JP2009086361A - 防眩フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基材フィルム上にハードコート層、防眩層を設けた防眩フィルムであって、前記防眩層は、透光性微粒子A、平均粒径が30nm以上100nm以下であり、表面の一部を有機成分で被覆され、反応性官能基bを有する反応性無機微粒子B、及び、反応性官能基cを有するバインダー成分Cを含む防眩層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、且つ、当該防眩層の膜厚は、1μm以上5μm以下であり、当該防眩層の界面側に、前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が少ないスキン層を有しており、前記ハードコート層は、反応性官能基dを有する反応性無機微粒子D、及び、反応性官能基eを有するバインダー成分Eを含むハードコート層形成用樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする、防眩フィルム。
【選択図】図1
Description
斯かる防眩フィルムには、大粒径又は凝集性の粒子を含む樹脂組成物を透明基材の表面に塗工することによって、表面に凹凸形状を有する防眩層を形成するタイプ、前記粒子を含まず、スピノーダル分解により、相分離構造を形成し、硬化性樹脂を硬化させることによって表面に凹凸形状を有する防眩層を形成するタイプ、あるいは層表面に凹凸をもったフィルムをラミネートして凹凸形状を転写することによって、表面に凹凸形状を有する防眩層を形成するタイプなどがある(特許文献1)。
すなわち、上記問題点を解決する本発明の特徴は、以下の点である。
前記防眩層は、
平均粒径が1μm以上10μm以下である透光性微粒子A、
平均粒径が30nm以上100nm以下であり、少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基bを表面に有する反応性無機微粒子B、及び、
前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基bとの架橋反応性を有する反応性官能基cを有するバインダー成分Cを含み、系内における硬化反応性も有する硬化性バインダー系を含有する防眩層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、且つ、当該防眩層の膜厚は、1μm以上5μm以下であり、
当該防眩層の透明基材フィルムとは反対側の界面及びその近傍の表層領域に、当該表層領域よりも透明基材フィルム側の領域に比べて、当該防眩層の厚み方向断面における単位面積当りの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が少ないスキン層を有しており、
当該スキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、当該防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数の80%以下であり、
前記ハードコート層は、
少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基dを表面に有する反応性無機微粒子D、及び、
前記反応性無機微粒子Dの反応性官能基dとの架橋反応性を有する反応性官能基eを有するバインダー成分Eを含み、系内における硬化反応性も有する硬化性バインダー系を含有するハードコート層形成用樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする。
前記防眩層は、
平均粒径が1μm以上10μm以下である透光性微粒子A、
平均粒径が30nm以上100nm以下であり、少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基bを表面に有する反応性無機微粒子B、及び、
前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基bとの架橋反応性を有する反応性官能基cを有するバインダー成分Cを含み、系内における硬化反応性も有する硬化性バインダー系を含有する防眩層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、且つ、当該防眩層の膜厚は、1μm以上5μm以下であり、
当該防眩層の透明基材フィルムとは反対側の界面及びその近傍の表層領域に、当該表層領域よりも透明基材フィルム側の領域に比べて、当該防眩層の厚み方向断面における単位面積当りの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が少ないスキン層を有しており、
当該スキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、当該防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数の80%以下であり、
前記ハードコート層は、
少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基dを表面に有する反応性無機微粒子D、及び、
前記反応性無機微粒子Dの反応性官能基dとの架橋反応性を有する反応性官能基eを有するバインダー成分Eを含み、系内における硬化反応性も有する硬化性バインダー系を含有するハードコート層形成用樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする。
図3は、図2の防眩層2の断面及び当該断面における幅1μmの領域P10を断面に垂直な方向から見た一例を模式的に示した図である。
図4は、領域P10内の反応性無機微粒子B20の分布の様子の一例を模式的に示した図である。図4において、領域P10の透明基材フィルム4とは反対側の界面30付近の領域(スキン層50)では、単位面積当たりの前記反応性無機微粒子B20の平均粒子数が、当該スキン層50よりも透明基材フィルム4側の領域よりも少なく、且つ領域P10の単位面積当たりの前記反応性無機微粒子B20の平均粒子数の80%以下である。
また、防眩層の厚み方向断面における単位面積当りの反応性無機微粒子Bの平均粒子数は、以下のようにして求めることができる。すなわち、防眩層の深さ方向断面のTEM写真等により、反応性無機微粒子Bの数を計測し、当該粒子数を計測した粒子が存在する面積で除することによって単位面積当りの平均粒子数を算出することができる。
図5は、領域P10内の反応性無機微粒子B20の斯かる分布の様子の他の一例を模式的に示した図である。図5において、スキン層50の厚さは、反応性無機微粒子B20の平均粒径の5倍であり、当該スキン層50よりも透明基材フィルム側に、前記反応性無機微粒子B20が30nm以上の平均粒子間距離を取りながら、均一に分散した領域60を有している。
透光性微粒子Aにおいては、含有される各々の粒子が、単分散型の粒子(形状が単一な粒子)であれば、その平均を意味し、ブロードな粒度分布を持つ不定形型の粒子であれば、粒度分布測定により、最も多く存在する粒子の粒径を意味する。上記透光性微粒子Aの粒径は、主に、コールターカウンター法により計測できる。また、この方法以外に、レーザー回折法、SEM写真撮影による測定によっても計測できる;
透光性微粒子A以外の粒子、すなわち、反応性無機微粒子B、及び反応性無機微粒子Dにおいては、溶液中の当該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒径分布を累積分布で表したときの50%粒径(d50 メジアン径)を意味する。当該平均粒径は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計、又はNanotrac粒度分析計を用いて測定することができる。また、硬化した膜中の粒径については、SEM写真、又はTEM写真による観察によっても測定することができる。SEM、又はTEM写真による測定方法は、例えば、50〜200万倍で粒子の観察を行い、観察した粒子100個の平均値をもって平均粒径とする方法がある。
また、透光性微粒子A及び当該微粒子A以外の粒子は、凝集粒子であっても良く、凝集粒子である場合は、二次粒径が記載範囲内であれば良い。
尚、本明細書中において、(メタ)アクリロイルはアクリロイル及び/又はメタクリロイルを表し、(メタ)アクリレートはアクリレート及び/又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリルはアクリル及び/又はメタクリルを表す。
透明基材フィルムの材質は、特に限定されないが、防眩フィルムに用いられる一般的な材料を用いることができ、例えば、セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、アクリレート系ポリマー、又はポリエステルを主体とするものが好ましい。ここで、「主体とする」とは、基材構成成分の中で最も含有割合が高い成分を示すものである。
本発明に係る防眩層は、透明基材とは反対側の表面が凹凸を有し、
平均粒径が1μm以上10μm以下である透光性微粒子A、
平均粒径が30nm以上100nm以下であり、少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基bを表面に有する反応性無機微粒子B、及び、
前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基bとの架橋反応性を有する反応性官能基cを有するバインダー成分Cを含み、系内における硬化反応性も有する硬化性バインダー系を含有する防眩層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、且つ、当該防眩層の膜厚は、1μm以上5μm以下であり、
当該防眩層の透明基材フィルムとは反対側の界面及びその近傍の表層領域に、当該表層領域よりも透明基材フィルム側の領域に比べて、当該防眩層の厚み方向断面における単位面積当りの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が少ないスキン層を有しており、
当該スキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、当該防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数の80%以下である。
透光性微粒子Aは、表面の凹凸を形成し、防眩層に防眩性を付与する機能を有する。透光性微粒子Aは、目的に応じ、1種類だけでなく、成分が異なるもの、形状が異なるもの、粒度分布が異なるものなどを2種類以上混合して用いることができる。好ましくは、1〜3種類用いるのがよく、特に2〜3種類用いるのがよい。但し、凹凸を形成する以外の目的のために、更に多種の粒子を用いることもできる。
また、本発明に係る透光性微粒子A及び、後述する反応性無機微粒子Bは、共にシリカからなることが、防眩層内において、前記反応性無機微粒子Bに比べて粒径の大きい透光性微粒子Aの表面に、前記反応性無機微粒子Bが凝集しやすくなり、前記防眩層の防眩性を向上することができるため好ましい。
これらの化合物は、含まれるアルキル基が疎水性を示すため、被処理材料表面を、親水性から疎水性に容易に変換することが可能となり、未処理では親和性の乏しい高分子材料とも、高い親和性を得ることができる。
0.25R1(好ましくは0.50R1)≦R2≦1.0R1(好ましくは0.75R1)(I)
を満たすものが好ましい。
R2が0.25R1以上であることにより、樹脂組成物(塗布液)の分散が容易となり、粒子が凝集することがない。また、塗布後の乾燥工程においてフローティング時の風の影響を受けることなく、均一な凹凸形状を形成することができる。この関係は、第2の微粒子に対する第3の微粒子にも成り立つ。第3の微粒子をR3とすると、0.25R2≦R3≦1.0R2 を満たすものが好ましい。
互いに異なる成分からなる2種類以上の微粒子を混合して用いる場合には、当該2種類以上の微粒子は、上記の様に平均粒径が異なることも好ましいが、同じ平均粒径であるものも好適に用いられる。
無機微粒子を防眩層に含有させることにより、耐擦傷性を向上させることが一般になされている。架橋反応性を有する反応性無機微粒子と、硬化性バインダーを架橋反応させ、架橋結合を形成することにより、耐擦傷性を更に向上させることができる。反応性無機微粒子Bとは、コアとなる無機微粒子の少なくとも表面の一部を有機成分が被覆し、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する無機微粒子のことである。反応性無機微粒子Bには、1粒子あたりコアとなる無機微粒子の数が2つ以上のものも含まれる。
また、前記反応性無機微粒子Bは、透明性を損なうことなく、樹脂のみを用いた場合の復元率を維持しつつ、硬度を著しく向上させる点から、粒径分布が狭く、単分散であることが好ましい。
当該被覆している有機成分の割合は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の重量減少%の恒量値として、例えば、空気中で室温から通常800℃までの熱重量分析により求めることができる。
尚、単位面積当りの有機成分量は、以下の方法により求めたものである。まず、示差熱重量分析(Differential Thermogravimetry:DTG)により、有機成分重量/無機成分重量を測定する。次に、重量と用いた無機微粒子の比重から無機成分全体の体積を計算する。また、被覆前の無機微粒子が真球状であると仮定し、被覆前の無機微粒子の平均粒径から被覆前の無機微粒子1個当りの体積を計算する。無機成分全体の体積と被覆前の無機微粒子1個当たりの体積から、被覆前の無機微粒子の個数を求める。次に、反応性無機微粒子B1個当りの有機成分重量を、被覆前の無機微粒子1個当りの表面積で割ることにより、被覆前の無機微粒子の単位面積当たりの有機成分量を求めることができる。
中でも、本発明においては、被覆している有機成分が反応性無機微粒子B中に、被覆前の無機微粒子の単位面積当たり1.00×10−3g/m2以上含まれることが可能で、無機微粒子同士の凝集を抑制し、膜の硬度を向上させる点から、以下の(i)、又は(ii)の無機微粒子を適宜選択して用いることが好ましい。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β‐ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基bを有する無機微粒子。
(ii)当該無機微粒子に導入する反応性官能基b、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基、を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られる、表面に反応性官能基bを有する無機微粒子。
化学式(1)
−Q1−C(=Q2)−NH−
(化学式(1)中、Q1は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示す)
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β‐ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基bを有する無機微粒子。
上記(i)の反応性無機微粒子Bを用いると、有機成分含量が少なくても膜強度を向上できるという利点がある。
例えば、疎水性分子残基としては、不活性化又は反発作用をもたらす、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル又はフッ素含有アルキル基等が挙げられる。親水性基としてはヒドロキシ基、アルコキシ基又はポリエステル基等が挙げられる。
上記表面修飾化合物の上記分子残基中に、上記バインダー成分Cと反応できる反応性官能基bが含まれる場合には、上記表面修飾化合物中に含まれる第1の官能基を無機微粒子表面に反応させることによって、上記(i)の反応性無機微粒子Bの表面に上記バインダー成分Cと反応できる反応性官能基bを導入することが可能である。例えば、第1の官能基のほかに、更に重合性不飽和基を有する表面修飾化合物が、好適なものとして挙げられる。
上記(i)の反応性無機微粒子Bに用いられる上記表面修飾化合物は、表面修飾のための反応条件下で好ましくは液体であり、分散媒中に溶解可能であるか又は少なくとも乳化可能であるのが好ましい。中でも分散媒中で溶解し、分散媒中で離散した分子又は分子イオンとして一様に分布して存在することが好ましい。
アミノ酸の例としては、β‐アラニン、グリシン、バリン、アミノカプロン酸、ロイシン及びイソロイシンが挙げられる。
用いられるシランとしては特に限定されないが、例えば、CH2=CHSi(OOCCH3)3、CH2=CHSiCl3、CH2=CH−Si(OC2H5)3、CH2=CH−Si(OC2H4OCH3)3、CH2=CH−CH2−Si(OC2H5)3、CH2=CH−CH2−Si(OOCCH3)3、γ‐グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)、γ‐グリシジルオキシプロピルジメチルクロロシラン、3‐アミノプロピルトリメトキシシラン(APTS)、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、N‐(2−アミノエチル)‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐[N’‐(2’‐アミノエチル)‐2‐アミノエチル]‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、2‐[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ビス‐(ヒドロキシエチル)‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐ヒドロキシエチル‐N‐メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3‐(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン及び3‐(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
分散媒は、蒸留(任意に減圧下)により容易に除去できる沸点を有することが好ましく、沸点が200℃以下、特に150℃以下の溶媒が好ましい。
化学式(1)
−Q1−C(=Q2)−NH−
(化学式(1)中、Q1は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示す。)
上記(ii)の反応性無機微粒子Bを用いる場合には、有機成分量向上の点から分散性、および膜強度がより高まるという利点がある。
上記反応性官能基修飾加水分解性シランにおいて、無機微粒子に導入する反応性官能基は、上記バインダー成分Cと反応可能なように適宜選択すれば特に限定されない。上述したような重合性不飽和基を導入するのに適している。
[(RaO)mRb 3−mSi‐]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。斯かる基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
また、Rdは2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。例えば、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合、さらには前記化学式(1)に示す基を含むこともできる。
Y’は反応性官能基を有する1価の有機基を示す。上述のような反応性官能基そのものであっても良い。例えば、反応性官能基bを重合性不飽和基から選択する場合、(メタ)アクリロイル(オキシ)基、ビニル(オキシ)基、プロペニル(オキシ)基、ブタジエニル(オキシ)基、スチリル(オキシ)基、エチニル(オキシ)基、シンナモイル(オキシ)基、マレエート基、(メタ)アクリルアミド基等を挙げることができる。また、nは好ましくは1〜20の正の整数であり、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5である。
本明細書において、防眩層の硬化性バインダー系の構成成分とは、バインダー成分Cの他に、必要に応じてバインダー成分C以外の硬化性バインダー成分、ポリマー成分、重合開始剤等の硬化後に防眩層のマトリクス成分となるものを表す。
本発明に係る防眩層形成用樹脂組成物において、バインダー成分Cは、前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基bと架橋反応性を有する反応性官能基cを有し、当該反応性官能基bと当該反応性官能基cが架橋結合し、網目構造が形成される。また、当該バインダー成分Cは、十分な架橋性を得るために、当該反応性官能基cを1分子あたり3つ以上有することが好ましい。当該反応性官能基cとしては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合及びエポキシ基等が挙げられる。
(メタ)アクリレート系化合物以外の例としては、スチレン、メチルスチレン、N‐ビニルピロリドン等の単官能又は多官能単量体、又はビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ビニルエーテル、脂肪族ビニルエーテル等のオリゴマー又はプレポリマー等のカチオン重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
光重合開始剤の具体例としては、ラジカル重合性官能基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α‐アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、ベンゾイン類、ベンゾインメチルエーテル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキシド類、1‐ヒドロキシ‐シクロヘキシル‐フェニル‐ケトン、等が挙げられ、これらを単独で、又は混合して用いる。1‐ヒドロキシ‐シクロヘキシル‐フェニル‐ケトンは、例えば商品名イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)として入手可能である。また、α‐アミノアルキルフェノン類としては、例えば商品名イルガキュア907、369として入手可能である。
カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いる。
また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、n‐ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ‐n‐ブチルホスフィン等が挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
本発明に係る防眩層には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記必須成分の他に、機能を付与するために添加剤を混合しても良い。当該添加剤としては、例えば、レベリング剤、溶剤、帯電防止剤、重合開始剤、防汚染剤等が挙げられる。
本発明の防眩層形成用樹脂組成物には、レベリング剤を添加することができ、中でも、フッ素系又はシリコーン系等のレベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤を添加した防眩層形成用樹脂組成物は、塗布又は乾燥時に塗膜表面に対して塗工安定性、滑り性、防汚染性、及び耐擦傷性を付与することができる。
バインダー成分Cの種類、量によっては、液状媒体としても機能し得ることがあるので、溶剤を用いなくても防眩層形成用樹脂組成物を塗工できる場合がある。従って、適宜、固形成分を溶解分散し、濃度を調整して、塗工性に優れた防眩層形成用樹脂組成物を調製するために溶剤を使用すれば良い。
前記防眩層には、静電気の発生を抑えてゴミの付着を防止したり、液晶ディスプレイ等に組みこまれた際の外部からの静電気障害を防止するために、必要に応じて帯電防止剤を添加してもよい。この場合の帯電防止性能としては防眩フィルム形成後の表面抵抗が1012Ω/□以下となることが好ましい。しかし、表面抵抗が1012Ω/□以上であっても、帯電防止剤を添加することにより、帯電防止剤を添加しない防眩フィルムに比べて、埃付着が抑えられやすくなる。
本発明に係る防眩層形成用樹脂組成物は、一般的な調製法に従って、上記成分を混合し分散処理することにより調製される。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等を用いることができる。透光性微粒子A及び反応性無機微粒子Bが溶剤中に分散された状態で得られる場合には、その分散状態のまま、前記硬化性バインダー系、溶剤を含むその他の成分を適宜加え、混合し分散処理することにより調製される。
本発明に係るハードコート層は、
少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基dを表面に有する反応性無機微粒子D、及び、
前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基b、及び前記反応性無機微粒子Dの反応性官能基dとの架橋反応性を有する反応性官能基eを有するバインダー成分Eを含み、系内における硬化反応性も有する硬化性バインダー系を含有するハードコート層形成用樹脂組成物の硬化物からなる。前記反応性無機微粒子Dは、硬度に優れ、バインダー成分Eと架橋結合を形成可能であるため、当該ハードコート層は、優れた耐擦傷性を有する。
本発明に係るハードコート層は、耐擦傷性を有するように硬度を向上させることを目的として、上記反応性無機微粒子Dを含有する。当該反応性無機微粒子Dは、ハードコート層に更に機能を付与するものであっても良く、目的に合わせて適宜選択して用いる。
当該反応性無機微粒子Dとしては、上記防眩層で述べた反応性無機微粒子Bと同様の材料、形状、表面処理のものを用いることができる。
当該反応性無機微粒子Dの平均粒径は、5nm以上120nm以下が好ましく、10nm以上80nm以下がより好ましい。
本明細書において、ハードコート層の硬化性バインダー系の構成成分とは、バインダー成分Eの他に、必要に応じてバインダー成分E以外の硬化性バインダー成分、ポリマー成分、重合開始剤等の硬化後にハードコート層のマトリクス成分となるものを表す。
本発明に係るハードコート層形成用樹脂組成物において、バインダー成分Eは、前記反応性無機微粒子Dの反応性官能基dと架橋反応性を有する反応性官能基eを有し、当該反応性官能基dと当該反応性官能基eが架橋結合し、網目構造が形成される。また、当該バインダー成分Eは、十分な架橋性を得るために、当該反応性官能基eを1分子あたり3つ以上有することが好ましい。当該反応性官能基eとしては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合及びエポキシ基等が挙げられる。
前記ポリアルキレンオキシド鎖含有ポリマー(F)は、下記化学式(3)で表され、末端に3つ以上の反応性官能基eを有する分子量が1000以上のポリアルキレンオキシド鎖含有ポリマーである。
ハードコート層を形成した際の硬度を維持しつつクラックを抑制する点から、n1、n2・・・nkはそれぞれ2〜500の数であることが好ましく、更に2〜300の数であることが好ましい。
Y1〜Ykが反応性官能基eそのものである場合、Y1〜Ykとしては例えば、(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基が挙げられる。
例えばエチレン性不飽和基を有する化合物残基としては、具体的には例えば、以下の化合物のエチレン性不飽和基以外の反応性置換基又は反応性置換基の一部(水素等)を除いた残基が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
2つ以上の反応性官能基eを有する分子量が10000未満の化合物(G)は、前述の反応性無機微粒子Aと相俟って、樹脂組成物の硬化膜の硬度を向上させ、十分な耐擦傷性を付与する機能を有するものである。なお、上記ポリマー(F)の構造を有するものは、2つ以上の反応性官能基eを有する分子量が10000未満の化合物(G)から除かれる。
本発明において当該化合物(G)は、上記ポリマー(F)と前述の反応性無機微粒子Aとの組み合わせにおいて、互いに反応可能な反応性官能基eを有し、充分な耐擦傷性を有する広範な化合物から適宜選択して用いることができる。当該化合物(G)としては、1種単独で用いても良いが、2種以上を適宜混合して用いても良い。
2つ以上の反応性官能基eを有する分子量が10000未満の化合物(G)は、1分子中に含まれる反応性官能基eが3個以上であることが、硬化膜の架橋密度をあげて、硬度を付与する点から好ましい。ここで化合物(G)が分子量分布を有するオリゴマーの場合、反応性官能基e数は、平均の個数で表される。
また、化合物(G)の分子量は、硬度向上の点から、5000未満であることが好ましい。
重合性不飽和基を有する具体例として、重合性不飽和基を1分子内に2つ以上有する多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、イソシアヌール酸EO変性トリ(メタ)アクリレート(東亞合成製アロニックスM−315等)、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、フタル酸水素−(2,2,2−トリ−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品等の3官能(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品等の5官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品等の6官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート類に用いられるポリオールとしては、例えば、1,6−ヘキサンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、ポリエステルジオール等が挙げられる。上記ウレタン(メタ)アクリレート類に用いられるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ヘキサメレチンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。上記ウレタン(メタ)アクリレート類に用いられる水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記ポリエステルアクリレート類に用いられるポリエステルポリオールを形成するためのポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、多塩基酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
化学式(4)中、L’は炭素数1〜10の連結基を表し、qは0又は1を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。Jは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一成分であっても複数の成分で構成されていてもよい。o、pは各重合単位のモル%である。pは0であっても良い。
化学式(4)中の連結基L’の好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**、*−(CH2)2−NH−**、*−(CH2)4−O−**、*−(CH2)6−O−**、*−(CH2)2−O−(CH)2−O−**、*−CONH−(CH2)3−O−**、*−CH2CH(OH)CH2−O−**、*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**等が挙げられる。ここで、*は、ポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は、(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。
化学式(4)においてoは100モル%、すなわち単独の重合体であっても良い。また、oが100モル%であっても、oモル%で表された(メタ)アクリロイル基を含有する重合単位が2種以上混合して用いられた共重合体であってもよい。oとpの比は、特に制限はなく、硬度や、溶剤への溶解性、透明性等種々の観点から適宜選択することができる。
本発明に係るハードコート層には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記必須成分の他に、機能を付与するために添加剤を混合しても良い。当該添加剤としては、例えば、重合開始剤、レベリング剤、溶剤、帯電防止剤、防汚染剤等が挙げられる。
本発明においては、上記ラジカル重合性官能基やカチオン重合性官能基の開始又は促進させるために、必要に応じてラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等を適宜選択して用いても良い。これらの重合開始剤は、光照射及び/又は加熱により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。
バインダー成Eの種類、量によっては、液状媒体としても機能し得ることがあるので、溶剤を用いなくてもハードコート層形成用樹脂組成物を塗工できる場合がある。従って、適宜、固形成分を溶解分散し、濃度を調整して、塗工性に優れたハードコート層形成用樹脂組成物を調製するために溶剤を使用すれば良い。
本発明のハードコート層形成用樹脂組成物には、レベリング剤を添加することができ、中でも、フッ素系又はシリコーン系等のレベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤を添加したハードコート層形成用樹脂組成物は、塗布又は乾燥時に塗膜表面に対して塗工安定性、滑り性、防汚染性、及び耐擦傷性を付与することができる。
本発明に係るハードコート層形成用樹脂組成物は、一般的な調製法に従って、上記成分を混合し分散処理することにより調製される。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等を用いることができる。反応性無機微粒子Dが溶剤中に分散された状態で得られる場合には、その分散状態のまま、前記硬化性バインダー系、溶剤を含むその他の成分を適宜加え、混合し分散処理することにより調製される。
(1)表面吸着イオン除去
粒径30nmの水分散コロイダルシリカ(商品名:スノーテックス50、日産化学工業(株)製、pH9〜10)を陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンSK1B、三菱化学(株)製)400gを用いて3時間イオン交換を行い、次いで、陰イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンSA20A、三菱化学(株)製)200gを用いて3時間イオン交換を行った後、洗浄し固形分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散体を得た。
この時、シリカ微粒子の水分散体のNa2O含有量は、シリカ微粒子当たり各7ppmであった。
(2)表面処理(単官能モノマーの導入)
上記(1)の処理を行ったシリカ微粒子の水分散液10gに150mLのイソプロパノール、4.0gの3,6,9−トリオキサデカン酸、及び4.0gのメタクリル酸を加え、30分間撹拌し混合した。
得られた混合液を、60℃で5時間加熱しながら撹拌する事で、シリカ微粒子表面にメタクリロイル基が導入されたシリカ微粒子分散液を得た。得られたシリカ微粒子分散液を、ロータリーエバポレーターを用いて蒸留水、及びイソプロパノールを留去させ、乾固させないようにメチルエチルケトンを加えながら、最終的に残留する水やイソプロパノールを0.1重量%とし、固形分50重量%のシリカ分散メチルエチルケトン溶液を得た。
このようにして得られたシリカ微粒子(反応性無機微粒子B(1))は、日機装(株)社製、Nanotrac粒度分析計により測定した結果、d50=30nmの平均粒径を有していた。また、シリカ微粒子表面を被覆する有機成分量は、熱重量分析法により測定した結果2.73×10−3g/m2であった。また、得られた反応性無機微粒子B(1)の比重は、2.1だった。尚、実施例において、製造例1の微粒子の表面修飾方法を修飾方法1とする。
(1)表面吸着イオン除去
粒径90nmの水分散コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスZL、日産化学工業(株)製、pH9〜10)を用いて、製造例1と同様に、表面吸着イオンを除去したシリカ微粒子の水分散液を得た。
(2)表面処理(多官能モノマーの導入)
製造例1において、メタクリル酸を、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商品名:SR399、サートマー(株)製)に変更した以外は、製造例1と同様の手法で表面処理を行った。
このようにして得られた反応性無機微粒子B(2)は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=90nmの平均粒径を有していた。また、シリカ微粒子表面を被覆する有機成分量は熱重量分析法により測定した結果、2.15×10−3g/m2であった。また、得られた反応性無機微粒子B(2)の比重は、2.1だった。尚、実施例において、製造例2の微粒子の表面修飾方法を修飾方法2とする。
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8重量部、ジブチルスズジラウレート0.2重量部からなる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6重量部を撹拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間撹拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4重量部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱撹拌することで化合物(1)を得た。
窒素気流下、粒径60nmのメタノールシリカゾル(商品名:OSCALシリーズ、触媒化成工業(株)製)88.5重量部(固形分26.6重量部)、上記で合成した化合物(1)8.5重量部、p−メトキシフェノール0.01重量部の混合液を、60℃、4時間撹拌した。続いて、この混合溶液にメチルトリメトキシシラン3重量部を添加し、60℃、1時間撹拌した後、オルト蟻酸メチルエステル9重量部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱撹拌することで反応性無機微粒子B(3)を得た。
このようにして得られた反応性無機微粒子B(3)は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=60nmの平均粒径を有していた。また、表面を被覆する有機成分量は熱重量分析法により測定した結果7.08×10−3g/m2であった。また、得られた反応性無機微粒子B(3)の比重は、2.1だった。尚、実施例において、製造例3の微粒子の表面修飾方法を修飾方法3とする。
(1)表面吸着イオン除去
粒径200nmの水分散コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスMP、日産化学工業(株)製、pH9〜10)を用いて、製造例1と同様に、表面吸着イオンを除去したシリカ微粒子の水分散液を得た。
(2)表面処理(単官能モノマーの導入)
製造例1と同様の手法で表面処理を行った。
このようにして得られた反応性無機微粒子B(4)は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=200nmの平均粒径を有していた。また、シリカ微粒子表面を被覆する有機成分量は熱重量分析法により測定した結果、1.90×10−3g/m2であった。また、得られた反応性無機微粒子B(4)の比重は、2.1だった。
(1)表面吸着イオン除去
製造例1において、表面吸着イオンの除去のみを行い、表面処理を行わず、無機微粒子(1)を得た。
このようにして得られた無機微粒子は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=30nmの平均粒径を有していた。また、得られた無機微粒子の比重は、2.1だった。
製造例1と同様にして、反応性無機微粒子D(1)を得た。このようにして得られた反応性無機微粒子D(1)は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=30nmの平均粒径を有していた。また、シリカ微粒子表面を被覆する有機成分量は、熱重量分析法により測定した結果2.73×10−3g/m2であった。また、得られた反応性無機微粒子B(1)の比重は、2.1だった。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):42.5重量部
・イルガキュア184(光重合開始剤):0.25重量部
・シリコーン(レベリング剤):0.1重量部
・反応性無機微粒子B(1):7.5重量部
・シリカ(透光性微粒子A)(平均粒径1μm):12重量部
・トルエン:34重量部
上記材料を十分混合し、組成物として調製した。
製造例7において、反応性無機微粒子B(1)を反応性無機微粒子B(2)にした以外は、製造例7と同様にして、防眩層形成用樹脂組成物(2)を調製した。
製造例7において、反応性無機微粒子B(1)を反応性無機微粒子B(3)にした以外は、製造例7と同様にして、防眩層形成用樹脂組成物(3)を調製した。
製造例7において、反応性無機微粒子B(1)を反応性無機微粒子B(4)にした以外は、製造例7と同様にして、防眩層形成用樹脂組成物(4)を調製した。
製造例7において、反応性無機微粒子B(1)を製造例5で得られた反応性官能基を有しない無機微粒子(1)にした以外は、製造例7と同様にして、防眩層形成用樹脂組成物(5)を調製した。
製造例7において、透光性微粒子Aの粒径0.5μmにした以外は、製造例7と同様にして、防眩層形成用樹脂組成物(6)を調製した。
・UV1700B(商品名、日本合成化学(株)製、ウレタンアクリレート、10官能、分子量2000):70重量部(固形分量換算値)
・反応性無機微粒子D(1):30重量部(固形分量換算値)
・メチルエチルケトン:100重量部
・イルガキュア184(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、ラジカル重合開始剤): 0.4重量部
上記材料を十分混合し、組成物として調製した。
厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(透明基材フィルム)の一方の側に、上記製造例13で調製したハードコート層形成用樹脂組成物(1)をミヤバーコートで3.5g/m2塗工し、溶剤を蒸発乾燥後、酸素濃度を0.1%以下に保って、80W/cmの紫外線照射装置で10m/minの速度で2度照射することにより、ハードコート層を形成し、次いで、上記製造例7で調製した防眩層形成用樹脂組成物(1)をミヤバーコートで3.5g/m2塗工し、溶剤を蒸発乾燥後、酸素濃度を0.1%以下に保って、80W/cmの紫外線照射装置で10m/minの速度で2度照射することにより、防眩層を形成し、防眩フィルムを得た。
得られた防眩フィルムは、防眩層の厚さが1μm、ハードコート層の厚さは2μmであった。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の72%だった。
実施例1において、防眩層の膜厚を5μmとした以外は、実施例1と同様にして、ハードコート層の膜厚が2μmの防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の60%だった。
実施例1において、防眩層形成用樹脂組成物(1)を、防眩層形成用樹脂組成物(2)とした以外は、実施例1と同様にして、防眩層の膜厚が1μm、ハードコート層の膜厚が2μmの防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の57%だった。
実施例1において、防眩層形成用樹脂組成物(1)を、防眩層形成用樹脂組成物(2)とし、防眩層の膜厚を5μmとした以外は、実施例1と同様にして、ハードコート層の膜厚が2μmの防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の50%だった。
実施例1において、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩層の膜厚が1μmの防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の72%だった。
実施例1において、防眩層の膜厚を5μm、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の60%だった。
実施例1において、防眩層形成用樹脂組成物(1)を、防眩層形成用樹脂組成物(2)とし、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩層の膜厚が1μmの防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の57%だった。
実施例1において、防眩層形成用樹脂組成物(1)を、防眩層形成用樹脂組成物(2)とし、防眩層の膜厚を5μm、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の50%だった。
実施例1において、防眩層形成用樹脂組成物(1)を、防眩層形成用樹脂組成物(3)とし、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩層の膜厚が1μmの防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の62%だった。
実施例1において、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(透明基材フィルム)を、厚さ80μmのシクロオレフィンポリマー(COP)フィルムとし、防眩層の膜厚を5μm、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の60%だった。
実施例1において、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(透明基材フィルム)を、厚さ80μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとし、防眩層の膜厚を5μm、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の60%だった。
実施例1において、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(透明基材フィルム)を、厚さ80μmのアクリル系樹脂フィルムとし、防眩層の膜厚を5μm、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の60%だった。
実施例1において、防眩層の膜厚を10μmとし、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の55%だった。
実施例1において、防眩層形成用樹脂組成物(1)を、防眩層形成用樹脂組成物(4)とし、防眩層の膜厚を5μm、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の45%だった。
実施例1において、防眩層形成用樹脂組成物(1)を、防眩層形成用樹脂組成物(5)とし、防眩層の膜厚を5μm、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の120%だった。
実施例1において、透光性微粒子の粒径を0.5μmとし、防眩層の膜厚を5μm、ハードコート層の膜厚を20μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。また、防眩層のスキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの反応性無機微粒子Bの平均粒子数の72%だった。
上記、各実施例、及び各比較例で得られた防眩フィルムについて、以下の1乃至3の評価を行った。その結果を表1に示す。
得られた防眩フィルムの防眩層表面の鉛筆硬度をJIS K5600−5−4(1999)に準じて評価した。3Hの鉛筆を用いて、500g荷重で5本線を引き、その後の防眩層の傷の有無を目視し、下記の基準にて評価した。
評価基準
評価◎:傷は0〜1本であった。
評価△:傷は2〜3本であった。
評価×:傷は4〜5本であった。
(偏光板の作製)
得られた防眩フィルムを55℃、2規定の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で2分間、けん化した後、片面に上記透明基材フィルムを貼り合わせた偏光板に、防眩フィルムの塗工面でない側を偏光子表面に貼合し、偏光板(A)を作製した。
(正面コントラスト(C/R)低下率測定)
ソニー製 BRAVIA 27インチのパネルの液晶セル表面側に偏光板(A)を、液晶セル裏面側には、偏光子両側にトリアセチルセルロースを貼合した偏光板をクロスニコル配置になるように貼合し、トプコンテクノハウス社製BM−5輝度計を用いてコントラストを測定した。
得られた防眩フィルムを直径0.5cmの金属ロールに巻きつけたときのクラック発生の有無を目視により確認し、以下の基準にて評価した。
評価基準
評価○:クラックなし
評価×:クラックあり
2 防眩層
3 ハードコート層
4 透明基材フィルム
10 断面P
20 反応性無機微粒子B
30 防眩層の透明基材とは反対側の界面
40 防眩層の透明基材側の界面
50 スキン層
60 反応性無機微粒子Bが30nm以上の平均粒子間距離を取りながら均一に分布した領域
70 観察者
Claims (13)
- 透明基材フィルムの一面側に、透明基材フィルムに近い側からハードコート層、及び当該ハードコート層に隣接して、表面が凹凸形状を有する防眩層を設けた防眩フィルムであって、
前記防眩層は、
平均粒径が1μm以上10μm以下である透光性微粒子A、
平均粒径が30nm以上100nm以下であり、少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基bを表面に有する反応性無機微粒子B、及び、
前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基bとの架橋反応性を有する反応性官能基cを有するバインダー成分Cを含み、系内における硬化反応性も有する硬化性バインダー系を含有する防眩層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、且つ、当該防眩層の膜厚は、1μm以上5μm以下であり、
当該防眩層の透明基材フィルムとは反対側の界面及びその近傍の表層領域に、当該表層領域よりも透明基材フィルム側の領域に比べて、当該防眩層の厚み方向断面における単位面積当りの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が少ないスキン層を有しており、
当該スキン層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数が、当該防眩層の厚み方向断面における単位面積当たりの前記反応性無機微粒子Bの平均粒子数の80%以下であり、
前記ハードコート層は、
少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基dを表面に有する反応性無機微粒子D、及び、
前記反応性無機微粒子Dの反応性官能基dとの架橋反応性を有する反応性官能基eを有するバインダー成分Eを含み、系内における硬化反応性も有する硬化性バインダー系を含有するハードコート層形成用樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする、防眩フィルム。 - 前記ハードコート層の膜厚が、2μm以上20μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の防眩フィルム。
- 前記ハードコート層のJIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験の硬度が、3H以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の防眩フィルム。
- 前記透光性微粒子A、及び前記反応性無機微粒子Bのコアとなる無機微粒子は、シリカからなることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
- 前記反応性無機微粒子B、及び前記反応性無機微粒子Dの表面の少なくとも一部が有機成分で被覆されており、前記反応性官能基bは当該有機成分により前記反応性無機微粒子Bの表面に導入されており、当該有機成分が、被覆前の無機微粒子の単位表面積当たり1.00×10−3g/m2以上含まれ、前記反応性官能基dは当該有機成分により前記反応性無機微粒子Dの表面に導入されており、当該有機成分が、被覆前の無機微粒子の単位表面積当たり1.00×10−3g/m2以上含まれることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
- 前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基b、前記バインダー成分Cの反応性官能基c、前記反応性無機微粒子Dの反応性官能基d、及び前記バインダー成分Eの反応性官能基eは、いずれも重合性不飽和基を有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
- 前記反応性無機微粒子B、及び前記反応性無機微粒子Dが、飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β−ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
- 前記表面修飾化合物が、水素結合形成基を有する化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の防眩フィルム。
- 前記表面修飾化合物の少なくとも1種が、前記反応性官能基b、及び前記反応性官能基dとなる重合性不飽和基を有することを特徴とする、請求項8に記載の防眩フィルム。
- 前記反応性無機微粒子Bが、被覆前の無機微粒子表面に導入される反応性官能基b、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られ、前記反応性無機微粒子Dが、被覆前の無機微粒子表面に導入される反応性官能基d、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
化学式(1)
−Q1−C(=Q2)−NH−
(化学式(1)中、Q1は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示す。) - 前記バインダー成分Cが、前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基b、前記反応性無機微粒子Dの反応性官能基d、及び前記バインダー成分Eの反応性官能基eと結合可能な反応性官能基cを3つ以上有する化合物であり、前記バインダー成分Eが、前記反応性無機微粒子Bの反応性官能基b、前記反応性無機微粒子Dの反応性官能基d、及び前記バインダー成分Cの反応性官能基cと結合可能な反応性官能基eを3つ以上有する化合物であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
- 前記反応性無機微粒子Bの含有量が、前記防眩層形成用樹脂組成物の全固形分に対して、2〜30重量%であることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
- 前記透明基材フィルムが、セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、アクリレート系ポリマー、又はポリエステルを主体とすることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
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