JP2009112889A - 液状原料塗工装置、液状原料塗工方法、およびそれを用いた基体 - Google Patents

液状原料塗工装置、液状原料塗工方法、およびそれを用いた基体 Download PDF

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Abstract

【課題】全印刷装置の塗工機(ロールによる印刷機、インクジェット、スリットコートすべての印刷)に対して、環境を調整することができ、液状原料により形成される高機能な機能膜や電気光学部品に、雰囲気中の物質が不純物としての混入や、酸化等の機能劣化を防ぐことができる液状原料塗工装置、液状原料塗工方法、およびそれを用いた基体を提供する。
【解決手段】基体上に液状原料を塗工して機能性膜もしくは電気光学機能を有する積層構造体を形成する液状原料塗工部と、前記基体を固定する台座と、前記液状原料塗工部と前記台座とを相対的に移動させる移動機構とを備えた液状原料塗工装置であって、前記液状原料塗工部と前記台座を覆う気密容器とにより塗工領域を形成し、該塗工領域内の雰囲気を調整する雰囲気調整機構を有し、前記気密容器が液状原料塗工部から隔離できることを特徴とする液状原料塗工装置、液状原料塗工方法、およびそれを用いた基体。
【選択図】図1

Description

本発明は、基体上に液状原料を塗工して機能性膜もしくは電気光学機能を有する積層構造体を形成する液状原料塗工装置、液状原料塗工方法、およびそれを用いた基体に関する。
具体的には、例えばインクジェットなどの種々の塗工装置であって、基体上に液状原料を塗工して、電気機能性膜(配線、デバイス機能層等)もしくは、光学機能性膜(カラーフィルタ、配向材、発光材等)もしくは、機械機能性膜(スペーサー、レジスト壁、シール材等)もしくは、該機能性膜を積層し、電気光学機能を形成した電気光学部品(配線、トランジスタ、画素、発光素子等)を製造する液状原料塗工装置、液状原料塗工方法、およびそれを用いた表示体、電子デバイスに関する。
塗工により液状原料を用いて前記の機能性膜を形成する場合、ミクロンレベルのごみや温度を制御することは容易に可能である。しかしながら、液体原料もしくは、該液体原料から形成された機能性膜には、雰囲気に含まれる成分により機能劣化を生じる場合がある。例えば、基体の表面に塗工され発光部が有機材料からなる機能性膜(有機EL)は、水分や酸素を含む雰囲気中で基体上に液状原料を塗工すると、機能性膜の劣化によりダークスポットが発生したり、輝度が低下する。
このため、従来から吐出機構を収容したチャンバ内の環境条件を調整するため種々の提案がなされている。
例えば、特開2004-209429号公報(下記特許文献1)には、ワークとしての基板に対して液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッドを有するヘッドユニットと、液滴吐出ヘッドの液滴の吐出量を測定するために液滴吐出ヘッドが吐出した液滴を受ける吐出量測定用液受け部を有する吐出量測定用ユニットとを備え、液滴吐出装置を収容するチャンバの内部は、環境条件としての温度および湿度が調整される液滴吐出システムが記載されている。
しかし、特許文献1に記載された方法は、装置全体をカバーする構成であり、装置全体を覆う空間を雰囲気制御する必要があり、ガス置換もしくは循環による雰囲気制御維持には、装置コストおよび操業コストが高いという問題点があった。
また、特開2004-299236号公報(下記特許文献2)には、硬化性の成分を含む一種または複数のインクを記録媒体上に吐出させる記録ヘッドと、記録媒体上に着弾したインクに光を照射してインクを硬化させる紫外線照射装置とを備えてなる画像記録装置において、少なくとも記録ヘッドの移動範囲を覆うチャンバを設けるとともに、チャンバ内の温度または湿度のうち少なくとも一方を調整する空調機構を設け、空調機構を制御する制御部を備えることにより、光硬化型のインクを用いて画像記録を行う際に、記録媒体の種類やインク硬化の行われる環境条件に関わらず高画質の画像を得ることの画像記録装置が記載されている。
しかしながら、吐出させる記録ヘッドすなわちインクジェット方式では、吐出ヘッドの維持、保守が必要であるが、吐出ヘッドのこれに関する記述は無く、吐出ヘッドの保守のためにチャンバを開放、その後環境条件を整えるためには、操業コストが高いという問題点があった。
特開2005-218899号公報(下記特許文献3)には、不活性ガス雰囲気の処理用気密室と、不活性ガス雰囲気と空気雰囲気に置換可能な交換用気密室と、処理用気密室と交換用気密室の間に設けられ両気密室間を連絡する連絡路と、連絡路に設けられた第1の開閉扉と、処理用気密室内に設けられ封止ガラスにシール材を塗布するディスペンサ19と、処理用気密室内に設けられディスペンサ19を着脱可能に保持する固定式ディスペンサ保持部材と、処理用気密室に設けられたグローブポートと、交換用気密室に設けられ塗布装置外と連絡する開口部と、開口部に設けられた第2の開閉扉と、交換用気密室内に設けられディスペンサ19を着脱可能に保持する移動式ディスペンサ保持部材とを具備することにより、有機EL素子を大気に曝すことなく、基板上にシール材を塗布することができ、有機EL表示装置の製造に要する時間を短縮できるシール材塗布装置が記載されている。
しかし、特許文献3の方法は、ディスペンサ19では問題ないが、平行度等の調整が必要となるような塗工装置の場合には、グローブボックス中での調整は容易ではない。
また、特開2006-120382号公報(下記特許文献4)には、クリーンドライエア供給装置から基板処理装置、塗布装置、及び乾燥装置の夫々に延びる配管を介して各装置の処理室クリーンドライエアを供給し、クリーンドライエア雰囲気中で各種処理を行うことにより、有機層の特性劣化の原因の一つである水分及び有機溶媒のガスを排除することができる有機EL装置の製造装置が記載されている。
しかし、上記特許文献4では、乾燥空気を供給するため、高い気密性は要求されないが、安全上、乾燥空気以外の高純度ガスの使用は難しくなる。また、有機溶剤等の人体に有害なガスを排除する場合、安全上の問題から、処理室の気密性が要求されるため、本質的な構成に変化は無い。
上記特許文献は、いずれも気密容器中でガス置換もしくは循環による雰囲気制御維持もしくは、ガスの垂れ流しによる雰囲気制御である。このため、装置コストが高いものになる。また、上記特許文献ではインクジェットに関する記述を主としているが、液体原料の塗工装置は保守を要し、この際、気密容器を開放すると、制御された雰囲気を形成するには数時間を要し、この際に最もガスを大量に使用することになる。このため、操業コストが高い。また、所定空間の雰囲気を壊すことない、塗工装置の保守に関する記述はない。
特開2004-209429号公報 特開2004-299236号公報 特開2005-218899号公報 特開2006-120382号公報
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、全印刷装置の塗工機(ロールによる印刷機、インクジェット、スリットコートすべての印刷)に対して、環境を調整することができ、電気光学部品を構成する、液状原料により形成される機能膜に、雰囲気中の物質が不純物としての混入防止及び、酸化等の機能劣化防止ないしは、液状原料により形成される機能膜を雰囲気との化学反応を積極的に促進することにより高機能化することができる液状原料塗工装置および、液状原料塗工方法であり、調整された環境を壊すことなく、塗工部の保守を可能として、経済的に良好な操業コストを有した液状原料塗工装置および、液状原料塗工方法およびそれを用いた基体を提供することを課題とする。
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討の結果、液状原料塗工部の一部が前記台座を覆う気密容器を形成し、該気密容器内の雰囲気を調整する雰囲気調整機構を有することにより、全印刷装置の塗工機(ロールによる印刷機、インクジェット、スリットコートすべての印刷)に対して、環境を調整することができ、電気光学部品を構成する、液状原料により形成される機能膜に、雰囲気中の物質が不純物としての混入防止及び、酸化等の機能劣化防止ないしは、液状原料により形成される機能膜を雰囲気との化学反応を積極的に促進することにより高機能化することができ、調整された環境を壊すことなく、塗工部の保守を可能として、経済的に良好な操業コストを有した液状原料塗工装置、液状原料塗工方法およびそれを用いた基体を提供するものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載したとおりの下記内容である。
(1)基体上に液状原料を塗工して機能性膜もしくは電気光学機能を有する積層構造体を形成する液状原料塗工部と、前記基体を固定する台座と、前記液状原料塗工部と前記台座とを相対的に移動させる移動機構とを備えた液状原料塗工装置であって、
前記液状原料塗工部と前記台座を覆う気密容器とにより塗工領域を形成し、該塗工領域内の雰囲気を調整する雰囲気調整機構を有し、前記気密容器が液状原料塗工部から隔離できることを特徴とする液状原料塗工装置。
(2)前記液状原料塗工部中の雰囲気を、前記機密容器とを隔離した上で前記塗工領域内の雰囲気と大気とに、任意に置換できることを特徴とする(1)に記載の液状原料塗工装置。
(3)前記気密容器内の雰囲気が、雰囲気温度と雰囲気中の酸素含有物質とを調整された不活性気体であることを特徴とする(1)または(2)に記載の液状原料塗工装置。
(4)前記雰囲気中の酸素含有物質が300ppm以下であることを特徴とする(3)に記載の液状原料塗工装置。
(5)前記気密容器内の雰囲気が、基体上の液体原料と活性である反応性ガスを含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の液状原料塗工装置。
(6)前記気密容器内の雰囲気が、循環されて維持されていることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(7)前記雰囲気調整機構が、温度調整機構を有することを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(8)前記気密容器内の雰囲気が、液状原料に含まれる溶剤もしくは、この分解等により発生する副生成物を吸着するトラップを通して、循環されていることを特徴とする(6)に記載の液状原料塗工装置。
(9)前記気密容器が減圧維持可能であることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(10)前記液状原料塗工部内の雰囲気が調整されていることを特徴とする(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(11)前記基体を乾燥させる乾燥機構を有することを特徴とする(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(12)前記乾燥機構が、隔壁により塗工領域と分離できることを特徴とする(11)に記載の液状原料塗工装置。
(13)前記乾燥機構に、基体上の液体原料もしくは乾燥後の部材と不活性である気体を導入することを特徴とする(11)または(12)に記載の液状原料塗工装置。
(14)前記乾燥機構に、基体上の液体原料もしくは乾燥後の部材と活性である反応性ガスを導入することにより乾燥後の基体の機能を調整することを特徴とする(11)または(12)に記載の液状原料塗工装置。
(15)前記乾燥機構が、真空乾燥機構であることを特徴とする(11)乃至(14)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(16)前記乾燥機構が、基体もしくは液体原料を加熱する乾燥機構であることを特徴とする(11)乃至(15)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(17)前記液体塗工部に、吐出機構を用いることを特徴とする(1)乃至(16)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(18)前記液体塗工部に、ロール式印刷機構を用いることを特徴とする(1)乃至(17)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(19)前記液体塗工部に、スリットコ−ト機構を用いることを特徴とする(1)乃至(17)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(20)前記液体塗工部に、噴霧機構を用いることを特徴とする(1)乃至(17)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(21)前記液体塗工部に、ブレードを用いることを特徴とする(1)乃至(17)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(22)前記液体塗工部に、刷毛を用いることを特徴とする(1)乃至(17)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(23)前記塗工領域および乾燥機構を複数連結することにより、多層膜を形成することを特徴とする(10)乃至(22)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(24)前記塗工領域および乾燥機構に焼成機構が連結されていることを特徴とする。(10)乃至(23)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(25)前記塗工部および乾燥機構に、検査装置およびリペア装置が連結されていることを特徴とする(10)乃至(24)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
(26)前記塗工領域および乾燥機構に連結されている、前記焼成機構および前記検査装置および前記リペア装置が、基体上の液体原料もしくは乾燥後の部材と不活性な雰囲気であることを特徴とする。(24)または(25)に記載の液状原料塗工装置。
(27)(1)乃至(26)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置を用いることを特徴とする液状原料塗工方法。
(28)(1)乃至(27)のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置を用いて機能性膜もしくは電気光学機能を有する積層構造体を形成したことを特徴とする基体。
<作用>
(1)の発明によれば、液状原料塗工部と前記台座を覆う気密容器とにより塗工領域を形成し、該気密容器内の雰囲気を調整する雰囲気調整機構を有するので、液状原料により形成される高機能な機能膜や電気光学部品に、雰囲気中の物質が不純物としての混入や、酸化等の機能劣化を防ぐことができるうえ、気密容器が液状原料塗工部本体から隔離できるので、液状原料塗工部本体の交換やメンテナンスが容易である。
(2)の発明によれば、液状原料塗工部中の雰囲気を、気密容器とを隔離した上で塗工領域内の雰囲気と大気とに小さな容積で任意に置換できるので、塗工機のメインテナンスが容易である。
(3)の発明によれば、気密容器内の雰囲気が、雰囲気温度と雰囲気中の酸素含有物質とを調整された不活性気体であるので、雰囲気中の物質が不純物としての混入や、酸化等の機能劣化を防ぐ効果を高めることができる。
(4)の発明によれば、前記雰囲気中の酸素含有物質が300ppm以下であるので、雰囲気中の物質が不純物としての混入や、酸化等の機能劣化を防ぐ効果をさらに高めることができる。
(5)の発明によれば、気密容器内の雰囲気が、基体上の液体原料と活性である反応性ガスにするので、基体の機能を調整することができる。
(6)の発明によれば、前記気密容器内の雰囲気が、循環されて維持されているので、雰囲気の清浄度の維持が容易である。
(7)の発明によれば、前記雰囲気調整機構が温度調整機構を有するので、気密容器内の機構の温度を一定に保つことが出来、塗工精度を高めることができる。
(8)の発明によれば、密容器内の雰囲気が、液状原料に含まれる溶剤もしくは、該液状原料の分解等により発生する副生成物を吸着するトラップを通して、循環されているので、雰囲気中の物質が不純物としての混入や、酸化等の機能劣化を防ぐ効果をさらに高めることができる。
(9)の発明によれば、気密容器が減圧維持可能であるので、立ち上げ時の雰囲気の置換が速やかに行われ、雰囲気のコントロールが容易で操業コストを抑制できる。
(10)の発明によれば、液状原料塗工部本体内の雰囲気が調整されているので、雰囲気中の物質が不純物としての混入や、酸化等の機能劣化を防ぐ効果をさらに高めることができる。
(11)の発明によれば、基体上の液状原料を乾燥させる乾燥機構を有するので、該塗工工程から速やかに乾燥工程に移行して、基体上の液状原料の乾燥を制御しやすくすることで、機能性膜の膜厚を均一性を高めることができる。
(12)の発明によれば、乾燥機構が隔壁により塗工領域と分離できるので、乾燥機構の内のガスが塗工部内に拡散し、調整された気密容器内の雰囲気を乱すことを抑制できる。
(13)の発明によれば、前記乾燥機構に、基体上の液体原料もしくは乾燥後の部材と不活性である気体を導入するので、雰囲気が基体の機能に影響を与えることを防止できる。
(14)の発明によれば、乾燥機構に、基体上の液体原料もしくは乾燥後の部材と活性である気体を導入することにより乾燥後の基体の機能を調整することができる。
(15)の発明によれば、乾燥機構が、真空乾燥機構であるので乾燥効率を高めることができる。
(16)の発明によれば、乾燥機構が、基体もしくは液体原料を加熱する乾燥機構であるので、基体上の液体原料の乾燥速度や機能性膜の膜厚均一性の制御ができる。
(17)乃至(22)の発明によれば、種々の印刷工程に適用することができる。
(23)の発明によれば、塗工領域および乾燥機構を複数連結するので、雰囲気が調整された状態で、多層膜を形成することができる。
(24)の発明によれば、前記塗工領域および乾燥機構に焼成機構が連結されているので基体の焼成工程を含めて処理することができる。
(25)の発明によれば、前記塗工領域および乾燥機構に、検査装置およびリペア装置が連結されているので、所望の幾何学形状が得られていない部位の不具合をチェックして塗工部を補修することができる。
(26)の発明によれば、前記塗工領域に連結されている前記乾燥機構および前記焼成機構および前記検査装置および前記リペア装置内の雰囲気が、基体上の液体原料もしくは乾燥後の部材と不活性な雰囲気で調整されているため、雰囲気が基体の機能に影響を与えることを防止できる。
(27)の発明によれば、液状原料により形成される高機能な機能膜や電気光学部品に、雰囲気中の物質が不純物としての混入や、酸化等の機能劣化を防ぐ液状原料塗工方法を提供することができる。
(28)の発明によれば、液状原料により形成される高機能な機能膜や電気光学部品に、雰囲気中の物質が不純物としての混入や、酸化等の機能劣化しない機能性膜を有する基体を提供することができる。
本発明によれば、液状原料塗工部と前記基体を載置する台座を覆う気密容器により密閉された塗工領域を形成し、該気密容器内の雰囲気を調整する雰囲気調整機構を有することにより、全印刷装置の塗工機(ロールによる印刷機、インクジェット、スリットコートすべての印刷)に対して、塗工雰囲気を小さな容積で環境を調整することができ、電気光学部品を構成する、液状原料により形成される機能膜に、雰囲気中の物質が不純物としての混入防止及び、酸化等の機能劣化防止ないしは、液状原料により形成される機能膜を雰囲気との化学反応を積極的に促進することにより高機能化することができ、調整された環境を壊すことなく、塗工部の保守を可能とした、操業コストが経済的に良好である液状原料塗工装置および、液状原料塗工方法および、それを用いた基体を提供することができるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
本発明を実施するための形態について、インクジェット塗工機を用いた場合を図1乃至図4を用いて詳細に説明する。
図1乃至図4において、1は基体、2は台座、3は気密容器、4はインクジェット(IJ)塗工機(液状原料塗工部であり、該機構の懸架機構等は図示されていない)、4´は液体原料塗工部、5は気密容器温調機構(雰囲気調整機構)、6は温調機、7は乾燥機構、8はヒータ、9はフィルタ、10はブロワ、11は真空ポンプ、12は焼成機構、13はゲートバルブを示し、図1乃至図11において、同じ要素については同じ記号を用いることにより説明の重複を避ける。
図1ないしは図4は、本発明におけるインクジェット塗工機4を用いた液状原料塗工装置の印刷時の実施形態を例示する図であり、本実施形態では、有機ELのように不活性雰囲気中での塗工であり、不活性気体としてN2ガスを使用している例を示す。
図1(a)は、インクジェット塗工機4により、台座2に載置された基体1に塗工している状態を示す。
図1(b)は、インクジェット塗工機4により塗工が終了した基体1を乾燥している状態を示す。
図2は、インクジェット塗工機4の保守時の状態を示す。
図3は、本塗工機で、塗工、乾燥工程を終了した後に、焼成工程が必要な場合、焼成機構12と連結した一例を示す。
図4は、本塗工機の運用のフローチャートを示す。
図1(a)は、インクジェット塗工機4により、台座2に載置された基体1に塗工している状態を示しており、まず、該液体原料塗工領域の雰囲気調整手法を、図4も交えて示す。
液体原料塗工領域は、液体原料塗工部4´と気密容器3から構成され、ひとつの密閉容器を形成している。気密容器3は、基体1を出し入れするゲートバルブ13及びインクジェット塗工機4ないしはインクジェット塗工機4を塗工領域に出し入れするためのゲートバルブ13により封止され、気密状態が維持されている。雰囲気の調整時は、図2に示すように、インクジェット塗工機4を保守領域に出し、ゲートバルブ13により気密状態を維持しておく。
本実施例では、気密容器3に排気設備が接続されており、原料に依存する設備の排気ダクトに直接接続並びに真空排気機構を経由した排気系の切り替えが可能とした。気密容器3は、真空排気機構により、気密容器3内の大気が排気される。本実施例では、低真空で排気能力を有するドライポンプのみとし、真空到達度10Pa程度としている。真空排気として油ポンプを用いても良いし、また、該ドライポンプの前段にターボ分子ポンプ等の高真空に到達可能なポンプを追加しても良い。所定の真空に到達した後、真空排気機構を経由した排気系は気密容器3から分離され、気密容器3は大気圧近傍となる圧力まで、具備されたN2ガス供給ラインから気密容器3内にN2が充填される。ここで、供給されるN2ガスは、好適には1ppm以下の乾燥したN2ガスで、気密容器3を真空排気した後にN2ガス充填する工程を数度実施することが望ましい。これにより、酸素濃度は300ppm程度以下のN2雰囲気となる。
この後、気密容器3内に充填されているN2を、フィルタ9を経由してブロワ10で循環させることにより、気密容器3中の酸素等を取り除き雰囲気の純度を上げて、HEPAフィルタを経由してパーティクルを除去した後に、気密容器3内に返していく。例えば、本実施例では、複数のフィルタ9を循環系に具備しており、コールドトラップ、水フィルタ、酸素フィルタとし、気密容器3内に充填されているN2中に含有する水分、酸素を除去する。また、N2ガス供給ラインから気密容器3にN2を供給しながら排気し、同時に、循環させることで、さらに効率的に純度の高いN2雰囲気を維持することが可能である。
ここで、液体原料には、金属に対して腐食性を有する物性、例えば、酸性やアルカリ性を有する場合がある。この場合には、ブロワ10を始め循環系内部の総ての部品が耐食性を有することが望ましい。しかしながら、部品材料によってはコストが高くなり、また、液体原料が循環系内部にあるフィルタ9に付着して、フィルタ9の寿命を短くすることがある。このため、コールドトラップ等により、気密容器3中にある液体原料を凝縮もしくは、凍結することで、後段にあるフィルタ9及びブロワ10に腐食性を有する液体原料が到達を阻止ないしは、減少させることが望ましい。ここで、コールドトラップは、定期的に保守を行い、捕集率を回復させる必要があるが、複数のコールドトラップを並列に接続し、交互に使用することで装置の連続運転することが可能であると同時に、適宜保守を行うことが可能である。また、他のフィルタ9と連結した2つのフィルタ群を並列に接続して切り替えてもよい。また、コールドトラップは、溶剤用の吸着フィルタ等で置き換えても良い。
また本実施例では、図示していないが、気密容器3を塗工領域とバッファ領域にメッシュやパンチングメタル等により上下に分割し、バッファ領域に循環器の排気を接続し、塗工領域に供給側を接続することでパーティクルが雰囲気の流れにより塗工領域からバッファ領域に到達すると塗工領域には逆流することを防げるため、望ましい。
本実施例の気密容器3は、温度調整された液体循環による気密容器温調機構5(雰囲気調整機構)を有しており、外部の温度変化が、気密容器3の環境に影響することを防止している。
また、気密容器3内部は、零れ落ちるないしは飛散した液体原料が、気密容器3に直接付着しないように、防着板により覆われ、底面には零れ落ちた液体原料を受け止めるパンとしても働く防着板が敷かれていることが望ましい。好適には、該防着板が液体原料に対する耐腐食性を有している。さらに好適には、該防着板と気密容器3の隙間にN2をパージして気密容器3内部に漏らすことで、気密容器3に直接液体原料を含むガスが接触しにくくする。
以上により、密閉容器内の雰囲気は、常に一定の状態とすることが可能となる。
次に、塗工時に密閉容器の一部を成すインクジェット塗工機4の導入手順を図4を交えて示す。
図2に示す気密を保持可能である液体原料塗工部4´内に、図示されていない移動機構にインクジェット塗工機4は固定される。ただし、該液体原料塗工部4´は、該液体原料塗工部4´に具備された大気導入ラインから液体原料塗工領域内に大気を導入しながら、該保守領域に具備された排気系から排気して、大気に置換された後に開放される。これにより、インクジェット塗工機4は、交換ないしは保守が可能な状態となる。
インクジェット塗工機4は、図示されていない移動機構に仮設置された後に、吐出機構の機械的な設定を実施し固定する。ここで機械的な設定は、インクジェット塗工機4のノズル平行度調整等である。
インクジェット塗工機4が固定された後、インクジェット塗工機4には、液体原料供給系、制御系等が接続され、液体原料供給系には液体原料が供給、充填される。
ここで、図示していない保守機構により、インクジェット塗工機4のノズル初期特性及び吐出分布確認、吐出量確認等を実施する、終了後、インクジェット塗工機4のノズル清拭を実施し、インクジェット塗工機4を気密容器3内に導入する位置すなわち、ゲートバルブ13直上に移動させる。
ここで、本実施例のインクジェット塗工機4では、調整された雰囲気下で乾燥状態にあるためノズル周辺に液体原料が乾燥により固着、凝固が発生しやすい。このため、好適には、ノズルにキャップを被せ、ノズルの乾燥を防止してノズルの状態を維持する。
インクジェット塗工機4の配置されている該液体原料塗工部4´は、気密状態とされ液体原料塗工領域内に供給される気体であるN2ガスを該液体原料塗工部4´に具備されたN2ガス供給系から導入しながら、該液体原料塗工部4´に具備された排気系で排気することで置換され、液体原料塗工領域と同程度の雰囲気とする。
その後、該液体原料塗工部4´と気密容器3を連通したゲートバルブ13を開放し、インクジェット塗工機4は、図示していないインクジェット塗工機4の移動機構により、基体1の面方向(図1の矢印で示す下方向)に移動して、気密容器3の塗工位置に固定されると同時に、気密容器3を密閉する。これにより、再度、液体原料塗工領域内の調整された雰囲気中で、インクジェット塗工機4は基体1上に塗工可能となる。
図1(a)に示すように、基体1は、図示されていない例えばロボットなどの移載機構により、基体1を導入するゲートバルブ13(気密容器3左)近傍に待機する台座2に移載され固定される。ここで、基体1を移載するロボットは、液体原料塗工領域の調整された雰囲気を乱さないように、液体原料塗工領域と同様の雰囲気下にあることが望ましい。台座2は図示されていないリニアスライダ等により水平移動して液状原料塗工部4´(インクジェット塗工機4)の下部近傍の所望の塗工開始位置に到達し待機する。基体1を載置した台座2は、塗工時の所定の速度にて移動を開始すると同時に、液状原料塗工部は移動する台座2と同期して液体原料を適宜吐出し、基体1上に塗工する。ここで、台座2を水平移動させる移動機構は、液状原料塗工部との距離が一定となるような精度を維持可能な機構であれば問わない。インクジェット塗工機4のノズルと基体1間の間隔の精度としては、0.5mm以下であることが望ましい。また、通常、インクジェットのノズル部分は、塗工特性を制御する手法として液体原料の粘性を液体原料の温度調整が行える。冷媒等の液体により液体原料の温度を制御している場合には、脈動による振動を抑制して吐出精度を向上させるために、運転を停止することが望ましい。
塗工が完了した基体1は、図1(b)に示すように、図示されていないロボット等の移載機構により、乾燥機構7内に移載され、減圧下での加熱乾燥が行われる。本実施例では、乾燥機構7のヒータ8が具備される下部テーブル上に基体1を載置し、下部テーブルが上昇し上部容器に押し付けられることで乾燥用気密容器を形成している。
その後、液体原料の突沸を抑制しつつ、乾燥用気密容器内を所望速度で真空ポンプ11により排気、減圧し、所定圧力下で乾燥させる。
ここで、本実施例の気密容器3では、雰囲気中の溶剤をコールドトラップにより除去されて調整されるため、基体1上の液体原料は乾燥速度が速い。このため、液体原料を塗布された基体1が、速やかに乾燥工程に移行でき、かつ、同一気密容器3内に、乾燥用気密容器を設けることで、乾燥中に基体1上の液体原料の溶媒が液体原料塗工領域内に拡散して調整された雰囲気を乱さない構成の一例として示している。
また、乾燥中は、液体原料の溶媒が大量に蒸発するため、乾燥機構7は、液体原料塗工領域内に溶媒が拡散して、調整された雰囲気を乱さない機構であればよく、本実施例では減圧乾燥として溶媒を排気する手法を例示している。このため、乾燥用気密容器は、上部容器が下降しても良いし、また、別に接続された気密容器であっても良い。また、本実施例では、減圧乾燥として溶媒を排気するため、減圧下での断熱膨張による温度低下を防止するために、ヒータ8による基体1加熱を行っている。しかし、大気圧近傍でN2ガスを導入しつつ排気しながら加熱機構で乾燥させても良く、また、冷凍乾燥であっても、本発明の本質にかかわるものではない。
ここで、加熱機構や冷凍乾燥による乾燥時の基板温調機構を設ける場合、気密容器3の外周に断熱層を設け、液体原料塗工領域の温度を維持するないしは、基体1の出し入れの際にのみ、乾燥用気密容器を開閉する運用方法であれば好適である
また、液体原料には、金属に対して腐食性を有する物性を有する原料がある。この場合には、真空ポンプ11としてドライポンプと呼ばれる乾式ポンプでは、液体原料の溶媒が真空ポンプ11中に導入されると、真空ポンプ11内が腐食されて機械交差が悪化して圧縮機能を失うために、短時間で真空排気能力を劣化させることになるし、また、潤滑油を用いる油ポンプでは、油の中に腐食性を有する溶剤が溶け込んで濃縮されることで、ポンプ内部が腐食されて、短時間で真空排気能力を劣化させる。
液体原料の溶媒として有機溶剤が使用されている場合には、潤滑油を用いる油ポンプでは、油の中に有機溶剤が溶け込んで潤滑油を劣化させることがあるため、機械的な摺動部の磨耗が激しくなり、短時間で真空排気能力を劣化させる。
このため、好適には、乾燥用気密容器と排気ポンプの間に、コールドトラップないしは、活性炭のように溶剤成分を吸着するフィルタを設け、真空ポンプ11内に進入する溶剤成分を減少させ、真空ポンプ11を保護する。また、さらに好適には、該フィルタ9を並列に配置して順次使用し、使用していないフィルタ9の保守を適宜行い、排気能力を維持可能すると同時に、連続運転が可能となる。
乾燥が終了した後、液体原料塗工領域と同程度に調整されたN2雰囲気を導入し、液体原料塗工領域と同程度の大気圧下とした後、乾燥用気密容器を開放し、基体1を図示しないロボット等の移載機構により、ゲートバルブ13(気密容器3右)を経由して気密容器3から取り出す。そして、必要に応じ、図3に示す焼成機構12内に移載し、基体1上の乾燥した液体原料を所定温度で焼成する。
ここで、基体1を移載するロボットは、液体原料塗工領域内に基体1を導入する際と同様に、液体原料塗工領域の調整された雰囲気を乱さないように、液体原料塗工領域と同様の雰囲気下にあることが望ましい。
以上により、基体1の塗工工程は、繰り返し行われる。
ここで、インクジェット塗工機4では、吐出量確認機構、ノズル清拭機構といった保守機構を要する。本図では図示していないが、気密容器3内に設けて適宜、保守作業を行うことが可能である。しかしながら、インクジェット塗工機4では、調整された雰囲気下で乾燥状態にあるためノズル周辺に液体原料が乾燥により固着、凝固が発生しやすく、また、腐食性を有する液体原料を使用する場合には、ノズル腐食により性能が劣化する。このため、気密容器3からインクジェット塗工機4のノズルを取り出し、保守ないしは交換が必要となる。
この際には、図4(b)に示す手順に従い、図1(c)に示す保守状態に、気密容器3内の調整された雰囲気を壊すことなく移行する。
気密容器3内にある基体1を載置する台座2は、待機位置、通常は基体1を移載する位置で固定される。インクジェット塗工機4は、気密を保持可能である液体原料塗工部4´に移動する前に、該液体原料塗工部4´は、気密容器3内に供給される気体であるN2ガスを導入しながら排気することで置換され、気密容器3と同程度の雰囲気とする。インクジェット塗工機4は、図示していないインクジェット塗工機4の移動機構により、基体1の面方向(図1の矢印で示す上下方向)に移動させ、気密容器3空間から除去される。液体原料塗工領域は、該液体原料塗工部4´と気密容器3を連通したゲートバルブ13により、気密容器3と液状原料塗工部本体とに隔離され、気密容器3の雰囲気は、維持、調整される。該保守領域は、大気を導入しながら排気することで大気に置換された後に開放される。これにより、インクジェット塗工機4は、交換ないしは保守が可能となる。
ここで、インクジェット塗工機4の保守、交換後には液体原料を充填し、ノズルからの吐出量確認ならびに、ノズル清拭機構等の図示していない保守機構により、インクジェット塗工機4を準備する。
インクジェット塗工機4は該液体原料塗工部4´に密閉され、該液体原料塗工部4´は液体原料塗工領域内に供給される気体であるN2ガスを導入しながら排気することで再度置換され、気密容器3と同程度の雰囲気とする。この後、該液体原料塗工部4´は、該ゲートバルブ13を開放することにより気密容器3と連通し、インクジェット塗工機4は、図示していないインクジェット塗工機4の移動機構により、基体1の面方向(図1の矢印で示す下方向)に移動し、塗工位置に固定されると同時に、気密容器3を密閉し、液体原料塗工領域を形成する。これにより、再度、液体原料塗工領域内の調整された雰囲気中で、インクジェット塗工機4は基体1上に塗工可能となる。
以上の実施例で明らかなように、本実施例を用いることで、気密容器3を開放することがないため、気密容器3内の調整された雰囲気を乱すことなく、インクジェット塗工機4を保守可能となる。
通常、前記の気密容器3を一度大気に開放した場合、大気中の水分やガスの吸着を生じるため、気密容器3内を調整された雰囲気とするためには時間を要する。
本実施例では、インクジェット塗工機4の移動方向は、基体1の面方向としたが、台座2の移動方向もしくは、これに垂直方向ないしは、これに所定の角度を持って移動しても良いし、これらの移動方向の組み合わせによる多軸の移動としても良い。
該液体原料塗工部4´と気密容器3を隔離するために用いたゲートバルブ13は、真空処理容器の隔離に使用されるものと同等であれば良く、Oリング等のゴムシールにより密閉、開放できる機構であれば良い。
第一の実施例では、雰囲気として液体原料の化学反応を抑制するために、不活性ガスにより封止する例を示した。しかしながら、液体原料と雰囲気を積極的に化学反応させる反応性ガス導入により、液体原料で成膜される機能性膜の物性を制御することも可能である。次に、液体原料を塗布する塗工工程ないしは乾燥工程において、化学反応性を有する雰囲気により機能性膜の物性を制御する一例を示す。
表示体においては、ITOが電気特性と光透過特性を有するため、透明導電性膜として共通電極として広く利用される。そして、ITOは、酸化物の割合を調整することにより、電気特性および光学的な透過特性を制御可能であるため、好適な前記の物性値を両立させる成膜条件が見出される。すなわち、表示体に使用されるITOは、電気抵抗値が低く光透過率が高いほど、表示装置の共通電極として好適であることになる。一般に、酸化物の割合が高ければ光透過率は高くなり、酸化物の割合が低ければ電気抵抗値は低くなる。
ITOは、酸化インジウム(In2 O3 )に酸化錫(SnO2 )を1〜5重量%ドープしたものである。液体原料として使用される場合、ITOの超微粒子(粒子径0.1μm以下)を有機溶媒に分散させた溶液、また、ジブチルスズジアセテート(DBTDA)およびインジウムアセチルアセトナート(InAA)を有機溶媒に溶解した溶液が使用されることがある。有機溶媒には、アセチルアセトン、イソプロピルビフェニルなどが使用される
酸化反応を促すような雰囲気下で前記の液体原料の塗工、乾燥ならびに、焼成工程を実施した場合、液体原料ないしは液体原料により形成されたITOは、酸化物の割合が高くなるため、光透過率は高くなり、ITOの光学物性値を調整することが可能となる。
本発明に用いる場合には酸化性を有するものとしてオゾンラジカルを導入すれば、酸化物の割合が増加して光透過率は高くなる。オゾンラジカルは、例えば、無声放電ないしは沿面放電空間に酸素ガスを経由させて発生させて、N2ガスと混合して気密容器3中に導入しても良いし、気密容器3中に直接導入しても良い。
ここで、無声放電ないしは沿面放電を利用する場合には、酸素ガスをマスフローコントローラーで酸素流量制御ないしは、N2等のほかのガスと混合比を制御した上で、マスフローコントローラーで酸素流量制御して、単独で無声放電ないしは沿面放電のようなオゾン発生機構を経由して密閉容器中に導入することが可能であり、酸素ガスの流量、他のガスとの混合比とその流量また、放電電力により放電を制御することで密閉容器中に導入されるオゾンラジカル量を制御することが可能となる。
気密容器3中に酸素ガスを直接導入ないしは、酸素ガスをN2ガスや十分に乾燥した乾燥空気等に混合して、酸素混合比を制御した上で気密容器3中に導入し、UV光やイオナイザーを用いて気密容器3内でオゾンラジカルを発生することも可能となる。この場合には、酸素濃度の制御、オゾン化するためのUV光の出力などにより、オゾンラジカルの発生を制御することが可能となる。
また、第一の実施例では、循環機構に酸素除去のためのフィルタ9を具備していたが、本実施例では除外し、酸化反応により発生する副生成物の除去を行うためのフィルタ9を具備することが好適である。さらに、気密容器3内の酸素濃度を観測し、導入する酸素量を制御することは、さらに好適である。
また、還元を必要とする液体原料の場合には、反応性ガスとして還元剤であればよく、一酸化炭素ガスやハロゲン系ガス等を使用可能である。
本発明は図1に示すように液体塗工部に、吐出機構(インクジェット)を用いることができるが、これに限らず、後術のロール式印刷機構、スリットコ−ト機構、噴霧機構や、ブレードまたは刷毛を用いる塗工機構のいずれにも適用できる。
また、塗工部および乾燥機構7を複数連結することにより、多層膜を形成することができ、本発明を用いることにより、液状原料により形成される高機能な機能性膜や電気光学部品に、雰囲気中の物質が不純物としての混入や、酸化等の機能劣化しない機能性膜を形成した基体1を提供することができる。
図3に示すように、前記塗工領域および乾燥機構7に焼成機構12が連結されていることにより、基体1の焼成工程を含めて連続的に同一雰囲気中で処理することができる。また、焼成後、同様の雰囲気中で検査を行った後、機能性膜が所望形状で得られていない場合、補修を行うリペア工程を連結することも可能である。例えば、機能性膜が、所望形状よりもはみ出し、以後の工程でデバイス機能を阻害する場合には、レーザー等によりはみ出した部分を成型する。また、塗工量が不足やパーティクルが原因で欠けが生じた場合、例えば、本実施例で示したインクジェット塗工機4で、局所塗工により所望形状を得ることが出来る。
図4は、本発明におけるインクジェット塗工機4を用いた液状原料塗工装置の印刷時および保守時の処理フローを例示する図である。
まず、印刷時には、気密容器3を封止、真空引き、N2ガス充填、N2ガス循環した後、基体1を導入して基板待機位置に設置する。
次に、液状原料塗工部において、インクジェット塗工機4取付、液体原料供給系充填、吐出能力確認(ノズル初期特性確認、吐出重量確認)の後、塗工領域雰囲気置換してインクジェット塗工機4を進入位置に設置し、ゲートを開いて、インクジェット塗工機4による封止、インクジェット塗工機4固定後に、再度吐出能力確認、吐出重量確認、ノズル清掃等を行う。
そして、塗工完了後は、基体1を乾燥位置に移動して乾燥させる。
次に、保守時には、気密容器3において、基体1を基体1待機位置に設置し、ガス循環させる一方、液状原料塗工部において、塗工領域をN2ガスに雰囲気置換の後、インクジェット塗工機4を封止待機進入位置に設置し、ゲートを閉めて、保守領域を雰囲気置換の後、開放して保守作業を行う。
図5は、本発明におけるロール方式を用いたフレキソ印刷による液状原料塗工装置の第二の実施形態を例示する図である。気密容器3の構成は、基本的に第一の実施例と同様であるため、詳細は図示していない。ロール方式を用いた液状原料塗工装置は、ドクターロール14、アニロックスロール15、版ロール16から構成された例を示しており、液体原料供給系は図示していない。
液体原料は、液体供給系からドクターロール14に供給され、ドクターロール14、アニロックスロール15、版ロール16を連動して回転することにより、アニロックスロール15表面に形成されたセル中に液体原料が充填され、該セル中の液体原料が版ロール16表面に形成された印刷版の表面に転移され、基体1表面に印刷版が押し付けられることで、印刷版上の液体原料を転写することができる。
図5(a)は、ロール方式を用いた液状原料塗工装置を使用して、塗工を実施している図である。基体1は、第一の実施例と同様に、気密容器3に基体1を導入するためのゲートバルブ13を開放し、基体1をロボットにより台座2に載置、固定し、塗工待機位置に移動する。そして、版ロール16上の印刷版の形状と基体1上の機能性膜形成位置が一致するタイミングで、版ロール16の回転と台座2移動機構が同期して、版ロール16の周速度に合わせて台座2を移動させ、印刷版を押し付けながら塗工する。塗工終了後、第一の実施例と同様に、速やかに、乾燥工程で乾燥され、次工程に送り出される。
図5(b)は、第二の実施例における保守時の状態を示す。気密性を有する液体原料塗工部4´が、第一に実施例と同様に、気密容器3に連通して設けられている。本実施例の液状原料塗工装置を気密容器3から隔離する場合、気密性を有する液体原料塗工部4´内の雰囲気を、第一の実施例と同様に、気密容器3内の雰囲気と同程度になるまで置換する。本実施例では、大気からN2ガスに置換することになる。置換が終了した後、ドクターロール14、アニロックスロール15、版ロール16が組み込まれた液状原料塗工装置を図示しない駆動機構で持ち上げ、気密容器3から切離す。本実施例では、気密容器3と保守容器を連通させるゲートを、気密容器3を再封止するためのフランジ17がゲート直上にまで移動して、押し付けることで封止する形態としている。これにより、気密容器3は封止され、液状原料塗工部を気密容器3から隔離される。
この後、第一の実施例と同様に、液体原料塗工部4´内の雰囲気を液体原料塗工部4´に具備された大気供給系により大気を供給しながら排気することで大気に置換した後、液体原料塗工部4´を開放して液状原料塗工装置の保守を実施する。
保守が完了した後、液体原料塗工部4´は第一の実施例と同様に、液体原料塗工部4´内の雰囲気を大気からN2に置換した後、フランジ17を開放し、液体原料塗工部4´と気密容器3が連通した状態で、液状原料塗工装置を気密容器3に押し付けることで、液状原料塗工領域を形成し、塗工を実施する。
本発明は、ロール方式を用いた液状原料塗工装置に対しても適用可能であることは明らかである。
第二の実施例として、ロール方式を用いた液状原料塗工装置を示したが、ロールは金属シリンダで重量が大きく、また、ロール間または基体1との位置精度を高精度で維持するため機械強度が必要である。このため、小型基体に適用する液状原料塗工装置では、重量が抑えられるため、第二の実施例が適用可能である。しかしながら。近年の表示装置の大型化対応する1辺が1mを超える大型基体に適用する場合には、1本のロール用シリンダの重量は1t以上に達する。このため、高精度を維持し、かつ、重量が大きな液状原料塗工装置を移動することは困難となる上、保守時には重心が高くなるために安全上の問題も発生する。
このため、図6に、第三の実施例として、ロールを用いた液状原料塗工装置を移動することなく液状原料塗工装置を隔離可能とした、別の実施形態を例示する。
気密容器3並びに液状原料塗工装置の基本構成は、第二の実施例と同一である。ただし、液状原料塗工装置は、気密容器3上面を基準として固定され、第二の実施例で用いた気密性を有する液体原料塗工部4´がその一部を成している。また、液状原料塗工部と気密容器3を連通するゲートを封止するためのフランジ17は、気密容器3内に設置され、図示されていない駆動機構により基体1の面方向に上下可能としている。
塗工時は、第二の実施例と同様であるため、省略する。
ここで、保守時にはフランジ17が、図示されていない駆動機構により基体1の面方向に上昇して気密容器3と密着することで、気密容器3と液状原料塗工部を分離する。これにより、液状原料塗工部は気密容器3から隔離され、気密容器3は封止された状態で、雰囲気が引き続き、調整維持される。
液状原料塗工装置は液体原料塗工部4´に具備された大気供給系により大気を供給しながら排気することで液体原料塗工部4´内の雰囲気を大気に置換した後、液体原料塗工部4´を開放して液状原料塗工装置の保守を実施する。
保守が完了した後、保守容器は第一の実施例と同様に、液体原料塗工部4´に具備されたN2供給系によりN2を供給しながら排気することで、液体原料塗工部4´内の雰囲気を大気からN2に置換する。その後、フランジ17を下降させ、液体原料塗工部4´と気密容器3が連通した状態とし、液状原料塗工部により気密容器3を封止し、塗工を実施する。
ここで、気密機構と液状原料塗工装置を分離するフランジ17は、上昇することで気密容器3を封止しているが、封止可能な機構であればよい。
本発明は、大型化された基体1に対するロール方式用いた液状原料塗工装置に対しても、精度を維持した状態で、液状原料塗工装置を分離し、密閉容器内の雰囲気を乱すことなく、液状原料塗工装置を保守可能である。
図7は、本発明におけるスリットコート法を用いた液状原料塗工装置の第四の実施形態を例示する図である。
図7(a)は、液状原料塗工装置による塗工状態を示す。スリットダイ18には、液体原料を供給するための液体原料供給系が接続されているが、図示していない。また、スリットダイ18を上下させるための駆動系も図示していない。
スリットコート法は、毛細管現象を利用してスリットダイ18の先端スリットから液体原料をだし、該液体原料を押し付けることで、基体1上に液体原料を転写して塗工する。
図7(b)に示すように、スリットダイ18を上部に引き上げて開口部をシールすることにより気密容器3を隔離することができる。
ここで、図7(a)と図7(b)間の移行の機構並びに手順は、第一の実施例において、液体原料塗工装置が異なるだけであるため、ここでは省略する。
また、スリットコート法では、通常、液体原料をスリット幅で、スリットダイ18が走査された領域を全面に渡り塗工する。しかしながら、基体1の塗工領域に、例えば、撥液レジストによる凹凸によるパターンを形成や、液体原料に対して撥液性及び親液性処理等を行うことでパターンを形成し、液体原料を局所化させて機能性膜によるパターンを形成することが可能であることは知られているが、これらの場合にも、本発明は有効であることは言うまでも無い。
図8は、本発明におけるディスペンサ19を用いた液状原料塗工装置の第五の実施形態を例示する図である。
図8(a)は、液状原料塗工装置による塗工状態を示す。ディスペンサ19には、液体原料を供給するための液体原料供給系が接続されているが、図示していない。また、ディスペンサ19を上下させるための駆動系も図示していない。
ディスペンサ法は、シリンジ中に充填した液体原料をシリンジの先端から液体原料をだし、該液体原料を押し付けることで、基体1上に液体原料を局所的に塗工することが可能である。
ここで、これまで記述した実施例では、基体1を載置した台座2は、塗工と乾燥工程に向かう方向を一致させて、一軸方向のみの移動としていた。しかし、ディスペンサ法では、基体1を載置した台座2の乾燥機構7への移動方向に対して垂直方向にも移動可能とすることで、該液状原料塗工装置により機能性膜によるパターンを形成することが可能となる。
また、本実施例ではディスペンサ19を固定しているが、ディスペンサ19を移動可能な機構とし、ディスペンサ19を移動することで図8(b)に示すように、ディスペンサ19を上部に引き上げて開口部をシールすることにより気密容器3を隔離することができる。
ここで、図8(a)と図8(b)間の移行の機構並びに手順は、第一の実施例において、液体原料塗工装置が異なるだけであるため、ここでは省略する。
図9は、本発明におけるブレード20を用いた液状原料塗工装置の第六の実施形態を例示する図である。液状原料塗工装置はスリット状の液体原料を塗布するノズルと塗布された液体原料を薄く伸ばす機能を有する線状のブレード20より構成される。液状原料塗工装置には、液体原料を供給するための液体原料供給系が接続されているが、図示していない。また、液状原料塗工装置を上下させるための駆動系も図示していない。
図9(a)に、本発明におけるブレード20を用いた液状原料塗工装置の塗工時を示す。塗工は、ノズルにより液体原料を基体1上に線状で塗布した後、移動する台座2上の基体1にブレード20によりインクを薄く伸ばして塗工する。
図9(a)に、本発明におけるブレード20を用いた液状原料塗工装置の塗工時を示す。
ここで、図9(a)と図9(b)間の移行の機構並びに手順は、第一の実施例において、液体原料塗工装置が異なるだけであるため、ここでは省略する。
本発明は、ブレード20を用いた液状原料塗工装置に対しても、液状原料塗工部を隔離し、密閉容器内の雰囲気を乱すことなく、液状原料塗工装置を分離可能である。
また、第四の実施形態に示したスリットコート法と同様に、基体1の塗工領域に、例えば、レジストによる凹凸によるパターンを形成や、液体原料に対して撥液性及び親液性処理等を行うことでパターンを形成し、液体原料を局所化させて機能性膜によるパターンを形成することが可能であることは言うまでも無い。
図10は、本発明におけるハードマスク21付基体に用いる液状原料塗工装置の第七の実施形態を例示する図である。液体原料を基体1上に供給する方法として、本実施例では、第四の実施形態で説明したスリットコート法を用いているが、本発明で示した液状原料塗工装置に適用可能である。
本実施例で用いるハードマスク21は、温度変化に対して精度を維持するため、調整されている密閉容器中の雰囲気温度付近で線膨張係数が低いインバー合金製、例えば、室温近傍であれば42アロイなどがある。好適には、ハードマスク21の厚みが0.5mm以下であり、フレームに固定されて、パターン精度が劣化しないことが望ましい。また、好適には、該ハードマスク21上に形成されているパターンの基体1接触側に座繰りが形成され、ハードマスク21と基体1間に液体原料が毛細管現象により浸透することを抑制防止できることが望ましい、また、好適には、液体原料に対して撥液性を有する表面処理、例えば、フッ素樹脂コーティングを施し、塗工時に液体原料が残留しにくいことが望ましい。
該ハードマスク21は、台座2に基体1が移載される位置で、台座2の上部に配置される。基体1がロボットにより台座2に移載され、固定された状態で基体1上に載置され、接触ないしは疑接触状態で固定される。この際、好適には、基体1上にあるアライメントマークとハードマスク21上のアライメントマークにより光学的アライメント、もしくは、基体1ないしはハードマスク21をピン等に押し付けるないしは、位置決めピン等を使用することで機械的アライメントにより、基体1との位置精度を高くすることが望ましい。
該ハードマスク21を載置した台座2は、第四の実施例で示した同様の手順により、液状原料塗工装置によりハードマスク21のパターンが、液体原料で基体1上に塗工される。塗工終了後、ハードマスク21は、基体1上から除去され、基体1の移載位置に移動し、基体1は乾燥工程に移動する。
ハードマスク21は、パーティクルの発生を抑制するために、定期的に洗浄することが望ましく、例えば、基体1を導入するロボットにより気密容器3外に排出され、洗浄される。さらに好適には、ハードマスク21は、マスクストッカに複数個用意され、適宜、交換されることが望ましい。
ここで、図10(a)〜(d)は本実施例での塗工時、(e)は保守時を示している。塗工時から保守時、保守時から塗工時への移行は、第四の実施例と同様であるため割愛する。
本発明は、ハードマスク21を用いた液状原料塗工装置に対しても、液状原料塗工部を隔離し、密閉容器内の雰囲気を乱すことなく、液状原料塗工装置を分離可能である。
図11は、本発明におけるスプレー22を用いた液状原料塗工装置を使用した場合の、第八の実施形態を例示する図である。
図11(a)に示すように、スプレー22によりミスト状にした液体原料の塗工時を示す。スプレー22により液体原料を塗布する場合には、第四の実施例で示したように基体1上にパターン形成のための表面処理を施したり、第七の実施例に示したようなハードマスク21を用いて、塗工領域を形成することが望ましい
保守時には、図11(b)に示すように、スプレー22を上部に引き上げて開口部をシールすることにより気密容器3を隔離することができる。
ここで、図11(a)、(b)は、本実施例での塗工時、保守時を示している。塗工時から保守時、保守時から塗工時への移行は、第4の実施例と同様であるため割愛する。
本発明は、ハードマスク21を用いた液状原料塗工装置に対しても、液状原料塗工部を隔離し、密閉容器内の雰囲気を乱すことなく、液状原料塗工装置を分離可能である。
また、インクジェット塗工装置のノズル、ロール式の液状原料塗工装置の各ロールは、溶剤の蒸発による乾燥によって液体原料の固着、凝固を発生する。特に、本実施例のように雰囲気の調整により、乾燥した雰囲気下では、乾燥が促進される。このため、例えば、インクジェットでは、ノズルを密閉して、密閉容器中の雰囲気に液体原料の主溶剤である溶媒を含有する雰囲気で満たして液体原料の固着、凝固を抑制、防止することが可能となる。
また、ロール式の液状原料塗工装置では、版ロール16の密閉容器中の雰囲気と接触する面積を小さく、かつ、版ロール16と密閉容器間の隙間を小さくするなどしてコンダクタンスを悪くして、液状原料塗工装置と密閉容器間のガス交換が起こりにくくした後、液状原料塗工装置内を、密閉容器中の雰囲気に液体原料の主溶剤である溶媒を含有する雰囲気で満たすことで、ロールの乾燥を抑制、防止することが可能となる。
密閉容器中の雰囲気に液体原料の主溶剤である溶媒を含有する雰囲気は、簡便な手法の一例として、密閉容器中の供給している雰囲気を、液体原料の主溶剤のタンク内でバブリングすることにより生成できる。該雰囲気をノズル周りの密閉容器内や液状原料塗工装置の液状原料塗工部内に供給することで可能となる。
本発明におけるインクジェット塗工機を用いた液状原料塗工装置の印刷時の実施形態を例示する図である。 本発明におけるインクジェット塗工機を用いた液状原料塗工装置の保守時の実施形態を例示する図である。 本発明における焼成機構を有する液状原料塗工装置の保守時の実施形態を例示する図である。 本発明におけるインクジェット塗工機を用いた液状原料塗工装置の印刷時および保守時の処理フローを例示する図である。 本発明におけるロール用いた液状原料塗工装置の実施形態を例示する図である。 本発明におけるロール用いた液状原料塗工装置の実施形態を例示する図である。 本発明におけるスリットコートを用いた液状原料塗工装置の印刷時の実施形態を例示する図である。 本発明におけるディスペンサを用いた液状原料塗工装置の印刷時の実施形態を例示する図である。 本発明におけるブレードを用いた液状原料塗工装置の実施形態を例示する図である。 本発明におけるハードマスク付基体に用いる液状原料塗工装置の実施形態を例示する図である。 本発明におけるスプレーを用いた液状原料塗工装置の実施形態を例示する図である。
符号の説明
1 基体
2 台座
3 気密容器
4 インクジェット塗工機
4´液体原料塗工部、
5 気密容器温調機構(雰囲気調整機構)
6 温調機
7 乾燥機構
8 ヒータ
9 フィルタ
10 ブロワ
11 真空ポンプ
12 焼成機構
13 ゲートバルブ
14 ドクターロール
15 アニックスロール
16 版ロール
17 フランジ
18 スリットダイ
19 ディスペンサ
20 ブレード
21 ハードマスク
22 スプレー

Claims (28)

  1. 基体上に液状原料を塗工して機能性膜もしくは電気光学機能を有する積層構造体を形成する液状原料塗工部と、前記基体を固定する台座と、前記液状原料塗工部と前記台座とを相対的に移動させる移動機構とを備えた液状原料塗工装置であって、
    前記液状原料塗工部と前記台座を覆う気密容器とにより塗工領域を形成し、該塗工領域内の雰囲気を調整する雰囲気調整機構を有し、前記気密容器が液状原料塗工部から隔離できることを特徴とする液状原料塗工装置。
  2. 前記液状原料塗工部中の雰囲気を、前記機密容器とを隔離した上で前記塗工領域内の雰囲気と大気とに、任意に置換できることを特徴とする請求項1に記載の液状原料塗工装置。
  3. 前記気密容器内の雰囲気が、雰囲気温度と雰囲気中の酸素含有物質とを調整された不活性気体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液状原料塗工装置。
  4. 前記雰囲気中の酸素含有物質が300ppm以下であることを特徴とする請求項3に記載の液状原料塗工装置。
  5. 前記気密容器内の雰囲気が、基体上の液体原料と活性である反応性ガスが含有されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液状原料塗工装置。
  6. 前記気密容器内の雰囲気が、循環されて維持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  7. 前記雰囲気調整機構が、温度調整機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  8. 前記気密容器内の雰囲気が、液状原料に含まれる溶剤もしくは、この分解等により発生する副生成物を吸着するトラップを通して、循環されていることを特徴とする請求項6に記載の液状原料塗工装置。
  9. 前記気密容器が減圧維持可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  10. 前記液状原料塗工部内の雰囲気が調整されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  11. 前記基体を乾燥させる乾燥機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  12. 前記乾燥機構が、隔壁により塗工領域と分離できることを特徴とする請求項11に記載の液状原料塗工装置。
  13. 前記乾燥機構に、基体上の液体原料もしくは乾燥後の部材と不活性である気体を導入することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の液状原料塗工装置。
  14. 前記乾燥機構に、基体上の液体原料もしくは乾燥後の部材と活性である反応性ガスを導入することにより乾燥後の基体の機能を調整することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の液状原料塗工装置。
  15. 前記乾燥機構が、真空乾燥機構であることを特徴とする請求項11乃至請求項14のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  16. 前記乾燥機構が、基体もしくは液体原料を加熱する乾燥機構であることを特徴とする請求項11乃至請求項15のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  17. 前記液体塗工部に、吐出機構を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  18. 前記液体塗工部に、ロール式印刷機構を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  19. 前記液体塗工部に、スリットコ−ト機構を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  20. 前記液体塗工部に、噴霧機構を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  21. 前記液体塗工部に、ブレードを用いることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  22. 前記液体塗工部に、刷毛を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  23. 前記塗工領域および乾燥機構を複数連結することにより、多層膜を形成することを特徴とする請求項10乃至請求項22のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  24. 前記塗工領域および乾燥機構に焼成機構が連結されていることを特徴とする。請求項10乃至請求項23のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  25. 前記塗工領域および乾燥機構に、検査装置およびリペア装置が連結されていることを特徴とする請求項10乃至請求項24のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置。
  26. 前記塗工領域および乾燥機構に連結されている、前記焼成機構および前記検査装置および前記リペア装置が、基体上の液体原料もしくは乾燥後の部材と不活性な雰囲気であることを特徴とする。請求項24または請求項25に記載の液状原料塗工装置。
  27. 請求項1乃至請求項26のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置を用いることを特徴とする液状原料塗工方法。
  28. 請求項1乃至請求項27のいずれか一項に記載の液状原料塗工装置を用いて機能性膜もしくは電気光学機能を有する積層構造体を形成したことを特徴とする基体。
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