JP2009085278A - ロッカーモール取付用のクリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】下方外側部分をより地面に近づけたロッカーモールを用いる場合でも、ロッカーパネルへのロッカーモールの取付作業性を向上できるロッカーモール取付用のクリップを提供すること。
【解決手段】クリップ1は、裏面掛止部23をパネル穴41に挿入すると共に筒本体部21をモール穴51に挿入し、表面掛止部22をロッカーモール5の表面側におけるモール穴51の周縁部に掛止して、グロメット部材2をロッカーモール5及びロッカーパネル4に配置したセット状態101を形成する。また、クリップ1は、芯部材3を筒本体部21内から裏面掛止部23内まで挿入し、裏面掛止部23を拡径させてロッカーパネル4の裏面側におけるパネル穴41の周縁部に掛止し、保持リブ211によってロッカーモール5とロッカーパネル4との間の間隔を一定に保ち、ロッカーモール5をロッカーパネル4に取り付けた取付状態102を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロッカーモールの下方内側部分をロッカーパネルに取り付けるために用いるロッカーモール取付用のクリップに関する。
外装部品として樹脂製のロッカーモールは、樹脂製のクリップを用いて車両ボディに組み付けることが行われている。樹脂製のクリップとしては、種々の構造のものが使用されている。そして、クリップの取付箇所において、ロッカーモールとロッカーパネルとを対面させ、クリップによって両者を挟み込んで、ロッカーモールをロッカーパネルに取り付けることが一般的である。
ところが、特に、空気抵抗を低減し、高速走行時に生ずる車体の浮き上がり力を抑止する等の効果を有するロッカーモールにおいては、ロッカーモールの下方外側部分をより地面に近づけることが行われる。この場合、ロッカーモールの下方内側部分をロッカーパネルに取り付けるために用いるクリップにおいては、ロッカーモールの下方外側部分が障害物になって、クリップをロッカーモールの下方内側部分に取り付けることが困難になるおそれがある。
また、例えば、特許文献1においては、インナークリップとアジャストクリップとから構成した隙間調整クリップによって、インナーパネルとドアトリムとの間隔を調整することが開示されている。しかしながら、特許文献1においても、ロッカーモールの下方内側部分をロッカーパネルに取り付けるためのクリップの構造に工夫は行っていない。
したがって、下方外側部分をより地面に近づけたロッカーモールを用いる場合においても、その取付作業性を向上させるためには更なる工夫が必要とされる。
特開2004−176897号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、下方外側部分をより地面に近づけたロッカーモールを用いる場合でも、ロッカーパネルへのロッカーモールの取付作業性を向上させることができるロッカーモール取付用のクリップを提供しようとするものである。
本発明は、車両の左右の下部において、樹脂製のロッカーモールの下方内側部分を鋼板製のロッカーパネルに取り付けるために用いるクリップであって、
上記ロッカーモールには、上記クリップを配置する部位に対応してモール穴が形成してあり、上記ロッカーパネルには、上記モール穴に対応してパネル穴が形成してあり、
上記クリップは、上記モール穴及び上記パネル穴に連続して挿通するグロメット部材と、該グロメット部材内に嵌入する芯部材とを有しており、
上記グロメット部材は、円筒状の筒本体部と、該筒本体部の周方向の複数箇所において径方向外方に突出形成した保持リブと、上記筒本体部の軸方向一端に形成した表面掛止部と、上記筒本体部の軸方向他端に形成した裏面掛止部とを有しており、
上記裏面掛止部を上記パネル穴に挿入すると共に上記筒本体部を上記モール穴に挿入し、上記表面掛止部を上記ロッカーモールの表面側における上記モール穴の周縁部に掛止して、上記グロメット部材を上記ロッカーモール及び上記ロッカーパネルに配置したセット状態を形成すると共に、
上記芯部材を上記筒本体部内から上記裏面掛止部内まで挿入し、該裏面掛止部を拡径させて上記ロッカーパネルの裏面側における上記パネル穴の周縁部に掛止し、上記保持リブによって上記ロッカーモールと上記ロッカーパネルとの間の間隔を一定に保って、上記ロッカーモールを上記ロッカーパネルに取り付けた取付状態を形成するよう構成したことを特徴とするロッカーモール取付用のクリップにある(請求項1)。
本発明のクリップは、上記グロメット部材と芯部材との2部品から構成し、ロッカーパネルへのロッカーモールの取付作業性を向上させたものである。
具体的には、本発明のクリップは、グロメット部材を、ロッカーモール及びロッカーパネルに配置した上記セット状態を形成することができる。そして、ロッカーモールをロッカーパネルに配置する際には、グロメット部材は、ロッカーモールにおけるモール穴に予め取り付けておくことができる。そして、ロッカーモールをロッカーパネルに配置したときには、ロッカーモールに取り付けたグロメット部材における裏面掛止部を、ロッカーパネルにおけるパネル穴に挿入することができる。
これにより、作業者がロッカーパネルに配置した状態のロッカーモールの下方内側部分に対して(ロッカーモール及びロッカーパネルに対して同時に)、クリップを取り付ける作業をなくすことができる。
そして、本発明のクリップにおいては、グロメット部材内に芯部材を嵌入して、ロッカーモールをロッカーパネルに取り付けた取付状態を形成することができる。このとき、作業者は、ロッカーモールの下方内側部分におけるモール穴の形成箇所よりも下方に位置する芯部材を上方へ押し込むことによって、取付状態を形成することができる。そのため、特に、ロッカーモールの下方外側部分の下方端が、ロッカーモールの下方内側部分におけるモール穴の形成箇所よりも下方に位置するロッカーモールをロッカーパネルに取り付ける場合においても、上記下方外側部分が芯部材を押し込むときの障害物になることを緩和することができる。
こうして、ロッカーモールとロッカーパネルとの間に保持リブを挟持すると共に、この挟持状態を表面掛止部と裏面掛止部とによって維持することができる。そして、保持リブによってロッカーモールとロッカーパネルとの間の間隔を一定に保って、グロメット部材及び芯部材によって、ロッカーモールの下方内側部分をロッカーパネルに取り付けた状態を維持することができる。
それ故、本発明のロッカーモール取付用のクリップによれば、下方外側部分をより地面に近づけたロッカーモールを用いる場合でも、ロッカーパネルへのロッカーモールの取付作業性を向上させることができる。
上述した本発明におけるロッカーモール取付用のクリップの好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記グロメット部材は、樹脂、ゴム等から構成することができ、上記芯部材は、樹脂等から構成することができる。
また、本発明において、上記モール穴は、楕円状又は長穴状に形成してあり、上記パネル穴は、真円状に形成してあり、上記保持リブは、上記筒本体部の周方向の互いに対向する位置に一対に形成してあり、該一対の保持リブの軸方向一端には、係合溝が形成してあり、上記モール穴における一対の短径部の両側に位置する周縁部には、上記係合溝に係合するための係合突起が形成してあり、上記セット状態は、上記一対の保持リブを上記モール穴における長径部同士の間に挿入した後、上記グロメット部材をその軸中心回りに90°回転させて、上記保持リブにおける上記係合溝に上記係合突起を係合させることにより、上記グロメット部材を上記ロッカーモール及び上記ロッカーパネルに配置して形成するよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、簡単な構造の工夫によって、グロメット部材をロッカーモールにおけるモール穴に容易に挿入することができ、グロメット部材をロッカーモールにおけるモール穴に取り付けた状態を安定して維持することができる。
また、上記セット状態は、上記筒本体部内に上記芯部材の先端側部分を挿入して、上記芯部材の仮止めを行った状態の上記グロメット部材によって形成するよう構成することが好ましい(請求項3)。
この場合には、ロッカーモールにおけるモール穴に、グロメット部材及び芯部材を予め取り付けておき、グロメット部材及び芯部材を取り付けた状態のロッカーモールを、ロッカーパネルに配置して、上記セット状態を形成することができる。そのため、ロッカーモールの取付作業性を一層向上させることができる。
なお、上記仮止めとは、グロメット部材から芯部材が脱落しないよう、グロメット部材に芯部材を取り付けた状態のことをいう。
以下に、本発明のロッカーモール取付用のクリップにかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例のロッカーモール取付用のクリップ1は、図1に示すごとく、車両の左右の下部において、樹脂製のロッカーモール5の下方内側部分531を、鋼板製のロッカーパネル4に取り付けるために用いるものである。ロッカーモール5には、クリップ1を配置する部位に対応してモール穴51が形成してあり、ロッカーパネル4には、モール穴51に対応してパネル穴41が形成してある。
図4〜図6に示すごとく、クリップ1は、モール穴51及びパネル穴41に連続して挿通するグロメット部材2と、グロメット部材2内に嵌入する芯部材3とから構成してある。グロメット部材2は、円筒状の筒本体部21と、筒本体部21の周方向の複数箇所において径方向外方に突出形成した保持リブ211と、筒本体部21の軸方向一端D1に形成した表面掛止部22と、筒本体部21の軸方向他端D2に形成した裏面掛止部23とを有している。また、芯部材3は、筒本体部21内及び裏面掛止部23内に挿入するための挿入部31と、挿入部31の軸方向一端D1において径方向外方に突出させて形成した鍔部32とを有している。
そして、ロッカーモール取付用のクリップ1は、ロッカーモール5をロッカーパネル4に取り付ける際に、以下のセット状態101と取付状態102との2つの状態を形成するよう構成してある。
具体的には、図3、図9、図10に示すごとく、クリップ1は、セット状態101として、裏面掛止部23をパネル穴41に挿入すると共に筒本体部21をモール穴51に挿入し、表面掛止部22をロッカーモール5の表面側におけるモール穴51の周縁部に掛止して、グロメット部材2をロッカーモール5及びロッカーパネル4に配置した状態を形成することができる。また、図1、図6に示すごとく、クリップ1は、取付状態102として、芯部材3における挿入部31を筒本体部21内から裏面掛止部23内まで挿入し、裏面掛止部23を拡径させてロッカーパネル4の裏面側におけるパネル穴41の周縁部に掛止し、芯部材3における鍔部32を表面掛止部22に係止し、保持リブ211によってロッカーモール5とロッカーパネル4との間の間隔を一定に保ち、ロッカーモール5をロッカーパネル4に取り付けた状態を形成することができる。
以下に、本例のロッカーモール取付用のクリップ1につき、図1〜図10と共に詳説する。
本例の車両は乗用車であり、図1、図2に示すごとく、ロッカーモール5は、車両の左右のドア7(本例ではフロントドアとリヤドア)の下部であって前輪と後輪との間の部分に設けるものである。ロッカーモール5は、車両の前後方向Lに長い長尺形状を有している。ロッカーモール5は、車両の側方に位置する側方部分52と、側方部分52の下端から車両内側へ向けて屈曲して、車両の下方に位置する下方部分53とによって構成されている。なお、本例のロッカーパネル4は、車両側方の外側に位置するアウターパネルを構成し、このアウターパネルは、その内側に位置するインナーパネル40と溶接されて、車両のメインボディと一体化される。
ここで、図1〜図10において、車両の左右方向を矢印Wによって示し、車両内側方向を矢印W1によって示し、車両の前後方向を矢印Lによって示し、車両の前方を矢印L1によって示す。
図1に示すごとく、本例のロッカーモール5は、ロッカーモール5の下方外側部分532の下方端が、ロッカーモール5の下方内側部分531におけるモール穴51の形成箇所よりも下方に位置するロッカーモール5である。このロッカーモール5は、従来のロッカーモールに比べて、下方外側部分532の下方端が車両の低い位置に存在する。そのため、本例のロッカーモール5においては、車両のメインボディ6と一体化されたロッカーパネル4に配置したロッカーモール5の下方内側部分531にクリップ1を配置する際には、クリップ1の取付箇所をメインボディ6の左右方向Wの外側方向から目視することが困難な状況にある。
また、ロッカーモール5は、複数種類のクリップ1を用いてロッカーパネル4に取り付けるよう構成してある。図3に示すごとく、本例のクリップ1は、左右のロッカーモール5の下方部分53における下方内側部分531の後方側部分の2箇所を、ロッカーパネル4に取り付けるために用いる。また、ロッカーモール5の下方部分53における残りの部分、及びロッカーモール5の側方部分52における上端部分等は、他のクリップ10、ビス等によってロッカーパネル4に取り付けられる。
図8に示すごとく、ロッカーモール5において本例のクリップ1を配置するモール穴51は、車両の前後方向Lに長径部511を有する楕円状又は長穴状に形成してあり、ロッカーパネル4において本例のクリップ1を配置するパネル穴41は、真円状に形成してある。このように、クリップ1を配置するモール穴51を前後方向Lに長く形成しておくことにより、ロッカーモール5をロッカーパネル4に取り付ける際に、ロッカーモール5の前後方向Lに生じた成形誤差等を容易に吸収して取付を行うことができる。
図4、図8に示すごとく、本例の保持リブ211は、筒本体部21の周方向の互いに対向する位置に(周方向に180°異なる位置に)一対に形成してある。また、本例の保持リブ211は、グロメット部材2の軸方向Dに沿った長尺状に形成してあり、軸方向Dの両端部に幅が拡大した部分を有している。
また、図8、図9に示すごとく、グロメット部材2への芯部材3の挿入を容易にするために、グロメット部材2における筒本体部21の内周面と芯部材3における挿入部31の外周面とには、いずれか一方に、軸方向Dに沿った案内突起213を形成すると共に、他方に、上記案内突起213を配置して軸方向Dに摺動させるための案内溝312を形成することができる。本例においては、グロメット部材2の内周面の周方向における互いに対向する位置に、軸方向Dに沿って案内突起213を形成し、芯部材3の外周面の周方向における互いに対向する位置に、軸方向Dに沿って案内溝312を形成している。
また、図8に示すごとく、一対の保持リブ211の軸方向一端D1の径方向内側部分には、筒本体部21の周方向における接線方向に沿って係合溝212が形成してある。一方、ロッカーモール5の裏面側において、モール穴51における一対の短径部512の両側に位置する周縁部には、係合溝212に係合するための係合突起513が一対に形成してある。本例の一対の係合突起513は、長径部511の形成方向(前後方向L)に沿って互いに平行に長尺状に形成してある。
そして、グロメット部材2の裏面掛止部23をロッカーパネル4のパネル穴41に挿入する際には、一対の係合突起513に対して一対の保持リブ211における係合溝212を摺動させることによって、グロメット部材2をモール穴51の長径部511の形成方向に沿って位置ずれさせることができる(図10参照)。
図4に示すごとく、グロメット部材2において、表面掛止部22は、筒本体部21の軸方向一端D1の全周において、径方向外方に円盤状に突出して形成されている。また、筒本体部21の軸方向他端D2における周方向の複数箇所には、軸方向Dに沿ったスリット(切欠き)231が形成してある。そして、複数の係止爪232は、径方向外方に弾性変形可能であり、裏面掛止部23は、複数の係止爪232によって拡径可能に構成されている。
図7に示すごとく、グロメット部材2における表面掛止部22の内周側部分には、グロメット部材2に対する芯部材3の仮止め状態を維持するための挿入保持片221が周方向の複数箇所に形成してある。グロメット部材2に対する芯部材3の仮止め状態は、芯部材3の挿入部31の先端側部分を筒本体部21内に挿入し、複数の挿入保持片221によって、芯部材3がグロメット部材2から脱落しないよう保持した状態として形成される。
芯部材3の挿入部31の外周面における軸方向Dの中間部位には、複数の挿入保持片221によって保持される保持溝311が周方向に沿って形成してある。そして、保持溝311内に複数の挿入保持片221が配置されることによって、グロメット部材2への芯部材3の仮止め状態を形成することができる。なお、図5に示すごとく、本例の挿入部31は、基端側部分315がクロス状の断面に形成されており、先端側部分316が円筒状の断面に形成されている。
図5に示すごとく、芯部材3の挿入部31の先端部分の外周面には、周方向に沿って抜止め突起313が形成してある。そして、図6に示すごとく、挿入部31を複数の係止爪232の内周側まで挿入して、グロメット部材2に対する芯部材3の本止め状態を形成したときには、抜止め突起313が複数の係止爪232の内周側部分によって掛止されて、グロメット部材2に対する芯部材3の抜け止めを行うことができる。
次に、本例のクリップ1によってロッカーモール5をロッカーパネル4に取り付ける順序、及びクリップ1による作用効果につき説明する。
本例においては、ロッカーモール5をロッカーパネル4に配置する前に、芯部材3の仮止めを行った状態のグロメット部材2を、ロッカーモール5におけるモール穴51に取り付ける。この取付の際に、芯部材3は、図7に示すごとく、グロメット部材2の複数の挿入保持片221が挿入部31の保持溝311内に配置されていることによって、グロメット部材2に仮止めされている。また、この取付の際には、図8に示すごとく、グロメット部材2における一対の保持リブ211をモール穴51における長径部511同士の間に挿入し、その後、図10に示すごとく、グロメット部材2をその軸中心回りに90°回転させる。
このとき、表面掛止部22を弾性変形させながら、一対の保持リブ211を一対の係合突起513の上を摺動させた(乗り越えさせた)後、一対の保持リブ211における係合溝212にそれぞれ係合突起513を係合させる。そして、図9、図10に示すごとく、一対の保持リブ211を、ロッカーモール5の裏面側におけるモール穴51の短径部512の周縁部に掛止させる。こうして、グロメット部材2は、表面掛止部22と一対の保持リブ211との間に、ロッカーモール5のモール穴51の周縁部を挟持して、ロッカーモール5に取り付けられる。また、こうして、グロメット部材2を、ロッカーモール5及びロッカーパネル4に配置したセット状態101が形成される(図1、図3参照)。
このように、ロッカーモール5に予めグロメット部材2を取り付けておくことにより、作業者がロッカーパネル4に配置した状態のロッカーモール5の下方内側部分531に対して(ロッカーモール5及びロッカーパネル4に対して同時に)、クリップ1を取り付ける作業をなくすことができる。
次いで、図9に示すごとく、車両のメインボディ6と一体化されたロッカーパネル4に対して、ロッカーモール5を配置する。そして、ロッカーモール5に取り付けたグロメット部材2における裏面掛止部23を、ロッカーパネル4におけるパネル穴41に挿入する。このとき、図10に示すごとく、一対の係合突起513に対して一対の保持リブ211における係合溝212を摺動させることによって、グロメット部材2をモール穴51の長径部511の形成方向(前後方向L)に沿って位置ずれさせることができる。これにより、ロッカーモール5の長尺方向(前後方向L)に向けて複数形成されたパネル穴41同士及びモール穴51同士に生じる形成位置の誤差を吸収して、ロッカーモール5をロッカーパネル4に配置することができる。
次いで、図6に示すごとく、グロメット部材2に仮止めを行った芯部材3を、グロメット部材2の奥へ押し込んで、グロメット部材2に本止めを行う。そして、芯部材3の挿入部31が、グロメット部材2の筒本体部21内から裏面掛止部23内(複数の係止爪232の内周側部分)に嵌入され、芯部材3の鍔部32がグロメット部材2の表面掛止部22の段部に配置される。また、挿入部31における抜止め突起313が複数の係止爪232の内周側部分によって掛止されて、グロメット部材2に対する芯部材3の抜け止めが行われる。
図1に示すごとく、上記本止めを行う際には、作業者は、ロッカーモール5の下方内側部分531におけるモール穴51の形成箇所よりも下方に位置する芯部材3を上方へ押し込むことができる。そのため、本例の下方外側部分532をより地面に近づけたロッカーモール5をロッカーパネル4に取り付ける場合において、ロッカーモール5の下方外側部分532が、芯部材3を押し込むときの障害物になることを緩和することができる。
こうして、図6に示すごとく、ロッカーモール5とロッカーパネル4との間に一対の保持リブ211を挟持すると共に、この挟持状態を表面掛止部22と裏面掛止部23とによって維持することができる。そして、一対の保持リブ211によってロッカーモール5とロッカーパネル4との間の間隔を一定に保って、グロメット部材2及び芯部材3によって、ロッカーモール5の下方内側部分531をロッカーパネル4に取り付けた取付状態102を維持することができる。
それ故、本例のロッカーモール取付用のクリップ1によれば、下方外側部分532をより地面に近づけたロッカーモール5を用いる場合に、ロッカーパネル4へのロッカーモール5の取付作業性を向上させることができる。
実施例における、クリップによってロッカーモールをロッカーパネルに取り付けた状態を、前後方向から見た状態で示す断面説明図。 実施例における、ロッカーパネル及びロッカーモールを模式的に示す説明図。 実施例における、ロッカーモールのモール穴にクリップを取り付けた状態を、下方から見た状態で示す斜視説明図。 実施例における、グロメット部材を側方から見た状態で示す説明図。 実施例における、芯部材を側方から見た状態で示す説明図。 実施例における、ロッカーモールをロッカーパネルに取り付けている状態のクリップの周辺を、拡大して示す断面説明図。 実施例における、ロッカーモールのモール穴に挿入した状態のクリップの周辺を、拡大して示す断面説明図。 実施例における、クリップを挿入した状態のロッカーモールのモール穴の周辺を、拡大して示す説明図。 実施例における、ロッカーモールのモール穴に取り付けた状態のクリップの周辺を、拡大して示す断面説明図。 実施例における、クリップを取り付けた状態のロッカーモールのモール穴の周辺を、拡大して示す説明図。
符号の説明
1 クリップ
101 セット状態
102 取付状態
2 グロメット部材
21 筒本体部
211 保持リブ
212 係合溝
22 表面掛止部
23 裏面掛止部
3 芯部材
31 挿入部
4 ロッカーパネル
41 パネル穴
5 ロッカーモール
51 モール穴
511 長径部
512 短径部
513 係合突起
531 下方内側部分
532 下方外側部分
D 軸方向
D1 軸方向一端
D2 軸方向他端

Claims (3)

  1. 車両の左右の下部において、樹脂製のロッカーモールの下方内側部分を鋼板製のロッカーパネルに取り付けるために用いるクリップであって、
    上記ロッカーモールには、上記クリップを配置する部位に対応してモール穴が形成してあり、上記ロッカーパネルには、上記モール穴に対応してパネル穴が形成してあり、
    上記クリップは、上記モール穴及び上記パネル穴に連続して挿通するグロメット部材と、該グロメット部材内に嵌入する芯部材とを有しており、
    上記グロメット部材は、円筒状の筒本体部と、該筒本体部の周方向の複数箇所において径方向外方に突出形成した保持リブと、上記筒本体部の軸方向一端に形成した表面掛止部と、上記筒本体部の軸方向他端に形成した裏面掛止部とを有しており、
    上記裏面掛止部を上記パネル穴に挿入すると共に上記筒本体部を上記モール穴に挿入し、上記表面掛止部を上記ロッカーモールの表面側における上記モール穴の周縁部に掛止して、上記グロメット部材を上記ロッカーモール及び上記ロッカーパネルに配置したセット状態を形成すると共に、
    上記芯部材を上記筒本体部内から上記裏面掛止部内まで挿入し、該裏面掛止部を拡径させて上記ロッカーパネルの裏面側における上記パネル穴の周縁部に掛止し、上記保持リブによって上記ロッカーモールと上記ロッカーパネルとの間の間隔を一定に保って、上記ロッカーモールを上記ロッカーパネルに取り付けた取付状態を形成するよう構成したことを特徴とするロッカーモール取付用のクリップ。
  2. 請求項1において、上記モール穴は、楕円状又は長穴状に形成してあり、上記パネル穴は、真円状に形成してあり、
    上記保持リブは、上記筒本体部の周方向の互いに対向する位置に一対に形成してあり、該一対の保持リブの軸方向一端には、係合溝が形成してあり、
    上記モール穴における一対の短径部の両側に位置する周縁部には、上記係合溝に係合するための係合突起が形成してあり、
    上記セット状態は、上記一対の保持リブを上記モール穴における長径部同士の間に挿入した後、上記グロメット部材をその軸中心回りに90°回転させて、上記保持リブにおける上記係合溝に上記係合突起を係合させることにより、上記グロメット部材を上記ロッカーモール及び上記ロッカーパネルに配置して形成するよう構成したことを特徴とするロッカーモール取付用のクリップ。
  3. 請求項1又は2において、上記セット状態は、上記筒本体部内に上記芯部材の先端側部分を挿入して、上記芯部材の仮止めを行った状態の上記グロメット部材によって形成するよう構成したことを特徴とするロッカーモール取付用のクリップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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