望のパターンに形成し、
    前記基材上のインクの粘度を保持するように前記基材の温度を調節した状態で、前記基材が置かれた区画の雰囲気を減圧する
    ことを特徴とする導体パターン形成方法。
  2. 前記減圧に先立って前記基材が置かれた区画の雰囲気にドライエアを導入する
    ことを特徴とする請求項1に記載の導体パターン形成方法。
  3. 金属粒子および溶媒を含んだインクを基材に吐出する吐出手段と、
    前記基材の温度を前記吐出手段から吐出されるインクの温度よりも低く維持する温度調節手段と、
    前記基材の温度がインクの温度よりも低い温度に維持された状態で、前記吐出手段から前記インクを吐出させ所望のパターンを形成させる吐出制御手段と、
    所望のパターンに形成されたインクの粘度を保持するように前記基材の温度を調節した状態で、前記基材が置かれた区画の雰囲気を減圧させる減圧制御手段とを備えた
    ことを特徴とする導体パターン形成装置。
  4. 前記基材が置かれた区画の雰囲気にドライエアを導入するドライエア導入手段を備えた
    ことを特徴とする請求項3に記載の導体パターン形成装置。
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