JP2009081151A - プラズマディスプレイパネル及びそれを使用したプラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマディスプレイパネルにおいて、高コントラストと高輝度を向上させる。
【解決手段】光吸収層11と光反射層12からなる積層部材13を各放電セル内で分散さ
せることで蛍光体発光光の反射回数を減らし、輝度低下を最小限に抑える。
【選択図】図1
【解決手段】光吸収層11と光反射層12からなる積層部材13を各放電セル内で分散さ
せることで蛍光体発光光の反射回数を減らし、輝度低下を最小限に抑える。
【選択図】図1
Description
本発明は、平面型テレビ等に用いられるプラズマディスプレイパネル(以下PDPとも称す)及びそれを使用したプラズマディスプレイ装置に関し、特に高輝度化高コントラスト化実現の為の構造に関する。
プラズマディスプレイパネルは、大画面、薄型,平面テレビに用いられており、高性能化が進んでいる。しかし、明室コントラスト、即ち、明るい環境(通常は家庭内居間の明るさ、すなわち照度150〜200 lxを想定)におけるコントラストはいまだ十分な性能とはいえない。
図2は、典型的プラズマディスプレイパネルの一例の構造の一部を示す分解斜視図である。プラズマディスプレイパネルは、前面基板と背面基板を貼り合わせた構造を有し、両基板間には放電ガスが封入されている。
前面板基板は、前面板ガラス1上に、維持放電(表示放電とも称す)のための、それぞれが透明電極2とバス電極3からなる複数の電極対(通常、電極対の一方をX電極と称し、他方をY電極と称す。図2には一対のみを示す)を有し、それら電極対は誘電体4と保護膜5により覆われている。背面基板は、背面ガラス基板6上にアドレス電極9を有し、アドレス電極9は誘電体8で覆われている。さらに誘電体8上には隔壁7が構成され、隔壁7間には赤、青,緑色蛍光膜10が形成されている。
前面基板側の電極と背面基板側の電極とが互いに概略直交するように(場合によっては、単に互いに交叉するように)、前面基板と背面基板の向きを合わせて、前面基板と背面基板とが封着され、両基板間の空隙部分には放電ガスが封入され、両基板間に複数のセルが形成されている。前面基板側の維持電極対と背面基板側のアドレス電極に電圧を選択的に印加することで、前記複数のセルの内の所望のセルに放電を起こす。本放電により真空紫外線が発生し、発生した真空紫外線が各色蛍光体10を励起することで赤、青、緑の発光がおこり、フルカラー表示を行う。
しかし、蛍光体10の体色(body color)は白色に近いことが多く、プラズマディスプレイパネルに入射した外光を蛍光膜10が反射してしまい、コントラストを低下させている。
コントラスト改善の方法として、光吸収層と光反射層からなるストライプ状積層部材を用い、輝度低下をおさえて高コントラストを実現する方法が、特許文献1に開示されている。その一例におけるパネルの正面図を図3に、そのIV−IV’線断面図を図4に示す。積層部材130は光吸収層110と光反射層120とからなり、プラズマディスプレイパネルに入射する外光は光吸収層110により吸収される。一方、蛍光膜10から光反射層120に入射し,蛍光膜10側へ反射された光は、再び蛍光膜10で反射されてプラズマディスプレイパネルの外部に放射される。
この従来技術を使った場合において、高コントラスト化実現の為、放電セルの開口率を減少させた際の様子を図5に示す。一つの放電セルの端部の蛍光膜10からの発光光は、蛍光膜10と光反射層120の間で何度も多重反射をする。蛍光膜10と光反射層120の、またはそれらのいずれかの表面での光反射が拡散反射であった場合、多重反射の回数はさらに増大する。ここで蛍光膜10及び光反射層120の反射率は100%未満であり、光は少なからず吸収されてしまう。そのため、セル内での反射回数の増加とともに、プラズマディスプレイパネルから出射される光の強度は減少してしまう。したがって、上記
従来技術においては、コントラストを向上させる目的で開口率を下げるに従い、輝度は減少してしまう。
従来技術においては、コントラストを向上させる目的で開口率を下げるに従い、輝度は減少してしまう。
以上、いわゆる3電極・面放電構造のac型PDPについて説明したが、本特許はPDP全般に適用可能であることは言うまでもない。たとえば、dc型のPDP(例えば、非特許文献1参照)や対向放電型のPDP(例えば、非特許文献2参照)にも適用可能である。
上記説明した構造のPDPでは、「本放電により真空紫外線が発生し、発生した真空紫外線が各色蛍光体を励起することで赤、青、緑の発光がおこり、フルカラー表示を行う」としているが、必ずしも真空紫外線で蛍光体を励起する場合だけでなく、通常の紫外線で蛍光体を励起する場合にも本発明を適用できることは言うまでもない。さらに、上記構造のPDPでは蛍光体により赤、青、緑の可視光を発生されるが、必ずしもこのような構造だけでなく、放電により直接可視光を発生させる構造にも本発明を適用できることは言うまでもない。さらに、上記可視光は赤、青、緑の光に限定されることなく、他の色の可視
光を発生させる場合、さらに単色の可視光を発生させる場合にも本発明を適用できることは言うまでもない。
光を発生させる場合、さらに単色の可視光を発生させる場合にも本発明を適用できることは言うまでもない。
「プラズマディスプレイ最新技術」(EDリサーチ社、1996)P.121
SID 93 digest P.173
本発明が解決しようとする問題点は、プラズマディスプレイパネルにおけるコントラスト向上であり、その際、輝度低下を抑えることにある。
本発明は上記のような課題を解決するものであり、主な手段は以下の通りである。
(1)表示放電を行う為の少なくとも一対の電極と、放電ガスと、該放電ガスの放電で発生する紫外線による励起で可視光を発光する蛍光膜とを少なくとも備える放電セルを、対向する一対の第1の基板と第2の基板の間に複数個形成したプラズマディスプレイパネルにおいて、表示用の可視光が出射する側の前記第1の基板の内側に、該第1の基板への外光が入射する側に配設された光吸収層と,前記蛍光膜側に配設された光反射層とが積層されてなる積層部材が形成されており、かつ前記放電セルの各々の平面形状内で前記積層部材に複数の開口が設けられていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
(2)前記開口部は二次元に規則的に配列されていることを特徴とする(1)に記載のプラズマディスプレイパネル。
(2)前記開口部は二次元に規則的に配列されていることを特徴とする(1)に記載のプラズマディスプレイパネル。
(3)前記開口部は樹枝状に設けられていることを特徴とする(1)に記載のプラズマディスプレイパネル。
(4)前記開口部の第1の基板への投影面積をS1、該投影面積S1内に占める前記光吸収層の面積総和をS2としたとき、開口率(S1ーS2)/S1が下記不等式を満足することを特徴とする(1)に記載のプラズマディスプレイパネル。
(4)前記開口部の第1の基板への投影面積をS1、該投影面積S1内に占める前記光吸収層の面積総和をS2としたとき、開口率(S1ーS2)/S1が下記不等式を満足することを特徴とする(1)に記載のプラズマディスプレイパネル。
0.1≦(S1ーS2)/S1≦0.8
(5)前記第1の基板の面内に含まれる一つの直線を含み,該第1の基板の面に垂直な断面において、前記一つの直線方向に測った放電セルの寸法をL、前記一つの直線方向に測った前記積層部材の寸法の最小値をLaとしたとき、下記不等式を満足する断面が少なくとも一つ存在することを特徴とする(1)に記載のプラズマディスプレイパネル。
(5)前記第1の基板の面内に含まれる一つの直線を含み,該第1の基板の面に垂直な断面において、前記一つの直線方向に測った放電セルの寸法をL、前記一つの直線方向に測った前記積層部材の寸法の最小値をLaとしたとき、下記不等式を満足する断面が少なくとも一つ存在することを特徴とする(1)に記載のプラズマディスプレイパネル。
0<La/L≦0.5
(6)プラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルに電圧を印加するための駆動手段とを少なくとも備えたプラズマディスプレイ装置において、前記プラズマディスプレイパネルは、表示用可視光を出射する前面基板と複数の放電セルとを備え、前記複数の放電セルの各々は、該放電セルに電圧を印加するための電極と、放電を形成するための放電ガスと、前記放電で可視光を発生する手段と、少なくとも光吸収層と光反射層とを積層して形成された積層部材とを少なくとも備え、前記前面基板は、前記放電を発生させる放電空間を形成,気密化する構成手段の一部を構成しており、ここで、前記前面基板を介して前記放電空間と反対側に存在する空間を視野空間とし、前記放電空間と接する側の前記前面基板の表面を、前記複数の放電セルの全体に拡張して考えた面を表示面とし、前記可視光の内で、前記表示面を通って前記視野空間に出射するものが表示用可視光として働くものとし、前記積層部材を含む平面を考え、前記放電空間を挟んで該平面と対向する該放電空間の境界をなす面を放電空間底面としたとき、前記表示面と垂直方向の該放電空間底面と前記積層部材の前記放電空間側表面との距離の平均をBM高さhdとし、前記積層部材は、前記放電空間内,前記放電空間と前記前面基板との間,又は前記前面基板内に配設され、前記光吸収層は前記視野空間側に,前記光反射層は前記放電空間側に配設されているものとし、前記表示面において前記積層部材の存在する領域をBM領域とし、前記表示面において前記放電空間から前記可視光が前記表示面を通って前記視野空間に射出しうる領域を透過領域とし、前記BM領域内の任意の点Aから前記透過領域までの最短距離の、点Aに関する平均値を積層部材のサイズ長Laveとしたとき、Lave/hd < 5であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
(7)前記放電空間内に複数の前記積層部材が分散して配置されている、又は、前記放電空間内に配置される積層部材中に複数の開口が形成されていることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(8)前記積層部材が電気的な絶縁物で構成されることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(9)前記積層部材が電気的な導体で構成されることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(10)前記積層部材が絶縁物と電気的な導体の組み合わせで構成されることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(11)前記積層部材が前記放電セルに電圧を印加するための電極と電気的に絶縁されて配置されることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(12)前記積層部材の一部が前記放電セルに電圧を印加するための電極の一部と電気的に接続されており、前記積層部材の一部が前記放電セルに電圧を印加するための電極の少なくとも一部を構成することを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(13)前記放電セルに電圧を印加するための電極が、表示放電を行なうための表示電極の少なくとも一部であり、少なくとも2種類の電極,X電極とY電極を構成し、前記積層部材の一部が前記X電極とY電極の少なくとも一部を構成することを特徴とする(9)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(14)Lave/hd < 1であることを特徴とする(6)乃至(13)の何れかに記載のプラズマディスプレイ装置。
(15)前記可視光を発生する手段が前記紫外線による励起で可視光を発光する蛍光膜であり、前記BM高さhdが、該蛍光膜表面から前記積層部材の該蛍光膜側表面までの長さの平均値であることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(16)前記積層部材が、前記前面基板に形成された前記電極を覆う誘電体内に配設されていることを特徴とする(6)乃至(15)の何れかに記載のプラズマディスプレイ装置。
(7)前記放電空間内に複数の前記積層部材が分散して配置されている、又は、前記放電空間内に配置される積層部材中に複数の開口が形成されていることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(8)前記積層部材が電気的な絶縁物で構成されることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(9)前記積層部材が電気的な導体で構成されることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(10)前記積層部材が絶縁物と電気的な導体の組み合わせで構成されることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(11)前記積層部材が前記放電セルに電圧を印加するための電極と電気的に絶縁されて配置されることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(12)前記積層部材の一部が前記放電セルに電圧を印加するための電極の一部と電気的に接続されており、前記積層部材の一部が前記放電セルに電圧を印加するための電極の少なくとも一部を構成することを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(13)前記放電セルに電圧を印加するための電極が、表示放電を行なうための表示電極の少なくとも一部であり、少なくとも2種類の電極,X電極とY電極を構成し、前記積層部材の一部が前記X電極とY電極の少なくとも一部を構成することを特徴とする(9)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(14)Lave/hd < 1であることを特徴とする(6)乃至(13)の何れかに記載のプラズマディスプレイ装置。
(15)前記可視光を発生する手段が前記紫外線による励起で可視光を発光する蛍光膜であり、前記BM高さhdが、該蛍光膜表面から前記積層部材の該蛍光膜側表面までの長さの平均値であることを特徴とする(6)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(16)前記積層部材が、前記前面基板に形成された前記電極を覆う誘電体内に配設されていることを特徴とする(6)乃至(15)の何れかに記載のプラズマディスプレイ装置。
(17)表示放電を行う為の少なくとも一対の電極と、放電ガスと、該放電ガスの放電で発生する紫外線による励起で可視光を発光する蛍光膜とを少なくとも備える放電セルを、対向する一対の第1の基板と第2の基板の間に複数個形成したプラズマディスプレイパネルにおいて、表示用の可視光が出射する側の前記第1の基板の内側に、該第1の基板への外光が入射する側に配設された光吸収層と,前記蛍光膜側に配設された光反射層とが積層されてなる積層部材が複数存在し、前記放電セルのある断面において、隣接する前記積層部材間が複数の開口を形成するように分散配置されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
本発明の構造により、輝度低下を抑えた高コントラストプラズマディスプレイパネルが実現可能となる。
以下、図1,6,7,及び8(a)〜8(e)を参照して本発明の一実施の形態を詳細に説明する。なお、本件発明を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その説明の繰り返しは省略する。
図6は本実施の形態によるパネルの一例の正面図であり、図1は、図6のI−I’線における断面図である。
本実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの基本構造は、既に図2を用いて説明したものと同様に、前面基板と背面基板を貼り合わせた構造を有し、両基板間には放電ガスが封入されている。前面板基板は、前面板ガラス1上に、維持放電のための、それぞれが透明電極2とバス電極3からなる電極対を複数個有し、それら電極対は誘電体4と保護膜5により覆われている。背面基板は、背面ガラス基板6上にアドレス電極9を有し、アドレス電極9は誘電体8で覆われている。さらに誘電体8上には隔壁7が構成され、隔壁7間には赤,青,緑色蛍光膜10が形成されている。前面基板側の電極と背面基板側の
電極とが互いに直交するように、前面基板と背面基板の向きを合わせて、前面基板と背面基板とが封着され、両基板間の空隙部分には放電ガスが封入され、両基板間に複数のセルが形成されている。前面基板側の維持電極対と背面基板側のアドレス電極に電圧を選択的に印加することで、前記複数のセルの内の所望のセルに放電を起こす。本放電により真空紫外線が発生し、発生した真空紫外線が各色蛍光体10を励起することで赤、青、緑の発光がおこり、フルカラー表示を行う。
電極とが互いに直交するように、前面基板と背面基板の向きを合わせて、前面基板と背面基板とが封着され、両基板間の空隙部分には放電ガスが封入され、両基板間に複数のセルが形成されている。前面基板側の維持電極対と背面基板側のアドレス電極に電圧を選択的に印加することで、前記複数のセルの内の所望のセルに放電を起こす。本放電により真空紫外線が発生し、発生した真空紫外線が各色蛍光体10を励起することで赤、青、緑の発光がおこり、フルカラー表示を行う。
本実施の形態においては、少なくとも、プラズマディスプレイパネルの外光入射側に配設された光吸収層と,該プラズマディスプレイパネルの放電空間側に配設された光反射層とが積層されてなる積層部材を、各放電セルの平面形状内に分散して配設することを特徴とするものである。
先ず、積層部材、および表示用可視光が放射される表示面の説明をする。ここでは、1つのセルについて考えることにする。画像表示のための放電の発生する空間を放電空間とする。積層部材の層が形成されている面を、セル全体に拡張した面を表示面とする。または、上記前面基板の上記放電空間と接する表面をセル全体に拡張した面を表示面とする。
このようにして定めた表示面は、通常、前面板ガラス1の表面と平行な面である。また、画像表示のための放電の発生する空間を放電空間とする。表示面を通過して表示用可視光が放射される空間を視野空間とする。表示面を介して、放電空間の存在する側を放電空間側と称し、視野空間の存在する空間側を視野空間側と称す。上記の「少なくとも光吸収層と光反射層とが積層されてなる積層部材」とは、上記表示面に垂直な方向に少なくとも光吸収層と光反射層が積層されて存在していることであり、これ以外の特性を有する層を、光吸収層と光反射層との間に介在させて、または、積層部材の外側に積層させるなどして
、共存させることも可能である。
このようにして定めた表示面は、通常、前面板ガラス1の表面と平行な面である。また、画像表示のための放電の発生する空間を放電空間とする。表示面を通過して表示用可視光が放射される空間を視野空間とする。表示面を介して、放電空間の存在する側を放電空間側と称し、視野空間の存在する空間側を視野空間側と称す。上記の「少なくとも光吸収層と光反射層とが積層されてなる積層部材」とは、上記表示面に垂直な方向に少なくとも光吸収層と光反射層が積層されて存在していることであり、これ以外の特性を有する層を、光吸収層と光反射層との間に介在させて、または、積層部材の外側に積層させるなどして
、共存させることも可能である。
本実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの一例の正面図である図6、及び図6のプラズマディスプレイパネルにおけるのI−I’線における断面図である図1に示されているように、積層部材(以下、積層部材BM(Black Matrix), または単にBM、またはブラックマトリックスとも称す)13は、プラズマディスプレイパネルの外光入射側に配設された光吸収層11と,該プラズマディスプレイパネルの放電空間14(蛍光体層10)側に配設された光反射層12とを積層して形成されている。即ち、光吸収層11が視野空間側に、光反射層12が放電空間14側(蛍光体層10面側)に配設されている。さらに、積層部材13は、各放電セルの平面形状内に複数個分散して配設されている。
即ち、本実施の形態においては、光吸収層11と光反射層12とが積層されてなる積層部材13は、各放電セル内において、間隙(あるいは、後述するように開口でも良い)を介在して分散配置されている。従って、一つの放電セルの端部の蛍光膜10からの発光光の一部は、積層部材13の光反射層12と蛍光膜10の間で反射が繰り返された後にプラズマディスプレイパネル外部に放射されるが、図7に示したように、該積層部材13は、
間隙を介在して分散配置されているため、蛍光膜10のからの発光光は、少ない反射回数で該間隙を通り抜けてプラズマディスプレイパネル外部に放射される。
間隙を介在して分散配置されているため、蛍光膜10のからの発光光は、少ない反射回数で該間隙を通り抜けてプラズマディスプレイパネル外部に放射される。
従って、図5を用いて説明した従来技術の場合に比べて、本実施の形態においては、蛍光膜10のからの発光光の反射回数が少なくなり、光の減衰が少なく、輝度の低下が抑制可能で、かつ各放電セル内で、光吸収層11の占める面積を、要求される表示コントラストを満たすように設定することが可能である。
次に、積層部材13の大きさを決定する手法の一例について説明する。図6及び7において、積層部材13のサイズLaを次のように定義する。図6に示したプラズマディスプレイパネルの正面図における或る直線に沿った断面について考える。ここでは、一例として、図7に示されている,図6のI−I’線に沿った断面図を考える。積層部材13のサイズLaを、本断面図における積層部材13の長さの最小値と定義する。なお、断面は、上記I−I’線に限らず、パネルの表示面内の何れの方向について考えても良く、少なくとも一つの断面において、積層部材13のサイズLaとセルサイズL(図7参照)を、下
記不等式を満足するように設定することが望ましい。これは、積層部材は、出来るだけ小さいものを、より多く配設することが好ましいからである。
記不等式を満足するように設定することが望ましい。これは、積層部材は、出来るだけ小さいものを、より多く配設することが好ましいからである。
0<(La/L)≦0.5
光吸収層11と光反射層12とからなる積層部材13の分散態様は、例えば図8(a)に示した如く、複数の積層部材13を島状に分散させた構造、図8(b)に示した如く、連続して一体の積層部材13に複数の穴を設けた穴空き構造、図8(c)に示した如く、連続して一体の積層部材13に正方形又は矩形の開口を複数個設けた網目状、図8(d)に示した如く、積層部材13を樹枝状の形状に設けた樹枝状構造、図8(e)に示した如く、連続して一体の積層部材13に樹枝状の開口を設けたの樹枝状穴空き構造、あるいは積層部材13を梯子状形状に設ける梯子状構造等で実現できる。
光吸収層11と光反射層12とからなる積層部材13の分散態様は、例えば図8(a)に示した如く、複数の積層部材13を島状に分散させた構造、図8(b)に示した如く、連続して一体の積層部材13に複数の穴を設けた穴空き構造、図8(c)に示した如く、連続して一体の積層部材13に正方形又は矩形の開口を複数個設けた網目状、図8(d)に示した如く、積層部材13を樹枝状の形状に設けた樹枝状構造、図8(e)に示した如く、連続して一体の積層部材13に樹枝状の開口を設けたの樹枝状穴空き構造、あるいは積層部材13を梯子状形状に設ける梯子状構造等で実現できる。
ここで、光吸収層11と光反射層12の説明をする。ある層に可視光が入射し一部が吸収される場合を考える。入射可視光のエネルギーに対する、吸収された可視光のエネルギーの割合を吸収率とする。吸収率が通常の物質より高い層を吸収層と呼ぶ。通常、吸収層の吸収率は0.5以上であり、本発明の効果を顕著にするためには、吸収層の吸収率は0.7以上、0.9以上、さらには0.95以上が望ましい。次に、ある層の表面に可視光が入射し一部が反射される場合を考える。反射の形態は、鏡面反射あるいは拡散反射のいずれでも構わない。入射可視光のエネルギーに対する、反射された可視光のエネルギーの割合を反射率とする。反射率が通常の物質より高い層を反射層と呼ぶ。通常、反射層の反射率は0.5以上であり、本発明の効果を顕著にするためには、反射層の反射率は0.7以上、0.9以上、さらには0.95以上が望ましい。
光吸収層11を形成する材料としては、Cr等の金属や酸化クロム、二酸化マンガン、酸化銅等の酸化物を用いることが可能である。また、光反射層12を形成する材料としては、Al、Ag,Au等の金属や酸化チタン、アルミナ、二酸化珪素、酸化タンタル等の酸化物を使用することが可能である。また、光吸収層11と光反射層12からなる積層部材13の製法としては、スクリーン印刷法、ディスペンサ法、ホトリソグラフィ法等が使用可能である。
なお、本発明は、図2に例示されたプラズマディスプレイパネル構造に限定されるものではなく、図9(a)にその正面図を示した、バス電極3の両側に透明電極領域2を有するプラズマディスプレイパネル構造や、図9(b)及び9(c)に示す突起を有する電極構造を使用するプラズマディスプレイパネル構造にも適用可能である。また、積層部材13は、図9(d)に示す如く、前面板ガラス1内に、又図19(e)に示す如く、誘電体4内に配設してもよい。本積層部材は、上記放電空間内、又は上記放電空間と上記前面基板との間、又は上記前面基板に配設される。特に、構造を簡単にするためには、本積層部
材が上記前面基板に配置されることが望ましい。特に、図9(d)に示すように前面ガラス1内に積層部材13を予め作り込んでおけば、製造工程が簡単になり実用的価値が大きい。また、図9(e)に示すように維持放電のための電極対を覆う誘電体4内に積層部材13を作り込むことも可能である。こうすることにより、電極形成工程とは独立して積層部材13を形成することが可能となり、製造プロセスを容易にすることができる。
材が上記前面基板に配置されることが望ましい。特に、図9(d)に示すように前面ガラス1内に積層部材13を予め作り込んでおけば、製造工程が簡単になり実用的価値が大きい。また、図9(e)に示すように維持放電のための電極対を覆う誘電体4内に積層部材13を作り込むことも可能である。こうすることにより、電極形成工程とは独立して積層部材13を形成することが可能となり、製造プロセスを容易にすることができる。
さらに、上記誘電体4を、予め形成したシート状の材料を用いて製造する場合は、このシート状材料の中に予め積層部材13を形成しておくことが可能となり、製造工程をさらに低コスト、高信頼にすることが可能となる。この場合上記シート状材料を複数枚使用することも可能であり、これら複数枚のシート状材料の一部に積層部材13を形成し、それらを貼り合わせたものを新たにシート状材料とすることも可能である。
さらに、図9(b)及び図9(c)にそれぞれ示すように、維持放電のための電極対(維持放電電極対と称す)がT字状、あるいは突起形状をしている場合、このT字部分あるいは突起部分を、積層部材13(または積層部材の一部)で構成すると実用的価値が大である。何故なら、このようなT字部分あるいは突起部分の幅が小さく、したがって下記で説明するLaveが小さくなり、容易にLave/hdを小さく出来るからである。更には、本発明は図10に示した、格子状のリブ7(隔壁)を有するプラズマディスプレイパネル構造にも適用可能である。
[比較例]
比較例として、各放電セルの輪郭の全て,または一部に近似した平面形状で、ストライプ状に、各放電セルの周辺部に沿って形成された,光吸収層と光反射層からなる積層部材を採用したプラズマディスプレイパネルを作製した。本比較例パネルの正面図を図11に、またそのX−X’線における断面図を図12に示した。既に図2を用いて説明したプラズマディスプレイパネルと同様の前面板の表面に、光吸収層110と光反射層120とからなる積層部材130をストライプ状に作製した。
[比較例]
比較例として、各放電セルの輪郭の全て,または一部に近似した平面形状で、ストライプ状に、各放電セルの周辺部に沿って形成された,光吸収層と光反射層からなる積層部材を採用したプラズマディスプレイパネルを作製した。本比較例パネルの正面図を図11に、またそのX−X’線における断面図を図12に示した。既に図2を用いて説明したプラズマディスプレイパネルと同様の前面板の表面に、光吸収層110と光反射層120とからなる積層部材130をストライプ状に作製した。
まず、酸化クロム粒子、低融点ガラス粉末、バインダと溶媒からなる,光吸収層110のためのペーストを作製した。本ペーストをスクリーン印刷法により印刷形成、乾燥を行い溶剤を揮発させ、酸化クロムからなる光吸収層110を作製した。
次に酸化チタン粒子、低融点ガラス粉末、バインダと溶媒からなる光反射層120のための,ペーストを作製した。本ペーストをスクリーン印刷法により光吸収層110に重なるように印刷形成して光反射層120を形成し、乾燥、焼成工程によりバインダと溶媒を焼き飛ばした。
本方法により光吸収層110と光反射層120からなる積層部材130をストライプ状に形成した。本前面基板と背面基板との間に放電ガスを封入し、背面基板と前面基板を封着してプラズマディスプレイパネルを作製した。光吸収層110と光反射層120からなる積層部材130の幅を種々変えて、開口率の異なるパネルを作製した。
図13(a)に示した、プラズマディスプレイパネルを正面から見た際の単位セルにおける、発光可能面積(一点鎖線内)をS1と定義し、面積S1中の光吸収層面積総和をS
2と定義する。図13(b)における光吸収層面積総和S2は、面積A1とA2の和となる。これらの値を基に、開口率を(S1−S2)/S1と定義する。
2と定義する。図13(b)における光吸収層面積総和S2は、面積A1とA2の和となる。これらの値を基に、開口率を(S1−S2)/S1と定義する。
以下、さまざまな積層部材の形状の例について説明するが、開口率はこれにならって定義することとする。
本実施例のプラズマディスプレイパネル構造の正面図を図14に示す。また図14におけるY−Y’線断面図を図15に、またX−X’線断面図を図16に示した。
前面板に電極2,3を作製後、光吸収層11と光反射層12からなる積層部材13を作製した。 酸化クロムからなる光吸収層11を作製した。先ず、酸化クロム粒子、低融点ガラス粉末、バインダと溶媒からなる光吸収層11用ペーストを作製し、本ペーストをスクリーン印刷法により印刷形成、乾燥を行い溶剤を揮発させた。次に、酸化チタンからなる光反射層12を作製した。先ず、酸化チタン粒子、低融点ガラス粉末、バインダと溶媒からなる光反射層12用ペーストを作製した。本ペーストをスクリーン印刷法により、光吸収層11に重なるように印刷形成した。印刷後、乾燥、焼成工程によりバインダと溶媒
を焼き飛ばした。その後、誘電体4、保護膜5を形成し、前面板に電極を作成した。その後放電ガスを封入し、背面基板と前面基板を封着してプラズマディスプレイパネルを作製した。光吸収層11と光反射層12からなる積層部材13の大きさ、数を調整し開口率の異なるプラズマディスプレイパネルを複数個作製した。本プラズマディスプレイパネルに駆動回路を接続して輝度を測定した。本実施例のコントラストは、光反射層12と光吸収層11からなる積層部材13を持たないプラズマディスプレイパネルに比べて大きな値となった。また,この際の輝度の測定結果を図17(a)に示す。光反射層12と光吸収層1
1からなる積層部材13を各放電セル内で分散させることで、前述の比較例に対して輝度向上が実現されたことがわかる。プラズマディスプレイパネルの性能としては、輝度とコントラストの双方を考える必要がある。輝度とコントラストの積を性能指数と定義し、この値の測定結果を図17(b)に示す。開口率が0.1から0.8の構造において、本発明のパネル構造の性能指数を、比較例の値よりも5%以上向上できた。
を焼き飛ばした。その後、誘電体4、保護膜5を形成し、前面板に電極を作成した。その後放電ガスを封入し、背面基板と前面基板を封着してプラズマディスプレイパネルを作製した。光吸収層11と光反射層12からなる積層部材13の大きさ、数を調整し開口率の異なるプラズマディスプレイパネルを複数個作製した。本プラズマディスプレイパネルに駆動回路を接続して輝度を測定した。本実施例のコントラストは、光反射層12と光吸収層11からなる積層部材13を持たないプラズマディスプレイパネルに比べて大きな値となった。また,この際の輝度の測定結果を図17(a)に示す。光反射層12と光吸収層1
1からなる積層部材13を各放電セル内で分散させることで、前述の比較例に対して輝度向上が実現されたことがわかる。プラズマディスプレイパネルの性能としては、輝度とコントラストの双方を考える必要がある。輝度とコントラストの積を性能指数と定義し、この値の測定結果を図17(b)に示す。開口率が0.1から0.8の構造において、本発明のパネル構造の性能指数を、比較例の値よりも5%以上向上できた。
本実施例のプラズマディスプレイパネル構造の正面図を図18に示す。また図18におけるX−X’線における断面図を図20に、また線Y−Y’における断面図を図19に示した。光吸収層11と光反射層12からなる積層部材13が、誘電体4層の表面に構成される以外は実施例1と同じ方法でプラズマディスプレイパネルを作製して輝度測定をした。
開口率が0.1から0.8の構造において、上記比較例よりも輝度が高くなり、光反射層12と光吸収層11からなる積層部材13を、各放電セル内で分散させることで輝度向上が実現された。
実施例1において、光吸収層11と光反射層12とからなる積層部材13を、図8(b)に示した如く、連続して一体の積層部材13に複数の開口を設けた,穴空き形状に変えてプラズマディスプレイパネルを作製して輝度測定を行った。開口率0.1から0.8の構造において、上記比較例よりも輝度が高くなり、光反射層12と光吸収層11からなる積層部材13を各放電セル内で分散させることで輝度向上が実現された。
実施例1において、光吸収層11と光反射層12とからなる積層部材13を、図8(c)に示した如く、連続して一体の積層部材13に正方形又は矩形の開口を複数個設けた,網目形状に変えてプラズマディスプレイパネルを作製して輝度測定を行った。開口率0.1から0.8の構造において、上記比較例よりも輝度が高くなり、光反射層12と光吸収層11からなる積層部材13を各放電セル内で分散させることで輝度向上が実現された。
実施例1において、光吸収層11と光反射層12とからなる積層部材13を、図8(d)に示す如く、樹枝状形状に変えてプラズマディスプレイパネルを作製して輝度測定を行った。開口率0.1から0.8の構造において、上記比較例よりも輝度が高くなり、光反射層12と光吸収層11からなる積層部材13を各放電セル内で分散させることで輝度向上が実現された。
実施例1において、光吸収層11と光反射層12とからなる積層部材13を、図8(e)に示した如く、連続して一体の積層部材13に樹枝状の開口を設けた,樹枝状穴空き形状に変えてプラズマディスプレイパネルを作製して輝度測定を行った。開口率0.1から0.8の構造において、上記比較例よりも輝度が高くなり、光反射層12と光吸収層11からなる積層部材13を各放電セル内で分散させることで輝度向上が実現された。
本実施例のプラズマディスプレイパネル構造の正面図を図21に示す。また図21に示したプラズマディスプレイパネル構造のY−Y’線断面図を図22に示した。
前面板に形成される電極が、クロムからなる光吸収層11とアルミニウムからなる光反射層12の積層部材13から構成され、複数の積層部材13間で放電を起こすこと、および透明電極が存在しない点が前記比較例と異なる。
本構造により、開口率0.1から0.8の構造において、前記比較例よりも輝度が高くなり、光反射層12と光吸収層11からなる積層部材13を各放電セル内で分散することで輝度向上が実現された。
次に、本発明における積層部材BMについて説明する。前面基板に形成される本積層部材BMは、電気的な絶縁物,あるいは電気的な導体、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。本積層部材BMは、電極対(各々が透明電極2とバス電極3とを積層されて形成されている電極の1対)と電気的に絶縁されて配置されることもあるし、電気的に絶縁されない場合もある。さらには、積層部材BMの一部が上記電極対の一部または全体を構成する場合もある。
上述した一実施の形態では、各放電セルの平面形状内に分散された積層部材13という概念で、高輝度,高コントラストのプラズマディスプレイパネルを実現するものであるが、以下に述べる実施の形態では、さらに、放電セルを3次元的に捕らえて、高輝度,高コントラストのプラズマディスプレイパネルを実現するものである。
積層部材BMのサイズ長dbmを次のように定義する。上記説明の場合と同様に、1放電セルについて考えることにする。上記説明した表示面において、積層部材BMの存在する領域をBM領域とする。積層部材BMの特性から、放電空間内の可視光はBM領域を通り抜けて視野空間に射出することはできない。一方、表示面において、放電空間内からの可視光が表示面を通り抜けて視野空間に射出しうる領域を透過領域とする。また、表示面において、上記BM領域以外の領域を非BM領域とする。通常、透過領域は非BM領域に等しいが、積層部材BM以外で、放電空間から視野空間への可視光の射出を遮る物(たとえ
ばバス電極3)が存在すると、透過領域は非BM領域に含まれることになる。さて、図7において、BM領域内の任意の点Aを考える。点Aから透過領域までの最短距離をdbm-Aとする。BM領域内におけるdbm−Aの平均値を積層部材BMのサイズ長Laveとする。まず、セルの代表的サイズをLとすると、積層部材BMは、出来るだけ小さいものを、より多く配設することが好ましいので、LaveのセルサイズLに対する比は1/2以下が望ましい。すなわち、(Lave/L) < 1/2が望ましい。さらに、蛍光膜10が可視光を拡散反射する場合、多重反射の回数を減らすためには、Lave < hd(すなわち、0 < Lave/hd < 1 )であることが望ましい。ここで、hdはBM高さであり、上記表示面と垂直な方向に測った,
上記蛍光膜表面から上記積層部材BMの蛍光膜側表面までの長さの平均値である。または、蛍光膜が背面基板上に、上記表示面と概略平行な面(この面を蛍光膜底面と称す)を形成して作成される場合、BM高さhdは、上記蛍光膜底面と上記積層部材BMの蛍光膜側表面の間の距離である。すなわち、hdは蛍光膜と積層部材BM間の距離である。さらに一般的に言えば、BM高さhdは「上記積層部材BMを含む平面を考え、前記放電空間を挟んで該平面と対向する該放電空間の境界をなす面を放電空間底面としたとき、上記表示面と垂直方向に測った,該放電空間底面と上記積層部材BMの前記放電空間側表面との距離の平均」である。
ばバス電極3)が存在すると、透過領域は非BM領域に含まれることになる。さて、図7において、BM領域内の任意の点Aを考える。点Aから透過領域までの最短距離をdbm-Aとする。BM領域内におけるdbm−Aの平均値を積層部材BMのサイズ長Laveとする。まず、セルの代表的サイズをLとすると、積層部材BMは、出来るだけ小さいものを、より多く配設することが好ましいので、LaveのセルサイズLに対する比は1/2以下が望ましい。すなわち、(Lave/L) < 1/2が望ましい。さらに、蛍光膜10が可視光を拡散反射する場合、多重反射の回数を減らすためには、Lave < hd(すなわち、0 < Lave/hd < 1 )であることが望ましい。ここで、hdはBM高さであり、上記表示面と垂直な方向に測った,
上記蛍光膜表面から上記積層部材BMの蛍光膜側表面までの長さの平均値である。または、蛍光膜が背面基板上に、上記表示面と概略平行な面(この面を蛍光膜底面と称す)を形成して作成される場合、BM高さhdは、上記蛍光膜底面と上記積層部材BMの蛍光膜側表面の間の距離である。すなわち、hdは蛍光膜と積層部材BM間の距離である。さらに一般的に言えば、BM高さhdは「上記積層部材BMを含む平面を考え、前記放電空間を挟んで該平面と対向する該放電空間の境界をなす面を放電空間底面としたとき、上記表示面と垂直方向に測った,該放電空間底面と上記積層部材BMの前記放電空間側表面との距離の平均」である。
こうすることにより本発明の効果が発現するのは、積層部材BMの光反射層で反射し、次いで蛍光膜で拡散反射した可視光のより多くの部分がさらなる多重反射を繰り返すことなく視野空間に射出されるからである。なぜなら、蛍光膜表面で拡散反射した可視光が放電空間内を伝播して積層部材BMの存在する面(表示面に概略平行な面)に到達するまでにhdの程度広がるからであり、これら広がった可視光の一部(有限な部分、場合によって多くの部分)が透過領域を通過して視野空間に射出するからである。通常の構造で、積層部材BMを設置すると、BM高さhdは、放電空間高さhdsに概略等しくなる。背景技術の
項で説明した構造のPDPでは、放電空間高さhdsは、蛍光膜表面から前面基板表面までの長さである。図7に放電空間高さhdsを示してある。通常、放電空間高さhdsの大きさは、0.1 mm〜0.2 mmである。ただし、この値は、適用するPDP構造により異なり、たとえば対向放電型PDPや超大型画面のPDPでは、この値はさらに大きくなる。
項で説明した構造のPDPでは、放電空間高さhdsは、蛍光膜表面から前面基板表面までの長さである。図7に放電空間高さhdsを示してある。通常、放電空間高さhdsの大きさは、0.1 mm〜0.2 mmである。ただし、この値は、適用するPDP構造により異なり、たとえば対向放電型PDPや超大型画面のPDPでは、この値はさらに大きくなる。
上記 0 < Lave/hd < 1の条件は、一般的な効果を期待する場合の条件である。上記で説明した本発明の原理より、より大きな効果を期待するためには、0 < Lave/hd < 0.5、さらには0< Lave/hd < 0.2 が望ましい。ただし、より大きな効果を期待して Lave/hd (>0)を小さくすればするほどLave が小さくなり、より微細な積層部材BMを形成する必要が生じる。すなわち、製造および製造コスト増大の困難が生じる。一方、必ずしも最高性能を追求せず限定された効果を期待する場合は、0 < Lave/hd < 2、0 < Lave/hd < 3、さらには 0 < Lave/hd < 5でも一定の効果を期待することができる。こうすることにより、Laveの値が大きくなって、積層部材BMの製造が容易になる利点がある。また、通常、
製造可能なLaveの値は0.01 mm以上であり、さらに製造の容易性を考慮すると、Laveの値は0.02 mm以上、さらには0.05 mm以上、さらには0.1mm以上が望ましい。ただし、製造可能ならばLaveの大きさは0.01 mm以下であっても良い。原理的にはLaveの最小値は可視光の波長程度であり、Laveの値は原理的には0.0005 mm = 0.5 mm以上が望ましい。
製造可能なLaveの値は0.01 mm以上であり、さらに製造の容易性を考慮すると、Laveの値は0.02 mm以上、さらには0.05 mm以上、さらには0.1mm以上が望ましい。ただし、製造可能ならばLaveの大きさは0.01 mm以下であっても良い。原理的にはLaveの最小値は可視光の波長程度であり、Laveの値は原理的には0.0005 mm = 0.5 mm以上が望ましい。
本発明の効果を顕著にするためには、上記蛍光膜の反射率がより大きい方が望ましい。蛍光膜の反射率が0.5以上で本発明の効果を発現することができる。さらには、蛍光膜の反射率を0.7以上、0.9以上、さらには0.95以上にすると、本発明の効果をより顕著にすることができる。
1…前面板ガラス、2…透明電極、3…バス電極、4…誘電体、5…保護膜、6…背面板ガラス、7…隔壁、8…誘電体、9…アドレス電極、10…蛍光膜、11…光吸収層、12…光反射層、13…積層部材、14…放電空間、110…光吸収層、120…光反射層、130…積層部材。
Claims (17)
- 表示放電を行う為の少なくとも一対の電極と、放電ガスと、該放電ガスの放電で発生する紫外線による励起で可視光を発光する蛍光膜とを少なくとも備える放電セルを、対向する一対の第1の基板と第2の基板の間に複数個形成したプラズマディスプレイパネルにおいて、
表示用の可視光が出射する側の前記第1の基板の内側に、該第1の基板への外光が入射する側に配設された光吸収層と,前記蛍光膜側に配設された光反射層とが積層されてなる積層部材が形成されており、かつ前記放電セルの各々の平面形状内で前記積層部材に複数の開口が設けられていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。 - 前記開口部は二次元に規則的に配列されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 前記開口部は樹枝状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 前記開口部の第1の基板への投影面積をS1、該投影面積S1内に占める前記光吸収層の面積総和をS2としたとき、開口率(S1ーS2)/S1が下記不等式を満足することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
0.1≦(S1ーS2)/S1≦0.8 - 前記第1の基板の面内に含まれる一つの直線を含み,該第1の基板の面に垂直な断面において、前記一つの直線方向に測った放電セルの寸法をL、前記一つの直線方向に測った前記積層部材の寸法の最小値をLaとしたとき、下記不等式を満足する断面が少なくとも一つ存在することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
0<La/L≦0.5 - プラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルに電圧を印加するための駆動手段とを少なくとも備えたプラズマディスプレイ装置において、
前記プラズマディスプレイパネルは、表示用可視光を出射する前面基板と複数の放電セルとを備え、
前記複数の放電セルの各々は、該放電セルに電圧を印加するための電極と、放電を形成するための放電ガスと、前記放電で可視光を発生する手段と、少なくとも光吸収層と光反射層とを積層して形成された積層部材とを少なくとも備え、
前記前面基板は、前記放電を発生させる放電空間を形成,気密化する構成手段の一部を構成しており、
ここで、前記前面基板を介して前記放電空間と反対側に存在する空間を視野空間とし、
前記放電空間と接する側の前記前面基板の表面を、前記複数の放電セルの全体に拡張して考えた面を表示面とし、
前記可視光の内で、前記表示面を通って前記視野空間に出射するものが表示用可視光として働くものとし、
前記積層部材を含む平面を考え、前記放電空間を挟んで該平面と対向する該放電空間の境界をなす面を放電空間底面としたとき、前記表示面と垂直方向の該放電空間底面と前記積層部材の前記放電空間側表面との距離の平均をBM高さhdとし、
前記積層部材は、前記放電空間内,前記放電空間と前記前面基板との間,又は前記前面基板内に配設され、前記光吸収層は前記視野空間側に,前記光反射層は前記放電空間側に配設されているものとし、
前記表示面において前記積層部材の存在する領域をBM領域とし、
前記表示面において前記放電空間から前記可視光が前記表示面を通って前記視野空間に射出しうる領域を透過領域とし、
前記BM領域内の任意の点Aから前記透過領域までの最短距離の、点Aに関する平均値を積層部材のサイズ長Laveとしたとき、
Lave/hd < 5であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 前記放電空間内に複数の前記積層部材が分散して配置されている、又は、前記放電空間内に配置される積層部材中に複数の開口が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記積層部材が電気的な絶縁物で構成されることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記積層部材が電気的な導体で構成されることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記積層部材が絶縁物と電気的な導体の組み合わせで構成されることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記積層部材が前記放電セルに電圧を印加するための電極と電気的に絶縁されて配置されることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記積層部材の一部が前記放電セルに電圧を印加するための電極の一部と電気的に接続されており、前記積層部材の一部が前記放電セルに電圧を印加するための電極の少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記放電セルに電圧を印加するための電極が、表示放電を行なうための表示電極の少なくとも一部であり、少なくとも2種類の電極,X電極とY電極を構成し、前記積層部材の一部が前記X電極とY電極の少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項9に記載のプラズマディスプレイ装置。
- Lave/hd < 1であることを特徴とする請求項6乃至13の何れかに記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記可視光を発生する手段が前記紫外線による励起で可視光を発光する蛍光膜であり、前記BM高さhdが、該蛍光膜表面から前記積層部材の該蛍光膜側表面までの長さの平均値であることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記積層部材が、前記前面基板に形成された前記電極を覆う誘電体内に配設されていることを特徴とする請求項6乃至15の何れかに記載のプラズマディスプレイ装置。
- 表示放電を行う為の少なくとも一対の電極と、放電ガスと、該放電ガスの放電で発生する紫外線による励起で可視光を発光する蛍光膜とを少なくとも備える放電セルを、対向する一対の第1の基板と第2の基板の間に複数個形成したプラズマディスプレイパネルにおいて、
表示用の可視光が出射する側の前記第1の基板の内側に、該第1の基板への外光が入射する側に配設された光吸収層と,前記蛍光膜側に配設された光反射層とが積層されてなる積層部材が複数存在し、前記放電セルのある断面において、隣接する前記積層部材間が複数の開口を形成するように分散配置されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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Legal Events
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