JP2009083818A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッドパターンの適正化を図ることにより、走行時の気柱共鳴音を低減しつつも、石噛み防止性能を向上した空気入りタイヤ。
【解決手段】空気入りタイヤは、トレッド部踏面に、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝、及び、周方向溝により区画形成してなるリブ状陸部を具え、リブ状陸部は、周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減するために路面接地域に開口した共鳴器を有する。共鳴器は、2本の周方向溝の夫々から分岐して延びる2本の枝溝部及び、枝溝部につながり、延在方向に直交する断面の面積が枝溝部のそれよりも大きい気室部を具えている。かかる2本の枝溝部は、タイヤ周方向に対し同一方向に傾斜し、かつタイヤ赤道面に投影した形状が相互に離間している。
【選択図】図3

Description

この発明は、トレッド部踏面に、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝、及び、周方向溝により区画形成してなるリブ状陸部を具え、リブ状陸部は、周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減するために路面接地域に開口した共鳴器を有し、共鳴器は、2本の周方向溝の夫々から分岐して延びる2本の枝溝部及び、枝溝部につながり、延在方向に直交する断面の面積が枝溝部のそれよりも大きい気室部を具える空気入りタイヤに関するものであり、かかる空気入りタイヤから発生する騒音を低減しつつも、石噛み防止性能の向上を図る。
近年、車両の静粛化に伴って、空気入りタイヤの負荷転動に起因した自動車騒音に対する寄与が大きくなり、その低減が求められている。中でも、高周波数、特に、1000Hz周辺のタイヤノイズが車外騒音の主たる原因となっており、環境問題への対応からも、その低減対策が求められている。
この1000Hz周辺のタイヤノイズは、主に気柱共鳴音により発生する。気柱共鳴音とは、トレッド部踏面の周方向に連続して延びる周方向溝と、路面とによって囲曉される管内の空気の共鳴により発生する騒音であり、一般的な乗用車では800〜1200Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高く、周波数帯域が広いことから、空気入りタイヤから発生する騒音の大部分を占めている。
また、人間の聴覚は、1000Hz周辺の周波数帯域(A特性)で特に敏感であることから、走行時のフィーリング面での静粛性を向上させる上でも、このような気柱共鳴音の低減は有効である。
そこで、かかる気柱共鳴音の低減を目的として、周方向溝の配設本数や容積を減じることが広く行われている他、特許文献1に開示されているように、一端だけが周方向溝に開口し、他端が陸部内で終端する長い横溝を設けて、その横溝内での反共振を用いて気柱共鳴音を低減させることが提案されている。しかし、周方向溝の溝容積を減少させた空気入りタイヤでは、周方向溝の溝容積が不足し、排水性能が低下する虞がある。また、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、長い横溝の配設が必須であることから、トレッドパターンのデザイン上の自由度が損なわれ、かつ、陸部の剛性が充分に確保されずに操縦安定性が低下する虞がある。
これら問題の解決策として、特許文献2又は3に記載されているように、ヘルムホルツタイプの共鳴器を配設することによって、反共振を用いて気柱共鳴音を低減する技術も提案されている。このことにより、周方向溝の溝容積を充分に確保して、排水性能を確保しつつも、特許文献1に記載の空気入りタイヤと比較して陸部の剛性を高くすることができる。
国際公開第04/103737号パンフレット 特開平5−338411号公報 特開2000−118207号公報
しかし、特許文献2に記載の空気入りタイヤは、負荷転動時に路面に散在する石や砂利の上を通過した場合に、石や砂利がトレッド部の共鳴器内に噛み込まれて石噛みし、共鳴器の気室部が埋まることで、共鳴器としての機能が損なわれ、気柱共鳴音を低減することができなくなる虞がある。また、このとき、気柱共鳴音を低減できないばかりか、気室部に噛み込まれた石が、タイヤの回転に伴い路面に接触する度に接地音を発生させて、より大きな騒音を発生させる可能性がある。また、特許文献3に記載の空気入りタイヤは、タイヤ負荷転動時に、ヘルムホルツタイプの共鳴器が路面と接地しないように配設されていることから、共鳴器の路面との衝突によるピッチノイズの発生及び石や砂利の噛み込みを有効に防止することができ、かつ、配設可能な共鳴器の体積が小さく制限されていることから、トレッド部の陸部剛性が高く、操縦安定性を充分に確保することができるが、その反面、共鳴器の形状・寸法が限定されることから、設定可能な共鳴周波数の周波数帯域も限定されることとなり、気柱共鳴音が充分に低減されない可能性があり、それら性能が二律背反の関係にあることから、その両立が困難であった。
したがって、この発明の目的は、共鳴器の形状の適正化を図ることにより、走行時の気柱共鳴音を低減しつつも、石噛み防止性能が向上した空気入りタイヤを提供することにある。
前記目的を達成するため、この発明の空気入りタイヤは、トレッド部踏面に、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝、及び、周方向溝により区画形成してなるリブ状陸部を具え、リブ状陸部は、周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減するために路面接地域に開口した共鳴器を有し、共鳴器は、2本の周方向溝の夫々から分岐して延びる2本の枝溝部及び、枝溝部につながり、延在方向に直交する断面の面積が枝溝部のそれよりも大きい気室部を具えており、かかる2本の枝溝部は、タイヤ周方向に対し同一方向に傾斜し、かつタイヤ赤道面に投影した形状が相互に離間してなることを特徴とする。2本の枝溝部が夫々別の周方向溝に連通した共鳴器を配設していることから、共鳴器を配設したリブ状陸部を区画形成する2本の周方向溝にて発生する気柱共鳴音を低減することができる。また、共鳴器の気室部内に石又は砂利が噛み込んでしまった場合であっても、2本の枝溝部が、タイヤ周方向に対し同一方向に傾斜していることから、タイヤ負荷転動時にトレッド部踏面が駆動力あるいはコーナリング力によって変形する際、2本の枝溝部が同時に開き、気室部のトレッド部踏面における開口面積が大きくなるように共鳴器が変形するので、石又は砂利がトレッド部踏面から外れ易くなり、石噛み防止性能を有効に向上することが可能となる。更に、2本の枝溝部のタイヤ赤道面に投影した形状が相互に離間して配設されていることから、2本の枝溝部により気室部が全体にバランスよく開き、気室部内に噛み込まれた位置によらず石又は砂利がトレッド部踏面から外れ易くなるので、石噛み防止性能を有効に向上することが可能となる。また、石噛み防止性能の向上により、気室部に噛み込まれた石又は砂利がその近傍のゴムへとタイヤ負荷転動により繰返し押し込まれにくくなり、かかるゴム領域の亀裂の発生が抑制されるので、タイヤの耐久性を向上させることが可能となる。ここでいう「2本の枝溝部は、タイヤ周方向に対し同一方向に傾斜」とは、枝溝部が、タイヤ周方向をY軸、タイヤ幅方向をX軸とした直交座標を仮定したとき、タイヤ周方向と枝溝とのなす角のうち鋭角が、第1象限及び第3象限にある関係、または第2象限及び第4象限にある関係をいうものとする。また、タイヤ幅方向に直交する傾斜角度も含むものとする。
なお、共鳴器の種類は限定されないが、例えばヘルムホルツタイプの共鳴器とすることができる。この場合、その共鳴周波数fは、一般に図1に示すような形状として表され、枝溝部2の半径をr、長さをl、枝溝部の断面積をSとし、気室部3の容積をV、音速をcとしたとき、
Figure 2009083818
として表すことができる。ここで、上記式中における枝溝部2端の補正は、通常は、実験によって求められるものであり、その値は、文献によって相違することになるも、ここでは、1.3rを用いるものとする。この場合、枝溝部2の断面が円形でないときは、枝溝部2の断面積から円形を仮定したrを算出して使用するものとする。従って、共鳴器1の共鳴周波数fは、枝溝部2の断面積S、気室部3の容積V等を選択することで、所要に応じて変化させることができる。
また、図2に示すように、共鳴器1の気室部3及び枝溝部2をそれぞれ第1管路4、第2管路5とみなして、それらを相互に連結した連結管路からなる段付きタイプの共鳴器とすることもでき、この場合の共鳴周波数fは、以下のようにして求めることができる。
段付きタイプの共鳴器につき、第1管路の延在方向に直交する断面積をS、第2管路の延在方向に直交する断面積をS、境界における第1管路4側の音響インピーダンスをZ12、境界における第2管路5側の音響インピーダンスをZ21とすると、連続の条件から次式が導かれる。
21=(S/S)・Z12
第2管路5の第2管路の周方向溝に開口している部分からの距離xの点における音圧Pは、境界条件を、x=0でV=Vjwtとし、x=lでP/V=Z としたとき、次式により導かれる。
=Z・{Z21cos(k(l−x))+jZsin(k(l−x))/Zcos(kl)+ jZ21 sin(kl)}・V0jwt、(ただし、k=2πf/c)
このとき、Vは第2管路5の粒子速度分布を、V0は入力点の粒子速度を、jは虚数単位を、Zcはρc(ρ:空気の密度、c:音速)を夫々示している。
第1管路4の音圧Pは、境界条件を、x=l1でV1=0とし、x=lでP/V=Z21としたとき、次式により導かれる。
=Z・[Z21cos(k(l−x))/cos(kl1)・{Zco(kl)+jZ21 sin(kl)}]・Vjwt
よって、共鳴周波数fの条件式は、共鳴の条件をx=0でP2=0とした場合に、次式として導かれる。この共鳴の条件式に基づいてk、l、l、S、S、cを決定して共鳴周波数fを求めることができる。
tan(kl1)tan(kl2)−(S2/S1)=0
また、枝溝部の傾斜角度は、タイヤ周方向に対し30〜60°の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは40〜50°の範囲内にある。ここでいう「枝溝部の傾斜角度」とは、枝溝部が、タイヤ周方向をY軸、タイヤ幅方向をX軸とした直交座標を仮定したとき、タイヤ周方向と枝溝とのなす角のうち鋭角をいうものであり、タイヤ幅方向に直交する傾斜角度も含むものとする。
更に、枝溝部が離間している離間距離が、気室部のタイヤ周方向長さの少なくとも50%以上であることが好ましい。
更にまた、気室部は、トレッド部踏面における開口形状が略矩形状であることが好ましい。ここでいう「略矩形状」とは、4辺から構成され、全体として矩形状をなした形状をいい、例えば角部が曲率半径を有するものや、夫々の辺が湾曲しているものを含むものとする。
加えて、気室部に連通する枝溝部の開口部は、気室部の対向する一対の角部に配設してなることが好ましい。なお、ここでいう「対向する一対の角部」とは、略矩形状の気室部の対角線上にある角部をいうものであり、かかる角部に曲率半径を有するものも含む。
この発明によれば、トレッドパターンの適正化を図ることにより、走行時の気柱共鳴音を低減しつつも、石噛み防止性能を向上した空気入りタイヤを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図3はこの発明に従う空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)のトレッド部の一部の展開図であり、図4は、この発明に従うその他のタイヤのトレッド部の一部の展開図である。
この発明のタイヤは、図3に示すように、トレッド部踏面6に、タイヤ周方向に延びる2本の周方向溝7、及び、周方向溝7により区画形成してなるリブ状陸部8を具え、かかるリブ状陸部8は、周方向溝7と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減するために路面接地域に開口した枝溝部2及びトレッド部踏面6における開口形状が楕円状である気室部3からなる共鳴器1を具える。また、枝溝部2は、2本の周方向溝7の夫々から分岐して延びている。かかる構成により、共鳴器1を配設したリブ状陸部8を区画形成する2本の周方向溝7にて発生する気柱共鳴音は、共鳴器1を用いて、有効に低減することができる。また、2本の枝溝部2は、タイヤ周方向に対し同一方向に傾斜しており、具体的には、タイヤ周方向と枝溝部とのなす角のうち鋭角が、第1象限及び第3象限にある。かかる構成により、共鳴器1の気室部3内に石又は砂利が噛み込んでしまった場合であっても、タイヤ負荷転動時にトレッド部踏面6が駆動力、あるいはコーナリング力によって変形する際、2本の枝溝部2が同時に開き、枝溝部2が1本である共鳴器1を配設する場合に比べ、気室部3のトレッド部踏面6における開口面積が大きくなるように変形するので、石又は砂利がトレッド部踏面6から外れ易くなり、石噛み防止性能を有効に向上することが可能となる。更に、2本の枝溝部2のタイヤ赤道面CLに投影した形状が相互に離間して配設されている。2本の枝溝部2のタイヤ赤道面CLに投影した形状がオーバーラップしている場合には、気室部3が2本の枝溝部2近傍にて局所的に大きく開くが、気室部を囲む陸部の剛性が位置によって大きく異なるので、石噛み防止性能も気室部3のどの位置に噛み込まれたかにより大きく異なる。それに対し、この発明のタイヤのように、枝溝部2が離間していることにより、気室部3を囲む陸部における陸部剛性の差も小さくなり、また、タイヤ負荷転動時には枝溝部2が離間した位置で開口することから、気室部3が全体にバランスよく開き、気室部3内に噛み込まれた位置に関係なく石又は砂利がトレッド部踏面6から外れ易くなるので、石噛み防止性能を有効に向上することが可能となる。また、石噛み防止性能の向上により、気室部3に噛み込まれた石又は砂利が外れ易くなるので、タイヤ負荷転動により石又は砂利がゴムに向かって繰返し押し込まれる回数が少なくなり、かかるゴム領域における亀裂の発生を抑制することができるので、タイヤの耐久性を向上させることが可能となる。
また、枝溝部2の傾斜角度は、タイヤ周方向に対し30〜60°の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは40〜50°の範囲内にある。枝溝部2の傾斜角度がタイヤ周方向に対し30°未満の場合には、コーナリング走行する際に、トレッド部がタイヤ幅方向に引っ張られて、枝溝部2がタイヤ幅方向に充分に開口するので、気室部3のトレッド部踏面6における開口面積を充分に大きくして、石噛み防止性能を向上することができる。しかし、直進走行する際には、トレッド部がタイヤ周方向に引っ張られても、枝溝部2がタイヤ周方向に充分に開口せずに、気室部3のトレッド部踏面6における開口面積が充分に大きくならないので、石噛み防止性能が充分に確保されない可能性がある。一方、枝溝部2の傾斜角度がタイヤ周方向に対し60°を超える場合には、直進走行する際に、トレッド部がタイヤ周方向に引っ張られて、枝溝部2がタイヤ周方向に充分に開口するので、気室部3のトレッド部踏面6における開口面積を充分に大きくして、石噛み防止性能を向上することができる。しかし、コーナリング走行する際には、トレッド部がタイヤ幅方向に引っ張られても、枝溝部2がタイヤ幅方向に充分に開口せずに、気室部3のトレッド部踏面6における開口面積が充分に大きくならないので、石噛み防止性能が充分に確保されない可能性がある。
一般に共鳴器1をトレッド部に配設する場合には、周方向溝により区画形成されたリブ状陸部内に納まる形状及び寸法とする必要がある。一般的な周方向溝の共鳴周波数である1000Hz前後の周波数に効果を奏する共鳴器とするためには、気室部をタイヤ幅方向長さよりもタイヤ周方向長さが大きい形状とすることがパターン構成上避けがたい。かかる形状の気室部3に石又は砂利が噛み込まれると、石又は砂利がタイヤ負荷転動により路面の凹凸と引っかかることで、タイヤの進行方向に石が移動して、石又は砂利が気室部のタイヤ周方向端側に集まることとなる。また、気室部のタイヤ周方向端近傍の陸部の剛性が他の部分における陸部剛性に比べ高いことから、タイヤ負荷転動時にトレッド部踏面と路面との摩擦によるタイヤ周方向端近傍における変形量が小さく、噛み込まれた石又は砂利が外れ難くなり、気柱共鳴音を有効に低減することができなくなる虞がある。その対策として、枝溝部2が離間している離間距離W1が、気室部3のタイヤ周方向長さW2の少なくとも50%以上であることが好ましい。かかる構成により、気室部3のタイヤ周方向端近傍に枝溝部2が配置されることとなり、気室部3のタイヤ周方向端近傍における陸部剛性が有意に小さくなる。また、タイヤ負荷転動時に気室部3のタイヤ周方向端近傍にて枝溝部2が開くこととなるので、気室部3のタイヤ周方向端側に集まった石又は砂利が外れ易くなり、石がみ防止性能をより向上することが可能となる。
更にまた、図4に示すように、気室部3は、トレッド部踏面6における開口形状が略矩形状であり、気室部3に連通する枝溝部2の開口部は、気室部3の対向する一対の角部に配設してなることが好ましい。なぜなら、気室部3のトレッド部踏面6における開口形状が略矩形状である場合には、気室部3の対向する一対の角部に枝溝部2を配設すると、タイヤ負荷転動時に枝溝部2が大きく開き、気室部3のトレッド部踏面6における開口面積も最も大きくなるので、石噛み防止性を有効に向上することができるからである。
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
次に、1本の枝溝部を有する共鳴器を具える従来のタイヤ(従来例タイヤ)、2本の枝溝部を有する共鳴器を具える比較例のタイヤ(比較例タイヤ1〜3)及びこの発明の共鳴器を具えるタイヤ(実施例タイヤ1〜8)を、タイヤサイズ225/55R17の乗用車用ラジアルタイヤとして、夫々試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
従来例タイヤは、図5に示すように、矩形状の気室部及び1本の枝溝部を有する共鳴器を具えており、表1に示す諸元を有する。また、比較例タイヤ1は、図6に示すように、矩形状の気室部、及び、異なる周方向溝に同一直線上にて延在し、タイヤ幅方向に平行な2本の枝溝部を有する共鳴器を具えており、表1に示す諸元を有する。比較例タイヤ2は、図7に示すように、矩形状の気室部、及び、異なる周方向溝に延在し、タイヤ赤道面に投影した形状がオーバーラップしており、タイヤ周方向に対し同一傾斜角度にて傾斜する2本の枝溝部を有する共鳴器を具えており、表1に示す諸元を有する。比較例タイヤ3は、図8に示すように、矩形状の気室部、及び、周方向溝に平行な気室部の一辺にある角部から、同一の周方向溝に延びる2本の枝溝部を有する共鳴器を具え、表1に示す諸元を有する。実施例タイヤ1〜8は、矩形状の気室部、及び、気室部の対向する角部から、異なる周方向溝に延在し、夫々タイヤ周方向に対し20〜90°の範囲内で傾斜して延在している枝溝部を有する共鳴器を具えており、表1に示す諸元を有する。
Figure 2009083818
これら各供試タイヤをサイズ7.5J×17.0のリムに取付けてタイヤ車輪とし、空気圧:220kPa(相対圧)、二名乗車相当の負荷荷重を適用し、テスト用車両に装着した状態で各種試験に供し、その性能を評価した。
石噛み防止性能を評価する試験では、テスト用車両を、直径1〜10mm程度の石及び砂利を敷き詰めた一周約300mの未舗装路を600m走行させ、次いで、石及び砂利が路上に散在しておらず、直進路及びコーナリング路を含む舗装路を2000m走行させた後に、前後輪の4輪全ての気室部内に噛み込まれた石及び砂利の個数を数え、比較例タイヤ1の気室部内の石及び砂利の4輪の平均残留個数を基準値として、指数化した。なお、数値が小さいほど、石噛み防止性能に優れていることを示している。石噛み防止性能の評価結果は、表2に示す。
静粛性を評価する試験では、テスト用車両を長い直線部分を含む周回路及び緩やかなカーブの多いハンドリング評価路等からなるテストコース内を、低速から時速100km/hまでの範囲の速度で走行させて、気柱共鳴音の聞こえ易さ及び気になり易さをプロのドライバーがフィーリングにより評価した。
Figure 2009083818
表2の結果から明らかなように、実施例タイヤ1〜8は、従来例タイヤよりも石噛み防止性能が向上している。なお、実施例タイヤ3及び4における石噛み防止性能が顕著に向上していた。また、実施例タイヤ1〜8は、従来例タイヤ及び比較例タイヤ1〜3と同程度に気柱共鳴音が低減していた。
以上のことから明らかなように、共鳴器の形状の適正化を図ることにより、走行時の気柱共鳴音を低減しつつも、石噛み防止性能を向上した空気入りタイヤを提供することが可能となる。
ヘルムホルツタイプの共鳴器を模式的に示す図である。 段付きタイプの共鳴器を模式的に示す図である。 この発明に従うタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 この発明に従うその他のタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 従来例タイヤのトレッド部の一部の平面図である。 比較例タイヤ1のトレッド部の一部の平面図である。 比較例タイヤ2のトレッド部の一部の平面図である。 比較例タイヤ3のトレッド部の一部の平面図である。
符号の説明
1 共鳴器
2 枝溝部
3 気室部
4 第1管路
5 第2管路
6 トレッド部踏面
7 周方向溝
8 リブ状陸部
CL タイヤ赤道面
W1 枝溝部の離間距離
W2 気室部のタイヤ周方向長さ

Claims (5)

  1. トレッド部踏面に、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝、及び、該周方向溝により区画形成してなるリブ状陸部を具え、該リブ状陸部は、該周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減するために路面接地域に開口した共鳴器を有し、該共鳴器は、2本の該周方向溝の夫々から分岐して延びる2本の枝溝部及び、該枝溝部につながり、延在方向に直交する断面の面積が該枝溝部のそれよりも大きい気室部を具える空気入りタイヤにおいて、
    2本の該枝溝部は、タイヤ周方向に対し同一方向に傾斜し、かつタイヤ赤道面に投影した形状が相互に離間してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記枝溝部の傾斜角度は、タイヤ周方向に対し30〜60°の範囲内にある、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記枝溝部が離間している離間距離が、該気室部のタイヤ周方向長さの少なくとも50%以上である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記気室部は、トレッド部踏面における開口形状が略矩形状である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記気室部に連通する前記枝溝部の開口部は、該気室部の対向する一対の角部に配設してなる、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
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