JP2003203570A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

Info

Publication number
JP2003203570A
JP2003203570A JP2001400152A JP2001400152A JP2003203570A JP 2003203570 A JP2003203570 A JP 2003203570A JP 2001400152 A JP2001400152 A JP 2001400152A JP 2001400152 A JP2001400152 A JP 2001400152A JP 2003203570 A JP2003203570 A JP 2003203570A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
reflective layer
light
visible light
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001400152A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Adachi
大輔 足立
Keisuke Sumita
圭介 住田
Hideki Ashida
英樹 芦田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001400152A priority Critical patent/JP2003203570A/ja
Publication of JP2003203570A publication Critical patent/JP2003203570A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光の利用効率を向上させ発光効率を改善
し、高輝度、高画質のPDPを提供する。 【解決手段】 互いに対向して配置されている前面基板
3と背面基板12とに挟まれ、複数の放電セルが形成さ
れたプラズマディスプレイパネルにおいて、バス電極6
a、6b上部の誘電体層10表面に、蛍光体層17から
前面基板3に放出された可視光を再び蛍光体層17の方
向に反射する反射層19を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示パネルと
して用いられるプラズマディスプレイパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(以下PD
Pという。)は、互いに対向配置された2枚の基板間に
放電ガスを封入し、この放電ガスに電圧を印加し紫外線
を発生させ、さらに蛍光体によりこの紫外線を可視光に
変換することで画像表示を行う平面ディスプレイパネル
である。
【0003】このようなPDPについて様々な形態のも
のが提案されている。ここでは、従来のPDPの構造お
よび発光方法について、図面を参照しつつ説明する。
【0004】従来のPDPの構造について図11を参照
しながら説明する。図11は従来のPDPの構造を示す
概略図であり、内部の構成が判り易くなるように前面パ
ネル側を90度回転させた位置関係で示している。図1
1において、前面パネル1と背面パネル2とは互いに対
向して配置され、PDPを構成している。
【0005】はじめに前面パネル1の構成について述べ
る。前面基板3上には表示電極4a、4bが互いに平行
に形成されている。この表示電極4aは透明電極5aと
透明電極5a上に積層されているバス電極6aとで構成
され、またバス電極6aは黒色電極7aと黒色電極7a
上に積層されている金属電極8aとで構成されている。
同様に、表示電極4bは透明電極5bと透明電極5b上
にに積層されているバス電極6bとで構成され、またバ
ス電極6bは黒色電極7bと黒色電極7b上に積層され
ている金属電極8bとで構成されている。さらに前面基
板3上には、表示電極4a、4bと平行に遮光層9が形
成されている。そしてこれらの表示電極4a、4bおよ
び遮光層9を覆うように前面基板3上に誘電体層10が
形成され、この誘電体層10上に保護層11が形成され
ている。これらの、前面基板3、表示電極4a、4b、
遮光層9、誘電体層10および保護層11により前面パ
ネル1が構成されている。
【0006】次に背面パネル2の構成について述べる。
背面基板12上にはアドレス電極13が形成され、この
アドレス電極13を覆うように誘電体層14が形成され
ている。そしてこの誘電体層14上にはアドレス電極1
3と平行に隔壁15,16が形成され、この隔壁15、
16間の誘電体層14の表面および隔壁15、16の側
面には蛍光体層17が形成されている。これらの、背面
基板12、アドレス電極13、誘電体層14、隔壁1
5、16および蛍光体層17により背面パネル2が構成
されている。
【0007】この前面パネルと背面パネルとは表示電極
4a、4bとアドレス電極13とが互いに直交するよう
に、対向して配置されている。ただし、上述のように図
11においては、実際と異なり、前面パネル1を背面パ
ネル2に対して90度回転させた状態で示している。そ
して、この前面パネル1と背面パネル2とに挟まれた空
間に放電ガス18を封入することによりPDPが構成さ
れている。
【0008】このPDPの発光方法について説明する。
PDPは、隔壁15、16に仕切られた前面基板3と背
面基板12との間でかつ表示電極4a、4bとアドレス
電極13とが対向する部分で放電セル(以下、「セル」
という。)を形成し、1つのセルの発光により1画素に
相当する表示が得られる。すなわち、表示電極4a、4
bとアドレス電極13との間に電圧をかけることで放電
がおこなわれ、この放電により、放電ガス18が励起さ
れ紫外線が放出される。さらに、この紫外線は蛍光体層
17で可視光に変換され、このうち蛍光体層17から前
面基板3の方向に放出された可視光は、前面基板3の透
明部分(前面基板3上で、バス電極6a、6bおよび遮
光層9の有色の部分を除いた部分で以下、「開口部」と
いう。)から取り出される。このようにして、1画素に
相当する発光が得られる。
【0009】このPDPにおいては、こうしたセルの発
光を複数組み合わせることで、1つの画像が得られる。
例えば、蛍光体層17として赤、青および緑の可視光を
放出するように選択して順次配置し、これらのセルの発
光を組み合わせることで、カラー画像表示が可能とな
る。
【0010】以上のような構造と発光方法とを有するP
DPについて、高輝度・高画質のPDPを実現するため
に、その発光効率のさらなる向上が望まれている。
【0011】この発光効率を向上させる1つの手段とし
て、蛍光体層17から発生した可視光を前面基板3の開
口部から有効に取り出し、可視光の利用効率を上げるこ
とが考えられる。しかしながら、通常、蛍光体層17か
ら前面基板3の方向に放出された可視光の一部は、前面
基板3から外部へ取り出される前に吸収されてしまう。
具体的には、放電ガス18、保護層11、誘電体層1
0、遮光層9、バス電極6a、6b、透明電極5a、5
bおよび前面基板3等で吸収される。特に誘電体層1
0、遮光層9およびバス電極6a、6bにおける可視光
の吸収量が大きい。そこで、蛍光体層17から前面基板
3の方向へ放出された可視光が、誘電体層10、遮光層
9およびバス電極6a、6bで吸収されるのを防止する
ことが必要となる。
【0012】例えば、特開平10−283937号公報
には、遮光層やバス電極の表面に光反射材料層を設ける
ことで遮光層およびバス電極での吸収を防止する方法が
提案されている。この場合、蛍光体層から生じ前面基板
へ向かう可視光は遮光層表面に設けられた光反射材料層
で反射されるため、遮光層およびバス電極で吸収される
のを防止することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、蛍光体層から発した可視光は、遮光層お
よびバス電極表面の光反射材料層に到達するまでに誘電
体層で吸収されてしまうため、上記方法では可視光の利
用効率の向上という観点からは依然として不十分であっ
た。
【0014】本発明は、このような課題を解決するもの
で、可視光の利用効率を向上させることで発光効率を改
善し、高輝度、高画質のPDPを提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、複数の電極を覆う誘電体層を形成した前
面基板と、前記前面基板の前記電極側に対向して配置さ
れかつ前記電極間の放電により発生する紫外線を可視光
に変換する蛍光体層を形成した背面基板と、前記誘電体
層の表面に配置され前記可視光を反射する反射層とを備
えている。
【0016】反射層を前面基板に垂直に投影した領域の
少なくとも一部が電極に重なるように、反射層を配置し
てもよい。また、電極により放電セルが構成され、前面
基板上の互いに隣接する前記放電セル間に、可視光を吸
収する遮光層を配置してもよく、反射層を前面基板に垂
直に投影した領域の少なくとも一部が遮光層に重なるよ
うに、反射層を配置してもよい。
【0017】また、本発明は、放電セルを構成する電極
を覆う誘電体層を形成した前面基板と、前記前面基板の
前記電極側に対向して配置されかつ前記電極間の放電に
より発生する紫外線を可視光に変換し放出する蛍光体層
を形成した背面基板と、前記誘電体層表面の互いに隣接
する放電セル間に配置され可視光を吸収する遮光層と、
前記遮光層の表面に配置され前記可視光を反射する反射
層とを備えている。
【0018】電極を誘電体層表面に投影した領域の少な
くとも一部と重なるように、誘電体層表面に遮光層をさ
らに配置し、その遮光層の表面に反射層を配置してもよ
い。
【0019】反射層が誘電体であっても、金属であって
もよい。また反射層の色が白色であっても、蛍光体層に
より放出される可視光とほぼ同じ色であってもよい。さ
らには、反射層が、複数の反射層が積層された多層構造
であってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係るPDPの構造を示す断面図であり、隔壁に
平行な平面に沿って切った断面を示している。尚、図1
において、図11に示す部分と同一部分については同一
番号を付している。図1に示すように、本実施の形態1
においては、誘電体層10上に反射層19が配置されて
いることが、従来のPDPと異なる点である。
【0022】本実施の形態1によるPDPは、前面パネ
ル1と背面パネル2とを互いに対向して配置することに
より構成されている。はじめに前面パネル1の構成につ
いて述べる。前面基板3上には一対の表示電極4a、4
bが図1の紙面に垂直な方向に互いに平行に複数対形成
されている。表示電極4aは透明電極5aと透明電極5
a上に積層されているバス電極6aとで構成され、バス
電極6aは黒色電極7aと黒色電極7a上に積層されて
いる金属電極8aとで構成されている。同様に、表示電
極4bは透明電極5bと透明電極5b上に積層されてい
るバス電極6bとで構成され、バス電極6bは黒色電極
7bと黒色電極7b上に積層されている金属電極8bと
で構成されている。そして、この表示電極4a、4bを
覆うように前面基板3上に誘電体層10が形成され、こ
の誘電体層10上には、反射層19が配置されている。
反射層19は、反射層19を前面基板3に垂直(図1中
の座標のY軸方向)に投影した領域がバス電極6a、6
bとほぼ一致するように配置されている。さらに、保護
層11が誘電体層10および反射層19の表面を覆うよ
うに形成されている。
【0023】次に、背面パネル2の構成について述べ
る。背面基板12上には、アドレス電極13が形成され
このアドレス電極13を覆うように誘電体層14が形成
されている。そしてこの誘電体層14上にはアドレス電
極13と平行に隔壁15、16(隔壁16は図示せず)
が形成され、この隔壁15、16間の誘電体層14の表
面および隔壁15、16の側面には蛍光体層17が形成
されている。
【0024】この前面パネル1と背面パネル2とは、表
示電極4a、4bとアドレス電極13とが互いに直交し
て1つのセルを構成するように対向して配置され、そし
て前面パネル1と背面パネル2とに挟まれた空間は、隔
壁15、16で仕切られるとともに、その空間には放電
ガス18(図示せず)が封入され、これによりPDPが
構成されている。
【0025】次に、以上の構造を有する本実施の形態1
に係るPDPの製造方法について説明する。
【0026】はじめに、反射層19を含む前面パネル1
の製造方法について図面を用いて詳しく説明する。図2
の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)と
これに続く図3の(a)、(b)、(c)とは、本発明
の実施の形態1に係るPDPの前面パネル1の製造方法
の工程概略図ある。図2および図3において、20は透
明電極材料膜、21は黒色電極材料膜、22は金属電極
材料膜、23は反射材料膜を示している。これ以外の符
号については図1の符号と同じであり説明を省略する。
【0027】図2(a)で示す第1の工程において、前
面基板3上に酸化インジウムスズ(ITO)からなる透
明電極材料膜5をスパッタ法により前面基板に一様に成
膜する。このときITOの膜厚は約100nmである。
【0028】尚、透明電極材料膜20はITO以外にも
アンチモン(Sb)を添加した酸化スズ(SnO2)や
酸化亜鉛(ZnO)であってもよく、また、厚みも約1
00nmでなくてもよく任意である。また成膜方法はス
パッタ法でなくてもよく、例えば電子ビーム蒸着法やC
VD法であってもよい。
【0029】図2(b)で示す第2の工程において、フ
ォトリソグラフィー法を用いて透明電極材料膜20を所
望の形状にパターニングし透明電極5a、5bを形成す
る。具体的には、ノボラック樹脂を主成分とするポジ型
レジストを塗布し、所望のパターンの露光乾板を介して
紫外線を露光し、レジストを硬化させる。次にアルカリ
水溶液で現像を行い、レジストパターンを形成する。そ
の後、塩化第二鉄を主成分とする溶液に浸積させてエッ
チングを行い、不要部分の除去を行い、最後にレジスト
を剥離して透明電極5a、5bを形成する。
【0030】レジスト材料はノボラック樹脂を主成分と
するポジ型レジスト以外にもネガ型レジストも使用可能
である。レジストの現像液もアルカリ水溶液以外にもレ
ジスト材料に合わせて有機溶剤系の現像液も使用可能で
ある。エッチングは塩化第二鉄以外にも塩酸であっても
よい。
【0031】図2(c)で示す第3の工程において、黒
色電極材料膜21を塗工する。この黒色電極材料膜21
は酸化ルテニウム(RuO2)及びフリットガラスを材
料に含む感光性ペーストでありスクリーン印刷法を用い
て前面基板3と透明電極5a、5bに一様に塗布され
る。その後赤外線乾燥炉を用いた90℃、10分間の乾
燥工程によりペーストに含まれる溶剤は塗膜から除去さ
れる。乾燥工程の条件は感光性ペーストの特性によって
適宜変更してもよい。
【0032】図2(d)で示す第4の工程において、金
属電極材料22を黒色電極材料膜21上に形成する工程
である。この工程は、用いられる材料が銀(Ag)およ
びフリットガラスを材料に含む感光性ペーストであるこ
とを除いて第3の工程と同様である。
【0033】尚、金属電極材料膜22はAgでなくても
よく、またAg以外の例えば銅(Cu)などの導電性を
持った材料を含んでいてもよい。
【0034】図2(e)で示す第5の工程において、黒
色電極7a、7bおよび金属電極8a、8bを形成す
る。感光性ペースト膜に所望のパターンの露光乾板を介
して紫外線を照射し露光部を硬化させる。このときの紫
外線の光源は超高圧水銀ランプであり、光量は300m
J/cm2である。その後アルカリ性現像液(0.3w
t%の炭酸ナトリウム水溶液)を用いて現像してパター
ンを形成し、その後空気中で600℃の焼成を行って基
板に固着させる。
【0035】尚、露光は紫外線を用いなくてもよく、感
光性ペーストの特性によっては、例えば可視光であって
もよい。現像液はアルカリ性現像液を用いなくてもよ
く、感光性ペーストの特性によっては有機溶剤も使用可
能であり、その濃度も適宜変化させることが可能であ
る。また、焼成温度も感光性ペーストの特性に応じて変
化させることができる。ここで、パターニングは黒色電
極材料膜21と金属電極材料膜22とを同時に行わなく
てもよい。例えば、各々の電極膜をそれぞれパターニン
グしてもよい。すなわち黒色電極材料膜21を塗工した
後、パターニングを行い、続いて金属電極材料膜22の
塗工をした後、パターニングを行ってもよい。またパタ
ーン印刷法によってパターンを形成してもよい。また、
感光性ペーストがフィルム材料で塗工方法がラミネート
法であってもよい。
【0036】図2(f)で示す第6の工程において誘電
体層10を形成する。誘電体ガラス粉末を含むペースト
をスクリーン印刷法を用いて前面基板3、透明電極5
a、5b、黒色電極7a、7bおよび金属電極8a、8
bの全面に塗布する。その後、赤外線乾燥炉を用いた9
0℃、10分間の乾燥工程によりペーストに含まれる溶
剤は塗膜から除去される。スクリーン印刷法では一度の
印刷では所望の膜厚の塗膜が形成されないため、この印
刷及び乾燥工程を複数回繰り返し所望の膜厚の誘電体材
料膜を形成する。その後600℃程度の温度で焼成して
誘電体層10を形成する。尚、このときの誘電体層10
の膜厚は約30μmである。
【0037】尚、誘電体材料膜の塗布はスクリーン印刷
法を用いなくてもよく、例えばダイコート法であって
も、ラミネート法であってもよい。また、焼成の温度は
誘電体材料の特性によって適宜変更してもよい。また、
誘電体層10の膜厚は30μmでなくてもよく、パネル
の特性に応じて変化させることができる。
【0038】図3の(a)、(b)で示す第7、第8の
工程は反射材料膜23の塗工工程および反射層19の形
成工程である。この工程は用いられる材料が酸化チタン
(TiO2)とフリットガラスと含む感光性ペーストで
あることを除いて第3および第5の工程と同様である。
このような材料を用いることで、反射層19を白色の誘
電体とすることができる。パターニングの際、金属電極
8a、8bの露光乾板と同様なパターンの露光乾板を使
用すると、反射層19を金属電極8a、8b上にのみ形
成することができる。
【0039】尚、反射材料膜23がTiO2でなくても
よく、例えば硫酸バリウム(BaSO4)であってもよ
い。また、反射層19のパターニングは金属電極8a、
8bのパターニングを行うときに用いる露光乾板と同様
なパターンの露光乾板を使用しなくてよい。更に、パタ
ーニングはフォト法を用いなくてもよく、例えば反射層
19のパターンが形成された転写フィルムを用いて反射
層19のパターンを誘電体層10上に転写してもよい。
【0040】図3(c)で示す第9の工程は保護層11
の成膜工程である。保護層11は酸化マグネシウム(M
gO)からなり電子ビーム蒸着法によりパネルに一様に
成膜される。このときの保護層11の膜厚は約600n
mである。
【0041】保護層11は電子ビーム蒸着法によって成
膜されなくてもよく、例えばスパッタ法やCVD法を用
いて成膜されてもよい。
【0042】次に、背面パネル2の作成方法について説
明すると、背面パネル2の作成は、まず背面基板12上
にアドレス電極13を形成し、その上にガラス製の隔壁
15および隔壁16を所定のピッチで形成し、更に隔壁
15と隔壁16とに挟まれた空間に赤色蛍光体、緑色蛍
光体、青色蛍光体による蛍光体層17を形成することに
より作製する。
【0043】ここで、アドレス電極13は、背面基板1
2上に、紫外線感光性樹脂を含んだAgペーストをスク
リーン印刷法により背面基板12に均一塗布して乾燥し
た後、露光現像によるパターニングと焼成によって形成
する。
【0044】また、蛍光体層17は、隔壁15と隔壁1
6とによって挟まれた空間に、赤色蛍光体、緑色蛍光
体、青色蛍光体のいずれかをインク吐出法によって塗布
することにより形成する。各色の蛍光体としては、一般
的にPDPに用いられる蛍光体を用いることができる
が、ここでは例えば次のような蛍光体を用いる。
【0045】赤色蛍光体としては、(YXGd1-X)BO
3:Eu3+あるいはYBO3:Eu3+を用いる。緑色蛍光
体としてはYBO3:TbあるいはZn2SiO4:Mn
を用いる。青色蛍光体としてはBaMgAl1019e
2+を用いる。
【0046】次に、このようにして作製した前面パネル
1と背面パネル2とを封着用ガラスを用いて張り合わせ
ると共に、前面パネル1と背面パネル2の間の空間内を
高真空(1.1×10-4Pa)に排気する。この後、所
定の組成の放電ガス18を所定の圧力で封入することに
よってPDPを作製する。
【0047】封入する放電ガス18の組成は、従来から
用いられているネオン‐キセノン(Ne−Xe)系であ
る。Xeの含有量を5体積%以上に設定し、封入圧力は
約66,700から約106,700Paの範囲に設定
する。
【0048】次に、上記のように作成された本実施の形
態1における発光方法について図1を用いて説明する。
本実施の形態1において、隔壁15、16に仕切られた
前面基板3と背面基板12との間で、さらに表示電極4
a、4bとアドレス電極13を含む空間が1つのセルを
形成している。ここでは同一のセルに含まれる表示電極
4aと表示電極4bとの間の放電による発光を例に取り
説明する。
【0049】具体的には、表示電極4a、4bとアドレ
ス電極13とにそれぞれに電圧をかけることで放電が開
始され、その後表示電極4aと表示電極4bとそれぞれ
に印加される電圧を切り替えることにより放電が維持さ
れる。これらの放電により、放電ガス18が励起され紫
外線が放出される。さらに、この紫外線は蛍光体層17
で可視光に変換され、このうち蛍光体層17から前面基
板3の方向(図1の矢印Cの方向)に放出された可視光
は、放電ガス18、保護層11、誘電体層10を通過
し、前面基板3の開口部から外部へ取り出される。
【0050】この際、反射層19が配置されていること
で次のような効果がある。表示電極4a、4bの導電率
を向上させるために設けられているバス電極6a、6b
は、金属で構成されている。そのため従来は、蛍光体層
17からバス電極6a、6bに達した可視光は、バス電
極6a、6bの表面で一部吸収され可視光の利用効率が
低くなっていた。これに対し、本実施の形態1において
は、白色の反射層19は、反射層を前面基板3に垂直
(図1中の座標のY軸方向)に投影した領域がバス電極
6a、6bとそれぞれほぼ一致するように配置されてい
る。このため、蛍光体層17から図1の矢印Aの方向に
放出された可視光はバス電極6a、6bに達する前に反
射層19で蛍光体層17の方向(図1の矢印Bの方向)
に反射される。この反射された可視光は、蛍光体層17
等で再び前面基板3の方向(図1の矢印Cの方向)に反
射される。これにより、バス電極6a、6bでの可視光
の吸収を抑えて開口部から可視光を効率良く取り出すこ
とができる。
【0051】ここで、バス電極6a、6bは金属で構成
されているので、蛍光体層17から前面基板3の方向に
放出された可視光の一部は蛍光体層17の方向に反射さ
れている。さらにはバス電極6a、6bの表面に反射層
を設けた場合でも、蛍光体層17から前面基板3の方向
に放出された可視光を蛍光体層17の方向に反射させる
ことは可能である。しかしこれらの場合でも、可視光が
バス電極6a、6bまたは反射層に達する前と蛍光体層
17の方向に反射された後との2回誘電体層10を通過
することになる。そこで、誘電体層10での可視光の吸
収量が大きくなってしまっていた。
【0052】これに対し、本実施の形態1においては、
反射層19は、誘電体層10の表面に配置されているた
め、蛍光体層17から放出された可視光を、誘電体層1
0を通過する前に蛍光体層17の方向に反射することが
できる。この反射された可視光は、蛍光体層17等で再
び前面基板3の方向に反射される。これにより、誘電体
層10での可視光の吸収を抑えて開口部から可視光を効
率良く取り出すことができる。
【0053】本実施の形態1においては、反射層19
が、反射層を前面基板3に垂直に投影した領域がバス電
極6a、6bとそれぞれほぼ一致するように配置されて
いることに加え、誘電体で構成することにより次のよう
な効果がある。
【0054】バス電極6a、6b上の誘電体層10の図
1の座標のY方向長さ(以下「厚さ」という。)は他の
部分に比べて、バス電極6a、6bの厚さの分だけ小さ
い。一般に、誘電体層の厚さが小さくなると誘電体層の
耐圧特性は低下する。そのため誘電体層10の厚さが小
さいバス電極6a、6b近傍の誘電体層10で絶縁破壊
が起こりやすい。しかし本実施の形態においては、誘電
体材料により構成されている反射層が、誘電体として機
能することにより、バス電極6a、6b上の誘電体層1
0の厚さが実質的に増加する。これにより誘電体層10
の耐圧特性が向上する。
【0055】この場合、誘電体層10の耐圧特性を反射
層19がない場合と同じにして、反射層19の厚さの分
誘電体層10の厚さをバス電極6a、6bの厚さを限度
に小さくすることも可能である。これにより誘電体層1
0の厚さが小さくなり、静電容量が増加し、駆動電圧を
小さくすることができる。駆動電圧が小さくなると表示
電極間の電位差が小さくなるので、放電の際、隣接する
セルに属する表示電極4aと4b間でおこる誤放電(ク
ロストーク)が防止できる。
【0056】ここで本実施の形態1における反射層19
の色、材質、配置位置、X軸方向長さ(以下、「幅」と
いう。)などについてさらに詳しく述べる。反射層19
はTiO2を含み、色は白色である。反射層19の色は
全ての可視光を反射する白色が好ましい。反射層19は
蛍光体層17が放出する可視光の波長とほぼ同じ波長の
色の誘電体でも構わない。例えば、蛍光体層17から放
出する可視光が赤色の場合は、赤色の誘電体であっても
よい。この場合、赤色の可視光を反射することができ
る。蛍光体層17から放出する可視光が緑色の場合は、
緑色の誘電体であってもよい。この場合は緑色の可視光
を反射することができる。蛍光体層17から放出する可
視光が青色の場合は、青色の誘電体であってもよい。こ
の場合は青色の可視光を反射することができる。
【0057】さらに、可視光を反射するという効果に限
れば、反射層19の材質は金属光沢を有する金属であっ
ても構わない。
【0058】また、反射層19は、これを前面基板3に
垂直に投影した領域がバス電極6a、6bとほぼ一致す
る位置に配置されていることが好ましい。しかし、これ
らの領域がバス電極6a、6bの一部だけと重なるよう
に反射層19が配置されていてもかまわない。
【0059】また反射層19の幅は、バス電極6a、6
bの幅と同じであることが好ましいが、これより大きく
ても小さくても構わない。反射層19の幅がバス電極6
a、6bの幅より大きい場合は、可視光が透過する部分
が小さくなりすぎない程度であればよい。ただし反射層
19が金属材料で構成されている場合は、反射層19の
幅がバス電極6a、6bの幅より大きいと外光を反射し
コントラストが低下してしまうため、反射層19の幅は
バス電極6a、6bの幅より大きくならないほうが好ま
しい。反射層19の幅がバス電極6a、6bの幅より小
さい場合は、可視光を反射する効果が十分得られる程度
であればよい。また、反射層19は隔壁がある部分には
設けなくてもよい。 (実施の形態2)図4は本発明の実施の形態2に係るP
DPの構造を示す断面図である。図4において、9は遮
光層、24は反射層である。
【0060】本実施の形態2に係るPDPの構造は、図
4に示すように、前面パネル1が遮光層9と反射層24
を有する点で、実施の形態1と異なる。具体的には、遮
光層9は互いに異なるセルに属する表示電極間に配置さ
れている。反射層24は、反射層24を前面基板3に垂
直に投影した領域が遮光層9とほぼ一致するように、誘
電体層10の表面に配置されている。その他の構造につ
いては実施の形態1と同様であり説明を省略する。
【0061】次に、以上の構造を有する本実施の形態2
に係るPDPの製造方法について説明する。実施の形態
2においては、前面パネル1の作成に際し、遮光層9と
反射層24を形成する工程をさらに含む点で実施の形態
1と異なる。
【0062】具体的には、図2(b)と図2(c)との
間に遮光層9を形成する工程が含まれる。この工程は、
ペーストに用いられる材料が黒色顔料を含む誘電体材料
であることを除いて、図2(c)および(e)の工程と
同様である。ここで黒色顔料は例えば銅(Cu)、鉄
(Fe)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバル
ト(Co)の2種類以上を主成分として含む金属酸化物
顔料を用いる。この場合、遮光層9の色は黒色となる。
黒色であれば全ての波長の可視光を吸収するため、遮光
層9の色は黒色であることが好ましい。しかし、可視光
を吸収する効果があれば遮光層9の色は黒色でなくとも
よく、暗色であればよい。
【0063】また図3(b)の工程において、パターニ
ングの露光乾板を変化させることで反射層19に加え
て、反射層24もパターニングする。尚、この他の工程
および構成材料等については、実施の形態1と同様であ
り説明を省略する。
【0064】本実施の形態2においては、反射層24が
配置されていることで次のような効果がある。
【0065】外部から前面基板3に入る可視光を吸収し
て表示コントラストを上昇させるため設けられている遮
光層9は、黒色の誘電体からなる。そのため従来は、蛍
光体層17から遮光層9に達した可視光は、遮光層9で
吸収されていた。これに対し、本実施の形態2において
は、白色の反射層24は、反射層24を前面基板3に垂
直に投影した領域が、遮光層9とほぼ一致するように配
置されている。このため、蛍光体層17から放出された
可視光は遮光層9に達する前に反射層24で蛍光体層1
7の方向に反射される。この反射された可視光は、蛍光
体層17等で再び前面基板3の方向に反射される。これ
により、遮光層9での可視光の吸収を抑えて開口部から
可視光を効率良く取り出すことができる。
【0066】また、従来、遮光層9の表面に反射層を設
けた場合は、蛍光体層17から前面基板3に放出された
可視光を蛍光体層17の方向に反射することは可能であ
った。しかしこの場合、可視光が反射層に達する前と蛍
光体層17の方向に反射された後との2回誘電体層10
を通過することになる。そこで、誘電体層10での可視
光の吸収量が大きくなり光の利用効率が低下していた。
これに対し、本実施の形態2においては、反射層24
は、誘電体層10の表面に配置されているため、蛍光体
層17から放出された可視光を、誘電体層10を通過す
る前に蛍光体層17の方向に反射することができる。こ
の反射された可視光は、蛍光体層17等で再び前面基板
3の方向に反射される。これにより、誘電体層10での
可視光の吸収を抑えつつ、開口部から可視光を効率良く
取り出すことができる。
【0067】さらに、反射層24は異なるセルの間に配
置されていることで次のような効果がある。反射層24
は、その厚さの分だけ、互いに異なるセルに属する表示
電極4a、4b間の電荷移動の障壁となる。すなわち、
表示電極4bの上部の誘電体層10表面に蓄積される電
荷と、隣接するセルの表示電極4a上部の誘電体層10
表面に蓄積される電荷の移動が、反射層24により妨げ
られる。すなわち、互いに異なるセルに属する表示電極
4aと4bとの間のクロストークの発生を防止して表示
品質を向上させることができる。またクロストークが起
こりづらくなるので、同じセルに属するバス電極6a、
6bの間隔をさらに大きくとることも可能であり、こう
することで同じセルに属する表示電極4aと4bとの放
電により発生する紫外線の発光強度を上げ、発光効率を
さらに向上させることができる。
【0068】また、反射層19を配置することで、誘電
体層10での吸収を抑えつつバス電極6a、6bでの可
視光の吸収を防止する効果がある。また誘電体層10の
耐圧特性を向上する効果およびこれに付随してクロスト
ークの発生を防止する効果がある。
【0069】ここで、本実施の形態2における反射層1
9、24の色、材質、配置位置、幅についてさらに詳し
く述べる。
【0070】反射層19、24の材質、色については実
施の形態1と同様であり、白色の誘電体以外にも、赤色
の誘電体、青色の誘電体、緑色の誘電体、金属光沢を有
する金属等であってもかまわない。
【0071】反射層19の位置、幅については実施の形
態1と同様である。すなわち、反射層19を前面基板3
に投影した領域の一部だけが、バス電極6a、6bにそ
れぞれ重なっていてもよい。また反射層19の幅は、バ
ス電極6a、6bより大きくても小さくともよい。
【0072】反射層24は、反射層24を前面基板3に
垂直に投影した領域が、遮光層9とほぼ一致する位置に
配置されていることが好ましい。しかし、これらの領域
が遮光層9の一部だけと重なるように反射層24が配置
されていてもかまわない。
【0073】反射層24の幅は、遮光層9の幅と同じで
あることが好ましいが、これより大きくても小さくても
構わない。反射層24の幅が遮光層9の幅より大きい場
合は、可視光が透過する部分が小さくなりすぎない程度
であればよい。ただし反射層24が金属材料で構成され
ている場合は、反射層24の幅が遮光層9の幅より大き
いと外光を反射しコントラストが低下してしまうため、
反射層19の幅は遮光層9の幅より大きくならないほう
が好ましい。反射層19の幅が遮光層9の幅より小さい
場合は、可視光を反射する効果が十分得られる程度であ
ればよい。また、反射層19、24は隔壁がある部分に
は設けなくてもよい。
【0074】次に、反射層の配置に関して、本実施の形
態2の変形例を3つ開示する。図5は本発明の実施の形
態2に係るバス電極上部のみに反射層を設けたPDPの
構造を示す断面図である。ここで図5に用いる符号は図
4に用いる符号と同じであり説明を省略する。図5は、
バス電極6a、6bの上部にのみ反射層19が設けられ
ている点で図4と異なる。この場合、反射層19によ
り、誘電体層10での吸収を抑えつつバス電極6a、6
bでの可視光の吸収を防止する効果が得られる。また誘
電体層10の耐圧特性を向上する効果およびこれに付随
してクロストークの発生を防止する効果がある。
【0075】遮光層9上部のみに反射層24を設ける場
合も考えられる。図6は本発明の実施の形態2に係る遮
光層上部のみに反射層を設けたPDPの構造を示す断面
図である。ここで図6に用いる符号は図4に用いる符号
と同じであり説明を省略する。この場合、反射層24に
より、遮光層9での可視光の吸収を防止する効果が得ら
れる。また異なるセル間の電荷移動の障壁となってクロ
ストークを防止する効果等がある。
【0076】尚、図5、図6の何れの変形例も、反射層
を製造する図3(b)の工程において、パターニングの
露光乾板を変化させることで所定の位置に反射層を形成
することができる。
【0077】誘電体層が多層構造であっても構わない。
例えば、図7は本発明の実施の形態2に係る誘電体層が
多層構造である場合のPDPの構造を示す断面図を示し
ている。図7において、10aは第1の誘電体層、10
bは第2の誘電体層である。また25、26は遮光層で
ある。図7の他の符号については図4と同様であり説明
を省略する。図7は、遮光層25、26が誘電体層10
aの表面に配置され、反射層19、24が誘電体層10
bの表面に配置されている点で、図4と異なる。具体的
には、バス電極6a、6bを誘電体層10b表面に垂直
に投影した領域とほぼ一致するように、遮光層25が配
置されている。遮光層26は互いに異なるセルに属する
表示電極間でかつ誘電体層10a表面に配置されてい
る。反射層19は誘電体層10bの表面に配置されてい
る点で図4と異なり、反射層19を誘電体層10aに垂
直に投影した領域が遮光層25にほぼ一致するように配
置されている。同様に、反射層24は誘電体層10bの
表面に配置されている点で図4と異なり、反射層24を
誘電体層10aに垂直に投影した領域が、遮光層26と
ほぼ一致するように配置されている。この場合、反射層
19は誘電体層10a、10bでの吸収を抑えつつバス
電極6a、6bでの蛍光体層17から前面基板3方向へ
放出された可視光の吸収を防止する効果がある。また誘
電体層10a、10bの耐圧特性を向上する効果および
これに付随してクロストークの発生を防止する効果があ
る。反射層24は誘電体層10a、10bでの吸収を抑
えつつ遮光層26での蛍光体層17から前面基板3方向
へ放出された可視光の吸収を防止する効果がある。また
クロストークの発生を防止する効果がある。 (実施の形態3)図8は本発明の実施の形態3に係るP
DPの構造を示す断面図である。ここで図8の符号につ
いては、実施の形態2の図4と同じであり説明を省略す
る。図8に示すように、本実施の形態3は、遮光層2
5、26が誘電体層10の表面に配置され、遮光層2
5、26の表面に反射層19、24がそれぞれ配置され
ている点で、実施の形態2と異なる。具体的には、バス
電極6a、6bを誘電体層10表面に垂直に投影した領
域とほぼ一致するように、遮光層25が誘電体層10表
面に配置されている。遮光層26は互いに異なるセルに
属する表示電極間かつ誘電体層10表面に配置されてい
る。反射層19は遮光層25と同じ幅で遮光層25の表
面に形成されている。また、反射層24は遮光層26と
同じ幅で遮光層26の表面に配置されている。その他の
構造については実施の形態2の図4と同様であり説明を
省略する。
【0078】次に、以上の構造を有する本実施の形態3
にかかるPDPの製造方法について説明する。本実施の
形態3においては、前面パネル1の作製時に、遮光層と
反射層の形成位置が実施の形態2と異なる。
【0079】図2の(a)、(b)、(c)、(d)、
(e)、(f)とこれに続く図9の(a)、(b)、
(c)、(d)は、本実施の形態3にかかるPDPの前
面パネル1の製造方法の工程概略図である。図9におい
て、27は遮光材料膜、28は反射材料膜を示してい
る。これ以外の符号については図8の符号と同じであり
説明を省略する。図2の製造工程については実施の形態
1の場合と同様であり、説明は省略する。
【0080】図9(a)で示す第7の工程は遮光材料膜
27を形成する工程であるが、この工程は、塗工材料が
黒色顔料を含む誘電体であることを除いて、図2(c)
の工程と同様である。ここで黒色顔料は例えば、銅(C
u)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、マンガン(M
n)、コバルト(Co)の酸化物の2種類以上を主成分
として含む金属酸化物顔料を用いる。この場合、遮光層
の色は黒色となる。黒色であれば全ての波長の可視光を
吸収するため、遮光層の色は黒色であることが好まし
い。しかし、可視光を吸収する効果があれば遮光層の色
は黒色でなくともよく、暗色であってもよい。
【0081】図9(b)で示す第8の工程は前記第7の
工程で形成された遮光材料膜27上に反射層材料膜28
を塗工する点を除いて図2(d)の工程と同様である。
【0082】図9(c)で示す第9の工程は遮光材料膜
27と反射材料膜28との積層膜をパターニングする点
を除いて図2(e)の第8の工程と同様である。
【0083】図9(d)は実施の形態1の図3(c)の
工程と同様である。
【0084】図9で示した工程によれば、誘電体層10
表面上に所望のパターンに形成された遮光層25,26
と反射層19,24との二層からなる構造を形成するこ
とができる。また、図9中(c)で示すように遮光層2
5、26と反射層19,24とを同時にパターニングす
ることができるので、実施の形態2の場合と比べて、製
造工程が簡略化できる。
【0085】本実施の形態3においては、遮光層25,
26が誘電体層10表面に配置されていることで次のよ
うな効果がある。
【0086】誘電体である遮光層25は、遮光層25を
前面基板3に垂直に投影した領域がバス電極6a、6b
とほぼ一致するように配置されている。これにより、バ
ス電極6a、6b上の厚さが、実施の形態1および2の
場合に比べて遮光層25の厚さの分増加する。よって誘
電体層10の耐圧特性がより向上する。
【0087】さらに、遮光層26が異なるセルの間に配
置されていることで次のような効果がある。遮光層26
は、その厚さの分だけ、互いに隣接するセルの表示電極
4a、4b間の電荷移動の障壁となる。これにより、実
施の形態2に比べて、遮光層26の厚さの分だけ、さら
に電荷移動の障壁が大きくなり、クロストークをより防
止できるようになる。
【0088】尚、反射層19、24を配置する効果につ
いては、実施の形態2と同様である。すなわち反射層1
9は誘電体層10での吸収を抑えつつバス電極6a、6
bでの蛍光体層17から前面基板3方向へ放出された可
視光の吸収を防止する効果がある。また誘電体層10の
耐圧特性を向上する効果およびこれに付随してクロスト
ークの発生を防止する効果がある。反射層24は誘電体
層10での吸収を抑えつつ遮光層26での蛍光体層17
から前面基板3方向へ放出された可視光の吸収を防止す
る効果がある。またクロストークの発生を防止する効果
等がある。
【0089】次に、本実施の形態3の変形例を1つ開示
する。図10は異なるセル間に配置された反射層が多層
構造である場合のPDPの構造を示す概略図を示してい
る。図10の符号については図8と同様であり説明を省
略する。
【0090】図10は反射層24が積層されている点で
図8と異なる。反射層24はバス電極6a、6b上部の
反射層19に比べて厚く形成されている。これにより、
異なるセル間の電荷移動の障壁が大きくなりクロストー
クがよりおこりにくなる。また表示セルの発光が隣接す
るセルへ漏れることも防止できる。さらに反射層24の
表面積が増加するため、光の反射がより効率的に行われ
る。
【0091】図10において反射層24の断面形状は山
形であるが、円形であっても楕円形であってもよく、本
実施の形態に限定されるものではない。
【0092】バス電極6a、6b上部の反射層19のみ
を積層してもよい。反射層19が誘電体で構成されてい
るならば、バス電極6a、6b上の誘電体層10の厚さ
が増加し、耐圧特性がより向上する。また反射層6a、
6bの表面積が増加するため、可視光の反射がより効率
的に行われる。
【0093】尚、以上実施の形態1、2および3におい
て、バス電極や遮光層と反射層との位置関係に関して開
示したが、遮光層の有無や、バス電極、反射層および遮
光層の位置関係の組み合わせは任意であり、実施の形態
1、2および3の関係に限定されるものではない。
【0094】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、可視光
の利用効率を向上することで発光効率を改善し、高輝
度、高画質のPDPを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るPDPの構造を示
す断面図
【図2】(a)〜(f)は同PDPの前面パネル1の製
造方法の工程概略図
【図3】(a)〜(c)は同PDPの前面パネル1の製
造方法の工程概略図
【図4】本発明の実施の形態2に係るPDPの構造を示
す断面図
【図5】同バス電極上部のみに反射層を設けたPDPの
構造を示す断面図
【図6】同遮光層上部のみに反射層を設けたPDPの構
造を示す断面図
【図7】同誘電体層が多層構造であるPDPの構造を示
す断面図
【図8】本発明の実施の形態3に係るPDPの構造を示
す断面図
【図9】(a)〜(d)は同PDPの前面パネル1の製
造方法の工程概略図
【図10】同異なるセル間に配置された反射層が多層構
造であるPDPの構造を示す断面図
【図11】従来のPDPの構造を示す概略図
【符号の説明】
3 前面基板 4a、4b 表示電極 5a、5b 透明電極 6a、6b バス電極 7a、7b 黒色電極 8a、8b 金属電極 9、25、26 遮光層 10 誘電体層 12 背面基板 14 誘電体層 17 蛍光体層 18 放電ガス 19、24 反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦田 英樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GD01 GE01 GH06 KB15 MA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電極を覆う誘電体層を形成した前
    面基板と、前記前面基板の前記電極側に対向して配置さ
    れかつ前記電極間の放電により発生する紫外線を可視光
    に変換する蛍光体層を形成した背面基板と、前記誘電体
    層の表面に配置され前記可視光を反射する反射層と、を
    備えたプラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 反射層を前面基板に垂直に投影した領域
    の少なくとも一部が電極に重なるように、反射層を配置
    した請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 電極により放電セルが構成され、前面基
    板上の互いに隣接する前記放電セル間に、可視光を吸収
    する遮光層を配置した請求項1に記載のプラズマディス
    プレイパネル。
  4. 【請求項4】 反射層を前面基板に垂直に投影した領域
    の少なくとも一部が遮光層に重なるように、反射層を配
    置した請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 【請求項5】 放電セルを構成する複数の電極を覆う誘
    電体層を形成した前面基板と、前記前面基板の前記電極
    側に対向して配置されかつ前記電極間の放電により発生
    する紫外線を可視光に変換する蛍光体層を形成した背面
    基板と、前記誘電体層表面の互いに隣接する放電セル間
    に配置され可視光を吸収する遮光層と、前記遮光層の表
    面に配置され前記可視光を反射する反射層と、を備えた
    プラズマディスプレイパネル。
  6. 【請求項6】 電極を誘電体層表面に投影した領域の少
    なくとも一部と重なるように、誘電体層表面に遮光層を
    さらに配置し、その遮光層の表面に反射層を配置した請
    求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 【請求項7】 反射層が誘電体である請求項1、5また
    は6に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 【請求項8】 反射層が金属である請求項1、5または
    6に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 【請求項9】 反射層の色が白色である請求項1、5ま
    たは6に記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 【請求項10】 反射層の色が蛍光体層により放出され
    る可視光とほぼ同じ色である請求項1、5または6に記
    載のプラズマディスプレイパネル。
  11. 【請求項11】 反射層が複数の反射層が積層された多
    層構造である請求項1、5または6に記載のプラズマデ
    ィスプレイパネル。
JP2001400152A 2001-12-28 2001-12-28 プラズマディスプレイパネル Pending JP2003203570A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400152A JP2003203570A (ja) 2001-12-28 2001-12-28 プラズマディスプレイパネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400152A JP2003203570A (ja) 2001-12-28 2001-12-28 プラズマディスプレイパネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003203570A true JP2003203570A (ja) 2003-07-18

Family

ID=27639813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001400152A Pending JP2003203570A (ja) 2001-12-28 2001-12-28 プラズマディスプレイパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003203570A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000034688A (ko) * 1998-11-30 2000-06-26 김영남 교류형 플라즈마 표시소자
JP2005317265A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネル及びそれを使用したプラズマディスプレイ装置
JP2007012342A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネル及びそれを用いた画像表示システム。
US7323819B2 (en) * 2003-10-21 2008-01-29 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel having high brightness and high contrast using light absorption reflection film
KR20080044660A (ko) * 2006-11-17 2008-05-21 삼성에스디아이 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널 및 그 제조 방법
JP2009081151A (ja) * 2009-01-23 2009-04-16 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネル及びそれを使用したプラズマディスプレイ装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000034688A (ko) * 1998-11-30 2000-06-26 김영남 교류형 플라즈마 표시소자
US7323819B2 (en) * 2003-10-21 2008-01-29 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel having high brightness and high contrast using light absorption reflection film
JP2005317265A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネル及びそれを使用したプラズマディスプレイ装置
US7605540B2 (en) 2004-04-27 2009-10-20 Hitachi, Ltd. Plasma display panels and plasma display devices which use the panel
JP4500094B2 (ja) * 2004-04-27 2010-07-14 株式会社日立製作所 プラズマディスプレイパネル
JP2007012342A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネル及びそれを用いた画像表示システム。
KR20080044660A (ko) * 2006-11-17 2008-05-21 삼성에스디아이 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널 및 그 제조 방법
JP2009081151A (ja) * 2009-01-23 2009-04-16 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネル及びそれを使用したプラズマディスプレイ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3394799B2 (ja) プラズマディスプレイ装置
US20040000870A1 (en) Panel assembly for PDP and manufacturing method thereof
US6812641B2 (en) Plasma display device
JP2003203570A (ja) プラズマディスプレイパネル
JPH0963488A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2003068215A (ja) プラズマ表示装置およびその製造方法
KR20070111195A (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 버스전극 형성 방법
WO2003085689A1 (en) Method for manufacturing plasma display panel
JP2002056775A (ja) プラズマディスプレイパネル用基板の製造方法、プラズマディスプレイパネル用基板及びプラズマディスプレイパネル
JP4052050B2 (ja) 交流駆動型プラズマ表示装置
JP4375113B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP4300733B2 (ja) 表示装置
JP2004158345A (ja) カラープラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JPH11329257A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2003197107A (ja) プラズマディスプレイ装置
KR101070920B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 전극 형성 방법
JP5023458B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2003203576A (ja) 面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法
US20090021165A1 (en) Plasma display panel and method of manufacturing the same
KR100589356B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
US8188660B2 (en) Plasma display panel having improved brightness and bright room contrast
JP4314983B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2003187708A (ja) プラズマディスプレイパネル
US20070046194A1 (en) Plasma display panel
JP2003162958A (ja) 面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041220

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070406

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070614

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070720

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080516