JP2009091683A - セルロースエステル系複合糸及びその製造方法並びに織編物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単繊維伸度が30%以上のセルロースエステル系フィラメント糸1が含まれる複数のフィラメント糸からなり、糸表面に該セルロースエステル系フィラメント糸がループを形成している複合糸8並びにその複合糸からなる織編物。複合糸は、インターレースノズル等の混繊交絡ノズルに、高伸度セルロースエステル系マルチフィラメント糸が含まれる複数のフィラメント糸を、0%を超え20%未満の範囲で過供給し、混繊交絡処理を施して得る。
【選択図】図1
Description
(1) 0.15<Vf/Vj<0.60
(2)1000<Vj<2000
(式中、Vfは紡出糸の巻き取り速度(m/分)、Vjは紡糸原液の吐出線速度(m/分)。また、Vjは(紡糸原液の吐出量/紡糸口金の総孔面積)で定義する。)
複合糸の5mm以上の非交絡部のうち任意の3ヶ所をはさみで切断し、分繊し、10本のサンプルを採取した。このサンプルをステープルファイバー強伸度自動測定機(オリエンテック社製、AMS−B)を用いて、試長20mm、引張速度20mm/分で、応力−伸長曲線を測定し、繊維の破断点での伸度を求め、10本のサンプルの平均値で示した。
(複合糸の交絡部数)
エンタングルメントカウンター(カネボウエンジニアリング社製、EC−3)により、測定長10m、巻取速度10m/分、測定張力1/10(g/d)の測定チャートによりピーク数を読み取り、1m当たりに換算して計数した。
(毛羽数)
糸長1mの試料に0.1g/dの荷重をかけた状態で、糸表面より長さ1mm以上突出した毛羽数を任意の一方向より目視にて観察して計数し、10回繰り返した平均値を毛羽数とした。
毛羽計数装置(東レエンジニアリング社製、DT−105(F))により長さ1mm以上の毛羽として計測されたカウンター数より前述の毛羽数を差し引いた数値の半数をループ数(個/m)とした。
(毛羽指数)
糸長1mにおける長さ1mm以上の毛羽数とループ数より、次式により算出した。
毛羽指数=[毛羽数/(毛羽数+ループ数)]×100
(風合い)
試料糸を用い、20Gの筒編機で製編し、得られた編地をハンドリングによる官能評価し、シルキー調膨らみ感を有するものを○、シルキー調膨らみ感を有しないものを×とした。
アセチル基への平均置換度が2.76〜3.00のセルローストリアセテートを塩化メチレン/メタノールの混合溶剤(質量比91/9)に溶解し、固形分濃度が22.0質量%の紡糸原液を調製した。この紡糸原液を用いて、ノズル孔形状が円形で、孔径0.026mm、ノズル孔数20の紡糸ノズルより、Vf/Vj=0.35、Vj=1700m/分(Vfは紡出糸の巻き取り速度(m/分)、Vjは紡糸原液の吐出線速度(m/分)。また、Vjは(紡糸原液の吐出量/紡糸口金の総孔面積)で定義する。)として、紡糸速度600m/分で乾式紡糸し、84dtex/20フィラメント(f))のセルローストリアセテートフィラメント糸を得た。得られたセルローストリアセテートフィラメント糸は、単繊維伸度が55.6%で、単繊維表面には繊維軸と垂直方向に微小なヒダを有していた。
実施例1で調製した紡糸原液及び紡糸ノズルを用いて、Vf/Vj=0.33、Vj=1200m/分として、紡糸速度400m/分で乾式紡糸し、84dtex/20fのセルローストリアセテートフィラメント糸を得た。得られたセルローストリアセテートフィラメント糸は、単繊維伸度が39%であり、単繊維表面には繊維軸と垂直方向に微小なヒダを有していた。セルローストリアセテートフィラメント糸を2本用い、一方の過供給率を0.5%、他方の過供給率を4.0%として、エアー圧力0.4Mpaのインターレースノズルに供給し、糸加工速度200m/分で混繊交絡処理を施し、168dtex/40fの複合糸を得た。この複合糸についての長さ1mm以上の毛羽数、ループ数、毛羽指数、交絡部数の測定結果、及び複合糸による編地の風合い評価結果を表1に示した。編地はさらにハリ感のあるものであった。また、複合糸中に含まれるセルローストリアセテートフィラメント糸の単繊維伸度は50.8%であった。
実施例1での乾式紡糸で得られた単繊維伸度55.6%のセルローストリアセテートフィラメント糸(84dtex/20f)1本と伸度14.0%ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸(ブライト11dtex/4f)1本を用い、セルローストリアセテートフィラメント糸の過供給率を4%、ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸の過供給率を0.5%として、エアー圧力0.4Mpaのインターレースノズルに供給して、糸加工速度200m/分で混繊交絡処理を施し、96dtex/24fの複合糸を得た。この複合糸についての長さ1mm以上の毛羽数、ループ数、毛羽指数、交絡部数の測定結果、及び複合糸による編地の風合い評価結果を表1に示した。また、複合糸中に含まれるセルローストリアセテートフィラメント糸の単繊維伸度は48.3%であった。
実施例1で調製した紡糸原液及び紡糸ノズルを用いて、通常の乾式紡糸法により得た単繊維伸度29.7%のセルローストリアセテートフィラメント糸(84dtex/20f)を2本用い、実施例1と同様にして混繊交絡処理を施し、168dtex/40fの複合糸を得た。この複合糸についての長さ1mm以上の毛羽数、ループ数、毛羽指数、交絡部数の測定結果、及び複合糸による編地の風合い評価結果を表1に示した。編地はスパン調膨らみ感のあるものであった。また、複合糸中に含まれるセルローストリアセテートフィラメント糸の単繊維伸度は25.5%であった。
比較例1で得られた単繊維伸度29.7%のセルローストリアセテートフィラメント糸(84dtex/20f)を2本用い、実施例2と同様にして混繊交絡処理を施し、168dtex/40fの複合糸を得た。この複合糸についての長さ1mm以上の毛羽数、ループ数、毛羽指数、交絡部数の測定結果、及び複合糸による編地の風合い評価結果を表1に示した。編地はシャリ感のあるものであった。また、複合糸中に含まれるセルローストリアセテートフィラメント糸の単繊維伸度は21.5%であった。
実施例3において、単繊維伸度55.6%のセルローストリアセテートフィラメント糸(84dtex/20f)を比較例1で得られた単繊維伸度29.7%のセルローストリアセテートフィラメント糸(84dtex/20f)に代えた以外は、実施例3と同様にして混繊交絡処理を施し、95dtex/24fの複合糸を得た。この複合糸についての長さ1mm以上の毛羽数、ループ数、毛羽指数、交絡部数の測定結果、及び複合糸による編地の風合い評価結果を表1に示した。編地はカサツキ感のあるものであった。また、複合糸中に含まれるセルローストリアセテートフィラメント糸の単繊維伸度は20.7%であった。
2 他のフィラメント糸
3 供給ローラー
4 供給ローラー
5 エアー混繊交絡ノズル
6 引取りローラー
7 巻取り機
8 複合糸
Claims (6)
- 単繊維伸度が30%以上のセルロースエステル系フィラメント糸が含まれる2本以上のフィラメント糸からなる混繊交絡糸であって、糸表面に該セルロースエステル系フィラメント糸がループを形成しているセルロースエステル系複合糸。
- セルロースエステル系フィラメント糸が、アセチル基の平均置換度2.22〜3.00のセルロースアセテートからなるフィラメント糸である請求項1に記載のセルロースエステル系複合糸。
- 長さ1mm以上の毛羽数が0.5本/m以下、毛羽指数が0.1以下である請求項1又は2に記載のセルロースエステル系複合糸。
- 交絡部と非交絡部が交互に形成され、交絡部数が10〜50個/mである請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースエステル系複合糸。
- インターレースノズル若しくは流体撹乱ノズルに、単繊維伸度が30%以上であるセルロースエステル系マルチフィラメント糸が含まれる2本以上のフィラメント糸を、0%を超え20%未満の範囲で過供給し、混繊交絡処理を施すセルロースエステル系複合糸の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロースエステル系複合糸を用いてなる織編物。
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