JP2007183190A - 微小硬度測定法及び微小硬度計 - Google Patents

微小硬度測定法及び微小硬度計 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な操作で硬度を算出でき操作性に優れ、また誤差が生じ難く圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができ、さらに硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れる微小硬度測定法を提供することを目的とする。
【解決手段】圧子を試料に押し込み圧痕を形成して硬度を算出する微小硬度測定法であって、前記圧子に負荷した荷重Lと、前記試料の表面から前記圧子が押し込まれた深さδと、の関係を示す負荷データ採取する負荷工程と、除荷後に前記圧子にかかる荷重Lと前記深さδとの関係を示す除荷データを採取する除荷工程と、前記除荷データを前記負荷データと比較して、除荷時の前記最大深さδからの荷重変化量を判定する第1判定工程と、除荷時の深さδ(δ<δ)における荷重、若しくは深さδ付近における荷重変化量を判定する第2判定工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧子を試料に押し込み圧痕を形成して硬度を算出する微小硬度測定法及び微小硬度計に関し、特に、軟質の基材の表面に硬い表面層が形成された試料の硬度を算出するのに最適な微小硬度測定法及び微小硬度計に関するものである。
従来より、硬度測定法として、ビッカース硬度のように圧子で形成した圧痕の対角線長さから硬度を求める「対角線長さ測定方式」と、窪み深さから硬度を求める「窪み深さ測定方式」とがある。「対角線長さ測定方式」では、圧痕の対角線長さに基づいて算出した永久窪み表面積から、硬度=(最大荷重)/(永久窪み表面積)の計算式を用いて硬度を求める。また、「窪み深さ測定方式」では、圧痕を形成したときの圧子の押し込み深さから窪みの表面積を算出し、上記の計算式を用いて硬度を求める。
ここで、「対角線長さ測定方式」では、顕微鏡で圧痕の対角線長さを測定するため、対角線長さが少なくとも10μm程度の圧痕を形成する必要があるが、基材の表面に硬質の被膜が形成された試料の硬度を測定する場合には、基材の硬度の影響を受けたり圧子が被膜を貫通したりして、被膜だけの硬度を求めることができないという問題を有していた。また、圧痕の窪み深さが被膜の厚さに匹敵し基材の影響を受けるので、光学系の顕微鏡を用いて圧痕の対角線長さを読み取ることが困難であるという問題を有していた。
一方、「窪み深さ測定方式」では、圧子の押し込み量から圧痕の窪み深さを測定しているので、対角線長さを光学的に測定することができないような微小な圧痕であっても硬度測定が可能である。
しかしながら、「窪み深さ測定方式」は、圧痕形成時の弾性変形の割合が大きい試料の場合、圧子を押し込むと試料がたわむため、圧子の押し込み深さが圧痕(永久窪み)の深さよりも深くなり、圧子の押し込み深さから算出される窪みの表面積は、除荷後の圧痕(永久窪み)の表面積より大きくなり、(最大荷重)/(永久窪み表面積)で算出される硬度が過小評価されるという問題がある。
以下、図面を参照しながら、この問題について説明する。
図6は、軟質の基材の表面に硬い表面層が形成された試料に圧子を押し込んだときの様子を示す模式図である。
図中、100は試料、101は合成樹脂製等の軟質の基材、102は基材101の表面に形成されたガラス製等の硬質の表面層、103は角錐状等に形成された圧子である。
圧子103に負荷を加えて試料100の表面層102に圧子103を押し込むと、図6(b)のように、基材101及び表面層102が弾性変形する。さらに圧子103を押し込むと、ひずみが大きくなり基材101及び表面層102の弾性変形が大きくなるとともに塑性変形する(図6(c))。圧子103に加えた負荷を開放し除荷すると、押し込んだ圧子103が基材101に到達していなければ、表面層102のたわみ及び基材101の弾性変形分が除荷され、塑性変形分が試料100の表面に永久窪みとして現れる(図6(d))。
このため、圧子103の押し込み深さが除荷後の圧痕(永久窪み)の深さより深くなり、圧子103の押し込み深さから算出される窪みの表面積は、除荷後の圧痕(永久窪み)の表面積より大きくなり、(最大荷重)/(永久窪み表面積)で算出される硬度が過小評価される。
この問題を解決するための従来の技術としては、例えば(特許文献1)に「異なった荷重で形成した複数の圧痕の深さをそれぞれ計測し、前記圧子の先端形状に応じて深さ計測値のそれぞれを補正した深さ補正値をそれぞれ算出し、前記複数の圧痕の対角線の長さをそれぞれ計測し、それぞれの対角線計測値に基づいて算出される硬度から圧痕の深さをそれぞれ逆算し、前記深さ補正値と深さ逆算値のそれぞれに基づいて定めた補正式により圧痕の深さの実測値を補正し、その補正後の深さと圧痕形成時の荷重とに基づいて硬度を算出する微小硬度測定法」が開示されている。
(特許文献2)には、「任意の測定点における圧子に加えられる荷重P,その荷重における圧子の変位d,圧子の形状によって決定される定数αから、所定の計算式に基づき最小二乗法によって、比例定数Kと試料の動的硬度を演算する演算手段を備えた超微小硬度計」が開示されている。
(特許文献3)には、「圧子を測定対象の薄膜に押し付けるローディング時に圧子が薄膜にした仕事、アンローディング時に薄膜が圧子にした仕事、種々の材料の硬度/弾性率比の関係を線形近似した近似式から、測定対象の薄膜の硬度/弾性率比を求め、次いで最大荷重時の圧子の接触面積を求め、薄膜の硬度を求める測定方法」が開示されている。
特許第3510411号公報 特公平5−20691号公報 特開2001−349815号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、補正式は圧子の形状、材料毎にそれぞれ異なるので、圧子の形状と材料が変わるたびに圧痕の深さと対角線の長さを計測して補正値を算出して補正を行う必要があり、操作が非常に煩雑であるという課題を有していた。
(2)(特許文献2)に開示の技術は、最小二乗法により比例定数Kと試料の動的硬度を算出する際に誤差が生じ、測定精度が低下するという課題を有していた。また、任意の測定点における荷重P,変位dとの関係から、圧子の形状を考慮して硬度を算出するものなので、圧子の押し込み深さを考慮しておらず、試料の深さ方向において硬度が一定であることを前提としており、軟質の基材の表面に硬い表面層が形成された試料のように、深さ方向で硬度が変化する試料の硬度を算出する場合には、圧子の押し込み深さによっては誤差が著しく大きくなるという課題を有していた。
(3)(特許文献3)に開示の技術は、種々の材料の硬度/弾性率比の関係を線形近似する際に誤差が生じ、さらに硬度の演算の際に誤差が累積されるので測定精度が低下するという課題を有していた。また、硬度Hは最大荷重Pmaxと最大荷重時の圧子の接触面積AからH=Pmax/Aの計算式を用いて求めるので、試料のたわみや弾性変形が生じ難い金属材料を対象とした硬さ測定法であり応用性に欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、圧痕の深さと対角線の長さを複数回計測して補正値を算出して補正を行う等の煩雑な操作が不要なため、簡便な操作で硬度を算出でき操作性に優れ、また誤差が生じ難く圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができ、さらに微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れる微小硬度測定法を提供することを目的とする。
また本発明は、硬度を短時間で自動的に算出でき操作性に優れ、また誤差が生じ難く圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができ、さらに微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れる微小硬度計を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の微小硬度測定法及び微小硬度計は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の微小硬度測定法は、圧子を試料に押し込み圧痕を形成して硬度を算出する微小硬度測定法であって、前記圧子に負荷した荷重Lと、前記試料の表面から前記圧子が押し込まれた深さδと、の関係を示す負荷データを最大荷重L(最大深さδにおける荷重)まで採取する負荷工程と、除荷後に前記圧子にかかる荷重Lと前記深さδとの関係を示す除荷データを採取する除荷工程と、前記除荷データを前記負荷データと比較して、除荷時の前記最大深さδからの荷重変化量が第1許容範囲内かどうかを判定する第1判定工程と、前記荷重変化量が前記第1許容範囲内であると判定したとき、除荷時の深さδ(δ<δ)における荷重、若しくは深さδ付近における荷重変化量が第2許容範囲内かどうかを判定する第2判定工程と、前記荷重若しくは前記荷重変化量が、(a)前記第1許容範囲内でないと判定したとき、前記除荷データから求められる除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きに基づいて仮想深さδを算出する、若しくは、前記最大深さδを仮想深さδとみなす、又は、(b)前記第2許容範囲内でないと判定したとき、前記負荷データから求められる負荷曲線の深さδにおける接線の傾きに基づいて仮想深さδを算出する仮想深さ算出工程と、前記仮想深さδと前記最大荷重Lとに基づいて硬度を演算する硬度演算工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)金属のように弾性変形によるたわみが生じ難い試料では、除荷後は最大深さδから試料がほとんど復元しないため、除荷データは最大深さδ付近において、負荷データから大きくずれる。第1判定工程において、最大深さδからの荷重変化量が設定した第1許容範囲内かどうかを判定し、除荷データが負荷データからずれているか否かを判定する。第1許容範囲内でないと判定したとき、即ち除荷データが負荷データからずれていると判定したときは、仮想深さ算出工程において、除荷データから求められる除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きを求め、この傾きに基づいて荷重L=0(完全に除荷された場合)における深さを算出する。なお、第1判定工程において、除荷データが負荷データから大きくずれていると判断したときは、最大深さδを仮想深さδとみなす。次に、算出された深さ若しくは最大深さを圧痕(永久窪み)の表面積を算出できる深さ(仮想深さδ)とみなし、硬度演算工程において、仮想深さδと最大荷重Lとに基づいて硬度を演算することができる。
(2)軟質の基材の表面に硬い表面層が形成された試料等のように弾性変形によるたわみが生じ易い試料に最大荷重L(設定された試験力)に到達するまで圧子を押し込み、次いで除荷した場合、圧子が試料の表面層を完全に破壊していない場合には、除荷の初期には試料の弾性回復によって、試料から圧子に負荷時と同じ強さの荷重Lが負荷される。このため、除荷時の初期の除荷データは、フックの法則により負荷データとほぼ一致する。除荷が進み試料のたわみが小さくなると試料の塑性変形によって復元力が小さくなるため、試料から圧子に加えられる荷重Lは、負荷時に圧子が試料に負荷した荷重Lよりも小さくなり負荷データとずれが生ずる。第2判定工程において、除荷データと負荷データとを比較し、除荷データが、どの深さδ(但し、0<δ<δ)からずれ始めたかを調べていく。深さδにおける荷重若しくは深さδ付近における荷重変化量が第2許容範囲内でないと判定したとき、即ち深さδの地点から除荷データが負荷データとずれ始めていると判定したときは、試料は深さδから塑性変形が支配的になったことを意味している。そこで、仮想深さ算出工程において、負荷データから求められる負荷曲線の接線を求め、この接線の荷重L=0(完全に除荷された場合)における深さを算出する(接線を荷重0まで外挿する)と、圧痕(永久窪み)の表面積を算出できる深さ(仮想深さδ)とみなすことができる。次に、硬度演算工程において、仮想深さδと最大荷重Lとに基づいて硬度を演算することができる。
(3)第1判定工程、第2判定工程及び仮想深さ算出工程を備えているので、金属のようにたわみが生じ難い試料、基材の表面に硬質の表面層が形成された試料のようにたわみが生じ易い試料のいずれの硬度も演算することができ、汎用性に優れる。
(4)圧子に負荷を加え試料に押し込む負荷データ及び圧子の除荷時の除荷データを採取し、そのデータに基づいて仮想深さδを算出するので、圧痕の深さと対角線の長さを複数回計測して補正値を算出して補正を行う等の煩雑な操作が不要なため、簡便な操作で硬度を算出でき操作性に優れる。
(5)負荷曲線は比較的単純なので、第2判定工程後の仮想深さ算出工程において負荷曲線の深さδにおける接線の傾きをほぼ正確に求めることができ誤差が生じ難く、また圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができる。
(6)第1判定工程において第1許容範囲内でないと判定される場合の除荷曲線は比較的単純なので、第1判定工程後の仮想深さ算出工程において、除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きをほぼ正確に求めることができ誤差が生じ難く、また圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができる。
(7)実際の圧痕の深さ、圧痕の対角線の長さを計測する必要がないので、微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れる。
ここで、負荷工程としては、圧子に最大荷重Lまで負荷した荷重Lと、試料の表面から圧子が押し込まれた深さδ(試料のたわみも含む)と、の関係を示す負荷データ(深さ−荷重データ)を採取するものであるが、深さδと荷重Lとの関係を示すデータを直接採取することができる。また、圧子に荷重が負荷された時間Tと深さδの関係を示すデータを採取し、これとは別に圧子に荷重が負荷された時間Tと荷重Lとの関係を示すデータを採取し、この二つのデータを総合して荷重L−深さδの関係を示す負荷データを採取することもできる。
除荷工程としては、試料が弾性力によって圧子に加えた荷重Lと、試料の表面から圧子が押し込まれた深さδ(試料のたわみも含む)と、の関係を示す除荷データ(深さ−荷重データ)を採取するものであるが、深さδと荷重Lとの関係を示すデータを直接採取することができる。また、除荷後の経過時間Tと深さδの関係を示すデータを採取し、これとは別に除荷後の経過時間Tと荷重Lとの関係を示すデータを採取し、この二つのデータを総合して荷重L−深さδの関係を示す除荷データを採取することもできる。
第1許容範囲は、除荷データが最大深さδから負荷データとずれているか否かを判定するための許容範囲であり、除荷データの最大深さδからの微小範囲における荷重変化量と、負荷データの最大深さδまでの微小範囲における荷重変化量との比率を指標として、その範囲を定めることができる。また、除荷データの最大深さδからわずかに浅い深さにおける荷重と、負荷データの最大深さδ付近の同じ深さにおける荷重との比率を指標として、その範囲を定めることができる。
最大深さδまでの負荷時の荷重変化量は、最大深さδ付近の微小範囲の負荷データから差分法によって求めることができる。または、負荷曲線(深さ−荷重曲線)を微分して求めた最大深さδにおける接線の傾きで表すことができる。第1許容範囲は、試料の材質に依存せず概ね一定範囲に設定できるが、除荷時の圧子の速度等に応じて適宜設定することもできる。
第1判定工程においては、最大深さδからの除荷時の荷重変化量が第1許容範囲内かどうかを判定する。最大深さδからの除荷時の荷重変化量は、除荷データから求められる除荷曲線(深さ−荷重曲線)の最大深さδにおける接線の傾きで表すことができる。この傾きは除荷曲線を微分して求めることができる。また、除荷データから差分法で求めることもできる。
なお、第1判定工程においては、統計的手法を用いて、除荷データが第1許容範囲を逸脱したか否かを判定することができる。データのばらつきを考慮するためである。
第2許容範囲は、除荷データが負荷データからずれ始めた深さδ(但し、0<δ<δ)がどこかを判定するための許容範囲であり、除荷データの深さδにおける荷重と、負荷データの深さδの荷重との比率を指標として、その範囲を定めることができる。また、除荷データの深さδ付近における荷重変化量と、負荷データの深さδ付近における荷重変化量との比率を指標として、その範囲を定めることもできる。深さδ付近における負荷時の荷重変化量は、深さδ付近の負荷データから差分法によって求めることができる。または、負荷曲線(深さ−荷重曲線)を微分して求めた深さδにおける接線の傾きで表すことができる。第2許容範囲は、試料の材質に依存せず概ね一定範囲に設定できるが、除荷時の圧子の速度等に応じて適宜設定することもできる。
第2判定工程においては、深さδにおける除荷時の荷重若しくは荷重変化量が第2許容範囲内かどうかを判定する。深さδ付近における除荷時の荷重変化量は、除荷データから求められる除荷曲線(深さ−荷重曲線)の深さδにおける接線の傾きで表すことができる。この傾きは除荷曲線を微分して求めることができる。また、除荷データから差分法で求めることができる。
仮想深さ算出工程において、最大深さδにおける除荷曲線の接線の傾きは、除荷データの近似式を求め、この近似式の微分値から求めることができる。また、近似式を求めなくても、除荷データの最大深さδ付近の差分値から求めることができる。また、深さδにおける負荷曲線の接線の傾きは、負荷データの近似式を求め、この近似式の微分値から求めることができる。また、近似式を求めなくても、負荷データの深さδ付近の差分値から求めることができる。
ここで、仮想深さδは以下のようにして求めることができる。
第1判定工程において第1許容範囲内でないと判定した場合、除荷データが負荷データと最大深さδから大きくずれているとき(除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きが、負荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きと大きく相違しているとき)は、最大深さδを仮想深さδとみなすことができる。圧痕は塑性変形が支配的だからである。なお、除荷データと負荷データとのずれ具合に応じて、最大深さδを仮想深さδとみなしたのを、補間法によって修正することができる。誤差を小さくするためである。
第2判定工程において第2許容範囲内でないと判定した場合、負荷曲線をL=f(δ)、荷重Lのときの深さδにおける負荷曲線の傾きをmとすると、m=df(δ)/dδであり、荷重L、深さδにおける負荷曲線の接線の方程式は、
L−L=m(δ−δ) …(1)
と表すことができる。
完全に除荷されたとき(荷重L=0)のδを仮想深さδとみなすので、(1)式に代入すると(2)式となる。
−L=m(δ−δ) …(2)
(2)式から、
δ=δ−L/m …(3)
よって、仮想深さδは、δ−L/mとなる。
仮想深さ算出工程において求めた仮想深さδ(永久窪みの深さ)に圧子の形状を考慮すると、圧痕の永久窪み表面積が求められる。そこで硬度演算工程において、(最大荷重L)/(永久窪み表面積)を演算することで、硬度を算出することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の微小硬度測定法であって、前記第1許容範囲の上限が、前記除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きnと前記負荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きmとの比の換算値n/mで定められた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)第1判定工程において接線の傾きnとmとの比の換算値n/mを求め、その値が第1許容範囲の上限を超えたか否かを判断するので、第1許容範囲の設定を簡素化することができるとともに、検出感度を高くできる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の微小硬度測定法であって、前記第2許容範囲の上限が、前記除荷曲線の深さδ(δ<δ)における接線の傾きnと前記負荷曲線の深さδにおける接線の傾きmとの比の換算値n/mで定められた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)第2判定工程において接線の傾きnとmとの比の換算値n/mを求め、その値が第2許容範囲の上限を超えたか否かを判断するので、第2許容範囲の設定を簡素化することができるとともに、検出感度を高くできる。
本発明の請求項4に記載の発明は、(a)圧子に荷重を負荷して試料に圧痕を形成する負荷装置と、(b)荷重の負荷時に前記圧子が前記試料に加えた荷重L、及び、除荷時に前記試料が前記圧子に加えた荷重Lを検出する負荷検出計と、(c)前記試料の表面から前記圧子が押し込まれた深さδを検出する変位計と、(d)前記負荷検出計及び前記変位計からの情報に基づき、負荷時の荷重Lと深さδとの関係を示す負荷データ、除荷時の荷重Lと深さδとの関係を示す除荷データ、最大深さδ及び最大荷重L(前記最大深さδにおける荷重)を記憶する記憶手段と、(e)前記除荷データを前記負荷データと比較して、除荷時の深さδ(δ<δ)における荷重、若しくは深さδ付近における荷重変化量が第2許容範囲内かどうかを判定し、前記第2許容範囲内でないと判定したとき、前記負荷データから求められる負荷曲線の深さδにおける接線の傾きに基づいて仮想深さδを算出し、前記仮想深さδと前記最大荷重Lとに基づいて硬度を演算する演算手段と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)軟質の基材の表面に硬い表面層が形成された試料等のように弾性変形によるたわみが生じ易い試料に最大荷重L(設定された試験力)に到達するまで圧子を押し込み、次いで除荷した場合、圧子が試料の表面層を完全に破壊していない場合には、除荷の初期には試料の弾性回復によって、試料から圧子に負荷時と同じ強さの荷重Lが負荷される。このため、除荷時の初期の除荷データは、フックの法則により負荷データとほぼ一致する。除荷が進み試料のたわみが小さくなると試料の塑性変形によって復元力が小さくなるため、試料から圧子に加えられる荷重Lは、負荷時に圧子が試料に負荷した荷重Lよりも小さくなり負荷データとずれが生ずる。この特性を利用して、記憶手段に負荷データを記憶させ、演算手段を用いて除荷データと比較し、除荷データが、どの深さδ(但し、0<δ<δ)からずれ始めたかを調べていく。深さδにおける荷重若しくは深さδ付近における荷重変化量が第2許容範囲内でないと判定したとき、即ち深さδの地点から除荷データが負荷データとずれ始めていると判定したときは、負荷データから求められる負荷曲線の接線を求め、この接線の荷重L=0(完全に除荷された場合)における深さを算出し、これを圧痕(永久窪み)の表面積を算出できる深さ(仮想深さδ)とみなして、仮想深さδと最大荷重Lとに基づいて硬度を演算することができる。
(2)圧子に負荷を加え試料に押し込む負荷データ及び圧子の除荷時の除荷データを採取し、そのデータに基づいて仮想深さδを算出するので、圧痕の深さと対角線の長さを複数回計測して補正値を算出して補正を行う等の煩雑な操作が不要なため、簡便な操作で硬度を算出でき操作性に優れる。
(3)負荷曲線は比較的単純なので、演算手段は、負荷曲線の深さδにおける接線の傾きをほぼ正確に求めることができ誤差が生じ難く、また圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができる。
(4)実際の圧痕の深さ、圧痕の対角線の長さを計測する必要がないので、微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れる。
ここで、圧子としては、ビッカース、ヌープ、ベルコビッチ型、球状、三角錐状等の汎用されているいずれのものも用いることができる。
負荷装置としては、圧子に負荷する荷重を任意の速度で増減できるものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、圧電アクチュエータや電磁コイルの電磁力によって荷重を増減させるステッピングモータ等を用いることができる。
負荷検出計としては、ストレインゲージ等を利用した動ひずみ型荷重変換器、化学はかり、ロードセル式や電磁式の電子はかり、差動トランス等を用いることができる。なかでも、試料を載せるステージの下部に配置された上皿電子はかりが好適に用いられる。上皿電子はかりは、極めて感度が高く微小荷重も検出することができ高精度測定ができるからである。
なお、試料を載せるステージの下部に負荷検出計を配置して試料に負荷された荷重を検出するのではなく、負荷装置に負荷検出計を付加して、試料に負荷した荷重を検出することもできる。
変位計としては、静電容量、電磁誘導、磁界の変化等を利用するもの、光干渉を利用するもの、ひずみゲージを利用するもの、フォトニックセンサ(商品名:米国フォトニクス社)を利用するもの等が用いられる。
演算手段は、第2許容範囲内か否かを判定し、それに基づいて硬度を算出する機能に加え、除荷データを負荷データと比較して、最大深さδにおける除荷時の荷重変化量が第1許容範囲内かどうかを判定し、それに基づいて硬度を算出する機能を有しているのが望ましい。金属のようにたわみが生じ難い試料の硬度も演算することができ応用性に優れるからである。
なお、第2許容範囲、第1許容範囲は、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の微小硬度計であって、前記変位計が検出する深さδが、前記圧子が先端に配設された圧子架台の側方に延設された延設部の下面と前記試料の表面との間に配置された静電容量式センサで測定され、前記負荷検出計が、前記試料を載せたステージの下部に配置された上皿電子はかりからなる構成を有している。
この構成により、請求項4で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)負荷検出計が上皿電子はかりからなるので、極めて感度が高く微小な荷重の変化を検出することができ、さらに圧子を試料に押し込んだ深さδを静電容量式センサで測定するので、微小な深さの変化も検出することができるため、荷重Lと深さδとの関係を示す負荷データ及び除荷データを精度良く測定でき、試料の硬度の高精度測定ができる。
以上のように、本発明の微小硬度測定法及び微小硬度計によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)荷重の負荷時の負荷データと除荷時の除荷データを採取し、そのデータに基づいて仮想深さδを算出するので、圧痕の深さと対角線の長さを複数回計測して補正値を算出して補正を行う等の煩雑な操作が不要なため、簡便な操作で硬度を算出でき操作性に優れた微小硬度測定法を提供することができる。
(2)金属のようにたわみが生じ難い試料、基材の表面に硬質の表面層が形成された試料のようにたわみが生じ易い試料のいずれの硬度も演算することができ、汎用性に優れた微小硬度測定法を提供することができる。
(3)負荷曲線及び最大深さδの近傍の除荷曲線は比較的単純なので、負荷曲線の深さδにおける接線の傾き、除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きをほぼ正確に求めることができ誤差が生じ難く、また圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができる微小硬度測定法を提供することができる。
(4)実際の圧痕の深さ、圧痕の対角線の長さを計測する必要がないので、微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れた微小硬度測定法を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)第1判定工程において接線の傾きnとmとの比の換算値n/mが第1許容範囲の上限を超えたか否かを判定するので、第1許容範囲の設定を簡素化することができるとともに、検出感度が高く誤差が生じ難く高精度で測定できる微小硬度測定法を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)第2判定工程において接線の傾きnとmとの比の換算値n/mが第2許容範囲の上限を超えたか否かを判定するので、第2許容範囲の設定を簡素化することができるとともに、検出感度が高く誤差が生じ難く高精度で測定できる微小硬度測定法を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、
(1)圧痕の深さと対角線の長さを複数回計測して補正値を算出して補正を行う等の煩雑な操作が不要なため、短時間で硬度を算出でき操作性に優れた微小硬度計を提供することができる。
(2)誤差が生じ難く、また圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができる微小硬度計を提供することができる。
(3)実際の圧痕の深さ、圧痕の対角線の長さを計測する必要がないので、微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れた微小硬度計を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の効果に加え、
(1)微小な荷重の変化、微小な深さの変化を検出することができるため、荷重Lと深さδとの関係を示す負荷データ及び除荷データを精度良く測定でき、試料の硬度の高精度測定が可能な微小硬度計を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における微小硬度計を示すブロック図であり、図2は微小硬度計における動作を示すフローチャートであり、図3、図4は仮想深さδの算出原理を示す図である。
図1において、1は本発明の実施の形態1における微小硬度計、2は微小硬度計1の台部、3は台部2に立設された枠体、4は枠体3に垂設され後述する圧子6に負荷する荷重を任意の速度で増減できる圧電アクチュエータやステッピングモータ等で形成された負荷装置、5は負荷装置4に垂設された圧子架台、5aは圧子架台5の側方に延設され圧子架台5と一緒に上下する延設部、6は圧子架台5の先端に配設されたビッカース,ヌープ等の圧子、7は台部2に配設された電子はかりからなる負荷検出計、8は負荷検出計7の上部に配設されたステージ、9はステージ8の上に配置された試料、10は延設部5aの下面で圧子6の先端から10mm程度離れた試料9の表面に配置された変位センサである。本実施の形態における変位センサ10は、上下面に一対の電極板10a,10bを有し、延設部5aの下面と試料9の表面との間に挟まれて電極板10a,10bの間隔が変化すると静電容量が変化することを利用して、試料9の表面と延設部5aの下面との相対距離を検出する静電容量式センサである。変位センサ10は圧子6の先端から10mm程度離れた試料9の表面に配置されているので、圧子6が試料9に押し込まれることによって生じる圧子6のごく近傍の試料9の表面の変位には影響を受けないため、試料9の表面から延設部5aの下面までの相対距離の基準にすることができる。
11は変位センサ10からの信号を試料9の表面から延設部5aの下面までの相対距離のデータに変換する変位計である。本実施の形態における変位計11は、負荷検出計7が圧子6の荷重を検出すると、圧子6が試料9の表面に接触したものと判断し、そのときの変位計11からの距離のデータを基準にして、その距離からの変位センサ10の変位量を計算し、この変位量を試料9の表面から圧子6が押し込まれた深さδとみなす。なお、深さδは、試料9に圧子6を押し込むことによって試料9の表面に形成された窪みの深さと試料9のたわみ量の両方を含んでいる。
12は負荷検出計7からの荷重のデータ,変位計11からの深さδのデータに基づいて演算を行う演算手段としてのCPU、13は負荷検出計7からの荷重のデータ,変位計11からの深さδのデータを、負荷検出計7が圧子6の荷重を検出してからの時刻毎に記憶するRAM等の記憶手段、14は負荷検出計7からの荷重のデータ,変位計11からの深さδのデータに基づいて荷重−変位曲線等を出力するXYプロッタ,ディスプレイ等の表示装置である。
以上のように構成された本発明の実施の形態1における微小硬度計について、その動作を、図2を参照しながら説明する。
微小硬度計1の電源を入れると、負荷装置4は圧子架台5及び延設部5aを下降させ圧子6を試料9に接触させた後、負荷工程において、圧子6を一定速度で下降させ、最大荷重L(設定された試験力)に到達するまで圧子6を試料9に押し込む(S1)。負荷検出計7は、圧子6が試料9に加えた荷重のデータをCPU12に送信する。変位計11は変位センサ10が送信した信号を圧子6が試料9に押し込まれた深さδのデータに変換してCPU12に送信する。CPU12は、変位計11から送信された深さδのデータ,負荷検出計7からの荷重のデータに基づき、負荷時の荷重−変位の関係を示す負荷データを採取し、記憶手段13に記憶させる(S2)。なお、CPU12は、圧子6に荷重が負荷された時間Tと深さδとの関係を示すデータ、圧子6に荷重が負荷された時間Tと荷重との関係を示すデータを採取し、この二つのデータを総合して荷重−変位の関係を示す負荷データを採取することもできる。
荷重が最大荷重Lに達すると、負荷装置4は最大荷重Lを一定の時間保つ。その後除荷工程において、負荷装置4は荷重を除荷し一定速度で圧子6を上昇させる(S3)。負荷装置4は試料9の弾性回復の速度を考慮して、除荷データと負荷データの履歴を区別できるように、圧子6を0.1〜1μm/秒程度の速度で上昇させる。負荷検出計7は、試料9の弾性回復によって試料9が圧子6に加えた荷重のデータをCPU12に送信する。変位センサ10は、圧子6の変位のデータを変位計11に送信し、変位計11は変位センサ10が送信したデータを試料9の表面から圧子6が押し込まれた深さδのデータに変換しCPU12に送信する。CPU12は、負荷検出計7,変位計11から送信されたデータに基づき、除荷時の荷重−変位の関係を示す除荷データを採取し、記憶手段13に記憶させる(S4)。なお、CPU12は、荷重が除荷された時間Tと深さδとの関係を示すデータ、荷重が除荷された時間Tと荷重との関係を示すデータを採取し、この二つのデータを総合して荷重−変位の関係を示す負荷データを採取することもできる。
第1判定工程において、CPU12は記憶手段13が記憶した負荷データと除荷データとを比較し(S5)、最大深さδからの除荷時の荷重変化量が第1許容範囲内かどうかを判定する。除荷時の最大深さδからの荷重変化量は、除荷データから求められる除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きで表すことができる。この傾きは除荷曲線を微分して求めることができる。また、除荷データから差分法で求めることもできる。なお、本実施の形態においては、除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きnと負荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きmとの比の換算値n/mを指標として第1許容範囲を設定し、n/m=1.05を上限とする。
第1判定工程において、まずn/m≧1.05かどうかを判定する(S6)。n/m≧1.05のときは、次にn/m≧1.5かどうかを判定する(S7)。n/m=1.5は、最大深さδを試料9に形成された圧痕(永久窪み)の表面積を算出できる深さ(仮想深さδ)とみなすかどうかの閾値であり、適宜設定することができる。S7においてn/m≧1.5のときは、除荷曲線は負荷曲線から大きくずれていることを意味しており圧痕は塑性変形が支配的だから、図3に示す最大深さδを、試料9に形成された圧痕(永久窪み)の表面積を算出できる深さ(仮想深さδ)とみなす(S8)。次にCPU12は、硬度演算工程において、仮想深さδに基づいて永久窪みの表面積を算出し、(最大荷重L)/(永久窪み表面積)を演算することによって硬度を算出する(S9)。
S7においてn/m<1.5のとき(即ち1.05≦n/m<1.5のとき)は、最大深さδからの除荷曲線は負荷曲線からややずれていることを意味しており、最大深さδを仮想深さδとみなすと誤差が大きくなるので、補間法によって仮想深さδを算出する(S10)。本実施の形態においては、仮想深さδを(4)式の補間式よって算出する。
δ=δ−(L/m)×(1.5−n/m)/(1.5−1.05)…(4)
次にCPU12は、硬度演算工程において、仮想深さδに基づいて永久窪みの表面積を算出し、(最大荷重L)/(永久窪み表面積)を演算することによって硬度を算出する(S11)。
CPU12は、S6において、最大深さδからの除荷時の荷重変化量が第1許容範囲内である、即ちn/m<1.05であると判定したとき、第2判定工程において、記憶手段13が記憶した最大深さδより浅い領域における深さδ(δ<δ)の負荷データと除荷データとを比較し、除荷時の深さδ付近における荷重Lの変化量が第2許容範囲内かどうかを判定する(S12)。除荷時の荷重変化量は、除荷データから求められる除荷曲線の深さδにおける接線の傾きで表すことができ、この傾きは除荷曲線を微分して求めることができる。また、除荷データから差分法で求めることもできる。なお、本実施の形態においては、除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きnと負荷曲線の深さδにおける接線の傾きmとの比の換算値n/mを指標として第2許容範囲を設定し、n/m=1.05を上限とする。
第2判定工程において、n/m≧1.05かどうかを判定し、n/m≧1.05のときに第2許容範囲内でないと判定し、仮想深さ算出工程において、負荷データから求められる負荷曲線の深さδにおける接線(図4に一点破線で示す)に基づいて仮想深さδを算出する(S13)。仮想深さδは、図4に示すδ軸と接線の方程式との交点であり、試料9に形成された圧痕(永久窪み)の表面積を算出できる深さを示している。次にCPU12は、硬度演算工程において、仮想深さδに基づいて永久窪みの表面積を算出し、(最大荷重L)/(永久窪み表面積)を演算することによって硬度を算出する(S14)。
CPU12はS12において、除荷時の全ての深さδ(0<δ<δ)におけるn/mを計算した結果、全ての深さδにおいてn/m<1.05であると判定したときは、試料9は圧子6の負荷によって弾性変形しただけで永久窪みが形成されていないことを意味しており、硬度を算出することができないため、硬度測定を終了する。
なお、CPU12は、負荷データ、除荷データ、負荷曲線、除荷曲線等を、表示装置14を用いて表示させることができる。
なお、本実施の形態で、第1判定工程において第1許容範囲の上限をn/m=1.05に設定し、第2判定工程において第2許容範囲の上限をn/m=1.05に設定したのは、上限が1.05より小さくなると、負荷データと除荷データのわずかな差で許容範囲を逸脱したと判定され易く、仮想深さδを圧痕の深さよりも深く見積もる傾向が強くなり、硬度が過小評価される傾向が著しくなるからである。また、上限が1.05より大きくなると検出感度が低下するからである。
また、本実施の形態で、第1判定工程においてn/m≧1.05のときは、さらにn/m≧1.5か否かを判定するように設定したのは、上限が1.5より小さくなると、仮想深さδを圧痕の深さよりも深く見積もる傾向が強くなり、硬度が過小評価される傾向が著しくなるからである。また、上限が1.5より大きくなっても補間法によって求められる深さδと最大深さδは大差ないことがわかったからである。
以上のように、本発明の実施の形態1における微小硬度計は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)軟質の基材の表面に硬い表面層が形成された試料等のように弾性変形によるたわみが生じ易い試料9に圧子6を押し込み、最大荷重Lを負荷した後に除荷した場合、圧子6が試料9の表面層を完全に破壊していない場合には、除荷の初期には試料9の弾性回復によって、試料9から圧子6に負荷時と同じ強さの荷重Lが負荷される。このため、除荷時の初期の除荷データは、負荷データとほぼ一致する。除荷が進み試料9のたわみが小さくなると試料9の復元力が小さくなるため、試料9から圧子6に加えられる荷重Lは、負荷時に圧子6が試料9に負荷した荷重Lよりも小さくなり負荷データとずれが生ずる。この特性を利用して、記憶手段13に負荷データを記憶させ、CPU12を用いて除荷データと比較し、深さδにおける除荷時の荷重変化量が第2許容範囲内かどうかを判定する。第2許容範囲内でないと判定したときは、負荷データから求められる負荷曲線の接線(傾きm)を求め、この接線の荷重L=0(完全に除荷された場合)における深さを算出し、算出された深さを圧痕(永久窪み)の表面積から算出される深さ(仮想深さδ)とみなして仮想深さδと最大荷重Lとに基づいて硬度を演算することができる。
(2)CPU12は、除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きnと負荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きmとの比の換算値n/mについて、第1許容範囲内か否かを判定し、n/m≧1.5のときは最大深さδを試料9に形成された圧痕(永久窪み)の表面積を算出できる深さ(仮想深さδ)とみなし、1.05≦n/m<1.5のときは補間法によって仮想深さδを算出するので、金属のように弾性変形によるたわみが生じ難い試料の硬度も測定することができ応用性に優れる。
(3)圧子6に負荷を加え試料9に押し込む負荷データ及び圧子6の除荷時の除荷データを採取し、そのデータに基づいて仮想深さδを算出するので、圧痕の深さと対角線の長さを複数回計測して補正値を算出して補正を行う等の煩雑な操作が不要なため、簡便な操作で硬度を算出でき操作性に優れる。
(4)負荷曲線は比較的単純なので、CPU12は、負荷曲線の深さδにおける接線の傾きをほぼ正確に求めることができ誤差が生じ難く、また圧子6の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができる。
(5)実際の圧痕の深さ、圧痕の対角線の長さを計測する必要がないので、微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れる。
(6)電子はかりからなる負荷検出計7を用いているので、極めて感度が高く微小な荷重の変化を検出することができ、さらに圧子6を試料9に押し込んだ深さδを静電容量式センサの変位センサ10で測定するので、微小な深さの変化も検出することができるため、荷重Lと深さδとの関係を示す負荷データ及び除荷データを精度良く測定でき、試料の硬度の高精度測定ができる。
また、以上のような実施の形態1における微小硬度測定法によれば、以下のような作用が得られる。
(1)荷重の負荷時の負荷データと除荷時の除荷データを採取し、そのデータに基づいて仮想深さδを算出するので、圧痕の深さと対角線の長さを複数回計測して補正値を算出して補正を行う等の煩雑な操作が不要なため、簡便な操作で硬度を算出でき操作性に優れる。
(2)金属のようにたわみが生じ難い試料、基材の表面に硬質の表面層が形成された試料のようにたわみが生じ易い試料のいずれの硬度も演算することができ、汎用性に優れる。
(3)負荷曲線及び最大深さδ付近の除荷曲線は比較的単純なので、負荷曲線の深さδにおける接線の傾きm、除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きnをほぼ正確に求めることができ誤差が生じ難く、また圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができる。
(4)実際の圧痕の深さ、圧痕の対角線の長さを計測する必要がないので、微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れる。
なお、本実施の形態においては、変位センサ10は静電容量の変化を利用する静電容量式センサを用いたが、電磁誘導、磁界の変化等を利用するもの、光干渉を利用するもの、ひずみゲージを利用するもの、フォトニックセンサ(商品名:米国フォトニクス社)を利用するもの等の中から、測定精度の高いものを適宜選択して用いることができる。
また、負荷検出計7として、ステージ8の下部に配置された上皿電子はかりを用いたが、ストレインゲージ等を利用した動ひずみ型荷重変換器、化学はかり、ロードセル式や電磁式の電子はかり等を用いることができる。負荷装置4側で荷重を検出するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、1.05≦n/m<1.5の場合、n/m≧1.5の場合、n/m≧1.05の場合に分けて仮想深さδを求めたので、1.05又は1.5をn/m、n/mの閾値として設定した。この閾値は試料の材質に依存せず概ね一定範囲に設定できる。なお、除荷時の圧子の速度等を変えて予備実験を行い、その結果に応じて適宜設定することもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリカーボネート製の基材(厚さ10mm)の表面に厚さ5〜10μmの硬質ガラス層が形成された試料の硬度を、実施の形態1で説明した微小硬度計を用いて測定した。
ステージの上に試料を置き、ビッカース圧子を試料の表面から0.2μm/秒の速度で押し込んだ。最大荷重(設定された試験力)L=109mNまで負荷した後、最大荷重Lを15秒間保持して、次に圧子の荷重を除荷し、負荷時と同じ0.2μm/秒の速度で圧子を試料から引き上げた。
図5は実施例1における負荷データ,負荷曲線,除荷データ,除荷曲線及び仮想深さδを示す図である。横軸は深さ、縦軸は荷重であり、白丸は実測した負荷データ、黒丸は実測した除荷データ、実線は負荷曲線及び除荷曲線、破線は第2許容範囲から外れた深さδにおける負荷曲線の接線(傾きm)を示している。
実施例1の場合、接線(傾きm)の方程式を計算することによって、仮想深さδは2.5μmと求められたため、ビッカース硬さHvの定義式Hv=1.85437×{L/(δ/0.1428)}にδ及びLを代入して、試料のビッカース硬さHv=660MPaと算出することができた。
なお、本実施例の場合、算出されるビッカース硬さは、試料に負荷する最大荷重(試験力)の大きさに依存することもわかった。最大荷重の大きさに依存して仮想深さδが変わり、永久窪み表面積が変わるからである。具体的には、試料に負荷する最大荷重Lが109mNより低くなればなるほど、試料の表面の硬質ガラス層の影響が大きくなり、仮想深さδが浅く永久窪み表面積が小さくなるためビッカース硬さが高くなり、試料に負荷する最大荷重Lが109mNより高くなればなるほど、試料の基材のポリカーボネートの影響が大きくなり、仮想深さδが深く永久窪み表面積が大きくなるためビッカース硬さが低くなる傾向がみられた。
以上のように本実施例によれば、圧痕の深さと対角線の長さを複数回計測して補正値を算出して補正を行う等の煩雑な操作が不要なため、簡便な操作で硬度を算出でき操作性に優れ、また微小荷重しか負荷できず微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れていることが確認された。
本発明は、圧子を試料に押し込み圧痕を形成して硬度を算出する微小硬度測定法及び微小硬度計に関し、特に、軟質の基材の表面に形成された硬い表面層の硬度を算出するのに最適な微小硬度測定法及び微小硬度計に関し、圧痕の深さと対角線の長さを複数回計測して補正値を算出して補正を行う等の煩雑な操作が不要なため、簡便な操作で硬度を算出でき操作性に優れ、また誤差が生じ難く圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができ、さらに微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れる微小硬度測定法を提供することができ、また硬度を短時間で自動的に算出でき操作性に優れ、また誤差が生じ難く圧子の形状にも影響されず高い精度で硬度を算出することができ、さらに微小荷重しか負荷できず対角線の長さが10μm程度以下の微小な圧痕しか形成できないような硬い表面層が形成された試料の硬度も算出することができ応用性に優れる微小硬度計を提供することができる。
実施の形態1における微小硬度計を示すブロック図 微小硬度計における動作を示すフローチャート 仮想深さδの算出原理を示す図 仮想深さδの算出原理を示す図 実施例1における負荷データ,負荷曲線,除荷データ,除荷曲線及び仮想深さδを示す図 軟質の基材の表面に硬い表面層が形成された試料に圧子を押し込んだときの様子を示す模式図
符号の説明
1 微小硬度計
2 台部
3 枠体
4 負荷装置
5 圧子架台
5a 延設部
6 圧子
7 負荷検出計
8 ステージ
9 試料
10 変位センサ
10a,10b 電極板
11 変位計
12 CPU
13 記憶手段
14 表示装置

Claims (5)

  1. 圧子を試料に押し込み圧痕を形成して硬度を算出する微小硬度測定法であって、
    前記圧子に負荷した荷重Lと、前記試料の表面から前記圧子が押し込まれた深さδと、の関係を示す負荷データを最大荷重L(最大深さδにおける荷重)まで採取する負荷工程と、
    除荷後に前記圧子にかかる荷重Lと前記深さδとの関係を示す除荷データを採取する除荷工程と、
    前記除荷データを前記負荷データと比較して、除荷時の前記最大深さδからの荷重変化量が第1許容範囲内かどうかを判定する第1判定工程と、
    前記荷重変化量が前記第1許容範囲内であると判定したとき、除荷時の深さδ(δ<δ)における荷重、若しくは深さδ付近における荷重変化量が第2許容範囲内かどうかを判定する第2判定工程と、
    前記荷重若しくは前記荷重変化量が、(a)前記第1許容範囲内でないと判定したとき、前記除荷データから求められる除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きに基づいて仮想深さδを算出する、若しくは、前記最大深さδを仮想深さδとみなす、又は、(b)前記第2許容範囲内でないと判定したとき、前記負荷データから求められる負荷曲線の深さδにおける接線の傾きに基づいて仮想深さδを算出する仮想深さ算出工程と、
    前記仮想深さδと前記最大荷重Lとに基づいて硬度を演算する硬度演算工程と、
    を備えていることを特徴とする微小硬度測定法。
  2. 前記第1許容範囲の上限が、前記除荷曲線の最大深さδにおける接線の傾きnと前記負荷曲線の深さδにおける接線の傾きmとの比の換算値n/mで定められていることを特徴とする請求項1に記載の微小硬度測定法。
  3. 前記第2許容範囲の上限が、前記除荷曲線の深さδ(δ<δ)における接線の傾きnと前記負荷曲線の深さδにおける接線の傾きmとの比の換算値n/mで定められていることを特徴とする請求項1に記載の微小硬度測定法。
  4. (a)圧子に荷重を負荷して試料に圧痕を形成する負荷装置と、
    (b)荷重の負荷時に前記圧子が前記試料に加えた荷重L、及び、除荷時に前記試料が前記圧子に加えた荷重Lを検出する負荷検出計と、
    (c)前記試料の表面から前記圧子が押し込まれた深さδを検出する変位計と、
    (d)前記負荷検出計及び前記変位計からの情報に基づき、負荷時の荷重Lと深さδとの関係を示す負荷データ、除荷時の荷重Lと深さδとの関係を示す除荷データ、最大深さδ及び最大荷重L(前記最大深さδにおける荷重)を記憶する記憶手段と、
    (e)前記除荷データを前記負荷データと比較して、除荷時の深さδ(δ<δ)における荷重若しくは深さδ付近における荷重変化量が第2許容範囲内かどうかを判定し、前記第2許容範囲内でないと判定したとき、前記負荷データから求められる負荷曲線の深さδにおける接線の傾きに基づいて仮想深さδを算出し、前記仮想深さδと前記最大荷重Lとに基づいて硬度を演算する演算手段と、
    を備えていることを特徴とする微小硬度計。
  5. 前記変位計が検出する深さδが、前記圧子が先端に配設された圧子架台の側方に延設された延設部の下面と前記試料の表面との間に配置された静電容量式センサで測定され、前記負荷検出計が、前記試料を載せたステージの下部に配置された上皿電子はかりからなることを特徴とする請求項4に記載の微小硬度計。
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