JP2009079924A - 押込み試験機及び押込み試験方法 - Google Patents

押込み試験機及び押込み試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より正確な押込み試験の測定を可能にする押込み試験機及び押込み試験方法を実現する。
【解決手段】押込み試験機100による押込み試験方法によれば、圧子3と試料Sとが接触したタイミングに関する誤検出があった場合でも、測定して得られた試験力−押込み深さ曲線の荷重負荷曲線における、試験力Fよりも小さな試験力の範囲である信頼性の低い負荷曲線データを削除して、試験力Fよりも大きな試験力の範囲である比較的信頼性の高い負荷曲線データに基づき、削除した範囲の荷重負荷曲線を補完して原点調整することによって、圧子3と試料Sとが接触したタイミングに関する補正を行うことができるので、その補正した試験力−押込み深さ曲線に応じて、より正確な押込み試験の測定が可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、押込み試験機及び押込み試験方法に関する。
従来、材料試験機として、先端に圧子を備える圧子軸を試料の表面に押し込んでくぼみを形成させることによって、試料の硬さ等の物性値を測定する押込み試験機が知られている。
例えば、押込み試験機は、試料表面に圧子軸の先端を所定荷重で押し込む際の押込み深さ(圧子軸の変位量)を変位計によって測定し、その変位量と荷重の関係から、試料の硬さ等の物性値を測定するようになっている。
そして、材料試験機において、より正確な物性値の測定を行うために、変位量と荷重との相関関数をプロット(例えば、最小二乗法)から求め、原点を正確に求める技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−236530号公報
しかしながら、上記特許文献1の場合、変位量と荷重との関係をプロットしたデータにばらつきが大きいと、求めた相関関数や原点の精度が落ちるため、測定した物性値に誤差が生じてしまうことがあるという問題があった。
具体的には、圧子が試料に接触する前後は振動等外乱の影響を受けやすいので測定結果のばらつきが大きく誤差が生じやすい、特許文献1の技術では表面粗さや表面硬化層の影響がある場合の対策としては効果がない、特許文献1の技術では接触を検知すると荷重増加速度を大きくして押込みが行われるが、この方法で原点を設定しても、接触時の速度は理想的な場合よりも著しく速くなってしまうので適切な原点が得られていない可能性がある、などの問題があった。
また、計装化押込み試験の場合、圧子軸(圧子)と試料とが接触するゼロ点(原点)を正確に検出する必要があるが、例えば、圧子と試料とが接触したにも関わらず、接触していないとの誤検出によってゼロ点の検出が遅れてしまう乱れのために、押込み深さと試験力との押込み曲線(図10のL2)が理想的な曲線(図10のL1)とずれてしまい、測定誤差が生じてしまうことがあるという問題があった。
また、圧子と試料とが接触していないにも関わらず、振動などの外乱の作用を接触としてしまう誤検出によってゼロ点の検出が早まってしまう乱れのために、押込み深さと試験力との押込み曲線(図10のL3)が理想的な曲線(図10のL1)とずれてしまい、測定誤差が生じてしまうことがあるという問題があった。
つまり、計装化押込み試験においては、圧子と試料とが接触するゼロ点近傍の押込み曲線の乱れの影響が、押込み曲線全体のずれとなり、そのずれが測定誤差となってしまうのである。
本発明の目的は、より正確な押込み試験の測定を可能にする押込み試験機及び押込み試験方法を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、押込み試験機であって、
圧子に荷重を負荷し、その圧子を試料の表面に押し付ける荷重負荷手段と、
前記圧子の変位を検出する変位検出手段と、
前記荷重負荷手段が前記圧子を前記試料に所定の試験荷重(試験力)で押し付けた際の圧子の変位(押込み深さ)の相関を示す荷重負荷曲線と、前記圧子が前記試料に所定の試験荷重で押し付けられた後、前記荷重負荷手段が前記荷重を除荷する際の荷重(試験力)とその圧子の変位(押込み深さ)の相関を示す荷重除荷曲線とを測定する押込み曲線測定手段と、
前記押込み曲線測定手段によって測定した前記荷重負荷曲線における所定の荷重(試験力)より小さい範囲の負荷曲線データを削除する負荷曲線削除制御手段と、
前記押込み曲線測定手段によって測定した前記荷重負荷曲線における所定の荷重(試験力)より大きい範囲の負荷曲線データに基づき、前記負荷曲線削除制御手段により削除された範囲の負荷曲線を外挿して補完する負荷曲線補完制御手段と、
前記負荷曲線補完制御手段によって補完された荷重負荷曲線における始点が原点となるように、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とをシフトし原点調整する荷重曲線シフト制御手段と、
前記荷重曲線シフト制御手段により原点調整された荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とに基づき、前記試料の物性値を取得する測定結果取得手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
圧子に荷重を負荷し、その圧子を試料の表面に押し付ける荷重負荷手段と、
前記圧子の変位を検出する変位検出手段と、を備える押込み試験機における押込み試験方法であって、
前記荷重負荷手段が前記圧子を前記試料に所定の試験荷重(試験力)で押し付けた際の圧子の変位(押込み深さ)の相関を示す荷重負荷曲線と、前記圧子が前記試料に所定の試験荷重で押し付けられた後、前記荷重負荷手段が前記荷重を除荷する際の荷重(試験力)とその圧子の変位(押込み深さ)の相関を示す荷重除荷曲線とを測定する押込み曲線測定工程と、
前記押込み曲線測定工程において測定された前記荷重負荷曲線における所定の荷重(試験力)より小さい範囲の負荷曲線データを削除する負荷曲線削除工程と、
前記押込み曲線測定工程において測定された前記荷重負荷曲線における所定の荷重(試験力)より大きい範囲の負荷曲線データに基づき、前記負荷曲線削除工程において削除された範囲の負荷曲線を外挿して補完する負荷曲線補完工程と、
前記負荷曲線補完工程において補完された荷重負荷曲線における始点が原点となるように、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とをシフトし原点調整する荷重曲線シフト工程と、
前記荷重曲線シフト工程において原点調整された荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とに基づき、前記試料の物性値を取得する測定結果取得工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、圧子に荷重を負荷し、その圧子を試料の表面に押し付ける際の荷重(試験力)に対応する圧子の変位(押込み深さ)を検出し、その荷重と変位の相関を示す荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とを測定することに基づいて、試料の物性値を測定する押込み試験において、圧子と試料とが接触するタイミングに関する誤検出があった場合でも、測定して得られた荷重負荷曲線における、所定の荷重より小さい範囲である信頼性の低い負荷曲線データを削除し、所定の荷重より大きい範囲である比較的信頼性の高い負荷曲線データに基づき、削除された範囲の負荷曲線を外挿して補完するとともに、補完された荷重負荷曲線における始点が原点となるように、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とをシフトし原点調整することによって、圧子と試料とが接触したタイミングに関する補正を行うことができるので、その補正した荷重負荷曲線と荷重除荷曲線(例えば、試験力−押込み深さ曲線)に応じて、より正確な押込み試験の測定が可能になる。
以下、図を参照して、本発明に係る押込み試験機及び押込み試験方法について、詳細に説明する。
なお、本実施形態における押込み試験機100は、圧子3に付与する試験力と、圧子3の押込み深さとを連続してモニター可能な計装化押込み試験機である。
押込み試験機100は、図1、図2に示すように、試料Sに試験力を付与する試験機本体1と、試験機本体1の各部を制御する制御部200と、表示部300と、操作部400等を備えて構成されている。
試験機本体1は、試料Sが載置される試料保持台2と、試料Sにくぼみを形成する圧子3と、圧子3を先端に有する圧子軸3aを一端側に備え、他端側にフォースモータ4を備える荷重レバー5と、荷重レバー5の移動量を検出する変位センサ6等を備えている。
試料保持台2は、その上面に載置された試料Sを保持し、その試料Sが試験測定中にずれないように支持する。
この試料保持台2は、XYZステージ2aによって上下左右に移動されて、圧子3に対する試料Sの位置を調整可能になっている。
荷重レバー5は、略中央部において回動軸5aによって回動可能に軸支されており、一端の下面側に圧子軸3aを介して圧子3を備えている。また、荷重レバー5の他端の上面側にフォースモータ4を備えている。
フォースモータ4は、フォースコイル4aとマグネット4bとにより構成されており、マグネット4bがつくる磁界と、フォースコイル4aに流れる電流との電磁誘導に応じて発生する力を駆動力として用い、荷重レバー5を回動させて、荷重レバー5の一端側を押し下げたり、押し上げたりする。
そして、フォースモータ4の駆動によって、荷重レバー5の一端側を押し下げるようにして、圧子3に荷重を負荷し、その圧子3を試料Sの表面に押し付けることが可能になっている。
つまり、フォースモータ4と荷重レバー5とが協働して、荷重負荷手段として機能するようになっている。
なお、制御部200が、フォースモータ4のフォースコイル4aに流す電流量を無段階に調整することによって、フォースモータ4は無段階の駆動力を出力し、荷重レバー5を介して圧子3に無段階の荷重(試験力)を負荷することができる。
変位センサ6は、荷重レバー5の一端側の上面に設けられた被検知部6aと、その被検知部6aとの距離(間隔)を検出するセンサ部6bとにより構成されており、回動する荷重レバー5の一端側の変位量を検出可能なセンサである。
そして、変位センサ6は、荷重レバー5が回動した際の、その一端側の変位を検出するようにして、荷重レバー5の一端側に設けられている圧子3の変位を検出することができる。
つまり、変位センサ6は、圧子3の変位を検出する変位検出手段として機能する。
なお、変位センサ6は、検出した荷重レバー5の一端側の変位(圧子3の変位)に基づく圧子変位信号を制御部200に出力する。
表示部300は、例えば、液晶表示パネルであって、制御部200から入力される表示信号に従って、試験結果等、各種表示画面の表示処理を行う。
操作部400は、例えば、キーボードなどの操作キー群であって、ユーザにより操作されると、その操作に伴う操作信号を制御部200に出力する。なお、操作部400は、必要に応じてマウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスや、リモートコントローラなど、その他の操作装置を備えるようにしてもよい。
そして、この操作部400は、ユーザが試料Sの押込み試験を行う指示入力を行う際に操作される。
制御部200は、図2に示すように、CPU210と、RAM220と、記憶部230を備えている。そして、制御部200は、システムバスなどを介して、XYZステージ2a、フォースモータ4、変位センサ6、表示部300、操作部400等と接続している。
CPU210は、例えば、記憶部230に記憶されている押込み試験機用の各種処理プログラムに従って、各種制御処理を行う。
RAM220は、例えば、CPU210によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備えている。
記憶部230は、例えば、押込み試験機100で実行可能なシステムプログラムや、そのシステムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU210によって演算処理された各種処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部230に記憶されている。
具体的には、記憶部230は、例えば、基準データ記憶ファイル231と、押込み曲線測定プログラム232と、負荷曲線削除プログラム233と、負荷曲線補完プログラム234と、荷重曲線シフトプログラム235と、測定結果取得プログラム236等を記憶している。
基準データ記憶ファイル231は、例えば、押込み試験機100が試料Sを計測して取得した、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とからなる押込み曲線である試験力−押込み深さ曲線の形状から、試料Sの物性値である「硬さ」を求めるために、押込み曲線の形状と「硬さ」の値が対応付けられている基準データを記憶する。
押込み曲線測定プログラム232は、例えば、荷重負荷手段としてのフォースモータ4と荷重レバー5とが圧子3を試料Sに所定の試験荷重で押し付けて、所定量押し込む際の荷重(試験力)とその圧子の変位(押し込み深さ)の相関を示す荷重負荷曲線と、圧子3が試料Sに所定の試験荷重で押し付けられて、所定量押し込まれた後に荷重負荷手段としてのフォースモータ4と荷重レバー5とが荷重を除荷する際の荷重(試験力)とその圧子3の変位(押し込み深さ)の相関を示す荷重除荷曲線とを測定する機能を、CPU210に実現させるプログラムである。
つまり、押込み曲線測定プログラム232を実行するCPU210は、押込み曲線測定手段として機能し、圧子3に荷重を付加するとともにその際の圧子3の変位を検出して、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とからなる押込み曲線である試験力−押込み深さ曲線を測定する。
なお、制御部200は、フォースモータ4のフォースコイル4aに所定の荷重に応じた電流を供給しフォースモータ4を動作させる。そして、そのフォースモータ4の駆動で荷重レバー5を回動させて、圧子3が試料Sに対して所定の荷重(試験力)を負荷して押し込むようになっている。
負荷曲線削除プログラム233は、例えば、押込み曲線測定手段としてのCPU210によって測定した荷重負荷曲線における所定の荷重(試験力)より小さい範囲、例えば、最大荷重(最大試験力)に対する10%の荷重以下の範囲の負荷曲線データを削除する機能を、CPU210に実現させるプログラムである。
つまり、負荷曲線削除プログラム233を実行するCPU210は、負荷曲線削除制御手段として機能し、測定した押込み曲線(試験力−押込み深さ曲線)の荷重負荷曲線における所定の荷重より小さい範囲(例えば、最大荷重の10%以下となる範囲、後述する試験力Fよりも小さな試験力の範囲)の負荷曲線データを削除する。
なお、ここで、荷重負荷曲線における最大荷重(最大試験力)の10%以下の範囲の負荷曲線データは信頼性が低いものとして削除するようになっている。
負荷曲線補完プログラム234は、例えば、押込み曲線測定手段としてのCPU210によって測定した荷重負荷曲線における所定の荷重(試験力)より大きい範囲、例えば、最大荷重(最大試験力)に対する10%の荷重以上の範囲の負荷曲線データに基づき、負荷曲線削除制御手段としてのCPU210により削除された範囲の負荷曲線を外挿して補完する機能を、CPU210に実現させるプログラムである。
つまり、負荷曲線補完プログラム234を実行するCPU210は、負荷曲線補完制御手段として機能し、信頼性の比較的高い負荷曲線データであって、荷重負荷曲線における所定の荷重より大きい範囲(例えば、最大荷重の10%以上となる範囲、後述する試験力Fよりも大きな試験力の範囲)の負荷曲線データに応じた関数であって、その負荷曲線データが示す例えば二次関数に基づき、削除された範囲の荷重負荷曲線を外挿して補完する。
なお、ここで、負荷曲線補完制御手段としてのCPU210は、所定の荷重より大きい範囲(例えば、最大荷重の10%以上となる範囲)の負荷曲線データに応じた関数を、その負荷曲線データに基づき演算等によって求めてもよく、また、基準データ記憶ファイル231に記憶されている押込み曲線データを参照するようにして求めてもよい。
荷重曲線シフトプログラム235は、例えば、負荷曲線補完制御手段としてのCPU210によって補完された荷重負荷曲線における始点が原点となるように、荷重曲線である荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とをシフトし原点調整する機能を、CPU210に実現させるプログラムである。
つまり、荷重曲線シフトプログラム235を実行するCPU210は、荷重曲線シフト制御手段として機能し、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とからなる押込み曲線の、荷重負荷曲線における始点が原点となるように、押込み曲線である試験力−押込み深さ曲線を、試験力−押込み深さ関数の座標平面における押込み深さ軸方向にシフトする原点調整を行う。
なお、ここで、荷重負荷曲線における始点が原点となるようにする原点調整に関する始点は、補完された荷重負荷曲線の荷重(試験力)がゼロの点であり、この点が原点となるようにする調整を行うようになっている。
測定結果取得プログラム236は、例えば、荷重曲線シフト制御手段としてのCPU210により原点調整された荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とに基づき、試料Sの物性値である「硬さ」を取得する機能を、CPU210に実現させるプログラムである。
つまり、測定結果取得プログラム236を実行するCPU210は、測定結果取得手段として機能し、原点調整された荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とからなる押込み曲線(試験力−押込み深さ曲線)に基づき、基準データ記憶ファイル231に記憶されている基準データを参照して、試料Sの物性値である「硬さ」の値を取得する。
具体的には、測定結果取得手段としてのCPU210は、原点調整された押込み曲線である試験力−押込み深さ曲線の形状に対応する試料Sの「硬さ」を、基準データ記憶ファイル231の基準データに応じて取得する。
次に、本発明に係る押込み試験機100による押込み試験方法について、図3に示すフローチャートに基づき説明する。
まず、ユーザが、試料Sを試料保持台2に載置し、測定準備を行う(ステップS101)。
そして、操作部400において、押込み試験を実行する操作がなされると(ステップS102;Yes)、CPU210は、圧子3を試料Sの表面に押し付ける動作を実行し、試験力と押込み深さの関係を示す、試験力−押込み深さ曲線(押込み曲線)の測定を行う(ステップS103;押込み曲線測定工程,図4参照)。
具体的には、押込み曲線測定工程(ステップS103)において、CPU210は、フォースモータ4を駆動させ荷重レバー5を回動させて圧子3に試験力に相当する荷重を負荷し、圧子3を試料Sに押し付けてくぼみ(圧痕)を形成し、その圧子3がくぼみを形成する際の変位量である押込み深さを検出する。
より具体的には、CPU210は、フォースモータ4の駆動により圧子3を徐々に下方に移動させることで、その押込み試験に応じた最大荷重値に到達するまで、圧子3に負荷する試験力を漸増させていく。この圧子3に負荷される試験力の漸増に伴って、圧子3の押込み深さが増加する変位を測定することによって、図4に示すように、荷重負荷曲線が測定される。
そして、圧子3に負荷される試験力が最大荷重値に到達した後、その最大試験力で所定時間維持されると、圧子3は最大押込み深さに達する。圧子3が所定量である最大押込み深さに達した後、CPU210は、圧子3に作用させる荷重を除荷し、荷重を漸減させるようフォースモータ4を駆動させる。この圧子3に負荷される試験力の漸減に伴って、圧子3の押込み深さが減少する変位を測定することによって、図4に示すように、荷重除荷曲線が測定される。
このように、CPU210は、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とからなる試験力−押込み深さ曲線を測定する。
次いで、CPU210は、操作部400において、測定した試験力−押込み深さ曲線(押込み曲線)を補正するための操作がなされたか否かを判断する(ステップS104)。
CPU210が、測定した押込み曲線を補正するための操作がなされていないと判断すると(ステップS104;No)、ステップS110へ進む。
一方、CPU210が、測定した押込み曲線を補正するための操作がなされたと判断すると(ステップS104;Yes)、ステップS105へ進む。
ステップS105において、CPU210は、測定して得られた試験力−押込み深さ曲線の荷重負荷曲線における、所定の荷重である試験力Fよりも小さな試験力の範囲の負荷曲線データは信頼性が低いものとして削除する処理を行う(ステップS105;負荷曲線削除工程,図5参照)。
次いで、CPU210は、測定して得られた試験力−押込み深さ曲線の荷重負荷曲線における、所定の荷重である試験力Fよりも大きな試験力の範囲の負荷曲線データに基づき、削除された範囲の負荷曲線を外挿して補完する処理を行う(ステップS106;負荷曲線補完工程,図6参照)。例えば、CPU210は、試験力Fよりも大きな試験力の範囲の負荷曲線データに応じた関数に基づき、削除された範囲に荷重負荷曲線を延長するようにして補完する。
次いで、CPU210は、補完された荷重負荷曲線における始点が原点となるように、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とをシフトし原点調整する処理を行う(ステップS107;荷重曲線シフト工程,図6、図7参照)。具体的には、図6、図7に示すように、CPU210は、補完された荷重負荷曲線における始点が原点となるように、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とからなる試験力−押込み深さ曲線の全体を、試験力−押込み深さ関数の座標平面における押込み深さ軸方向(本実施例では左方向)にシフトする原点調整を行い、試験力−押込み深さ曲線を補正する。
そして、CPU210は、原点調整されて補正された荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とからなる試験力−押込み深さ曲線(図7参照)に基づき、試料Sの物性値である「硬さ」の値を取得する処理を行う(ステップS108;測定結果取得工程)。具体的には、CPU210は、基準データ記憶ファイル231に記憶されている基準データに基づき、補正された試験力−押込み深さ曲線の形状に対応する物性値である「硬さ」の値を取得する。
そして、CPU210は、補正された試験力−押込み深さ曲線に基づいて得られた試料Sの物性値である「硬さ」の値を、計装化押込み試験の測定結果として表示部300に表示して(ステップS109)、計装化押込み試験の処理を終了する。
一方、ステップS110において、CPU210は、補正されていない試験力−押込み深さ曲線に基づき、試料Sの物性値である「硬さ」の値を取得し(ステップS110)、その得られた試料Sの物性値である「硬さ」の値を表示部300に表示して(ステップS109)、処理を終了する。
以上のように、本発明に係る押込み試験機100による押込み試験方法によれば、圧子3と試料Sとが接触したタイミングに関する誤検出があった場合でも、測定して得られた試験力−押込み深さ曲線の荷重負荷曲線における、試験力Fよりも小さな試験力の範囲である信頼性の低い負荷曲線データを削除して、試験力Fよりも大きな試験力の範囲である比較的信頼性の高い負荷曲線データに基づき、削除した範囲の荷重負荷曲線を補完して原点調整することによって、圧子3と試料Sとが接触したタイミングに関する補正を行うことができるので、その補正した試験力−押込み深さ曲線に応じて、より正確な押込み試験の測定が可能になる。
つまり、圧子3と試料Sとが接触したにも関わらず接触していないとの誤検出によって試験力−押込み深さ曲線がずれる誤差や、圧子3と試料Sとが接触していないにも関わらず振動などの外乱の作用を接触としてしまう誤検出によって試験力−押込み深さ曲線がずれる誤差が生じる場合(図10参照)でも、図8に示すように、信頼性の低い範囲の荷重負荷曲線を補完して、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とからなる試験力−押込み深さ曲線の全体を原点に向けてシフトする原点調整を行うことで、図9に示すように、試験力−押込み深さ曲線を補正することができ、その補正した試験力−押込み深さ曲線に応じて、より正確な押込み試験の測定を行い、試料Sの物性値である「硬さ」の値を測定することができる。
なお、以上の実施の形態においては、圧子3と試料Sとが接触したタイミングの誤検出による測定誤差を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、試料Sの表面における加工硬化層や表面付着層、試料Sの表面粗さなどの影響による測定誤差に関する補正を行うようにしてもよい。
また、以上の実施の形態においては、削除された範囲の荷重負荷曲線を負荷曲線データに応じた二次関数に基づき補完するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一次関数やその他の近似式などを用いて補完するようにしてもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明に係る押込み試験機の試験機本体を示す概略構成図である。 本発明に係る押込み試験機の要部構成を示すブロック図である。 本発明に係る押込み試験機による押込み試験の処理を示すフローチャートである。 押込み試験における押込み曲線測定工程の測定結果を示す説明図である。 押込み試験における負荷曲線削除工程の処理結果を示す説明図である。 押込み試験における負荷曲線補完工程の処理結果を示す説明図である 押込み試験における荷重曲線シフト工程の処理結果であって、測定結果取得工程において用いる試験力−押込み深さ曲線を示す説明図である。 荷重曲線シフト工程の処理を示す説明図である。 測定結果取得工程において用いる補正後の試験力−押込み深さ曲線を示す説明図である。 誤検出による試験力−押込み深さ曲線のずれに関する説明図である。
符号の説明
1 試験機本体
2 試料保持台
2a XYZステージ
3 圧子
3a 圧子軸
4 フォースモータ(荷重負荷手段)
4a フォースコイル
4b マグネット
5 荷重レバー(荷重負荷手段)
6 変位センサ(変位検出手段)
100 押込み試験機
200 制御部
210 CPU(押込み曲線測定制御手段、負荷曲線削除制御手段、負荷曲線補完制御手段、荷重曲線シフト制御手段、測定結果取得制御手段)
220 RAM
230 記憶部
231 基準データ記憶ファイル
232 押込み曲線測定プログラム
233 負荷曲線削除プログラム
234 負荷曲線補完プログラム
235 荷重曲線シフトプログラム
236 測定結果取得プログラム
300 表示部
400 操作部
S 試料

Claims (2)

  1. 圧子に荷重を負荷し、その圧子を試料の表面に押し付ける荷重負荷手段と、
    前記圧子の変位を検出する変位検出手段と、
    前記荷重負荷手段が前記圧子を前記試料に所定の試験荷重で押し付けた際の圧子の変位の相関を示す荷重負荷曲線と、前記圧子が前記試料に所定の試験荷重で押し付けられた後、前記荷重負荷手段が前記荷重を除荷する際の荷重とその圧子の変位の相関を示す荷重除荷曲線とを測定する押込み曲線測定手段と、
    前記押込み曲線測定手段によって測定した前記荷重負荷曲線における所定の荷重より小さい範囲の負荷曲線データを削除する負荷曲線削除制御手段と、
    前記押込み曲線測定手段によって測定した前記荷重負荷曲線における所定の荷重より大きい範囲の負荷曲線データに基づき、前記負荷曲線削除制御手段により削除された範囲の負荷曲線を外挿して補完する負荷曲線補完制御手段と、
    前記負荷曲線補完制御手段によって補完された荷重負荷曲線における始点が原点となるように、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とをシフトし原点調整する荷重曲線シフト制御手段と、
    前記荷重曲線シフト制御手段により原点調整された荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とに基づき、前記試料の物性値を取得する測定結果取得手段と、
    を備えることを特徴とする押込み試験機。
  2. 圧子に荷重を負荷し、その圧子を試料の表面に押し付ける荷重負荷手段と、
    前記圧子の変位を検出する変位検出手段と、を備える押込み試験機における押込み試験方法であって、
    前記荷重負荷手段が前記圧子を前記試料に所定の試験荷重で押し付けた際の圧子の変位の相関を示す荷重負荷曲線と、前記圧子が前記試料に所定の試験荷重で押し付けられた後、前記荷重負荷手段が前記荷重を除荷する際の荷重とその圧子の変位の相関を示す荷重除荷曲線とを測定する押込み曲線測定工程と、
    前記押込み曲線測定工程において測定された前記荷重負荷曲線における所定の荷重より小さい範囲の負荷曲線データを削除する負荷曲線削除工程と、
    前記押込み曲線測定工程において測定された前記荷重負荷曲線における所定の荷重より大きい範囲の負荷曲線データに基づき、前記負荷曲線削除工程において削除された範囲の負荷曲線を外挿して補完する負荷曲線補完工程と、
    前記負荷曲線補完工程において補完された荷重負荷曲線における始点が原点となるように、荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とをシフトし原点調整する荷重曲線シフト工程と、
    前記荷重曲線シフト工程において原点調整された荷重負荷曲線と荷重除荷曲線とに基づき、前記試料の物性値を取得する測定結果取得工程と、
    を備えることを特徴とする押込み試験方法。
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