JP2009084064A - 耐熱性セラミック部材およびフィルタ - Google Patents

耐熱性セラミック部材およびフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2009084064A
JP2009084064A JP2007251564A JP2007251564A JP2009084064A JP 2009084064 A JP2009084064 A JP 2009084064A JP 2007251564 A JP2007251564 A JP 2007251564A JP 2007251564 A JP2007251564 A JP 2007251564A JP 2009084064 A JP2009084064 A JP 2009084064A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
ceramic member
resistant ceramic
alkali metal
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007251564A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5142650B2 (ja
Inventor
Toshiaki Shigeoka
俊昭 重岡
Taiji Tateyama
泰治 立山
Shoji Kosaka
祥二 高坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2007251564A priority Critical patent/JP5142650B2/ja
Publication of JP2009084064A publication Critical patent/JP2009084064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5142650B2 publication Critical patent/JP5142650B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

【課題】 耐熱分解性および耐熱性に優れた耐熱性セラミック部材およびフィルタを提供する。
【解決手段】 Al、TiおよびMgを含有し、モル比による組成式がAl2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)で表される擬ブルッカイト型結晶を具備する耐熱性セラミック部材であって、実質的にSiを含有せず、かつアルカリ金属を酸化物換算で全量中0.21〜0.77質量%含有するもので、これにより、耐熱分解性および耐熱性を向上することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐熱性セラミック部材およびフィルタに関し、例えば、断熱材、高温部材の支持材、自動車の排ガス浄化触媒担体用ハニカム構造体、ディーゼルエンジン自動車のパティキュレートトラップ(粒子状物質除去)用ハニカム構造体、脱臭用、温風用などの民生用ハニカム構造体に利用できる耐熱性セラミック部材およびフィルタに関する。
従来、耐熱衝撃性部材のハニカム構造体として、コージェライトや、βユークリプタイト、βスポジューメンのリチウムアルミノケイ酸塩(通称:LAS)や、チタン酸アルミニウムなどの低熱膨張セラミックス材料が利用されている。
一般に、低熱膨張セラミックス材料とは20℃〜800℃の熱膨張係数が3.0×10−6/℃以下のセラミックスのことであり、これらの低熱膨張セラミックス材料は熱衝撃に強い材料として古くから知られており、最近では自動車の排ガス浄化触媒用ハニカム担体、セラミックスガスタービンのハウジングや熱交換体など、特に耐熱衝撃性が要求される部分への材料として使用されている。
コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)は、優れた耐熱衝撃性を持つことから、特に自動車の排ガス浄化触媒用ハニカム担体として、多く実用化されている。
しかしながら、コージェライトの耐熱温度は高いものでも1350℃程度であるため、この温度以上で利用することは困難であった。
一方、チタン酸アルミニウム(AlTiO)は、1860℃の高融点を持ち、コージェライトと比べて耐熱性の高い低熱膨張セラミックス材料であるが、900℃〜1200℃の温度で保持すると、アルミナとチタニアに熱分解するという問題があり、利用に制限があった。
そこで、このようなチタン酸アルミニウムに対して、耐熱分解性を高めるために、チタン酸アルミニウムにSiO、Fe、Al、TiO、MgO、CaOなどの添加剤を添加することが検討されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、耐熱分解性および機械的強度をさらに高めるために、Mg化合物、Al化合物、Ti化合物と、NaまたはKを含むアルカリ長石(Na1−yAlSi)とを混合して焼結させたセラミック焼結体が報告されている(特許文献2を参照)。
この特許文献2で開示される技術により得られたセラミック焼結体は、Siがチタン酸アルミニウムマグネシウム(AlTiO−MgTi)焼結体に固溶することにより、耐熱分解性に優れたセラミック焼結体を得ることができることに加え、焼成過程でNaまたはKを含むアルカリ長石が液相を形成し、緻密な結晶が形成されるため、機械的強度の高いセラミック焼結体を形成することができる。
特開平8−290963号公報 特開2005−46667号公報
しかしながら、特許文献2の低熱膨張セラミックスでは、粒界相としてSiを含むアルカリ長石が存在しているため、耐熱性が低いという問題があった。すなわち、特許文献2の低熱膨張セラミックスでは、Siがチタン酸アルミニウムマグネシウム(AlTiO−MgTi)結晶に固溶することにより、結晶の熱分解を抑制することができるものの、結晶粒子の粒界には、アルカリ長石に起因するSiを含む融点の低いガラスが存在し、使用温度が高くなると、Siを含む融点の低いガラスが溶融するため、耐熱性が低く、高温となる場所では使用することが困難であるという問題があった。
本発明は、耐熱分解性および耐熱性に優れた耐熱性セラミック部材およびフィルタを提供することを目的とする。
本発明者等は、Siを実質的に含有しないことにより、擬ブルッカイト型結晶の粒界には低融点のSiを含有する粒界相が存在しないため、耐熱性を向上できるとともに、アルカリ金属を所定量含有することにより、耐熱分解性を向上できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の耐熱性セラミック部材は、Al、TiおよびMgを含有し、モル比による組成式がAl2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)で表される擬ブルッカイト型結晶を具備する耐熱性セラミック部材であって、実質的にSiを含有せず、かつアルカリ金属を酸化物換算で全量中0.21〜0.77質量%含有することを特徴とする。
言い換えれば、本発明の耐熱性セラミック部材は、Al、TiおよびMgを含有し、モル比による組成式がAl2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)で表される擬ブルッカイト型結晶を具備する耐熱性セラミック部材であって、Al、TiおよびMgを含有する混合粉末にアルカリ金属を含有する粉末を添加し、焼成してなるとともに、実質的にSiを含有しないことを特徴とする。
耐熱性セラミック部材では、アルカリ金属を酸化物換算で全量中0.2質量%程度、不純物として含有することがあるが、本発明では、実質的にSiを含有せず、アルカリ金属を酸化物換算で全量中0.21〜0.77質量%含有するため、言い換えれば、アルカリ金属を含有する粉末を添加した場合、Siを実質的に含有しない場合でも、耐熱分解性を向上できる。
アルカリ金属を酸化物換算で全量中0.21〜0.77質量%含有する場合に、耐熱分解性を向上できる理由は明確ではないが、本発明者等は、アルカリ金属が擬ブルッカイト型結晶中に十分に固溶するため、チタン酸アルミニウム(AlTiO)がアルミナとチタニアに熱分解することを抑制できると考えている。
また、擬ブルッカイト型結晶粒子の粒界には、Siが実質的に存在しないため、低融点のSiを含有する粒界相が存在せず、耐熱性が向上し、温度が高くなる雰囲気でも使用することができる。
さらに、本発明では、モル比による組成式がAl2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)で表される擬ブルッカイト型結晶からなるため、耐熱分解性を向上できるとともに、耐熱性をさらに向上できる。
また、本発明の耐熱性セラミック部材は、前記アルカリ金属はNaまたはKであることを特徴とする。このような耐熱性セラミック部材では、耐熱分解性を大きく向上できる。
本発明のフィルタでは、上記耐熱性セラミック部材を用いた多孔質体からなることを特徴とする。このようなフィルタでは、耐熱性セラミック部材の耐熱性および耐熱分解性を向上できるため、より高温雰囲気でガスを浄化するために使用することができる。
本発明の耐熱性セラミック部材では、Siを実質的に含有しないことにより、擬ブルッカイト型結晶の粒界には低融点のSiを含有する粒界相が存在しないため、耐熱性を向上できるとともに、アルカリ金属を所定量含有することにより、耐熱分解性を向上できる。これにより、本発明のフィルタは、より高温雰囲気でガスを浄化するために使用することができる。
図1は本発明のフィルタ1の一例を示すもので、外周壁2で囲まれた円柱状の耐熱性セラミック部材の高さ方向に四角柱状のガス流路3が形成され、その間の隔壁4が多孔質とされている。図1には、四角柱状セルを基本構造とし、これが複数並んだハニカム構造体を示しているが、本発明のフィルタ1は必ずしも4角柱状セルを基本構造とするものに限定されるものではない。例えばハニカム以外の形状であることも可能であるほか、ハニカム構造体であってもセル形状は3角形、6角形、菱形、あるいはこれらが混在する形態とすることも可能である。
また、ハニカムの開口方向の全部もしくは一部を塞ぎ、サンドイッチ構造にして耐衝撃性を持たせ、フィルタとして用いることも可能である。また、耐熱性セラミック部材に触媒を含有させてフィルタを構成する場合もある。
本発明の耐熱性セラミック部材は、Al、TiおよびMgを含有し、モル比による組成式がAl2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)で表される擬ブルッカイト型結晶を具備する耐熱性セラミック部材であって、実質的にSiを含有せず、かつアルカリ金属を酸化物換算で全量中0.21〜0.77質量%含有することを特徴とする。
本発明において、実質的にSiを含有していないとは、Siを積極的に添加していないという意味であり、不純物として、0.05質量%以下含有する場合がある。
本発明の耐熱性セラミック部材では、Siを実質的に含有しないことにより、擬ブルッカイト型結晶の粒界には低融点のSiを含有する粒界相が存在しないため、高温雰囲気に晒すことが可能となり、耐熱性を向上できる。Siは上記したように、不純物レベルとして含有することもあるが、存在しないことが望ましい。
また、本発明の耐熱性セラミック部材では、耐熱性セラミック部材全量中にアルカリ金属を酸化物換算で全量中0.21〜0.77質量%含有するため、理由は明確ではないが、チタン酸アルミニウムの抱える850〜1200℃での熱分解を抑制(耐熱分解性を向上)できる。
本発明の耐熱性セラミック部材では、アルカリ金属を酸化物換算で全量中0.2質量%程度、不純物として含有することがあるが、本発明者等は、不純物としてのアルカリ金属は擬ブルッカイト型結晶中に固溶しやすいものの、添加されたアルカリ金属は、擬ブルッカイト型結晶中に固溶しにくく、粒界に存在し易くなり、これにより、アルカリ金属が焼結体から溶出しやすく、機械的強度が低下し易くなると考えている。言い換えれば、アルカリ金属は、擬ブルッカイト型結晶の粒界にも存在することがあるが、本発明では、添加されたアルカリ金属が擬ブルッカイト型結晶内に十分に固溶し、これにより疑ブルッカイト結晶が安定化して、耐熱分解性が向上すると考えている。一方、添加されたアルカリ金属が擬ブルッカイト型結晶内に十分に殆どが固溶するため、アルカリ金属の溶出が抑制され、機械的強度を高く維持できる。
アルカリ金属はNaまたはKであることが望ましい。これにより、耐熱分解性をさらに向上することができる。
なお、耐熱性セラミック部材中のSi、NaおよびKの含有量は蛍光X線分析法やICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法を用いて測定することができる。
さらに、本発明の耐熱性セラミック部材では、モル比による組成式がAl2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)で表される擬ブルッカイト型結晶からなるものである。これにより、耐熱分解性のみならず、耐熱性を向上することができるとともに、熱膨張係数を2×10−6/℃以下とすることができ、セラミックの耐熱衝撃性を向上することができる。xは、耐熱分解性を向上するという観点から、0.25≦x≦0.5であることが望ましい。
本発明の耐熱性セラミック部材の組織は、実質的に擬ブルッカイト型結晶からなるもので、その粒界には、何も存在しない、もしくはアルカリ金属の酸化物が存在している。このような擬ブルッカイト型結晶の平均粒径は、0.5〜50μmとされている。
次に、本発明の耐熱性セラミック部材の製造方法について説明する。
耐熱性セラミック部材のうち、ここでは具体的に自動車などの排ガス浄化に用いられるハニカム構造体の製造方法の一例について説明する。
Al2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)からなる固溶体を形成するために必要な原料を準備する。例えばアルミナ原料、チタニア原料、炭酸マグネシウムを上記組成式で表されるAl、Mg、Tiの金属成分と同じ比率となるように調合し、さらに、この混合粉末にアルカリ金属炭酸塩原料粉末を所定量添加し、混合する。なお、上記組成式の固溶体を形成できるのであれば、金属酸化物、炭酸塩の原料の他に水酸化物、硝酸塩などの原料を用いても良く、またこれらの化合物を用いても良い。アルカリ金属炭酸塩原料粉末としては、KCO粉末、NaCO粉末がある。
アルミナ原料、チタニア原料、炭酸マグネシウムとしては、高純度のものを用いることが望ましく、99.0%以上、特に99.5%以上の純度のものを用いることが望ましい。
また、混合原料については、乾式で混合したり、回転ミル、振動ミル、ビーズミル等のミルに投入し、水、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)のうち少なくともいずれか1種とともに湿式混合したスラリーを乾燥しても良い。アルカリ金属炭酸塩原料粉末を十分に混合するため、例えば、回転ミルを用いる場合には、直径10mm以上のセラミックボールを用いることが望ましい。
その際、混合によるSiOの混入を極力抑制することが必要である。スラリーの乾燥方法としては、スラリーを容器に入れて加熱、乾燥させてもよいし、スプレードライヤーで乾燥させても良く、または他の方法で乾燥させても何ら問題ない。
次に、得られた混合原料に成形助剤や造孔剤を添加する。成形助剤としては、周知のバインダーを用いても良く、例えばメチルセルロース、ポリビニルアルコール、パラフィンワックス、グリセリンなどが好ましい。成形助剤は混合原料100質量部に対して1〜10質量部添加、混合することが、後述する成形の際に、成形体のクラックや割れ等の発生を抑制できるので好ましい。
なお、造孔剤は、耐熱性セラミック部材を多孔質とする場合に好適に用いられるもので、焼成時に消失して造孔する機能を有するものである。造孔剤としては、例えば、活性炭、ポリエチレン樹脂および黒鉛などが好ましい。また、目的に応じて離型剤や消泡剤などを適宜添加しても良い。なお、上記造孔剤の大きさや添加量を変化させることによって、自由に低熱膨張セラミックスの気孔径、気孔率を調整することができる。
さらに、水などの溶媒を加えて万能混合機や三本ミルで予備混練した後、真空混練機などを用いて脱気混練し、押し出し成形に適した坏土を準備する。
さらに、押出成形によりダイスを用いて例えばハニカム形状に成形する。得られた成形体を充分に乾燥した後、酸化雰囲気中、800〜1000℃で1〜10時間保持し、その後、1200〜1700℃で3〜5時間程度焼成することにより、ハニカム形状の本発明の耐熱性セラミック部材を形成することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
表1に示す焼結体の組成となるように、市販のアルミナ原料、チタニア原料、マグネシア原料、アルカリ金属の炭酸塩原料を調合し、溶媒にイソプロピルアルコール(IPA)、媒体に直径10mmのアルミナボールを用いて回転ミルで72時間混合してスラリーを作製した。
用いたアルミナ原料は、日本軽金属社製のLS110であり、平均粒径が1.5μm、アルカリ金属の不純物量が0.1質量%、シリコンの不純物量が0.1である。また、用いたチタニア原料は、テイカ社製のJA−3であり、平均粒径が0.2μm、アルカリ金属の不純物量が0.3質量%である。また、用いた炭酸マグネシウム原料は、トクヤマ社製のTTであり、見掛比重が、0.23g/ml、アルカリ金属およびシリカの不純物が含まれないものである。
また、アルカリ金属の炭酸塩原料として、シリコンの不純物を含まない旭硝子社製炭酸カリウム、シリコンの不純物を含まない旭硝子社製炭酸水素ナトリウムを用いた。
このスラリーに成形助剤として、原料粉末の合量100質量部に対して5質量部のパラフィンワックスを添加、混合した後に乾燥して成形用粉末とした。次に、この成形用粉末を用いて、粉末加圧式成形法によって直径20mm×厚さ10mmの円板状成形体および直径10mm×高さ15mmの円柱状成形体を作製した。それぞれの成形体を大気中1000℃で1時間の加熱を行った後、1400℃で4時間の条件で焼成して、焼結体の評価用試料とした。尚、室温から焼結温度までの昇温速度は20℃/hとした。
各焼結体の耐熱分解性については、さらに円板状焼結体の各試料を大気雰囲気の中で1100℃の温度で300時間、耐熱分解試験して耐熱分解性を評価した。このようにして準備した耐熱分解試験前後の試料をX線回折法によりピーク強度を測定して、Al2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)の固溶体の回折角2θが25−27°のメインピーク強度(IAMT)と、TiO相の回折角2θが36.1°のピーク強度(I)からピーク強度比のA=IAMT/(IAMT+I)をそれぞれ算出した。さらに耐熱分解試験前および耐熱分解試験後のピーク強度比をそれぞれA、Aとして、(1−A/A)の値を計算した。次に、別にAl2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)とTiOの量比を変えて混合し、(1−IAMT/I)の値を求めて作成した検量線と(1−A/A)の値を照らし合わせて熱分解率を求めて表1に示した。
また熱膨張係数についてはJIS R1618に準拠して、昇温速度20℃/分の条件で円柱状焼結体の試料の20℃〜800℃の熱膨張係数を測定した。
また、作製した試料については、X線回折法により、ピーク強度を分析して、結晶を同定した。また、Al、Mg、TiおよびOを除く他の金属成分については、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法により分析して、表1の他の金属成分として記載した。なお、表1に記載した他の金属成分の量は、酸化物換算したものである。
なお、他の金属成分のうち、比較的量の多いSiとNa及びKの合計量については、焼結体中のそれぞれの量を酸化物に換算して記載した。また、比較的量の少ない成分としてCa、P等が検出されたが、この数値は個別に記載せずに、他の金属成分の合量を記載した。
Figure 2009084064
この表1から、本発明の範囲外の試料である試料No.8、9は、熱分解率が30%以上で耐熱分解性が不十分であった。これに対し、本発明の試料No.1〜3、5〜7、10は、耐熱分解性が高く、熱膨張係数も小さかった。
そして、試料No.4〜9により、アルカリ金属量が0.202〜0.77質量%と増加するにつれて耐熱分解性が向上することが判る。
また、表1の試料No.1〜11の組成からなる混合原料に成形助剤としてメチルセルロース、ポリビニルアルコールを原料100質量部に対して、それぞれ5質量部、2質量部添加し、さら溶媒の水を20質量部とポア剤の活性炭を8質量部加えて万能混合機と真空混練機で混練して押し出し成形用坏土とした。さらに、押し出し成形法によりダイスを用いて坏土を直径100mm、高さ150mmの円柱ハニカム形状に成形して充分に乾燥した後、大気中で1000℃で1時間保持した後、1400℃で4時間の焼成をおこない、気孔率35%のハニカム構造体の評価用試料とした。
次に、各ハニカム構造体を大気中1500℃の温度で5時間保持する耐熱試験をした後、ハニカム構造体全体の寸法変化や、外周壁、隔壁の変形や溶融が無いかを調べた。その結果、ハニカム構造体のうちSiOを1.973質量%添加した試料No.12の材料を用いたハニカム構造体は隔壁の一部が溶融しているのが見られた。一方、試料No.1〜11ではハニカム構造体全体の寸法変化や、外周壁、隔壁の変形や溶融が見られず、耐熱性が良好であった。
次に、ハニカム構造体を加湿した大気(水分51g/m)の雰囲気中、1100℃×10時間の加熱処理を繰り返し10回行なった耐湿試験を行なった後、ハニカム構造体から円柱の長さ方向に長さ15mm、縦横幅5mm×5mmの試料を切り出し、JISR1608に準拠して長さ方向の圧縮強度を測定した。この結果、本発明の試料では、圧縮強度が11MPa以上であった。
本発明の耐熱性セラミック部材を用いたハニカム構造体のフィルタを示す斜視図である。
符号の説明
1・・・ハニカム構造体
2・・・外周壁
3・・・セル
4・・・隔壁

Claims (3)

  1. Al、TiおよびMgを含有し、モル比による組成式がAl2(1−x)MgTi(1+x)(0.21≦x≦0.5)で表される擬ブルッカイト型結晶からなる耐熱性セラミック部材であって、実質的にSiを含有せず、かつアルカリ金属を酸化物換算で全量中0.21〜0.77質量%含有することを特徴とする耐熱性セラミック部材。
  2. 前記アルカリ金属はNaまたはKであることを特徴とする請求項1記載の耐熱性セラミック部材。
  3. 請求項1または2記載の耐熱性セラミック部材を用いた多孔質体からなることを特徴とするフィルタ。
JP2007251564A 2007-09-27 2007-09-27 耐熱性セラミック部材およびフィルタ Expired - Fee Related JP5142650B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007251564A JP5142650B2 (ja) 2007-09-27 2007-09-27 耐熱性セラミック部材およびフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007251564A JP5142650B2 (ja) 2007-09-27 2007-09-27 耐熱性セラミック部材およびフィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009084064A true JP2009084064A (ja) 2009-04-23
JP5142650B2 JP5142650B2 (ja) 2013-02-13

Family

ID=40657974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007251564A Expired - Fee Related JP5142650B2 (ja) 2007-09-27 2007-09-27 耐熱性セラミック部材およびフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5142650B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011207744A (ja) * 2010-03-08 2011-10-20 Sumitomo Chemical Co Ltd 多孔質チタン酸アルミニウムマグネシウムの製造方法および多孔質チタン酸アルミニウムマグネシウム
WO2014104179A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 住友化学株式会社 ハニカムフィルタ及びその製造方法、並びに、チタン酸アルミニウム系セラミックス及びその製造方法
JP2016524587A (ja) * 2013-06-18 2016-08-18 コーニング インコーポレイテッド 低温膨張性チタン酸アルミニウム−ジルコニウム・スズ・チタネートセラミックス

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56134560A (en) * 1980-03-19 1981-10-21 Ngk Insulators Ltd Low expansion ceramics and manufacture
JPH02258670A (ja) * 1989-03-31 1990-10-19 Kurosaki Refract Co Ltd 低熱膨張性セラミックス
JPH06183831A (ja) * 1992-12-16 1994-07-05 Isuzu Motors Ltd 高強度チタン酸アルミニウム材料及びその製造方法
JP2004250249A (ja) * 2003-02-18 2004-09-09 Inax Corp 塑性セラミックス及びその製造方法
WO2005105704A1 (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Ohcera Co., Ltd. チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶構造物及びその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56134560A (en) * 1980-03-19 1981-10-21 Ngk Insulators Ltd Low expansion ceramics and manufacture
JPH02258670A (ja) * 1989-03-31 1990-10-19 Kurosaki Refract Co Ltd 低熱膨張性セラミックス
JPH06183831A (ja) * 1992-12-16 1994-07-05 Isuzu Motors Ltd 高強度チタン酸アルミニウム材料及びその製造方法
JP2004250249A (ja) * 2003-02-18 2004-09-09 Inax Corp 塑性セラミックス及びその製造方法
WO2005105704A1 (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Ohcera Co., Ltd. チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶構造物及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011207744A (ja) * 2010-03-08 2011-10-20 Sumitomo Chemical Co Ltd 多孔質チタン酸アルミニウムマグネシウムの製造方法および多孔質チタン酸アルミニウムマグネシウム
WO2014104179A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 住友化学株式会社 ハニカムフィルタ及びその製造方法、並びに、チタン酸アルミニウム系セラミックス及びその製造方法
JP2016524587A (ja) * 2013-06-18 2016-08-18 コーニング インコーポレイテッド 低温膨張性チタン酸アルミニウム−ジルコニウム・スズ・チタネートセラミックス
US9656245B2 (en) 2013-06-18 2017-05-23 Corning Incorporated Low thermal expansion aluminum titanate-zirconium tin titanate ceramics

Also Published As

Publication number Publication date
JP5142650B2 (ja) 2013-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5246889B2 (ja) 多孔質セラミック部材およびその製法ならびにフィルタ
US7473464B2 (en) Porous material and method for production thereof
JP5478259B2 (ja) 炭化珪素質多孔体
JP5495545B2 (ja) 多孔質セラミック部材およびその製法ならびにフィルタ
EP1600432B1 (en) Silicon carbide based porous material and method for preparation thereof, and honeycomb structure
JP4745963B2 (ja) ハニカム構造体の製造方法及びハニカム成形体
JP5271766B2 (ja) 多孔質セラミック部材およびフィルタ
WO2005009918A1 (ja) 排ガス浄化触媒用ハニカム担体及びその製造方法
JP5142569B2 (ja) 耐熱性セラミック部材
JPWO2005005019A1 (ja) 排ガス浄化ハニカムフィルタ及びその製造方法
JP3311650B2 (ja) コージェライト質セラミックハニカム構造体の製造方法
JP4945056B2 (ja) 排ガス浄化触媒用ハニカム担体及びその製造方法
JP2000226253A (ja) コージェライト質セラミックハニカム構造体の製造方法
JP4847339B2 (ja) ハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体
JP5142650B2 (ja) 耐熱性セラミック部材およびフィルタ
US6933255B2 (en) Beta-spodumene ceramics for high temperature applications
JP4609831B2 (ja) 排ガス浄化触媒用ハニカム担体及びその製造方法
JP2011005408A (ja) フィルタエレメントおよびフィルタ
JP5128989B2 (ja) コーディエライトセラミックスの製造方法
JP2006521996A (ja) 低熱膨張アルミン酸カルシウム成形品
JP6756530B2 (ja) ハニカム構造体及びハニカム構造体の製造方法
JP2008239408A (ja) 耐熱性セラミック部材
JP2004196597A (ja) ハニカム構造体、これを用いた触媒体、触媒担持フィルタ、及びこれらの製造方法
US11505504B2 (en) Non-oxide inorganic pore-formers for cordierite ceramic articles

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121023

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121120

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5142650

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees