JP2005059385A - ヘッドキャップ、ヘッドキャップパン、吸引ユニットおよび液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

ヘッドキャップ、ヘッドキャップパン、吸引ユニットおよび液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 液滴吐出装置において、機能液収容部の外に飛散した機能液を適切に受けることができるヘッドキャップ、ヘッドキャップパン、吸引ユニットおよび液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを課題とする。
【解決手段】 液滴吐出ヘッド91のノズル109を包含した状態でノズル面108に密着する環状のシール部材124と、シール部材124を固定するキャップベース112と、キャップベース112の表面に機能液を受ける機能液収容部121aと、を備え、キャップベース112の周縁部には、機能液収容部121aの外側に飛散した機能液を受けるフランジ状の機能液受容部125bが設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドに密着して増粘した機能液を吸引するクリーニングや液滴吐出ヘッドからの機能液の捨て吐出であるところのフラッシングを行なうヘッドキャップ、ヘッドキャップパン、吸引ユニットおよび液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関する。
従来、インクジェットプリンタ等の液滴吐出装置では、運転停止時に、空気に晒されて増粘した機能液により吐出ノズルに目詰まりが生じるため、液滴吐出ヘッドのノズル面を封止し、且つ吐出ノズルから増粘した機能液を吸引により取り除くキャップユニットが併設されている。
このキャップユニットは、液滴吐出ヘッドのノズル面に密着してこれを封止し、ノズル面との間で内部空間を形成するキャップ部材と、キャップ部材の内底部に配置された機能液吸収材と、キャップ部材を保持するキャップホルダと、キャップ部材を液滴吐出ヘッドに離接させる昇降機構と、キャップ部材を介して吐出ノズルから機能液を吸引する吸引ポンプを備えている。
例えば、長時間の運転停止時には、機能液の乾燥を防止すべくキャップ部材を液滴吐出ヘッドに押付けて、いわゆるキャッピング(封止)を行い、且つ運転開始時には、この状態で吸引ポンプを駆動して機能液を吸引する、いわゆるクリーニングが行われる。
また、液滴吐出ヘッドの交換等のメンテナンス(保守作業)では、装置によって、キャップユニットを液滴吐出ヘッドからわずかに離間させておいて、液滴吐出ヘッドの全吐出ヘッドから機能液を吐出する、いわゆるフラッシング(捨て吐出)が行われる。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−62202号公報 (第7頁[0071]から[0075])
しかし、このようなキャップユニットにおいて、前述のフラッシング(捨て吐出)を行なう場合、吐出された機能液が吐出ヘッドとキャップ部材とのわずかの隙間から外部に飛散することがあった。また、空気に晒されて増粘した機能液を吸引するクリーニング(以下、「吸引クリーニング」という)においては、吐出ヘッドとキャップ部材が密着して吸引する際に、機能液の表面張力により吐出ヘッドのノズル面に付着した機能液が、吸引後キャップ部材が吐出ヘッドから離れた瞬間に飛散することもあった。
インクジェットプリンタ等の液滴吐出装置は、有機EL表示装置を構成する有機EL発光層の製造などの液滴吐出装置として利用することが知られている。このような装置においては、機能液が飛散して、それが装置を構成する部材に付着した場合は、使用する機能液の種類によって、装置を構成する部材を侵すような腐食性を有するものがあり、装置本来の機能に支障を起こすだけでなく、放置しておけば高額な投資をして造られた装置が故障するという問題がある。また、このような問題を防止するためには、定期的なメンテナンス(保守)が必要であり、作業全体の効率を低下させるという問題も含んでいる。
本発明は、上記の問題に鑑み、機能液収容部の外に飛散した機能液を適切に受けることができるヘッドキャップ、ヘッドキャップパン、吸引ユニットおよび液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを目的とする。
本発明のヘッドキャップでは、液滴吐出ヘッドのノズルを包含した状態でノズル面に密着する環状のシール部材と、シール部材を液滴吐出ヘッドのノズル面に対峙するように固定するキャップベースと、シール部材の内側に位置してキャップベースの表面に液滴吐出ヘッドから排出される機能液を受ける機能液収容部と、を備え、キャップベースの周縁部には、機能液収容部の外側に飛散した機能液を受けるフランジ状の機能液受容部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、キャップベースの周縁部には、機能液収容部の外側に飛散した機能液を受けるフランジ状の機能液受容部が設けられているため、フラッシング時に液滴吐出ヘッドとシール部材とのわずかな隙間から機能液収容部の外側に飛散した機能液は、フランジ状の機能液受容部で受けることができる。また、吸引クリーニングにおいては機能液が、吸引後ヘッドキャップが液滴吐出ヘッドから離れる瞬間に飛散した場合も、このフランジ状の機能液受容部で受けることができる。
この場合、機能液受容部の表面には、シール部材を囲うように溝が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドから排出された機能液は、機能液受容部の表面に形成されたシール部材を囲う溝で受けられ、これに溜まる。ゆえに溝で受けた機能液が機能液受容部の外に流れ出すことを防止することができる。
また、この場合、キャップベースは、機能液収容部を形成すると共に、シール部材を受けるベース本体と、シール部材の周縁部をベース本体に押圧固定するシール固定部材とから成り、機能液受容部は、シール固定部材に設けられていることが好ましい。
さらにこの場合、機能液受容部とシール固定部材とは、一体に形成されていることが好ましい。
これらの構成によれば、シール固定部材と機能液受容部とを兼用することができ、部品点数を削減することができる。また、機能液受容部と共に一体に形成されたシール固定部材を清掃することにより、機能液受容部の清掃を簡単に行なうことができる。
さらにこの場合、シール固定部材は、ベース本体に対して、取り外し可能に構成されていることが好ましい。
この構成によれば、ベース本体からシール固定部材を取り外すことができるので、機能液受容部の清掃をより簡単に行なうことができる。
また、本発明のヘッドキャップパンは、上記したヘッドキャップの下側に配設され、前記ヘッドキャップを内在させると共に、受け皿状に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、前述のフラッシング時に液滴吐出ヘッドとそれに対応したヘッドキャップとのわずかの隙間からヘッドキャップの外に飛散した機能液を受け皿状のヘッドキャップパンで受けることができる。また、例えば機能液吸引時に吸引ポンプの小停止や故障停止が発生しても、液滴吐出ヘッドに対応したヘッドキャップから漏たり、また溢れた機能液を受け皿状に形成されたヘッドキャップパンで受けることができる。ゆえにヘッドキャップを離接する昇降機構などの周辺装置に機能液が付着するのを防止することができる。これらの機能により、使用する機能液が腐食性を有する場合は、機能液が装置へ付着し腐食することで起こり得る装置の機能不良の発生や故障を防止することができる。
さらに、この場合、ヘッドキャップパンの周縁部には、ヘッドキャップの上端より低い位置となる立ち上げ部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、ヘッドキャップが液滴吐出ヘッドに密着して機能液を吸引クリーニングする際に、ヘッドキャップパンの周縁部に形成された立ち上げ部に機能液が付着していた場合であっても、この立ち上げ部がヘッドキャップの上端より低い位置に形成されているため、付着していた機能液が液滴吐出ヘッドのノズル面に転着することを防止することができる。また、ヘッドキャップより溢れた機能液が、ヘッドキャップパンより流れ出ることを堰き止めることができる。
また、この場合、ヘッドキャップパンは、ヘッドキャップが複数個存在する場合であっても、その複数個を一括して内在することが好ましい。
この構成によれば、複数個のヘッドキャップを一括して内在するため、複数個のヘッドキャップから機能液が飛散した場合や、溢れた場合にもそれらを受け止めて、ヘッドキャップパンから外に流出することを防止することができる。
本発明の吸引ユニットは、前述したヘッドキャップと、ヘッドキャップを介して液滴吐出ヘッドから機能液を吸引する吸引手段と、ヘッドキャップを液滴吐出ヘッドのノズル面に対し相対的に離接させる手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドの吸引クリーニングやフラッシング時に飛散する機能液を適切に受けることができる。また、吸引機能と受液機能とを兼ね備えているため、液滴吐出ヘッドを移動させずに同じ位置で液滴吐出ヘッドの保守が効率よくできる。なお、離接手段としては、液滴吐出ヘッドを上下させるもの、ヘッドキャップを昇降させるもの、いずれであってもよい。
この場合、吸引ユニットは、前述のヘッドキャップパンをさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、内在するヘッドキャップの外側に機能液が飛散したり、溢れた場合に、このヘッドキャップパンによって、機能液が吸引ユニットの外に流出することを防止することができる。
本発明の液滴吐出装置は、上記の吸引ユニットと、液滴吐出ヘッドを搭載すると共に、液滴吐出ヘッドをワークに対向させて、当該ワークに対し液滴吐出ヘッドを相対的に走査させながら機能液を選択的に吐出させる描画手段と、を備えたことを特徴とする
この構成によれば、液滴吐出ヘッドの吸引クリーニングやフラッシング時に飛散する機能液を適切に受けることができるため、機能液の付着によって起こる機能不良や故障が少ない液滴吐出装置を実現できる。また、装置の清掃は、ヘッドキャップの構成部品を取り外して簡単に清掃できることや、吸引ユニットは、吸引機能と受液機能とを兼ね備えているため、液滴吐出ヘッドを移動させずに同じ位置で保守できるので、保守し易い液滴吐出装置が実現できる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、液滴吐出ヘッドをワークに対し相対的に走査し、機能液滴を選択的に吐出して成膜部を形成することを特徴とする。
同様に、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、液滴吐出ヘッドをワークに対し相対的に走査し、機能液滴を選択的に吐出して成膜部を形成したことを特徴とする。
これらの構成によれば、液滴吐出ヘッドの吸引クリーニングやフラッシング時に飛散する機能液を適切に受けることができ、機能不良や故障が少なく、効率のよい保守ができる液滴吐出装置を用いて電気光学装置の製造ができるため、生産性の高い電気光学装置を製造することが可能となる。
なお、電気光学装置としては、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma
Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-Conduction
Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、各種表示装置に用いるカラーフィルタは元より、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または、上記した電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドの吸引クリーニングやフラッシング時に飛散する機能液を適切に受けることができ、機能不良や故障が少なく、効率のよい保守ができる液滴吐出装置を用いて製造される生産性の高い電気光学装置を搭載したため、生産性の高い電子機器を実現できる。
電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレーを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
本発明のヘッドキャップ及びヘッドキャップパン並びに吸引ユニットによれば、液滴吐出ヘッドの吸引クリーニングやフラッシング時に飛散する機能液を適切に受けとめるため、機能不良や故障が少なく、保守しやすい液滴吐出装置を実現できる。
本発明の一実施形態であるヘッドキャップ、ヘッドキャップパンおよび吸引ユニットを用いた液滴吐出装置について説明する。本実施形態の液滴吐出装置1は、いわゆるフラットパネルディスプレーの一種である有機EL装置の製造工程で用いられる装置であり、正孔注入層材料や発光材料等を機能液として、吐出ヘッドからワークに対して相対的に走査しながら吐出することによりEL発光層を形成するものである(詳細は後述する)。
図1ないし図3に示すとおり、液滴吐出装置1は、液滴吐出ヘッド91を搭載するヘッドユニット81を用いて、ワーク(基板)Wに対して相対的に吐出走査し上記EL発光層を形成する描画装置2と、液滴吐出ヘッド91の保守等に用いる各種装置からなるメンテナンス装置3と、描画装置2およびメンテナンス装置3の駆動等に用いる各種装置からなる周辺装置4と、これらの各装置を支持または収容する装置構造体5と、さらに、これらの装置を制御するホストコンピュータ45と、を備えている。
装置構造体5は、2つのキャビネット形式の大型機台51および小型機台52と、大型機台51に支持されると共に描画装置2とメンテナンス装置3とを載置する石定盤61と、大型機台51と石定盤61の間に介設された支持板62を底板として、石定盤61上の前記各装置を囲う箱型のチャンバ63と、から構成されている。また、石定盤61は、上面に高低2つの平坦な面が形成されており、高い側の平坦部には、描画装置2が配設され、低い側の平坦部には、メンテナンス装置3の主要部が配設されている。そして、上記チャンバ63に外部からドライエアーを常に供給することで、描画装置2は、安定した雰囲気内で描画作業が行なわれる。
周辺装置4は、描画装置2およびメンテナンス装置3にその駆動を制御するための圧縮エアーを供給するエアー供給装置41と、ワークWを吸着テーブル311(後述する)に搬入出させる搬送装置44と、吸着テーブル311上のワークWを真空ポンプで吸引するエアー吸引装置42と、吸引用スイッチ装置43と、で構成されている。
描画装置2は、液滴吐出ヘッド91を備えた液滴吐出部21と、液滴吐出部21とセットされたワークWとを、X軸方向およびY軸方向に相対的に移動させる移動走査部22と、ヘッド認識カメラ303とワーク認識カメラ304および描画観察カメラ305を備えた検出部23と、機能液を供給および回収する機能液供給回収部24と、で構成されている。移動走査部22は、セットされたワークWをX軸方向に移動させるX軸テーブル301と、液滴吐出ヘッド91をY軸方向に移動させるY軸テーブル302と、で構成されている。
X軸テーブル301は、石定盤61上に直接設置されており、ワークWをセットするための吸着テーブル311と、吸着テーブル311を支持するθテーブル312と、θテーブル312をX軸方向にスライド自在に支持するX軸エアースライダ(図示省略)と、θテーブル312および吸着テーブル311を介して、ワークWをX軸方向に移動させるX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸エアースライダに併設したX軸リニアスケール(図示省略)と、を備えている。X軸テーブル301では、X軸リニアモータの駆動により、θテーブル312とワークWを吸着セットした吸着テーブル311とが、X軸エアースライダを案内にしてX軸方向に移動する。
なお、X軸リニアモータ、X軸エアースライダ、およびX軸リニアスケールは、X軸に対して平行に配設されており、X軸ボックス316内に収容されている。また、θテーブル312には、上記検出部23のヘッド認識カメラ303が固定されており、吸着テーブル311に対して、ヘッドユニット81の位置を補正可能となっている。
Y軸テーブル302は、石定盤61上に立設されたスタンド付のY軸フレーム321に載置されており、X軸テーブル301を跨ぎ、X軸テーブル301に直交する方向に延在している。Y軸テーブル302は、ヘッドユニット81を搭載したメインキャリッジ203と、Y軸フレーム321にスライド自在に支持され、メインキャリッジ203を支持するY軸エアースライダ(図示省略)と、Y軸エアースライダを介して、ヘッドユニット81をY軸方向に移動させるY軸リニアモータ(図示省略)と、Y軸エアースライダに併設したY軸リニアスケール(図示省略)と、を有している。
また、Y軸フレーム321には、Y軸エアースライダの他に、エアースライダ(図示省略)がスライド自在に支持されており、エアースライダには、上記検出部23のワーク認識カメラ304と描画観察カメラ305が固定されている。そして、Y軸リニアモータの駆動により、ワーク認識カメラ304と描画観察カメラ305もY軸方向へ移動するようになっている。なお、描画観察カメラ305は、吐出処理されたワークWに、機能液が適切に塗布(着弾)されているか否かの観察に用いられる。
液滴吐出部21は、液滴吐出ヘッド91を備えたヘッドユニット81と、ヘッドユニット81を回転自在に吊設したヘッド回転機構201と、ヘッド回転機構201と共にヘッドユニット81を上下させるヘッド昇降機構202と、ヘッド昇降機構202を支持すると共に取付けブロック322を介してY軸エアースライダに固定されるメインキャリッジ203と、で構成されている。本実施形態のヘッドユニット81には、ヘッドプレート92を介して、R・G・Bの発光材料に対応する3個の液滴吐出ヘッド91が搭載されている(図4および図5参照)。
機能液供給回収部24は、上記3個の液滴吐出ヘッド91それぞれにR・G・Bの発光材料を供給する機能液供給装置351と、不要になった機能液をメンテナンス装置3から回収する機能液回収装置352と、で構成されている。機能液供給装置351は、小型機台52の上部に配置された収容ボックス73内に配設され、各R・G・Bの発光材料ごとの機能液タンク(図示省略)を備え、この機能液タンクと液滴吐出ヘッド91との間の水頭差を所定の値に維持し、液滴吐出ヘッド91の駆動を利用して機能液を送り込んでいる。機能液回収部352は、小型機台52のキャビネット内に配置され、各R・G・Bの発光材料ごとの回収タンク353を備え、大型機台51上に配置した吸引ポンプ342(図示省略)から送液された機能液(廃液)を回収する。なお、小型機台52のキャビネット内と収容ボックス73とは連通しており、収容ボックス73の上部に設けられた排気筒74を介して、小型機台52のキャビネット内と収容ボックス73内部の気化した溶媒を含む空気を排気するようになっている。
液滴吐出ヘッド91は、図5に示すとおり、機能液を送り込むチューブ(図示省略)に接続する接続針102が設けられた液導入部101と、ヘッド基板103を介して接続されたヘッド本体105によって構成されている。ヘッド本体105には、液滴を吐出するポンプの役目を果たすピエゾ(圧電素子)106とノズル109を形成したノズルプレート107を備えている。本実施形態のノズルプレート107には、各列180個で2列に並んだノズル109が開口しており、いわゆる2連の液滴吐出ヘッドとなっている。そして、描画時におけるこの3個の液滴吐出ヘッド91は、ノズル面108が吸着テーブル311に臨むように、ヘッドプレート92に配設されている。
ここで、液滴吐出装置1の描画動作について説明する。本実施形態の液滴吐出ヘッド91の駆動(機能液滴の選択的吐出)に同期してワークWが移動する構成であり、液滴吐出ヘッド91のいわゆる主走査は、X軸エアースライダで支持された吸着テーブル311に吸着されたワークWが、X軸方向へ往復動作することにより行われる。また、これに対応して、いわゆる副走査は、Y軸テーブル302により液滴吐出ヘッド91のY軸方向への往動動作により行われる。なお、液滴吐出ヘッド91は、前述のとおり多数のノズルからなるノズル列を有している。ゆえに各ノズル間ピッチがワークWの画素ピッチと同一となるように、液滴吐出ヘッド91に角度づけが必要となる場合には、ヘッド回転機構201によりヘッドユニット81を所定の角度に回転させることで、液滴吐出ヘッド91に角度を与えながら上記の主走査を行なうようにする。
メンテナンス装置3は、液滴吐出ヘッド91からワークWに対して描画を行なう直前に予備吐出(捨て吐出)された機能液を受ける一対のフラッシングユニット31,31と、液滴吐出ヘッド91のメンテナンスを行なう吸引ユニット32と、液滴吐出ヘッド91のノズル面に付着した機能液を拭き取るワイピングユニット33と、液滴吐出ヘッド91から吐出される液滴の吐出状態を確認する吐出検査ユニット34と、液滴吐出ヘッド91から吐出された機能液の重量を測定する重量測定ユニット35と、で構成されている(図1および図2参照)。なお、図中の符号36は、試験等に用いる予備のフラッシングユニットである。
一対のフラッシングユニット31,31は、ワークWが固定される吸着テーブル311のX軸方向両側に配置されている。フラッシングユニット31を除く他のユニットは、液滴吐出ヘッド91が臨み得るように、Y軸エアースライダによって移動するヘッドユニット81のY軸方向の移動軌跡上に配設されている。この配置によれば、液滴吐出ヘッド91の吸引クリーニングを行なう場合は、ヘッドユニット81がY軸エアースライダによって吸引ユニット32の真上まで移動し、ヘッドユニット81を吊設しているヘッド回転機構201によってヘッドユニット81を所定の向きに回転させ、さらにヘッド昇降機構202によって下降させることにより、吸引ユニット32に備えられたヘッドキャップ111(後述する)に密着し、機能液の吸引を行なうことができるようになっている。
また、本実施形態の液滴吐出装置1の吸引ユニット32は、ワークWの交換時等の描画待機時に捨て吐出を受ける機能を有すると共に、液滴の吐出状態を確認する際の捨て吐出を受ける機能も有している。ゆえに、吐出検査ユニット34を構成する透光板412とCCD411との間に配置され、且つ共通支持フレーム421上に吐出検査ユニット34と共に配設されている(図6参照)。
次に本発明のヘッドキャップ、ヘッドキャップパンおよび吸引ユニットについて説明する。吸引ユニット32の主たる機能は、液滴吐出ヘッド91を吸引することにより、液滴吐出ヘッド91の吐出ノズル109(図5参照)から機能液を強制的に排出させるものである。例えば、新たにヘッドユニット81に液滴吐出ヘッド91を投入した場合のように機能液の充填を行う場合や、液滴吐出ヘッド91内で増粘した機能液を除去するための吸引クリーニングを行う場合に用いられる。
図7および図8に示すように、吸引ユニット32は、ヘッドユニット81の3個の液滴吐出ヘッド91に対応させて設けた3個のヘッドキャップ111と、3個のヘッドキャップ111の下側に配設した受け皿状のヘッドキャップパン341と、ヘッドキャップ111を介して液滴吐出ヘッド91の吸引を行う吸引ポンプ342と、ヘッドキャップパン341を支持するキャップスタンド343と、で構成されている。
図9および10に示すように、ヘッドキャップ111は、液滴吐出ヘッド91の全ノズルを包含した状態でノズル面108に密着する環状のシール部材124と、シール部材124を液滴吐出ヘッド91のノズル面108に対峙するように固定するキャップベース112と、キャップベース112を支持するキャップホルダ113と、で構成されている。キャップベース112は、機能液を収容する吸収材収容部121aを設けたベース本体121と、シール部材124をその周縁部で押し圧して固定するシール固定部材125と、で構成されている。また、ベース本体121の吸収材収容部121aの底部には、これを貫通する小孔129が設けられており、吸収材収容部121aは、小孔129に連通するL字継手131を介して吸引ポンプ342に接続されている。
キャップホルダ113は、キャップベース112を位置決めするガイド部材126と、ヘッドキャップ111をヘッドキャップパン341に固定するキャッププレート127と、で構成されている。このキャッププレート127は、略長方形で、キャップベース112を取付けた際に、キャップベース112の上面が傾斜するように形成されている。したがって、キャップベース112に固定されたシール部材124も同様に傾斜することになる。そして、ベース本体121は、一対のばね128,128により上方に付勢された状態でキャッププレート127に支持されており、ヘッドキャップ111が液滴吐出ヘッド91のノズル面108に密着した時に、ベース本体121がキャッププレート127に僅かに沈み込むように形成されている。なお、一対のばね128,128は、図面上コイルばねとなっているが、板ばねやゴム等の弾性体であってもよい。
このように形成されたヘッドキャップ111は、吸引クリーニングの際に密着した液滴吐出ヘッド91から離れる場合、キャップベース112に固定されたシール部材124の端部から剥がれるように液滴吐出ヘッド91から離れてゆくため、ヘッドキャップ111が液滴吐出ヘッド91から離れる際の機能液の飛散を防止することができる。
ベース本体121は、ステンレス等の耐食性材料で構成されており、上面の中央部に吸収材収容部121aが設けられ、また下部の長手方向の両端部にガイド部材126に係合する一対の脚片部121dが形成されている。吸収材収容部121aには、凹溝121bが形成されており、凹溝121bに機能液吸収材122を収容すると共にそのわずかに突出した周縁部121cで機能液吸収材122を押える吸収材押さえ123を支持している。
機能液吸収材122は、材質の異なる2種類の機能液吸収材122a、122bを積層して構成されている。なお、機能液吸収材122は、2層構造に限らず単層構成または多層構成にしてもよい。また、機能液吸収材122は、例えばカラーフィルタの製造装置に用いる場合にはPVA(ポリビニルアルコール)フォームを、有機ELの製造装置に用いる場合にはPE(ポリエチレン)樹脂製の材料を用いることが好ましい。
吸収材押さえ123は、ステンレスの薄板を加工したものであり、方形の枠状部123aと、枠状部123aを横断するように設けた複数(3つ)の桟状部123bとで、一体に形成されている。
シール部材124は、ゴム(シリコンゴムやフッソ系ゴム)や樹脂で構成されており、全吐出ノズル109を包含してノズル面108に密着する環状突出部124aと、吸収材押さえ123を押える環状押圧部124bと、ベース本体121に固定される環状固定部124cとで、断面クランク状に一体に環状に形成されている。
シール固定部材125は、ステンレス等で構成され、キャップホルダ113の上面の輪郭に合わせて方形に形成され、中央部にシール部材124が突出する開口部が形成されている。また、シール固定部材125は、シール部材124を囲うように位置してフランジ状の機能液受容部125bが設けられている。さらに、この機能液受容部125bの表面には、平面視方形状の浅溝125cが形成されている。シール部材124の開口を構成するシール固定部材125の内周縁は、シール部材124の環状固定部124cを押さえており、この状態でシール固定部材125は、ベース本体121にねじ止めされている。すなわち、シール固定部材125は、内周側半部をシール部材124に押圧する固定部125aと、外周側半部の機能液受容部125bとで一体に形成されている。
この機能液受容部125bは、周辺が額縁状となっていることが好ましく、この機能液受容部125bで、フラッシング時に飛散する機能液を受けることができる。また、この機能液受容部125bの表面に浅溝125cを形成することにより、受けた機能液の流出を防ぐことができる。したがって、複数のヘッドキャップ111を設けた場合は、隣接するヘッドキャップ111に形成された機能液受容部125b間の隙間を相互に干渉しない程度に小さくしておくほうがよい。なお、シール固定部材125と機能液受容部125bとを別体で構成してもよい。
ここで、図10を参照して、ヘッドキャップ111の組立て手順について簡単に説明する。先ず、ベース本体121の吸収材収容部121aに機能液吸収材122を敷設した後、機能液吸収材122を押えるようにして吸収材押さえ123を、吸収材収容部121aの環状周縁部121cに着座させる。次に、シール部材124を、その環状押圧部124bで吸収材押さえ123の周縁部を押えるように取付け、次に、このシール部材124の環状固定部124cを、シール固定部材125によりベース本体121に押付け、この状態でシール固定部材125をベース本体121にねじ止めする。最後に、ベース本体121は、キャッププレート127に対しガイド部材126で位置決めされる。
このようにヘッドキャップ111は、ベース本体121を受けとして、機能液吸収材122、吸収材押さえ123、シール部材124およびシール固定部材125の順で、押圧固定する構造であるため、シール固定部材125の固定ねじを取り外すだけでヘッドキャップ111を個々の構成部材に容易に分解し、再度組み込むことが可能となる。このため、シール固定部材125および他の構成部材を取り外して清掃することができる。また同様にシール固定部材125および他の構成部材に劣化や破損が生じた場合に、交換の対象となる構成部材のみを個々に交換することができる。
3個のヘッドキャップ111の下側に配設されたヘッドキャップパン341には、ヘッドユニット81の3個の液滴吐出ヘッド91の配置に対応させて、ヘッドキャップ111がヘッドキャップパン341の底部にキャッププレート127をねじ止めすることにより固定されている。ヘッドキャップパン341の底部には、前述のL字継手131を逃げる3個の開口が設けられている。さらに、ヘッドキャップパン341は、その下部両側に張り出した固定部をキャップスタンド343にねじ止めして支持されている。また、ヘッドキャップパン341は、その周縁部に立ち上げ部が形成された受け皿状になっており、ヘッドキャップ111の機能液受容部125b(シール固定部材125と一体)からはみ出した機能液を受けるようになっている。なお、ヘッドキャップ341の内底部は、キャッププレート127をねじ止めする際に、位置を出し易いよう座ぐっておいてもよい。また、各ヘッドキャップ111は、シーラ等の板状のシール部材を介してヘッドキャップパン341の底部に固定されていることは、言うまでもない。
上記の立ち上げ部は、ヘッドキャップ111の機能液受容部125bの高さよりも僅かに低い位置に形成されている。したがって、液滴吐出ヘッド91のノズル面108がヘッドキャップ111と密着した際に、立ち上げ部に付着した機能液が液滴吐出ヘッド91の周辺部に転着することを防ぐことができる。また、液滴吐出ヘッド91がヘッドキャップ111と密着した状態を側面から観察ができるようになっている。
図6に示すとおり、キャップスタンド343は、共通支持フレーム421のスタンド部422に立設されている。なお、キャップスタンド343には、液滴吐出ヘッド91のノズル面108の高さ位置を検出するノズル面検出センサ(図示省略)が固定されている。さらに、緊急的な事態に備えて、キャップスタンド343には、ヘッドキャップパン341からはみ出した機能液を受ける廃液パン344が、ヘッドキャップパン341に臨んで配設されている。
上記のとおり、吸引ユニット32は、液滴吐出ヘッド91の吸引クリーニングや、フラッシング時の機能液受けとして用いられている。この場合、前述したように、ヘッドユニット81は、ヘッド昇降機構202により、所定の位置まで下降して、吸引クリーニングやフラッシングを行なう。これらのメンテナンス作業では、ヘッドキャップ111に設けられた機能液受容部125bや、ヘッドキャップ111を内在した受け皿状のヘッドキャップパン341によって、漏れたり、飛散する機能液を適切に受けることができる。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレー)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレー(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。
先ず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図11は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図12は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S1)では、図12(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S2)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図12(b)に示すように、基板501及びブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図12(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において液滴吐出ヘッド91により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程及びバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置精度が向上する。
次に、着色層形成工程(S3)では、図12(d)に示すように、液滴吐出ヘッド91によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、液滴吐出ヘッド91を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライブ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S4)に移り、図12(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図13は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図12に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、及び、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図13において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、液滴吐出ヘッド91で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を液滴吐出ヘッド91で行うことも可能である。
図14は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
図15は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561及び信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図16は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603及び陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるとともに、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607a及びドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
また、回路素子部602には、下地保護膜606及び半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609及びゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613及び機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、及び、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
バンク部618は、例えばSiO、SiO、TiO等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事も可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知のものを用いる。
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の何れかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶なものが好ましく、公知の不溶な非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置600の製造工程を図17〜図25を参照して説明する。
この表示装置600は、図17に示すように、バンク部形成工程(S21)、表面処理工程(S22)、正孔注入/輸送層形成工程(S23)、発光層形成工程(S24)、及び対向電極形成工程(S25)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S21)では、図18に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図19に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S22)では、親液化処理及び撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aa及び画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618s及び有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、液滴吐出ヘッド91を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1の吸着テーブル311に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S23)及び発光層形成工程(S24)が行われる。
図20に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S23)では、液滴吐出ヘッド91から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図21に示すように、乾燥処理及び熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
次に発光層形成工程(S24)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
そして次に、図22に示すように、各色のうちの何れか(図22の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行う事により、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図23に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
同様に、液滴吐出ヘッド91を用い、図24に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)及び緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライブ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617a及び発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S25)に移行する。
対向電極形成工程(S25)では、図25に示すように、発光層617b及び有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
次に、図26は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、及びこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、及びMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、及び蛍光体709を、図1に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板126を液滴吐出装置1の吸着テーブル311に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、液滴吐出ヘッド91により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、又はニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となる全てのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711及び蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を液滴吐出ヘッド91から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
次に、図27は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、及びこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図28(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図28(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
本発明の実施形態の液滴吐出装置1の平面図である。 本発明の実施形態の液滴吐出装置1の正面図である。 本発明の実施形態の液滴吐出装置1の右側面図である。 本発明の実施形態の液滴吐出部の外観斜視図である。 (a)本発明の実施形態の液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。(b)本発明の実施形態の液滴吐出ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態の吸引ユニット取付け部の正面図である。 本発明の実施形態の吸引ユニットの外観斜視図である。 (a)本発明の実施形態の吸引ユニットの平面図である。(b)本発明の実施形態の吸引ユニットの側面図である。 本発明の実施形態のヘッドキャップの断面図である。 本発明の実施形態のヘッドキャップの分解斜視図である。 カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。 無機物バンク層の形成を説明する工程図である。 有機物バンク層の形成を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。 青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。 青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 陰極の形成を説明する工程図である。 プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。 電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。 表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
符号の説明
1 液滴吐出装置 2 描画装置
3 メンテナンス装置 32 吸引ユニット
81 ヘッドユニット 91 液滴吐出ヘッド
108 ノズル面 109 ノズル
111 ヘッドキャップ 112 キャップベース
113 キャップホルダ 121 ベース本体
121a 機能液収容部 124 シール部材
125 シール固定部材 125b 機能液受容部
341 ヘッドキャップパン

Claims (14)

  1. 液滴吐出ヘッドを保守するために、前記液滴吐出ヘッドに対し離接自在に構成されたヘッドキャップにおいて、
    前記液滴吐出ヘッドのノズルを包含した状態でノズル面に密着する環状のシール部材と、
    前記シール部材を前記液滴吐出ヘッドのノズル面に対峙するように固定するキャップベースと、
    前記シール部材の内側に位置して前記キャップベースの表面に前記液滴吐出ヘッドから排出される機能液を受ける機能液収容部と、を備え、
    前記キャップベースの周縁部には、前記機能液収容部の外側に飛散した機能液を受けるフランジ状の機能液受容部が設けられていることを特徴とするヘッドキャップ。
  2. 前記機能液受容部の表面には、前記シール部材を囲うように溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドキャップ。
  3. 前記キャップベースは、前記機能液収容部を形成すると共に、前記シール部材を受けるベース本体と、
    前記シール部材の周縁部を前記ベース本体に押圧固定するシール固定部材とから成り、
    前記機能液受容部は、前記シール固定部材に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドキャップ。
  4. 前記機能液受容部と前記シール固定部材とは、一体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のヘッドキャップ
  5. 前記シール固定部材は、前記ベース本体に対して、取り外し可能に構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のヘッドキャップ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のヘッドキャップの下側に配設され、前記ヘッドキャップの外側に飛散した機能液を受けるヘッドキャップパンにおいて、
    前記ヘッドキャップを内在させると共に、受け皿状に形成されていることを特徴とするヘッドキャップパン。
  7. 周縁部には、前記ヘッドキャップの上端より低い位置となる立ち上げ部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のヘッドキャップパン。
  8. 前記ヘッドキャップの複数個を一括して内在させることを特徴とする請求項6または7に記載のヘッドキャップパン。
  9. 請求項1ないし5のいずれかに記載のヘッドキャップと、
    前記ヘッドキャップを介して前記液滴吐出ヘッドから機能液を吸引する吸引手段と、
    前記ヘッドキャップを前記液滴吐出ヘッドのノズル面に対し相対的に離接させる手段と、
    を備えたことを特徴とする吸引ユニット。
  10. 請求項6ないし8のいずれかに記載のヘッドキャップパンを、さらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の吸引ユニット。
  11. 請求項9または10に記載の吸引ユニットと、液滴吐出ヘッドを搭載すると共に、前記液滴吐出ヘッドをワークに対向させて、当該ワークに対し前記液滴吐出ヘッドを相対的に走査させながら機能液を選択的に吐出させる描画手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  12. 請求項11に記載の液滴吐出装置を用い、前記液滴吐出ヘッドを前記ワークに対し相対的に走査し、前記機能液滴を選択的に吐出して成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  13. 請求項11に記載の液滴吐出装置を用い、前記液滴吐出ヘッドを前記ワークに対し相対的に走査し、前記機能液滴を選択的に吐出して成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  14. 情報を入出力すると共に、情報を表示するディスプレーを有する電子機器であって、
    請求項12に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または、請求項13に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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