JP5339815B2 - 加工再開機能を有する数値制御装置 - Google Patents
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Description
ワークを加工中に加工作業を中断した時、この中断点の情報を加工再開ブロックデータとして、現在の数値制御の状態をメモリに記憶することは一般的に行われている。この加工再開ブロックデータの中には、中断したプログラムの箇所を示すシーケンス番号(プログラムに埋め込まれているNに続く番号)、プログラムカウンタ(運転して何ブロック目にあたるのか、という情報)、そのプログラムの名前や番号、親のプログラムの名前や番号、親プログラムのどの箇所から呼び出されたか、また、中断したブロックでどんな機能が実行されていたかを判別できる情報や、ポジションデータ、マクロ変数情報を含んでいる。
特許文献1に開示される技術は、中断後の加工プログラムの再開時に、中断した加工プログラムの実行時点と全く同じ状態で任意の位置から再開可能な数値制御装置の技術である。特許文献1に開示される数値制御装置は、任意の位置から再開可能とするために、ブロックの解析結果を保存する保存手段と、必要時に前記保存手段に保存されている解析結果を復元する復元手段を備えている。
図1は、本発明の実施形態の工作機械を制御する数値制御装置の概要図である。従来の工作機械を制御する数値制御装置の構成と同じであり、図1では、概略的に示している。従来の数値制御装置と相違する点は、メモリ(記憶手段)12に記憶される加工プログラムの実行処理のソフトウェアが加工再開機能を実現するために一部相違し、又、後述する加工再開機能のソフトウェアが格納されている点で従来の数値制御装置と相違する。
記憶回避手段は、パラメータで指定されたプログラムや、パラメータで指定されたプログラム番号の範囲のプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする手段である。以下、具体的な例を示す。
(1)パラメータで指定されたプログラムの例
パラメータNo.11200=1000
パラメータNo.11201=1001
パラメータNo.11202=1002
パラメータNo.11203=1003
パラメータNo.11204=1004
パラメータNo.11205=1005
上記のように、パラメータNo.11200〜No.11205に設定されている番号によって、1000番、1001番、1002番、1003番、1004番、1005番のプログラムが実行された場合、記憶手段を行わない、という設定になる。
(2)パラメータで指定されたプログラム番号の範囲の例
パラメータNo.11206=1000
パラメータNo.11207=1005
上記のように、パラメータNo.11206に一番小さいプログラム番号を入力し、パラメータNo.11207に一番大きいプログラム番号を入力する。これにより、1000番〜1005番の範囲のプログラム、すなわち、1000番、1001番、1002番、1003番、1004番、1005番のプログラムが実行された場合、記憶手段を行わない、という設定になる。
記憶回避手段は、特定の信号が入力している間に実行されるプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする手段である。具体的には、信号G554.0が1に設定されている時に、実行されたプログラムについては、記憶を行わない。この信号は、加工プログラム中に補助機能Mを実行した時に1にしても良いし、操作盤にボタンを付けて、ボタンを押すことで1にしてもよい。
記憶回避手段は、マクロ変数の値が変化している状態の時に実行されたプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わない。具体的な例として、マクロ変数♯11200が0以外になった時から、実行されたプログラムは記憶を行わないようにする。また、
マクロ変数♯11201=1000
マクロ変数♯11202=1005
と設定されている時、プログラム番号1000番〜1005番の間のプログラム、すなわち、1000番、1001番、1002番、1003番、1004番、1005番のプログラムが実行された場合、記憶を行わないという設定にしてもよい。
記憶回避手段は、プログラムの属性を記憶手段に行わない設定にした場合では、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする手段である。具体的な例として、プログラムにはプログラム名称とプログラムに書かれている加工プログラムのほかに管理情報を有する。例えば、管理情報の1つに「書き換え不可」属性を設定することが可能である。この管理情報に「記憶手段実行不可」という属性を追加し、その属性が1つのプログラムが実行された時は、記憶を行わないようにする。
記憶回避手段は、プログラムが登録されているフォルダの属性を、記憶を行わない設定にした場合は、そのフォルダに登録されているプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする手段である。具体的な例は、プログラムを作成すると、フォルダと呼ばれるエリアに格納される。そのフォルダにも管理情報があり、例えば、管理情報の1つに「書き換え不可」属性がある。この属性が設定されている時は、そのフォルダ内に格納されているすべてのプログラムが書き換え不可の属性とすることが可能である。この管理情報に「記憶手段実行不可」という属性を追加し、その属性が1つのフォルダに格納されているプログラムが実行された時は、記憶手段を行わないようにする。プログラムが複数個格納されている場合は、そのすべてのプログラムが記憶を行わない設定の対象となる。
記憶回避手段は、記憶を行わないプログラム名称を予め設定しておき、そのプログラム名称を含む名称が付けられたプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする手段である。具体的な例は、記憶手段不可の名称を「NOPRGDAT」とパラメータに設定した場合、プログラム名称にNOPRGDATが付いているプログラムは記憶手段を行わないようにする。
プログラム名称の例としては、
NOPRGDAT01
NOPRGDAT1011
NOPRGDAT_CYCLE
NOPRGDAT_BALL
図3は、数値制御装置10のプロセッサ(CPU)11が加工を中断した後に実行するプログラムが、記憶回避手段で特定された特定プログラムの場合に、前記加工再開ブロックデータを記憶しないようにする処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。以下、各ステップに従って説明する。
加工実行中に加工を中断し、加工を再開するための前準備として、数値制御装置で実行されるプログラムをメモリから読込む。加工を再開するための前準備として実行されるプログラムは、自動的に、若しくは、オペレータの指示により読込まれる。このプログラムは、数値制御装置に設けられたメモリあるいはパソコンのハードディスク等の外部装置に格納されており、メモリ12に含まれるRAMに読込まれる。このようなプログラムとして、例えば、加工実行中に工具が破損しワークの加工を中断した後に、工具交換のために工具を引き抜くプログラムがある。
記憶回避手段は、パラメータで指定されたプログラムや、パラメータで指定されたプログラム番号の範囲のプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする。
記憶回避手段は、特定の信号が入力している間に実行されたプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする。この特定の信号は、加工プログラム中に補助機能Mを実行した時に1にしても良いし、操作盤にボタンを付けて、ボタンを押すことで1にしてもよい。
記憶回避手段は、マクロ変数の値が変化している状態の時に実行されたプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わない。
記憶回避手段は、プログラムの属性を記憶手段に行わない設定にした場合では、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする。
記憶回避手段は、プログラムが登録されているフォルダの属性を記憶手段を行わない設定にした場合は、そのフォルダに登録されているプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする。
記憶回避手段は、記憶を行わないプログラム名称を予め設定しておき、そのプログラム名称を含む名称が付けられたプログラムでは、加工再開ブロックデータの記憶を行わないとする。
ステップSA2〜SA7の判断により特定されたプログラムから1ブロックを読み込み、解析し、実行し、実行する際に加工再開ブロックデータを記憶し、最終ブロックまで繰り返し、処理を終了する。
ステップSA2〜SA7の判断により特定されたプログラムは、加工再開ブロックデータを記憶しないプログラムであるので、プログラムから1ブロックを読み込み、解析し、実行し、最終ブロックまで繰り返し、処理を終了する。
図4〜図9には、前述した本発明の第1の実施形態〜第6の実施形態に対応するフローチャートを示す。それぞれのフローチャートに各ステップの説明は、上述したとおりであるから、記載を省略する。
11 プロセッサ(CPU)
12 メモリ
13 インタフェース
14 表示器
15 機械操作盤
16 各軸制御手段
17 主軸制御手段
18 バス
20 工作機械
21 外部記憶手段
Claims (7)
- 加工プログラムに基づいて加工実行中に、現在の数値制御装置の状態を加工再開ブロックデータとして、メモリに記憶し、加工を中断した時、その記憶された前記加工再開ブロックデータを使用して加工再開を行う工作機械を制御する数値制御装置において、
前記加工プログラムによる加工を中断した後に加工を再開するための前準備として実行するプログラムが、記憶回避手段で特定された特定プログラムの場合に、該特定プログラムの加工再開ブロックデータを記憶しないようにしたことを特徴とする加工再開機能を有する数値制御装置。 - 前記記憶回避手段は、パラメータで指定されるプログラム番号のプログラム、又は、パラメータで指定されたプログラム番号の範囲内にあるプログラムであるか否か判断し、特定プログラムを特定することを特徴とする請求項1に記載の加工再開機能を有する数値制御装置。
- 前記記憶回避手段は、所定の信号が入力されているか否か判断し、特定プログラムを特定することを特徴とする請求項1に記載の加工再開機能を有する数値制御装置。
- 前記記憶回避手段は、マクロ変数の値が予め設定された値であるか否か判断し、特定プログラムを特定することを特徴とする請求項1に記載の加工再開機能を有する数値制御装置。
- 前記記憶回避手段は、プログラムの属性として加工再開ブロックデータの記憶をしないという属性が設定されたプログラムであるか否か判断し、特定プログラムを特定することを特徴とする請求項1に記載の加工再開機能を有する数値制御装置。
- 前記記憶回避手段は、プログラムが記憶されている記憶手段においてプログラムが登録されているフォルダの属性として加工再開ブロックデータの記憶をしないという属性が設定されたフォルダに登録されているプログラムであるか否か判断し、特定プログラムを特定することを特徴とする請求項1に記載の加工再開機能を有する数値制御装置。
- 前記記憶回避手段は、加工再開ブロックデータの記憶をしないプログラム名称をあらかじめ設定しておき、該プログラム名称を含む名称のプログラムであるか否か判断し、特定プログラムを特定することを特徴とする請求項1に記載の加工再開機能を有する数値制御装置。
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