JP2009081269A - 縦型窒化物半導体デバイス及びその製造方法 - Google Patents

縦型窒化物半導体デバイス及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶性がよく且つクラックの低減された高品質の縦型窒化物半導体デバイスをシリコン基板上に安価に製造する方法を提供すること。
【解決手段】S301で、有機金属気相成長(MOVPE)装置において、このMOVPE装置の動作基板温度範囲に分解温度が属する炭素源を用いてシリコン基板201を炭化し、炭化珪素層202を形成する。S302で、継続してこのMOVPE装置において、炭化珪素層202上にAlGaNバッファ層203を形成する。そしてS303で、継続してこのMOVPE装置において、AlGaNバッファ層203上に窒化物半導体層204を積層する。S304で、電極の形成等を行う。本発明では、シリコン基板上の、結晶性がよく且つクラックの低減された高品質の縦型窒化物半導体デバイスも提供される。
【選択図】図3

Description

本発明は、縦型窒化物半導体デバイス及びその製造方法に関し、より詳細には、シリコン基板上の縦型窒化物半導体デバイス及びその製造方法に関する。
GaNに代表される窒化物半導体は、ワイドバンドギャップを有するため、電子デバイスとして低損失かつ高電圧で動作することが期待でき、パワーエレクトロニクス用の半導体材料として有望視されている。
しかし、窒化物半導体デバイスの製造において、窒化物半導体成長用基板として何を用いるかが大きな問題となる。従来用いられている基板として、炭化珪素、窒化ガリウム(GaN)、サファイアが存在しているが、炭化珪素基板と窒化ガリウム基板は非常に高価であり、また大口径ウェハが存在しない。そのため、製造された窒化物半導体デバイスは必然的に高価なものとなってしまう。また、サファイア基板は熱伝導性が低く基板自体が絶縁性であるため、高出力・高電流密度動作が期待される縦型伝導構造を製造することができない。これらの欠点が窒化物半導体デバイスのパワーエレクトロニクス用途への普及を阻害する要因となっていた。
そこで、シリコン(Si)基板は成熟したプロセス技術を持ち、また廉価かつ大面積のウェハを利用できるため、窒化物半導体成長用基板としての利用が熱望されている。ところが非特許文献1に示されているように、シリコン基板上に直接に窒化ガリウム層を積層すると、ガリウム原子によるシリコンのメルトバックエッチングが生じてシリコン基板表面が荒れ、良好な結晶性を有する窒化物半導体層が得られない。また、シリコン基板は窒化ガリウム等の窒化物半導体と格子定数(GaNでは0.302Å、Siでは0.543Å)の差が大きく、熱膨張係数(GaNでは5.59×10‐6/K、Siでは3.59×‐6/K)の差も大きいことから、結晶成長温度から室温へと降温するときに窒化物半導体層に亀裂(クラック)が生じてしまう。
従来の研究では、上記問題点を解決するため、AlGaN/AlN中間層をシリコン基板と窒化ガリウムとの間に挿入するか(非特許文献2参照)、またはGaN/AlN超格子バッファ層を挿入している(非特許文献3参照)。一例として、非特許文献2記載の試料構造を図1に示す。非特許文献2の著者らは、AlNバッファ層102とAlGaN層103からなるAlGaN/AlN中間層104によって、結晶性が良く且つクラックの低減されたGaN層105をシリコン基板101上に積層している。しかしこれらの技術では、依然としてシリコン基板と中間層との間の格子定数および熱膨張係数の差があり、結晶性の劣化やクラックの発生という問題が残る。さらに、絶縁性であるAlNバッファ層を用いることから、縦型伝導構造を実現できない。
そこで、シリコン基板上に窒化物半導体デバイスを形成する方法として、シリコン基板上に炭素イオンを注入して炭化珪素層を形成し、その上に窒化物半導体層を作製した例がある(特許文献1参照)。炭化珪素層は、シリコン基板との格子定数および熱膨張係数の差がAlN等と比較して小さく、バッファ層として適している。また、導電性であり縦型伝導構造を実現できる。
特開2005−203666号公報 H. Ishikawa, K. Yamamoto, T. Egawa, T. Soga, T. Jimbo, and M. Umeno: J. Cryst. Growth vol.189/190, 1998, pp. 178-182 H. Ishikawa, G. Y. Zhao, N. Nakada, T. Egawa, T. Jimbo, and M. Umeno: Jpn. J. Appl. Phys., vol. 38, No. 5A, May 1999, pp. L492-L494 T. Egawa, T. Moku, H. Ishikawa, K. Ohtsuka, and T. Jimbo, Jpn. J. Appl. Phys., vol. 41, No. 6B, June 2002, pp. L663-L664 A. S. Bakin, A. A. Ivanov, D. Pieter, T. Riedl, F. Hitzel, H. H. Wehmann and A.Schlachetzki, Materials Science Forum, vol. 353-356, 2002, pp. 163-166 J. Komiyama, Y. Abe, S. Suzuki and H. Nakanishi, J. Appl. Phys, vol. 100, August 2006, pp. 033519
しかしながらこの技術では、炭化珪素層の形成に当たり、炭素をイオン注入する工程と、イオン注入したシリコン基板を熱処理して炭化珪素層を形成する工程と、炭化珪素層上部に存在する酸化シリコン層、シリコン層および多結晶炭化珪素層を含む不要層を除去し、炭化珪素層を露出する工程とを必要とし、製造プロセスが複雑になる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされてものであり、その第1の目的は、結晶性がよく且つクラックの低減された高品質の縦型窒化物半導体デバイスをシリコン基板上に安価に製造する方法を提供することにある。また第2の目的は、シリコン基板上の、結晶性がよく且つクラックの低減された高品質の縦型窒化物半導体デバイスを提供することにある。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリコン基板上の縦型窒化物半導体デバイスであって、前記シリコン基板と、前記シリコン基板上の炭化珪素層と、前記炭化珪素層上のAlx1Ga1-x1Nバッファ層(x1>0)と、前記Alx1Ga1-x1Nバッファ層上の窒化物半導体層とを備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記x1は、0.05<x1<0.50であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記シリコン基板およびAlx1Ga1-x1Nバッファ層はn型であり、前記窒化物半導体層は、不純物ドーピングされた第1のn型Alx2Ga1-x2N層(x2≧0)、前記第1のn型Alx2Ga1-x2N層よりも低濃度に不純物ドーピングされた第2のn型Alx3Ga1-x3N層(x3≧0)、およびp型ドーピングされたInGaN層を順次形成した層構造を有することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3において、x1>x2およびx1>x3であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、縦型窒化物半導体デバイスをシリコン基板上に製造する方法であって、MOVPE装置において、前記MOVPE装置の動作基板温度範囲に分解温度が属する炭素源を用いて前記シリコン基板を炭化し、炭化珪素層を形成する炭化珪素層形成ステップと、前記MOVPE装置において、前記炭化珪素層上にAlx1Ga1-x1Nバッファ層(x1>0)を形成するAlGaNバッファ層形成ステップと、前記MOVPE装置において、前記Alx1Ga1-x1Nバッファ層上に窒化物半導体層を積層する窒化物半導体層積層ステップとを含むことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記x1は、0.05<x1<0.50であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6において、前記動作基板温度範囲は、600℃から1100℃程度であることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項5から7のいずれかにおいて、前記炭素源は、四臭化炭素(CBr4)であることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8において、前記MOVPE装置を、900℃から1000℃程度で動作させることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項5から9のいずれかにおいて、前記炭化珪素層形成ステップ中に、シラン(SiH4)を同時に前記シリコン基板の表面に供給することを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項5から10のいずれかにおいて、前記シリコン基板およびAlx1Ga1-x1Nバッファ層はn型であり、前記窒化物半導体層は、不純物ドーピングされた第1のn型Alx2Ga1-x2N層(x2≧0)、前記第1のn型Alx2Ga1-x2N層よりも低濃度に不純物ドーピングされた第2のn型Alx3Ga1-x3N層(x3≧0)、およびp型ドーピングされたInGaN層を順次形成した層構造を有することを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11において、x1>x2およびx1>x3であることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項11または12において、前記第2のn型Alx3Ga1-x3N層は、意図的に不純物ドーピングを行わないことで形成されることを特徴とする。
本発明によれば、炭化珪素層およびAlxGa1-xNバッファ層(x>0)をシリコン基板と窒化物半導体層との間に備えることにより、シリコン基板上の、結晶性がよく且つクラックの低減された高品質の縦型窒化物半導体デバイスを提供することができる。
また、本発明によれば、MOVPE装置の動作基板温度範囲に分解温度が属する炭素源を用いてシリコン基板を炭化して炭化珪素層を形成することにより、炭化珪素層の形成、AlGaNバッファ層の形成、そして窒化物半導体層の積層を同一装置内で継続して実行できる。したがって、プロセス工程が大幅に簡素化され、シリコン基板上の縦型窒化物半導体デバイスを低コスト化できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図2は、本発明に係るシリコン基板上の縦型窒化物半導体デバイスを示している。縦型窒化物半導体デバイス200は、シリコン基板201と、シリコン基板上の炭化珪素層202と、炭化珪素層202上のAlGaNバッファ層203と、AlGaNバッファ層203上の窒化物半導体層210とを備える。さらに、シリコン基板201および窒化物半導体層210の表面に、それぞれ電極204および205を備え、縦型伝導構造を構成する。
シリコン基板201は、n型でもp型でもよい。炭化珪素層202は、立方晶炭化珪素層とすることができる。この層の形成方法については後に詳述する。AlGaNバッファ層203は、より正確にはAlxGa1-xN(x>0)により構成されたバッファ層である。窒化物半導体層210は、pn接合ダイオードやショットキーダイオード等の所望のデバイスを実現するための層構造を有する。
本発明に係る縦型窒化物半導体デバイス200は、シリコン基板201と窒化物半導体層210との間に、炭化珪素層202およびAlGaNバッファ層203を備える。シリコン基板201とGaNとの格子定数差は約17%であり且つ熱膨張係数差が55%と大きいが、炭化珪素層202はGaNとの格子定数差が約3%であり、熱膨張係数差が約24%と小さいため、シリコン基板上にGaNを形成するためのバッファ層として適している。したがって、炭化珪素層202を備えることにより、格子定数差および熱膨張係数差が小さくなるので、結晶性がよく且つクラックの低減された窒化物半導体層210をその上に形成していくことができる。縦型窒化物半導体デバイス200では、炭化珪素層202と、所望のデバイスを実現する窒化物半導体層210との間にAlGaNバッファ層203をさらに備えており、この存在によって窒化物半導体層210の結晶性をさらに向上し且つクラックを低減できる。AlxGa1-xN(x>0)はAlN等とは異なり導電性であるため、縦型伝導構造の支障とならない。特に0.05<x<0.50の範囲おいて、従来のSiC基板上に製造した窒化物半導体デバイスと同等のオン抵抗が得られることを実験的に確認している。ここで「オン抵抗」とは、順方向電流−電圧特性において100mAでの微分抵抗である。
図3は、本発明に係る縦型窒化物半導体デバイスの製造方法のフローチャートである。まずS301で、有機金属気相成長(MOVPE)装置において、このMOVPE装置の動作基板温度範囲に分解温度が属する炭素源を用いてシリコン基板201を炭化し、炭化珪素層202を形成する。MOVPE装置は一般に、基板温度を600℃から1100℃程度とする条件下で動作するのが最適である。個々の装置により最適な基板温度は異なるが、このような基板温度を超える高温プロセスは通常のヒーター加熱による最高到達温度の観点から困難である。また、このような基板温度未満の低温プロセスは原料ガスの分解温度の観点から困難である。本明細書では、各MOVPE装置において最適な基板温度範囲を「動作基板温度範囲」と呼ぶ。
次にS302で、継続してこのMOVPE装置において、炭化珪素層202上にAlGaNバッファ層203を形成する。そしてS303で、継続してこのMOVPE装置において、AlGaNバッファ層203上に窒化物半導体層204を積層する。電極204および205の形成等のその後の工程は従来技術に基づいて行うことができるのでここでは説明しない。
本発明に係る縦型窒化物半導体デバイスの製造方法では、分解温度が比較的低温であり、使用するMOVPE装置の動作基板温度範囲に属する炭素源を用いることで、炭化珪素層の形成、AlGaNバッファ層の形成、そして窒化物半導体層の積層を同一装置内で継続して実行できる。したがって、プロセス工程が大幅に簡素化され、シリコン基板上の縦型窒化物半導体デバイスを低コスト化できる。なお、分解温度とは、原料ガスが高温により分解され結晶成長に寄与する原子または分子の形態になる温度をいう。
適当な炭素源としては、四臭化炭素(CBr4)が挙げられる。非特許文献4には、1000℃以下の温度でシリコン基板上に炭化珪素層を形成する方法が記載されている。四臭化炭素(CBr4)を用いる場合、MOVPE装置を900℃から1000℃程度で動作させることが特に好ましい。
シリコン基板上に炭化珪素層を形成する場合、一般的にはプロパン又は炭化水素とシランを用い、基板温度1300℃から1350℃で化学気相堆積(CVD)法によって行われる。上述のように通常のMOVPE装置ではこのような高温プロセスは困難であり、プロパン又は炭化水素を用いた炭化珪素層の形成をMOVPE装置において行うことはできない。したがって別個のCVD装置等を用いることが必須となるので、プロセス工程の複雑化・高コスト化を招く。
非特許文献5には、炭化珪素層を介してシリコン基板上に窒化物半導体層を積層する方法として、プロパンとシランを用いて炭化珪素層を形成する方法が報告されている。この製造方法では、基板温度として1100℃を用いており、上述の1300℃から1350℃よりも低温であるが、MOVPE装置の動作基板温度範囲に属するほど十分に低温ではない。動作基板温度範囲の上限が例えば1200℃などのように1100℃を超えて、より高温でのプロセスが可能となれば、非特許文献5に記載のようなプロパンを炭素源とすることも考えられる。
実施例1
図4は、本実施例に係る縦型窒化物半導体デバイスを示している。以下のように形成した。まず、MOVPE法により、n型導電性シリコン基板401の基板温度を600℃とし、四臭化炭素(CBR4)50ccを5分間流して、シリコン基板401の(111)面に炭化珪素層402を形成した。
継続して、100nmのn型AlGaNバッファ層403(Al組成10%)、500nmのn型GaN層411、200nmのn型GaN層412、140nmのp型InGaN層413(In組成10%)を順次成長した。ここで、高濃度Si不純物ドーピング層と低濃度Si不純物ドーピング層を区別するために、低濃度のSi不純物層には「n」の記号を、高濃度の不純物層には「n」の記号を用いる。n型およびp型不純物にはSiおよびMgを用いた。n型AlGaNバッファ層403、n型GaN層411、およびn型GaN層412のSi不純物ドーピング濃度は、それぞれ2×1019、2×1018、および1×1017cm‐3である。p型InGaN層413のMg不純物ドーピング濃度は4×1019cm‐3である。
メサ構造の作製にはECRエッチング法を用いた。電子ビーム蒸着により、シリコン基板401の裏面にAl/Auのオーミック電極404、p型InGaN層413の表面にはPd/Auのオーミック電極405を形成した。オーミック電極405の大きさは100μm×100μmである。
光学顕微鏡による試料表面観察では、クラックのない窒化物半導体層が積層されていることを確認した。また、この構造におけるオン抵抗は1.1mΩcm2と、pn接合ダイオードにおいて非常に低い値を実現した。一般的にシリコン基板上の窒化物半導体成長にはAlNバッファ層が用いられるが、シリコンとAlNの伝導帯不連続による大きなヘテロ障壁のため素子の直列抵抗が高くなる欠点があった。これに対して本実施例に係る窒化物半導体デバイス400では、AlNバッファ層を炭化珪素層上のAlGaNバッファ層とすることによりヘテロ障壁を低減し、低いオン抵抗を実現している。
さらに、逆方向電流−電圧特性における降伏電圧は60Vと高く、電圧を保持するn型GaN層の膜厚は200nmであることから、対応する絶縁破壊電圧は3.0MV/cmとGaNにおける理論値と同等であることが分かる。よって、高品質な窒化物半導体層がシリコン基板上に積層していると考えられる。
なお、本実施例ではシリコン基板401の(111)面を用いたが、それは、この面が窒化物半導体層の(0001)面と同じ構造を有し、高品質な結晶を作製できるためである。他の面方位を用いても結晶性がよく且つクラックの低減された窒化物半導体層を形成可能である。
また、本実施例では、InxGa1-xN層(x=0.1)を用いたが、In組成xは0%から30%の範囲であれば良質な結晶性の膜が作製可能なので、この範囲の組成を用いることが好ましい。
また、n型GaN層412のドーピング濃度をさらに低減するために、意図的にドーピングを行わないアンドープGaN層を代わりに用いた構造も作製した。この場合、オン抵抗が1.2mΩcm2と高くなるが、降伏電圧は66Vと高くアンドープGaN層の膜厚は200nmであることから、対応する絶縁破壊電圧は3.3MV/cmとGaNにおける理論値と同等であることが分かる。
実施例2
図5は、本実施例に係る窒化物半導体デバイスを示している。以下のように形成した。実施例1と同様に、MOVPE法を用いてn型導電性シリコン基板501の表面に炭化珪素層502を形成した。
継続して、100nmのn型AlGaNバッファ層503(Al組成40%)、200nmのn型AlGaN層511(Al組成30%)、1800nmのアンドープAlGaN層512(Al組成30%)、140nmのp型InGaN層513(In組成10%)を順次成長した。n型およびp型不純物にはSiおよびMgを用いた。n型AlGaNバッファ層503およびn型AlGaN層511のSi不純物ドーピング濃度は、それぞれ2×1019および2×1018cm‐3である。p型InGaN層513のMg不純物ドーピング濃度は4×1019cm‐3である。
電子ビーム蒸着により、シリコン基板501の裏面にはAl/Auのオーミック電極504、p型InGaN層513の表面にはPd/Auのオーミック電極505を形成した。オーミック電極505の大きさは100μm×100μmである。
AlGaNはGaNよりもシリコン基板501および炭化珪素層502との格子定数および熱膨張係数の差が小さくなるため、1800nmという厚膜においても高品質でかつクラックのないアンドープAlGaN層512を積層することができる。ここで、アンドープAlGaN層512にクラックが入らないように、n型AlGaNバッファ層503のAl組成をn型AlGaN層511およびアンドープAlGaN層512のAl組成よりも高くし、各層に圧縮歪がかかるように素子構造を設計している。
逆方向電流−電圧特性における降伏電圧は640Vと非常に高い値を実現している。これは、第一に降伏電圧を決定するアンドープAlGaN層512の膜厚を増加させたため、第二にGaNよりもバンドギャップの大きなAlGaNを積層したことにより絶縁破壊電界が増大したため、第三にキャリア濃度を減少させるため電圧を保持する層をn型ではなくアンドープとしたためである。また、このときのオン抵抗は4.0mΩcm2であり、アンドープAlGaN層512の膜厚が増大することによって若干高くなるが許容範囲内である。
実施例3
図6は、本実施例に係る窒化物半導体デバイスを示している。以下のように形成した。実施例1と同様に、MOVPE法を用いて、n型導電性シリコン基板601の表面に炭化珪素層602を形成した。
継続して、100nmのn型AlGaNバッファ層603(Al組成10%)、500nmのn型GaN層611、200nmのn型GaN層612を順次成長した。n型不純物にはSiを用いた。n型AlGaNバッファ層603、n型GaN層611、およびn型GaN層612のSi不純物ドーピング濃度は、それぞれ2×1019、2×1018、および1×1017cm‐3である。
電子ビーム蒸着により、シリコン基板601の裏面にはAl/Auのオーミック電極604、n型GaN層612の表面にはPd/Auのショットキー電極605を形成した。ショットキー電極605の大きさは100μm×100μmである。
この構造の順方向電流−電圧特性におけるオン抵抗は1.0mΩcm2であり、実施例1と比較して若干低くなる。これはショットキーダイオードでは、抵抗の高いp型InGaN層が不要であるためである。逆方向電流−電圧特性における降伏電圧は、60Vと実施例1と同程度となった。これは、降伏電圧を決定するn型GaN層が高品質な結晶性を有していることを示している。
従来の、シリコン基板上に形成された窒化ガリウム層を示す図である。 本発明に係る、シリコン基板上の縦型窒化物半導体デバイスを示す図である。 本発明に係る、縦型窒化物半導体デバイスの製造方法のフローチャートである。 実施例1に係る縦型窒化物半導体デバイスを示す図である。 実施例2に係る縦型窒化物半導体デバイスを示す図である。 実施例3に係る縦型窒化物半導体デバイスを示す図である。
符号の説明
200 縦型窒化物半導体デバイス
201 シリコン基板
202 炭化珪素層
203 AlGaNバッファ層
204、205 電極
210 窒化物半導体層
400、500、600 縦型窒化物半導体デバイス
401、501、601 シリコン基板
402、502、602 炭化珪素層
403、503、603 AlGaNバッファ層
404、405、504、505 オーミック電極
411 n型GaN層
412 n-型GaN層
413、513 p型InGaN層
511 n型AlGaN層
512 アンドープAlGaN層
604 オーミック電極
605 ショットキー電極
611 n型GaN層
612 n-型GaN層

Claims (13)

  1. シリコン基板上の縦型窒化物半導体デバイスであって、
    前記シリコン基板と、
    前記シリコン基板上の炭化珪素層と、
    前記炭化珪素層上のAlx1Ga1-x1Nバッファ層(x1>0)と、
    前記Alx1Ga1-x1Nバッファ層上の窒化物半導体層と
    を備えることを特徴とする縦型窒化物半導体デバイス。
  2. 前記x1は、0.05<x1<0.50であることを特徴とする請求項1に記載の縦型窒化物半導体デバイス。
  3. 前記シリコン基板およびAlx1Ga1-x1Nバッファ層はn型であり、
    前記窒化物半導体層は、不純物ドーピングされた第1のn型Alx2Ga1-x2N層(x2≧0)、前記第1のn型Alx2Ga1-x2N層よりも低濃度に不純物ドーピングされた第2のn型Alx3Ga1-x3N層(x3≧0)、およびp型ドーピングされたInGaN層を順次形成した層構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の縦型窒化物半導体デバイス。
  4. 1>x2およびx1>x3であることを特徴とする請求項3に記載の縦型窒化物半導体デバイス。
  5. 縦型窒化物半導体デバイスをシリコン基板上に製造する方法であって、
    MOVPE装置において、前記MOVPE装置の動作基板温度範囲に分解温度が属する炭素源を用いて前記シリコン基板を炭化し、炭化珪素層を形成する炭化珪素層形成ステップと、
    前記MOVPE装置において、前記炭化珪素層上にAlx1Ga1-x1Nバッファ層(x1>0)を形成するAlGaNバッファ層形成ステップと、
    前記MOVPE装置において、前記Alx1Ga1-x1Nバッファ層上に窒化物半導体層を積層する窒化物半導体層積層ステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  6. 前記x1は、0.05<x1<0.50であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記動作基板温度範囲は、600℃から1100℃程度であることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記炭素源は、四臭化炭素(CBr4)であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記MOVPE装置を、900℃から1000℃程度で動作させることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記炭化珪素層形成ステップ中に、シラン(SiH4)を同時に前記シリコン基板の表面に供給することを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記シリコン基板およびAlx1Ga1-x1Nバッファ層はn型であり、
    前記窒化物半導体層は、不純物ドーピングされた第1のn型Alx2Ga1-x2N層(x2≧0)、前記第1のn型Alx2Ga1-x2N層よりも低濃度に不純物ドーピングされた第2のn型Alx3Ga1-x3N層(x3≧0)、およびp型ドーピングされたInGaN層を順次形成した層構造を有することを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載の方法。
  12. 1>x2およびx1>x3であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2のn型Alx3Ga1-x3N層は、意図的に不純物ドーピングを行わないことで形成されることを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
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