JP2009086453A - 光変調器 - Google Patents

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】光変調特性が高性能であるとともに、安定性について改善された光変調器を提供する。
【解決手段】電気光学効果を有する基板1と、基板の上に形成されたバッファ層2と、該バッファ層の上方に配置された中心導体4aと接地導体4b、4cからなる進行波電極4と、進行波電極を伝搬する高周波電気信号の電界強度が強い領域における基板の少なくとも一部を掘り下げることにより設けた凹部により形成されるリッジ部とを具備し、該リッジ部は中心導体が上方に形成された中心導体用リッジ部8aと、接地導体が上方に形成された接地導体用リッジ部8bからなり、凹部における接続用接地導体4b(5)の厚みを厚くするとともに、光導波路3a、3bの中心線Vに対して中心導体4aと接地導体4b(4)を含む電極を対称に配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気光学効果を利用して、光導波路に入射した光を高周波電気信号で変調して光信号パルスとして出射する光変調器に関する。
近年、高速、大容量の光通信システムが実用化されている。このような高速、大容量の光通信システムに組込むための高速、小型、低価格、かつ高安定な光変調器の開発が求められている。
このような要望に応える光変調器として、リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、LN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)がある。このLN光変調器は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光通信システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光通信システムにも適用が検討されている。
以下、従来、実用化され、又は提唱されてきたリチウムナイオベートの電気光学効果を利用したLN光変調器について説明する。
(第1の従来技術)
特許文献1に開示された、z−カットLN基板を用いて構成した、いわゆるリッジ型LN光変調器を第1の従来技術の光変調器として図8にその斜視図を示す。なお、図9は図8のA−A´線における断面図である。
z−カットLN基板1上に光導波路3が形成されている。この光導波路3は、金属Tiを1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。したがって、光導波路3の電気信号と光が相互作用する部(相互作用部と言う)には2本の相互作用光導波路3a、3b、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームが形成されている。
この光導波路3の上面にSiOバッファ層2が形成され、このSiOバッファ層2の上面に進行波電極4が形成されている。進行波電極4としては、1つの中心導体4aと2つの接地導体4b、4cを有するコプレーナウェーブガイド(CPW)を用いている。なお、通常、進行波電極4はAuにより形成されている。5はz−カットLN基板1を用いて製作したLN光変調器に特有の焦電効果に起因する温度ドリフトを抑圧するための導電層であり、通常はSi導電層を用いる。中心導体4aの幅Sは7μm程度で、中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップWは15μm程度である。なお、説明を簡単にするために、図8では図示した温度ドリフト抑圧のためのSi導電層5を図9においては省略している。また、以下においてもSi導電層5は省略して議論する。
この第1の従来技術では、z−カットLN基板1をエッチングなどで掘り込むことにより、凹部9a、9b、及び9c(あるいは、リッジ部8a、8bとも言える)を形成している。ここで、10a、10bは外周部である。なお、リッジ部8a、8bを各々中心導体用リッジ部、接地導体用リッジ部とも呼ぶ。
このリッジ構造をとることにより、高周波電気信号の実効屈折率(あるいは、マイクロ波実効屈折率)、特性インピーダンス、変調帯域、駆動電圧などにおいて優れた特性を実現することができる。なお、図9では凹部9a、9b、及び9cの深さ(あるいはリッジ部8a、8bの高さ)を強調して描いているが、実際には2〜5μm程度であり、中心導体4aや接地導体4b、4cの厚み約20μmに比較するとその値は小さい。
さて、この第1の従来技術はLN光変調器としての光変調帯域が広く、変調特性は優れているものの、安定性について問題があることがわかった。即ち、Si導電層5を使用しているにもかかわらず、温度ドリフト特性が悪いことが判明した。その原因は高い変調性能を生み出すリッジ構造に起因していると考えられる。
以下にその原因について詳しく説明する。図9からわかるように、中心導体4aの直下のリッジ部8aについては、接地導体4b、4cとは独立しているので、z−カットLN基板1の表面に平行な方向にリッジ部8aを引っ張る力は存在しない。
ところが、リッジ部8bについては、前述のように約20μmの厚い接地導体4bが凹部9c、外周部10bとともに形成されている。そして、接地導体4bのAuとz−カットLN基板1の熱膨張係数は互いに大きく異なる。さらに、z−カットLN基板1の幅は数ミリメートル(例えば、約1mm〜5mm)と広い。一方、相互作用光導波路3a、3bのギャップは約15μm程度と狭いので、接地導体4bや4cの幅は各々z−カットLN基板1の幅の約半分と言えるくらいに広い(換言すると、外周部10aや10bが広い)。つまり、図9の接地導体4bの幅も広いので環境変化に起因する熱膨張や熱収縮などの応力が積み重なり、リッジ部8bへかなり大きな応力がかかる。なお、実際には接地導体4cの幅も広く、その影響も大きい。
ところが、z−カットLN基板1に応力がかかるとその屈折率が変化する(応力複屈折)ので、結果的に相互作用光導波路3aの屈折率が変化することになり、LN光変調器を動作させる際のDCバイアス点が変わってしまう。これがリッジ構造特有の温度ドリフト現象であり、LN光変調器としての安定性を損なう結果となる。ちなみに、LN光変調器の環境温度を室温から80℃まで変化させた際に、この第1の従来技術でのDCバイアス点の変化は6Vと大きかった。
(第2の従来技術)
この第1の従来技術の問題点を解決するために、特許文献2に開示された第2の従来技術の相互作用部における断面図を図10に示す。この図10からわかるように、リッジ部8bの上に形成された接地導体4b´と外周部10bの上に形成された接地導体4b´´(あるいは接続用接地導体4b´´と呼ぶ)の厚みは厚いが、凹部9cに形成された接地導体4b´´´の厚みを例えば約300nmと薄くしている。このように凹部9cにおける接地導体4b´´´の厚みを薄くすることにより、広い面積を有する接地導体4b´´がリッジ部8bへ与える応力を小さくすることができるので、温度安定性を改善できるという考え方である。
しかしながら、以下のようにこの第2の従来技術には解決すべき重大な問題点がある。この第2の従来技術では接地導体としては4b´、4b´´及び4b´´´があるものの、前述のように接地導体4b´´´の厚みは薄く、10Gbit/s以上の高周波電気信号が伝搬することは困難である。その結果、表皮効果のために高周波電気信号の伝搬損失が増大する。
また、接地導体4b´と接地導体4b´´は高周波的にはほぼ完全に独立している。つまり、中心導体4aに対応して実際にほとんどの電流が流れている箇所は中心導体4aに相対向し、中心導体4aと同程度の幅の狭い接地導体4b´であり、接地導体においてほとんどの電流は接地導体用リッジ部8bの上に形成された接地導体4b´のみに流れている。
従って高周波電気信号はジュール熱となり消失し易く、変調帯域が図9に示した第1の従来技術と比較して著しく劣化した。実際に筆者らが実験で確かめたところ、光通信における伝送速度として2.5Gbit/sの変調がやっとであり、現在、主流となっている10Gbit/sの変調は困難であった。また、近い将来有望とされる40Gbit/sの変調は全くできなかった。
(第3の従来技術)
図11に特許文献3に開示された第3の従来技術の上面図を示す。なお、z−カットLN基板1の幅は数ミリメートルあり、相互作用光導波路3a、3bのギャップは15μm程度である。またz−カットLN基板1の長さは5cm〜7cm程度である。
ここで、B−B´とC−C´における断面図を図12と図13に示す。ここで、11a、11b、11c、及び11dは凹部9a、9b、9c及び9dがあることによる空隙部である。なお、4b(4)、4b(5)、4b(6)、4c(4)、4c(5)、4c(6)は接地導体である。接地導体4b(5)は接地導体4b(4)と4b(6)を接続している。また、10cは外周部である。8a、8b、8cはリッジ部である。空隙部11aと11dは接地導体において導体が欠落した部位(あるいは、接地導体に開けた窓)とも言える。また、13a、13dは空隙部11aと11dを接地導体4b(5)と4c(5)で埋めた埋め込み部である。
図からわかるように、接地導体4b(4)と4c(4)の幅は図10に示した第2の実施形態の接地導体4b´や中心導体4aと同程度に狭い。また、接地導体4b(6)、4c(6)は図10に示した第2の実施形態の接地導体4b´´のように広い。そして、この第3の従来技術において接地導体4b(4)と4b(6)を接続する接地導体4b(5)と、接地導体4c(4)と4c(6)を接続する接地導体4c(5)の厚みは、図10に示した第2の実施形態の接地導体4b´´´よりも厚く設定している。
ところが、この第3の従来技術を実際に製作したところ、この構造ではリッジ構造に起因する温度ドリフトを充分には抑圧することができないという重要な問題があることがわかった。以下、その問題点について説明する。
光導波路3aと3bの中間の中心線に対して、リッジ8a、8b、8c(あるいは凹部9a、9b、9c、9d)が非対称に配置されている。リッジ8a、8b、8cの側面である傾斜面は−z面ではないので、環境温度の変化に伴う焦電効果による電荷の分布は凹部やz−カットLN基板1の上面と異なっている。また、進行波電極の配置も非対称である。これらのために、環境温度の変化とともに刻々と変化する不均一な電荷分布(即ち、不均一な電界分布)が生じるので光導波路3aと3bに不均一な電圧が印加される。これらの不均一な電界分布を打ち消すように外部回路からDCバイアスを印加する必要があるので、結果的に温度ドリフトを生じてしまうと結論できる。
特開平4−288518号公報 特開2004−157500号公報 特開2006−84537号公報
以上のように、リッジ型LN光変調器として提案された従来の第1技術では電極を構成するAuとz−カットLN基板との熱膨張係数の差に起因する接地導体からの応力が温度とともに最適DCバイアス点を変化させる温度ドリフトを生じた。この温度特性を改善するために提案された第2の従来技術では、中心導体に隣接する厚みが厚い接地導体と凹部以外の厚い接地導体とを接続する凹部における接続用接地導体の厚みが薄いので、表皮効果のためにその接続用接地導体においてジュール熱が発生し、高周波電気信号の伝搬損失が増大し、光変調帯域を狭くする。また、接地導体においてほとんどの電流が流れているのは、幅の狭い接地導体用リッジ部の上に形成された箇所であり、従って高周波電気信号はジュール熱となり消失し易い。このように、第2の従来技術は高速変調の観点から光変調器としての基本特性に問題を有している。また、第3の従来技術では進行波電極が中心導体に対して対称であるため、高周波電気信号の安定で低損失な伝搬という観点から有利であったが、温度ドリフト特性に問題があった。これは、主にリッジ部(あるいは凹部)の構成が2本の光導波路に対して非対称であったため、凹部の底面やリッジの上面に誘起される電荷とリッジの傾斜面とに誘起される電荷に大きな差があることが起因している。これらの結果、光変調器としての高速性・低駆動電圧性を犠牲にしないで温度安定化を実現できる光変調器の開発が急務となっている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、光変調特性が高性能であるとともに、安定性について改善された光変調器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、前記基板に形成された2本の光導波路と、前記基板の上に形成されたバッファ層と、該バッファ層の上方に配置された中心導体と接地導体からなる進行波電極と、前記進行波電極を伝搬する高周波電気信号の電界強度が強い領域における前記基板の少なくとも一部を掘り下げることにより形成した凹部により構成されるリッジ部とを具備し、該リッジ部は前記中心導体が上方に形成された中心導体用リッジ部と、前記接地導体が上方に形成された接地導体用リッジ部からなり、前記中心導体用リッジ部に前記2本の光導波路のうちの1本が形成されている光変調器において、前記凹部における前記接地導体は前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一部と略同じ厚みを持つとともに、前記凹部で前記接地導体の一部が欠落しており、前記2本の光導波路の中間に設けた中心線に対して前記凹部と前記進行波電極が実質的に対称な配置であることを特徴とする。
本発明の請求項2の光変調器は、前記凹部に隣接する接地導体が前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一部とほぼ同じ厚みを持つことを特徴とする。
本発明の請求項3の光変調器は、前記凹部を除く、前記高周波電気信号の電磁界が小さくなった領域における前記接地導体の少なくとも一部の厚みを、当該領域以外の領域における接地導体の厚みよりも少なくとも一部で薄くしたことを特徴とする。
本発明の請求項4の光変調器は、前記光導波路を下方に具備しない前記接地導体の下方に前記凹部を具備しない構造であることを特徴とする。
本発明の請求項5の光変調器は、前記基板がリチウムナイオベートからなることを特徴とする。
本発明の請求項6の光変調器は、前記基板が半導体からなることを特徴とする。
本発明に係る光変調器では、リッジやそれを構成する凹部と電極の配置を2本の光導波路の中間に設けた中心線に対して実質的にほぼ対称とするとともに、凹部における接続用接地導体の厚みを厚くするとともに、応力を緩和するためにその一部を欠落させる。これにより、環境温度の変化に対応して起こる電荷の分布(即ち、電界の分布)が2本の光導波路の中間に設けた中心線に対してほぼ対称となり、第3の従来技術と比較して極めて改善された温度ドリフト特性を実現できる。また、進行波電極も2本の光導波路の中間に設けた中心線に対して実質的にほぼ対称とする。これにより、進行波電極を伝搬する電磁界の中心導体の中心線に対する対称性は崩れるものの、第2の従来技術と異なり接続用接地導体の厚みが厚いので、接続用接地導体における表皮効果による伝搬損失が小さい。また、光導波路を形成していない側の接地導体には導体が欠落した部位がないので高周波電気信号の伝搬損失という観点からはやや有利となる。さらに、本発明には外周部の導体の厚みを薄くする構造も含まれている。この外周部の導体の厚みを薄くする構造により、環境温度が変化する際に、導体とz−カットLN基板の熱膨張係数の差に起因して生じる広い接地導体からの導体の応力を緩和することができるので、一層の温度ドリフト特性の改善に寄与するばかりでなく、高価な貴金属材料であるAuの使用量を減らすことができるので光変調器としてのコスト低減も可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、図8から図13に示した従来技術と同一の符号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一の符号を持つ機能部の説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態についてその上面図を示す。また、D−D´、E−E´における断面図を各々図2と図3に示す。ここで、4b(4)、4b(5)、4b(6)、及び4cは接地導体である。図からわかるように、高周波電気信号としての表皮効果の影響を受けにくいように厚みを厚くした接地導体4b(5)が接地導体4b(4)と4b(6)とを接続している(接地導体4b(5)は接続用接地導体と呼ばれる)。
また、中心導体4aの幅Sは7μm、中心導体4aと接地導体4b(4)、もしくは接地導体4cとのギャップWは15μmとした。ここで、中心導体4aの幅と接地導体4b(4)の幅はほぼ同程度に(あるいは、互いに異なってもその差は数μm程度とし、大きくは異ならないように)した。10aと10bは接地導体の外周部である。なお、図3において、13aは空隙部11aが接地導体4b(5)により埋まった埋め込み部である。
本発明において重要なことが2つある。まず、図2からわかるように、光導波路3aと3bにとって中心導体4aと接地導体4bを含む進行波電極と凹部9a、9b、9cを含むリッジ8aと8bの構造を、光導波路3aと3bの中間に設けた中心線Vに対して実質的にほぼ対称としている点である。その結果、光導波路に対して非対称な凹部やリッジの傾斜面を有し、凹部、リッジの上面、及びリッジの傾斜面に誘起される電荷による電界が2本の光導波路に不均一に印加される図12に示した第3の従来技術と異なり、極めて安定な温度ドリフト特性を実現できる。
図4には環境温度Tを20℃から80℃まで変化させた場合の本発明における第1の実施形態についての実験結果を示す。比較のために、図には第1の従来技術、第2の従来技術、及び第3の従来技術についての測定結果も示している。ここで、中心導体4aの幅Sは7μm、中心導体4aと接地導体4b(4)、もしくは接地導体4c(4)とのギャップWは15μmとした。また、空隙部11aと11bの幅Wwが15μmで、それらの長さLwと接地導体4b(5)の長さLeが各々1mmと100μmとした。
図からわかるように、本実施形態を採用することにより、進行波電極が光導波路3a、3bの中間に設けた中心線に対して対称であるため、高周波光変調の観点から有利な第3の従来技術よりも温度ドリフトを大幅に抑えることが可能となった。このように実験結果からも本発明の考え方が正しいことを実証できた。ここで、空隙部11aと11bの長さLwと接地導体4b(5)の長さLeは各々30μm〜3mm、及び5μm〜500μm程度まで変化させても効率よく温度ドリフトを抑圧できた。
第2の重要な点は光変調特性である。温度ドリフトについては図10に示した第2の従来技術も優れているが、先に述べたように第2の従来技術における接続用接地導体の厚みは薄いので、第2の従来技術は高周波電気信号の伝搬損失が大きくなるという問題を有している。本発明の図3からわかるように、接地導体4b(4)と4b(6)を接続する接地導体4b(5)の厚みが厚い。従って、第2の従来技術と比較して高周波電気信号の伝搬損失が小さいので、光変調帯域として有利となる。
さて、進行波電極が光導波路3aと3bの中間に設けた中心線に対して厳密に対称でないと本発明の効果を発揮できないかというとそれは正しくない。接地導体4b(4)と4cの幅はその少なくとも一方が中心導体4aの幅と数μm異なっていても良く、これを含めて進行波電極に関する構造を光導波路3aと3bの中間に設けた中心線に対して対称(あるいは、実質的にほぼ対称)としている。また、接地導体4b(6)や4cの影響を及ぼさない箇所に凹部を新たに設けても良い。
そしてこれらの第1の実施形態における2本の光導波路、及び進行波電極の導体4aの配置を実質的にほぼ対称にするという考え方は本発明の全ての実施形態について言える。
(第2の実施形態)
図5に本発明の第2の実施形態についてその上面図を示す。また、F−F´、G−G´における断面図を各々図6と図7に示す。ここで、4b(14)、4b(15)、4b(16)、4b(17)、及び、4c(14)、4c(15)は接地導体である。図からわかるように、高周波電気信号としての表皮効果の影響を受けにくいように厚みを厚くした接地導体4b(15)が接地導体4b(14)と4b(16)とを接続している。
接地導体の厚みが厚いと、てこの原理によりリッジ部8bに加わる応力(モーメント)が大きくなるので、本発明の第2の実施形態では外周部10bの接地導体4b(17)の厚みを薄くし、応力を小さくしている。なお、本発明の効果を一層顕著とするために、外周部10a上に形成した接地導体4c(15)の厚みも同じく薄くしている。
図6からわかるように、本実施形態においても、凹部9a、9b、9cやリッジ8a、8b、さらに中心導体4a、接地導体4b(14)、4b(15)、4b(16)、4b(17)、及び、4c(14)、4c(15)を2本の光導波路3aと3bの中間に設けた中心線Vに対して対称に配置している。
先に述べたように、相互作用光導波路3aと3bのギャップが15μm程度であることを考慮すると、高周波電気信号と相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光が相互作用する相互作用部の幅は、z−カットLN基板1の幅(約1mm〜5mm程度)と比較して著しく狭い。従って、接地導体4b(17)と4c(15)の厚みを薄くすることにより、高価なAuの使用量を著しく低減することができ、LN光変調器の原価の低減に貢献できる。
なお、厚みは薄いものの面積が広い接地導体4b(17)と4c(15)は高周波電気信号の観点からしっかりとした電気的アースの確立と電気的アースである筐体とのワイヤやリボンによる接続の観点から有用である。このことは本発明の全ての実施形態について言える。
(各実施形態)
分岐光導波路の例としてマッハツェンダ光導波路を用いたが、方向性結合器などその他の分岐合波型の光導波路にも本発明を適用可能であることは言うまでもなく、考え方は3本以上の光導波路にも適用可能であるし、光導波路が1本の位相変調器にも適用できる。また光導波路の形成法としてはTi熱拡散法の他に、プロトン交換法など光導波路の各種形成法を適用できるし、バッファ層としてAl等のSiO以外の各種材料も適用できる。
また、z−カットLN基板について説明したが、x−カットやy−カットなどその他の面方位のLN基板でも良いし、リチウムタンタレート基板、さらには半導体基板など異なる材料の基板でも良い。
また、通常、各凹部は同じ程度の幅で形成するが、外周部に近い凹部が極めて広くなるように(外周部が凹部の底部とほぼ同じ高さとなるように)エッチングしている場合には、その広くエッチングされた部分を事実上の外周部と考え、本発明を適用することが可能である。
以上のように、本発明に係る光変調器は、高性能なリッジ型の光変調器において、広い面積の接地導体の厚みを薄くすることにより、温度ドリフト特性が優れた、またコストを低減した光変調器として有用である。
本発明の第1の実施形態に係わる光変調器の概略構成を示す上面図 図1のD−D´における断面図 図1のE−E´における断面図 本発明の第1の実施形態の温度ドリフト特性を説明する図 本発明の第2の実施形態に係わる光変調器の概略構成を示す上面図 図4のF−F´における断面図 図4のG−G´における断面図 第1の従来技術の光変調器についての概略構成を示す斜視図 図8のA−A´における断面図 第2の従来技術の光変調器についての概略構成を示す断面図 第3の従来技術の光変調器についての概略構成を示す上面図 図11のB−B´における断面図 図11のC−C´における断面図
符号の説明
1:z−カットLN基板(LN基板)
2、14、15:SiOバッファ層(バッファ層)
3:マッハツェンダ光導波路(光導波路)
3a、3b:マッハツェンダ光導波路を構成する相互作用光導波路
4:進行波電極
4a:中心導体
4b、4b´、4b´´4b´´´、4b(4)、4b(5)、4b(6)、4b(14)、4b(15)、4b(16)、4b(17)、4c、4c(4)、4c(5)、4c(6)、4c(14)、4c(15):接地導体
5:Si導電層
6:高周波(RF)電気信号給電線
7:高周波(RF)電気信号出力線
8a:リッジ部(中心導体用リッジ部)
8b、8c:リッジ部(接地導体用リッジ部)
9a、9b、9c、9d:凹部
10a、10b、10c:外周部
11a、11b、11c、11d:空隙部(導体が欠落した部位)
12a、12b:導体が欠落した部位
13a、13d:埋め込み部

Claims (6)

  1. 電気光学効果を有する基板と、前記基板に形成された2本の光導波路と、前記基板の上に形成されたバッファ層と、該バッファ層の上方に配置された中心導体と接地導体からなる進行波電極と、前記進行波電極を伝搬する高周波電気信号の電界強度が強い領域における前記基板の少なくとも一部を掘り下げることにより形成した凹部により構成されるリッジ部とを具備し、該リッジ部は前記中心導体が上方に形成された中心導体用リッジ部と、前記接地導体が上方に形成された接地導体用リッジ部からなり、前記中心導体用リッジ部に前記2本の光導波路のうちの1本が形成されている光変調器において、
    前記凹部における前記接地導体は前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一部と略同じ厚みを持つとともに、前記凹部で前記接地導体の一部が欠落しており、前記2本の光導波路の中間に設けた中心線に対して前記凹部と前記進行波電極が実質的に対称な配置であることを特徴とする光変調器。
  2. 前記凹部に隣接する接地導体が前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一部とほぼ同じ厚みを持つことを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記凹部を除く、前記高周波電気信号の電磁界が小さくなった領域における前記接地導体の少なくとも一部の厚みを、当該領域以外の領域における接地導体の厚みよりも少なくとも一部で薄くしたことを特徴とする請求項1もしくは請求項2の何れか1項に記載の光変調器。
  4. 前記光導波路を下方に具備しない前記接地導体の下方に前記凹部を具備しない構造であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の光変調器。
  5. 前記基板がリチウムナイオベートからなることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の光変調器。
  6. 前記基板が半導体からなることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の光変調器。
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