JP2009080621A - 数値制御装置、数値制御プログラム及び数値制御プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

数値制御装置、数値制御プログラム及び数値制御プログラムを記憶した記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】加工プログラムの確認のための作動におけるワーク損傷を防止する数値制御装置、数値制御プログラムを提供する。
【解決手段】設定モードならば(S1:YES)、パラメータ設定画面に入力されたオフセット量をオフセット量記憶エリアに記憶し(S3)、入力された下限値を下限値記憶エリアに記憶する(S4)。運転モードならば(S1:NO)、プログラム番号の入力が行われ(S11)、起動スイッチがONとされた際に(S12:YES)、ドライランスイッチがONならば(S13:YES)、オフセット量が下限値よりも小さいか否かの判断を行う(S14)。オフセット量が下限値よりも小さければ(S14:YES)、アラーム画面を表示する(S15)、オフセット量が適正な値でないことをユーザへ警告する。そして、起動スイッチがONされたら(S16:YES)、そのままドライラン動作でNCプログラムを実行する(S18)。
【選択図】図7

Description

本発明は、数値制御装置、数値制御プログラム及び数値制御プログラムを記憶した記憶媒体に関するものであり、詳細には、加工プログラムの確認のための作動におけるワーク損傷を防止する数値制御装置、数値制御プログラム及び数値制御プログラムを記憶した記憶媒体に関するものである。
従来、加工プログラムが正しいかを確認するために空運転するドライラン動作が利用されている。例えば、特許文献1に記載の発明のNC装置におけるドライラン制御装置では、ドライランモードでは、工具の移動の立ち上がり時間と立下り時間とを制御している。また、特許文献2に記載の発明の工作機械における運転制御装置では、ドライランにおいてクーラントを供給せずに動作を行わせている。また、従来、加工プログラムの指示よりも、工具とワークとの距離を予め定められた距離(オフセット量)だけ離した距離で動作するドライランも行われている。このようなオフセットは装置毎に1つ記憶されているが、加工プログラムにより使用する工具の長さ、ワークの高さが異なるため、操作者が適当なオフセット量を入力する必要がある。
特開平03−144807号公報 特開平02−100853号公報
しかしながら、操作者が入力した数値が適当なのもでなかった場合、操作者が入力を間違えた場合、操作者がオフセット量の入力を忘れた場合には、入力された値又は記憶されていた値によっては、工具がワークに接触してしまい、ワークを傷つけてしまうという問題があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、加工プログラムの確認のための作動におけるワーク損傷を防止する数値制御装置、数値制御プログラム及び数値制御プログラムを記憶した記憶媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の数値制御装置では、主軸により保持された工具を動作させ、冶具に固定されたワークを加工する工作機械を加工プログラムに基づいて数値制御する数値制御装置であって、前記工具と前記ワークとの距離を、前記加工プログラムの指定する距離よりも、所定量であるオフセット量だけ離した状態で前記加工プログラムに基づいて前記工具を動作させるドライラン動作を実施するドライラン動作手段と、前記オフセット量を入力するオフセット量入力手段と、前記オフセット量入力手段により入力された前記オフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、前記オフセット量の下限値を記憶する下限値記憶手段と、前記ドライラン動作手段により前記ドライラン動作の実施が開始される際に、前記オフセット量記憶手段に記憶されている前記オフセット量が、前記下限値記憶手段に記憶されている前記下限値よりも小さいか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記オフセット量が前記下限値よりも小さいと判断された場合には、前記オフセット量が前記下限値よりも小さいことを報知する報知手段とを備えている。
また、請求項2に係る発明の数値制御装置では、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記オフセット量記憶手段は、前記加工プログラム毎に前記オフセット量を記憶しており、前記判断手段は、ドライラン動作手段により前記ドライラン動作が実施される加工プログラムのオフセット量を前記下限値と比較することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の数値制御装置では、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記下限値記憶手段は、前記加工プログラム毎に前記下限値を記憶しており、前記判断手段は、ドライラン動作手段により前記ドライラン動作が実施される加工プログラムの下限値を前記オフセット量と比較することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の数値制御プログラムでは、コンピュータを請求項1乃至3のいずれかに記載の数値制御装置の各種処理手段として動作させることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体では、請求項4に記載の数値制御プログラムを記憶することを特徴とする。
請求項1に係る発明の数値制御装置では、ドライラン動作が実施される際に、オフセット量を下限値と比較し、オフセット量が下限値よりも小さい場合には、その旨が報知されるので、操作者はそのままドライラン動作を実施すると工具とワークとが接触して、ワークを損傷させてしまう危険があることを知ることができる。よって、正しいオフセット量を入力し直してドライラン動作を実施させることができる。
また、請求項2に係る発明の数値制御装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、加工プログラム毎にオフセット量を記憶できるので、加工プログラムをドライラン動作で実施させる度にオフセット量を入力する必要がなく、加工プログラムを登録した際に一度オフセット量を入力すればよい。よって、ドライラン動作の実施時に、実施させる加工プログラムのオフセット量を入力し忘れて、先に実施済みの加工プログラムのオフセット量で実施させてしまうことがない。
また、請求項3に係る発明の数値制御装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、加工プログラム毎に下限値を記憶できるので、加工プログラムに合った下限値での判断が行われる。よって、加工プログラムに即した下限値でオフセット量の判断をすることができる。
また、請求項4に係る発明の数値制御プログラムをコンピュータに実行させることにより、請求項1乃至3に係る発明の効果と同様の効果を奏することができる。
また、請求項5に係る発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体では、記憶されている数値制御プログラムをコンピュータに実行させることにより、請求項4に係る発明の効果と同様の効果を奏することができる。つまり、請求項1乃至3に係る発明の効果と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明の第一の実施の形態乃至第三の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して、第一の実施の形態について説明する。
図1を参照して、「ドライラン動作」について説明する。図1は、工具2とワーク3との位置関係を示す模式図である。数値制御装置1は、被加工物(ワーク)3を工具2を用いて加工する装置である。図1に示すように、数値制御装置1はワーク3を冶具4に固定し、工具2を移動させて作動させることによりワーク3を加工する。この工具2の移動の指令はNCプログラム(図4参照)に記述されており、NCプログラムを1行ずつ解釈して、工具2を移動、作動させる。数値制御装置1では、「ドライラン動作」でNCプログラムを実行させ、このNCプログラムが正しい動きをするかを確認する。つまり、「ドライラン動作」は、NCプログラムのテスト動作である。このドライラン動作では、実際にワークを加工するのではなく、工具2とワーク3との距離を離して動作させる。この工具2とワーク3とを離す距離が「オフセット量」である。これにより、実際にワーク3を加工することなく、NCプログラムの指示による工具の動きを確認することができる。なお、「オフセット量」はユーザが入力する。本発明の数値制御装置では、この「オフセット量」が下限値よりも小さい場合に、ワーク3を傷つける可能性があるとして、ユーザに報知する。
図1に示す例では、図1における上下方向がZ軸方向であり、図1における下から上の方向に向かって座標値は大きくなる。「オフセット量」を「100.0」とする。NCプログラムの指令により、Z=50.0の位置まで切削移動する場合には、Z=150.0までしか切削移動させないようにする。
ここで、図2を参照して、数値制御装置1の電気的構成について説明する。図2は、数値制御装置1の電気的構成を示すブロック図である。この構成は、第一の実施の形態乃至第三の実施の形態の数値制御装置1に共通である。
図2に示すように、数値制御装置1には、数値制御装置1の制御を行うCPU10が設けられている。このCPU10は、数値制御装置1全体の制御の中心となるプロセッサであり、バス20を介して、ROM11,出力インターフェース12,入力インターフェース13,RAM14,フラッシュメモリ18に接続されている。そして、ROM11には、数値制御装置1の制御を行う制御プログラムが記憶されており、CPU10はROM11から制御プログラムを読み出し、この制御プログラムがRAM14に記憶されたNCプログラムを読み出してワークの加工を実行する。RAM14には一時的な計算データ、表示データなども格納される。
そして、入力インターフェース13には、キーボード15、ドライランスイッチ16、起動スイッチ17が接続されている。キーボード15は、数値制御装置1に種々の情報を入力することができる。ドライランスイッチ16は、「ドライラン動作」で数値制御装置1を動作させるか否かの指示が入力される。ドライランスイッチ16がONであれば、「ドライラン動作」で数値制御装置1を動作させ、OFFであれば、ドライラン動作でない
「通常動作」で動作させる。つまり、OFFであれば、NCプログラムどおりの工具とワークとの位置関係で動作する。起動スイッチ17は、NCプログラムの実行を指示するスイッチである。ONされると、NCプログラムが読み出され、1行毎に指令が実行される。また、出力インターフェース12には、工具2をX軸方向へ移動させるためのX軸モータ31を駆動する駆動回路21、工具2をY軸方向へ移動させるためのY軸モータ32を駆動する駆動回路22、工具2をZ軸方向へ移動させるためのZ軸モータ33を駆動するための駆動回路23、工具2の主軸を回転させる主軸モータ34を駆動する駆動回路24、表示装置35の制御を行う制御回路25を接続している。
次に、図3を参照して、フラッシュメモリ18に設けられている記憶エリアについて説明する。図3は、フラッシュメモリ18に設けられている記憶エリアを示す模式図である。図3に示すように、フラッシュメモリ18には、オフセット量記憶エリア181及び下限値記憶エリア182が少なくとも設けられている。本第一の実施の形態では、オフセット量記憶エリア181には1つのオフセット量が記憶され、下限値記憶エリア182にも1つの下限値が記憶される。本第一の実施の形態では、数値制御装置1に1つのオフセット量を記憶するので、ドライラン動作でNCプログラムを実行する場合には、実行させるNCプログラムに応じてオフセット量を設定し直す必要がある。
次に、図4を参照して、NCプログラムについて説明する。図4は、NCプログラムの模式図である。図4に示すように、NCプログラムは1行を1ブロックとして、工具2の動作が定義されている。そして、各行の先頭に「N」と数字で表されているブロック番号が記載されている。図4に示す例では、「N1」,「N2」,「N3」・・・,「N6」の6つのブロックが記載されている。そして、「N1」の「Z250」,「N3」の「Z200」、「N4」の「Z230」、「N5」の「Z198」は工具をZ軸のどの位置まで移動させるかを示す指令である。本実施の形態では、ワークから離れる方向に数値が大きくなるように座標系が設定されている。また、「N1」,「N4」の「G0」は工作機械の最高移動速度で工具2を移動させる指令である。「N4」の「G0Z230」は、工具2をZ軸の230まで最高移動速度で移動させる指令(移動指令)である。また、「N3」,「N5」の「G1」は、工具2を指定の速度で移動させる指令(切削移動指令)である。「N3」,「N5」の「F1000」、「F600」が指定の速度であり、「F1000」は、1000mm/分の速度を示している。そして、「G90」は、座標指示が絶対値指定方式であることを指定しており、「M8」は切削油を供給する指令であり、「M30」はプログラムの終了の指令である。
なお、切削移動指令は「G1」だけでなく、例えば、「G2」,「G3」,「G102」,「G103」,「G202」,「G203」,「G12」,「G13」がある。「G2」は、時計回りで円を描きながら切削を行う円弧補間指令又はヘリカル補間指令である。「G3」は、反時計回りで円を描きながら切削を行う円弧補間指令又はヘリカル補間指令である。円弧補間指令とヘリカル補間指令との違いは、ヘリカル補間指令にはZ軸方向の移動を伴いながら切削をすることである。円弧補間指令ではZ軸方向の移動は伴わない。「G102」は、時計回りで、X軸及びZ軸方向の円弧で切削を行うXZ円弧補間指令である。「G103」は、反時計回りで、X軸及びZ軸方向の円弧で切削を行うXZ円弧補間指令である。「G202」は、時計回りで、Y軸及びZ軸方向の円弧で切削を行うYZ円弧補間指令である。「G203」は、反時計回りで、Y軸及びZ軸方向の円弧で切削を行うYZ円弧補間指令である。「G12」は、時計回りで円の切削を行う円切削指令である。「G13」は、反時計回りで円の切削を行う円切削指令である。オフセット量の決定の際に利用されるものは、Z軸方向への移動を伴うものである。したがって、これらの切削移動指令において、「G1」,「G2」,「G3」でZ軸方向への移動の指令があるもの、「G102」,「G103」,「G202」,「G203」である。
次に、図5を参照して、パラメータ設定画面201について説明する。図5は、パラメータ設定画面201の模式図である。パラメータ設定画面201は、表示装置35に表示される画面である。このパラメータ設定画面201を用いて、「オフセット量」及び「下限値」を設定する。図5に示すように、パラメータ設定画面201には、オフセット量入力欄及び下限値入力欄が設けられている。ユーザは、キーボード15に設けられている数字キー(図示外)を操作して、オフセット量入力欄、下限値入力欄に数値を入力する。また、入力した数値を登録する場合には、キーボード15に設けられている確定キー(図示外)を操作して、入力した「オフセット量」及び「下限値」を確定させる。
次に、図6を参照して、アラーム画面210について説明する。図6は、アラーム画面210の模式図である。アラーム画面210は、オフセット量が下限値よりも小さい場合に、ユーザへの警告を報知する画面である。図6に示すように、アラーム画面210には、設定されているオフセット量(オフセット量記憶エリア181に記憶されている値)が表示され、設定されている下限値(下限値記憶エリア182に記憶されている値)よりも小さいことが表示される。図6に示す例では、オフセット量として「10.0」が記憶されており、下限値が「80.0」よりも小さいことを報知している。
次に、図7を参照して、数値制御装置1の動作について説明する。図7は数値制御装置1の動作を示したフローチャートである。この動作は、数値制御装置1の電源がONされるとCPU10が制御プログラムを実行することにより開始される。まず、ユーザにモードの指定を行わせ、「設定モード」であるか否かの判断を行う(S1)。なお、モードには「設定モード」と「運転モード」とが設けられている。モードの指定は表示装置35に「設定モード」ボタン及び「運転モード」ボタンが表示された指示画面(図示外)が表示され、ユーザがキーボード15の操作によりいずれかのモードを選択する。「設定モード」であれば(S1:YES)、パラメータ設定画面201(図5参照)を表示し、ユーザからのキー入力を受け付ける(S2)。次いで、オフセット量入力欄に入力されている値をオフセット量記憶エリア181に記憶し(S3)、下限値入力欄に入力されている値を下限値記憶エリア182に記憶する(S4)。そして、S1へ戻る。
次いで、S1では、再度、モードの指定が行われる(S1)。「運転モード」であれば(S1:NO)、プログラム番号の入力が行われる(S11)。ここでは、プログラム番号入力欄を設けたプログラム番号入力画面(図示外)を表示し、ユーザがキーボード15の操作によりプログラム番号を入力し、確定キーを押下する。入力されたプログラム番号は、RAM14の所定の記憶エリア(図示外)に記憶される。プログラム番号が入力されたら(S11)、起動スイッチ17がONとされたか否かの判断を行う(S12)。起動スイッチ17がONとされなければ(S12:NO)、起動スイッチ17がONとされるまで、起動スイッチ17のONの判断を繰り返し行い、待機する(S12:NO、S12)。起動スイッチがONとされたら(S12:YES)、ドライランスイッチ16がONであるか否かの判断を行う(S13)。ドライランスイッチ16がONでなければ(S13:NO)、通常通りにNCプログラムを実行させる(S17)。なお、NCプログラムの実行が終了したら、S1へ戻る。
ドライランスイッチ16がONであれば(S13:YES)、ドライラン動作を実行させることになる。そこで、オフセット量が下限値よりも小さいか否かの判断を行う(S14)。オフセット量記憶エリア181に記憶されている値が下限値記憶エリア182に記憶されている値よりも小さくなければ(S14:NO)、オフセット量は適正な値とされているので、そのままドライラン動作でNCプログラムを実行する(S18)。また、オフセット量が下限値よりも小さければ(S14:YES)、アラーム画面210(図6参照)を表示して(S15)、オフセット量が適正な値でないことをユーザへ警告する。そして、起動スイッチ17がONされたか否かの判断を行う(S16)。起動スイッチ17がONされたら(S16:YES)、ユーザがアラーム画面210に表示されたオフセット量でもドライラン動作を実行すると指示しているので、そのままドライラン動作でNCプログラムを実行する(S18)。なお、NCプログラムの実行が終了したら、S1へ戻る。また、所定時間経過しても起動スイッチがONされなければ(S16:NO)、S1へ戻る。
以上のようにして、ユーザにより設定されたオフセット量を下限値と比較し、下限値よりも小さくない場合のみオフセット動作が行われる。したがって、ドライラン動作でNCプログラムを実行させる際に、そのNCプログラムに適したオフセット量を設定し直すことを忘れてしまっても、下限値よりも小さい値であれば、アラーム画面210により警告をするので、ユーザはオフセット量が適正な値でないことに気付き、設定し直すことができる。また、オフセット量を誤って設定し、適した値よりも小さい値を入力してしまっても、下限値よりも小さい値であれば、アラーム画面210により警告をするので、ユーザはオフセット量を誤って入力したことに気付き、設定し直すことができる。さらに、下限値よりも小さくても、そのプログラムではワーク3を傷つけることなく動作できる安全な値であれば、起動スイッチ17をONすることにより、強制的にドライラン動作を実行させることもできる。
なお、第一の実施の形態において、フラッシュメモリ18のオフセット量記憶エリア181が、「オフセット量記憶手段」に該当し、下限値記憶エリア182が「下限値記憶手段」に該当する。S18でドライラン動作を実行するCPU10が「ドライラン動作手段」に相当し、S2,S3において、パラメータ設定画面201(図5参照)に入力されたオフセット量をオフセット量記憶エリア181に記憶する処理を行うCPU10が「オフセット量入力手段」に相当し、S14においてオフセット量が下限値より小さいか否かを判断する処理を行うCPU10が「判断手段」に相当し、S15でアラーム画面210(図6参照)を表示するCPU10が「報知手段」に相当する。
なお、第一の実施の形態において、下限値をユーザが入力したが、この下限値はユーザが入力するのではなく、予め記憶されている値であってもよい。
次に、図8乃至図10を参照して、第二の実施の形態について説明する。なお、数値制御装置1の電気的構成、NCプログラムの構成は第一の実施の形態と同様であるので、説明を援用して省略する。図8は、フラッシュメモリ18に設けられているオフセット量記憶エリア181の構成を示す模式図である。図8に示すように、第二の実施の形態のオフセット量記憶エリア181には、プログラム番号欄及びオフセット量欄が設けられており、プログラム番号に対応して、オフセット量が記憶されている。図8に示す例では、プログラム番号「0001」のオフセット量は「100.0」であり、プログラム番号「0002」のオフセット量は「150.0」であり、プログラム番号「0003」のオフセット量は「50.0」であり、プログラム番号「1000」のオフセット量は「30.0」であり、プログラム番号「1001」のオフセット量は「100.0」であり、プログラム番号「1024」のオフセット量は「100.0」である。
次に、図9を参照して、パラメータ設定画面202について説明する。図9は、パラメータ設定画面202の模式図である。パラメータ設定画面202は、表示装置35に表示される画面である。このパラメータ設定画面202を用いて、「オフセット量」及び「下限値」を設定する。図9に示すように、パラメータ設定画面202には、プログラム番号入力欄、オフセット量入力欄及び下限値入力欄が設けられている。プログラム番号入力欄とオフセット量入力欄とは対応付けられており、プログラム番号に対するオフセット量が入力できるようになっている。ユーザは、キーボード15に設けられている数字キー(図示外)を操作して、プログラム番号入力欄、オフセット量入力欄、下限値入力欄に数値を入力する。また、入力した数値を登録する場合には、キーボード15に設けられている確定キー(図示外)を操作して、入力した「プログラム番号」、「オフセット量」及び「下限値」を確定させる。
次に、図10を参照して、第二の実施の形態における数値制御装置1の動作について説明する。図10は数値制御装置1の動作を示したフローチャートである。この動作は、数値制御装置1の電源がONされるとCPU10が制御プログラムを実行することにより開始される。第二の実施の形態では、第一の実施の形態における設定モードでの処理(S2〜S4)、ドライランスイッチ16ON時のオフセット量の判断処理(S14)が第二の実施の形態特有の処理となっている。その他の処理は第一の実施の形態と同様であるので、説明を援用して省略する。第一の実施の形態のS1,S11〜S13,S15,S16,S17,S18の処理は、それぞれ第二の実施の形態のS21,S31〜S33,S35,S36,S37,S38に対応する。
第二の実施の形態における設定モード処理(S22〜S24)では、パラメータ設定画面202(図9参照)を表示し、ユーザからのキー入力を受け付ける(S22)。次いで、プログラム番号入力欄及びオフセット量入力欄に対応付けられて入力されている値を、オフセット量記憶エリア181のプログラム番号欄及びオフセット量欄に対応付けて記憶する(S23)。そして、下限値入力欄に入力されている値を下限値記憶エリア182に記憶する(S24)。そして、S21へ戻る。
また、第二の実施の形態におけるドライランスイッチ16ON時のオフセット量の判断処理(S34)では、S31で入力され、RAM14に記憶されている実行プログラム番号に対応したオフセット量をオフセット量記憶エリア181から読み出し、下限値記憶エリア182に記憶されている値よりも小さいか否かを判断する。そして、第一の実施の形態と同様に、オフセット量が下限値よりも小さければ(S34:YES)、アラーム画面210を表示して(S35)、オフセット量が適正な値でないことをユーザへ警告する。
以上のようにして、第二の実施の形態では、ユーザによりプログラム毎に設定されたオフセット量を下限値と比較し、下限値よりも小さくない場合のみオフセット動作が行われる。したがって、プログラム毎にオフセット量が設定できるので、実行させるNCプログラムを変更する毎にオフセット量の設定変更をする必要がないので、ユーザの手間が省ける。また、オフセット量を誤って設定し、適した値よりも小さい値を入力してしまっても、下限値よりも小さい値であれば、アラーム画面210により警告をするので、ユーザはオフセット量を誤って入力したことに気付き、設定し直すことができる。さらに、下限値よりも小さくても、そのプログラムではワーク3を傷つけることなく動作できる安全な値であれば、起動スイッチ17をONすることにより、強制的にドライラン動作を実行させることもできる。
なお、第二の実施の形態において、フラッシュメモリ18のオフセット量記憶エリア181が、「オフセット量記憶手段」に該当し、下限値記憶エリア182が「下限値記憶手段」に該当する。S38でドライラン動作を実行するCPU10が「ドライラン動作手段」に相当し、S22,S23において、パラメータ設定画面202(図9参照)に入力されたオフセット量をオフセット量記憶エリア181に記憶する処理を行うCPU10が「オフセット量入力手段」に相当し、S34においてオフセット量が下限値より小さいか否かを判断する処理を行うCPU10が「判断手段」に相当し、S35でアラーム画面210(図6参照)を表示するCPU10が「報知手段」に相当する。
次に、図11乃至図13を参照して、第三の実施の形態について説明する。なお、数値制御装置1の電気的構成、NCプログラムの構成は第一の実施の形態と同様であるので、説明を援用して省略する。図11は、フラッシュメモリ18に設けられている下限値記憶エリア182の構成を示す模式図である。図11に示すように、第三の実施の形態の下限値記憶エリア182には、プログラム番号欄及び下限値欄が設けられており、プログラム番号に対応して、下限値が記憶されている。図11に示す例では、プログラム番号「0001」の下限値は「80.0」であり、プログラム番号「0002」の下限値は「125.0」であり、プログラム番号「0003」の下限値は「40.0」であり、プログラム番号「1000」の下限値は「26.0」であり、プログラム番号「1001」の下限値は「72.0」であり、プログラム番号「1024」の下限値は「68.0」である。なお、オフセット量記憶エリア181は、図8に示した第二の実施の形態におけるオフセット量記憶エリア181と同様である。
次に、図12を参照して、パラメータ設定画面203について説明する。図12は、パラメータ設定画面203の模式図である。パラメータ設定画面203は、表示装置35に表示される画面である。このパラメータ設定画面203を用いて、「オフセット量」及び「下限値」を設定する。図12に示すように、パラメータ設定画面203には、プログラム番号入力欄、オフセット量入力欄及び下限値入力欄が設けられている。プログラム番号入力欄とオフセット量入力欄と下限値入力欄とは対応付けられており、プログラム番号に対するオフセット量及び下限値が入力できるようになっている。ユーザは、キーボード15に設けられている数字キー(図示外)を操作して、プログラム番号入力欄、オフセット量入力欄、下限値入力欄に数値を入力する。また、入力した数値を登録する場合には、キーボード15に設けられている確定キー(図示外)を操作して、入力した「プログラム番号」、「オフセット量」及び「下限値」を確定させる。
次に、図13を参照して、第三の実施の形態における数値制御装置1の動作について説明する。図13は数値制御装置1の動作を示したフローチャートである。この動作は、数値制御装置1の電源がONされるとCPU10が制御プログラムを実行することにより開始される。第三の実施の形態では、第一の実施の形態における設定モードでの処理(S2〜S4)、ドライランスイッチ16ON時のオフセット量の判断処理(S14)が第三の実施の形態特有の処理となっている。その他の処理は第一の実施の形態と同様であるので、説明を援用して省略する。第一の実施の形態のS1,S11〜S13,S15,S16,S17,S18の処理は、それぞれ第三の実施の形態のS41,S51〜S53,S55,S56,S57,S58に対応する。
第三の実施の形態における設定モード処理(S42〜S44)では、パラメータ設定画面203(図12参照)を表示し、ユーザからのキー入力を受け付けられる(S42)。次いで、プログラム番号入力欄及びオフセット量入力欄に対応付けられて入力されている値を、オフセット量記憶エリア181のプログラム番号欄及びオフセット量欄に対応付けて記憶する(S43)。そして、プログラム番号入力欄及び下限値入力欄に入力されている値を下限値記憶エリア182のプログラム番号欄及び下限値欄に対応付けて記憶する(S44)。そして、S41へ戻る。
また、第三の実施の形態におけるドライランスイッチ16ON時のオフセット量の判断処理(S54)では、S51で入力され、RAM14に記憶されている実行プログラム番号に対応したオフセット量をオフセット量記憶エリア181から読み出し、下限値記憶エリア182に読み出したプログラム番号に対応して記憶されている下限値よりも小さいか否かを判断する。そして、第一の実施の形態と同様に、オフセット量が下限値よりも小さければ(S54:YES)、アラーム画面210を表示して(S55)、オフセット量が適正な値でないことをユーザへ警告する。
以上のようにして、第三の実施の形態では、ユーザによりプログラム毎に設定されたオフセット量を、プログラム毎に設定された下限値と比較し、下限値よりも小さくない場合のみオフセット動作が行われる。したがって、プログラム毎にオフセット量が設定できるので、実行させるNCプログラムを変更する毎にオフセット量の設定変更をする必要がないので、ユーザの手間が省ける。また、下限値もプログラム毎に設定できるので、よりきめ細かくオフセット量のチェックを行うことができる。よって、NCプログラムの変更をし、繰り返しドライラン動作を実行させるような場合には、NCプログラム変更の都度、適切なオフセット量が変わることもあり、実行の都度、オフセット量の設定変更が必要になる場合もある。このように頻繁にオフセット量のみを設定変更する場合に、オフセット量を誤って設定し、適した値よりも小さい値を入力してしまっても、下限値よりも小さい値であれば、アラーム画面210により警告をするので、ユーザはオフセット量を誤って入力したことに気付き、設定し直すことができる。さらに、下限値よりも小さくても、そのプログラムではワーク3を傷つけることなく動作できる安全な値であれば、起動スイッチ17をONすることにより、強制的にドライラン動作を実行させることもできる。
なお、第三の実施の形態において、フラッシュメモリ18のオフセット量記憶エリア181が、「オフセット量記憶手段」に該当し、下限値記憶エリア182が「下限値記憶手段」に該当する。S58でドライラン動作を実行するCPU10が「ドライラン動作手段」に相当し、S42,S43において、パラメータ設定画面203(図12参照)に入力されたオフセット量をオフセット量記憶エリア181に記憶する処理を行うCPU10が「オフセット量入力手段」に相当し、S54においてオフセット量が下限値より小さいか否かを判断する処理を行うCPU10が「判断手段」に相当し、S55でアラーム画面210(図6参照)を表示するCPU10が「報知手段」に相当する。
なお、本発明の数値制御装置1は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。上記第一の実施の形態〜第三の実施の形態では、ワーク3を固定して、工具2を移動させる数値制御装置1を例に挙げて説明したが、工具2とワーク3の両方を移動させる数値制御装置であってもよい。また、工具2がワーク3に対して近づく方向をZ軸としたが、工具2が近づく方向は、その他の軸であってもよい。また、オフセット量が下限値よりも小さいことの報知をアラーム画面210(図6参照)で行っているが、報知の方法はこれに限らない。他の構成の画面を表示させてもよいし、数値制御装置1にスピーカを設け、アラーム音やアラームメッセージを出力して報知してもよい。
また、上記第一の実施の形態のS14、第二の実施の形態のS34、第三の実施の形態のS54では、オフセット量が下限値よりも小さいか否かを判断しているが、オフセット量が下限値以下であるか否かを判断してもよい。また、上記第三の実施の形態では、オフセット量及び下限値をプログラム番号毎に設定したが、下限値のみをプログラム番号毎に設定してもよい。この場合には、プログラムの変更毎にオフセット量の設定変更が必要となるが、ドライラン動作実行時にはプログラムに即した下限値と比較される。よって、第一の実施の形態よりもきめ細かくオフセット量のチェックを行うことができる。
工具2とワーク3との位置関係を示す模式図である。 数値制御装置1の電気的構成を示すブロック図である。 フラッシュメモリ18に設けられている記憶エリアを示す模式図である。 NCプログラムの模式図である。 パラメータ設定画面201の模式図である。 アラーム画面210の模式図である。 数値制御装置1の動作を示したフローチャートである。 フラッシュメモリ18に設けられているオフセット量記憶エリア181の構成を示す模式図である。 パラメータ設定画面202の模式図である。 数値制御装置1の動作を示したフローチャートである。 フラッシュメモリ18に設けられている下限値記憶エリア182の構成を示す模式図である。 パラメータ設定画面203の模式図である。 数値制御装置1の動作を示したフローチャートである。
符号の説明
1 数値制御装置
2 工具
3 ワーク
10 CPU
16 ドライランスイッチ
17 起動スイッチ
18 フラッシュメモリ
35 表示装置
181 オフセット量記憶エリア
182 下限値記憶エリア
201 パラメータ設定画面
202 パラメータ設定画面
203 パラメータ設定画面
210 アラーム画面

Claims (5)

  1. 主軸により保持された工具を動作させ、冶具に固定されたワークを加工する工作機械を加工プログラムに基づいて数値制御する数値制御装置であって、
    前記工具と前記ワークとの距離を、前記加工プログラムの指定する距離よりも、所定量であるオフセット量だけ離した状態で前記加工プログラムに基づいて前記工具を動作させるドライラン動作を実施するドライラン動作手段と、
    前記オフセット量を入力するオフセット量入力手段と、
    前記オフセット量入力手段により入力された前記オフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、
    前記オフセット量の下限値を記憶する下限値記憶手段と、
    前記ドライラン動作手段により前記ドライラン動作の実施が開始される際に、前記オフセット量記憶手段に記憶されている前記オフセット量が、前記下限値記憶手段に記憶されている前記下限値よりも小さいか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により前記オフセット量が前記下限値よりも小さいと判断された場合には、前記オフセット量が前記下限値よりも小さいことを報知する報知手段とを備えたことを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記オフセット量記憶手段は、前記加工プログラム毎に前記オフセット量を記憶しており、
    前記判断手段は、ドライラン動作手段により前記ドライラン動作が実施される加工プログラムのオフセット量を前記下限値と比較することを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記下限値記憶手段は、前記加工プログラム毎に前記下限値を記憶しており、
    前記判断手段は、ドライラン動作手段により前記ドライラン動作が実施される加工プログラムの下限値を前記オフセット量と比較することを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御装置。
  4. コンピュータを請求項1乃至3のいずれかに記載の数値制御装置の各種処理手段として動作させる数値制御プログラム。
  5. 請求項4に記載の数値制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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