JP2009090405A - 把持治具、把持方法、加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工リードタイムの増加や加工装置の稼働率の低下を生じることなく、加工装置の回転軸に対する偏芯誤差および傾き誤差を抑制した高精度な被加工物の着脱を実現する。
【解決手段】把持具4の筒状の治具本体4aの内部に、被加工物1を保持する把持穴7が設けられた第1開口端4bから第2開口端4cの方向に拡開する凹テーパ面11aを持つ凹ガイド部11を設け、第1開口端4bおよび第2開口端4cの各々には、治具本体4aの周方向の異なる位置に複数の根元スリットおよび先端スリットを形成し、根元スリットが形成された凹ガイド部11の凸ガイド部8に対する装着時の拡開変形によって、先端スリットが形成された第1開口端4bの把持穴7の収縮変形が発生する構成とし、把持穴7に位置する被加工物1(被加工物基準軸C)の主軸回転軸Aに対する調芯が自動的に行われるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】把持具4の筒状の治具本体4aの内部に、被加工物1を保持する把持穴7が設けられた第1開口端4bから第2開口端4cの方向に拡開する凹テーパ面11aを持つ凹ガイド部11を設け、第1開口端4bおよび第2開口端4cの各々には、治具本体4aの周方向の異なる位置に複数の根元スリットおよび先端スリットを形成し、根元スリットが形成された凹ガイド部11の凸ガイド部8に対する装着時の拡開変形によって、先端スリットが形成された第1開口端4bの把持穴7の収縮変形が発生する構成とし、把持穴7に位置する被加工物1(被加工物基準軸C)の主軸回転軸Aに対する調芯が自動的に行われるようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、把持技術および加工装置に関し、たとえば、軸対称の被加工物の加工装置に対する把持技術等に適用して有効な技術に関する。
たとえば、回転対称の外観形状を有するレンズ、プリズムなどの光学部品や、型成形によって上述の光学部品を製造する金型の成形面は、高精度な外観形状はもとより、光学部品(成形面)の光軸に対する加工基準軸のチルト(傾き)方向やシフト(偏心)方向の誤差を可能な限り小さくして、光軸と加工基準軸を高精度に一致させることが要求されている。
このような高精度の光学部品の加工工程では、加工装置の回転軸に対して、光軸となる被加工物の基準軸を、偏芯誤差と傾き誤差が精度規格値以下となるように調整して把持させる必要がある。
このような要求に対応する方法として、特許文献1(特許2930997号公報)が開示されている。
すなわち、研磨機の回転軸に固定される取り付け部材の端面に設けられた凹湾曲面に対して傾動可能に摺動する凸湾曲面を有する角度調整部材を同軸に固定し、この角度調整部材にホルダ部材を介して被加工物である金型駒をほぼ同軸に固定するとともに、角度調整部材の研磨機側取り付け部材に対する傾動角度を調整するボルトを設け、このボルトを回動させることによって、金型駒およびホルダ部材の全体を傾動させることで、研磨機の回転軸に対する金型駒の中心軸の傾動角度を調整可能にした被加工物保持具が提案されている。
すなわち、研磨機の回転軸に固定される取り付け部材の端面に設けられた凹湾曲面に対して傾動可能に摺動する凸湾曲面を有する角度調整部材を同軸に固定し、この角度調整部材にホルダ部材を介して被加工物である金型駒をほぼ同軸に固定するとともに、角度調整部材の研磨機側取り付け部材に対する傾動角度を調整するボルトを設け、このボルトを回動させることによって、金型駒およびホルダ部材の全体を傾動させることで、研磨機の回転軸に対する金型駒の中心軸の傾動角度を調整可能にした被加工物保持具が提案されている。
しかしながら、上述の特許文献1の被加工物保持具では、研磨機側に固定された状態の取り付け部材、角度調整部材およびホルダ部材の上で金型駒の偏芯調整作業を行なうことが前提となっており、新しい金型駒に交換する度に、研磨機上で偏芯調整等の段取り時間が発生し、この段取り時間の間は加工が中断されるので、加工リードタイム(一個の金型駒当たりの加工所要時間)の増加と研磨機等の加工装置の稼働率の低下を招く、という技術的課題があった。
特許2930997号公報
本発明の目的は、加工リードタイムの増加や加工装置の稼働率の低下を生じることなく、加工装置の回転軸に対する偏芯誤差および傾き誤差を抑制した高精度な被加工物の着脱を実現することが可能な技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、回転対称の被加工物を加工装置の回転軸に同軸に把持させる把持治具であって、
筒状の本体の第1開口端に設けられ、前記被加工物が保持される把持穴と、
前記第1開口端の側に前記把持穴と同軸に設けられた雌ねじ部と、
前記第1開口端から反対側の第2開口端の側に拡開するように形成されたテーパ穴と、
前記第1開口端に前記把持穴を周方向に等分割するように形成された3以上の複数の第1スリットと、
前記第2開口端に形成され、当該第2開口端を周方向に等分割する位置に形成された3以上の複数の第2スリットと、
を含む把持治具を提供する。
筒状の本体の第1開口端に設けられ、前記被加工物が保持される把持穴と、
前記第1開口端の側に前記把持穴と同軸に設けられた雌ねじ部と、
前記第1開口端から反対側の第2開口端の側に拡開するように形成されたテーパ穴と、
前記第1開口端に前記把持穴を周方向に等分割するように形成された3以上の複数の第1スリットと、
前記第2開口端に形成され、当該第2開口端を周方向に等分割する位置に形成された3以上の複数の第2スリットと、
を含む把持治具を提供する。
本発明の第2の観点は、回転対称の被加工物を加工装置の回転軸に同軸に把持させる把持方法であって、
軸方向にテーパ穴が貫通して形成された把持治具の小径の第1開口端および大径の第2開口端の各々に周方向に3箇所以上の第1および第2スリットを形成し、
前記加工装置の前記回転軸の端部に同軸に突設された凸ガイド部に前記テーパ穴を嵌合させて前記第2スリットを拡開させることによって前記第1スリットを縮閉させ、前記第1開口端を縮径させることで前記第1開口端に前記被加工物を前記回転軸に同軸に位置決めして保持する把持方法を提供する。
軸方向にテーパ穴が貫通して形成された把持治具の小径の第1開口端および大径の第2開口端の各々に周方向に3箇所以上の第1および第2スリットを形成し、
前記加工装置の前記回転軸の端部に同軸に突設された凸ガイド部に前記テーパ穴を嵌合させて前記第2スリットを拡開させることによって前記第1スリットを縮閉させ、前記第1開口端を縮径させることで前記第1開口端に前記被加工物を前記回転軸に同軸に位置決めして保持する把持方法を提供する。
本発明の第3の観点は、回転軸の一端に同軸に固定された凸ガイド部と、
前記凸ガイド部に被加工物を保持させる把持治具と、を含み、
前記把持治具は、
筒状の本体の第1開口端に設けられ、前記被加工物が保持される把持穴と、
前記第1開口端の側に前記把持穴と同軸に設けられた雌ねじ部と、
前記第1開口端から反対側の第2開口端の側に拡開するように形成されたテーパ穴と、
前記第1開口端に前記把持穴を周方向に等分割するように形成された3以上の複数の第1スリットと、
前記第2開口端に形成され、当該第2開口端を周方向に等分割する位置に形成された3以上の複数の第2スリットと、
を含む加工装置を提供する。
前記凸ガイド部に被加工物を保持させる把持治具と、を含み、
前記把持治具は、
筒状の本体の第1開口端に設けられ、前記被加工物が保持される把持穴と、
前記第1開口端の側に前記把持穴と同軸に設けられた雌ねじ部と、
前記第1開口端から反対側の第2開口端の側に拡開するように形成されたテーパ穴と、
前記第1開口端に前記把持穴を周方向に等分割するように形成された3以上の複数の第1スリットと、
前記第2開口端に形成され、当該第2開口端を周方向に等分割する位置に形成された3以上の複数の第2スリットと、
を含む加工装置を提供する。
本発明によれば、加工リードタイムの増加や加工装置の稼働率の低下を生じることなく、加工装置の回転軸に対する偏芯誤差および傾き誤差を抑制した高精度な被加工物の着脱を実現することが可能な技術を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の一実施の形態である把持治具の取り付け状態の一例を示す断面図であり、図2は、その斜視、図3は、本実施の形態の把持治具の作用を示す断面図、図4は、本実施の形態の把持治具が装着される加工装置の構成例を示す側面図、図5は、本実施の形態の把持治具を用いた加工工程における作業手順の一例を示すフローチャートである。
[実施の形態1]
図1は、本発明の一実施の形態である把持治具の取り付け状態の一例を示す断面図であり、図2は、その斜視、図3は、本実施の形態の把持治具の作用を示す断面図、図4は、本実施の形態の把持治具が装着される加工装置の構成例を示す側面図、図5は、本実施の形態の把持治具を用いた加工工程における作業手順の一例を示すフローチャートである。
まず、本実施の形態の把持治具の取り付け対象である機械加工装置5(加工装置)の構成を説明する。
図4は、回転軸対称の被加工物1を加工するための機械加工装置5を示している。本実施の形態の機械加工装置5には、被加工物1を把持して加工するため、ACサーボモーター等の図示しない回転装置を空気静圧軸受け、油静圧軸受け、転がり軸受けのいずれかを備えた主軸台3aで支持され、主軸回転軸Aに対し高精度に同軸回転する主軸スピンドル2(回転軸)が備え付けられている。
図4は、回転軸対称の被加工物1を加工するための機械加工装置5を示している。本実施の形態の機械加工装置5には、被加工物1を把持して加工するため、ACサーボモーター等の図示しない回転装置を空気静圧軸受け、油静圧軸受け、転がり軸受けのいずれかを備えた主軸台3aで支持され、主軸回転軸Aに対し高精度に同軸回転する主軸スピンドル2(回転軸)が備え付けられている。
主軸スピンドル2の一端の近傍には、工具台3bが配置され、この工具台3bには、工具支持軸3cを介して加工工具3dが保持されている。
そして、後述のようにして主軸スピンドル2に保持されて回転する被加工物1に対して、加工工具3dを押圧することで、被加工物1に対して、たとえば、切削加工や研磨加工等の所望の機械加工がなされる。
そして、後述のようにして主軸スピンドル2に保持されて回転する被加工物1に対して、加工工具3dを押圧することで、被加工物1に対して、たとえば、切削加工や研磨加工等の所望の機械加工がなされる。
なお、本実施の形態1の被加工物1は、底面1aが、当該被加工物1の被加工物基準軸Cに対して予め高精度な垂直度を持つように加工されているものとする。
図1は、上述の機械加工装置5の主軸スピンドル2の工具台3bに近い加工側の先端部分を示している。
図1は、上述の機械加工装置5の主軸スピンドル2の工具台3bに近い加工側の先端部分を示している。
機械加工装置5における主軸スピンドル2の工具側の先端には、把持具4の取り付け対象となる接続部10が同軸に固定されている。
この接続部10には、被加工物1が把持された把持具4を着脱自在に取り付けるため、主軸回転軸Aと同軸となる位置にテーパ角θ8の凸テーパ面8aを有する凸ガイド部8および雄ねじ部9が設けられている。接続部10(凸ガイド部8)の端面には、主軸回転軸Aに対し垂直な平面部6が設けられている。
この接続部10には、被加工物1が把持された把持具4を着脱自在に取り付けるため、主軸回転軸Aと同軸となる位置にテーパ角θ8の凸テーパ面8aを有する凸ガイド部8および雄ねじ部9が設けられている。接続部10(凸ガイド部8)の端面には、主軸回転軸Aに対し垂直な平面部6が設けられている。
一方、本実施の形態の把持具4には、筒状の治具本体4aの内部に、機械加工装置5の接続部10の主軸回転軸Aに対し高精度に取り付けができるように、テーパ角θ11の凹テーパ面11aを有する凹ガイド部11が設けられ、凹ガイド部11の凹テーパ面11aの小径端である第1開口端4bの側には、雌ねじ部12および把持穴7が、凹テーパ面11aに対して同軸な位置に設けられている。
ここで、図3を参照して、上述の接続部10の凸ガイド部8と、把持具4の凹ガイド部11の寸法関係を、一例として次の通りに設定する。
すなわち、凹ガイド部11の入り口部(第2開口端4c)の内径D11は、凸ガイド部8の先端の外径D8aよりも大きく、凸ガイド部8の根元の外径D8bより小さく設定する。
すなわち、凹ガイド部11の入り口部(第2開口端4c)の内径D11は、凸ガイド部8の先端の外径D8aよりも大きく、凸ガイド部8の根元の外径D8bより小さく設定する。
また、凹ガイド部11の凹テーパ面11aのテーパ角θ11は、凸ガイド部8のテーパ角θ8より緩やかな角度に設定されている。
また、把持具4に設けられた上述の被加工物1を把持するための把持穴7の内径寸法は、たとえば、被加工物1の外径よりも0.005〜0.1mm大きく設定する。
また、把持具4に設けられた上述の被加工物1を把持するための把持穴7の内径寸法は、たとえば、被加工物1の外径よりも0.005〜0.1mm大きく設定する。
図2の把持具4の外観図に示されるように、本実施の形態の把持具4では、根元側の端面(第1開口端4b)を起点とした4本の根元スリット13(切り込み)(第1スリット)が、把持具4の周方向に90°の等間隔で形成されている。
同様に把持具4の把持穴7の先端側(第2開口端4c)を起点とし、把持具4の側面まで至る4本の先端スリット14(切り込み)(第2スリット)が、上述の根元スリット13のから把持具4の周方向に45°だけずれた位置に、90°の等間隔で形成されている。
この時、把持具4の軸方向における根元スリット13および先端スリット14の各々の長さは、双方の軸方向の長さの合計が、把持具4の全長より大きくなるように設定されている。
すなわち、根元スリット13の終端部13aと、先端スリット14の終端部14aは、把持具4の周方向に、互いに他の先端スリット14および根元スリット13に重なり合うように設定されている。
また、根元スリット13および先端スリット14の幅寸法は、0.1mm〜5mmの間に設定されている。
以下、本実施の形態の把持具4および機械加工装置5の作用について説明する。なお、以下に述べる作用の具体的な説明は本発明を限定するものではない。
以下、本実施の形態の把持具4および機械加工装置5の作用について説明する。なお、以下に述べる作用の具体的な説明は本発明を限定するものではない。
図5は、把持具4を用いて被加工物1を機械加工装置5に着脱する加工工程の一例を示すフローチャートである。
初めに、機械加工装置5の主軸スピンドル2に接続部10を取り付け、機械加工装置5の主軸回転軸Aに対し、接続部10の接続部基準軸Dのチルト方向及びシフト方向の偏芯誤差を規格以下の精度になるように予め偏芯調整を行う(ステップ101)。
初めに、機械加工装置5の主軸スピンドル2に接続部10を取り付け、機械加工装置5の主軸回転軸Aに対し、接続部10の接続部基準軸Dのチルト方向及びシフト方向の偏芯誤差を規格以下の精度になるように予め偏芯調整を行う(ステップ101)。
この状態で、主軸スピンドル2に固定された接続部10(凸ガイド部8)の先端の平面部6に対して切削加工もしくは研削加工を行い、当該平面部6が高い平面度と主軸回転軸Aに対する高い垂直度を持つようにする(ステップ102)。
次に、被加工物1を把持具4の把持穴7にあらかじめ通しておく(ステップ103)。
この被加工物1が把持穴7に通された把持具4の凹ガイド部11(凹テーパ面11a)を、機械加工装置5の接続部10の凸ガイド部8(凸テーパ面8a)に嵌合させ、凸ガイド部8の雄ねじ部9に把持具4の雌ねじ部12を螺合させ、ねじ締めして接続する。
この被加工物1が把持穴7に通された把持具4の凹ガイド部11(凹テーパ面11a)を、機械加工装置5の接続部10の凸ガイド部8(凸テーパ面8a)に嵌合させ、凸ガイド部8の雄ねじ部9に把持具4の雌ねじ部12を螺合させ、ねじ締めして接続する。
この時、機械加工装置5の凸ガイド部8と把持具4の凹ガイド部11との間では、把持具4の凹ガイド部11の凹テーパ面11aの先端内周と、凸ガイド部8の凸テーパ面8aの外周とが接触する。
更に雄ねじ部9と雌ねじ部12のねじ締めを行い、把持具4を接続部10の凸ガイド部8に沿って挿入すると、被加工物1の底面1aが、凸ガイド部8の平面部6に当接して被加工物1の被加工物基準軸Cと主軸回転軸Aが平行になるように被加工物1の姿勢が矯正され、さらに、凹ガイド部11の内径D11は凸ガイド部8の根元の外径D8bより小さいため、ねじ締めの進行に応じて凹ガイド部11が、根元スリット13が広がるように拡開変形する。
把持具4の根元スリット13が広がると、根元スリット13と先端スリット14の交わる点(すなわち、終端部13aと終端部14aの周方向に重なり合う領域)を支点として、梃子の原理で先端スリット14の幅が縮閉する(狭まる)方向に第1開口端4bは弾性変形する。
なお、根元スリット13および先端スリット14が把持具4の周方向に交互に均等に配置されているため、根元スリット13の拡開変形による先端スリット14の縮閉変形は、把持具4の周方向に均等に発生する。
このように先端スリット14が縮閉変形することで、第1開口端4bに設けられた把持穴7の穴径が収縮し、把持穴7に配置されている被加工物1は、全周にわたって均等に締め付けられ、被加工物1は、その被加工物基準軸Cが主軸回転軸Aに平行な状態で、当該被加工物基準軸Cが、把持具4の把持具回転軸Bに一致するように自動的に調芯され、把持具4を介して凸ガイド部8に把持される。
この時、凸ガイド部8と凹ガイド部11は面接触している。これにより、主軸回転軸Aと把持具回転軸Bが高精度に一致し、凹ガイド部11と把持穴7を高精度に製作することで、被加工物1の被加工物基準軸Cと把持具4の把持具回転軸Bとが高精度一致するように把持することができる。
また、上述のように、凸ガイド部8の平面部6に被加工物1の底面1aが当接することにより、被加工物1の被加工物基準軸Cと主軸スピンドル2の主軸回転軸Aが平行に保たれるので、両者の傾動誤差も発生しない。
この結果、把持具4を介して凸ガイド部8に装着された被加工物1の被加工物基準軸Cは、自動的に主軸回転軸Aに対して高精度で同心状態となる(ステップ104)。
このように、把持具4を介して、被加工物1を主軸スピンドル2に対して、両者の被加工物基準軸Cおよび主軸回転軸Aが高い平行度および同心度を保った状態で固定した後、主軸スピンドル2を回転させ、回転する被加工物1に加工工具3dを押し当てることにより、被加工物1を、被加工物基準軸Cに対して高い回転対称性を持つ形状精度に加工することができる(ステップ105)。
このように、把持具4を介して、被加工物1を主軸スピンドル2に対して、両者の被加工物基準軸Cおよび主軸回転軸Aが高い平行度および同心度を保った状態で固定した後、主軸スピンドル2を回転させ、回転する被加工物1に加工工具3dを押し当てることにより、被加工物1を、被加工物基準軸Cに対して高い回転対称性を持つ形状精度に加工することができる(ステップ105)。
この加工の完了後、把持具4を締結時と逆回転させて、凸ガイド部8の雄ねじ部9から把持具4の雌ねじ部12を離脱させることで、被加工物1を保持した把持具4を主軸スピンドル2から取り外すことができる(ステップ106)。
また、把持具4を凸ガイド部8から離脱させることにより、根元スリット13および先端スリット14の上述とは逆の変形により、把持穴7による被加工物1の締め付け状態が解除されており、被加工物1を把持具4から取り出すことができる(ステップ107)。
そして、他の被加工物1がある場合には、上述のステップ103以降を反復し、他の被加工物1がない場合には、終了する(ステップ108)。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、被加工物1が把持穴7に配置された把持具4を、機械加工装置5の主軸スピンドル2に設けられた凸ガイド部8に嵌合させるだけで、自動的に被加工物1の被加工物基準軸Cの、主軸スピンドル2の主軸回転軸Aに対する調芯が行われるので、主軸回転軸Aに対する被加工物1の被加工物基準軸Cの偏芯誤差を所望の規格値以下に抑制して把持でき、主軸スピンドル2に被加工物1を装着した状態での偏芯調整作業が不要となり、当該偏芯調整作業の所要時間に起因する加工リードタイムの増加を防ぐことができるとともに、機械加工装置5の稼働率の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、被加工物1が把持穴7に配置された把持具4を、機械加工装置5の主軸スピンドル2に設けられた凸ガイド部8に嵌合させるだけで、自動的に被加工物1の被加工物基準軸Cの、主軸スピンドル2の主軸回転軸Aに対する調芯が行われるので、主軸回転軸Aに対する被加工物1の被加工物基準軸Cの偏芯誤差を所望の規格値以下に抑制して把持でき、主軸スピンドル2に被加工物1を装着した状態での偏芯調整作業が不要となり、当該偏芯調整作業の所要時間に起因する加工リードタイムの増加を防ぐことができるとともに、機械加工装置5の稼働率の向上を図ることができる。
すなわち、加工リードタイムの増加や機械加工装置5の稼働率の低下を生じることなく、機械加工装置5の主軸スピンドル2の主軸回転軸Aに対する被加工物基準軸Cの偏芯誤差および傾き誤差を抑制した高精度な被加工物1の着脱を実現することが可能となる。
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2である機械加工装置5の構成例を示す断面図である。
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2である機械加工装置5の構成例を示す断面図である。
この実施の形態2における機械加工装置5の構成では、主軸スピンドル2および凸ガイド部8を軸方向に貫通する貫通穴2aを設けた点が、上述の実施の形態1の構成異なり、他の構成は同様である。従って、上述の実施の形態1と同一な構成部分は同一符号を付してその説明を省略する。
主軸スピンドル2および凸ガイド部8を貫通して設けられた貫通穴2aの一端は、凸ガイド部8の平面部6に開口しており、他端は、図示しない真空吸引装置に接続されている。
そして、平面部6に当接される被加工物1の底面1aを平面部6に対して真空吸着することが可能になっている。
次に、本実施形態2の作用を説明する。本実施の形態2では、把持具4の装着に先立って、貫通穴2aの真空吸引により、被加工物1を平面部6に真空吸着で固着する。
次に、本実施形態2の作用を説明する。本実施の形態2では、把持具4の装着に先立って、貫通穴2aの真空吸引により、被加工物1を平面部6に真空吸着で固着する。
上述のように、凸ガイド部8の平面部6は、予め切削加工もしくは研削加工を行うことで、高い平面度と主軸回転軸Aに対する高い垂直度が実現されているため、この平面部6に被加工物1を真空吸着することで、被加工物基準軸Cの主軸回転軸Aに対するチルト方向の偏芯精度が高い状態で、被加工物1は平面部6に吸引固定される。
この状態で、接続部10の凸ガイド部8に対して把持具4のねじ締めを行い、把持具4の把持穴7で被加工物1を全周にわたって均等に高精度に把持することで、被加工物基準軸Cの主軸回転軸Aに対するシフト方向の偏芯精度を高くした状態で把持することができる。
このような、平面部6および把持穴7の内周面による被加工物1の2面拘束により、主軸スピンドル2に対して高い精度で、しかも高い剛性を持つような被加工物1の把持が実現でき、主軸回転軸Aに対する被加工物基準軸Cのチルト方向およびシフト方向の偏芯誤差が、所望の規格精度以下に一致するように制御できる。
このように、本実施の形態2の場合には、上述の実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、さらに、平面部6に対して被加工物1の底面1aを真空吸着することで、被加工物1の主軸スピンドル2に対する取り付け操作が簡略化されるとともに、平面部6および把持穴7の内周面による被加工物1の2面拘束により、主軸スピンドル2に対して高い精度で、しかも高い剛性を持つような被加工物1の把持が実現できる、という利点がある。
以上説明したように、本発明の各実施の形態によれば、機械加工装置5の主軸スピンドル2の主軸回転軸Aに対する、回転対称形状を有する被加工物1の被加工物基準軸Cの偏芯誤差を抑制した状態で高精度に把持させることで、加工リードタイムの増加を防ぐことができ、また機械加工装置5の稼働率の向上を図ることができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、上述の実施の形態では、加工装置として機械加工装置に適用した例を説明したが、主軸スピンドルに被加工物を高い同心度で着脱する用途に広く適用することができる。
たとえば、上述の実施の形態では、加工装置として機械加工装置に適用した例を説明したが、主軸スピンドルに被加工物を高い同心度で着脱する用途に広く適用することができる。
1 被加工物
1a 底面
2 主軸スピンドル
2a 貫通穴
3a 主軸台
3b 工具台
3c 工具支持軸
3d 加工工具
4 把持具
4a 治具本体
4b 第1開口端
4c 第2開口端
5 機械加工装置
6 平面部
7 把持穴
8 凸ガイド部
8a 凸テーパ面
9 雄ねじ部
10 接続部
11 凹ガイド部
11a 凹テーパ面
12 雌ねじ部
13 根元スリット
13a 終端部
14 先端スリット
14a 終端部
A 主軸回転軸
B 把持具回転軸
C 被加工物基準軸
D 接続部基準軸
1a 底面
2 主軸スピンドル
2a 貫通穴
3a 主軸台
3b 工具台
3c 工具支持軸
3d 加工工具
4 把持具
4a 治具本体
4b 第1開口端
4c 第2開口端
5 機械加工装置
6 平面部
7 把持穴
8 凸ガイド部
8a 凸テーパ面
9 雄ねじ部
10 接続部
11 凹ガイド部
11a 凹テーパ面
12 雌ねじ部
13 根元スリット
13a 終端部
14 先端スリット
14a 終端部
A 主軸回転軸
B 把持具回転軸
C 被加工物基準軸
D 接続部基準軸
Claims (10)
- 回転対称の被加工物を加工装置の回転軸に同軸に把持させる把持治具であって、
筒状の本体の第1開口端に設けられ、前記被加工物が保持される把持穴と、
前記第1開口端の側に前記把持穴と同軸に設けられた雌ねじ部と、
前記第1開口端から反対側の第2開口端の側に拡開するように形成されたテーパ穴と、
前記第1開口端に前記把持穴を周方向に等分割するように形成された3以上の複数の第1スリットと、
前記第2開口端に形成され、当該第2開口端を周方向に等分割する位置に形成された3以上の複数の第2スリットと、
を含むことを特徴とする把持治具。 - 請求項1記載の把持治具において、
前記第1および第2スリットは、前記把持穴および前記テーパ穴の周方向の互いに異なる位置に交互に回転対称に配置され、
前記第1および第2スリットの各々の前記テーパ穴の軸方向における長さは、当該第1および第2スリットの各々の終端位置が当該テーパ穴の周方向に重なり合う値に設定されていることを特徴とする把持治具。 - 請求項1記載の把持治具において、
前記テーパ穴のテーパ角度は、前記加工装置の前記回転軸の端部に同軸に突設され先端部に雄ねじ部が形成された凸ガイド部のテーパ角度よりも小さく設定され、
前記テーパ穴の前記第2開口端における開口径は、前記凸ガイド部の前記先端部の外径よりも大きく、前記凸ガイド部の根元部の外径よりも小さく設定され、
前記雌ねじ部が前記凸ガイド部の前記雄ねじ部に螺合されるように前記凸ガイド部に前記テーパ穴を嵌合させ、前記雌ねじ部および前記雄ねじ部の締結方向に前記把持治具を回動させることによる前記第2スリットの拡開および前記第1スリットの縮閉により前記把持穴が収縮して前記被加工物が前記回転軸に同軸に保持されることを特徴とする把持治具。 - 回転対称の被加工物を加工装置の回転軸に同軸に把持させる把持方法であって、
軸方向にテーパ穴が貫通して形成された把持治具の小径の第1開口端および大径の第2開口端の各々に周方向に3箇所以上の第1および第2スリットを形成し、
前記加工装置の前記回転軸の端部に同軸に突設された凸ガイド部に前記テーパ穴を嵌合させて前記第2スリットを拡開させることによって前記第1スリットを縮閉させ、前記第1開口端を縮径させることで前記第1開口端に前記被加工物を前記回転軸に同軸に位置決めして保持することを特徴とする把持方法。 - 請求項4記載の把持方法において、
前記第1および第2スリットは、前記第1および第2開口端の周方向の互いに異なる位置に交互に回転対称に配置され、
前記第1および第2スリットの各々の前記テーパ穴の軸方向における長さは、当該第1および第2スリットの各々の終端位置が当該テーパ穴の周方向に重なり合う値に設定されていることを特徴とする把持方法。 - 請求項4記載の把持方法において、
前記回転軸および前記凸ガイド部には軸方向に貫通穴を形成し、前記第1開口端に保持された前記被加工物を吸着保持することを特徴とする把持方法。 - 回転軸の一端に同軸に固定された凸ガイド部と、
前記凸ガイド部に被加工物を保持させる把持治具と、を含み、
前記把持治具は、
筒状の本体の第1開口端に設けられ、前記被加工物が保持される把持穴と、
前記第1開口端の側に前記把持穴と同軸に設けられた雌ねじ部と、
前記第1開口端から反対側の第2開口端の側に拡開するように形成されたテーパ穴と、
前記第1開口端に前記把持穴を周方向に等分割するように形成された3以上の複数の第1スリットと、
前記第2開口端に形成され、当該第2開口端を周方向に等分割する位置に形成された3以上の複数の第2スリットと、
を含むことを特徴とする加工装置。 - 請求項7記載の加工装置において、
前記第1および第2スリットは、前記把持穴および前記テーパ穴の周方向の互いに異なる位置に交互に回転対称に配置され、
前記第1および第2スリットの各々の前記テーパ穴の軸方向における長さは、当該第1および第2スリットの各々の終端位置が当該テーパ穴の周方向に重なり合う値に設定されていることを特徴とする加工装置。 - 請求項7記載の加工装置において、
前記回転軸および前記凸ガイド部には軸方向に貫通穴が形成され、前記第1開口端に保持された前記被加工物が前記貫通穴を介して前記凸ガイド部に吸着保持されることを特徴とする加工装置。 - 請求項7から請求項9記載のいずれか1項に記載の加工装置において、
前記テーパ穴のテーパ角度は、前記加工装置の前記回転軸の端部に同軸に突設され先端部に雄ねじ部が形成された凸ガイド部のテーパ角度よりも小さく設定され、
前記テーパ穴の前記第2開口端における開口径は、前記凸ガイド部の前記先端部の外径よりも大きく、前記凸ガイド部の根元部の外径よりも小さく設定され、
前記雌ねじ部が前記凸ガイド部の前記雄ねじ部に螺合されるように前記凸ガイド部に前記テーパ穴を嵌合させ、前記雌ねじ部および前記雄ねじ部の締結方向に前記把持治具を回動させることによる前記第2スリットの拡開および前記第1スリットの縮閉により前記把持穴が収縮して前記被加工物が前記回転軸に同軸に保持されることを特徴とする加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007262601A JP2009090405A (ja) | 2007-10-05 | 2007-10-05 | 把持治具、把持方法、加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007262601A JP2009090405A (ja) | 2007-10-05 | 2007-10-05 | 把持治具、把持方法、加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009090405A true JP2009090405A (ja) | 2009-04-30 |
Family
ID=40662910
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007262601A Withdrawn JP2009090405A (ja) | 2007-10-05 | 2007-10-05 | 把持治具、把持方法、加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009090405A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101098412B1 (ko) | 2011-06-15 | 2011-12-23 | 조지훈 | 피가공물 홀딩 장치 |
CN109807696A (zh) * | 2019-04-08 | 2019-05-28 | 苏州大学 | 一种低偏心差弯月镜的加工方法 |
-
2007
- 2007-10-05 JP JP2007262601A patent/JP2009090405A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101098412B1 (ko) | 2011-06-15 | 2011-12-23 | 조지훈 | 피가공물 홀딩 장치 |
CN109807696A (zh) * | 2019-04-08 | 2019-05-28 | 苏州大学 | 一种低偏心差弯月镜的加工方法 |
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