JP2009094232A - サセプタおよび気相成長装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象物の取出しに要する時間を短縮することで、実質的な稼働率を向上させることが可能なサセプタおよび気相成長装置を提供する。
【解決手段】サセプタは、薄膜体としてのサセプタ6と支持部材7とを備える。サセプタ6は基板13を搭載する面を有する。支持部材7は、サセプタ6の外周部に接触してサセプタ6を支持する。サセプタ6の厚みは1.0mm以下である。これによりサセプタの熱容量を低減することができ、基板の冷却速度を高められる。
【選択図】図1

Description

この発明は、サセプタおよび気相成長装置に関し、より特定的には、高いスループットで処理対象物の加熱を行なうことが可能なサセプタおよび気相成長装置に関する。
従来、窒化ガリウム(GaN)などの化合物半導体を気相成長法により形成する場合に用いられる気相成長装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示された気相成長装置において、上述したGaNなどの窒化物半導体を形成する場合、サセプタに搭載された基板を1000℃以上の高温に加熱した状態で原料ガスを流すことにより、当該基板表面に窒化物半導体を形成する。
特開2006−93557号公報
上述のような成膜処理を行なった後、窒化物半導体が形成された基板を気相成長装置から取出す必要がある、このように基板を気相成長装置から取出すためには、サセプタおよび基板が十分冷却されている(ハンドリング可能な温度にまで基板の温度が低下している)ことが必要である。しかし、従来の気相成長装置では、上記のように基板の温度をハンドリング可能な温度にまで低減するための冷却時間として大変長い時間、たとえば100℃以下の温度にまで冷却するため20分以上の時間が必要であった。
このように基板を冷却している間、気相成長装置では成膜処理を行なうことができないため、結果的に気相成長装置の成膜処理を行なえる稼働率が小さくなるという弊害があった。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、処理対象物の取出しに要する時間を短縮することで、実質的な稼働率を向上させることが可能なサセプタおよび気相成長装置を得ることである。
この発明に従ったサセプタは、薄膜体と支持部材とを備える。薄膜体は基板を搭載する面を有する。支持部材は、薄膜体の外周部に接触して薄膜体を支持する。薄膜体の厚みは1.0mm以下である。
このようにすれば、サセプタの熱容量を十分小さくできる。このため、当該サセプタを備える気相成長装置などの処理装置において、サセプタ上に処理対象物の基板を搭載して所定処理温度での処理を行なった後、当該基板を処理装置の外部に取出すために基板を冷却するときに、サセプタの熱容量が基板の冷却の妨げになることを防止できる。つまり、基板の冷却速度を高くすることができるので、基板を処理温度から所定の温度(たとえば100℃以下といった温度)にまで冷却する時間を短縮できる。この結果、処理装置において処理から基板取出しまでの時間を短縮できるので、処理装置の稼働率を向上させることができる。
この発明に従った気相成長装置は、上記サセプタと、当該サセプタを加熱するヒータとを備える。このようにすれば、熱容量の小さいサセプタを備えることにより、気相成長装置において処理対象の基板の温度を処理温度から所定の温度(たとえば100℃以下の温度)に冷却する時間を短縮できる。そのため、気相成長装置における処理〜基板取出しまでの時間を短縮できるので、気相成長装置の稼働率を向上させることができる。
本発明によれば、サセプタの熱容量を低減することで基板の冷却速度を高め、結果的に処理装置の稼働率を向上させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明に従った処理装置の実施の形態1を示す断面模式図である。図2は、図1の線分II−IIにおける断面模式図である。図1および図2を参照して、本発明による処理装置を説明する。
図1および図2に示すように、本発明による処理装置1は、反応室3の内部に表面が露出するように配置されたサセプタ6と、このサセプタ6を回転駆動するための駆動部材10と、サセプタ6上に搭載された処理対象物である基板13を加熱するためのヒータ11と、反応室3の内部に反応ガスを供給するためのガス供給部材14と、反応室3の内部からガスを排出するための排気部材15とを備える。反応室3の内部空間の断面形状は図2に示すように矩形状となっている。
また、反応室3は、サセプタ6と対向する位置に配置された整流板2と、サセプタ6が配置された開口部5が形成されている底壁4と、この底壁4と整流板2とを接続する側壁12を含む。サセプタ6の平面形状は円形状である。このサセプタ6は、平面形状が円環状の支持部材7に搭載された状態になっている。サセプタ6の上部表面には複数の基板13が配置される。
支持部材7の外周端面には駆動歯車8の歯車と噛み合う凹凸形状部が形成されている。駆動歯車8には駆動軸9が接続されている。この駆動軸9の、駆動歯車8と接続された端部とは反対側の端部にはモータなどからなる駆動部材10が配置されている。この駆動部材10によって発生した駆動力は、駆動軸9を介して駆動歯車8に伝えられる。そして、この駆動歯車8が回転することにより、支持部材7が回転する。この結果、支持部材7に搭載されたサセプタ6も回転することになる。サセプタ6の下にはヒータ11が配置されている。
反応室3の内部には、ガス供給部材14から成膜処理に用いる原料ガスなどが供給される。また、排気部材15は、反応室3の内部から反応に用いたガスの残りやその他のガスを排気する。
サセプタ6は、炭化ケイ素(SiC)からなり、その厚みTは1mm以下、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下に設定されている。サセプタ6の厚みTは、薄いほど基板13およびサセプタ6の降温および昇温時間を短縮することができる。サセプタ6が構造を維持する強度を持つためにはある程度の厚みを有することが好ましい。
サセプタ6が気相化学堆積法(CVD法)で作成したSiC板からなる場合、当該SiC板は緻密な多結晶により構成されるため、サセプタ直径が約200mmである場合を想定すると当該SiC板からなるサセプタ6の厚みは0.4mm以上であることが好ましい。また、サセプタ6が単結晶SiC板からなる場合、その強度はさらに高いため、サセプタ直径が約200mmの場合を想定すると当該単結晶SiC板からなるサセプタ6の厚みは0.3mm以上であることが好ましい。また、サセプタ6が単結晶サファイアからなる場合、その強度は高く、サセプタ直径が約200mmである場合を想定すると当該単結晶サファイアからなるサセプタ6の厚みは0.2mm以上であることが好ましい。また、サセプタ6が石英からなる場合、サセプタ直径が約200mmであると想定すると当該石英からなるサセプタ6の厚みは0.5mm以上であることが好ましい。また、サセプタ6が高純度カーボンからなる場合、サセプタ直径が約200mmであると想定すると当該高純度カーボンからなるサセプタ6の厚みは0.5mm以上であることが好ましい。
なお、サセプタ6の直径が200mmより小さくなると、サセプタ6の構造を維持するために必要な厚みの下限は低くなると考えられる。そのため、サセプタ直径が200mm以下である場合には、サセプタ6の厚みが上述した各材料毎の下限の値を少なくとも満足していれば、サセプタ6は十分にその構造を維持できると考えられる。
このようにサセプタ6をいわゆる薄板によって構成すれば、基板13の表面に所定の膜を形成した後、冷却時間を短縮して基板13を取出すまでの時間を短くすることができる。つまり、高いスループットを実現することが可能な処理装置を得ることができる。
また、上述した処理装置1においては、整流板2の厚みを薄くすることも、成膜処理後の冷却時間を短縮することに寄与する。具体的には、たとえば整流板2をSiCによって構成し、その厚みを1mm以下、より好ましくはたとえば0.3mmとしてもよい。このようにすれば、成膜処理後の冷却時間をより短縮することができる。
次に、図1および図2に示した処理装置における成膜処理を簡単に説明する。処理装置1においては、処理対象物である基板13をサセプタ6の表面上の所定の領域に配置する。サセプタ6の表面においては、たとえば基板13を配置する部分に凹部を形成しておいてもよい。そして、基板13が搭載されたサセプタ6を反応室3の内部の所定の位置に配置する。具体的には、サセプタ6を、反応室3の底壁4に形成された開口部5の内部に配置する。この開口部5の内部には、駆動部材10によって回転可能な円環状の支持部材7が配置されている。すなわち、サセプタ6はこの支持部材7の上に搭載される。
次に、反応室3の内部を所定の圧力に設定する。当該圧力の設定は、たとえば排気部材15により反応室3の内部から雰囲気ガスを排気することにより行なってもよい。そして、反応室3の内部が所定の設定圧力になった後、ヒータ11を動作させることによりサセプタ6を介して基板13を所定の温度(処理温度)に加熱する。このとき、同時に駆動部材10を駆動させることにより、駆動軸9および駆動歯車8を介して、支持部材7とともにサセプタ6を回転させる。
そして、基板13の温度が処理温度になった状態で、ガス供給部材14から反応室3の内部に反応ガスを所定量供給する。この状態で、基板13と対向する領域において反応ガスが分解し、基板13の表面に反応ガスの成分を原料とする膜(たとえば窒化ガリウム(GaN)からなる膜)が形成される。なお、成膜反応に用いられた後のガスは排気部材15によって反応室3の内部から排気される。このようにして、基板13の表面に所定の膜を形成することができる。
上述のような基板13の表面における成膜処理が終わった後、ヒータ11への電力の供給を停止し、基板13およびサセプタ6の降温(冷却)を開始する。そして、基板13が所定の温度にまで冷却された段階で、反応室3の内部から基板13を取出す。このとき、図1および図2に示した処理装置1では、サセプタ6や整流板2が薄膜によって構成されているため、処理装置1の基板13に隣接する部材(サセプタ6や整流板2)の熱容量が極めて小さくなっている。そのため、基板13の冷却速度を十分高くすることができる。このため、成膜処理が終わった後、基板13を外部に取出すことが可能な温度まで基板13の温度を冷却するのに必要な時間を短縮することができるので、処理装置1のスループットを向上させることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明による処理装置の実施の形態2を示す断面模式図である。図4は、図3に示した処理装置の動作を説明するための断面模式図である。図3および図4を参照して、本発明による処理装置の実施の形態2を説明する。
図3および図4に示した処理装置1は、基本的には図1および図2に示した処理装置1と同様の構造を備えるが、ヒータ11とサセプタ6との間の距離を変えることができるように、ヒータ11を移動できるヒータ移動部材21を備える点が図1および図2に示した処理装置1と異なっている。すなわち、ヒータ移動部材21は、ヒータ支持部材22を介してヒータ11と接続されている。ヒータ移動部材21は、図4に示すように、矢印23に示す方向にヒータ11を移動させることにより、サセプタ6とヒータ11との間の距離を大きくすることが可能になっている。なお、ヒータ移動部材21は、図4の矢印23に示した方向と逆の方向にヒータ11を移動させることにより、ヒータ11を図3に示すようにサセプタ6と隣接する位置(作動位置)に設置することも可能である。
このようにすれば、基板13上における成膜処理が終わった後、基板13を冷却している場合にヒータ11を図4に示すようにサセプタ6から遠ざけることができるので、ヒータ11への電力の供給が終わった後でもヒータ11の温度がある程度高い場合であっても、サセプタ6上に搭載された基板13の冷却速度をより向上させることができる。このため、基板13を取出すことが可能な所定の温度にまで基板13の温度を低下させる冷却時間をより短くすることができる。この結果、処理装置のスループットをより高めることが可能である。
なお、上述したヒータ移動部材21としては、ヒータ11の位置を変更することができれば任意の構成を採用することができる。たとえば、ヒータ移動部材21として、油圧シリンダや空気圧シリンダ、あるいはモータなどの電動機を用いた構成としてもよい。
(実施の形態3)
図5は、本発明による処理装置の実施の形態3を示す断面模式図である。図6は、図5に示した処理装置の動作を示す断面模式図である。図5および図6を参照して、本発明による処理装置の実施の形態3を説明する。
図5および図6を参照して、処理装置1は、基本的には図1および図2に示した処理装置1と同様の構造を備えるが、サセプタ6とヒータ11との間に遮蔽板31が挿入可能になっている点が異なる。遮蔽板31はヒータ11からの熱の輻射を遮ることが可能な物体であれば任意の構成を採用することができる。具体的には、図5および図6に示した処理装置1は、遮蔽板31と、この遮蔽板31と遮蔽板支持部材32を介して接続された遮蔽板移動部材33とを備えている。
遮蔽板移動部材33は、図6に示す矢印34の方向および矢印34で示す方向と逆方向に遮蔽板31を移動可能となっている。この遮蔽板31は、図6に示すようにヒータ11とサセプタ6との間に配置され、ヒータ11からの輻射熱を遮ることが可能になっている。
このようにすれば、基板13の表面における成膜処理が終わった後、基板13を所定の温度にまで冷却する場合に、電力供給が終了したヒータ11から、電力供給終了後もある程度放出される輻射熱を遮蔽板31によって遮ることができる。そのため、当該輻射熱によって基板13の冷却が妨げられることを防止できる。この結果、成膜処理後に基板13が所定の温度にまで冷却される時間をより短縮することができる。
図7は、図5および図6に示した処理装置の変形例を示す断面模式図である。図8は、図7に示した処理装置の動作を説明するための断面模式図である。図7および図8を参照して、本発明による処理装置の実施の形態3の変形例を説明する。
図7および図8に示した処理装置1は、基本的には図5および図6に示した処理装置1と同様の構造を備えるが、ヒータ11を移動させることが可能なヒータ移動部材21を備える点が図5および図6に示した処理装置1と異なっている。すなわち、図7および図8に示した処理装置1では、ヒータ11とヒータ支持部材22を介して接続されたヒータ移動部材21を駆動させることにより、ヒータ11を矢印23(図8参照)に示す方向および矢印23に示す方向と反対方向に移動可能になっている。この結果、ヒータ11とサセプタ6との間の距離を変更することができる。そして、ヒータ11とサセプタ6との間に、図5および図6に示した処理装置1と同様に遮蔽板31を配置することができる。
次に、図7および図8に示した処理装置1の動作を簡単に説明する。図7および図8に示した処理装置1において、図1および図2に示した処理装置1と同様に基板13の表面に膜を形成する成膜処理を実施した後、基板13を反応室3の内部から取出すために冷却工程を開始する。このとき、電力投入が停止されたヒータ11を、ヒータ移動部材21を用いて図8に示すように矢印23に示す方向へと移動させる。この結果、サセプタ6とヒータ11との間の距離が大きくなる。さらに、ヒータ11が十分サセプタ6から離れた状態で、遮蔽板移動部材33を駆動させることによって遮蔽板31を矢印34に示す方向に前進させる。
この結果、遮蔽板31がヒータ11とサセプタ6との間に配置されることになる。このため、ヒータ11から電力投入の停止後も放出される輻射熱が、遮蔽板31によって遮られる。したがって、当該輻射熱によって成膜処理後にサセプタ6および基板13が加熱されることを確実に防止できる。
また、ヒータ11とサセプタ6との間の距離自体も成膜処理時に比べて長くなっているため、ヒータ11からの輻射熱が他の経路を介してサセプタ6および基板13へと伝達される可能性を低減できる。そのため、より確実にサセプタ6および基板13の冷却速度を向上させることができる。このため、成膜処理が終了した後から基板13を反応室3の内部から取出すまでの時間を短縮することができる。したがって、スループットの高い処理装置を実現することができる。
ここで、遮蔽板31のヒータ側表面の反射率は波長0.4μmから30μmの範囲で0.9以上であることが好ましい。遮蔽板31としては、任意の材料を用いることができるが、たとえば冷却機構を設けたアルミニウム製の板状体の表面に金めっきを施したものを遮蔽板31として用いてもよい。冷却機構としては、任意の構成を用いることができる。たとえば、冷却機構として、遮蔽体の内部または表面に冷却材の流路を形成し、当該流路に冷却材を流通させてもよい。なお、遮蔽板31の反射率(表面反射率)は上記波長域の光を放つ光源と分光光度計などを組合せて測定することができる。
(実施例)
以下、本発明の効果を確認するために行なった実験の内容を説明する。
(試料)
実験のために、以下のような試料を準備した。すなわち、サセプタの材料として炭素(C)、炭化ケイ素(SiC)、およびサファイアなどを用い、直径が200mmという平面形状が円形状のサセプタであって、厚みを異ならせた試料を合計20個準備した。各試料の厚みは後述する表1〜表3に示すとおりである。
(実験条件)
上述した各試料について、図1および図2に示した処理装置を用いて昇温速度および降温速度を求めた。その結果を表1〜表3に示す。
Figure 2009094232
Figure 2009094232
Figure 2009094232
上述した表1は、サセプタの材料として炭素を用いた場合の各サセプタの厚さの条件および測定結果を示している。また、表2は、サセプタの材料として炭化ケイ素を用い、各実験の実験結果を示している。また、表3はサセプタの材料がサファイアである場合の各試料についての実験結果を示している。表1〜表3において、昇温時間とは、一定のヒータ電力で加熱した場合に、基板温度が100℃から900℃まで上がる時間をいう。また、降温時間とは、一定のヒータ電力でサセプタを1000℃以上の温度に加熱した状態で、ヒータの電源を切り、基板温度が900℃から100℃まで下がる時間をいう。そして、平均昇温速度としては、上昇温度800℃を上述した昇温時間で割ったものを用いている。また、平均降温速度についても、上述した測定条件から低下温度800℃を降温時間で割った値を用いている。
表1〜表3からわかるように、昇温時間は降温時間の10分の1以下という比較的短い値となっている。そのため、処理装置のスループットを向上させるためには、降温時間を短縮する必要があることがわかる。そこで、各試料について、材料ごとにサセプタの厚さと平均降温速度との関係を図9にグラフ化した。図9は、サセプタの厚さと平均降温速度との関係を示すグラフである。図9の横軸はサセプタ厚さ(mm)を示し、縦軸は平均降温速度(℃/秒)を示している。また、図中の凡例Aは炭素製のサセプタのデータを示し、凡例Bは炭化珪素製のサセプタのデータを示し、凡例Cはサファイア製のサセプタのデータを示している。また、凡例Dは、炭化珪素製のサセプタを用い、整流板の材質を炭化ケイ素としてその厚みを0.5mmとした場合のデータを示している。なお、上記凡例A〜Cのデータを得た処理装置の整流板の材質は石英であり、その厚みは3mmであった。
図9のグラフからもわかるように、炭素、炭化ケイ素およびサファイアのいずれの材料を用いた場合でも、サセプタの厚さが1mmを超えると平均降温速度が大きく低下していることがわかる。このため、本発明においては、サセプタの厚みの上限を1mmとしている。つまり、サセプタの厚みを1mm以下とすれば、基板の冷却に必要な時間を短縮することができるため、処理装置のスループットを高めることができることがわかる。
なお、図9の凡例Dで示すように、処理装置においてサセプタ6と対向する整流板2の厚みを薄くすることによっても、処理装置の熱容量を小さくすることができ結果的に降温速度を高めることができる。特に、サセプタの厚みが1mmよりも薄い領域において平均降温速度が向上していることがわかる。
上述した実施の形態および実施例と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を以下に列挙する。この発明に従ったサセプタは、薄膜体としてのサセプタ6と支持部材7とを備える。サセプタ6は基板13を搭載する面を有する。支持部材7は、サセプタ6の外周部に接触してサセプタ6を支持する。サセプタ6の厚みは1.0mm以下である。
このようにすれば、サセプタの熱容量を十分小さくできる。このため、当該サセプタを備える気相成長装置などの処理装置1において、サセプタ上に処理対象物の基板13を搭載して所定処理温度での処理を行なった後、当該基板13を処理装置の外部に取出すために基板を冷却するときに、サセプタ6の熱容量が基板13の冷却の妨げになることを防止できる。つまり、基板13の冷却速度を高くすることができるので、基板13を処理温度から所定の温度(たとえば100℃以下といった温度)にまで冷却する時間を短縮できる。この結果、処理装置1において処理から基板取出しまでの時間を短縮できるので、処理装置1の稼働率を向上させることができる。
上記サセプタにおいて、サセプタ6を構成する材料は、高融点金属、セラミックスなどの高温材料(耐熱性材料)を含んでいても良い。特に炭化珪素(SiC)、サファイア(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、石英(SiO)およびカーボン(C)からなる群から選択されるいずれか1つを含んでいるのが好ましい。この場合、これらの材料は耐熱性が高いため、高い処理温度(たとえば1000℃以上)にも適用可能なサセプタを得ることができる。
この発明に従った気相成長装置としての処理装置1は、上記サセプタと、当該サセプタを加熱するヒータ11とを備える。このようにすれば、熱容量の小さいサセプタを備えることにより、処理装置1において処理対象物である基板13の温度を処理温度からたとえば100℃以下の温度に冷却する時間を短縮できる。そのため、処理装置1における処理〜基板取出しまでの時間を短縮できるので、処理装置1の稼働率を向上させることができる。
上記処理装置1は、サセプタと対向する位置に配置された整流板2を更に備えていてもよい。整流板2の厚みは1.0mm以下であってもよい。この場合、整流板2の熱容量も小さくできるので、サセプタ上に搭載された基板13を処理温度から所定の温度まで冷却するときに、当該整流板2が有する熱量が基板13の冷却の妨げになることを抑制できる。このため、処理装置1において基板13の温度を処理温度から所定の温度に冷却する時間を確実に短縮できる。
上記処理装置1において、整流板2を構成する材料は、高融点金属、セラミックスなどの高温材料を含んでいても良い。特に、炭化珪素、サファイア、窒化アルミニウム、石英およびカーボンからなる群から選択されるいずれか1つを含んでいるのが好ましい。この場合、耐熱性の高い材料により整流板2を構成するので、高い処理温度(たとえば1000℃以上)の処理を行なう処理装置1に本発明を適用することができる。
上記処理装置1は、ヒータ11とサセプタとの間の距離(ヒータ11とサセプタ6との間の距離)を変更するように、図3、図4、図7、および図8などに示すヒータ11を移動する移動部材(ヒータ移動部材21)を更に備えていてもよい。この場合、基板13を冷却するときに、ヒータ11をサセプタから(つまり基板13から)離れた位置に移動させることができる。このため、電源が切られた後でもヒータ11自体の温度がある程度高い場合に、ヒータ11からの熱でサセプタおよび基板13が加熱される可能性を低減できる。したがって、ヒータ11をサセプタから離れた位置に移動させない場合より、基板13の冷却時間を確実に短縮することができる。
上記処理装置1は、図5〜図8に示すように、輻射熱遮蔽体としての遮蔽板31と遮蔽体移動部材(遮蔽板移動部材33)とを更に備えていてもよい。遮蔽板31は、サセプタとヒータ11との間の領域に挿入可能なものである。遮蔽板移動部材33は、上記領域と、当該領域以外の外部領域との間で、遮蔽板31を移動可能となっている。この場合、基板13を冷却するときに、サセプタとヒータ11との間に遮蔽板31を配置することができる。このため、電源が切られた後でもヒータ11自体の温度がある程度高い場合に、ヒータ11からの熱でサセプタおよび基板13が加熱される可能性を低減できる。したがって、ヒータ11とサセプタとの間に遮蔽板31を挿入しない場合より、基板13の冷却時間を確実に短縮することができる。
上記処理装置1において、遮蔽板31の表面反射率は0.9以上であってもよい。この場合、遮蔽板31での熱の遮蔽効果を確実に得ることができる。また、遮蔽板31は冷却機構を含んでいてもよい。この場合、遮蔽板31の温度がヒータ11からの熱により上昇しても、当該冷却機構によって遮蔽板31の温度が過剰に上昇することを防止することができる。このようにすれば、当該熱によって遮蔽板31が損傷する可能性を低減できる。また、遮蔽板31は、アルミニウムからなる本体と、当該本体の表面に形成された被覆層としてのメッキ層(たとえば金メッキ層)とを含んでいてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、処理対象物を比較的高い温度に加熱した状態で処理する気相成長装置などの処理装置に有利に適用される。
本発明に従った処理装置の実施の形態1を示す断面模式図である。 図1の線分II−IIにおける断面模式図である。 本発明による処理装置の実施の形態2を示す断面模式図である。 図3に示した処理装置の動作を説明するための断面模式図である。 本発明による処理装置の実施の形態3を示す断面模式図である。 図5に示した処理装置の動作を示す断面模式図である。 図5および図6に示した処理装置の変形例を示す断面模式図である。 図7に示した処理装置の動作を説明するための断面模式図である。 サセプタの厚さと平均降温速度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 処理装置、2 整流板、3 反応室、4 底壁、5 開口部、6 サセプタ、7 支持部材、8 駆動歯車、9 駆動軸、10 駆動部材、11 ヒータ、12 側壁、13 基板、14 ガス供給部材、15 排気部材、21 ヒータ移動部材、22 ヒータ支持部材、23,34 矢印、31 遮蔽板、32 遮蔽板支持部材、33 遮蔽板移動部材。

Claims (5)

  1. 基板を搭載する面を有する薄膜体と、
    前記薄膜体の外周部に接触して前記薄膜体を支持する支持部材とを備え、
    前記薄膜体の厚みは1.0mm以下である、サセプタ。
  2. 請求項1に記載のサセプタと、
    前記サセプタを加熱するヒータとを備える、気相成長装置。
  3. 前記サセプタと対向する位置に配置された整流板を更に備え、
    前記整流板の厚みは1.0mm以下である、気相成長装置。
  4. 前記ヒータと前記サセプタとの間の距離を変更するように、前記ヒータを移動する移動部材を更に備える、請求項2または3に記載の気相成長装置。
  5. 前記サセプタと前記ヒータとの間の領域に挿入可能な輻射熱遮蔽体と、
    前記領域と、前記領域以外の外部領域との間で、前記輻射熱遮蔽体を移動可能な遮蔽体移動部材とを備える、請求項2〜4のいずれか1項に記載の気相成長装置。
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