JP2014213849A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】共鳴器が発揮する騒音低減性能を向上させた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる周溝を少なくとも2本設け、前記周溝のうち、断面積が互いに異なる2本の周溝間に区画される陸部に、該周溝から離間した位置で陸部表面に開口する気室と、該気室を前記2本の周溝のうちの一方の周溝に連通させる1本以上の一方側狭窄ネックと、前記気室を他方の周溝に連通させる1本以上の他方側狭窄ネックとを有する共鳴器を配設した空気入りタイヤであって、前記一方側狭窄ネックと前記他方側狭窄ネックとは互いに断面積が略同一であり、前記一方側狭窄ネックの延在長さが、前記他方側狭窄ネックの延在長さよりも長く、断面積が相対的に大きい前記一方の周溝に、前記一方側狭窄ネックが開口し、断面積が相対的に小さい前記他方の周溝に、前記他方側狭窄ネックが開口することを特徴とする空気入りタイヤである。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
近年、車両の静粛化に伴って、空気入りタイヤの、その負荷転動に起因した自動車騒音に対する寄与が大きくなり、その低減が求められている。中でも、高周波数、特に、1000Hz周辺のタイヤノイズが車外騒音の主たる原因となっており、環境問題の対応からも、その低減対策が求められている。
この1000Hz周辺のタイヤノイズは、主に気柱共鳴により発生する。気柱共鳴音とは、トレッド周方向に連続して延びる周溝と、踏面とによって囲繞される管内の空気の共鳴により発生する騒音であり、一般的な乗用車では800〜1200Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高く、周波数帯域が広いことから、空気入りタイヤから発生する騒音の多くの部分を占めている。また、人間の聴覚は、1000Hz周辺の周波数帯域で特に敏感であることから、走行時のフィーリング面での静粛性を向上させる上でも、このような気柱共鳴音の低減は有効である。
ここで、気柱共鳴音を低減させた空気入りタイヤとしては、例えば、周溝で区画される陸部に、陸部表面に開口する気室と、該気室を周溝に連通させる1本の狭窄ネックとを有する共鳴器を配設した空気入りタイヤ(例えば、特許文献1)、および、2本の周溝間に区画される陸部に、陸部表面に開口する気室と、該気室を、2本の周溝のうちの一方の周溝に連通させる1本以上の狭窄ネックと、前記気室を、他方の周溝に連通させる1本以上の狭窄ネックとを有する共鳴器を配設した空気入りタイヤ(例えば、特許文献2)等が提案されている。そして、前者の空気入りタイヤによれば、共鳴器を配設することで、周溝で発生する気柱共鳴音を低減させることができるとされ、さらに、後者の空気入りタイヤでは、前者の空気入りタイヤの、1本の周溝に開口する狭窄ネックを有する共鳴器に比べ、2本の周溝で発生する気柱共鳴音を共に低減することができるので、気柱共鳴音を効果的に低減させつつ、配設する共鳴器の数を低減することができ、それゆえに、陸部剛性の低下を防止することもできるとされている。
特開平5−338411号公報 特開2007−269144号公報
ところで、2本の周溝間に区画される陸部に、2本の周溝のうちの一方の周溝に開口する1本の狭窄ネックと、他方の周溝に開口する1本の狭窄ネックとを有する共鳴器を配設した空気入りタイヤでは、例えば、タイヤのデザイン性または摩耗後の外観の観点から狭窄ネックのそれぞれの断面積を等しくすることがあり、断面積を等しくすると、気柱共鳴音を低減しにくくなる場合があった。
そこで、本発明は、共鳴器が発揮する騒音低減性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる周溝を少なくとも2本設け、前記周溝のうち、断面積が互いに異なる2本の周溝間に区画される陸部に、該周溝から離間した位置で陸部表面に開口する気室と、該気室を前記2本の周溝のうちの一方の周溝に連通させる1本以上の一方側狭窄ネックと、前記気室を他方の周溝に連通させる1本以上の他方側狭窄ネックとを有する共鳴器を配設した空気入りタイヤであって、前記共鳴器は、前記気室と、前記一方側狭窄ネックと、前記他方側狭窄ネックとで気柱共鳴音を低減し、1つの前記共鳴器について、前記一方側狭窄ネックが2本以上存在する場合は、当該一方側狭窄ネックの延在長さの総計を、一方側狭窄ネックの延在長さとし、且つ、当該一方側狭窄ネックの断面積の総計を、一方側狭窄ネックの断面積とし、1つの前記共鳴器について、前記他方側狭窄ネックが2本以上存在する場合は、当該他方側狭窄ネックの延在長さの総計を、他方側狭窄ネックの延在長さとし、且つ、当該他方側狭窄ネックの断面積の総計を、他方側狭窄ネックの断面積とし、前記一方側狭窄ネックと前記他方側狭窄ネックとは互いに断面積が略同一であり、前記一方側狭窄ネックの延在長さが、前記他方側狭窄ネックの延在長さよりも長く、断面積が相対的に大きい前記一方の周溝に、前記一方側狭窄ネックが開口し、断面積が相対的に小さい前記他方の周溝に、前記他方側狭窄ネックが開口することを特徴とする。
この構成によれば、それぞれの周溝に開口する狭窄ネックの断面積を略同一にしても、共鳴器が発揮する騒音低減性能を向上させることができる。
なお、本発明の空気入りタイヤでは、共鳴器の種類は、気柱共鳴音を有効に低減することのできるものであれば特に限定されないが、例えばヘルムホルツタイプの共鳴器とすることができる。この場合、共鳴器6は、図2(a)に示すような形状としてモデル化することができ、その共鳴周波数fは、狭窄ネック7の、半径をr、延在長さをl、断面積をSとし、気室8の容積をV、音速をcとしたとき、式(1)で表すことができる。
Figure 2014213849
ここで、上記式中の狭窄ネック7の長さの補正は、通常、実験で求めるものであり、その値は文献によって相違することになるが、ここでは1.3rを用いるものとする。
また、図2(b)に模式的に示すような、1個の気室8に対して2本の狭窄ネック7a、7bが設けられたヘルムホルツタイプの共鳴器6の場合における共鳴周波数fは、同様に、狭窄ネック7a、7bのそれぞれの半径をr、r、延在長さをl0a、l0b、断面積をS、Sとし、気室8の容積をV、音速をcとしたとき、式(2)で表すことができる。
Figure 2014213849
したがって、共鳴器6の共鳴周波数fは、狭窄ネック7a、7bの断面積S、S、気室8の容積V等を選択することで、所要に応じて変化させることができる。また、式(2)に狭窄ネック7が2本の場合を例にとって示したように、狭窄ネック7が複数本ある場合は、これら複数の狭窄ネック7a、7bの断面積を合計した断面積を有し、複数の狭窄ネック7a、7bの平均長を延在長さとする1本の狭窄ネック7と等価であると見なして計算を行うことで実用上問題ないことが分かっている。
ここで、本発明において、「一方側狭窄ネックと他方側狭窄ネックとは互いに断面積が略同一である」とは、一方側狭窄ネックと他方側狭窄ネックとのそれぞれの断面積の差を、断面積が相対的に小さい狭窄ネックの断面積で除した値が、10%以下であることを指す。
また、本発明において、狭窄ネックの「断面積」は、狭窄ネックの延在方向に直交する方向に沿う断面での断面積とし、それらの断面積が変化する場合は、平均の断面積(狭窄ネックの容積を、その延在長さで除したもの)とする。
さらに、本発明において、1つの共鳴器について、一方側狭窄ネックおよび/または他方側狭窄ネックがそれぞれ2本以上存在する場合は、1つの共鳴器についての当該一方側狭窄ネックまたは他方側狭窄ネックの延在長さのそれぞれの総計を、一方側狭窄ネックまたは他方側狭窄ネックの「延在長さ」とし、さらに、1つの共鳴器についての当該一方側狭窄ネックまたは他方側狭窄ネックの断面積のそれぞれの総計を、一方側狭窄ネックまたは他方側狭窄ネックの「断面積」とする。
また、本発明において、各狭窄ネックの「延在長さ」とは、狭窄ネックの延在方向に沿って測定した長さを指す。さらに、この発明において、「一方側狭窄ネックの延在長さと、他方側狭窄ネックの延在長さとが異なる」とは、他方側狭窄ネックの延在長さに対して、一方側狭窄ネックの延在長さが5%以上長いことをいうものとする。
また、本発明において、トレッド踏面の接地条件は、特に断りのない限り、適用リムに組み付けたタイヤに規定の空気圧を充填して最大負荷荷重の80%の荷重を負荷させた状態とする。ちなみに、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(または、“Approved Rim”、“Recommended Rim”)を指す。また、「適用リムに組み付けたタイヤに規定の空気圧を充填し」た状態とは、タイヤを上記の適用リムに装着し、JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)とした状態を指す。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
さらに、タイヤの諸寸法は、特に断りのない限り、適用リムに組み付けたタイヤに規定の空気圧を充填した無負荷状態での寸法を指す。
なお、ここにおける「狭窄ネック」および「気室」はともに、前述した接地条件の下で、接地面内でも開口するものをいうものとする。
ここで、本発明の空気入りタイヤでは、前記一方側狭窄ネックの延在長さが、前記他方側狭窄ネックの延在長さの1.1〜3.2倍であることが好ましい。
この構成によれば、それぞれの周溝に開口する狭窄ネックの断面積を略同一にしても、共鳴器が発揮する騒音低減性能をさらに向上させることができる。
本発明によれば、共鳴器が発揮する騒音低減性能を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す、一部展開図である。 (a)は、1本の狭窄ネックを有し、(b)は、2本の狭窄ネックを有するヘルムホルツタイプの共鳴器を、模式的に示す図である。 (a)および(b)は、図1の空気入りタイヤにおける共鳴器の形成態様を例示する斜視図である。 (a)〜(g)は、図1の空気入りタイヤにおける狭窄ネックおよび気室のそれぞれの変形例を示す、拡大展開図である。 本願発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す、一部展開図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に例示説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッドパターンを示す一部展開図である。なお、タイヤの内部補強構造等は一般的なラジアルタイヤのそれと同様であるので、ここでは図示を省略する。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ1では、トレッド踏面Tに、略トレッド周方向に連続して延びる周溝2が少なくとも2本、図1で示すところでは4本の周溝2が設けられている。なお、図1では、周溝2は、トレッド周方向に沿って直線状に延びる延在形態を示しているが、周溝2はトレッド周方向に連続的に延びるものであればよく、例えば、ジグザグ状、波状等の延在形態とすることができる。
また、トレッド踏面Tには、図1に示すように、互いに隣り合う周溝2によって3列のリブ状陸部3がタイヤ幅方向内側に区画されるとともに、周溝2とトレッド踏面Tのタイヤ幅方向外側の接地端とによって2列のリブ状陸部3がタイヤ幅方向外側(ショルダ部)に区画されている。
そして、この実施形態では、トレッド踏面T中央に位置するリブ状陸部3の両側のリブ状陸部3に、図1に示すように、該リブ状陸部3を区画する周溝2から離間した位置で陸部表面に開口する気室41と、気室41を、2本の周溝2のうちの一方の周溝2に連通させる一方側狭窄ネック42a(図1では、タイヤ幅方向内側)と、気室41を、他方の周溝2に連通させる他方側狭窄ネック42b(図1では、タイヤ幅方向外側)とを有する共鳴器4が配設されている。さらに、一方側狭窄ネック42aと他方側狭窄ネック42bとはそれぞれの断面積が略同一である(図1に示す実施形態では、同一である)。
なお、図1に示すところでは、一方および他方の周溝2に開口する狭窄ネック42a、42bをそれぞれ1本ずつとしているが、一方および他方の周溝2に開口する狭窄ネック42a、42bを、両側ともに、または片側のみ2本以上とすることもできる。また、図1では、一方側狭窄ネック42aおよび他方側狭窄ネック42bの断面積は、それぞれの溝幅および溝深さを同一にすることで、同一断面積としているが、それぞれ異なる溝幅および溝深さとしてそれらを乗じた値として同一断面積とすることも可能である。
そして、本発明の空気入りタイヤ1では、一方側狭窄ネック42aの延在長さL1と、他方側狭窄ネック42bの延在長さL2とが異なっている。なお、図1に示す実施形態では、一方側狭窄ネック42aの延在長さL1が、他方側狭窄ネック42bの延在長さL2よりも長くなっている。
一方側狭窄ネックの延在長さと他方側狭窄ネックの延在長さとを同一にした場合、共鳴器の、それぞれの狭窄ネックを介して生じる共鳴が、互いに打ち消し合うことがあるところ、一方側狭窄ネック42aの延在長さL1と他方側狭窄ネック42bの延在長さL2とを異ならせることで、共鳴器4による共鳴が互いに打ち消し合うことなく、共鳴器4が十分に機能し騒音低減性能を向上させることができる。そして、共鳴器4の騒音低減性能を向上させることにより、例えば、1つの共鳴器4による騒音低減性能を十分に維持しつつトレッド踏面Tに配設する共鳴器4の数を低減させることができる。その結果として、陸部の剛性が向上するのでタイヤ1の操縦安定性を高めることができる。または、それぞれ共鳴周波数が異なる多種類の共鳴器4をトレッド踏面Tに配設可能になる等のトレッドパターンのデザイン上の自由度を高めることができる。
そしてまた、一方側狭窄ネック42aの延在長さL1は、他方側狭窄ネック42bの延在長さL2の1.1〜3.2倍とすることが好ましい。これによれば、共鳴器4がより効果的に機能し騒音低減性能を向上させることができる。なお、狭窄ネックの延在長さL1をL2に対して、1.1倍未満とすると、略同一断面積の共鳴器4による共鳴が互いに打ち消し合う可能性がある。また、狭窄ネックの延在長さL1をL2に対して、3.2倍超とすると、共鳴器4の気室41の、リブ状陸部3内でのタイヤ幅方向位置が他方の周溝2側(他方側狭窄ネック42bが開口する周溝2側)に大きく偏ることとなるので、当該気室41が位置する部分のリブ状陸部3のタイヤ幅方向での剛性が、アンバランスとなったり、リブ状陸部3の外観不良となったりする傾向がある。
なお、同様な観点から、一方側狭窄ネック42aの延在長さL1は、他方側狭窄ネック42bの延在長さL2の1.2〜3.0倍とすることがより好ましい。
そして、それぞれの狭窄ネック42a、42bは、任意の断面積を有する周溝2に開口することができる。しかし、図1に示すように、断面積が相対的に小さい周溝2に、延在長さが長い一方側狭窄ネック42aが開口し、断面積が相対的に大きい周溝2に、延在長さが短い他方側狭窄ネック42bが開口することが好ましい。なお、この実施形態では、断面積が相対的に小さい周溝2(一方の周溝2)がタイヤ幅方向内側に配設され、断面積が相対的に大きい周溝2(他方の周溝2)がタイヤ幅方向外側に配置されている。
これによれば、周溝2で発生する気柱共鳴音は、周溝2の断面積が大きい程気柱共鳴音の音圧も大きくなるところ、断面積の相対的に大きい周溝2に開口する狭窄ネックの延在長さを相対的に短くすることで、共鳴器4をより効果的に共鳴させることができ、それゆえに、共鳴器4が発揮する騒音低減性能を向上させることができる。
なお、上記とは逆に、断面積が相対的に大きい周溝2に、延在長さが長い一方側狭窄ネック42aが開口し、断面積が相対的に小さい周溝2に、延在長さが短い他方側狭窄ネック42bが開口する場合には、共鳴器4の騒音低減性能を向上させつつ、次の理由で、操縦安定性の低下を抑えることができる。すなわち、断面積が互いに異なる2本の周溝2に区画される陸部は、断面積が相対的に大きい周溝側の剛性が、比較的低くなる傾向があるところ、断面積が相対的に大きい周溝2に、一方側狭窄ネック42aが開口すると、共鳴器4の気室41の重心位置が、リブ状陸部3の中央位置に対して、断面積が大きい周溝2から離隔して位置する。したがって、断面積が大きい周溝2側の陸部3の剛性の低下を抑えることができるとともに、気室41が位置する部分のリブ状陸部3のタイヤ幅方向での剛性のバランスが向上し、操縦安定性の低下を抑えることができる。
なお、上述のように、一方側狭窄ネック42aおよび他方側狭窄ネック42bが開口する周溝2の断面積が異なる場合の、それらの周溝2の、トレッド踏面T内での配設態様は、任意にすることができるところ、図1のように、トレッド踏面T内のタイヤ幅方向外側の周溝2の断面積を、相対的に大きくすることができ、また、図示しないが、排水性の観点からタイヤ幅方向内側の周溝2の断面積を、相対的に大きくすることができる。
また、2本の周溝2のそれぞれの断面積の大小関係は、各周溝2の溝幅、もしくは、各周溝2の深さを変化させること、または溝幅および深さの両方を変化させること等によって実現することができる。
ところで、共鳴器4の狭窄ネックおよび気室41は、上述した接地条件の下で、接地面内で路面に開口するものであって、所期の共鳴周波数を生じるものであれば、その陸部表面への開口幅、深さ、延在形態等の如何を問わない。狭窄ネックは、適用リムに組み付けたタイヤ1に規定の空気圧を充填した無負荷状態で、例えば、陸部表面への開口幅を0.5〜2.0mmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.7〜2.0mmの範囲とする。また、共鳴器4を所期の共鳴周波数となるように形成して十分に機能させるとの観点からは、狭窄ネックのトレッド踏面Tからの深さを、該狭窄ネックが開口する周溝2のトレッド踏面Tからの深さの1/3〜1/2とすることが好ましい。さらに、狭窄ネックの延在方向に直交する方向に沿う断面形状は、図3に示すように、例えば、長方形などの方形とすることができ(図3(a))、あるいは、狭窄ネックの底部に拡大部を有する、いわゆるフラスコ型とすることもできる(図3(b))。
また、狭窄ネックの延在形態は、図1、図4(a)〜(c)に示すように、湾曲形状、直線形状、折曲がり形状、またはそれらの組合わせとすることができる。また、図示は省略するが、狭窄ネックの側壁には、該側壁から突出する突起を複数配置することもでき、この構成によれば、狭窄ネックの不測の閉塞を防ぐことができる。
なお、上述の狭窄ネックの寸法および形状等は、一つの共鳴器4の一方側狭窄ネック42aおよび他方側狭窄ネック42bの延在長さL1、L2が本発明の関係を満たせば、1つの共鳴器4の、複数の狭窄ネックのそれぞれを、または、1列のリブ状陸部3内もしくはリブ状陸部3間で複数の共鳴器4の狭窄ネックを、任意の寸法および形状にすることができる。
さらに、共鳴器4の気室41は、該気室41の、陸部表面への開口形状を、円形、楕円形等の曲線輪郭形状(図4(a)〜(c))または多角形輪郭形状(図1、図4(d)〜(g))等の任意の形状にすることができ、さらに、気室41の底部の断面形状を、平坦状、湾曲状等にすることができる。なお、複数の共鳴器4のそれぞれの気室41の開口形状等は、1列のリブ状陸部3内またはリブ状陸部3間で、同一とすることも異なるものとすることもできる。
なお、図1等に示すところでは、それぞれの共鳴器4の気室41は、リブ状陸部3内で、一方(図1ではタイヤ幅方向内側)の周溝2よりも他方(図1ではタイヤ幅方向外側)の周溝2寄りに配置させているが、リブ状陸部3の中央、または一方の周溝2寄りに配置させることもできる。
さらに、図示しないが、1列のリブ状陸部3内で、本発明の共鳴器4を、上述のように、共鳴器4の狭窄ネックおよび/または気室41の寸法または形状等を変化させてそれぞれ異なる共鳴周波数を有する共鳴器4を複数個配設することができる。
また、トレッド踏面Tに配設した共鳴器4を所期の共鳴周波数となるように形成して十分に機能させ、また、共鳴器4が有する全ての狭窄ネックを、先述した接地条件の下でも、接地面内で路面に開口させるため、1つの共鳴器4が有する一方側狭窄ネック42aおよび他方側狭窄ネック42bの合計本数は、2本〜4本であることが好ましい。
なお、図4(f)に示す共鳴器4は、一方側狭窄ネック42aおよび他方側狭窄ネック42bをそれぞれ2本、1本としており、一方側狭窄ネック42cの本数を他方側狭窄ネック42bに比して多くしているが、他方側狭窄ネック42bの本数を多くすることもできる。また、図4(g)では、一方側狭窄ネック42aおよび他方側狭窄ネック42bともに2本としている形態を示している。
さらに、相互に断面積の異なる2本の周溝2に区画される陸部3に、狭窄ネックを3本以上有する共鳴器4を設けた場合、その共鳴器4を十分に機能させる観点から、断面積の相対的に小さい周溝2に、一方側狭窄ネック42aが開口し、断面積の相対的に大きい周溝2に、他方側狭窄ネック42bが開口し、さらに、一方側狭窄ネック42aの本数を他方側狭窄ネック42bの本数よりも多くすることが好ましい。
これとは逆に、上記の場合において、断面積の相対的に大きい周溝2に、一方側狭窄ネック42aが開口し、断面積の相対的に小さい周溝2に、他方側狭窄ネック42bが開口し、さらに、一方側狭窄ネック42aの本数を他方側狭窄ネック42bの本数よりも少なくすることで、操縦安定性の悪化を伴わずに、共鳴器4をより機能させることができる。
ところで、本発明の空気入りタイヤ1では、一方側狭窄ネック42aおよび他方側狭窄ネック42bのそれぞれの、気室41に対する延在方向の如何は問わないが、タイヤ1が転動する際に、狭窄ネック42a、42bおよび気室41の、陸部表面への開口縁が路面に衝突することで発生するピッチノイズを低減させるとの観点からは、それぞれの狭窄ネック42a、42bが、気室41に対して、図4(e)に示すようにトレッド周方向内側に向かって延在せず、気室41に対して、図1、図4(a)〜(c)等に示すようにトレッド周方向外側に向かって延在することが好ましい。換言すれば、狭窄ネック42a、42bおよび気室41の、リブ状陸部3の幅方向での重なりが少なくなるように、狭窄ネック42a、42bを延在させることが好ましい。さらに、このような観点から、狭窄ネック42a、42bは、図1、図4(a)等に示すように、気室41のトレッド周方向外端位置からトレッド周方向外側に向かって延びて周溝2に開口させることが好ましい。
なお、共鳴器4を配置したリブ状陸部3の剛性を、例えばリブ状陸部3間で調整するために、図4(d)に示すように、一方側狭窄ネック42aおよび他方側狭窄ネック42bを、気室41の、それぞれ同じトレッド周方向の端部から、トレッド周方向でそれぞれ反対方向に向かって延在させることもできる。さらに、図4(d)に示す共鳴器4について、一方側狭窄ネック42aおよび他方側狭窄ネック42bを、気室41の、それぞれ同じトレッド周方向の端部から、それぞれ同じトレッド周方向に向かって延在させることもできる。
さらに、図1に示す、トレッド踏面Tに配設したそれぞれの共鳴器4は、リブ状陸部3間で、トレッド周方向にずれて位置しているが、トレッド周方向に同じ位置とすることもできる。
また、断面積が互いに異なる2本の周溝間に区画されるリブ状陸部には、本発明の共鳴器以外に、一本の狭窄ネックのみを有する共鳴器および/または一方側狭窄ネックと他方側狭窄ネックとのそれぞれの断面積が異なる共鳴器等の公知の共鳴器をさらに配設することもできる。
さらに、トレッド踏面Tには、図1に示す、タイヤ幅方向中央側のリブ状陸部3にも、本発明の共鳴器および/または公知の共鳴器を配設することができる。
さらにまた、トレッド踏面Tには、図1に示すように、共鳴器4の他にサイプ5や排水性を確保するため等の溝などを設けることができる。なお、サイプ5とは、適用リムに組み付けたタイヤ1に規定の空気圧を充填して最大負荷荷重の80%の荷重を負荷させた前述の接地条件で接地面内で閉塞し、適用リムに組み付けたタイヤ1に規定の空気圧を充填した無負荷状態では接地面内で開口して、その開口幅が1.5mm以下となる溝を指すものとする。
続いて、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤを、図5を用いて説明する。なお、以下では、先の空気入りタイヤ1と同様の構成を有する部材については詳細な説明を省略する。
本発明の他の実施形態の空気入りタイヤ11は、図5に示すような、トレッド踏面Tの両側の接地端のうち一端側Ea(図5では、右側)が、タイヤ11が車両に装着された場合の車両側となり、接地端のうち他端側Eb(図5では、左側)が、車両の外側となる、タイヤの車両への装着方向指定の空気入りタイヤ11である。また、このタイヤ11は、車両の正面視で左右のそれぞれのタイヤ11の、路面側の部分が車両の外側を向くキャンバー角を付与した姿勢で車両に装着するものである。
ここで、この実施形態では、図5に示すように、トレッド踏面Tに4本以上の周溝12、図示では、4本の周溝12が設けられている。そして、図示では、周溝12によって区画される、タイヤ赤道面Cが通る中央リブ状陸部13aと、その両隣の2列の中間リブ状陸部13bとが配設されている。
また、この実施形態では、中間リブ状陸部13bを区画する隣り合う2本の周溝12のそれぞれの断面積が、他端側Ebの周溝12が一端側Eaの周溝12よりも大きくなっている。また、一端側Eaのタイヤ半部に設けられたそれぞれの周溝12の断面積は、他端側Ebのタイヤ半部に設けられたそれぞれの周溝12の断面積よりも大きくなっている。すなわち、4本の周溝12は、断面積が周溝12c、周溝12d、周溝12a、周溝12bの順で大きくなっている。
さらに、図5に示すように、一端側Eaの中間リブ状陸部13bは、他端側Ebの中間リブ状陸部13bよりもタイヤ赤道面C寄りに位置するとともに、中央リブ状陸部13aは、タイヤ赤道面Cに対して他端側Eb寄りに位置している。
そして、一端側Eaの中間リブ状陸部13bに配設した共鳴器14のそれぞれの気室141は、他端側Ebの中間リブ状陸部13bに配設した共鳴器14のそれぞれの気室141と比較して、気室141の容積が大きくなっている。
また、一端側Eaの共鳴器14の一方側狭窄ネック142aおよび他方側狭窄ネック142bは、気室141のトレッド周方向の両端部からそれぞれトレッド周方向で反対方向に延びている。また、他端側Ebの共鳴器14の一方側狭窄ネック142aおよび他方側狭窄ネック142bは、気室141のトレッド周方向の一の端部からそれぞれトレッド周方向で反対方向へ延びている。
さらに、リブ状陸部13を区画する2本の周溝12のうちの断面積が小さい周溝12に、一方側狭窄ネック142aが開口し、2本の周溝12のうちの断面積が大きい周溝12に、他方側狭窄ネック142bが開口するように、共鳴器14がリブ状陸部13に配設されている。
この実施形態によれば、例えばタイヤ11の車両への装着時にキャンバー角を設定する場合、一端側Eaのタイヤ半部に相対的に大きな断面積を有する周溝12を配設することがあるが、かかる場合、相対的に断面積の大きい周溝12から音圧の大きい気柱共鳴音が生じる。したがって、一端側Eaのタイヤ半部に配設した共鳴器14のそれぞれの気室141の容積が、他端側Ebのタイヤ半部に配設した共鳴器14のそれぞれの気室141の容積と比較して大きくすることで、より効果的に気柱共鳴音を低減することができる。
また、一端側Eaの共鳴器14と、他端側Ebの共鳴器14とで、一方側狭窄ネック142aおよび他方側狭窄ネック142bが、それぞれ延在する気室のトレッド周方向の端部が異なるので、一端側Eaと他端側Ebとで陸部の剛性の調整をすることができる。
さらに、断面積が相対的に大きい周溝12に、延在長さが短い他方側狭窄ネック142bを開口させているので、より効果的に気柱共鳴音を低減させることができる。
なお、図5に示すところでは、トレッド踏面Tの中央リブ状陸部13aには、共鳴器14を配設していないが、本発明の共鳴器14および/または公知の共鳴器を配設することもできる。
また、トレッド踏面T内のそれぞれの陸部にはサイプ15を複数本設けることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の空気入りタイヤは、上記の例に限定されることは無く、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る実施例のタイヤ、および、比較例のタイヤを試作し、以下に示す実験1〜3を行った。
[実験1]
実験1では、下記のように、共鳴器の、一方側狭窄ネックおよび他方側狭窄ネックのそれぞれの延在長さを変化させた空気入りタイヤを試作し、各タイヤの共鳴器の、周溝で発生する気柱共鳴音の低減効果を、騒音試験により確かめた。
参考例1のタイヤは、図1に示すトレッドパターンを有する、タイヤサイズが195/45R15の乗用車用空気入りタイヤである。具体的には、トレッド周方向に延びる周溝を4本設け、そのうちタイヤ幅方向内側の2本の周溝は、断面積64mmであり、タイヤ幅方向外側の2本の周溝は、断面積80mmである。また、それらの断面積の異なる周溝に区画された陸部に、長さ11mmおよび断面積3mm(幅0.75mm、深さ4mm)の一方側狭窄ネックと、長さ10mmおよび断面積3mm(幅0.75mm、深さ4mm)の他方側狭窄ネックと、容積1560mmの気室とを有する、共鳴周波数が990Hzの共鳴器が、1列のリブ状陸部に52個配置されている。なお、一方側狭窄ネックがタイヤ幅方向内側の断面積が小さい周溝に開口し、他方側狭窄ネックがタイヤ幅方向外側の断面積が大きい周溝に開口している。
また、参考例2〜9のタイヤは、一方側狭窄ネック、他方側狭窄ネックの各寸法を表1に示す諸元に変更するとともに、共鳴周波数を参考例1のタイヤとほぼ同一にするために狭窄ネックの寸法を調整した以外は、参考例1のタイヤと同様である。
さらに、実施例10〜15のタイヤは、一方側狭窄ネックがタイヤ幅方向外側の断面積が大きい周溝に開口し、他方側狭窄ネックがタイヤ幅方向内側の断面積が小さい周溝に開口している。また、一方側狭窄ネック、他方側狭窄ネックの各寸法を表1に示す諸元に変更するとともに、共鳴周波数を参考例1のタイヤとほぼ同一にするために狭窄ネックの寸法を調整した以外は、参考例1のタイヤと同様である。
さらにまた、比較例1のタイヤは、一方側狭窄ネック、他方側狭窄ネックの各寸法を同じ長さに変更するとともに、共鳴周波数を参考例1のタイヤとほぼ同一にするために狭窄ネックの寸法を調整した以外は、参考例1のタイヤと同様である。
騒音試験は、上記のタイヤをサイズ7.5J−15のリムに装着し、内部に180kPaの空気圧を適用して、車両に取り付けた。該車両を、速度80km/hの定速で走行させた後、エンジンを停止して車両を惰性走行させた。そして、車両中心から側方に7.5mの位置、地面からの高さ1.2mでJASO C606に定める条件に従って側方音を測定し、1/3オクターブバンドで中心周波数800Hz−1000Hz−1250Hzの帯域のオーバオール値を求めた。該オーバオール値が小さい程、空気入りタイヤのトレッド踏面に配設した共鳴器の騒音低減効果が大きいことを示す。参考例1〜9、実施例10〜15および比較例1のタイヤの結果を表1に示す。
なお、これら試作したタイヤに設けた共鳴器は、上述の式(1)および(2)に対応するものとし、音速cは、343.7m/sとした。
また、操縦安定性試験は、参考例1〜9、実施例10〜15および比較例1のタイヤを、上記の騒音試験と同様にして、車両に取り付けた。そして、ドライバーが該車両を走行させた際の、操縦安定性を官能評価し、比較例1のタイヤについての操縦安定性を10段階評点で7点として、相対評価した。相対評価した結果を表1に示す。点数が大きいほど、操縦安定性が良いことを示す。
Figure 2014213849
表1より、参考例1〜9、実施例10〜15のタイヤでは、一方側狭窄ネックの延在長さと、他方側狭窄ネックの延在長さとを異なるものとしたので、比較例1のタイヤと比較して、気柱共鳴音を低減させることができた。また、表1より、実施例10〜15のタイヤでは、断面積の大きい周溝に一方側狭窄ネックが開口し、断面積の小さい周溝に他方側狭窄ネックが開口しているので、比較例1のタイヤと比較して気柱共鳴音が低減され、参考例1〜9のタイヤと比較して操縦安定性が確保されていることがわかる。
[実験2]
実験2では、参考例3のタイヤについて、共鳴器の共鳴周波数、および一方側狭窄ネックの延在長さと他方側狭窄ネックの延在長さとの関係を変えずに、一方側狭窄ネックおよび他方側狭窄ネックのそれぞれの本数を変化させた下記のタイヤを試作して、周溝で発生する気柱共鳴音の低減効果を、騒音試験により確かめた。
参考例16のタイヤは、一方側狭窄ネックの本数を2本に、参考例17のタイヤは、他方側狭窄ネックの本数を2本に、参考例18のタイヤは、一方側狭窄ネックおよび他方側狭窄ネックの本数をそれぞれ2本に変更した以外は、参考例3のタイヤと同様である。
なお、騒音試験は、上記の方法と同様である。これら結果を表2に示す。
Figure 2014213849
*延在長さL1'およびL2'は、1本の狭窄ネックの延在長さを示し、L1=L1'×本数、L2=L2'×本数である。
表2より、参考例3、16〜18のタイヤでは、狭窄ネックの本数を変化させても、比較例1に比して、気柱共鳴音を低減することがわかった。
[実験3]
実験3では、参考例3のタイヤについて、図4(e)一方側狭窄ネックおよび他方側狭窄ネックのそれぞれの気室からの延在方向を、気室に対してトレッド周方向内側に向けたトレッドパターンを有する参考例19のタイヤを試作して、周溝で発生する気柱共鳴音の低減効果、および、ピッチノイズを、騒音試験により確かめた。
なお、ピッチノイズについての騒音試験は、気柱共鳴音の騒音試験と同様に測定し、そして、ピッチノイズの周波数が、車両の速度、タイヤの周長、共鳴器の個数等で変化するところ、各供試タイヤでは1/3オクターブバンドで中心周波数630Hzの帯域のオーバオール値をピッチノイズとして、その値を求めた。該オーバオール値が小さい程、ピッチノイズが低減されていることを示す。この結果を表3に示す。
Figure 2014213849
この試験の結果、参考例3のタイヤでは、一方側狭窄ネックおよび他方側狭窄ネックのそれぞれの気室からの延在方向を、気室に対してトレッド周方向外側に向けたので、参考例19のタイヤと比較して、ピッチノイズを低減することができる。
本発明によれば、共鳴器が発揮する騒音低減性能を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
1、11:空気入りタイヤ 2、12:周溝 12a、12b、12c、12d:周溝 3、13:リブ状陸部 13a:中央リブ状陸部 13b:中間リブ状陸部 4、14:共鳴器 41、141:気室 42a、142a:一方側狭窄ネック 42b、142b:他方側狭窄ネック 5、15:サイプ C:タイヤ赤道面 Ea:一端側 Eb:他端側 L1、L2:延在長さ T:トレッド踏面

Claims (2)

  1. トレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる周溝を少なくとも2本設け、前記周溝のうち、断面積が互いに異なる2本の周溝間に区画される陸部に、該周溝から離間した位置で陸部表面に開口する気室と、該気室を前記2本の周溝のうちの一方の周溝に連通させる1本以上の一方側狭窄ネックと、前記気室を他方の周溝に連通させる1本以上の他方側狭窄ネックとを有する共鳴器を配設した空気入りタイヤであって、
    前記共鳴器は、前記気室と、前記一方側狭窄ネックと、前記他方側狭窄ネックとで気柱共鳴音を低減し、
    1つの前記共鳴器について、前記一方側狭窄ネックが2本以上存在する場合は、当該一方側狭窄ネックの延在長さの総計を、一方側狭窄ネックの延在長さとし、且つ、当該一方側狭窄ネックの断面積の総計を、一方側狭窄ネックの断面積とし、
    1つの前記共鳴器について、前記他方側狭窄ネックが2本以上存在する場合は、当該他方側狭窄ネックの延在長さの総計を、他方側狭窄ネックの延在長さとし、且つ、当該他方側狭窄ネックの断面積の総計を、他方側狭窄ネックの断面積とし、
    前記一方側狭窄ネックと前記他方側狭窄ネックとは互いに断面積が略同一であり、
    前記一方側狭窄ネックの延在長さが、前記他方側狭窄ネックの延在長さよりも長く、
    断面積が相対的に大きい前記一方の周溝に、前記一方側狭窄ネックが開口し、断面積が相対的に小さい前記他方の周溝に、前記他方側狭窄ネックが開口することを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記一方側狭窄ネックの延在長さが、前記他方側狭窄ネックの延在長さの1.1〜3.2倍であることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。

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